説明

照明装置及び該照明装置を備えたベッド

【課題】照度を変更した際においても就寝者に適した照明動作を行うようにする。
【解決手段】就寝者を覚醒させるために就寝空間(14)を照明する照明ユニット(31)を備えている。照明ユニット(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし制御部(35a)を備えている。目覚まし制御部(35a)は、目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続させ、増大信号に対応した照度に照明ユニット(31)の照度を増大させる補正制御部(35c)を備えている。更に、目覚まし制御部(35a)は、目覚ましモード中に照度の低減信号又は消灯信号が入力されると、目覚ましモードを停止させる停止制御部(35d)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝者が就寝する就寝空間の照明を行う照明装置及び該照明装置を備えたベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、就寝者の入床時や起床時に就寝空間の照明を行う照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、照明器具と覚醒器具とを備え、就寝者を覚醒させる目覚まし装置が記載されている。上記照明器具は、覚醒器具が起動する前に点灯を開始し、照度が小なる状態で点灯した後、照度が大なる状態になるように変化する。これにより、就寝者には、いきなり強い光が入ってくることなく、徐々に覚醒状態に誘導されて覚醒器具が動作するので、就寝者の目覚めの快適性が向上する。
【特許文献1】特公平4−68595
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の照明装置において、照明器具の照度を調節自在にすることが考えられる。しかしながら、照度を調節自在にすると、照度を変更した際に目覚まし装置の目覚まし動作を継続させるか又は停止させるかが問題となる。
【0005】
つまり、就寝者が覚醒した後、寝ぼけたまま照度を増大させる場合がある。この場合、再度就寝してしまうことがあり、目覚まし動作を停止させることは好ましくない。
【0006】
一方、就寝者が覚醒した後、照度を低減又は消灯させる場合がある。この場合、目覚まし装置の照度を要しない程度にしっかりと目覚めた状態にあり、目覚まし動作を継続させることは好ましくない。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、照度を変更した際においても就寝者に適した照明動作を行うようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、照度を増大させた場合は目覚ましモードを継続するようにしたものである。また、本発明は、照度を低減又は点灯させた場合は目覚ましモードを停止するようにしたものである。
【0009】
具体的に、第1の発明は、就寝者を覚醒させるために就寝空間(14)を照明する照明手段(31)を備えた照明装置を対象としている。そして、上記照明手段(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし手段(35a)を備えている。上記目覚まし手段(35a)は、目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続させる。
【0010】
上記第1の発明では、目覚ましモード中に就寝者が照度を増大操作しても目覚ましモードが継続され、就寝者を快適な覚醒状態に移行させる。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記目覚まし手段(35a)は、増大信号に対応した照度に照明手段(31)の照度を増大させる補正手段(35c)を備えている。
【0012】
上記第2の発明では、補正手段(35c)が目覚ましモードを継続させると共に、増大信号に対応した照度に照明手段(31)の照度を増大させる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記目覚まし手段(35a)は、予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる。そして、上記補正手段(35c)は、増大パターンの照度が増大後の照明手段(31)の照度に達すると、上記増大パターンにしたがって照度を増大させる。
【0014】
上記第3の発明では、照明手段(31)の照度が増大された後、予め設定された増大パターンの照度が実際の照明手段(31)の照度になると、その後、増大パターンにしたがって照度が増大する。
【0015】
第4の発明は、上記第1の発明において、上記目覚まし手段(35a)は、増大信号が目覚ましモードの前半に入力されると、増大信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる。
【0016】
上記第4の発明では、増大信号が目覚ましモードの前半に入力される場合、誤操作が多いので、増大信号を無視するようにしている。
【0017】
第5の発明は、上記第2の発明において、上記照明手段(31)が長波長光源(41)と短波長光源(42)とを備えている。そして、上記補正手段(35c)は、増大信号に対応して長波長光源(41)の照度のみを増大させる。
【0018】
上記第5の発明では、補正手段(35c)は、増大信号に対応して長波長光源(41)の照度のみを増大し、不必要な覚醒刺激を与えないようにしている。
【0019】
第6の発明は、就寝者を覚醒させるために就寝空間(14)を照明する照明手段(31)を備えた照明装置を対象としている。そして、上記照明手段(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし手段(35a)を備えている。加えて、上記目覚まし手段(35a)は、目覚ましモード中に照度の低減信号又は消灯信号が入力されると、目覚まし手段(35a)の目覚ましモードを停止させる停止手段(35d)を備えている。
【0020】
上記第6の発明では、目覚ましモード中に就寝者が照度を低減操作するか又は消灯操作すると目覚ましモードを停止し、不必要な照明を防止するようにしている。
【0021】
第7の発明は、上記第6の発明において、上記目覚まし手段(35a)は、低減信号又は消灯信号が目覚ましモードの前半に入力されると、低減信号又は消灯信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる。
【0022】
上記第7の発明では、低減信号又は消灯信号が目覚ましモードの前半に入力される場合、誤操作が多いので、低減信号又は消灯信号を無視するようにしている。
【0023】
