照明装置
【課題】小型化、特に薄型化が図られる照明装置を提供する。
【解決手段】押圧部材71により放電管14をケース12の開口部12aが形成された側壁22側に押圧することにより、スペーサ41を介してグローブ13をケース12の開口部12aが形成された側壁22の内面に押し付けて固定するようにした。グローブ13と放電管14とを別々にケース12に固定するようにした場合と異なり、グローブ13を固定するための部品の収容スペースをケース12内において確保する必要がないので、その分、ケース12の小型化が図られる。特に、放電管14が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管14によりグローブ13をケース12の内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管14の薄さという利点を生かしつつ、照明装置11の薄型化が図られる。
【解決手段】押圧部材71により放電管14をケース12の開口部12aが形成された側壁22側に押圧することにより、スペーサ41を介してグローブ13をケース12の開口部12aが形成された側壁22の内面に押し付けて固定するようにした。グローブ13と放電管14とを別々にケース12に固定するようにした場合と異なり、グローブ13を固定するための部品の収容スペースをケース12内において確保する必要がないので、その分、ケース12の小型化が図られる。特に、放電管14が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管14によりグローブ13をケース12の内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管14の薄さという利点を生かしつつ、照明装置11の薄型化が図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内を照明する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば鉄道車両等の室内を照明する照明装置として特許文献1に示される構成が知られている。この照明装置は、室内の天井等に固定されるハウジングと、ハウジング内に固定された一対のソケットと、両ソケット間に支持された蛍光ランプと、蛍光ランプを覆うようにしてハウジングに装着されたグローブとを備えている。蛍光ランプからの可視光はグローブを介して外部に出射するとともに、この出射した光により室内は照明される。
【特許文献1】特開平10−208522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の照明装置においては、蛍光管及びソケットに合わせてハウジングの厚みが決定される。蛍光管及びソケットの小型化(縮径化)には限界があるので、それらを収容するハウジングの薄型化も必然的に限界があった。特に鉄道車両及び自動車等の車両においては、室内空間をできる限り広く確保するために、照明装置の占有空間の拡大を抑制することが強く望まれていた。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、小型化、特に薄型化が図られる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、照明装置において、開口部を有するケースと、前記開口部に収容された平面型の放電管と、前記開口部をケースの内側から塞ぐとともに透光性を有するグローブと、を備え、押圧手段により前記放電管をケースの開口部が形成された側壁側に押圧することにより、前記グローブをケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けて固定するようにしたことをその要旨とする。
【0006】
この構成によれば、グローブと放電管とを別々にケースに固定するようにした場合と異なり、グローブを固定するための部品の収容スペースをケース内において確保する必要がないので、その分ケースの小型化が図られる。ひいては照明装置の小型化が図られる。特に、平面型の放電管を光源として採用したことにより、照明装置の薄型化が図られる。そして、放電管が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管によりグローブをケースの内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管の薄さという利点を生かしつつ、照明装置の薄型化が図られる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置において、前記ケースの開口部が形成された側壁の内面において、開口部の周縁部にはグローブの外形形状に対応する溝を形成するとともに、当該溝にグローブを配置するようにしたことをその要旨とする。
【0008】
この構成によれば、溝の深さの分だけグローブのケースの内面からの突出高さが小さくなるので、ケースの薄型化が可能となる。また、グローブの外周縁が位置決め溝に係合することにより、グローブのケースに対する位置決めが容易になされる。従って、グローブのケースに対する組み付け作業性が向上する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明装置において、前記押圧手段は、一部が前記放電管の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管に重ねられない部位においてケースの開口部が形成された側壁に締結体により締め付けられる単数又は複数の板状の押圧部材であることをその要旨とする。
【0010】
この構成によれば、押圧部材の放電管に重ねられない部位が締結体によりケースの開口部が形成された側壁に締め付けられることにより、押圧部材の放電管に重ねられた部位により放電管及びグローブはそれぞれケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けられる。そして、放電管に例えば締結体を挿通することは困難であるところ、本発明によれば、板状の押圧部材により放電管をケースの開口部が形成された側壁に押し付ける構成を採用したことにより、照明装置の厚みの増大を抑制しつつ簡単な構成で放電管をケース内に固定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の照明装置において、前記グローブの周縁部と前記放電管の周縁部との間にはスペーサを配置するようにしたことをその要旨とする。
この構成によれば、グローブと放電管との間にはスペーサ分の隙間が形成される。この隙間を介して放電管から発生する熱を逃がすことが可能となる。なお、グローブはスペーサを介してケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けられる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の照明装置において、前記スペーサは、グローブの周縁部と放電管の周縁部との間に介在する第1の部位と、放電管及びグローブの周縁からはみ出すとともに前記押圧部材の放電管に重ねられない部位とケースの内面との間に配置される第2の部位とを備え、前記ケースの内面における第1の部位に対応する部位には位置決め用の突部を設け、前記第2の部位のケース側の側面には前記突部に対応する位置決め用の凹部又は孔を設けるとともに、前記第1の部位の放電管側の側面には当該放電管の外形形状に対応する係合溝を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0013】
この構成によれば、ケース側の位置決め用の突部にスペーサ側の凹部又は孔を係合させることにより、スペーサのケースに対する位置決めがなされる。さらに、その位置決めされたスペーサの係合溝に放電管が係合することにより、当該放電管のスペーサに対する位置決めがなされる。このため、照明装置に振動及び衝撃等の外力が作用した場合であれ、スペーサ及び放電管の組み付け位置がずれることはなく、当該スペーサ及び放電管はそれぞれケース内における適正位置に保持される。また、照明装置の組立作業効率が向上する。ちなみに、スペーサの第1の部位は押圧部材の放電管に重ねられる部位により放電管を介してケースの内面に押し付けられるとともに、同じく第2の部位は押圧部材の放電管に重ねられない部位によりケースの内面に押し付けられる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の照明装置において、前記スペーサの第1の部位とグローブとの間には弾性体を配置するようにしたことをその要旨とする。
この構成によれば、押圧部材により放電管がケースの内面側へ押さえつけられたとき、弾性体が弾性変形してグローブに密接する。このため、スペーサの第1の部位とグローブとの間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置に動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力は弾性体により吸収される。このため、放電管をケース内に安定して固定することができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材と放電管との間には弾性体を配置するようにしたことをその要旨とする。
【0016】
この構成によれば、押圧部材の押圧力が作用すると、それに伴い弾性体は弾性変形して放電管に密接する。このため、押圧部材と放電管との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力は弾性体により吸収される。このため、放電管をケース内に安定して固定することができる。特に、本発明を請求項6に記載の発明に適用した場合には、スペーサの第1の部位とグローブとの間の弾性体と、押圧部材と放電管との間の弾性体とが協働することにより、照明装置の耐震性能がいっそう向上する。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記ケースの開口部と反対側の側壁には単数又は複数の放熱用の透孔を形成するとともに、前記放電管の透孔側の側面とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間には通気性を有するスポンジを前記単数又は複数の透孔を囲むように配置するようにしたことをその要旨とする。
【0018】
この構成によれば、放電管から発生した熱は透孔を介して外部に排出される。また、透孔から埃や塵などの異物が進入した場合であれ、その異物はスポンジにより捉えられる。このため、透孔から進入した異物がケースと放電管との隙間を通って拡散することはない。従って、放熱性を損なうことなく透孔からの異物の進入を抑制することができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項3〜請求項8のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材の放電管に重ねられない非重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離が、当該押圧部材の放電管に重ねられる重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるように押圧部材を形成するとともに、前記締結体を、頭部を有するボルトとし、前記非重複部位とケースの内底面との間の空間に前記締結体の頭部を収容するようにしたことをその要旨とする。
【0020】
この構成によれば、押圧部材を単なる平板状に形成してボルトを締め付けるようにした場合と異なり、押圧部材の非重複部位とケースの内底面との間の距離と、押圧部材の重複部位とケースの内底面との間の距離との差の分だけ、頭部の押圧部材の表面からの突出量が抑えられる。このため、ケースの小型化、特に薄型化が図られる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記係合溝は、放電管の一方向への移動を規制する第1の係合面と、放電管の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面とを備えたことをその要旨とする。
【0022】
この構成によれば、放電管の互いに直交する二方向への移動が規制される。このため、放電管のがたつきが効果的に抑制されるとともに、放電管をケース内において安定して収容することができる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の照明装置において、前記放電管は、互いに対向する一対の透明な誘電体平板間の周縁部間を封止することにより両誘電体平板間に放電空間を形成し、当該放電空間に連通するように配置された給排気管を使用して当該放電空間内の空気と所定の放電ガスとを置換するようにした放電管であって、前記押圧部材には放電管の側縁に突設された前記給排気管を挿通可能とした第1の管用逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記給排気管を配置可能とした第2の管用逃げ部を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0024】
この構成によれば、給排気管がスペーサ及び押圧部材に干渉することがないので、放電管をケース内に好適に収容することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜請求項11のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材には、放電管の電極に接続されたリード線を挿通可能とした第1のリード線逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記リード線を配置可能とした第2のリード線逃げ部を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0025】
この構成によれば、スペーサ及び押圧部材に邪魔されることなく、押圧部材の第1のリード線逃げ部、及びスペーサの第2のリード線逃げ部を介してリード線を外部に引き出し可能となる。このため、放電管をケース内に好適に収容することができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の照明装置において、放電管の互いに反対側の側縁を押圧する一対の押圧部材を設け、前記給排気管と反対側に配置される押圧部材の第1の管用逃げ部、及び前記給排気管と反対側に配置されるスペーサの第2の管用逃げ部を、それぞれ押圧部材とケースの開口部と反対側の側壁との間の空間に引き出された前記リード線の固定部位として利用するようにしたことをその要旨とする。
【0027】
