説明

照明用光源及び照明装置

【課題】LEDを用いた照明用光源として、環状の照明を得られ、かつ、製造しやすいものを提供する。
【解決手段】照明用光源11は、LED21が環状の基板22の外周面に実装されたLEDモジュール20と、内周面が基板22の外周面と対向する環状の導光体30と、導光体30の外周面を覆う反射体35とを備える。LED21は、表面から光を発する。導光体30は、LED21が発する光を内周面から入射する。そして、導光体30は、内周面から入射した光を内部で拡散させて上下両方の端面から出射する。このとき、導光体30の内周面から入射した光の一部は導光体30の端面から出射されずに導光体30の外周面に到達するが、そのような光は外周面を覆う反射体35によって導光体30の内側に反射され、内部で拡散して導光体30の上下いずれかの端面から出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)を用いた照明用光源及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDを用いた第1の照明用光源として、一方向に細長く延びる導光体又は四角形状の平板である導光体の端面にLEDを配置し、導光体の出射面から光を出射するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来のLEDを用いた第2の照明用光源として、環状の基板上に配列したLEDを環状に形成したカバー部材で覆ったものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−113709号公報
【特許文献2】特開2010−3683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の第1の照明用光源では、環状や曲線状の照明を得ることができないため、丸管蛍光ランプの置き換えができないという課題がある。
【0006】
また、従来の第2の照明用光源では、LEDを配列する基板を環状に形成したり、LEDを環状に実装したりする必要があるため製造しづらいという課題がある。
【0007】
本発明は、例えば、LEDを用いた照明用光源として、環状の照明を得られ、かつ、製造しやすいものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様に係る照明用光源は、
光を発するLEDと、
前記LEDが外周面に実装された環状の基板と、
内周面が前記基板の外周面と対向し、前記LEDが発する光を内周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する環状の導光体とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一の態様では、照明用光源が、環状の基板と環状の導光体とを備えている。基板は、LEDが外周面に実装されており、導光体は、内周面が基板の外周面と対向し、LEDが発する光を内周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する。そのため、本発明の一の態様によれば、LEDを用いた照明用光源として、環状の照明を得られ、かつ、製造しやすいものを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)実施の形態1に係る照明装置の斜視図、(b)実施の形態1の変形例に係る照明装置の斜視図。
【図2】(a)実施の形態1に係る照明装置の部分断面側面図、(b)実施の形態1の変形例に係る照明装置の部分断面側面図。
【図3】実施の形態1に係るLED電源の構成を示すブロック図。
【図4】(a)実施の形態1に係る照明用光源の上面図、(b)実施の形態1に係る照明用光源のA−A断面図、(c)実施の形態1に係るLEDモジュールの側面図。
【図5】(a)実施の形態2に係る照明用光源の上面図、(b)実施の形態2に係る照明用光源のA−A断面図、(c)実施の形態2に係るLEDモジュールの側面図。
【図6】(a)実施の形態3に係る照明用光源の上面図、(b)実施の形態3に係る照明用光源のA−A断面図、(c)実施の形態3に係るLEDモジュールの側面図、(d)実施の形態3に係る他のLEDモジュールの側面図。
【図7】(a)実施の形態4に係る照明用光源の上面図、(b)実施の形態4に係る照明用光源のA−A断面図、(c)実施の形態5に係るLEDモジュールの側面図。
【図8】(a)実施の形態6に係る照明用光源のA−A断面図、(b)実施の形態7に係る照明用光源のA−A断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1(a)は、本実施の形態に係る照明装置10の斜視図である。図2(a)は、照明装置10の部分断面側面図である。