第8の発明は、上記第7の発明において、上記照明手段(31)が長波長光源(41)と短波長光源(42)とを備えている。そして、上記目覚まし手段(35a)は、長波長光源(41)のみの照度を増大させた後、長波長光源(41)と短波長光源(42)との照度を増大させる。更に、上記停止手段(35d)は、短波長光源(42)の点灯前に低減信号又は消灯信号が入力されると、短波長光源(42)を点灯させることなく長波長光源(41)の照度を低減させるか又は長波長光源(41)を消灯させる一方、短波長光源(42)の点灯後に低減信号又は消灯信号が入力されると、短波長光源(42)を消灯させると共に、長波長光源(41)の照度を低減させるか又は長波長光源(41)を消灯させる。
【0024】
上記第8の発明では、停止手段(35d)は、低減信号又は消灯信号に基づいて短波長光源(42)及び長波長光源(41)を制御し、不必要な照明を防止するようにしている。
【0025】
第9の発明は、上記第1〜8の何れかの1の発明において、上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備えている。そして、該入眠手段(35b)は、入眠モードの照度が最大照度以下の照度に設定されると、設定照度を維持した後、低減パターンの照度が設定照度に達すると低減パターンにしたがって照度を低減させる補正手段(35g)を有している。
【0026】
上記第9の発明では、就寝者に合わせた入眠モードが実行され、快適な入眠が可能となる。
【0027】
第10の発明は、上記第1〜8の何れかの1の発明において、上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備えている。そして、該入眠手段(35b)は、入眠モードの実行時に照度の変更信号が入力されると、入眠モードを初期状態から再スタートする補正手段(35g)を有している。
【0028】
上記第10の発明では、就寝者の読書等に合わせた入眠モードが実行され、快適な入眠が可能となる。
【0029】
第11の発明は、上記第1〜8の何れかの1の発明において、上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備えている。そして、該入眠手段(35b)は、入眠モードの実行時に照明手段(31)の消灯信号が入力されると、上記照明手段(31)の消灯状態を目覚まし手段(35a)の目覚ましモードの開始まで維持する補正手段(35g)を有している。
【0030】
上記第11の発明では、就寝者の入眠に合わせた入眠モードが実行され、快適な入眠が可能となる。
【0031】
第12の発明は、上記第1〜第11の発明の何れか1の照明装置(30)と人が就寝するためのベッド本体(10)とを備えている。そして、少なくとも上記照明手段(31)が上記ベッド本体(10)に設けられている。
【0032】
上記第12の発明では、照明手段(31)がベッド本体(10)に設けられているので、就寝者に確実に覚醒刺激を与えることができる。
【発明の効果】
【0033】
上記1発明によれば、目覚まし手段(35a)の目覚ましモードによって照明手段(31)の照度を制御するので、光刺激により覚醒時刻前に就寝者を眠りの浅い状態に導き、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0034】
また、上記目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続するようにしたために、一旦目覚めて照度を高めたものの再度眠ってしまった場合においても、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0035】
また、上記第3の発明によれば、増大パターンの照度が増大後の照明手段(31)の照度に達すると、その後、増大パターンにしたがって照度を増大させるので、不必要に眩しい光を供給することがなく、就寝者を不快にさせることがない。
【0036】
また、上記第4の発明によれば、増大信号が目覚ましモードの前半に入力されると、増大信号を無視するようにしているので、就寝者の寝返りなどによる誤動作を確実に防止することができる。
【0037】
また、上記第6の発明によれば、目覚ましモード中に照度の低減信号が入力されると、目覚ましモードを停止するようにしたために、離床しようとしている就寝者に不必要に眩しい光を供給することがないことから、該就寝者を不快にさせることがない。また、照明手段(31)の印加電圧も小さくなるので、無駄な電力使用を防止することができ、省エネルギーを図ることができる。
【0038】
また、上記第7の発明によれば、低減信号又は消灯信号が目覚ましモードの前半に入力されると、低減信号又は消灯信号を無視するようにしているので、就寝者の寝返りなどによる誤動作を確実に防止することができる。
【0039】
また、上記第8の発明によれば、低減信号又は消灯信号に基づいて短波長光源(42)及び長波長光源(41)を制御するので、不必要な照明を防止することができる。
【0040】
また、上記第9〜11の発明によれば、就寝者に対応した入眠モードが実行されるので、快適な入眠を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0042】
《発明の実施形態1》
本実施形態1は、図1及び図2に示すように、ベッド本体(10)に本発明に係る照明装置(30)が設けられたベッド(1)である。
【0043】
〈ベッド本体の構成〉
上記ベッド本体(10)は、寝台部(11)とヘッドボード(20)と天蓋(23)とを備えている。
【0044】
上記寝台部(11)の内部には、図示しないが、電気ヒータなどを利用した空調ユニットが収納されている。上記寝台部(11)には、マットレス(13)が載せられ、該マットレス(13)より露出した両側スペース(17)及び脚側スペース(16)が形成されている。上記脚側スペース(16)には、両側に脚側吹出口(18)が、中央に脚側吸込口(19)がそれぞれ形成されている。上記脚側吹出口(18)は、空調ユニットで生成した調和空気を吹き出す一方、上記脚側吸込口(19)は、就寝者の脚側の空気を上記空調ユニットに取り込む。また、上記脚側スペース(16)には、カーテン保持棒(15)が設けられている。該カーテン保持棒(15)は、脚側スペース(16)の両側に立設する支持棒(15a)に支持され、天蓋(23)のカーテン(28)が脚側吹出口(18)及び脚側吸込口(19)を塞がないようにカーテン(28)を保持する。
【0045】
上記ヘッドボード(20)には、図示しないが、熱電素子などを利用した空調ユニットが収納されている。上記ヘッドボード(20)の前面には、空調ユニットで生成された調和空気の吹き出しグリル(21)が形成されている。また、上記ヘッドボード(20)の上面左側には、天蓋(23)のカーテン(28)を開いた状態に保持する保持部(20b)が設けられている。そして、上記ヘッドボード(20)は、前面における吹き出しグリル(21)のすぐ上に横長の凹部(20a)が形成され、該凹部(20a)に本発明の照明装置(30)が収納されている。
【0046】
上記天蓋(23)は、寝台部(11)の上方を覆って就寝者が就寝する就寝空間(14)を形成するものであり、カーテン(28)と該カーテン(28)を吊す天井部材(26)と該天井部材(26)を支持する支持部(24)とを備えている。
【0047】