この構成によれば、同一構成の2つの押圧部材及びスペーサを使用することにより部品の共用化が図られる。また、給排気管と反対側の押圧部材及びスペーサにおいても、それらの第1及び第2の管用逃げ部を例えばリード線の固定部位として有効に利用することが可能となる。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の照明装置において、前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間には隙間を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0029】
この構成によれば、放電管から発生した熱は、グローブと放電管との間に形成されたスペーサ分の隙間、並びに前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間に形成された隙間を介して外部に逃される。従って、放熱効果の増大が図られる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は請求項14に記載の照明装置において、前記放電管の放電空間内には複数の誘電体リブを互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材はそれぞれ各誘電体リブの延びる方向に対して直交するように配置したことをその要旨とする。
【0031】
この構成によれば、押圧部材により放電管を押さえ付けたとき、当該押圧力は放電管の剛性の高い方向に作用する。このため、組付時における放電管の破損等が抑制される。
請求項16に記載の発明は、請求項5〜請求項15のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記締結体を前記位置決め用の突部に締め付けるようにしたことをその要旨とする。
【0032】
この構成によれば、締結体の締め付け部位をケース内に別途設けるようにした場合と異なり、構成の簡素化が図られる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、照明装置の小型化、特に薄型化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を例えば鉄道車両の室内灯として使用される照明装置に具体化した一実施形態を図1(a),(b)〜図10に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、例えば車両室内の天井壁Wに形成された取付け孔Waには照明装置11が挿入状態で固定されている。この照明装置11は、開口部12aを有するケース12、ケース12の内側から開口部12aを塞ぐグローブ13、及びケース12の内底面とグローブ13との間に配置された平面型の放電管14を備えている。
【0035】
<ケース>
ケース12は本体ケース15及びカバー16から構成されている。本体ケース15はアルミニウム等の金属材料により一体的に形成されている。図1(b)に併せ示すように、この本体ケース15は長方形状の固定板21を備えているとともに、当該固定板21の中央には長方形の開口部12aが形成されている。図3(a),(b)に併せ示すように、固定板21の裏面側において、開口部12aの周縁部には当該開口部12aの開口端縁から所定距離をおいて四角枠状の側壁22が設けられている。側壁22において、互いに対向する一対の短側壁にはそれぞれ一対の雌ねじ22aが形成されている。
【0036】
また、側壁22の両短側壁のうちの一方の上端縁には後述するリード線引き出し用の切欠22bが形成されている。固定板21の内面(天井壁W側の側面)において、互いに反対側に位置する開口部12aと側壁22との間の部位には、複数(本実施形態では2つ)の円柱状の位置決め突部23が短手方向に所定間隔をおいて形成されているとともに、各位置決め突部23の先端部には雌ねじ23aが形成されている。また、固定板21の内面において、開口部の周縁には所定幅の四角環状の位置決め溝24が形成されている。この位置決め溝24は後述するグローブ13の外形形状に合わせて形成される。さらに、固定板21の側壁22よりも外側の部位は四角環状の取付けフランジ21aとされるとともに、当該取付けフランジ21aの互いに反対側に位置する短側縁には一対の孔21bが形成されている。
【0037】
一方、図1(a)に示されるように、カバー16は、本体ケース15の側壁22を覆うように取り付けられている。このカバー16はアルミニウム等の金属材料により一側が開口した有蓋箱体状に形成されている。図4(a),(b)に併せ示すように、カバー16の底壁31には複数個の放熱孔32が形成されている。また、カバー16の四角枠状の側壁33において、互いに対向する一対の短側壁には一対のボルト挿通孔33aが形成されている。このボルト挿通孔33aは、カバー16を本体ケース15に取り付けた状態において、当該本体ケース15の短側壁に形成された雌ねじ22aに一致するように配置されている。さらに、側壁22において、両短側壁のうちの一方の下端縁には後述するリード線引き出し用の切欠33bが形成されている。この切欠33bはカバー16を本体ケース15に取り付けた状態において、当該本体ケース15の側壁22の短側壁に形成された切欠22bと一致するように配置されている。
【0038】
図1(a)に示されるように、カバー16は本体ケース15の側壁22を覆うように取り付けられるとともに、側壁22のボルト挿通孔33aに外方からボルト34を挿通して本体ケース15の雌ねじ22aに締め付けることにより本体ケース15に固定されている。そして、本体ケース15にカバー16が装着されることにより構成されたケース12は、カバー16側から天井壁Wの取付け孔Waに挿入されるとともに、取付けフランジ21aの孔21bに外方からボルト35を挿通して天井壁W側の雌ねじWbに締め付けることにより、天井壁Wに固定されている。
【0039】
<グローブ>
図1(a)に示されるように、本体ケース15の位置決め溝24にはグローブ13が載置されている。このグローブ13により本体ケース15の開口部12aが内側から閉塞されている。グローブ13はポリカーボネート樹脂等の透光性及び難燃性を有する合成樹脂材料により長方形状に形成されている。また、グローブ13の外形形状は本体ケース15の位置決め溝24の輪郭に対応しているとともに、当該位置決め溝24の内周面とグローブ13の外周面との間には若干の隙間が形成されている。そして、グローブ13の外周縁が位置決め溝24に係合することにより、当該グローブ13の長手方向及び短手方向への移動が規制される。また、グローブ13を本体ケース15の位置決め溝24に載置した状態において、当該グローブ13の内面(上面)が固定板21の内面よりも高くなるように、当該グローブ13の厚みは設定されている。なお、グローブ13の内面において、互いに反対側に位置する2つの短側縁には長尺状のゴム製のパッキン36が接着剤等により固定されている。
【0040】
<スペーサ>
図1(a)に示されるように、本体ケース15内には、2つのスペーサ41,41が開口部12aの互いに反対側に位置する短側縁に沿うように配置されている。図5(a)〜図5(c)に併せ示すように、スペーサ41はポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料により長尺状に形成されている。スペーサ41の厚みは本体ケース15の位置決め突部23の固定板21からの突出高さとほぼ同じになるように、あるいは若干高くなるように設定されている。スペーサ41の下面の一側縁には、段状の段差部42が当該スペーサ41の全長にわたって形成されている。
【0041】
そして前記段差部42を形成することによりスペーサ41の一側面には第1の部位として断面四角形状の突条43が当該スペーサ41の全長にわたって形成されている。スペーサ41の突条43以外の部位は第2の部位としての支持部44とされている。スペーサ41を本体ケース15内に載置した状態において、突条43の下面と、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13との間に所定の隙間が形成されるように、突条43の厚み(即ち、段差部42の段差)は設定されている。
【0042】
スペーサ41の上面の一側縁、即ち突条43の上面には、所定幅の係合溝45が当該スペーサ41の一側縁側に開放するように形成されている。係合溝45は後述する平面型の放電管14の短側縁側の外形形状に対応する範囲に形成されている。即ち、係合溝45の内側面において、スペーサ41の延びる方向に平行な内側面は後述する放電管14の短側縁を係合可能とした第1の係合面45aとされている。また、係合溝45の内側面において、スペーサ41の延びる方向に対して直交する方向へ延びる2つの内側面は後述する放電管14の両長側縁の一端側をそれぞれ係合可能とした第2の係合面45bとされている。
【0043】
スペーサ41の上面において、係合溝45の一端側にはスペーサ41の係合溝45と反対側の他側縁に向かって延びるように形成された半円状の溝46が形成されている。また、スペーサ41の上面において、係合溝45の溝46と反対側の他端側にはスペーサ41の係合溝45と反対側の他側縁に向かって延びるように形成されたリード線引き出し用の半円状の切欠溝47が形成されている。図5(c)に示されるように、切欠溝47の深さは突条43の厚みよりも若干大きくなるように設定されている。
【0044】
さらに、図5(a),(b)に示されるように、スペーサ41の上面において、溝46と切欠溝47との間には、本体ケース15の位置決め突部23を挿通可能とした2つの位置決め孔48がスペーサ41の延びる方向において所定間隔をおいて形成されている。また、スペーサ41の上面において、両位置決め孔48の間における溝46寄りには後述する給排気管54の逃げ溝49が当該スペーサ41の幅方向における全長にわたって形成されている。図5(c)に示されるように、逃げ溝49の深さは突条43の厚みよりも若干小さくなるように設定されている。
【0045】
図1(a)に示されるように、スペーサ41はその位置決め孔48に本体ケース15の位置決め突部23が挿通された状態で、本体ケース15内に載置されている。このとき、スペーサ41の上面と位置決め突部23の上端面とはほぼ面一、あるいはスペーサ41の上面の方が位置決め突部23の上端面よりも若干高くなっている。また、突条43の下面と、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13との隙間には、前記パッキン36が若干圧縮された状態で配置されている。
【0046】
<平面型放電管>
図1(a)に示されるように、両スペーサ41の上面間、正確には係合溝45間には、平面型の放電管14が載置されている。図6(a),(b)に示すように、放電管14は互いに対向する一対の長方形状のガラス基板51,51を備えている。両ガラス基板51,51の外周縁間がガラス接着剤52により封止されることにより、両ガラス基板51,51間には放電空間53が形成されている。この放電空間53内には放電管14の側壁(即ち、両ガラス基板51,51間のガラス接着剤52)を貫通した給排気管54を使用して放電ガスとしてキセノンガス(Xe)等の不活性ガス又はキセノンガスを含む混合ガスが封入されている。
【0047】
放電空間53内には複数の誘電体リブ55が介在されている。誘電体リブ55はガラス等の誘電体により長尺状に形成されている。各誘電体リブ55は両ガラス基板51,51の長手方向へ延びるように、且つ互いに平行をなすように短手方向において所定間隔毎に配置されている。各誘電体リブ55の上下の側縁部は、それぞれ両ガラス基板51,51の内面に図示しないガラス接着材により接合されている。各誘電体リブ55により両ガラス基板51,51の間隔が一定に保持されている。
【0048】
両ガラス基板51,51のうち一方のガラス基板51の表面は発光面(光を取り出す面)Sとされており、当該発光面Sにはその全面にわたって膜状の透明電極56が形成されている。この透明電極56は例えば酸化インジウムスズにより形成されている。発光面Sとされない他方のガラス基板51の外面には、その全面にわたって不透明電極57が形成されている。この不透明電極57は例えば銀やアルミニウム等の光を反射する性質を有する金属材料の金属蒸着膜により形成されている。また、放電空間53内において、不透明電極57が設けられたガラス基板51の内面には、蛍光体膜58が形成されている。
【0049】
透明電極56及び不透明電極57の外面にはそれぞれ半田等の導電接着材59によりリード線60の一端が接続されている。両リード線60,60の他端は図1(b)に示されるようにケース12の外部に導出されるとともに、それぞれ図示しないインバータ回路等を介して図示しない交流電源に接続されている。そして、両リード線60,60を介して、透明電極56と不透明電極57との間に所定の交流電圧を印加すると、両ガラス基板51,51間には誘電体バリヤ放電が発生し、励起したキセノン原子から紫外線が発生する。この紫外線が蛍光体膜58により可視光に変換されて発光面から出射する。
【0050】
図8に示すように、給排気管54が一方のスペーサ41の逃げ溝49内に収容されるように、放電管14は両スペーサ41の係合溝45間に載置されている。そして、放電管14の両短側縁及び両長側縁の短側縁側の一部がそれぞれ係合溝45の第1及び第2の係合面45a,45bに係合することにより、当該放電管14の長手方向及び短手方向への移動が規制される。両スペーサ41の係合溝45の形状が放電管14の短側縁側の外形形状に対応して形成されていることにより、当該放電管14の外周縁と係合溝45との間には若干の隙間が形成されるのみである。このため、放電管14のがたつき等もほとんどない。
【0051】
なお、放電管14の外面、正確には不透明電極57の外面において、互いに反対側に位置する2つの短側縁には長尺状のゴム製のパッキン61が接着剤等により固定されている。また、不透明電極57の外面には、通気性を有する四角枠状のスポンジ62が接着剤等により固定されている。図1(a)に併せ示されるように、スポンジ62の上面が本体ケース15の側壁22の上端縁よりも高くなるように、当該スポンジ62の厚みは設定されている。さらに、図4(a)に二点鎖線で示されるように、スポンジ62は、カバー16を本体ケース15に取り付けたときに、各放熱孔32群の周囲を囲むようにしてカバー16の内面に当接可能となるように、当該スポンジ62の開口面積は設定されている。そして、本体ケース15にカバー16が取り付けられた状態において、スポンジ62はカバー16の内底面に押圧されることにより若干圧縮された状態に保たれている。スポンジ62はカバー16により若干圧縮された状態であっても通気性が確保されている。
【0052】
<押圧部材>
図1(a)に示されるように、スペーサ41の上面(正確には、支持部44の上面)には押圧部材71が固定されている。図7(a)〜図7(c)に示すように、押圧部材71は鉄鋼等の金属板を折り曲げることにより形成されている。押圧部材71は、スペーサ41の上面に載置される固定部72、当該固定部72をスペーサ41の上面に載置したときに放電管14の側縁上方に位置する押圧部73、並びに固定部72及び押圧部73を連結する連結部74から断面クランク状に形成されている。
【0053】
