照明装置
【課題】隣接する発光器の間にできた隙間においても前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制することのできる隣接発光器間の光ムラ防止構造を提供する。
【解決手段】光源21及び該光源21からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材22を有する複数の発光器5を備える。これら複数の発光器5が導光材22の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置される。この離間した領域で構成された中間領域12に、該中間領域12に向けて導光材22の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられる。中間領域12の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられる。
【解決手段】光源21及び該光源21からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材22を有する複数の発光器5を備える。これら複数の発光器5が導光材22の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置される。この離間した領域で構成された中間領域12に、該中間領域12に向けて導光材22の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられる。中間領域12の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図11のように、光源21と、側端面から内部に導入された光源21の光をその前面から照射する導光材22を備えた面状の照明装置1が知られている(たとえば特許文献1参照)。このような照明装置1は単体で用いることもできるが、該照明装置1を発光器とし、これを複数個隣接して配設するとより大きな領域を光らせることができる。
【0003】
しかしながら、室内面などの発光器の設置予定箇所と発光器自身の寸法との兼ね合いのなかで、隣接配置した複数の照明装置1の間に隙間が形成されてしまうと、複数の発光器が前方に発光する中で、発光しない隙間が存在することとなり、光ムラを生じさせてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2001−155526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、隣接する発光器の間にできた隙間においても前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本願の請求項1に係る照明装置は、以下の構成を有している。光源21及び該光源21からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材22を有する複数の発光器5を備える。これら複数の発光器5が導光材22の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置される。この離間した領域で構成された中間領域12に、該中間領域12に向けて導光材22の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられる。中間領域12の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられる。
【0006】
これによると、隣接配置した照明装置1の間の、導光材22への光の導入方向における該導光材22の側端面が離間して対向した中間領域12には、導光材22内に導入された光源21の光を効率良く至らせることができるのであり、そして前記中間領域12に設けた前方照射部によって該中間領域12に前方への発光性能を持たせることができ、光ムラの発生を抑制できる。
【0007】
また、請求項2に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられ、両キャップ部材20の間に照射用隙間38が形成される。キャップ部材20に導光材22の側端面から照射された光を前記照射用隙間38へと通過させる透光部が形成される。前記透光部を介して照射用隙間38に照射された光の進行方向が前方照射部で前方に変えられる。
【0008】
これによると、導光材22の側端部に被着するキャップ部材20に設けた透光部を通して導光材22内を通った光の一部を照射用隙間38に導出させて照射用隙間38から前方に照射することができ、簡単な構造により中間領域12に発光性能を持たせることができて光ムラの発生を抑制できる。
【0009】
また、請求項3に係る照明装置は、請求項2に加えて、以下の構成を有している。前記照射用隙間38の前側に当該照射用隙間38の前方を覆う透光性を有する隙間カバー31が配設され、該隙間カバー31で前記光通過部が構成される。
【0010】
透光性を備えた隙間カバー31で照射用隙間38を覆い、照射用隙間38内にゴミが溜まることを防止できて、該ゴミが照射光に影を落とす恐れを回避して光ムラの発生を抑制できる。
【0011】
また、請求項4に係る照明装置は、請求項3に加えて、以下の構成を有している。前記隙間カバー31の両側縁に前記隣接配置された各発光器5の側縁が当接される。
【0012】
これによると、隙間カバー31の両側縁に各発光器5の側縁を当接したので、該隙間カバー31を隣接する発光器5間のスペーサとして利用できて、発光器5の配置にかかる正確性を確保できる。
【0013】
また、請求項5に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられる。キャップ部材20が透光部材で構成されると共に、該キャップ部材20の外側面に、導光材22の側端面から照射されてキャップ部材20の内部に導入された光を前方に反射させるキャップ反射面26が形成される。該キャップ反射面26で前記前方照射部が構成される。
【0014】
これによると、導光材22の側端部に被着するキャップ部材20を透光部材で構成すると共にキャップ反射面26を形成するという簡単な構造によって、前記中間領域12に前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制できる。
【0015】
また、請求項6に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられる。各キャップ部材20が透光部材で構成されると共に両キャップ部材20の外側面同士が対向する。各キャップ部材20の対向面の前端部が前側程両キャップ部材20の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面45とされる。各光導出面45で導光材22の側端面から照射されてキャップ部材20の内部に導入された光が前方に導出される。これら光導出面45で前記前方照射部が構成される。両キャップ部材22の光導出面45の間に各光導出面45から導出された光を前方へと通過させる隙間46が形成され、該隙間46で前記光通過部が構成される。