【0013】
図1(a)、図2(a)において、照明装置10は、LEDモジュール20と導光体30とを備えた照明用光源11を少なくとも1つ具備する。LEDモジュール20は、LED21(光源)とLED21が実装された基板22とで構成されている。図中、導光体30が断面矩形状である例を示しているが、導光体30は断面円形状であってもよいし、断面楕円形状、断面半円形状、断面ドーム形状、断面台形状等であってもよい。なお、図2(a)では、照明装置10が複数組(具体的には、2組)の照明用光源11を具備する例を示しているが、図1(a)では、簡単のため、照明装置10が1組のみの照明用光源11を具備する例を示している。ここで、1組の照明用光源11とは、1つ又は複数の照明用光源11を組み合わせ、全体として環状のランプとなったものをいう。照明用光源11の詳細な構成については後述する。
【0014】
照明装置10は、照明用光源11に加えて、本体12、ホルダー13、LED電源14(電源装置)、配線15、引き紐16、反射カバー17(セード)、固定具18を具備する。
【0015】
照明用光源11は着脱自在であり、照明装置10に取り付けられる場合には、本体12から下方に延びるホルダー13によって固定される。LED電源14も着脱自在であり、照明装置10に取り付けられる場合には、本体12内部に収容される。照明用光源11のLEDモジュール20の基板22とLED電源14とは配線15で接続される。LED電源14は、配線15を介してLEDモジュール20の基板22に電力を供給する。また、LED電源14は、引き紐16が引っ張られたとき、あるいは、不図示のボリュームダイヤルやスイッチやリモコン(ワイヤレス)等から所定の信号が送信されたときに、配線15を介してLEDモジュール20の基板22に点灯制御信号や調光制御信号等の各種信号を伝送する。LEDモジュール20のLED21が点灯すると、LED21から発せられた光が照明用光源11の導光体30によって拡散され、周囲に放射される。このとき、上方や側方に放射された光は、照明用光源11を上から覆う反射カバー17によって下方に反射されるため、器具効率が高まる。照明装置10は、例えば天井面に設置され、固定具18によって固定される。
【0016】
照明装置10を構成する部品のうち、照明用光源11及びLED電源14以外については、例えば従来の丸管蛍光ランプ用の部品を用いることができる。したがって、従来の丸管蛍光ランプを用いた照明器具に、本実施の形態に係る照明用光源11及びLED電源14を取り付けることで、光源の長寿命化、省エネが図れる。例えば、照明用光源11の導光体30の外径(平面視での縦幅及び横幅)を205mm(ミリメートル)程度、断面の縦幅及び横幅を29mm程度とすれば、照明用光源11により従来の20形の丸管蛍光ランプを置き換え可能である。同様に、導光体30の外径を225mm程度、断面の縦幅及び横幅を29mm程度とすれば、従来の30形の丸管蛍光ランプを置き換え可能である。
【0017】
ここで、図2(a)に対応する図として、図2(b)に本実施の形態の変形例を示す。図2(b)に示すように、照明装置10は、反射カバー17に代えて、照明用光源11からの光を拡散させる拡散カバー19を具備してもよい。前述したように、LEDモジュール20のLED21が点灯すると、LED21から発せられた光が照明用光源11の導光体30によって拡散され、周囲に放射される。このとき、本例では、導光体30から放射された光が、照明用光源11を下から覆う(照明用光源11の前面に取り付けられた)拡散カバー19によってさらに拡散するため、明るさのムラを低減することができる。なお、図2(a)に示した反射カバー17や図2(b)に示した拡散カバー19は、照明装置10を実現する上で必須のものではなく、照明装置10は、用途によっては照明用光源11をそのまま直視できる構成であってもよい。
【0018】
図3は、LED電源14の構成を示すブロック図である。
【0019】
図3において、LED電源14は、固定具18の内部を通る電線により商用電源40と接続される。また、前述したように、LED電源14は、配線15により照明用光源11のLEDモジュール20の基板22と接続される。
【0020】
LED電源14は、交流−直流変換回路41、調光部42、制御部43を備える。なお、照明用光源11がLEDモジュール20を複数備える場合、LED電源14は、LEDモジュール20ごとに、調光部42を備えることになる。
【0021】