押圧部材71の一端寄りにはリード線引き出し用の切欠75が形成されるとともに、同じく他端寄りには給排気管54を逃がすための透孔76が形成されている。切欠75は押圧部73の側縁から連結部74までの領域にわたって形成されるとともに、当該切欠75の開口縁は円弧状に形成されて押圧部73の側縁に滑らかに連続している。また、透孔76は連結部74から固定部72の途中までの領域にわたって形成されている。
【0054】
固定部72には2つの挿通孔77,77が長手方向において所定間隔をおいて形成されている。両挿通孔77,77は固定部72をスペーサ41の上面に載置したときに、当該スペーサ41の2つの位置決め孔48にそれぞれ一致するように配置されている。そして、押圧部材71の挿通孔77と本体ケース15の位置決め孔48とが一致するように当該押圧部材71をスペーサ41の上面に載置するとともに、両挿通孔77,77に上方から図1(a)に示されるボルト78を挿通して位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、当該押圧部材71はスペーサ41の上面に固定されている。ボルト78の頭部78aが押圧部73の上面を越えることがないように、スペーサ41の厚み、押圧部材71の厚み及び連結部74の折り曲げ高さ等がそれぞれ設定されている。なお、押圧部73と放電管14の上面側縁部との間にはゴム製のパッキン61が若干圧縮された状態で配置されている。
【0055】
図9に示すように、押圧部材71をスペーサ41の上面に固定した状態において、当該押圧部材71の透孔76とスペーサ41の逃げ溝49とは一致している。そして、放電管14の給排気管54が突出している側を押圧する押圧部材71の透孔76からは給排気管54が露出している。一方、図10に示すように、放電管14の給排気管54と反対側を押圧する押圧部材71におけるリード線引き出し用の切欠75には不透明電極57に接続されたリード線60が通されるとともに、固定部72の上面を配回されて押圧部材71の透孔76の近傍に導かれている。また、透明電極56に接続されたリード線60は押圧部材71の側方から押圧部材71の固定部72の上面を配回されて押圧部材71の透孔76の近傍まで導かれている。そして、両リード線60,60は押圧部材71の透孔76及びスペーサ41の逃げ溝49を利用して押圧部材71の固定部72に巻回された結束バンド81により当該固定部72の上面に固定されている。両リード線60,60の先端はさらに本体ケース15の側壁22に形成された切欠22b及び当該切欠22bに一致するカバー16の切欠33b(図4(b)参照)を介して外部に導出されている。
【0056】
<組立手順>
次に、前述のように構成した照明装置の組立手順について説明する。
照明装置11を組み立てる際には、図2に示すように、本体ケース15を側壁22が上を向くように図示しない作業台等に載置する。そして、グローブ13を本体ケース15内の位置決め溝24に載置する。このとき、グローブ13は位置決め溝24により位置決めされるので、グローブ13の本体ケース15に対する取付け位置を調節する必要はない。このため、グローブ13の取付け作業は簡単に行われる。
【0057】
次に、2つのスペーサ41,41を本体ケース15内に載置する。このとき、スペーサ41の位置決め孔48に本体ケース15の位置決め突部23が挿通されることにより、当該スペーサ41の本体ケース15に対する位置決めがなされる。即ち、スペーサ41の位置決め孔48に位置決め突部23を挿通するだけで、スペーサ41の押圧部73がグローブ13の内面に設けられたパッキン36に当接する適正位置に配置される。このため、スペーサ41の本体ケース15に対する取付け位置を調節する必要はなく、グローブ13の取付け作業は簡単に行われる。
【0058】
次に、2つのスペーサ41の係合溝45間に放電管14を載置する。ここでも、放電管14は係合溝45により本体ケース15内における適正位置に位置決めされるので、放電管14の本体ケース15に対する取付け位置の調節は不要である。また、放電管14の側部から突出する給排気管54は一方のスペーサ41の逃げ溝49に収容されるとともに、透明電極56に接続されたリード線60の導電接着材59は他方のスペーサ41の切欠溝47に収容される。このため、給排気管54及び導電性接着材59がスペーサ41に干渉することがないので、放電管14はケース12内に安定して収容される。
【0059】
次に、2つの押圧部材71の挿通孔77がそれぞれスペーサ41の位置決め孔48に一致するように、両押圧部材71をスペーサ41の上面に載置する。このとき、放電管14の給排気管54は一方の押圧部材71の透孔76に挿通されることにより、当該給排気管54が押圧部材71に干渉することはない。また、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60は他方の押圧部材71の切欠75から引き出される。このため、給排気管54及びリード線60が押圧部材71の装着の邪魔になることはない。
【0060】
そして、押圧部材71の上方からボルト78を挿通するとともに、スペーサ41の位置決め孔48に挿通された位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、両押圧部材71をスペーサ41の上面に固定する。このボルト78の締め付けにより、放電管14はパッキン61を介してスペーサ41の上面に押し付けられるとともに、当該スペーサ41によりグローブ13がパッキン36を介して固定板21の内面に押し付けられる。即ち、グローブ13、スペーサ41及び放電管14は押圧部材71により固定板21側へ押圧されることにより、一括して本体ケース15内に固定される。
【0061】
最後に、本体ケース15の側壁22を覆うようにカバー16を被せるとともに、当該カバー16の側壁22のボルト挿通孔33aに外方からボルト34を挿通して本体ケース15の雌ねじ22aに締め付けることによりカバー16を本体ケース15に固定する。以上で照明装置11の組立作業は完了となる。グローブ13、スペーサ41、放電管14及びカバー16等の各部材を本体ケース15に積み重ねていくだけなので、照明装置11の組立作業は非常に簡単なものとなる。そして図1(a)に示されるように、照明装置11をカバー16側から天井壁Wの取付け孔Waに挿入するとともに、取付けフランジ21aの孔21bに外方からボルト35を挿通して天井壁W側の雌ねじWbに締め付けることにより、照明装置11は天井壁Wに固定される。
【0062】
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)押圧部材71により放電管14をケース12の開口部12aが形成された側壁22側に押圧することにより、グローブ13をケース12の開口部12aが形成された側壁22の内面に押し付けて固定するようにした。このため、グローブ13と放電管14とを別々にケース12に固定するようにした場合と異なり、グローブ13を固定するための部品の収容スペースをケース12内において確保する必要がないので、その分、ケース12の小型化、ひいては照明装置11の小型化が図られる。特に、平面型の放電管14を光源として採用したことにより、照明装置11の薄型化が図られる。そして、放電管14が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管14(正確には、その側縁)によりグローブ13をケース12の内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管14の薄さという利点を生かしつつ、照明装置11の薄型化が図られる。
【0063】
ちなみに、光源として例えば円筒状の放電管を採用するようにした場合には、本実施形態のようなグローブ13の固定構造の採用は困難である。即ち、一般に円筒状の放電管の両端はそれぞれソケットに接続される構成が採用されることが多い。このため、放電管をグローブ側に単純に押し付ければよいというわけではなく、ソケットに接続された状態でグローブ13を押圧可能とする構成が別途必要となる。また、円筒状であるが故に安定した押圧力を発揮させにくいという問題もある。
【0064】
(2)ケース12の開口部12a側の側壁の内面において、開口部12aの周縁部にはグローブ13の外形形状に対応する位置決め溝24を形成するようにした。そして、この位置決め溝24にグローブ13を配置するようにした。このため、位置決め溝24の深さの分だけグローブ13のケース12の内面からの突出高さが小さくなるので、ケース12の薄型化が可能となる。また、グローブ13の外周縁が位置決め溝24に係合することにより、グローブ13のケース12に対する位置決めが容易になされる。従って、グローブ13のケースに対する組み付け作業性が向上する。
【0065】
(3)押圧部材71は、その一部である押圧部73が放電管14の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管14に重ねられない部位である固定部72においてケース12の開口部12aが形成された側壁である固定板21にボルト78により締め付けられるようにした。このため、押圧部材71の固定部72がボルト78によりケース12の固定板21に締め付けられることにより、押圧部材71の押圧部73により放電管14及びグローブ13はそれぞれケース12の固定板21の内面に押し付けられる。そして、放電管14に例えばボルトを挿通することは困難であるところ、本実施形態によれば、板状の押圧部材71により放電管14をケース12の固定板21に押し付ける構成を採用したことにより、照明装置11の厚みの増大を抑制しつつ簡単な構成で放電管14をケース12内に固定することができる。
【0066】
(4)グローブ13の周縁部と放電管14の周縁部との間にはスペーサ41を配置するようにした。このため、グローブ13と放電管14との間にはスペーサ41分の隙間が形成される。この隙間を介して放電管14から発生する熱を逃がすことができる。なお、グローブ13はスペーサ41を介してケース12の開口部12aが形成された側壁の内面に押し付けられる。
【0067】
(5)スペーサ41は、グローブ13の周縁部と放電管14の周縁部との間に介在する第1の部位としての突条43と、放電管14及びグローブ13の周縁からはみ出すとともに前記押圧部材71の固定部72とケース12の固定板21の内面との間に配置される第2の部位としての支持部44とを備えた。一方、ケース12の内面における支持部44に対応する部位には位置決め突部23を設けるようにした。そして、支持部44のケース側の側面には位置決め突部23に対応する位置決め孔48を設けるとともに、当該突条43の放電管14側の側面には当該放電管14の外形形状に対応する係合溝45を形成するようにした。
【0068】
このため、ケース12側の位置決め突部23にスペーサ41の位置決め孔48を係合させることにより、スペーサ41のケース12に対する位置決めがなされる。さらに、その位置決めされたスペーサ41の係合溝45に放電管14が係合することにより、当該放電管14のスペーサ41に対する位置決めがなされる。従って、照明装置11に振動及び衝撃等の外力が作用した場合であれ、スペーサ41及び放電管14の組み付け位置がずれることはなく、当該スペーサ41及び放電管14はそれぞれケース12内における適正位置に保持される。また、照明装置11の組立作業効率を向上させることができる。
【0069】
(6)スペーサ41の突条43とグローブ13との間にはパッキン36を配置するようにした。このため、押圧部材71により放電管14がケース12の内面側へ押さえつけられたとき、パッキン36が弾性変形してグローブ13に密接する。このため、突条43とグローブ13との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置11に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力はパッキン36により吸収される。このため、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0070】
(7)押圧部材71と放電管14との間にはパッキン61を配置するようにした。このため、押圧部材71の押圧力が作用すると、それに伴いパッキン61は弾性変形して放電管14に密接する。このため、押圧部材71と放電管14との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置11に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力はパッキン61により吸収される。このため、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0071】
(8)ケース12の開口部12aと反対側の側壁、即ちカバー16の底壁31には複数の放熱孔32を形成するとともに、放電管14の放熱孔32側の側面とカバー16の内面との間には、各放熱孔32を取り囲む通気性を有するスポンジ62を配置するようにした。このため、放電管14から発生した熱はカバー16の放熱孔32を介して外部に排出される。また、各放熱孔32から埃や塵などの異物が進入した場合であれ、その異物はスポンジ62により捉えられる。このため、放熱孔32から進入した異物がケース12と放電管14との隙間を通って拡散することはない。従って、放熱性を損なうことなく放熱孔32からの異物の進入を抑制することができる。
【0072】
(9)押圧部材71の放電管14に重ねられない非重複部位としての固定部72とケース12の開口部12aと反対側の側壁の内面(即ちカバー16の内底面)との間の距離を次のように設定した。即ち、押圧部材71の放電管14に重ねられる重複部位としての押圧部73とケース12の開口部12aと反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるようにした。そして、ボルト78の頭部78aを押圧部材71の固定部72とカバー16の内底面との間の空間に配置するようにした。このため、押圧部材71を単なる平板状としてボルト78を締め付けるようにした場合と異なり、固定部72とカバー16の内底面との間の距離と、押圧部73とカバー16の内底面との間の距離との差の分だけ、頭部78aの押圧部材71の表面からの突出量が抑えられる。このため、ケース12の小型化、特に薄型化が図られる。
【0073】
(10)スペーサ41の係合溝45は、放電管14の一方向への移動を規制する第1の係合面45aと、放電管14の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面45bとを備えた。このため、放電管14の互いに直交する二方向への移動が規制される。従って、放電管14のがたつきが効果的に抑制されるとともに、放電管14をケース12内において安定して収容することができる。
【0074】
(11)押圧部材71には放電管14の側縁に突設された給排気管54を挿通可能とした管用挿通孔としての透孔76を形成するとともに、スペーサ41には給排気管54を配置可能とした管用逃げ部としての逃げ溝49を形成するようにした。このため、給排気管54がスペーサ41及び押圧部材71に干渉することがないので、放電管14をケース12内に好適に収容することができる。
【0075】
