説明

照明装置

【課題】 小型化を図ることができ、検知電極を目立たなくする。
【解決手段】 照光面1aを有する導光板1の裏面に検知電極2が添設される。検知電極2には開口部2aが形成され、この開口部2aを介して光源3からの光が導光板1に照射される。人体が検知電極2に接近すると、検知電極2の対接地容量の変化を静電容量検知回路が検出し、その検出値が所定のしきい値を一定時間継続して超えたときに照明点灯制御回路が光源3を点灯又は消灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用、産業用、車載用に使用される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、静電容量の変化を検出して光源を点灯させる照明装置として特許文献1に開示のものが知られている。この照明装置は、人体の接近を検知する電極と、この電極の静電容量の変化を検出する静電容量式センサと、静電容量式センサからの所定の時間幅を有する出力に応動して光源の点灯又は消灯制御を行う制御回路とを備えたものである。
【0003】
この照明装置によれば、点灯又は消灯の意志を持った操作者の手の動きのみに反応し、それ以外のものの動きには反応しない照明装置を提供することができる。
【特許文献1】特開平8−64364号公報、段落0008,0016,図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の照明装置では、静電容量検知を行うセンサ部分と、光源とが別体となっているので、全体的な小型化を図ることができない。また、検知電極が目立つため、意匠的な観点から検知電極が目立つのを極力控えたい場合には利用できないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、小型化を図ることができ、検知電極を目立たなくすることができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、照光面を有する照光手段と、この照光手段の前記照光面に対応する位置に配置された検知電極と、この検知電極と接地との間の静電容量を検出してこれに対応した検出値を出力する静電容量検知回路と、この静電容量検知回路から出力される検出値が所定のしきい値を超えたときに前記照光手段を点灯又は消灯させる制御回路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、検知電極が、照光手段の前記照光面に対応する位置に配置されているので、照光手段に人体を近づければ、静電容量検知回路がこの人体の接近を検出して、照光手段を点灯又は消灯制御させることができる。このように、本発明は検知電極と照光手段とが一体となっているので、装置全体の小型化が可能で、検知電極を照光手段で覆うことができるので、検知電極が目立つこともなく、意匠的な不具合も解消される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を示す概略的な分解斜視図である。
【0010】
この照明装置は、一方の面を照光面1aとする導光部材としてのガラス、プラスチック等からなる導光板1と、この導光板1の照光面1aとは反対側の面に添設され、矩形状の開口部2aを有する矩形状の検知電極2と、この検知電極2の開口部2aを通して導光板1に光を供給するLED等の光源3とを備えて構成されている。ここで、導光板1と光源3とは、照光手段を構成している。
【0011】
図2は、この照明装置の回路構成を示す回路図である。
【0012】
検知電極2は、静電容量検知回路11に接続されている。静電容量検知回路11は、検知電極2と接地との間の静電容量に応じた検出値を出力する。この検知回路11は、例えば発振回路を内蔵し、検知電極2によって生成される静電容量Cxに応じて発振周波数又はデューティー比が変化する信号を生成するものである。この検知回路11から出力される検出値は、判定回路12に入力されている。判定回路12は、コンパレータ121を備えて構成されている。コンパレータ121は、一方の入力端に静電容量検知回路11からの検出値を入力し、他方の入力端に、判定電圧生成回路122で生成された第1判定電圧を入力し、検出値が第1判定電圧を超えたときに第1検知信号を出力する。この第1検知信号は、照明点灯制御回路13に入力される。照明点灯制御回路13は、判定回路12からの出力が一定期間連続してON状態であるときに、出力状態(ON/OFF状態)を反転させる。光源駆動回路14は、照明点灯制御回路13の出力がON状態となっているときに光源3を駆動する。
【0013】
次に、このように構成された本実施形態に係る照明装置の動作について説明する。
【0014】
消灯状態において、検知電極2に人体、例えば指が接近(例えば導光板1に接触)すると、検知電極2の人体を介した対接地容量が変化し、この結果、静電容量検知回路11から出力される検出値が増加する。照明点灯制御回路13は、静電容量検知回路11からの検出値が第1判定電圧を超えたことを判定回路12が所定時間(1〜2秒)継続して検出していたら、出力をOFF状態からON状態に反転させ、光駆動回路14を駆動して光源3を点灯させる。また、点灯状態において、検知電極2に人体が接近(例えば導光板1に接触)すると、検知電極2の対接地容量が変化する。静電容量検知回路11からの検出値が第1判定電圧を所定時間超えると、照明点灯制御回路13の出力がON状態からOFF状態に反転し、光源3がOFF状態となる。
【0015】
本実施形態の照明装置によれば、照光面1aを有する導光板1の裏面に検知電極2が配置されているので、装置全体を小型化することができる。また、点灯又は消灯のためのスイッチの位置は、照光面1aそれ自体である。つまり点灯する部分に直接接触することにより、点灯又は消灯操作を行うことができるので、スイッチ位置は極めて明確であり、操作性が向上する。
【0016】
図3は、本発明の他の実施形態に係る照明装置の概略的な斜視図である。
【0017】
この実施形態では、導光板1の照光面1aに検知電極2′を配置している。この場合、検知電極2′は、導光板1の照光面1aを覆うため、透明電極により構成されている。
【0018】
このような構成によれば、検知電極2′が導光板1の裏側ではなく、操作側に配置されるので、人体との近接距離を更に縮めることができ、検出感度をより向上させることができる。