交流−直流変換回路41は、商用電源40から入力される交流電流を直流電流に変換して調光部42に入力することにより、調光部42に電力を供給する。調光部42は、LEDモジュール20の基板22を介して、LEDモジュール20のLED21を点灯/消灯させる機能を有している。また、調光部42は、基板22に対し、順電流制御(電流値を調整することにより光源の明るさを調節する制御)やデューティ制御(光源を高速で点滅させ、その点灯時間の割合を調整することにより光源の明るさを調節する制御)等によりLED21の発光強度を変化させる機能を有している。制御部43は、LEDモジュール20全体(LEDモジュール20が複数ある場合は、個別のLEDモジュール20全体、又は、照明用光源11全体)を所望の発光強度に調節するための入力を外部から受け付ける機能を有している。また、制御部43は、その入力に従った信号を調光部42に与える機能を有している。入力手段としては、前述したように、引き紐16、あるいは、ボリュームダイヤルやスイッチやリモコン等を用いることができる。
【0022】
図4(a)は、照明用光源11の上面図である。図4(b)は、照明用光源11のA−A断面図である。図4(c)は、LEDモジュール20の側面図である。なお、図4(c)は、LEDモジュール20を導光体30に装着する前の状態を示しており、LEDモジュール20を導光体30に装着した後の状態ではLEDモジュール20の側面が上を向く(他方の側面は下を向く)ことになる(即ち、図4(c)は、LEDモジュール20を図4(a)と同じ方向からみた図である)。
【0023】
図4(a)及び(b)において、照明用光源11は、LED21が環状の基板22の外周面に実装されたLEDモジュール20を備える。また、照明用光源11は、内周面が基板22の外周面と対向する環状の導光体30を備える。さらに、照明用光源11は、導光体30の外周面を覆う反射体35(反射板)を備える。なお、図4(a)では、LEDモジュール20の基板22上に24個のLED21が直線状に略等間隔で配置された例を示しているが、LED21の数や配置はこれに限るものではない。例えば、23個以下あるいは25個以上のLED21が直線状に配置されてもよいし、複数のLED21が複数列の直線状、あるいは、ランダムに配置されてもよい。
【0024】
ここで、図1(a)に対応する図として、図1(b)に本実施の形態の変形例を示す。図1(b)に示すように、LEDモジュール20の基板22と導光体30とは、照明用光源11全体が平面視で略半円形状になるように形成されてもよい。即ち、基板22と導光体30とが略半円形の弧状に形成されてもよい。この場合、2つの照明用光源11の端部同士を連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。また、図示していないが、基板22と導光体30とは、略1/N円形状(Nは2以上の整数)となるように形成されてもよい。この場合、N個の照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。
【0025】
図4(a)及び(b)において、導光体30は、例えば、内部に光を拡散させる処理(拡散処理)が施されたアクリル又はその他の透光材料(例えば、ポリカーボネイト、ガラス)からなり、板状に形成され、環状に湾曲している。なお、導光体30は、透光材料を環状に型成形したものであってもよいし、長手状の導光板を、長手方向で湾曲して環状になるように曲げ加工したものであってもよい。
【0026】
導光体30の外周面を覆う反射体35は、例えば、反射ミラーや白色板といった反射板である。なお、反射体35は、例えば、導光体30の外周面自体に反射コーティングや白色塗装といった反射処理を施したものであってもよい。
【0027】
図4(c)において、LED21が実装される基板22は、例えば、フレキシブルな材料からなり、LED21を実装する際は平面形状となっている。即ち、基板22は、環状に変形させることが容易な材料で形成されている。
【0028】
図4(a)及び(b)において、LED21は、表面(発光面)から光を発する。導光体30は、LED21が発する光を内周面(入射面)から入射する。そして、導光体30は、内周面から入射した光を内部で拡散させて少なくとも一端面(出射面)から出射する。本実施の形態では、導光体30が、内周面から入射した光を上下両方の端面から出射する。このとき、導光体30の内周面から入射した光の一部は導光体30の端面から出射されずに導光体30の外周面に到達するが、そのような光は外周面を覆う反射体35によって導光体30の内側に反射され、内部で拡散して導光体30の上下いずれかの端面から出射される。
【0029】
このように、本実施の形態では、LED21の発光面が、環状に湾曲した導光体30の内側面(入射面)に配置され、光を反射する板状の反射体35が、導光体30の外側面に備えられている。入射面より入射した光は、導光体30に施された拡散処理により拡散して、導光体30の周方向に延在する面(出射面)から出射される。