(12)本実施形態では、押圧部材71には、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60を挿通可能としたリード線引き出し用の切欠75を形成するとともに、スペーサ41には透明電極56に接続されたリード線60を配置可能としたリード線用逃げ部としての切欠溝47を形成するようにした。このため、押圧部材71及びスペーサ41に邪魔されることなく、リード線60を外部に引き出すことができる。ひいては、放電管14をケース12内に好適に収容することができる。
【0076】
(13)放電管14の互いに反対側に位置する側縁を押圧する2つの押圧部材71を設けるようにした。そして、給排気管54と反対側に配置される押圧部材71の透孔76及び給排気管54と反対側に配置されるスペーサ41の逃げ溝49を、それぞれ押圧部材71とケース12の内底面との間の空間に引き出された前記リード線の固定部として利用するようにした。このため、同一構成の2つの押圧部材71及びスペーサ41を使用することにより部品の共用化が図られる。また、給排気管54と反対側の押圧部材71及びスペーサ41においても、それらの透孔76及び逃げ溝49を利用して結束バンド81を巻回することにより、リード線60の固定部位として有効に利用することができる。
【0077】
(14)放電管14の周縁及びグローブ13の周縁とケース12の内側壁との間には隙間を形成するようにした。このため、放電管14から発生した熱は、グローブ13と放電管14との間に形成されたスペーサ41分の隙間、並びに放電管14の周縁及びグローブ13の周縁とケース12の内側壁との間に形成された隙間を介して外部に逃される。従って、放熱効果の増大が図られる。
【0078】
(15)放電管14の放電空間53内には複数の誘電体リブ55を互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材71はそれぞれ各誘電体リブ55の延びる方向に対して直交するように配置した。このため、押圧部材71により放電管14を押さえ付けたとき、当該押圧力は放電管14の剛性の高い方向に作用する。このため、組付時における放電管14の破損等が抑制される。
【0079】
(16)ボルト78をケース側に設けられた位置決め突部23に締め付けるようにした。このため、ボルト78の締め付け部位をケース12内に別途設けるようにした場合と異なり、構成の簡素化が図られる。
【0080】
<他の実施形態>
尚、前記各実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
・図11に示すように、スペーサ41を断面コの字状のブラケット91に置換するようにしてもよい。このブラケット91の下側の側壁22には、本体ケース15の位置決め突部23が貫通しているとともに、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13の側縁に対向する押圧部91aが上側の側壁22側へ折り曲げ形成されている。押圧部73とグローブ13との間にはパッキン36が若干圧縮された状態で介在されている。ブラケット91の上側の側壁22には放電管14が載置される載置部91bが下側の側壁22側へ折り曲げ形成されている。このようにしても、ブラケット91の上方からボルト78を位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、グローブ13、ブラケット91及び放電管14をそれぞれ本体ケース15の内面に一括して固定することができる。また、ブラケット91の上下の両側壁22間にゴム及びスポンジ等のクッション材を介在するようにしてもよい。このようにすれば、照明装置11に振動及び衝撃等の外力が加わった場合であれ、その外力がクッション材により吸収されるので、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0081】
・本実施形態では、グローブ13とスペーサ41とを別部材としたが、両者を射出成形等により一体形成するようにしてもよい。このようにすれば、部品点数の低減、ひいては照明装置11の組立工数の低減が図られる。
【0082】
・本体ケース15と押圧部材71とを一体形成するようにしてもよい。例えば、本体ケース15の側壁22の上端縁に押圧部材71を内方へ折り曲げるようにして形成する。このようにすれば、部品点数が低減する。
【0083】
・本実施形態では、放電管14の互いに反対側に位置する2つの短側縁をそれぞれ押圧部材71により押圧するようにしたが、当該押圧部材を複数に分割する等して、放電管14の一方の短側縁につき2つ、3つ又はそれ以上の押圧部材により押圧するようにしてもよい。
【0084】
・本実施形態では、放電管14の互いに反対側に位置する2つの短側縁をそれぞれ押圧部材71により押圧するようにしたが、放電管14の互いに反対側に位置する2つの長側縁をそれぞれ押圧するようにしてもよい。
【0085】
・本実施形態では、スペーサ41の上面を本体ケース15の側壁22の上端縁よりも低くするようにしたが、例えばスペーサ41の上面が本体ケース15の側壁22の上端縁と面一となるように当該スペーサ41の厚みを設定するようにしてもよい。この場合、押圧部材71は平板状に形成する。このようにしても、照明装置11の厚みを大幅に増大することはない。
【0086】
・本実施形態では、本体ケース15内に2つのスペーサ41を本体ケース15の長手方向において対向配置するとともに両スペーサ41間に放電管14を載置するようにしたが、次のようにしてもよい。例えば本体ケース15の位置決め溝24に沿うような四角環状のスペーサを設けてその上に放電管14を載置するようにしてもよい。
【0087】
・本実施形態では、照明装置11を鉄道車両の室内灯として使用するようにしたが、自動車、船舶及び航空機等の室内灯として使用してもよい。また、液晶ディスプレイの背面に設けられる照明(バックライト)として使用するようにしてもよい。
【0088】
・本実施形態では、ケース12(本体ケース15及びカバー16)をアルミニウム等の金属材料により形成したが、ポリカーボネート及びポリアミド等の合成樹脂材料(エンジニアリングプラスチック)により形成してもよい。
【0089】
・本実施形態では、単一の放電管14を備えた1灯式の照明装置11としたが、2つの放電管14を備えた2灯式、3つの放電管14を備えた3灯式又はそれ以上の放電管14を備えた多灯式の照明装置11としてもよい。この場合、複数個の放電管14は一列に並べたり、縦横に並べたりすることが考えられる。ケース12の寸法は、収容する放電管14の個数及び配置パターン等に応じて適宜設定する。グローブ13、スペーサ41及び放電管14を押圧部材71で押し付けるという固定方法は本実施形態と同様である。
【0090】
・本実施形態では、スペーサ41に位置決め孔48を形成するとともに、当該位置決め孔48にはケース12側の位置決め突部23を挿通するようにしたが、位置決め孔48をスペーサ41を貫通しない穴及び凹部等としてもよい。この場合、位置決め突部23は前記穴及び凹部に嵌合可能に形成する。また、押圧部材71の本体ケース15への固定は、位置決め突部23の雌ねじ23a以外の部位で行うようにしてもよい。
【0091】
・本実施形態では、押圧部材71には給排気管54を逃がすための構成として透孔76を形成するようにしたが、当該透孔76に代えて例えば押圧部材71の押圧部73側から切り欠かれた管用切欠としてもよい。この場合、当該管用切欠は本発明の第1の管用逃げ部を構成する。
【0092】
・本実施形態では、押圧部材71には、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60を挿通可能としたリード線引き出し用の切欠75を形成するようにしたが、第1のリード線逃げ部として透孔を形成するようにしてもよい。
【0093】
・本実施形態では、カバー16の底壁31に複数個の放熱孔32を形成するようにしたが、例えば単一の透孔を設けるようにしてもよい。この場合、当該透孔の開口面積は本実施形態の放熱孔32の開口面積よりも大きくすることが好ましい。
【0094】
・本実施形態では、放電管14を四角形としたが、円形、三角形、楕円形、並びに五角形及び六角形などの多角形としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】(a)は本実施形態の照明装置の部分断面図、(b)は同じく照明装置の下面図。
【図2】同じく照明装置の分解斜視図。
【図3】(a)は同じく本体ケースの平面図、(b)は同じく本体ケースの側面図。
【図4】(a)は同じくカバーの平面図、(b)は同じくカバーの側面図。
【図5】(a)は同じくスペーサの斜視図、(b)は同じくスペーサの平面図、(c)は同じくスペーサの正面図。
【図6】(a)は同じく平面型の放電管の正断面図、(b)は図6(a)の1−1線断面図。
【図7】(a)は同じく押圧部材の斜視図、(b)は同じく押圧部材の下面図、(c)は同じく押圧部材の正面図。
【図8】給排気管がスペーサの逃げ溝に収容された状態を示す照明装置の要部斜視図。
【図9】給排気管と押圧部材の透孔との位置関係を示す照明装置の要部斜視図。
【図10】リード線の結束状態を示す照明装置の要部斜視図。
【図11】別の実施形態におけるスペーサを示す照明装置の要部断面図。
【符号の説明】
【0096】
11…照明装置、12a…開口部、12…ケース、13…グローブ、14…放電管、
23…位置決め突部、24…位置決め溝(グローブの外形形状に対応する溝)、
32…放熱孔(透孔)、36,61…パッキン(弾性体)、41…スペーサ、
43…突条(第1の部位)、44…支持部(第2の部位)、45…係合溝、
45a…第1の係合面、45b…第2の係合面、
47…切欠溝(スペーサの第2のリード線逃げ部)、48…位置決め孔、
49…逃げ溝(スペーサの第2の管用逃げ部)、51…ガラス基板(誘電体平板)、
53…放電空間、54…給排気管、55…誘電体リブ、62…スポンジ、
71…押圧部材(押圧手段)、72…固定部(押圧部材の非重複部位)、
73…押圧部(押圧部材の重複部位)、
75…切欠(押圧部材の第1のリード線逃げ部)、
76…透孔(押圧部材の第1の管用逃げ部)、78…ボルト(締結体)、78a…頭部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内を照明する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば鉄道車両等の室内を照明する照明装置として特許文献1に示される構成が知られている。この照明装置は、室内の天井等に固定されるハウジングと、ハウジング内に固定された一対のソケットと、両ソケット間に支持された蛍光ランプと、蛍光ランプを覆うようにしてハウジングに装着されたグローブとを備えている。蛍光ランプからの可視光はグローブを介して外部に出射するとともに、この出射した光により室内は照明される。
【特許文献1】特開平10−208522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の照明装置においては、蛍光管及びソケットに合わせてハウジングの厚みが決定される。蛍光管及びソケットの小型化(縮径化)には限界があるので、それらを収容するハウジングの薄型化も必然的に限界があった。特に鉄道車両及び自動車等の車両においては、室内空間をできる限り広く確保するために、照明装置の占有空間の拡大を抑制することが強く望まれていた。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、小型化、特に薄型化が図られる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、照明装置において、開口部を有するケースと、前記開口部に収容された平面型の放電管と、前記開口部をケースの内側から塞ぐとともに透光性を有するグローブと、を備え、押圧手段により前記放電管をケースの開口部が形成された側壁側に押圧することにより、前記グローブをケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けて固定するようにしたことをその要旨とする。
【0006】
この構成によれば、グローブと放電管とを別々にケースに固定するようにした場合と異なり、グローブを固定するための部品の収容スペースをケース内において確保する必要がないので、その分ケースの小型化が図られる。ひいては照明装置の小型化が図られる。特に、平面型の放電管を光源として採用したことにより、照明装置の薄型化が図られる。そして、放電管が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管によりグローブをケースの内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管の薄さという利点を生かしつつ、照明装置の薄型化が図られる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置において、前記ケースの開口部が形成された側壁の内面において、開口部の周縁部にはグローブの外形形状に対応する溝を形成するとともに、当該溝にグローブを配置するようにしたことをその要旨とする。
【0008】
この構成によれば、溝の深さの分だけグローブのケースの内面からの突出高さが小さくなるので、ケースの薄型化が可能となる。また、グローブの外周縁が位置決め溝に係合することにより、グローブのケースに対する位置決めが容易になされる。従って、グローブのケースに対する組み付け作業性が向上する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明装置において、前記押圧手段は、一部が前記放電管の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管に重ねられない部位においてケースの開口部が形成された側壁に締結体により締め付けられる単数又は複数の板状の押圧部材であることをその要旨とする。
【0010】
この構成によれば、押圧部材の放電管に重ねられない部位が締結体によりケースの開口部が形成された側壁に締め付けられることにより、押圧部材の放電管に重ねられた部位により放電管及びグローブはそれぞれケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けられる。そして、放電管に例えば締結体を挿通することは困難であるところ、本発明によれば、板状の押圧部材により放電管をケースの開口部が形成された側壁に押し付ける構成を採用したことにより、照明装置の厚みの増大を抑制しつつ簡単な構成で放電管をケース内に固定することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の照明装置において、前記グローブの周縁部と前記放電管の周縁部との間にはスペーサを配置するようにしたことをその要旨とする。