【0016】
これによると、導光材22の側端面から照射された光を、キャップ部材20にて中間領域12の前方に導出することができ、この場合、両キャップ部材20の間に大きな隙間を形成する必要がなく、外観を向上することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、隣接する発光器の間にできた隙間においても前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制することができる、という利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態の一例に基いて説明する。
【0019】
図1(a)には、本例の照明装置1を設けた室内装飾物30を示してある。
【0020】
室内装飾物30は、建物の天井面や壁面等の室内面2にパネル材3を添わせて配設し、パネル材3の周縁に照明装置1を設けたものであり、パネル材3を囲む枠状の照明装置1にて図2中矢印イに示す室内装飾物30の外側に光を照射してパネル材3の周囲の室内面2を照らし、これにより、間接照明にてパネル材3の室内面2からの浮き上がりを強調した光の演出を行い、立体的で高級感のある良好な室内外観を現出するものである。なお、図1(a)の多数の点を付して示した領域は照明装置1の光の照射領域である。
【0021】
なお、以下の説明では、便宜上、図2中イに示す照明装置1(発光器5)の光の照射方向を側外方向と称し、また、矢印ロに示すパネル材3の中央に向く方向を側内方向、矢印ハに示す室内空間に向く方向を表方向、矢印ニに示す室内面2に向く方向を裏方向と称する。
【0022】
パネル材3は木製や金属製等、適宜材質の板材を用いることができ、本例では複数枚の小パネル材3´を並設して互いに嵌合等で連結させて一枚の矩形状のパネル材3を形成している。
【0023】
照明装置1は、パネル材3を囲む矩形状の枠材4と、枠材4の外周縁に沿って並設した発光器5と、発光器5間の隙間を覆う隙間カバー31とで構成される。
【0024】
枠材4は、樹脂製または金属製であり、パネル材3の各辺部3aに夫々設けた長尺の辺枠部4aと、辺枠部4aの切れ目16となるパネル材3の各コーナー部3bに設けたコーナーカバー部材6とで構成され、パネル材3の周囲を連続して囲うように設けられる。枠材4の辺枠部4aは、図2のように、建物の室内面2に固定すると共にパネル材3の側縁部を取り付けるためのベース部材7と、辺枠部4aの表面部を構成するカバー部材8とで構成されている。
【0025】
発光器5は辺枠部4aに沿って長尺なものであり、各辺枠部4aの側外面に複数個(図示例では2個)並べて取り付けられる。
【0026】
各発光器5は、辺枠部4aに沿って取り付けられる長尺なケース部材9と、該ケース部材9に装着した長尺な導光材22と、ケース部材9の長手方向の両端部に装着したキャップ部材20と、キャップ部材20に設けた光源21を備えている。光源21を発光させることで、該光源21の光を導光材22の側端面から導入し、これにより導光材22を側外方に向けて発光させる。
【0027】
ベース部材7は、略I字状の縦断面を有すると共にパネル材3の辺部3aに亙る長さを有する長尺型枠材である。このベース部材7は釘やビス等の固着具を用いて室内面2に固定される。ベース部材7の側内部には内側に開口するパネル取付用凹所10が設けられ、パネル材3の側端部を係合してパネル材3を支持する。ベース部材7の側外部にはケース部材9を着脱させるケース用係合部11が設けられており、ベース部材7の表面部にはカバー部材8を着脱させるカバー用係合部14が設けられている。
【0028】
ケース部材9は、図2,3のように、略工字状の縦断面を有する長尺型枠材であり、側外方に開口する外側凹条部18と側内方に開口する内側凹条部19とが背中合わせ状に設けられている。
【0029】
内側凹条部19の内部は配線収納スペースSとして利用され、ここには光源21への給電線が収めて配線される。
【0030】
内側凹条部19の内側開口19aの両縁には、先端が自由端となる突起状のケース用被係合部25が設けられている。内側凹条部19は内側開口19a側が幅狭になるように形成され、内側凹条部19の内部の配線収納スペースSに配線した給電線が内側開口19aから飛び出る恐れを低減させている。
【0031】
導光材22は外側凹条部18の外側開口18aの両縁に形成された抜止め凸部23によって抜け止めがされた状態で外側凹条部18の内部に収めて配設される。該導光材22は、光源21からの光を長手方向の端面から内部に導入して導光パターン24で反射させて側外方に照射するものである。
【0032】
前記導光パターン24は導光材22の内方端面における表側域に凹凸を刻設する等して形成され、この導光パターン24で導光材22の内部に導入された光源21からの光を側外方に向けて反射させて照射させる。導光材22内の光を側外方に向けて照射させる手段としては、前記導光パターン24の代わりに、導光材22の内方端面に貼着等して添設した反射部材などの他の手段で構成することもできる。
【0033】
キャップ部材20はケース部材9の長手方向の両端を塞ぎ且つ導光材22の長手方向の端面を覆うようにケース部材9の端部に装着される。各キャップ部材20は、ビス等の固定具27(図3(c))をキャップ部材20に挿通させ、該固定具27をケース部材9に設けた挿着孔28に挿着してケース部材9に装着される。
【0034】
発光器5の長手方向の両端部に設けたキャップ部材20のうち、両方又は一方のキャップ部材20には、LEDなどの発光機器からなる光源21を実装した基板35が取り付けられている。
【0035】
図中20aは光源21を設けたキャップ部材20であり、20bは光源21を設けていないキャップ部材20である。ここで、図3に示すように、発光器5の一方のキャップ部材20にのみ光源21を設けた場合には、他方のキャップ部材20bは前記一方のキャップ部材20aに設けた光源21から導光材22の内部を経て至った光を再び導光材22の内部に反射させる。
【0036】
このように光源21をキャップ部材20に設けることで、キャップ部材20aをケース部材9に装着するだけで、該キャップ部材20aに設けた光源21を導光材22の側端面に対向させて隣接して配置できる。なお、図3(d)中36は光源21を設けた基板35に付属する給電線接続コネクタである。
【0037】
各発光器5は、ケース部材9のケース用被係合部25をベース部材7のケース用係合部11に係合させることで、ベース部材7の側外方に添うように配設される。ここで、突起状のケース用被係合部25は、内側凹条部19の凹側面部位も利用して大きな弾性を備えたものであり、ケース用係合部11との係合作業の良好な作業性を確保している。