【0019】
図4は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0020】
この実施形態では、判定回路12′が複数のコンパレータ121,121,…,121と複数の判定電圧生成回路122,122,…,122とより構成されている。判定電圧生成回路122〜122からは、それぞれ電圧値の異なる第1〜第Nの判定電圧が出力されている。照明点灯制御回路13は、判定回路12の出力パターンから光源駆動回路14による光源3の駆動パターンを変える。これにより、人体の接近の程度により、光源3の輝度を細かく設定することが可能になる。
【0021】
図5は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の概略的な分解斜視図である。この照明装置は、被覆材としての意匠板4の裏側に検知電極2を配置し、更に検知電極2の裏面側に光源3を配置してなる。ここで意匠板1は、光透過性を有する樹脂、ガラス等の材料により形成され、例えば無色透明の板の表面1a上に目的にあった模様や色のシートを貼り付けるなどして、数十%、例えば10〜50%の光透過率に調整されたものである。
【0022】
この実施形態では、検知電極2に人体が接近して光源3が点灯されると、その光が検知電極2の開口部2aを介して意匠板1の裏面を照射するので、意匠板1の表面の照光面4aが光って見えることになる。
【0023】
図6は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置を示す概略的な斜視図である。この実施形態では、2つの光源3,5を用いている。この場合、光源3,5は、人体がある程度近づいた状態、人体が接触した状態の2段階で、段階的に点灯数を増加させて輝度を上げたり、発光色を切り替える等の操作を行うことができる。
【0024】
図7は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置を示す概略的な斜視図である。この実施形態は、図6の意匠板4と検知電極2との間にバックライト用の導光板1を設けた例である。この実施形態によれば、意匠板4の照光面4aをより均一に鮮明に照光することができる。
【0025】
図8は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置を示す概略的な斜視図である。この実施形態は、光源3をバックライト用の導光板1の側縁部に配置して両者でバックライト6を構成したものである。この場合には、意匠板1により均一な光を透光することができる。
【0026】
図9は、本発明の更に他の実施形態に係る照明装置を示す概略的な斜視図である。上述した実施形態では、照光部材の導光体として導光板を使用したが、この実施形態では、導光体として円筒状の導光管7を使用している。導光管7の内部には、光源8が収容されている。導光管7の内面には透明な検知電極9が形成されている。この構成においても、導光管7に軽く接触することにより、照明が点灯又は消灯される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】同装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る照明装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の構成を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係る照明装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1…導光板、2,2′,9…検知電極、3,5,8…光源、4…意匠板、6…バックライト、7…導光管、11…静電容量検知回路、12,12′…判定回路、13,13′…照明点灯制御回路、14…光源駆動回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照光面を有する照光手段と、
この照光手段の前記照光面に対応する位置に配置された検知電極と、
この検知電極と接地との間の静電容量を検出してこれに対応した検出値を出力する静電容量検知回路と、
この静電容量検知回路から出力される検出値が所定のしきい値を超えたときに前記照光手段を点灯又は消灯させる制御回路と
を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記照光手段は、光源と、この光源からの光を前記照光面まで導く導光板とを備え、
前記検知電極は、前記導光板の前記照光面とは反対側の面に形成され、中央部に開口部を有し、
前記光源は、前記検知電極の開口部を介して前記導光板に光を照射するものである
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記照光手段は、光源と、この光源からの光を前記照光面まで導く導光板とを備え、
前記検知電極は、前記導光板の前記照光面側に形成された透明電極である
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
前記照光手段は、光源と、この光源を外部から覆うと共に前記光源と反対側の面に前記照光面を形成する被覆材とを備え、
前記検知電極は、前記被覆材の前記照光面とは反対側の面に形成され、中央部に開口部を有し、
前記光源は、前記検知電極の開口部を介して前記被覆板に光を照射するものであり、
前記被覆材は、前記光源の点灯時に前記光源からの光を前記照光面に浮かび上がらせる光透過率を有するものである
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項5】
前記被覆材は、表面に所定の意匠が施された意匠板であることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
前記照光手段は、前記光源からの光を前記被覆材まで導く導光板を含むものであることを特徴とする請求項4記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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