【0030】
なお、導光体30の出射面には、入射面から入射した光を拡散させる拡散パターンが形成されてもよい。これにより、出射光の出射効率が向上する。拡散パターンとしては、例えば、凹凸加工が施されてもよいし(具体的には、断面略V字形又はその他の形状の溝が多数形成される)、ドット印刷が施されてもよい。
【0031】
また、本実施の形態では、導光体30の外周部端面からの光の出射が反射体35によって防止され、導光体30の上下いずれかの端面から光を出射するように照明用光源11が構成されているが、照明用光源11あるいは照明装置10の使用目的や意匠性によっては、反射体35を外して導光体30の外周部端面から光を出射させてもよい。
【0032】
図4(a)及び(b)において、導光体30は、透光性を有するプラスチック材料(透明樹脂)からなるものが望ましいが、ガラス材料からなるものでもよい。プラスチック材料を用いた場合、曲げ加工をしたり、光を拡散させる処理を施したりすることが容易となる。プラスチック材料としては、例えば、半透明の部分結晶プラスチックや半透明のポリマーアロイを用いることができる。
【0033】
部分結晶プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂を用いることができる。
【0034】
なお、プラスチック材料として、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリサルフォン(PSF)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)樹脂のいずれか、あるいは、これらのうち複数を組み合わせたものを用いることもできる。
【0035】
図示していないが、導光体30は、上記のようなプラスチック材料中に、当該プラスチック材料とは異なる屈折率の微粒子を分散させてなるものであってもよい。この場合、屈折率差を利用して微粒子の表面で光を拡散させることが可能となる。微粒子としては、例えば、透明なガラス材料を用いることができる。
【0036】
また、図示していないが、導光体30は、上記のようなプラスチック材料中に、白色のセラミック粉末を分散させてなるものであってもよい。この場合、粉体と光の衝突により光を拡散させることが可能となる(粉体が白色であるため光吸収は少ない)。セラミック粉末としては、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、カルシア、セリア、イットリア、ジルコニア等の金属酸化物や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等を用いることができる。
【0037】
なお、異なる屈折率の微粒子や白色のセラミック粉末を分散させる透明なプラスチック材料として、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、ポリサルフォン(PSF)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメチルペンテン(PMP)樹脂のいずれかを用いることができる。
【0038】
本実施の形態において、LEDモジュール20の基板22上に実装される複数のLED21は、全てが同じ色温度の光を発するものであってもよいし、下記のように、互いに異なる色温度の光を発する少なくとも2種類のLED21を組み合わせたものであってもよい。
【0039】
図示していないが、例えば、2種類のLED21として、色温度が3000K(ケルビン)のLED21と色温度が6000KのLED21とを組み合わせることができる。このとき、LED電源14の制御部43は、前述した機能に加えて、LEDモジュール20全体(LEDモジュール20が複数ある場合は、個別のLEDモジュール20全体、又は、照明用光源11全体)を所望の色温度に調節するための入力を外部から受け付ける機能を有する。そして、制御部43は、その入力に従った信号を調光部42に与える機能を有する。LED電源14の調光部42は、2種類のLED21をそれぞれ独立して調光するように構成されることが望ましい。これにより、照明用光源11全体の色温度を3000〜6000Kの間で可変とすることができる。また、2種類のLED21を、それぞれ1個又は複数個ずつ交互に配置する(即ち、周期的に入れ替えて配列する)ことにより、光の混色性を高めることができる。また、2種類のLED21を、同じ色温度のものが隣り合わないように複数列の直線状に配置してもよい。これにより、光の混色性をさらに高めることができる。
【0040】