この構成によれば、グローブと放電管との間にはスペーサ分の隙間が形成される。この隙間を介して放電管から発生する熱を逃がすことが可能となる。なお、グローブはスペーサを介してケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けられる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の照明装置において、前記スペーサは、グローブの周縁部と放電管の周縁部との間に介在する第1の部位と、放電管及びグローブの周縁からはみ出すとともに前記押圧部材の放電管に重ねられない部位とケースの内面との間に配置される第2の部位とを備え、前記ケースの内面における第1の部位に対応する部位には位置決め用の突部を設け、前記第2の部位のケース側の側面には前記突部に対応する位置決め用の凹部又は孔を設けるとともに、前記第1の部位の放電管側の側面には当該放電管の外形形状に対応する係合溝を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0013】
この構成によれば、ケース側の位置決め用の突部にスペーサ側の凹部又は孔を係合させることにより、スペーサのケースに対する位置決めがなされる。さらに、その位置決めされたスペーサの係合溝に放電管が係合することにより、当該放電管のスペーサに対する位置決めがなされる。このため、照明装置に振動及び衝撃等の外力が作用した場合であれ、スペーサ及び放電管の組み付け位置がずれることはなく、当該スペーサ及び放電管はそれぞれケース内における適正位置に保持される。また、照明装置の組立作業効率が向上する。ちなみに、スペーサの第1の部位は押圧部材の放電管に重ねられる部位により放電管を介してケースの内面に押し付けられるとともに、同じく第2の部位は押圧部材の放電管に重ねられない部位によりケースの内面に押し付けられる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の照明装置において、前記スペーサの第1の部位とグローブとの間には弾性体を配置するようにしたことをその要旨とする。
この構成によれば、押圧部材により放電管がケースの内面側へ押さえつけられたとき、弾性体が弾性変形してグローブに密接する。このため、スペーサの第1の部位とグローブとの間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置に動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力は弾性体により吸収される。このため、放電管をケース内に安定して固定することができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材と放電管との間には弾性体を配置するようにしたことをその要旨とする。
【0016】
この構成によれば、押圧部材の押圧力が作用すると、それに伴い弾性体は弾性変形して放電管に密接する。このため、押圧部材と放電管との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力は弾性体により吸収される。このため、放電管をケース内に安定して固定することができる。特に、本発明を請求項6に記載の発明に適用した場合には、スペーサの第1の部位とグローブとの間の弾性体と、押圧部材と放電管との間の弾性体とが協働することにより、照明装置の耐震性能がいっそう向上する。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記ケースの開口部と反対側の側壁には単数又は複数の放熱用の透孔を形成するとともに、前記放電管の透孔側の側面とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間には通気性を有するスポンジを前記単数又は複数の透孔を囲むように配置するようにしたことをその要旨とする。
【0018】
この構成によれば、放電管から発生した熱は透孔を介して外部に排出される。また、透孔から埃や塵などの異物が進入した場合であれ、その異物はスポンジにより捉えられる。このため、透孔から進入した異物がケースと放電管との隙間を通って拡散することはない。従って、放熱性を損なうことなく透孔からの異物の進入を抑制することができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項3〜請求項8のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材の放電管に重ねられない非重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離が、当該押圧部材の放電管に重ねられる重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるように押圧部材を形成するとともに、前記締結体を、頭部を有するボルトとし、前記非重複部位とケースの内底面との間の空間に前記締結体の頭部を収容するようにしたことをその要旨とする。
【0020】
この構成によれば、押圧部材を単なる平板状に形成してボルトを締め付けるようにした場合と異なり、押圧部材の非重複部位とケースの内底面との間の距離と、押圧部材の重複部位とケースの内底面との間の距離との差の分だけ、頭部の押圧部材の表面からの突出量が抑えられる。このため、ケースの小型化、特に薄型化が図られる。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記係合溝は、放電管の一方向への移動を規制する第1の係合面と、放電管の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面とを備えたことをその要旨とする。
【0022】
この構成によれば、放電管の互いに直交する二方向への移動が規制される。このため、放電管のがたつきが効果的に抑制されるとともに、放電管をケース内において安定して収容することができる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は請求項10に記載の照明装置において、前記放電管は、互いに対向する一対の透明な誘電体平板間の周縁部間を封止することにより両誘電体平板間に放電空間を形成し、当該放電空間に連通するように配置された給排気管を使用して当該放電空間内の空気と所定の放電ガスとを置換するようにした放電管であって、前記押圧部材には放電管の側縁に突設された前記給排気管を挿通可能とした第1の管用逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記給排気管を配置可能とした第2の管用逃げ部を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0024】
この構成によれば、給排気管がスペーサ及び押圧部材に干渉することがないので、放電管をケース内に好適に収容することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜請求項11のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記押圧部材には、放電管の電極に接続されたリード線を挿通可能とした第1のリード線逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記リード線を配置可能とした第2のリード線逃げ部を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0025】
この構成によれば、スペーサ及び押圧部材に邪魔されることなく、押圧部材の第1のリード線逃げ部、及びスペーサの第2のリード線逃げ部を介してリード線を外部に引き出し可能となる。このため、放電管をケース内に好適に収容することができる。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の照明装置において、放電管の互いに反対側の側縁を押圧する一対の押圧部材を設け、前記給排気管と反対側に配置される押圧部材の第1の管用逃げ部、及び前記給排気管と反対側に配置されるスペーサの第2の管用逃げ部を、それぞれ押圧部材とケースの開口部と反対側の側壁との間の空間に引き出された前記リード線の固定部位として利用するようにしたことをその要旨とする。
【0027】
この構成によれば、同一構成の2つの押圧部材及びスペーサを使用することにより部品の共用化が図られる。また、給排気管と反対側の押圧部材及びスペーサにおいても、それらの第1及び第2の管用逃げ部を例えばリード線の固定部位として有効に利用することが可能となる。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の照明装置において、前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間には隙間を形成するようにしたことをその要旨とする。
【0029】
この構成によれば、放電管から発生した熱は、グローブと放電管との間に形成されたスペーサ分の隙間、並びに前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間に形成された隙間を介して外部に逃される。従って、放熱効果の増大が図られる。
【0030】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は請求項14に記載の照明装置において、前記放電管の放電空間内には複数の誘電体リブを互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材はそれぞれ各誘電体リブの延びる方向に対して直交するように配置したことをその要旨とする。
【0031】
この構成によれば、押圧部材により放電管を押さえ付けたとき、当該押圧力は放電管の剛性の高い方向に作用する。このため、組付時における放電管の破損等が抑制される。
請求項16に記載の発明は、請求項5〜請求項15のうちいずれか一項に記載の照明装置において、前記締結体を前記位置決め用の突部に締め付けるようにしたことをその要旨とする。
【0032】
この構成によれば、締結体の締め付け部位をケース内に別途設けるようにした場合と異なり、構成の簡素化が図られる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、照明装置の小型化、特に薄型化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を例えば鉄道車両の室内灯として使用される照明装置に具体化した一実施形態を図1(a),(b)〜図10に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、例えば車両室内の天井壁Wに形成された取付け孔Waには照明装置11が挿入状態で固定されている。この照明装置11は、開口部12aを有するケース12、ケース12の内側から開口部12aを塞ぐグローブ13、及びケース12の内底面とグローブ13との間に配置された平面型の放電管14を備えている。
【0035】
<ケース>
ケース12は本体ケース15及びカバー16から構成されている。本体ケース15はアルミニウム等の金属材料により一体的に形成されている。図1(b)に併せ示すように、この本体ケース15は長方形状の固定板21を備えているとともに、当該固定板21の中央には長方形の開口部12aが形成されている。図3(a),(b)に併せ示すように、固定板21の裏面側において、開口部12aの周縁部には当該開口部12aの開口端縁から所定距離をおいて四角枠状の側壁22が設けられている。側壁22において、互いに対向する一対の短側壁にはそれぞれ一対の雌ねじ22aが形成されている。
【0036】
また、側壁22の両短側壁のうちの一方の上端縁には後述するリード線引き出し用の切欠22bが形成されている。固定板21の内面(天井壁W側の側面)において、互いに反対側に位置する開口部12aと側壁22との間の部位には、複数(本実施形態では2つ)の円柱状の位置決め突部23が短手方向に所定間隔をおいて形成されているとともに、各位置決め突部23の先端部には雌ねじ23aが形成されている。また、固定板21の内面において、開口部の周縁には所定幅の四角環状の位置決め溝24が形成されている。この位置決め溝24は後述するグローブ13の外形形状に合わせて形成される。さらに、固定板21の側壁22よりも外側の部位は四角環状の取付けフランジ21aとされるとともに、当該取付けフランジ21aの互いに反対側に位置する短側縁には一対の孔21bが形成されている。
【0037】
一方、図1(a)に示されるように、カバー16は、本体ケース15の側壁22を覆うように取り付けられている。このカバー16はアルミニウム等の金属材料により一側が開口した有蓋箱体状に形成されている。図4(a),(b)に併せ示すように、カバー16の底壁31には複数個の放熱孔32が形成されている。また、カバー16の四角枠状の側壁33において、互いに対向する一対の短側壁には一対のボルト挿通孔33aが形成されている。このボルト挿通孔33aは、カバー16を本体ケース15に取り付けた状態において、当該本体ケース15の短側壁に形成された雌ねじ22aに一致するように配置されている。さらに、側壁22において、両短側壁のうちの一方の下端縁には後述するリード線引き出し用の切欠33bが形成されている。この切欠33bはカバー16を本体ケース15に取り付けた状態において、当該本体ケース15の側壁22の短側壁に形成された切欠22bと一致するように配置されている。
【0038】
図1(a)に示されるように、カバー16は本体ケース15の側壁22を覆うように取り付けられるとともに、側壁22のボルト挿通孔33aに外方からボルト34を挿通して本体ケース15の雌ねじ22aに締め付けることにより本体ケース15に固定されている。そして、本体ケース15にカバー16が装着されることにより構成されたケース12は、カバー16側から天井壁Wの取付け孔Waに挿入されるとともに、取付けフランジ21aの孔21bに外方からボルト35を挿通して天井壁W側の雌ねじWbに締め付けることにより、天井壁Wに固定されている。
【0039】
<グローブ>
図1(a)に示されるように、本体ケース15の位置決め溝24にはグローブ13が載置されている。このグローブ13により本体ケース15の開口部12aが内側から閉塞されている。グローブ13はポリカーボネート樹脂等の透光性及び難燃性を有する合成樹脂材料により長方形状に形成されている。また、グローブ13の外形形状は本体ケース15の位置決め溝24の輪郭に対応しているとともに、当該位置決め溝24の内周面とグローブ13の外周面との間には若干の隙間が形成されている。そして、グローブ13の外周縁が位置決め溝24に係合することにより、当該グローブ13の長手方向及び短手方向への移動が規制される。また、グローブ13を本体ケース15の位置決め溝24に載置した状態において、当該グローブ13の内面(上面)が固定板21の内面よりも高くなるように、当該グローブ13の厚みは設定されている。なお、グローブ13の内面において、互いに反対側に位置する2つの短側縁には長尺状のゴム製のパッキン36が接着剤等により固定されている。
【0040】
<スペーサ>
図1(a)に示されるように、本体ケース15内には、2つのスペーサ41,41が開口部12aの互いに反対側に位置する短側縁に沿うように配置されている。図5(a)〜図5(c)に併せ示すように、スペーサ41はポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料により長尺状に形成されている。スペーサ41の厚みは本体ケース15の位置決め突部23の固定板21からの突出高さとほぼ同じになるように、あるいは若干高くなるように設定されている。スペーサ41の下面の一側縁には、段状の段差部42が当該スペーサ41の全長にわたって形成されている。