【0038】
カバー部材8は、面一状の表面を有する長尺の板状部材であり、その裏面部にはカバー用被係合部13が設けられている。カバー部材8の両幅端部には室内面2側に折り曲げた折曲縁15が形成され、リブ効果により剛性強度が高められている。そして、このカバー部材8は、カバー用被係合部13をベース部材7のカバー用係合部14に係合させることで、ベース部材7及び発光器5の表面側を覆うように配設される。
【0039】
ところで、本例の室内装飾物30では、図1(b)のように、辺枠部4aに亙るベース部材7に対し、長尺な発光器5を一列状に複数並べて設けてある。ここで、隣接する発光器5のうち、一方の発光器5の導光材22の端面と、これに対向する他方の発光器5の導光材22の端面とが離間してこの間に中間領域12が存在すると、当該中間領域12が暗くなって光ムラが発生する恐れがあるが、本例では該光ムラの発生を抑制するための工夫を施してあり、以下に詳述する。なお、以下の説明では、前記照明装置1の光の照射方向である矢印イに示す側外方向を照明装置1(発光器5)の前方向として説明する。
【0040】
本例では、隣接する発光器5のうち、一方の発光器5のキャップ部材20と、これに対向する他方の発光器5のキャップ部材20の間に前方(側外方)に開口する照射用隙間38を形成し、該照射用隙間38に臨むキャップ部材20に、導光材22の内部を通って側端面から略垂直に照射された光源21からの光を通過させる透光部を形成している。
【0041】
透光部は本例では図3(c)のように照射用隙間38に通じる貫通窓29で構成しているが、キャップ部材20をアクリルやポリカーボネイト等の透光性のある透明樹脂材料で形成することでもこれを構成できる。なお、透光部は照射用隙間38に臨むキャップ部材20の両方に形成しても良いし、一方のキャップ部材20にのみ設けても良い。
【0042】
また、照明装置1は、前記透光部を介して照射用隙間38に導出された光の進行方向を前方に変える前方照射部と、中間領域12の前側に設けられて前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部を備えている。
【0043】
具体的には、中間領域12に設けた各キャップ部材20の後端部から対向する他方のキャップ部材20側に向けて反射部39を一体に突出し、また、ベース部材7の一部を両キャップ部材20の反射部39の間の隙間を介して照射用隙間38に露出させ、これら各キャップ部材20やベース部材7にて、前記透光部を介して照射用隙間38に導出された光を前方に向けて反射するようにしている。つまり、本例では、前記各キャップ部材20やベース部材7で前方照射部が構成されている。
【0044】
また、照射用隙間38に光の影となり得るゴミが溜まらないようにするために、照射用隙間38には透光性を有する隙間カバー31がその前方を覆うように被着してあり、本例ではこの隙間カバー31にて光通過部を構成している。
【0045】
このように透光部を通して導光材22内を通った光を照射用隙間38に導出させ、この光の進行方向を前方照射部にて前方に変え、これを光通過部を介して中間領域12の前方へと光を照射することで、前記光ムラの発生を抑制できる。
【0046】
本例の隙間カバー31には拡散材が混入された乳白材が用いられており、前方照射部から前方に照射する光を隙間カバー31内で拡散させ、この点でも光ムラを無くする工夫が為されている。
【0047】
また、隙間カバー31は前面板から背方に脚部32を突設して照射用隙間38に臨む一対のキャップ部材20やベース部材7に係合などして着脱自在に取り付けられるが、脚部32の両側縁には前記一対のキャップ部材20が当接するようにされ、つまり、該隙間カバー31を隣接する発光器5間のスペーサとして利用して発光器5の配置にかかる正確性の確保も図られている。
【0048】
なお、前記隙間カバー31を設けずに照射用隙間38をそのまま側外方(前方)に開口させ、該照射用隙間38の前開口を光通過部としても良いものとする。
【0049】
また、透光部から照射用隙間38に導出された光を前方に効率よく照射するため、以下の工夫を施しても良い。
【0050】
図4の各例では照射用隙間38に露出するベース部材7の隙間露出部に反射部33を形成している。
【0051】
反射部33は図4(a)の例では凹曲面状反射面33aが、図4(b)の例ではやや裏方に面するような傾斜状反射面33bが構成している。このような反射面33a,33bによると前方のうちの更に所望の方向に光を集めたり指向性を高めたりして照射できる利点がある。
【0052】
また、図4(c)の例ではベース部材7の隙間露出部に透光部に対向してやや前方に面する反射面を備えた反射部33を突設させている。詳しくは、この反射部33は反射面が左右に一対備えらえた断面三角形状の突条部33cで構成されている。この例では突条部33cはベース部材7と一体成形されているが、ベース部材7とは別部材にしてベース部材7の隙間露出部に取り付けてもよい。
【0053】
また、前方照射部として、図5のように、キャップ部材20を透光部材で構成すると共に、該キャップ部材20の他方のキャップ部材20側の面である外側面に導光材22内を通った光の一部を前方に反射させるキャップ反射面26を形成してもよい。この例では、中間領域12に臨むキャップ部材20の外側面形状を側内方向に面する傾斜面状に形成し、この傾斜面状のキャップ部材20の外側面に鏡面材や光反射率の高い白色面材などの反射面材34を貼着させてキャップ反射面26を形成している。
【0054】
また、前記各例では、導光材22の側端面から照射された光を照射用隙間38に照射し、これを前方照射部にて照射用隙間38の前方に向けて反射するようにしたが、導光材22の側端面から中間領域12に照射された光をキャップ部材20にて前方に向けて屈折させ、これにより中間領域12の前方に光を照射するようにしても良い。以下、図6乃至図10に基づいてこの例につき説明する。なお、以下の説明では前記各例と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0055】
図6に示すように各キャップ部材20は透光部材で構成され、対向する両キャップ部材20の外側面同士は突き合わせてある。
【0056】
各キャップ部材20は光源21を実装した基板35を取り付けたものである。基板35は各キャップ部材20内に配設してあり、キャップ部材20の対応する導光材22側に位置している。
【0057】
各キャップ部材20の前側及び表面側の壁部の一部は他の壁部よりも対応する導光材22側に突出した突部42となっている。各キャップ部材20は、前側の突部42を導光材22の前面に沿わせると共に表面側の突部42をケース部材9の表面に沿わせ、この状態で、図7に示すキャップ部材20の挿通孔41に挿通した固定具27をケース部材9の挿着孔28に装着することでケース部材9に取り付けられる。
【0058】