なお、図1(b)に示すように、複数の照明用光源11を連結したり、近接するように位置を固定したりする場合、全ての照明用光源11に同じ色温度の光を発するものを用いてもよいし、互いに異なる色温度の光を発する少なくとも2種類の照明用光源11を組み合わせて用いてもよい。例えば、2種類の照明用光源11として、色温度が3000KのLEDモジュール20を備えた照明用光源11と色温度が6000KのLEDモジュール20を備えた照明用光源11とを組み合わせることができる。この場合、2種類の照明用光源11を、それぞれ1個又は複数個ずつ交互に配置したり、同じものを対角線上に配置したりすることにより、意匠性に優れた照明装置10を提供することができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態によれば、1つ又は複数の照明用光源11によって環状の発光面を形成し、グレア(眩しさ)のない照明器具を提供することができる。これにより、LED21の長寿命、高効率といった特徴を活かした円形照明装置が得られるだけでなく、円形照明装置で使われる丸形蛍光管を本実施の形態に係る照明用光源11により置き換え(リプレース)可能となる。また、本実施の形態によれば、基板22を表面(LED21の実装面)が環状になるように形成したり、LED21を発光面が環状に並ぶように実装したりする必要がないため、製造しやすい照明器具を提供することができる。
【0042】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0043】
図5(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の上面図である。図5(b)は、照明用光源11のA−A断面図である。図5(c)は、LEDモジュール20の側面図である。なお、図5(c)は、LEDモジュール20を導光体30に装着する前の状態を示しており、LEDモジュール20を導光体30に装着した後の状態ではLEDモジュール20の側面が上を向く(他方の側面は下を向く)ことになる(即ち、図5(c)は、LEDモジュール20を図5(a)と同じ方向からみた図である)。
【0044】
図5(a)及び(b)において、照明用光源11は、LED21が環状の基板22の内周面に実装されたLEDモジュール20を備える。また、照明用光源11は、外周面が基板22の内周面と対向する環状の導光体30を備える。さらに、照明用光源11は、導光体30の内周面を覆う反射体35(反射板)を備える。なお、図5(a)では、LEDモジュール20の基板22上に24個のLED21が直線状に略等間隔で配置された例を示しているが、実施の形態1と同様に、LED21の数や配置はこれに限るものではない。
【0045】
図示していないが、LEDモジュール20の基板22と導光体30とは、実施の形態1の変形例と同様に、照明用光源11全体が平面視で略半円形状になるように形成されてもよい。即ち、基板22と導光体30とが略半円形の弧状に形成されてもよい。この場合、2つの照明用光源11の端部同士を連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。また、図示していないが、基板22と導光体30とは、略1/N円形状(Nは2以上の整数)となるように形成されてもよい。この場合、N個の照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。
【0046】
図5(a)及び(b)において、LED21は、表面(発光面)から光を発する。導光体30は、LED21が発する光を外周面(入射面)から入射する。そして、導光体30は、外周面から入射した光を内部で拡散させて少なくとも一端面(出射面)から出射する。本実施の形態では、導光体30が、外周面から入射した光を上下両方の端面から出射する。このとき、導光体30の外周面から入射した光の一部は導光体30の端面から出射されずに導光体30の内周面に到達するが、そのような光は内周面を覆う反射体35によって導光体30の内側に反射され、内部で拡散して導光体30の上下いずれかの端面から出射される。
【0047】
このように、本実施の形態では、LED21の発光面が、環状に湾曲した導光体30の外側面(入射面)に配置され、光を反射する板状の反射体35が、導光体30の内側面に備えられている。入射面より入射した光は、導光体30に施された拡散処理により拡散して、導光体30の周方向に延在する面(出射面)から出射される。
【0048】
図5(c)において、LED21が実装される基板22は、導光体30の外側面に配置されるものであるため、図4(c)に示したものと比べて長くなっており、同数のLED21を実装した場合、LED21の実装間隔を広くすることができる。したがって、本実施の形態によれば、実施の形態1と比べて、LED21からの熱を分散させやすくなるため、LED21のさらなる長寿命化、高効率化が図れる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と比べて、LED21のさらなる長寿命、高効率といった特徴を活かした円形照明装置が得られる。