上記支持部(24)は、2本の支持棒(25)を備え、該支持棒(25)の一端がヘッドボード(20)の上面に固定され、他端が寝台部(11)の中央部上方に位置している。
【0048】
上記天井部材(26)は、略楕円形の板状に形成され、上面に2枚の横長の固定板(27)が取り付けられている。そして、上記固定板(27)が支持棒(25)に連結されている。
【0049】
上記カーテン(28)の上端側は上記天井部材(26)取り付けられ、下端側はベッド本体(10)の周縁部まで延びている。
【0050】
〈照明装置の構成〉
上記照明装置(30)は、図3(a)に示すように、ケーシング(30a)と照明手段である照明ユニット(31)とコントローラ(32)とを備えている。
【0051】
上記ケーシング(30a)は、横長の矩形の箱形に形成されてヘッドボード(20)の凹部(20a)に収容されている。
【0052】
上記ケーシング(30a)の略左半分の領域には、横長の凹部(30b)が形成され、該凹部(30b)の背面に上記照明ユニット(31)が配置されている。また、上記ケーシング(30a)の凹部(30b)は、光透過性のアクリル板(34)によって閉塞されている。
【0053】
上記照明ユニット(31)は、78個の電球色発光ダイオード(以下、電球色LEDという)(42)と、該電球色LED(41)を支持する3枚の支持基板(43)とを備えている。
【0054】
上記支持基板(43)は、ケーシング(30a)の凹部(30b)の背面に横方向に連続して配置されている。上記各支持基板(43)には、26個の電球色LED(41)が、上下方向に4列で配列されている。上記電球色LED(41)は、長波長光源であり、マットレス(13)に横臥する就寝者よりも上方に位置し、就寝者の上方から光刺激を与え、就寝空間(14)の照明を行うように構成されている。尚、上記電球色LED(41)の個数や、配置構成は、単なる例示である。
【0055】
上記コントローラ(32)は、上記ケーシング(30a)内に収容され、内蔵された時計(図示省略)による時刻情報に基づいて、照明ユニット(31)の照度を制御する。上記コントローラ(32)は、図3(b)に示すように、照度制御部(35)と照度設定部(36)と複数の押しボタン(47,48,49)とを備えている。
【0056】
上記照度設定部(36)は、初期設定部(37)と高照度設定部(38)と低照度設定部(39)とを備えている。また、上記ケーシング(30a)の前面には、設定ボタン(47)と増大ボタン(48)と低減ボタン(49)とが設けられ、該ボタン(47,48,49)は上記照度設定部(36)に接続されている。
【0057】
上記初期設定部(37)は、就寝者の就寝期間中における照明ユニット(31)の照度変化を予め入力設定するためのものである。具体的に、上記初期設定部(37)は、目覚ましモードにおける照明ユニット(31)の照度が、起床予定時刻(Tu)より所定時間前の目覚まし開始時刻(T1)より漸次増大し、起床予定時刻(Tu)で最大照度(Lm)となるように設定されている。
【0058】
上記初期設定部(37)は、設定ボタン(47)が接続され、就寝者などが設定ボタン(47)を操作し、上記目覚まし開始時刻(T1)及び最大照度(Lm)が可変に設定するように構成されている。更に、上記初期設定部(37)は、目覚ましモード以外に、設定ボタン(47)の操作により、就寝者の入床初期や睡眠途中の照度の変化も入力設定するように構成されている。
【0059】
尚、上記初期設定部(37)は、予め複数パターンの照度の変化が入力設定され、就寝者などが設定ボタン(47)の操作により、これらのパターンのうちの何れかを選択する構成であってもよい。また、上記コントローラ(32)は、設定ボタン(47)を備えておらず、上記初期設定部(37)では、照明ユニット(31)の照度が固定に設定されている構成であってもよい。
【0060】
上記高照度設定部(38)は、増大ボタン(48)が接続され、上記目覚まし開始時刻(T1)以降における就寝者の増大ボタン(48)の操作によって、照明ユニット(31)の照度を増大して所定の高照度(L1)となるように構成されている。
【0061】
上記低照度設定部(39)は、低減ボタン(49)が接続され、上記目覚まし開始時刻(T1)以降における就寝者の低減ボタン(49)の操作によって、照明ユニット(31)の照度を低減して所定の低照度(L2)となるように構成されている。
【0062】
尚、上記増大ボタン(48)と低減ボタン(49)とは兼用してもよい。例えば、増大ボタン(48)と低減ボタン(49)とをダイヤル式のボタンで兼用して、時計回りに回転させることにより、照度の増大が入力され、反時計回りに回転させることにより、照度の低減が入力される構成であってもよい。
【0063】
上記照度制御部(35)は、目覚まし制御部(35a)と入眠制御部(35b)とを備え、該目覚まし制御部(35a)及び入眠制御部(35b)は、初期設定部(37)と高照度設定部(38)と低照度設定部(39)からの入力に基づいて照明ユニット(31)が所定の照度になるように電球色LED(41)の印加電圧を制御する。
【0064】
上記目覚まし制御部(35a)は、照明ユニット(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし手段を構成している。
【0065】
上記入眠制御部(35b)は、照明ユニット(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明ユニット(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段を構成している。
【0066】
具体的に、上記目覚まし制御部(35a)は、増大ボタン(48)及び低減ボタン(49)が操作されることがなければ、照明ユニット(31)の照度が就寝者の全就寝期間に亘り初期設定部(37)で設定される照度となるように制御する。したがって、上記目覚まし制御部(35a)は、目覚ましモードにおいて、初期設定部(37)で予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる。
【0067】
上記目覚まし制御部(35a)は、補正制御部(35c)と停止制御部(35d)とを備えている。該補正制御部(35c)は、目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚まし制御部(35a)が目覚ましモードを継続させるように構成されると共に、増大信号に対応した照度に照明ユニット(31)の照度を増大させるように構成されている。そして、上記補正制御部(35c)は、増大パターンの照度が増大後の照明ユニット(31)の照度に達すると、増大パターンにしたがって照度を増大させる。
【0068】
つまり、上記補正制御部(35c)は、目覚まし開始時刻(T1)以降に増大ボタン(48)が操作されて高照度(L1)が設定されると、初期設定部(37)で設定される照度が高照度(L1)を越えるまでは、照明ユニット(31)の照度が高照度(L1)となるように制御し、初期設定部(37)で設定される照度が高照度(L1)を越えると、照明ユニット(31)の照度が初期設定部(37)で設定される増大パターンの照度となるように制御する。