図6に示すように、各発光器5の側端面から照射された光は基板35に反射し、また、基板35に実装した光源21からの光は導光材22の側端面で一部反射し、これら反射した光は各キャップ部材20の前側の壁部を透過して前方に照射される。
【0059】
また、図10に示すように、各キャップ部材20の背面には背方に向けてU字状の配線溝部48を突設してあり、該配線溝部48の内側には配線収納スペースSを通して給電線接続コネクタ36に接続される給電線49が保持される。このように給電線49を保持することで、発光器5をベース部材7に取り付ける施工時において、給電線49が発光器5とベース部材7との間に噛み込むことを防止できる。
【0060】
また、本例の照明装置1は、両キャップ部材20間の継ぎ目からも前方に向けて光が照射されるようになっている。
【0061】
具体的には、各キャップ部材20の外側面の前端部、即ち、外側面と前面とでなす角部は、前側程両キャップ部材20の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面45としてあり、両光導出面45の間には前方に開口した略三角形状の隙間46が形成されている。
【0062】
図7に示すように、各キャップ部材20の基板35の前縁の一部は、キャップ部材20の蓋部から突出した位置決め用突起44に当接させており、これにより各キャップ部材20の前側の壁部と、この内側に配置された基板35の前縁との間には間隙43が形成されている。
【0063】
図6に示すように、各キャップ部材20の間隙43は導光材22の側端面の前端部に対向し、また、光導出面45の後端部の側方に位置している。
【0064】
このため、各導光材22の側端面から照射された光は前記間隙43を通過してキャップ部材20に導入され、キャップ部材20の内部を進行して光導出面45に至る。そして、このように光導出面45に到達した光は弧状に湾曲した光導出面45によって屈折されて前方に照射され、この光は隙間46を通過して前方に照射される。つまり、本例では各キャップ部材20の光導出面45が前方照射部を構成し、また、隙間46が光通過部を構成している。
【0065】
なお、本例でも、各発光器5の両端部に設けたキャップ部材20のうち両方又は一方のキャップ部材20に光源21が設けてあれば良いものとする。つまり、前記導光材22の側端面から間隙43に向けて照射される光は、発光器5の中間領域12と反対側の端部に設けた光源21から照射された光であっても良いし、また、図3の例と同様に、中間領域12側の端部に設けた光源21からの光が反対側の端部に設けたキャップ部材20にて反射された光であっても良い。
【0066】
また、図7に示すように本例の各キャップ部材20の蓋部には対応する導光材22側に向けて突出するストッパ部47を形成してある。該ストッパ部47の突出端面は導光材22の側端面に当接しており、振動等が生じて導光材22が基板35に接触することを防止している。
【0067】
なお、前記各例では、パネル材3の周枠としての枠材4に取り付ける長尺の照明装置1によってパネル材3の周囲を照らす室内装飾物30を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、背景技術で説明したような面状の発光器5(図11参照)を複数個隣接して配置する場合にも適用できるのは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態の例の室内装飾であり、(a)は全体斜視図であり、(b)は(a)のA部分の分解斜視図である。
【図2】図1(a)のB−B線の縦断面図である。
【図3】同上の発光器であり、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は(a)のC部分の斜視図であり、(d)は(a)のC部分を別の方向から見た一部を透視した斜視図である。
【図4】実施形態の他例であって反射部の各例を説明する説明図であり、(a)(b)は要部の概略縦断面図であり、(c)は要部の概略横断面図である。
【図5】実施形態の更に他例であって要部の概略横断面図である。
【図6】実施形態の更に他例であって要部の概略横断面図である。
【図7】同上の基板を設けたキャップ部材の斜視図である。
【図8】(a)は同上の発光器の端部の斜視図であり、(b)は分解斜視図である。
【図9】同上の発光器の断面図である。
【図10】同上の給電線を給電線接続コネクタに接続した状態を示す斜視図である。
【図11】従来技術の例の面状発光器の正面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 照明装置
2 室内面
3 パネル材
4 枠材
5 発光器
7 ベース部材
8 カバー部材
9 ケース部材
12 中間領域
21 光源
22 導光材
26 キャップ反射面
29 貫通窓
30 室内装飾物
31 隙間カバー
33 反射部
34 反射面材
38 照射用隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図11のように、光源21と、側端面から内部に導入された光源21の光をその前面から照射する導光材22を備えた面状の照明装置1が知られている(たとえば特許文献1参照)。このような照明装置1は単体で用いることもできるが、該照明装置1を発光器とし、これを複数個隣接して配設するとより大きな領域を光らせることができる。
【0003】
しかしながら、室内面などの発光器の設置予定箇所と発光器自身の寸法との兼ね合いのなかで、隣接配置した複数の照明装置1の間に隙間が形成されてしまうと、複数の発光器が前方に発光する中で、発光しない隙間が存在することとなり、光ムラを生じさせてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2001−155526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、隣接する発光器の間にできた隙間においても前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本願の請求項1に係る照明装置は、以下の構成を有している。光源21及び該光源21からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材22を有する複数の発光器5を備える。これら複数の発光器5が導光材22の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置される。この離間した領域で構成された中間領域12に、該中間領域12に向けて導光材22の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられる。中間領域12の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられる。
【0006】