【0050】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1及び実施の形態2との差異を説明する。
【0051】
図6(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の上面図である。図6(b)は、照明用光源11のA−A断面図である。図6(c)は、LEDモジュール20aの側面図である。図6(d)は、他のLEDモジュール20bの側面図である。なお、図6(c)及び(d)は、LEDモジュール20a,20bを導光体30に装着する前の状態を示しており、LEDモジュール20a,20bを導光体30に装着した後の状態ではLEDモジュール20a,20bの側面が上を向く(他方の側面は下を向く)ことになる(即ち、図6(c)及び(d)は、LEDモジュール20a,20bを図6(a)と同じ方向からみた図である)。
【0052】
図6(a)及び(b)において、照明用光源11は、LED21aが環状の基板22aの外周面に実装されたLEDモジュール20aと、他のLED21bが環状の他の基板22bの内周面に実装されたLEDモジュール20bとを備える。即ち、照明用光源11は、実施の形態1に係るLEDモジュール20と同様のLEDモジュール20aと、実施の形態2に係るLEDモジュール20と同様のLEDモジュール20bとを備える。また、照明用光源11は、内周面が基板22aの外周面と対向し、外周面が基板22bの内周面と対向する環状の導光体30を備える。本実施の形態において、照明用光源11は、実施の形態1や実施の形態2に係る反射体35は備えていない。なお、図6(a)では、LEDモジュール20a,20bの基板22a,22b上にそれぞれ12個のLED21a,21bが直線状に略等間隔で配置された例を示しているが、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、LED21a,21bの数や配置はこれに限るものではない。
【0053】
さらに、図6(a)では、LEDモジュール20aのLED21aとLEDモジュール20bのLED21bとが導光体30の周方向において同じ位置に配置された(即ち、LEDモジュール20aのLED21aの発光面とLEDモジュール20bのLED21bの発光面とが対向する)例を示しているが、LEDモジュール20aのLED21aとLEDモジュール20bのLED21bとが導光体30の周方向において異なる位置に配置されてもよい。例えば、LEDモジュール20aのLED21aとLEDモジュール20bのLED21bとが導光体30の周方向において交互に存在するように配置されていれば、導光体30の周方向においてより均一な光出射が可能となる。また、LEDモジュール20aのLED21aとLEDモジュール20bのLED21bとの間で、実装数、光束、色温度等に差をつけてもよい。
【0054】
図示していないが、LEDモジュール20a,20bの基板22a,22bと導光体30とは、実施の形態1の変形例と同様に、照明用光源11全体が平面視で略半円形状になるように形成されてもよい。即ち、基板22a,22bと導光体30とが略半円形の弧状に形成されてもよい。この場合、2つの照明用光源11の端部同士を連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。また、図示していないが、基板22a,22bと導光体30とは、略1/N円形状(Nは2以上の整数)となるように形成されてもよい。この場合、N個の照明用光源11の端部を順番に連結することで(近接するように位置を固定するだけでもよい)、1組の照明用光源11を構成し、全体として環状のランプとすることができる。
【0055】
図6(a)及び(b)において、LED21a,21bは、表面(発光面)から光を発する。導光体30は、LED21aが発する光を内周面(第1入射面)から、LED21bが発する光を外周面(第2入射面)から入射する。そして、導光体30は、内周面及び外周面から入射した光を内部で拡散させて少なくとも一端面(出射面)から出射する。本実施の形態では、導光体30が、内周面及び外周面から入射した光を上下両方の端面から出射する。
【0056】
このように、本実施の形態では、LED21aの発光面が、環状に湾曲した導光体30の内側面(第1入射面)に配置され、LED21bの発光面が、環状に湾曲した導光体30の外側面(第2入射面)に配置されている。第1入射面及び第2入射面より入射した光は、導光体30に施された拡散処理により拡散して、導光体30の周方向に延在する面(出射面)から出射される。