【0041】
そして前記段差部42を形成することによりスペーサ41の一側面には第1の部位として断面四角形状の突条43が当該スペーサ41の全長にわたって形成されている。スペーサ41の突条43以外の部位は第2の部位としての支持部44とされている。スペーサ41を本体ケース15内に載置した状態において、突条43の下面と、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13との間に所定の隙間が形成されるように、突条43の厚み(即ち、段差部42の段差)は設定されている。
【0042】
スペーサ41の上面の一側縁、即ち突条43の上面には、所定幅の係合溝45が当該スペーサ41の一側縁側に開放するように形成されている。係合溝45は後述する平面型の放電管14の短側縁側の外形形状に対応する範囲に形成されている。即ち、係合溝45の内側面において、スペーサ41の延びる方向に平行な内側面は後述する放電管14の短側縁を係合可能とした第1の係合面45aとされている。また、係合溝45の内側面において、スペーサ41の延びる方向に対して直交する方向へ延びる2つの内側面は後述する放電管14の両長側縁の一端側をそれぞれ係合可能とした第2の係合面45bとされている。
【0043】
スペーサ41の上面において、係合溝45の一端側にはスペーサ41の係合溝45と反対側の他側縁に向かって延びるように形成された半円状の溝46が形成されている。また、スペーサ41の上面において、係合溝45の溝46と反対側の他端側にはスペーサ41の係合溝45と反対側の他側縁に向かって延びるように形成されたリード線引き出し用の半円状の切欠溝47が形成されている。図5(c)に示されるように、切欠溝47の深さは突条43の厚みよりも若干大きくなるように設定されている。
【0044】
さらに、図5(a),(b)に示されるように、スペーサ41の上面において、溝46と切欠溝47との間には、本体ケース15の位置決め突部23を挿通可能とした2つの位置決め孔48がスペーサ41の延びる方向において所定間隔をおいて形成されている。また、スペーサ41の上面において、両位置決め孔48の間における溝46寄りには後述する給排気管54の逃げ溝49が当該スペーサ41の幅方向における全長にわたって形成されている。図5(c)に示されるように、逃げ溝49の深さは突条43の厚みよりも若干小さくなるように設定されている。
【0045】
図1(a)に示されるように、スペーサ41はその位置決め孔48に本体ケース15の位置決め突部23が挿通された状態で、本体ケース15内に載置されている。このとき、スペーサ41の上面と位置決め突部23の上端面とはほぼ面一、あるいはスペーサ41の上面の方が位置決め突部23の上端面よりも若干高くなっている。また、突条43の下面と、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13との隙間には、前記パッキン36が若干圧縮された状態で配置されている。
【0046】
<平面型放電管>
図1(a)に示されるように、両スペーサ41の上面間、正確には係合溝45間には、平面型の放電管14が載置されている。図6(a),(b)に示すように、放電管14は互いに対向する一対の長方形状のガラス基板51,51を備えている。両ガラス基板51,51の外周縁間がガラス接着剤52により封止されることにより、両ガラス基板51,51間には放電空間53が形成されている。この放電空間53内には放電管14の側壁(即ち、両ガラス基板51,51間のガラス接着剤52)を貫通した給排気管54を使用して放電ガスとしてキセノンガス(Xe)等の不活性ガス又はキセノンガスを含む混合ガスが封入されている。
【0047】
放電空間53内には複数の誘電体リブ55が介在されている。誘電体リブ55はガラス等の誘電体により長尺状に形成されている。各誘電体リブ55は両ガラス基板51,51の長手方向へ延びるように、且つ互いに平行をなすように短手方向において所定間隔毎に配置されている。各誘電体リブ55の上下の側縁部は、それぞれ両ガラス基板51,51の内面に図示しないガラス接着材により接合されている。各誘電体リブ55により両ガラス基板51,51の間隔が一定に保持されている。
【0048】
両ガラス基板51,51のうち一方のガラス基板51の表面は発光面(光を取り出す面)Sとされており、当該発光面Sにはその全面にわたって膜状の透明電極56が形成されている。この透明電極56は例えば酸化インジウムスズにより形成されている。発光面Sとされない他方のガラス基板51の外面には、その全面にわたって不透明電極57が形成されている。この不透明電極57は例えば銀やアルミニウム等の光を反射する性質を有する金属材料の金属蒸着膜により形成されている。また、放電空間53内において、不透明電極57が設けられたガラス基板51の内面には、蛍光体膜58が形成されている。
【0049】
透明電極56及び不透明電極57の外面にはそれぞれ半田等の導電接着材59によりリード線60の一端が接続されている。両リード線60,60の他端は図1(b)に示されるようにケース12の外部に導出されるとともに、それぞれ図示しないインバータ回路等を介して図示しない交流電源に接続されている。そして、両リード線60,60を介して、透明電極56と不透明電極57との間に所定の交流電圧を印加すると、両ガラス基板51,51間には誘電体バリヤ放電が発生し、励起したキセノン原子から紫外線が発生する。この紫外線が蛍光体膜58により可視光に変換されて発光面から出射する。
【0050】
図8に示すように、給排気管54が一方のスペーサ41の逃げ溝49内に収容されるように、放電管14は両スペーサ41の係合溝45間に載置されている。そして、放電管14の両短側縁及び両長側縁の短側縁側の一部がそれぞれ係合溝45の第1及び第2の係合面45a,45bに係合することにより、当該放電管14の長手方向及び短手方向への移動が規制される。両スペーサ41の係合溝45の形状が放電管14の短側縁側の外形形状に対応して形成されていることにより、当該放電管14の外周縁と係合溝45との間には若干の隙間が形成されるのみである。このため、放電管14のがたつき等もほとんどない。
【0051】
なお、放電管14の外面、正確には不透明電極57の外面において、互いに反対側に位置する2つの短側縁には長尺状のゴム製のパッキン61が接着剤等により固定されている。また、不透明電極57の外面には、通気性を有する四角枠状のスポンジ62が接着剤等により固定されている。図1(a)に併せ示されるように、スポンジ62の上面が本体ケース15の側壁22の上端縁よりも高くなるように、当該スポンジ62の厚みは設定されている。さらに、図4(a)に二点鎖線で示されるように、スポンジ62は、カバー16を本体ケース15に取り付けたときに、各放熱孔32群の周囲を囲むようにしてカバー16の内面に当接可能となるように、当該スポンジ62の開口面積は設定されている。そして、本体ケース15にカバー16が取り付けられた状態において、スポンジ62はカバー16の内底面に押圧されることにより若干圧縮された状態に保たれている。スポンジ62はカバー16により若干圧縮された状態であっても通気性が確保されている。
【0052】
<押圧部材>
図1(a)に示されるように、スペーサ41の上面(正確には、支持部44の上面)には押圧部材71が固定されている。図7(a)〜図7(c)に示すように、押圧部材71は鉄鋼等の金属板を折り曲げることにより形成されている。押圧部材71は、スペーサ41の上面に載置される固定部72、当該固定部72をスペーサ41の上面に載置したときに放電管14の側縁上方に位置する押圧部73、並びに固定部72及び押圧部73を連結する連結部74から断面クランク状に形成されている。
【0053】
押圧部材71の一端寄りにはリード線引き出し用の切欠75が形成されるとともに、同じく他端寄りには給排気管54を逃がすための透孔76が形成されている。切欠75は押圧部73の側縁から連結部74までの領域にわたって形成されるとともに、当該切欠75の開口縁は円弧状に形成されて押圧部73の側縁に滑らかに連続している。また、透孔76は連結部74から固定部72の途中までの領域にわたって形成されている。
【0054】
固定部72には2つの挿通孔77,77が長手方向において所定間隔をおいて形成されている。両挿通孔77,77は固定部72をスペーサ41の上面に載置したときに、当該スペーサ41の2つの位置決め孔48にそれぞれ一致するように配置されている。そして、押圧部材71の挿通孔77と本体ケース15の位置決め孔48とが一致するように当該押圧部材71をスペーサ41の上面に載置するとともに、両挿通孔77,77に上方から図1(a)に示されるボルト78を挿通して位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、当該押圧部材71はスペーサ41の上面に固定されている。ボルト78の頭部78aが押圧部73の上面を越えることがないように、スペーサ41の厚み、押圧部材71の厚み及び連結部74の折り曲げ高さ等がそれぞれ設定されている。なお、押圧部73と放電管14の上面側縁部との間にはゴム製のパッキン61が若干圧縮された状態で配置されている。
【0055】
図9に示すように、押圧部材71をスペーサ41の上面に固定した状態において、当該押圧部材71の透孔76とスペーサ41の逃げ溝49とは一致している。そして、放電管14の給排気管54が突出している側を押圧する押圧部材71の透孔76からは給排気管54が露出している。一方、図10に示すように、放電管14の給排気管54と反対側を押圧する押圧部材71におけるリード線引き出し用の切欠75には不透明電極57に接続されたリード線60が通されるとともに、固定部72の上面を配回されて押圧部材71の透孔76の近傍に導かれている。また、透明電極56に接続されたリード線60は押圧部材71の側方から押圧部材71の固定部72の上面を配回されて押圧部材71の透孔76の近傍まで導かれている。そして、両リード線60,60は押圧部材71の透孔76及びスペーサ41の逃げ溝49を利用して押圧部材71の固定部72に巻回された結束バンド81により当該固定部72の上面に固定されている。両リード線60,60の先端はさらに本体ケース15の側壁22に形成された切欠22b及び当該切欠22bに一致するカバー16の切欠33b(図4(b)参照)を介して外部に導出されている。
【0056】
<組立手順>
次に、前述のように構成した照明装置の組立手順について説明する。
照明装置11を組み立てる際には、図2に示すように、本体ケース15を側壁22が上を向くように図示しない作業台等に載置する。そして、グローブ13を本体ケース15内の位置決め溝24に載置する。このとき、グローブ13は位置決め溝24により位置決めされるので、グローブ13の本体ケース15に対する取付け位置を調節する必要はない。このため、グローブ13の取付け作業は簡単に行われる。
【0057】
次に、2つのスペーサ41,41を本体ケース15内に載置する。このとき、スペーサ41の位置決め孔48に本体ケース15の位置決め突部23が挿通されることにより、当該スペーサ41の本体ケース15に対する位置決めがなされる。即ち、スペーサ41の位置決め孔48に位置決め突部23を挿通するだけで、スペーサ41の押圧部73がグローブ13の内面に設けられたパッキン36に当接する適正位置に配置される。このため、スペーサ41の本体ケース15に対する取付け位置を調節する必要はなく、グローブ13の取付け作業は簡単に行われる。
【0058】
次に、2つのスペーサ41の係合溝45間に放電管14を載置する。ここでも、放電管14は係合溝45により本体ケース15内における適正位置に位置決めされるので、放電管14の本体ケース15に対する取付け位置の調節は不要である。また、放電管14の側部から突出する給排気管54は一方のスペーサ41の逃げ溝49に収容されるとともに、透明電極56に接続されたリード線60の導電接着材59は他方のスペーサ41の切欠溝47に収容される。このため、給排気管54及び導電性接着材59がスペーサ41に干渉することがないので、放電管14はケース12内に安定して収容される。
【0059】
次に、2つの押圧部材71の挿通孔77がそれぞれスペーサ41の位置決め孔48に一致するように、両押圧部材71をスペーサ41の上面に載置する。このとき、放電管14の給排気管54は一方の押圧部材71の透孔76に挿通されることにより、当該給排気管54が押圧部材71に干渉することはない。また、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60は他方の押圧部材71の切欠75から引き出される。このため、給排気管54及びリード線60が押圧部材71の装着の邪魔になることはない。
【0060】
そして、押圧部材71の上方からボルト78を挿通するとともに、スペーサ41の位置決め孔48に挿通された位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、両押圧部材71をスペーサ41の上面に固定する。このボルト78の締め付けにより、放電管14はパッキン61を介してスペーサ41の上面に押し付けられるとともに、当該スペーサ41によりグローブ13がパッキン36を介して固定板21の内面に押し付けられる。即ち、グローブ13、スペーサ41及び放電管14は押圧部材71により固定板21側へ押圧されることにより、一括して本体ケース15内に固定される。
【0061】
最後に、本体ケース15の側壁22を覆うようにカバー16を被せるとともに、当該カバー16の側壁22のボルト挿通孔33aに外方からボルト34を挿通して本体ケース15の雌ねじ22aに締め付けることによりカバー16を本体ケース15に固定する。以上で照明装置11の組立作業は完了となる。グローブ13、スペーサ41、放電管14及びカバー16等の各部材を本体ケース15に積み重ねていくだけなので、照明装置11の組立作業は非常に簡単なものとなる。そして図1(a)に示されるように、照明装置11をカバー16側から天井壁Wの取付け孔Waに挿入するとともに、取付けフランジ21aの孔21bに外方からボルト35を挿通して天井壁W側の雌ねじWbに締め付けることにより、照明装置11は天井壁Wに固定される。
【0062】
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)押圧部材71により放電管14をケース12の開口部12aが形成された側壁22側に押圧することにより、グローブ13をケース12の開口部12aが形成された側壁22の内面に押し付けて固定するようにした。このため、グローブ13と放電管14とを別々にケース12に固定するようにした場合と異なり、グローブ13を固定するための部品の収容スペースをケース12内において確保する必要がないので、その分、ケース12の小型化、ひいては照明装置11の小型化が図られる。特に、平面型の放電管14を光源として採用したことにより、照明装置11の薄型化が図られる。そして、放電管14が平面型であるという特性を有効に利用して、当該放電管14(正確には、その側縁)によりグローブ13をケース12の内面に押圧固定するという構成を採用するようにしたことにより、平面型の放電管14の薄さという利点を生かしつつ、照明装置11の薄型化が図られる。