これによると、隣接配置した照明装置1の間の、導光材22への光の導入方向における該導光材22の側端面が離間して対向した中間領域12には、導光材22内に導入された光源21の光を効率良く至らせることができるのであり、そして前記中間領域12に設けた前方照射部によって該中間領域12に前方への発光性能を持たせることができ、光ムラの発生を抑制できる。
【0007】
また、請求項2に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられ、両キャップ部材20の間に照射用隙間38が形成される。キャップ部材20に導光材22の側端面から照射された光を前記照射用隙間38へと通過させる透光部が形成される。前記透光部を介して照射用隙間38に照射された光の進行方向が前方照射部で前方に変えられる。
【0008】
これによると、導光材22の側端部に被着するキャップ部材20に設けた透光部を通して導光材22内を通った光の一部を照射用隙間38に導出させて照射用隙間38から前方に照射することができ、簡単な構造により中間領域12に発光性能を持たせることができて光ムラの発生を抑制できる。
【0009】
また、請求項3に係る照明装置は、請求項2に加えて、以下の構成を有している。前記照射用隙間38の前側に当該照射用隙間38の前方を覆う透光性を有する隙間カバー31が配設され、該隙間カバー31で前記光通過部が構成される。
【0010】
透光性を備えた隙間カバー31で照射用隙間38を覆い、照射用隙間38内にゴミが溜まることを防止できて、該ゴミが照射光に影を落とす恐れを回避して光ムラの発生を抑制できる。
【0011】
また、請求項4に係る照明装置は、請求項3に加えて、以下の構成を有している。前記隙間カバー31の両側縁に前記隣接配置された各発光器5の側縁が当接される。
【0012】
これによると、隙間カバー31の両側縁に各発光器5の側縁を当接したので、該隙間カバー31を隣接する発光器5間のスペーサとして利用できて、発光器5の配置にかかる正確性を確保できる。
【0013】
また、請求項5に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられる。キャップ部材20が透光部材で構成されると共に、該キャップ部材20の外側面に、導光材22の側端面から照射されてキャップ部材20の内部に導入された光を前方に反射させるキャップ反射面26が形成される。該キャップ反射面26で前記前方照射部が構成される。
【0014】
これによると、導光材22の側端部に被着するキャップ部材20を透光部材で構成すると共にキャップ反射面26を形成するという簡単な構造によって、前記中間領域12に前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制できる。
【0015】
また、請求項6に係る照明装置は、請求項1に加えて、以下の構成を有している。前記各発光器5の中間領域12側の側端部に導光材22の側端面を覆うキャップ部材20が設けられる。各キャップ部材20が透光部材で構成されると共に両キャップ部材20の外側面同士が対向する。各キャップ部材20の対向面の前端部が前側程両キャップ部材20の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面45とされる。各光導出面45で導光材22の側端面から照射されてキャップ部材20の内部に導入された光が前方に導出される。これら光導出面45で前記前方照射部が構成される。両キャップ部材22の光導出面45の間に各光導出面45から導出された光を前方へと通過させる隙間46が形成され、該隙間46で前記光通過部が構成される。
【0016】
これによると、導光材22の側端面から照射された光を、キャップ部材20にて中間領域12の前方に導出することができ、この場合、両キャップ部材20の間に大きな隙間を形成する必要がなく、外観を向上することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、隣接する発光器の間にできた隙間においても前方への発光性能を持たせて光ムラの発生を抑制することができる、という利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態の一例に基いて説明する。
【0019】
図1(a)には、本例の照明装置1を設けた室内装飾物30を示してある。
【0020】
室内装飾物30は、建物の天井面や壁面等の室内面2にパネル材3を添わせて配設し、パネル材3の周縁に照明装置1を設けたものであり、パネル材3を囲む枠状の照明装置1にて図2中矢印イに示す室内装飾物30の外側に光を照射してパネル材3の周囲の室内面2を照らし、これにより、間接照明にてパネル材3の室内面2からの浮き上がりを強調した光の演出を行い、立体的で高級感のある良好な室内外観を現出するものである。なお、図1(a)の多数の点を付して示した領域は照明装置1の光の照射領域である。
【0021】
なお、以下の説明では、便宜上、図2中イに示す照明装置1(発光器5)の光の照射方向を側外方向と称し、また、矢印ロに示すパネル材3の中央に向く方向を側内方向、矢印ハに示す室内空間に向く方向を表方向、矢印ニに示す室内面2に向く方向を裏方向と称する。
【0022】
パネル材3は木製や金属製等、適宜材質の板材を用いることができ、本例では複数枚の小パネル材3´を並設して互いに嵌合等で連結させて一枚の矩形状のパネル材3を形成している。
【0023】
照明装置1は、パネル材3を囲む矩形状の枠材4と、枠材4の外周縁に沿って並設した発光器5と、発光器5間の隙間を覆う隙間カバー31とで構成される。
【0024】
枠材4は、樹脂製または金属製であり、パネル材3の各辺部3aに夫々設けた長尺の辺枠部4aと、辺枠部4aの切れ目16となるパネル材3の各コーナー部3bに設けたコーナーカバー部材6とで構成され、パネル材3の周囲を連続して囲うように設けられる。枠材4の辺枠部4aは、図2のように、建物の室内面2に固定すると共にパネル材3の側縁部を取り付けるためのベース部材7と、辺枠部4aの表面部を構成するカバー部材8とで構成されている。
【0025】
発光器5は辺枠部4aに沿って長尺なものであり、各辺枠部4aの側外面に複数個(図示例では2個)並べて取り付けられる。
【0026】
各発光器5は、辺枠部4aに沿って取り付けられる長尺なケース部材9と、該ケース部材9に装着した長尺な導光材22と、ケース部材9の長手方向の両端部に装着したキャップ部材20と、キャップ部材20に設けた光源21を備えている。光源21を発光させることで、該光源21の光を導光材22の側端面から導入し、これにより導光材22を側外方に向けて発光させる。
【0027】
ベース部材7は、略I字状の縦断面を有すると共にパネル材3の辺部3aに亙る長さを有する長尺型枠材である。このベース部材7は釘やビス等の固着具を用いて室内面2に固定される。ベース部材7の側内部には内側に開口するパネル取付用凹所10が設けられ、パネル材3の側端部を係合してパネル材3を支持する。ベース部材7の側外部にはケース部材9を着脱させるケース用係合部11が設けられており、ベース部材7の表面部にはカバー部材8を着脱させるカバー用係合部14が設けられている。