【0069】
上記停止制御部(35d)は、目覚ましモード中に照明ユニット(31)の照度の低減信号が入力されると、目覚ましモードを停止させるように構成されている。
【0070】
つまり、上記停止制御部(35d)は、目覚まし開始時刻(T1)以降に低減ボタン(49)が操作されて低照度(L2)が設定されると、以後、照明ユニット(31)の照度が低照度(L2)となるように制御する。
【0071】
上記入眠制御部(35b)の低減パターンは、照明ユニット(31)の照度が、入眠モードの開始から所定照度を所定時間維持し(例えば、30分)、その後、所定時間(例えば、5分)をかけて最低照度に低減するように構成されている。
【0072】
−照明装置の動作−
次に、上述した照明装置(30)の動作を図3(b)及び図4に基づいて説明する。
【0073】
先ず、上記コントローラ(32)の初期設定部(37)において、就寝者が設定ボタン(47)を操作し、例えば、照明ユニット(31)の照度が、就寝者の入床開始時刻(Ts)より30分間は300ルクス(枕元照度)となり、その後5分間で1ルクス(枕元照度)まで低減され、起床予定時刻(Tu)より30分前の目覚まし開始時刻(T1)より漸次上昇して起床予定時刻(Tu)に最大照度(Lm)の500ルクスとなるように設定される。
【0074】
これにより、図4(a)に示すように、入床開始時刻(Ts)に就寝者が上記ベッド(1)の就寝空間(14)で入床を開始すると、上記照度制御部(35)が、電球色LED(41)の印加電圧を制御し、照明ユニット(31)の照度を枕元で300ルクスとする。そして、上記入眠制御部(35b)は、照明ユニット(31)の照度を入床後30分間300ルクス(枕元照度)に維持し、その後5分間かけて枕元照度を300ルクスから1ルクスまで漸次低下させる入眠モードを実行する。
【0075】
この際、就寝者は、読書等をしながら徐々に眠気が強くなり次第に睡眠状態に誘導される。
【0076】
睡眠途中は、上記照度制御部(35)によって照明ユニット(31)の照度を1ルクスに維持する。
【0077】
その後、上記目覚まし制御部(35a)は、起床予定時刻(Tu)の30分前の目覚まし開始時刻(T1)に、照明ユニット(31)の照度の増大を開始し、目覚ましモードを実行する。
【0078】
具体的に、上記目覚まし制御部(35a)は、電球色LED(41)の印加電圧を漸次上昇させ手照明ユニット(31)の照度を漸次上昇させ、起床予定時刻(Tu)に最大照度(Lm)の500ルクスとする。このように照度が漸次増大するので、就寝者は、過度な刺激を受けることなく、深い睡眠状態から浅い睡眠状態へと徐々に誘導され、起床予定時刻(Tu)に、例えば、目覚まし時計が動作してアラーム音が発生した際に快適に覚醒することができる。尚、目覚まし時計は、上記照明装置(30)に内蔵させてもよい。そして、起床予定時刻(Tu)以降は照度が500ルクスとなるので、起床予定時刻(Tu)以降に再び眠気が誘発されることがない。
【0079】
ここで、就寝者の睡眠状態の深さは、その日の環境や体調などによって異なる。そのため、就寝者が、目覚まし開始時刻(T1)以降に照明ユニット(31)の照度が漸次増大することにより、起床予定時刻(Tu)より前に覚醒してしまうことがある。そして、就寝者は、覚醒した際に、周囲の状況や現在時刻などを確認するために照明ユニット(31)の照度を増大させたいと考えたり、離床するために照明ユニット(31)の照明が不要となり、照明ユニット(31)の電球色LED(41)を消灯させたいとか、照明ユニット(31)の照度を眩しくない程度に低減させたいと考える場合がある。そこで、本発明の特徴として、上記目覚まし制御部(35a)は、目覚ましパターンの実行時に、高照度設定部(38)と低照度設定部(39)の設定に基づいて照明ユニット(31)の照度を制御する。
【0080】
具体的に、図4(b)に示すように、就寝者が、上記目覚まし開始時刻(T1)以降で起床予定時刻(Tu)前の時刻(Ta)に覚醒し、周囲の状況などを確認するために照度を増大させたいと考えて増大ボタン(48)が操作されると、上記高照度設定部(38)では就寝者の所望の高照度(L1)(例えば、400ルクス)が設定される。これにより、高照度設定部(38)は、上記高照度(L1)の増大信号を出力し、この高照度(L1)の増大信号が目覚まし制御部(35a)に入力される。そして、上記目覚まし制御部(35a)の補正制御部(35c)は、目覚ましモードを継続し、初期設定部(37)で設定された照度が、高照度(L1)を越えるまでは、照明ユニット(31)の照度を高照度(L1)に維持し、初期設定部(37)で設定された照度が高照度(L1)より高くなる時刻(Tb)以降は、照明ユニット(31)の照度が上記初期設定部(37)で設定される増大パターンの照度に制御する。
【0081】
このように、初期設定部(37)で設定される照度が高照度設定部(38)で設定される高照度(L1)より高くなると、照明ユニット(31)の照度は、再び初期設定部(37)で設定される照度となるので、就寝者が時刻(Ta)で覚醒して起床予定時刻(Tu)前に再び睡眠状態となった場合であっても、起床予定時刻(Tu)には確実に覚醒することができる。
【0082】
また、図4(c)に示すように、就寝者が目覚まし開始時刻(T1)以降で起床予定時刻(Tu)前の時刻(Ta)に覚醒し、以後離床するために照明ユニット(31)の照度を低減させたいと考えて低減ボタン(49)が操作されると、上記低照度設定部(39)では、就寝者の所望の低照度(L2)(例えば、50ルクス)が設定される。そして、低照度設定部(39)が低照度(L2)の低減信号を出力し、この低照度(L2)の低減信号が目覚まし制御部(35a)に入力される。これにより、上記目覚まし制御部(35a)の停止制御部(35d)は、以後、目覚ましモードを停止し、照明ユニット(31)の照度を低照度(L2)に制御する。
【0083】
このように、上記低照度設定部(39)で低照度(L2)が設定されると、照明ユニット(31)の照度は、以後、低照度(L2)となるので、離床しようとしている就寝者に不必要に眩しい光を供給することがないことから、該就寝者を不快にさせることがない。また、電球色LED(41)の印加電圧も小さくなるので、無駄な電力使用を防止することができ、省エネルギーを図ることができる。
【0084】
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1によれば、目覚まし制御部(35a)の目覚ましモードによって照明ユニット(31)の照度を制御するので、光刺激により覚醒時刻前に就寝者を眠りの浅い状態に導き、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0085】
また、上記目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続するようにしたために、一旦目覚めて照度を高めたものの再度眠ってしまった場合においても、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0086】