【0063】
ちなみに、光源として例えば円筒状の放電管を採用するようにした場合には、本実施形態のようなグローブ13の固定構造の採用は困難である。即ち、一般に円筒状の放電管の両端はそれぞれソケットに接続される構成が採用されることが多い。このため、放電管をグローブ側に単純に押し付ければよいというわけではなく、ソケットに接続された状態でグローブ13を押圧可能とする構成が別途必要となる。また、円筒状であるが故に安定した押圧力を発揮させにくいという問題もある。
【0064】
(2)ケース12の開口部12a側の側壁の内面において、開口部12aの周縁部にはグローブ13の外形形状に対応する位置決め溝24を形成するようにした。そして、この位置決め溝24にグローブ13を配置するようにした。このため、位置決め溝24の深さの分だけグローブ13のケース12の内面からの突出高さが小さくなるので、ケース12の薄型化が可能となる。また、グローブ13の外周縁が位置決め溝24に係合することにより、グローブ13のケース12に対する位置決めが容易になされる。従って、グローブ13のケースに対する組み付け作業性が向上する。
【0065】
(3)押圧部材71は、その一部である押圧部73が放電管14の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管14に重ねられない部位である固定部72においてケース12の開口部12aが形成された側壁である固定板21にボルト78により締め付けられるようにした。このため、押圧部材71の固定部72がボルト78によりケース12の固定板21に締め付けられることにより、押圧部材71の押圧部73により放電管14及びグローブ13はそれぞれケース12の固定板21の内面に押し付けられる。そして、放電管14に例えばボルトを挿通することは困難であるところ、本実施形態によれば、板状の押圧部材71により放電管14をケース12の固定板21に押し付ける構成を採用したことにより、照明装置11の厚みの増大を抑制しつつ簡単な構成で放電管14をケース12内に固定することができる。
【0066】
(4)グローブ13の周縁部と放電管14の周縁部との間にはスペーサ41を配置するようにした。このため、グローブ13と放電管14との間にはスペーサ41分の隙間が形成される。この隙間を介して放電管14から発生する熱を逃がすことができる。なお、グローブ13はスペーサ41を介してケース12の開口部12aが形成された側壁の内面に押し付けられる。
【0067】
(5)スペーサ41は、グローブ13の周縁部と放電管14の周縁部との間に介在する第1の部位としての突条43と、放電管14及びグローブ13の周縁からはみ出すとともに前記押圧部材71の固定部72とケース12の固定板21の内面との間に配置される第2の部位としての支持部44とを備えた。一方、ケース12の内面における支持部44に対応する部位には位置決め突部23を設けるようにした。そして、支持部44のケース側の側面には位置決め突部23に対応する位置決め孔48を設けるとともに、当該突条43の放電管14側の側面には当該放電管14の外形形状に対応する係合溝45を形成するようにした。
【0068】
このため、ケース12側の位置決め突部23にスペーサ41の位置決め孔48を係合させることにより、スペーサ41のケース12に対する位置決めがなされる。さらに、その位置決めされたスペーサ41の係合溝45に放電管14が係合することにより、当該放電管14のスペーサ41に対する位置決めがなされる。従って、照明装置11に振動及び衝撃等の外力が作用した場合であれ、スペーサ41及び放電管14の組み付け位置がずれることはなく、当該スペーサ41及び放電管14はそれぞれケース12内における適正位置に保持される。また、照明装置11の組立作業効率を向上させることができる。
【0069】
(6)スペーサ41の突条43とグローブ13との間にはパッキン36を配置するようにした。このため、押圧部材71により放電管14がケース12の内面側へ押さえつけられたとき、パッキン36が弾性変形してグローブ13に密接する。このため、突条43とグローブ13との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置11に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力はパッキン36により吸収される。このため、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0070】
(7)押圧部材71と放電管14との間にはパッキン61を配置するようにした。このため、押圧部材71の押圧力が作用すると、それに伴いパッキン61は弾性変形して放電管14に密接する。このため、押圧部材71と放電管14との間に隙間が形成されることはなく、当該隙間に起因するがたつき等が抑制される。また、照明装置11に振動及び衝撃等の何らかの外力が作用した場合であれ、その外力はパッキン61により吸収される。このため、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0071】
(8)ケース12の開口部12aと反対側の側壁、即ちカバー16の底壁31には複数の放熱孔32を形成するとともに、放電管14の放熱孔32側の側面とカバー16の内面との間には、各放熱孔32を取り囲む通気性を有するスポンジ62を配置するようにした。このため、放電管14から発生した熱はカバー16の放熱孔32を介して外部に排出される。また、各放熱孔32から埃や塵などの異物が進入した場合であれ、その異物はスポンジ62により捉えられる。このため、放熱孔32から進入した異物がケース12と放電管14との隙間を通って拡散することはない。従って、放熱性を損なうことなく放熱孔32からの異物の進入を抑制することができる。
【0072】
(9)押圧部材71の放電管14に重ねられない非重複部位としての固定部72とケース12の開口部12aと反対側の側壁の内面(即ちカバー16の内底面)との間の距離を次のように設定した。即ち、押圧部材71の放電管14に重ねられる重複部位としての押圧部73とケース12の開口部12aと反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるようにした。そして、ボルト78の頭部78aを押圧部材71の固定部72とカバー16の内底面との間の空間に配置するようにした。このため、押圧部材71を単なる平板状としてボルト78を締め付けるようにした場合と異なり、固定部72とカバー16の内底面との間の距離と、押圧部73とカバー16の内底面との間の距離との差の分だけ、頭部78aの押圧部材71の表面からの突出量が抑えられる。このため、ケース12の小型化、特に薄型化が図られる。
【0073】
(10)スペーサ41の係合溝45は、放電管14の一方向への移動を規制する第1の係合面45aと、放電管14の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面45bとを備えた。このため、放電管14の互いに直交する二方向への移動が規制される。従って、放電管14のがたつきが効果的に抑制されるとともに、放電管14をケース12内において安定して収容することができる。
【0074】
(11)押圧部材71には放電管14の側縁に突設された給排気管54を挿通可能とした管用挿通孔としての透孔76を形成するとともに、スペーサ41には給排気管54を配置可能とした管用逃げ部としての逃げ溝49を形成するようにした。このため、給排気管54がスペーサ41及び押圧部材71に干渉することがないので、放電管14をケース12内に好適に収容することができる。
【0075】
(12)本実施形態では、押圧部材71には、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60を挿通可能としたリード線引き出し用の切欠75を形成するとともに、スペーサ41には透明電極56に接続されたリード線60を配置可能としたリード線用逃げ部としての切欠溝47を形成するようにした。このため、押圧部材71及びスペーサ41に邪魔されることなく、リード線60を外部に引き出すことができる。ひいては、放電管14をケース12内に好適に収容することができる。
【0076】
(13)放電管14の互いに反対側に位置する側縁を押圧する2つの押圧部材71を設けるようにした。そして、給排気管54と反対側に配置される押圧部材71の透孔76及び給排気管54と反対側に配置されるスペーサ41の逃げ溝49を、それぞれ押圧部材71とケース12の内底面との間の空間に引き出された前記リード線の固定部として利用するようにした。このため、同一構成の2つの押圧部材71及びスペーサ41を使用することにより部品の共用化が図られる。また、給排気管54と反対側の押圧部材71及びスペーサ41においても、それらの透孔76及び逃げ溝49を利用して結束バンド81を巻回することにより、リード線60の固定部位として有効に利用することができる。
【0077】
(14)放電管14の周縁及びグローブ13の周縁とケース12の内側壁との間には隙間を形成するようにした。このため、放電管14から発生した熱は、グローブ13と放電管14との間に形成されたスペーサ41分の隙間、並びに放電管14の周縁及びグローブ13の周縁とケース12の内側壁との間に形成された隙間を介して外部に逃される。従って、放熱効果の増大が図られる。
【0078】
(15)放電管14の放電空間53内には複数の誘電体リブ55を互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材71はそれぞれ各誘電体リブ55の延びる方向に対して直交するように配置した。このため、押圧部材71により放電管14を押さえ付けたとき、当該押圧力は放電管14の剛性の高い方向に作用する。このため、組付時における放電管14の破損等が抑制される。
【0079】
(16)ボルト78をケース側に設けられた位置決め突部23に締め付けるようにした。このため、ボルト78の締め付け部位をケース12内に別途設けるようにした場合と異なり、構成の簡素化が図られる。
【0080】
<他の実施形態>
尚、前記各実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
・図11に示すように、スペーサ41を断面コの字状のブラケット91に置換するようにしてもよい。このブラケット91の下側の側壁22には、本体ケース15の位置決め突部23が貫通しているとともに、本体ケース15の位置決め溝24に載置されたグローブ13の側縁に対向する押圧部91aが上側の側壁22側へ折り曲げ形成されている。押圧部73とグローブ13との間にはパッキン36が若干圧縮された状態で介在されている。ブラケット91の上側の側壁22には放電管14が載置される載置部91bが下側の側壁22側へ折り曲げ形成されている。このようにしても、ブラケット91の上方からボルト78を位置決め突部23の雌ねじ23aに締め付けることにより、グローブ13、ブラケット91及び放電管14をそれぞれ本体ケース15の内面に一括して固定することができる。また、ブラケット91の上下の両側壁22間にゴム及びスポンジ等のクッション材を介在するようにしてもよい。このようにすれば、照明装置11に振動及び衝撃等の外力が加わった場合であれ、その外力がクッション材により吸収されるので、放電管14をケース12内に安定して固定することができる。
【0081】
・本実施形態では、グローブ13とスペーサ41とを別部材としたが、両者を射出成形等により一体形成するようにしてもよい。このようにすれば、部品点数の低減、ひいては照明装置11の組立工数の低減が図られる。
【0082】
・本体ケース15と押圧部材71とを一体形成するようにしてもよい。例えば、本体ケース15の側壁22の上端縁に押圧部材71を内方へ折り曲げるようにして形成する。このようにすれば、部品点数が低減する。
【0083】
・本実施形態では、放電管14の互いに反対側に位置する2つの短側縁をそれぞれ押圧部材71により押圧するようにしたが、当該押圧部材を複数に分割する等して、放電管14の一方の短側縁につき2つ、3つ又はそれ以上の押圧部材により押圧するようにしてもよい。
【0084】
・本実施形態では、放電管14の互いに反対側に位置する2つの短側縁をそれぞれ押圧部材71により押圧するようにしたが、放電管14の互いに反対側に位置する2つの長側縁をそれぞれ押圧するようにしてもよい。
【0085】
・本実施形態では、スペーサ41の上面を本体ケース15の側壁22の上端縁よりも低くするようにしたが、例えばスペーサ41の上面が本体ケース15の側壁22の上端縁と面一となるように当該スペーサ41の厚みを設定するようにしてもよい。この場合、押圧部材71は平板状に形成する。このようにしても、照明装置11の厚みを大幅に増大することはない。
【0086】
・本実施形態では、本体ケース15内に2つのスペーサ41を本体ケース15の長手方向において対向配置するとともに両スペーサ41間に放電管14を載置するようにしたが、次のようにしてもよい。例えば本体ケース15の位置決め溝24に沿うような四角環状のスペーサを設けてその上に放電管14を載置するようにしてもよい。
【0087】
・本実施形態では、照明装置11を鉄道車両の室内灯として使用するようにしたが、自動車、船舶及び航空機等の室内灯として使用してもよい。また、液晶ディスプレイの背面に設けられる照明(バックライト)として使用するようにしてもよい。
【0088】
・本実施形態では、ケース12(本体ケース15及びカバー16)をアルミニウム等の金属材料により形成したが、ポリカーボネート及びポリアミド等の合成樹脂材料(エンジニアリングプラスチック)により形成してもよい。
【0089】
・本実施形態では、単一の放電管14を備えた1灯式の照明装置11としたが、2つの放電管14を備えた2灯式、3つの放電管14を備えた3灯式又はそれ以上の放電管14を備えた多灯式の照明装置11としてもよい。この場合、複数個の放電管14は一列に並べたり、縦横に並べたりすることが考えられる。ケース12の寸法は、収容する放電管14の個数及び配置パターン等に応じて適宜設定する。グローブ13、スペーサ41及び放電管14を押圧部材71で押し付けるという固定方法は本実施形態と同様である。
【0090】
・本実施形態では、スペーサ41に位置決め孔48を形成するとともに、当該位置決め孔48にはケース12側の位置決め突部23を挿通するようにしたが、位置決め孔48をスペーサ41を貫通しない穴及び凹部等としてもよい。この場合、位置決め突部23は前記穴及び凹部に嵌合可能に形成する。また、押圧部材71の本体ケース15への固定は、位置決め突部23の雌ねじ23a以外の部位で行うようにしてもよい。
【0091】
・本実施形態では、押圧部材71には給排気管54を逃がすための構成として透孔76を形成するようにしたが、当該透孔76に代えて例えば押圧部材71の押圧部73側から切り欠かれた管用切欠としてもよい。この場合、当該管用切欠は本発明の第1の管用逃げ部を構成する。
【0092】