【0057】
図6(c)及び(d)において、LED21a,21bが実装される基板22a,22bは、導光体30の内側面と外側面とにそれぞれ配置されるものであるため、図4(c)や図5(c)に示したものと比べてLED実装数が減っており、全体で同数のLED21を実装した場合、LED21a,21bの実装間隔を広くすることができる。したがって、本実施の形態によれば、実施の形態1及び実施の形態2と比べて、LED21a,21bからの熱を分散させやすくなるため、LED21a,21bのさらなる長寿命化、高効率化が図れる。
【0058】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1及び実施の形態2と比べて、LED21a,21bのさらなる長寿命、高効率といった特徴を活かした円形照明装置が得られる。
【0059】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0060】
図7(a)は、本実施の形態に係る照明用光源11の上面図である。図7(b)は、照明用光源11のA−A断面図である。
【0061】
図7(a)及び(b)において、照明用光源11は、導光体30の内周面を覆う反射体35(反射板)だけでなく、導光体30の上端面を覆う反射体36(反射板)を備える。反射体36は、例えば、反射ミラーや白色板といった反射板である。なお、反射体36は、例えば、導光体30の上端面自体に反射コーティングや白色塗装といった反射処理を施したものであってもよい。
【0062】
LED21は、表面(発光面)から光を発する。導光体30は、LED21が発する光を内周面(入射面)から入射する。そして、導光体30は、内周面から入射した光を内部で拡散させて一端面(出射面)から出射する。本実施の形態では、導光体30が、内周面から入射した光を下端面のみから出射する。このとき、導光体30の内周面から入射した光の一部は導光体30の下端面から出射されずに導光体30の外周面又は上端面に到達するが、そのような光は外周面を覆う反射体35又は上端面(出射面と逆側の端面)を覆う反射体36によって導光体30の内側に反射され、内部で拡散して導光体30の下端面から出射される。
【0063】
このように、本実施の形態では、導光体30の入射面より入射した光が、導光体30に施された拡散処理により拡散して、導光体30の周方向に延在する面の片方のみ(出射面)から出射される。したがって、本実施の形態によれば、実施の形態1と比べて、器具効率の高い照明を得ることができる。
【0064】
なお、以上説明した実施の形態1〜3と実施の形態4とは、任意に組み合わせて用いることができる。
【0065】
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0066】
図7(c)は、LEDモジュール20の側面図である。なお、図7(c)は、LEDモジュール20を導光体30に装着する前の状態を示しており、LEDモジュール20を導光体30に装着した後の状態ではLEDモジュール20の側面が上を向く(他方の側面は下を向く)ことになる(即ち、図7(c)は、LEDモジュール20を図7(a)と同じ方向からみた図である)。
【0067】
図7(c)において、基板22のLED実装部23(LED21が実装された部分)は、基板22のLED非実装部24(他の部分)より放熱性の高い材料(例えば、アルミニウム等の金属材料)で形成されている。また、LED非実装部24は、LED実装部23より柔軟性の高い材料(例えば、ポリイミドフィルム等の高分子材料)で形成されている。即ち、本実施の形態では、基板22のLED21を実装する箇所が熱伝導率の高い第1部材からなり、その他の箇所が当該第1部材をつなぐフレキシブルな第2部材で構成されている。したがって、本実施の形態によれば、実施の形態1と比べて、LED21の放熱性能が高くなるため、LED21のさらなる長寿命、高効率といった特徴を活かした円形照明装置が得られる。
【0068】
なお、以上説明した実施の形態1〜4と実施の形態5とは、任意に組み合わせて用いることができる。
【0069】
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0070】
図8(a)は、図4(b)に対応する照明用光源11のA−A断面図である。
【0071】
図8(a)において、LEDモジュール20は、カバー37によって導光体30に装着されている。このカバー37には、LEDモジュール20のLED21から発せられる光の漏れを防止する効果もある。なお、LEDモジュール20は、カバー37以外の支持部材によって導光体30に装着されてもよい。
【0072】
実施の形態7.