【0028】
ケース部材9は、図2,3のように、略工字状の縦断面を有する長尺型枠材であり、側外方に開口する外側凹条部18と側内方に開口する内側凹条部19とが背中合わせ状に設けられている。
【0029】
内側凹条部19の内部は配線収納スペースSとして利用され、ここには光源21への給電線が収めて配線される。
【0030】
内側凹条部19の内側開口19aの両縁には、先端が自由端となる突起状のケース用被係合部25が設けられている。内側凹条部19は内側開口19a側が幅狭になるように形成され、内側凹条部19の内部の配線収納スペースSに配線した給電線が内側開口19aから飛び出る恐れを低減させている。
【0031】
導光材22は外側凹条部18の外側開口18aの両縁に形成された抜止め凸部23によって抜け止めがされた状態で外側凹条部18の内部に収めて配設される。該導光材22は、光源21からの光を長手方向の端面から内部に導入して導光パターン24で反射させて側外方に照射するものである。
【0032】
前記導光パターン24は導光材22の内方端面における表側域に凹凸を刻設する等して形成され、この導光パターン24で導光材22の内部に導入された光源21からの光を側外方に向けて反射させて照射させる。導光材22内の光を側外方に向けて照射させる手段としては、前記導光パターン24の代わりに、導光材22の内方端面に貼着等して添設した反射部材などの他の手段で構成することもできる。
【0033】
キャップ部材20はケース部材9の長手方向の両端を塞ぎ且つ導光材22の長手方向の端面を覆うようにケース部材9の端部に装着される。各キャップ部材20は、ビス等の固定具27(図3(c))をキャップ部材20に挿通させ、該固定具27をケース部材9に設けた挿着孔28に挿着してケース部材9に装着される。
【0034】
発光器5の長手方向の両端部に設けたキャップ部材20のうち、両方又は一方のキャップ部材20には、LEDなどの発光機器からなる光源21を実装した基板35が取り付けられている。
【0035】
図中20aは光源21を設けたキャップ部材20であり、20bは光源21を設けていないキャップ部材20である。ここで、図3に示すように、発光器5の一方のキャップ部材20にのみ光源21を設けた場合には、他方のキャップ部材20bは前記一方のキャップ部材20aに設けた光源21から導光材22の内部を経て至った光を再び導光材22の内部に反射させる。
【0036】
このように光源21をキャップ部材20に設けることで、キャップ部材20aをケース部材9に装着するだけで、該キャップ部材20aに設けた光源21を導光材22の側端面に対向させて隣接して配置できる。なお、図3(d)中36は光源21を設けた基板35に付属する給電線接続コネクタである。
【0037】
各発光器5は、ケース部材9のケース用被係合部25をベース部材7のケース用係合部11に係合させることで、ベース部材7の側外方に添うように配設される。ここで、突起状のケース用被係合部25は、内側凹条部19の凹側面部位も利用して大きな弾性を備えたものであり、ケース用係合部11との係合作業の良好な作業性を確保している。
【0038】
カバー部材8は、面一状の表面を有する長尺の板状部材であり、その裏面部にはカバー用被係合部13が設けられている。カバー部材8の両幅端部には室内面2側に折り曲げた折曲縁15が形成され、リブ効果により剛性強度が高められている。そして、このカバー部材8は、カバー用被係合部13をベース部材7のカバー用係合部14に係合させることで、ベース部材7及び発光器5の表面側を覆うように配設される。
【0039】
ところで、本例の室内装飾物30では、図1(b)のように、辺枠部4aに亙るベース部材7に対し、長尺な発光器5を一列状に複数並べて設けてある。ここで、隣接する発光器5のうち、一方の発光器5の導光材22の端面と、これに対向する他方の発光器5の導光材22の端面とが離間してこの間に中間領域12が存在すると、当該中間領域12が暗くなって光ムラが発生する恐れがあるが、本例では該光ムラの発生を抑制するための工夫を施してあり、以下に詳述する。なお、以下の説明では、前記照明装置1の光の照射方向である矢印イに示す側外方向を照明装置1(発光器5)の前方向として説明する。
【0040】
本例では、隣接する発光器5のうち、一方の発光器5のキャップ部材20と、これに対向する他方の発光器5のキャップ部材20の間に前方(側外方)に開口する照射用隙間38を形成し、該照射用隙間38に臨むキャップ部材20に、導光材22の内部を通って側端面から略垂直に照射された光源21からの光を通過させる透光部を形成している。
【0041】
透光部は本例では図3(c)のように照射用隙間38に通じる貫通窓29で構成しているが、キャップ部材20をアクリルやポリカーボネイト等の透光性のある透明樹脂材料で形成することでもこれを構成できる。なお、透光部は照射用隙間38に臨むキャップ部材20の両方に形成しても良いし、一方のキャップ部材20にのみ設けても良い。
【0042】
また、照明装置1は、前記透光部を介して照射用隙間38に導出された光の進行方向を前方に変える前方照射部と、中間領域12の前側に設けられて前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部を備えている。
【0043】
具体的には、中間領域12に設けた各キャップ部材20の後端部から対向する他方のキャップ部材20側に向けて反射部39を一体に突出し、また、ベース部材7の一部を両キャップ部材20の反射部39の間の隙間を介して照射用隙間38に露出させ、これら各キャップ部材20やベース部材7にて、前記透光部を介して照射用隙間38に導出された光を前方に向けて反射するようにしている。つまり、本例では、前記各キャップ部材20やベース部材7で前方照射部が構成されている。
【0044】
また、照射用隙間38に光の影となり得るゴミが溜まらないようにするために、照射用隙間38には透光性を有する隙間カバー31がその前方を覆うように被着してあり、本例ではこの隙間カバー31にて光通過部を構成している。
【0045】
このように透光部を通して導光材22内を通った光を照射用隙間38に導出させ、この光の進行方向を前方照射部にて前方に変え、これを光通過部を介して中間領域12の前方へと光を照射することで、前記光ムラの発生を抑制できる。
【0046】
本例の隙間カバー31には拡散材が混入された乳白材が用いられており、前方照射部から前方に照射する光を隙間カバー31内で拡散させ、この点でも光ムラを無くする工夫が為されている。
【0047】
また、隙間カバー31は前面板から背方に脚部32を突設して照射用隙間38に臨む一対のキャップ部材20やベース部材7に係合などして着脱自在に取り付けられるが、脚部32の両側縁には前記一対のキャップ部材20が当接するようにされ、つまり、該隙間カバー31を隣接する発光器5間のスペーサとして利用して発光器5の配置にかかる正確性の確保も図られている。