・本実施形態では、押圧部材71には、放電管14の不透明電極57に接続されたリード線60を挿通可能としたリード線引き出し用の切欠75を形成するようにしたが、第1のリード線逃げ部として透孔を形成するようにしてもよい。
【0093】
・本実施形態では、カバー16の底壁31に複数個の放熱孔32を形成するようにしたが、例えば単一の透孔を設けるようにしてもよい。この場合、当該透孔の開口面積は本実施形態の放熱孔32の開口面積よりも大きくすることが好ましい。
【0094】
・本実施形態では、放電管14を四角形としたが、円形、三角形、楕円形、並びに五角形及び六角形などの多角形としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】(a)は本実施形態の照明装置の部分断面図、(b)は同じく照明装置の下面図。
【図2】同じく照明装置の分解斜視図。
【図3】(a)は同じく本体ケースの平面図、(b)は同じく本体ケースの側面図。
【図4】(a)は同じくカバーの平面図、(b)は同じくカバーの側面図。
【図5】(a)は同じくスペーサの斜視図、(b)は同じくスペーサの平面図、(c)は同じくスペーサの正面図。
【図6】(a)は同じく平面型の放電管の正断面図、(b)は図6(a)の1−1線断面図。
【図7】(a)は同じく押圧部材の斜視図、(b)は同じく押圧部材の下面図、(c)は同じく押圧部材の正面図。
【図8】給排気管がスペーサの逃げ溝に収容された状態を示す照明装置の要部斜視図。
【図9】給排気管と押圧部材の透孔との位置関係を示す照明装置の要部斜視図。
【図10】リード線の結束状態を示す照明装置の要部斜視図。
【図11】別の実施形態におけるスペーサを示す照明装置の要部断面図。
【符号の説明】
【0096】
11…照明装置、12a…開口部、12…ケース、13…グローブ、14…放電管、
23…位置決め突部、24…位置決め溝(グローブの外形形状に対応する溝)、
32…放熱孔(透孔)、36,61…パッキン(弾性体)、41…スペーサ、
43…突条(第1の部位)、44…支持部(第2の部位)、45…係合溝、
45a…第1の係合面、45b…第2の係合面、
47…切欠溝(スペーサの第2のリード線逃げ部)、48…位置決め孔、
49…逃げ溝(スペーサの第2の管用逃げ部)、51…ガラス基板(誘電体平板)、
53…放電空間、54…給排気管、55…誘電体リブ、62…スポンジ、
71…押圧部材(押圧手段)、72…固定部(押圧部材の非重複部位)、
73…押圧部(押圧部材の重複部位)、
75…切欠(押圧部材の第1のリード線逃げ部)、
76…透孔(押圧部材の第1の管用逃げ部)、78…ボルト(締結体)、78a…頭部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケースと、
前記開口部に収容された平面型の放電管と、
前記開口部をケースの内側から塞ぐとともに透光性を有するグローブと、を備え、
押圧手段により前記放電管をケースの開口部が形成された側壁側に押圧することにより、前記グローブをケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けて固定するようにした照明装置。
【請求項2】
前記ケースの開口部が形成された側壁の内面において、開口部の周縁部にはグローブの外形形状に対応する溝を形成するとともに、当該溝にグローブを配置するようにした請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の照明装置において、
前記押圧手段は、
一部が前記放電管の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管に重ねられない部位においてケースの開口部が形成された側壁に締結体により締め付けられる単数又は複数の板状の押圧部材である照明装置。
【請求項4】
前記グローブの周縁部と前記放電管の周縁部との間にはスペーサを配置するようにした請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置において、
前記スペーサは、グローブの周縁部と放電管の周縁部との間に介在する第1の部位と、放電管及びグローブの周縁からはみ出すとともに前記押圧部材の放電管に重ねられない部位とケースの内面との間に配置される第2の部位とを備え、
前記ケースの内面における第1の部位に対応する部位には位置決め用の突部を設け、
前記第2の部位のケース側の側面には前記突部に対応する位置決め用の凹部又は孔を設けるとともに、前記第1の部位の放電管側の側面には当該放電管の外形形状に対応する係合溝を形成するようにした照明装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照明装置において、
前記スペーサの第1の部位とグローブとの間には弾性体を配置するようにした照明装置。
【請求項7】
請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材と放電管との間には弾性体を配置するようにした照明装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記ケースの開口部と反対側の側壁には単数又は複数の放熱用の透孔を形成するとともに、前記放電管の透孔側の側面とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間には通気性を有するスポンジを前記単数又は複数の透孔を囲むように配置するようにした照明装置。
【請求項9】
請求項3〜請求項8のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材の放電管に重ねられない非重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離が、当該押圧部材の放電管に重ねられる重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるように押圧部材を形成するとともに、前記締結体を、頭部を有するボルトとし、
前記非重複部位とケースの内底面との間の空間に前記締結体の頭部を収容するようにした照明装置。
【請求項10】
請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記係合溝は、放電管の一方向への移動を規制する第1の係合面と、放電管の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面とを備えた照明装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の照明装置において、
前記放電管は、互いに対向する一対の透明な誘電体平板間の周縁部間を封止することにより両誘電体平板間に放電空間を形成し、当該放電空間に連通するように配置された給排気管を使用して当該放電空間内の空気と所定の放電ガスとを置換するようにした放電管であって、
前記押圧部材には放電管の側縁に突設された前記給排気管を挿通可能とした第1の管用逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記給排気管を配置可能とした第2の管用逃げ部を形成するようにした照明装置。
【請求項12】
請求項9〜請求項11のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材には、放電管の電極に接続されたリード線を挿通可能とした第1のリード線逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記リード線を配置可能とした第2のリード線逃げ部を形成するようにした照明装置。
【請求項13】
請求項12に記載の照明装置において、
放電管の互いに反対側の側縁を押圧する一対の押圧部材を設け、前記給排気管と反対側に配置される押圧部材の第1の管用逃げ部、及び前記給排気管と反対側に配置されるスペーサの第2の管用逃げ部を、それぞれ押圧部材とケースの開口部と反対側の側壁との間の空間に引き出された前記リード線の固定部位として利用するようにした照明装置。
【請求項14】
請求項13に記載の照明装置において、
前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間には隙間を形成するようにした照明装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の照明装置において、
前記放電管の放電空間内には複数の誘電体リブを互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材はそれぞれ各誘電体リブの延びる方向に対して直交するように配置した照明装置。
【請求項16】
請求項5〜請求項15のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記締結体を前記位置決め用の突部に締め付けるようにした照明装置。
【請求項1】
開口部を有するケースと、
前記開口部に収容された平面型の放電管と、
前記開口部をケースの内側から塞ぐとともに透光性を有するグローブと、を備え、
押圧手段により前記放電管をケースの開口部が形成された側壁側に押圧することにより、前記グローブをケースの開口部が形成された側壁の内面に押し付けて固定するようにした照明装置。
【請求項2】
前記ケースの開口部が形成された側壁の内面において、開口部の周縁部にはグローブの外形形状に対応する溝を形成するとともに、当該溝にグローブを配置するようにした請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の照明装置において、
前記押圧手段は、
一部が前記放電管の側縁部に重ねられるとともに、当該放電管に重ねられない部位においてケースの開口部が形成された側壁に締結体により締め付けられる単数又は複数の板状の押圧部材である照明装置。
【請求項4】
前記グローブの周縁部と前記放電管の周縁部との間にはスペーサを配置するようにした請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置において、
前記スペーサは、グローブの周縁部と放電管の周縁部との間に介在する第1の部位と、放電管及びグローブの周縁からはみ出すとともに前記押圧部材の放電管に重ねられない部位とケースの内面との間に配置される第2の部位とを備え、
前記ケースの内面における第1の部位に対応する部位には位置決め用の突部を設け、
前記第2の部位のケース側の側面には前記突部に対応する位置決め用の凹部又は孔を設けるとともに、前記第1の部位の放電管側の側面には当該放電管の外形形状に対応する係合溝を形成するようにした照明装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照明装置において、
前記スペーサの第1の部位とグローブとの間には弾性体を配置するようにした照明装置。
【請求項7】
請求項3〜請求項6のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材と放電管との間には弾性体を配置するようにした照明装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記ケースの開口部と反対側の側壁には単数又は複数の放熱用の透孔を形成するとともに、前記放電管の透孔側の側面とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間には通気性を有するスポンジを前記単数又は複数の透孔を囲むように配置するようにした照明装置。
【請求項9】
請求項3〜請求項8のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材の放電管に重ねられない非重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離が、当該押圧部材の放電管に重ねられる重複部位とケースの開口部と反対側の側壁の内面との間の距離よりも大きくなるように押圧部材を形成するとともに、前記締結体を、頭部を有するボルトとし、
前記非重複部位とケースの内底面との間の空間に前記締結体の頭部を収容するようにした照明装置。
【請求項10】
請求項5〜請求項9のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記係合溝は、放電管の一方向への移動を規制する第1の係合面と、放電管の一方向に対して直交する他方向への移動を規制する第2の係合面とを備えた照明装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の照明装置において、
前記放電管は、互いに対向する一対の透明な誘電体平板間の周縁部間を封止することにより両誘電体平板間に放電空間を形成し、当該放電空間に連通するように配置された給排気管を使用して当該放電空間内の空気と所定の放電ガスとを置換するようにした放電管であって、
前記押圧部材には放電管の側縁に突設された前記給排気管を挿通可能とした第1の管用逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記給排気管を配置可能とした第2の管用逃げ部を形成するようにした照明装置。
【請求項12】
請求項9〜請求項11のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記押圧部材には、放電管の電極に接続されたリード線を挿通可能とした第1のリード線逃げ部を形成するとともに、前記スペーサには前記リード線を配置可能とした第2のリード線逃げ部を形成するようにした照明装置。
【請求項13】
請求項12に記載の照明装置において、
放電管の互いに反対側の側縁を押圧する一対の押圧部材を設け、前記給排気管と反対側に配置される押圧部材の第1の管用逃げ部、及び前記給排気管と反対側に配置されるスペーサの第2の管用逃げ部を、それぞれ押圧部材とケースの開口部と反対側の側壁との間の空間に引き出された前記リード線の固定部位として利用するようにした照明装置。
【請求項14】
請求項13に記載の照明装置において、
前記放電管の周縁及びグローブの周縁とケースの内側壁との間には隙間を形成するようにした照明装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の照明装置において、
前記放電管の放電空間内には複数の誘電体リブを互いに平行をなすように配置するとともに、前記一対の押圧部材はそれぞれ各誘電体リブの延びる方向に対して直交するように配置した照明装置。
【請求項16】
請求項5〜請求項15のうちいずれか一項に記載の照明装置において、
前記締結体を前記位置決め用の突部に締め付けるようにした照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−128831(P2007−128831A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322783(P2005−322783)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]