また、増大パターンの照度が増大後の照明ユニット(31)の照度に達すると、その後、増大パターンにしたがって照度を増大させるので、不必要に眩しい光を供給することがなく、就寝者を不快にさせることがない。
【0087】
また、上記目覚ましモード中に照度の低減信号が入力されると、目覚ましモードを停止するようにしたために、離床しようとしている就寝者に不必要に眩しい光を供給することがないことから、該就寝者を不快にさせることがない。また、電球色LED(41)の印加電圧も小さくなるので、無駄な電力使用を防止することができ、省エネルギーを図ることができる。
【0088】
−実施形態1の変形例−
上記目覚まし制御部(35a)は、増大信号が目覚ましモードの前半に入力されると、増大信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させるようにしてもよく、また、上記目覚まし制御部(35a)は、低減信号が目覚ましモードの前半に入力されると、低減信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させるようにしてもよい。
【0089】
つまり、上記実施形態1では、上記目覚まし開始時刻(T1)以降の高照度設定部(38)や低照度設定部(39)の設定により、照明ユニット(31)の照度を、増大または低減させるようにしたが、上記目覚まし開始時刻(T1)から起床予定時刻(Tu)までの期間の前半(目覚まし開始時刻(T1)より15分以内)は、上記高照度設定部(38)や低照度設定部(39)の設定に拘わらず、照明ユニット(31)の照度が初期設定部(37)で設定される照度になるようにしてもよい。
【0090】
つまり、目覚まし開始時刻(T1)より15分以内は、照明ユニット(31)の照度がさほど高くなく、就寝者が覚醒する可能性が低い。そのため、就寝者が増大ボタン(48)や低減ボタン(49)に触れて、高照度設定部(38)で高照度(L1)が設定されたり、低照度設定部(39)で低照度(L2)が設定されたとしても、就寝者が寝返りをうつなどした際に誤って増大ボタン(48)や低減ボタン(49)触れてしまったという可能性が高い。そこで、上記目覚まし開始時刻(T1)から起床予定時刻(Tu)までの期間の前半は、高照度設定部(38)や低照度設定部(39)の設定に拘わらず、照明ユニット(31)の照度が初期設定部(37)で設定される照度になるようする。これにより、就寝者の寝返りなどによる誤動作を確実に防止することができる。
【0091】
また、上記照度制御部(35)及び停止制御部(35d)における照度の低減信号に基づく制御に代えて、照明ユニット(31)の消灯信号に基づきに照明ユニット(31)を消灯させるようにしてもよく、また、低減信号及び消灯信号の双方に基づき制御するようにしてもよい。
【0092】
また、上記照明ユニット(31)は電球色LED(41)を適用したが、電球色LED(41)に代えて白色発光ダイオード(以下、白色LEDという)を適用してもよい。
【0093】
上記白色LEDの発生させる光は、図7の(a)に示すように、464nmを基準とする所定範囲(380nm以上525nm以下)の波長の成分を比較的多く含む。ここで、人体が、波長が464nmを基準とする所定範囲の光を浴びると、眠気を誘発するメラトニンというホルモンの分泌が抑制されることが知られている。つまり、上記白色LED(42)は、覚醒刺激の強い波長特性の光を発生させる。また、図7(b)に青色LEDの波長特性を示すが、青色LEDの発生させる光においても、464nmを基準とする所定範囲の波長成分が多く含まれるので、白色LEDの代わりに青色LEDを用いてもよい。さらに、本実施形態では、照明ユニット(31)の光源が発生させる光の波長特性は特に限定されず、例えば、光源として白熱灯や蛍光灯などを用いてもよい。
【0094】
尚、上記電球色LED(41)が発生させる光は、図7の(c)に示すように、波長600nm前後の成分が最も多く含まれ、464nmを基準とする所定範囲の波長の光はあまり含まれない。つまり、上記電球色LED(41)は、眠気を誘発するメラトニンというホルモンの分泌を抑制する光をあまり含んでおらず、覚醒刺激の弱い波長特性の光を発生させるものである。
【0095】
《発明の実施形態2》
実施形態2は、上記実施形態1の照明ユニット(31)が光源として電球色LED(41)のみを有していたことに代わり、長波長光源である電球色LED(41)と短波長光源である白色LED(42)とを備えるようにしたものである。
【0096】
具体的に、図5(a)に示すように、本実施形態では、照明ユニット(31)の支持基板(43)の上下4列に配列されるLEDのうち、下側の2列が電球色LED(41)、上側の2列が白色LED(42)で構成されている。つまり、各支持基板(43)には、電球色及び白色の各LED(41,42)が、それぞれ13個ずつ取り付けられ、照明ユニット(31)全体としては、電球色及び白色の各LED(41,42)が、それぞれ39個ずつ配置されている。
【0097】
そして、本実施形態では、図5(b)に示すように、コントローラ(32)の初期設定部(37)が、電球色設定部(37a)と白色設定部(37b)とを備え、目覚まし制御部(35a)が、補正制御部(35c)及び停止制御部(35d)の他に電球色制御部(35e)と白色制御部(35f)とを備えている。
【0098】
上記電球色設定部(37a)は、電球色LED(41)の照度の変化が予め設定されるように構成されている。具体的に、上記電球色設定部(37a)では、電球色LED(41)の照度が、起床予定時刻(Tu)より所定時間前の目覚まし開始時刻(T1)より照度が漸次増大した後、起床予定時刻(Tu)以前に最大照度(Lm)の一定になるように設定されている。尚、ここでいう電球色LED(41)の照度とは、各電球色LED(41)の照度ではなく、39個の電球色LED(41)の合計の照度を意味する。
【0099】
上記白色設定部(37b)は、白色LED(42)の照度の変化が予め設定されるように構成されている。具体的に、上記白色設定部(37b)では、上記白色LED(42)の照度が、上記目覚まし開始時刻(T1)より後の白色開始時刻(T2)から起床予定時刻(Tu)にかけて漸次増大するように設定されている。尚、ここでいう白色LED(42)の照度とは、各白色LED(42)の照度ではなく、39個の白色LED(42)の合計の照度を意味する。
【0100】
また、上記電球色設定部(37a)や白色設定部(37b)は、設定ボタン(47)に接続さているので、就寝者などが設定ボタン(47)を操作することにより、各LED(41)の照度の変動推移や第1及び第2の各開始時刻(T1,T2)が可変に設定されるように構成されている。尚、電球色設定部(37a)は、設定ボタン(47)により可変に設定可能で、白色設定部(37b)は、設定ボタン(47)が接続されず白色LED(42)の照度が固定に設定されていてもよい。
【0101】
このような構成により、上記初期設定部(37)では、電球色LED(41)の点灯後に白色LED(42)が点灯すると共に、上記電球色LED(41)及び白色LED(42)の照度の合計の照度である照明ユニット(31)全体としての照度が漸次増大するように設定されている。
【0102】