【0048】
なお、前記隙間カバー31を設けずに照射用隙間38をそのまま側外方(前方)に開口させ、該照射用隙間38の前開口を光通過部としても良いものとする。
【0049】
また、透光部から照射用隙間38に導出された光を前方に効率よく照射するため、以下の工夫を施しても良い。
【0050】
図4の各例では照射用隙間38に露出するベース部材7の隙間露出部に反射部33を形成している。
【0051】
反射部33は図4(a)の例では凹曲面状反射面33aが、図4(b)の例ではやや裏方に面するような傾斜状反射面33bが構成している。このような反射面33a,33bによると前方のうちの更に所望の方向に光を集めたり指向性を高めたりして照射できる利点がある。
【0052】
また、図4(c)の例ではベース部材7の隙間露出部に透光部に対向してやや前方に面する反射面を備えた反射部33を突設させている。詳しくは、この反射部33は反射面が左右に一対備えらえた断面三角形状の突条部33cで構成されている。この例では突条部33cはベース部材7と一体成形されているが、ベース部材7とは別部材にしてベース部材7の隙間露出部に取り付けてもよい。
【0053】
また、前方照射部として、図5のように、キャップ部材20を透光部材で構成すると共に、該キャップ部材20の他方のキャップ部材20側の面である外側面に導光材22内を通った光の一部を前方に反射させるキャップ反射面26を形成してもよい。この例では、中間領域12に臨むキャップ部材20の外側面形状を側内方向に面する傾斜面状に形成し、この傾斜面状のキャップ部材20の外側面に鏡面材や光反射率の高い白色面材などの反射面材34を貼着させてキャップ反射面26を形成している。
【0054】
また、前記各例では、導光材22の側端面から照射された光を照射用隙間38に照射し、これを前方照射部にて照射用隙間38の前方に向けて反射するようにしたが、導光材22の側端面から中間領域12に照射された光をキャップ部材20にて前方に向けて屈折させ、これにより中間領域12の前方に光を照射するようにしても良い。以下、図6乃至図10に基づいてこの例につき説明する。なお、以下の説明では前記各例と同一の構成については同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0055】
図6に示すように各キャップ部材20は透光部材で構成され、対向する両キャップ部材20の外側面同士は突き合わせてある。
【0056】
各キャップ部材20は光源21を実装した基板35を取り付けたものである。基板35は各キャップ部材20内に配設してあり、キャップ部材20の対応する導光材22側に位置している。
【0057】
各キャップ部材20の前側及び表面側の壁部の一部は他の壁部よりも対応する導光材22側に突出した突部42となっている。各キャップ部材20は、前側の突部42を導光材22の前面に沿わせると共に表面側の突部42をケース部材9の表面に沿わせ、この状態で、図7に示すキャップ部材20の挿通孔41に挿通した固定具27をケース部材9の挿着孔28に装着することでケース部材9に取り付けられる。
【0058】
図6に示すように、各発光器5の側端面から照射された光は基板35に反射し、また、基板35に実装した光源21からの光は導光材22の側端面で一部反射し、これら反射した光は各キャップ部材20の前側の壁部を透過して前方に照射される。
【0059】
また、図10に示すように、各キャップ部材20の背面には背方に向けてU字状の配線溝部48を突設してあり、該配線溝部48の内側には配線収納スペースSを通して給電線接続コネクタ36に接続される給電線49が保持される。このように給電線49を保持することで、発光器5をベース部材7に取り付ける施工時において、給電線49が発光器5とベース部材7との間に噛み込むことを防止できる。
【0060】
また、本例の照明装置1は、両キャップ部材20間の継ぎ目からも前方に向けて光が照射されるようになっている。
【0061】
具体的には、各キャップ部材20の外側面の前端部、即ち、外側面と前面とでなす角部は、前側程両キャップ部材20の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面45としてあり、両光導出面45の間には前方に開口した略三角形状の隙間46が形成されている。
【0062】
図7に示すように、各キャップ部材20の基板35の前縁の一部は、キャップ部材20の蓋部から突出した位置決め用突起44に当接させており、これにより各キャップ部材20の前側の壁部と、この内側に配置された基板35の前縁との間には間隙43が形成されている。
【0063】
図6に示すように、各キャップ部材20の間隙43は導光材22の側端面の前端部に対向し、また、光導出面45の後端部の側方に位置している。
【0064】
このため、各導光材22の側端面から照射された光は前記間隙43を通過してキャップ部材20に導入され、キャップ部材20の内部を進行して光導出面45に至る。そして、このように光導出面45に到達した光は弧状に湾曲した光導出面45によって屈折されて前方に照射され、この光は隙間46を通過して前方に照射される。つまり、本例では各キャップ部材20の光導出面45が前方照射部を構成し、また、隙間46が光通過部を構成している。
【0065】
なお、本例でも、各発光器5の両端部に設けたキャップ部材20のうち両方又は一方のキャップ部材20に光源21が設けてあれば良いものとする。つまり、前記導光材22の側端面から間隙43に向けて照射される光は、発光器5の中間領域12と反対側の端部に設けた光源21から照射された光であっても良いし、また、図3の例と同様に、中間領域12側の端部に設けた光源21からの光が反対側の端部に設けたキャップ部材20にて反射された光であっても良い。
【0066】
また、図7に示すように本例の各キャップ部材20の蓋部には対応する導光材22側に向けて突出するストッパ部47を形成してある。該ストッパ部47の突出端面は導光材22の側端面に当接しており、振動等が生じて導光材22が基板35に接触することを防止している。
【0067】
なお、前記各例では、パネル材3の周枠としての枠材4に取り付ける長尺の照明装置1によってパネル材3の周囲を照らす室内装飾物30を例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、背景技術で説明したような面状の発光器5(図11参照)を複数個隣接して配置する場合にも適用できるのは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態の例の室内装飾であり、(a)は全体斜視図であり、(b)は(a)のA部分の分解斜視図である。
【図2】図1(a)のB−B線の縦断面図である。
【図3】同上の発光器であり、(a)は全体斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は(a)のC部分の斜視図であり、(d)は(a)のC部分を別の方向から見た一部を透視した斜視図である。