本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を説明する。
【0073】
図8(b)は、図5(b)に対応する照明用光源11のA−A断面図である。
【0074】
図8(b)において、LEDモジュール20は、実施の形態6と同様に、カバー37によって導光体30に装着されている。このカバー37には、LEDモジュール20のLED21から発せられる光の漏れを防止する効果もある。なお、LEDモジュール20は、カバー37以外の支持部材によって導光体30に装着されてもよい。
【0075】
なお、実施の形態3において、LEDモジュール20a,20bは、実施の形態6及び実施の形態7と同様に、例えばカバー37によって導光体30に装着されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 照明装置、11 照明用光源、12 本体、13 ホルダー、14 LED電源、15 配線、16 引き紐、17 反射カバー、18 固定具、19 拡散カバー、20,20a,20b LEDモジュール、21,21a,21b LED、22,22a,22b 基板、23 LED実装部、24 LED非実装部、30 導光体、31 入射面、32 出射面、35,36 反射体、37 カバー、40 商用電源、41 交流−直流変換回路、42 調光部、43 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発するLEDと、
前記LEDが外周面に実装された環状の基板と、
内周面が前記基板の外周面と対向し、前記LEDが発する光を内周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する環状の導光体と
を備えることを特徴とする照明用光源。
【請求項2】
前記照明用光源は、さらに、
光を発する他のLEDと、
前記他のLEDが内周面に実装された環状の他の基板と
を備え、
前記導光体は、外周面が前記他の基板の内周面と対向し、前記他のLEDが発する光を外周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射することを特徴とする請求項1の照明用光源。
【請求項3】
光を発するLEDと、
前記LEDが外周面に実装された弧状の基板と、
内周面が前記基板の外周面と対向し、前記LEDが発する光を内周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する弧状の導光体と
を備えることを特徴とする照明用光源。
【請求項4】
前記照明用光源は、さらに、前記導光体の外周面を覆い、光を前記導光体の内側に反射する反射体を備えることを特徴とする請求項1又は3の照明用光源。
【請求項5】
光を発するLEDと、
前記LEDが内周面に実装された環状の基板と、
外周面が前記基板の内周面と対向し、前記LEDが発する光を外周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する環状の導光体と
を備えることを特徴とする照明用光源。
【請求項6】
光を発するLEDと、
前記LEDが内周面に実装された弧状の基板と、
外周面が前記基板の内周面と対向し、前記LEDが発する光を外周面から入射し、入射した光を少なくとも一端面から出射する弧状の導光体と
を備えることを特徴とする照明用光源。
【請求項7】
前記照明用光源は、さらに、前記導光体の内周面を覆い、光を前記導光体の内側に反射する反射体を備えることを特徴とする請求項5又は6の照明用光源。
【請求項8】
前記導光体は、入射した光を一端面のみから出射し、
前記照明用光源は、さらに、前記導光体の前記一端面と逆側の端面を覆い、光を前記導光体の内側に反射する反射体を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかの照明用光源。
【請求項9】
前記基板は、前記LEDが実装された部分が他の部分より放熱性の高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかの照明用光源。
【請求項10】
前記基板は、前記LEDが実装された部分より柔軟性の高い材料で他の部分が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかの照明用光源。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかの照明用光源と、前記照明用光源のLEDを点灯させる電源装置とを具備することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−156056(P2012−156056A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15411(P2011−15411)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】