上記目覚まし制御部(35a)は、初期設定部(37)と高照度設定部(38)と低照度設定部(39)とからの入力に基づいて電球色及び白色の各LED(41,42)が所定の照度で点灯するように該各LED(41,42)の印加電圧を制御する。
【0103】
具体的に、上記目覚まし制御部(35a)の電球色制御部(35e)は、増大ボタン(48)及び低減ボタン(49)が操作されることがなければ、就寝者の全就寝期間に亘り、電球色LED(41)の照度が電球色設定部(37a)で設定される照度となるように制御する。また、白色制御部(35f)は、増大ボタン(48)及び低減ボタン(49)が操作されることがなければ、就寝者の全就寝期間に亘り、白色LED(42)の照度が白色設定部(37b)で設定される照度となるように制御する。
【0104】
上記目覚まし制御部(35a)の補正制御部(35c)は、上記目覚まし開始時刻(T1)以降に増大ボタン(48)が操作されて高照度(L1)が設定されると、電球色LED(41)を初期設定部(37)で設定される照度よりも増大させて照明ユニット(31)の照度を所定の高照度(L1)とする一方、白色LED(42)の照度は、初期設定部(37)で設定される照度で変化させる。
【0105】
つまり、上記高照度設定部(38)で高照度(L1)が設定されると、補正制御部(35c)は、初期設定部(37)で設定される電球色LED(41)の照度のみを高照度(L1)に増大させ、初期設定部(37)で設定される照明ユニット(31)の照度が高照度(L1)を越えると、電球色LED(41)の照度が電球色設定部(37a)で設定される照度となるように制御する。また、上記補正制御部(35c)は、高照度設定部(38)で高照度(L1)が設定されても、白色LED(42)の照度を白色設定部(37b)の照度を維持する。
【0106】
上記目覚まし制御部(35a)の停止制御部(35d)は、目覚まし開始時刻(T1)以降に低減ボタン(49)が操作されて低照度設定部(39)で低照度(L2)が設定されると、電球色LED(41)及び白色LED(42)をそれぞれ制御するように構成されている。
【0107】
具体的に、上記停止制御部(35d)は、白色開始時刻(T2)前に上記低照度設定部(39)で低照度(L2)が設定されると、白色LED(42)を点灯させることなく電球色LED(41)の照度を低照度(L2)とするように制御する一方、白色開始時刻(T2)後に上記低照度設定部(39)で低照度(L2)が設定されると、電球色LED(41)の照度を低照度(L2)に制御すると共に、白色LED(42)を消灯させるように制御する。
【0108】
−照明装置の動作−
次に、上記照明装置(30)の動作を、図5(b)及び図6に基づいて説明する。尚、図6には、目覚まし開始時刻(T1)から起床予定時刻(Tu)における変化を図示しており、入床初期や睡眠途中の変化は図示を省略した。
【0109】
上記初期設定部(37)の電球色設定部(37a)は、電球色LED(41)が目覚まし開始時刻(T1)より照度が漸次増大し、上記白色設定部(37b)は、白色開始時刻(T2)より起床予定時刻(Tu)にかけて照度が漸次増大するように設定される。また、設定ボタン(47)の操作により、電球色LED(41)が、例えば白色LED(42)が点灯する白色開始時刻(T2)に最大照度(Lm)になるように設定される。
【0110】
したがって、図6(a)に示すように、照明ユニット(31)の照度が変化する。つまり、図6(a)の実線aに示すように、電球色LED(41)の照度は、目覚まし開始時刻(T1)より漸次増大して白色開始時刻(T2)以降は最大照度(Lm)に維持される一方、実線bに示すように、白色LED(42)の照度は、白色開始時刻(T2)より漸次増大する。そして、実線cに示すように、照明ユニット(31)全体としての照度は、目覚まし開始時刻(T1)より起床予定時刻(Tu)にかけて漸次増大する。
【0111】
このように、照明ユニット(31)全体としての照度が漸次増大すると共に、照明ユニット(31)が発生させる光には、目覚まし開始時刻(T1)から白色開始時刻(T2)までは覚醒刺激の弱い波長特性の光のみが含まれ、白色開始時刻(T2)以降には徐々に覚醒刺激の強い波長特性の光へが多く含まれるようになるので、就寝者は、過度な刺激を受けることなく、深い睡眠状態から浅い睡眠状態へと徐々に誘導される。これにより、就寝者は起床予定時刻(Tu)に目覚まし時計が動作してアラーム音が発生した際に、快適に覚醒することができる。
【0112】
ここで、就寝者の睡眠状態の深さは、その日の環境や体調などによって異なる。そのため、就寝者が、上記目覚まし開始時刻(T1)以降に照明ユニット(31)の照度が漸次増大することにより、起床予定時刻(Tu)より前に覚醒してしまうことがある。そして、就寝者が覚醒をした際に、照明ユニット(31)の照度を増大させたいと考えたり、離床するために照明ユニット(31)の照度を低減したいと考えることがある。そこで、本発明の特徴として、上記目覚まし制御部(35a)の補正制御部(35c)と停止制御部(35d)が照明ユニット(31)の各LED(41,42)の照度を制御する。
【0113】
具体的に、図6(b)に示すように、就寝者が目覚まし開始時刻(T1)以降の時刻(Ta)に覚醒して照度を増大させたいと考える場合、増大ボタン(48)が操作されて就寝者の所望の高照度(L1)が設定される。そして、高照度設定部(38)が高照度(L1)の増大信号を出力すると、補正制御部(35c)が照明ユニット(31)全体の照度が高照度(L1)となるように制御する。
【0114】
つまり、白色開始時刻(T2)より前では、電球色LED(41)のみが点灯しているので、実線aに示すように、該電球色LED(41)の照度を上記高照度(L1)に維持する。これにより、実線cに示すように、照明ユニット(31)の全体としての照度が上記高照度(L1)となる。そして、初期設定部(37)で設定された照度が、上記高照度(L1)より高くなる時刻(Tb)以降は、照明ユニット(31)全体としての照度が初期設定部(37)で設定される照度となる。
【0115】
また、図6(c)及び(d)に示すように、就寝者が目覚まし開始時刻(T1)より後の時刻(Ta)に覚醒し、以後離床するために照明ユニット(31)の照度を低減させたいと考える場合、低減ボタン(49)が操作されて就寝者の所望の低照度(L2)が設定される。そして、低照度設定部(39)が低照度(L2)の信号を出力する。
【0116】
上記低照度設定部(39)による低照度(L2)の設定が白色LED(42)の点灯開始前(白色開始時刻(T2)前)である場合、図6(c)に示すように、照明ユニット(31)の照度が変化する。つまり、停止制御部(35d)は、図6(c)実線aに示すように、電球色LED(41)の照度が時刻(Ta)以降に上記低照度(L2)となるように制御し、破線bに示すように、白色LED(42)を点灯させないように制御する。その結果、照明ユニット(31)全体の照度は、実線cに示すように、時刻(Ta)以降、上記低照度(L2)に維持される。
【0117】