【図4】実施形態の他例であって反射部の各例を説明する説明図であり、(a)(b)は要部の概略縦断面図であり、(c)は要部の概略横断面図である。
【図5】実施形態の更に他例であって要部の概略横断面図である。
【図6】実施形態の更に他例であって要部の概略横断面図である。
【図7】同上の基板を設けたキャップ部材の斜視図である。
【図8】(a)は同上の発光器の端部の斜視図であり、(b)は分解斜視図である。
【図9】同上の発光器の断面図である。
【図10】同上の給電線を給電線接続コネクタに接続した状態を示す斜視図である。
【図11】従来技術の例の面状発光器の正面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 照明装置
2 室内面
3 パネル材
4 枠材
5 発光器
7 ベース部材
8 カバー部材
9 ケース部材
12 中間領域
21 光源
22 導光材
26 キャップ反射面
29 貫通窓
30 室内装飾物
31 隙間カバー
33 反射部
34 反射面材
38 照射用隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源及び該光源からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材を有する複数の発光器を備え、これら複数の発光器が導光材の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置され、この離間した領域で構成された中間領域に、該中間領域に向けて導光材の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられ、中間領域の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、両キャップ部材の間に照射用隙間が形成され、キャップ部材に導光材の側端面から照射された光を前記照射用隙間へと通過させる透光部が形成され、前記透光部を介して照射用隙間に照射された光の進行方向が前方照射部で前方に変えられることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記照射用隙間の前側に当該照射用隙間の前方を覆う透光性を有する隙間カバーが配設され、該隙間カバーで前記光通過部が構成されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記隙間カバーの両側縁に前記隣接配置された各発光器の側縁が当接されることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、キャップ部材が透光部材で構成されると共に、該キャップ部材の外側面に、導光材の側端面から照射されてキャップ部材の内部に導入された光を前方に反射させるキャップ反射面が形成され、該キャップ反射面で前記前方照射部が構成されることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項6】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、各キャップ部材が透光部材で構成されると共に両キャップ部材の外側面同士が対向し、各キャップ部材の対向面の前端部が前側程両キャップ部材の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面とされ、各光導出面で導光材の側端面から照射されてキャップ部材の内部に導入された光が前方に導出され、これら光導出面で前記前方照射部が構成され、両キャップ部材の光導出面の間に各光導出面から導出された光を前方へと通過させる隙間が形成され、該隙間で前記光通過部が構成されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項1】
光源及び該光源からの光を側端面から内部に導入して前面から照射する導光材を有する複数の発光器を備え、これら複数の発光器が導光材の側端面同士を離間して対向させた状態で隣接配置され、この離間した領域で構成された中間領域に、該中間領域に向けて導光材の側端面から照射された光の進行方向を前方に変えるための前方照射部が設けられ、中間領域の前側に前記前方照射部から前方に向けて照射された光を通過させる光通過部が設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、両キャップ部材の間に照射用隙間が形成され、キャップ部材に導光材の側端面から照射された光を前記照射用隙間へと通過させる透光部が形成され、前記透光部を介して照射用隙間に照射された光の進行方向が前方照射部で前方に変えられることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記照射用隙間の前側に当該照射用隙間の前方を覆う透光性を有する隙間カバーが配設され、該隙間カバーで前記光通過部が構成されることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記隙間カバーの両側縁に前記隣接配置された各発光器の側縁が当接されることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、キャップ部材が透光部材で構成されると共に、該キャップ部材の外側面に、導光材の側端面から照射されてキャップ部材の内部に導入された光を前方に反射させるキャップ反射面が形成され、該キャップ反射面で前記前方照射部が構成されることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項6】
前記各発光器の中間領域側の側端部に導光材の側端面を覆うキャップ部材が設けられ、各キャップ部材が透光部材で構成されると共に両キャップ部材の外側面同士が対向し、各キャップ部材の対向面の前端部が前側程両キャップ部材の間隔が大きくなるよう湾曲させた弧状の光導出面とされ、各光導出面で導光材の側端面から照射されてキャップ部材の内部に導入された光が前方に導出され、これら光導出面で前記前方照射部が構成され、両キャップ部材の光導出面の間に各光導出面から導出された光を前方へと通過させる隙間が形成され、該隙間で前記光通過部が構成されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−231258(P2009−231258A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217377(P2008−217377)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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