一方、上記低照度設定部(39)による低照度(L2)の設定が白色LED(42)の点灯開始後(白色開始時刻(T2)後)である場合、図6(d)に示すように、照明ユニット(31)の照度が変化する。つまり、停止制御部(35d)は、図6(d)実線aに示すように、電球色LED(41)の照度が時刻(Ta)以降に低照度(L2)となるように制御し、白色制御部(35f)は、実線bに示すように、白色LED(42)を消灯させる。その結果、照明ユニット(31)全体の照度は、実線cに示すように、時刻(Ta)以降、上記低照度(L2)に維持される。
【0118】
このように、上記低照度(L2)が設定されると、照明ユニット(31)の照度は、以後、上記低照度(L2)となるので、就寝者が離床しようとしているのに、就寝者に不必要に眩しい光を供給して、就寝者を不快にさせることがない。また、LED(41,42)の印加電圧が低減されるので、無駄な電力使用を防止することができ、省エネルギーを図ることができる。
【0119】
−実施形態2の効果−
以上のように、本実施形態2によれば、目覚まし制御部(35a)の目覚ましモードによって電球色LED(41)と白色LED(42)の照度を制御するので、光刺激により覚醒時刻前に就寝者を眠りの浅い状態に導き、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0120】
また、上記目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続するようにしたために、一旦目覚めて照度を高めたものの再度眠ってしまった場合においても、起床時刻に就寝者が心地良く目覚めることができるようにすることができる。
【0121】
また、増大パターンの照度が増大後の照明ユニット(31)の照度に達すると、その後、増大パターンにしたがって照度を増大させるので、不必要に眩しい光を供給することがなく、就寝者を不快にさせることがない。
【0122】
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同じである。
【0123】
−実施形態2の変形例−
上記実施形態2では、電球色LED(41)が、白色LED(42)の点灯を開始すると同時に最大照度(Lm)の一定となるようにしたが、電球色LED(41)が最大照度(Lm)となるのは、白色LED(42)の点灯開始前であっても、点灯開始後であってもよい。また、電球色LED(41)は起床予定時刻(Tu)に最大照度となるように制御してもよい。
【0124】
また、上記実施形態2において、実施形態1の変形例と同様に、増大信号が目覚ましモードの前半に入力されると、増大信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させるようにしてもよく、また、上記目覚まし制御部(35a)は、低減信号又は消灯信号が目覚ましモードの前半に入力されると、低減信号又は消灯信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させるようにしてもよい。
【0125】
《発明の実施形態3》
実施形態3は、上記実施形態1の入眠制御部(35b)が補正制御部(35g)を備えるようにしたものである。
【0126】
上記補正制御部(35g)は、図8に示すように、入眠モードの照度が最大照度以下の照度に設定されると、設定照度を維持した後、低減パターンの照度が設定照度に達すると低減パターンにしたがって照度を低減させる補正手段を構成している。
【0127】
つまり、上記入眠制御部(35b)の低減パターンは、図8実線で示すように、照明ユニット(31)の照度が、入眠モードの開始から最大照度を所定時間維持し(例えば、30分)、その後、所定時間(例えば、5分)をかけて最低照度に低減するように構成されている。
【0128】
そして、上記補正制御部(35g)は、図8一点鎖線で示すように、入眠モードの照度が最大照度以下の照度に設定されると、その設定照度を維持し、低減パターンの照度がその設定照度に達すると、低減パターンにしたがって照度を低減させる。
【0129】
したがって、本実施形態によれば、就寝者に合わせた入眠モードが実行されるので、快適な入眠を可能とすることができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0130】
《発明の実施形態4》
実施形態4は、上記実施形態3の補正制御部(35g)に代えて、補正制御部(35g)が照度変更時に再度入眠モードを実行するようにしたものである。
【0131】
上記補正制御部(35g)は、図9に示すように、入眠モードの実行時に照度の変更信号が入力されると、入眠モードを初期状態から再スタートする補正手段を構成している。
【0132】
つまり、図9実線で示すように、入眠モードが低減パターンにしたがって実行されている状態において、就寝者が読書等を継続したい場合、照明ユニット(31)の照度を増大させる場合がある。その際、上記補正制御部(35g)は、図9一点鎖線で示すように、照明ユニット(31)の照度を設定照度に30分維持し、その後、低減パターンにしたがって照度を最低照度に低減する。
【0133】
したがって、本実施形態によれば、就寝者の読書等に合わせた入眠モードが実行されるので、快適な入眠を可能とすることができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態3と同様である。
【0134】
《発明の実施形態5》
実施形態5は、上記実施形態3の補正制御部(35g)に代えて、補正制御部(35g)が照明ユニット(31)の消灯時はその消灯状態を維持するようにしたものである。
【0135】
上記補正制御部(35g)は、図10に示すように、入眠モードの実行時に照明ユニット(31)の消灯信号が入力されると、該照明ユニット(31)の消灯状態を目覚まし制御部(35a)の目覚ましモードの開始まで維持する補正手段を構成している。
【0136】
つまり、図10実線で示すように、入眠モードが低減パターンにしたがって実行されている状態において、就寝者が照明ユニット(31)を消灯すると、上記補正制御部(35g)は、図10一点鎖線で示すように、照明ユニット(31)の消灯し、その後、消灯状態を目覚まし制御部(35a)の目覚ましモードの開始まで維持する。
【0137】
したがって、本実施形態によれば、就寝者の入眠に合わせた入眠モードが実行されるので、快適な入眠を可能とすることができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態3と同様である。
【0138】
《その他の実施形態》
上記各実施形態は、照明装置(30)が設けられたベッド(1)について説明したが、本発明の照明装置(30)は、ベッド(1)に設けられるものに限定されるものではない。
【0139】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上説明したように、本発明は、就寝者が就寝する就寝空間を照明する照明装置及び該照明装置を備えたベッドについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施形態1に係るベッドについて天蓋を省略して示す概略斜視図である。
【図2】実施形態1に係るベッドの天蓋を閉めた状態を示す概略斜視図である。
【図3】実施形態1に係る照明装置を示す図であり、(a)が概略斜視図であり、(b)が照明装置のコントローラを示す概略ブロック図である。
【図4】実施形態1に係る照明ユニットの照度の変化を示す図である。
【図5】実施形態2に係る照明装置を示す図であり、(a)が概略斜視図であり、(b)が照明装置のコントローラを示す概略ブロック図である。
【図6】実施形態2に係る照明ユニットの照度の変化を示す図である。
【図7】光波長と発光強度の関係図であり、(a)は白色LEDの関係図、(b)は青色LEDの関係図、(c)は電球色LEDの関係図である。
【図8】実施形態3に係る照明ユニットの照度の変化を示す図である。
【図9】実施形態4に係る照明ユニットの照度の変化を示す図である。
【図10】実施形態5に係る照明ユニットの照度の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
1 ベッド
10 ベッド本体
30 照明装置
31 照明ユニット(照明手段)
32 コントローラ
35a 目覚まし制御部(目覚まし手段)
35b 入眠制御部(入眠手段)
35c 補正制御部(補正手段)
35d 停止制御部(停止手段)
35g 補正制御部(補正手段)
36 照度設定部
41 LED
41 電球色LED(長波長光源)
42 白色LED(短波長光源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
就寝者を覚醒させるために就寝空間(14)を照明する照明手段(31)を備えた照明装置であって、
上記照明手段(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし手段(35a)を備え、
上記目覚まし手段(35a)は、目覚ましモード中に照度の増大信号が入力されると、目覚ましモードを継続させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記目覚まし手段(35a)は、増大信号に対応した照度に照明手段(31)の照度を増大させる補正手段(35c)を備えている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記目覚まし手段(35a)は、予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる一方、
上記補正手段(35c)は、増大パターンの照度が増大後の照明手段(31)の照度に達すると、上記増大パターンにしたがって照度を増大させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1において、
上記目覚まし手段(35a)は、増大信号が目覚ましモードの前半に入力されると、増大信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項2において、
上記照明手段(31)は、長波長光源(41)と短波長光源(42)とを備える一方、
上記補正手段(35c)は、増大信号に対応して長波長光源(41)の照度のみを増大させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
就寝者を覚醒させるために就寝空間(14)を照明する照明手段(31)を備えた照明装置であって、
上記照明手段(31)の照度を所定時刻から増大させる目覚ましモードを実行する目覚まし手段(35a)を備え、
上記目覚まし手段(35a)は、目覚ましモード中に照度の低減信号又は消灯信号が入力されると、目覚まし手段(35a)の目覚ましモードを停止させる停止手段(35d)を備えている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項6において、
上記目覚まし手段(35a)は、低減信号又は消灯信号が目覚ましモードの前半に入力されると、低減信号又は消灯信号を無視して予め設定された増大パターンにしたがって照度を増大させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7において、
上記照明手段(31)は、長波長光源(41)と短波長光源(42)とを備える一方、
上記目覚まし手段(35a)は、長波長光源(41)のみの照度を増大させた後、長波長光源(41)と短波長光源(42)との照度を増大させ、
上記停止手段(35d)は、短波長光源(42)の点灯前に低減信号又は消灯信号が入力されると、短波長光源(42)を点灯させることなく長波長光源(41)の照度を低減させるか又は長波長光源(41)を消灯させる一方、短波長光源(42)の点灯後に低減信号又は消灯信号が入力されると、短波長光源(42)を消灯させると共に、長波長光源(41)の照度を低減させるか又は長波長光源(41)を消灯させる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項において、
上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備え、
該入眠手段(35b)は、入眠モードの照度が最大照度以下の照度に設定されると、設定照度を維持した後、低減パターンの照度が設定照度に達すると低減パターンにしたがって照度を低減させる補正手段(35g)を有している
ことを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか1項において、
上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備え、
該入眠手段(35b)は、入眠モードの実行時に照度の変更信号が入力されると、入眠モードを初期状態から再スタートする補正手段(35g)を有している
ことを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1〜8の何れか1項において、
上記照明手段(31)の照度を入床時に制御し、予め設定された低減パターンにしたがって入床後の所定時刻から上記照明手段(31)の照度を低減させる入眠モードを実行する入眠手段(35b)を備え、
該入眠手段(35b)は、入眠モードの実行時に照明手段(31)の消灯信号が入力されると、上記照明手段(31)の消灯状態を目覚まし手段(35a)の目覚ましモードの開始まで維持する補正手段(35g)を有している
ことを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の照明装置(30)と人が就寝するためのベッド本体(10)とを備え、
少なくとも上記照明手段(31)が上記ベッド本体(10)に設けられている
ことを特徴とするベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−53083(P2008−53083A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228882(P2006−228882)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】