照明装置
【課題】簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる照明装置を提供する。
【解決手段】カバー4は、レンズ体2の各レンズに対応する部分を透明にした透明部41を有しており、カバー4の裏面側(レンズ体2側)の透明部41を除く他の部分は、所定の色(例えば、白色など)による着色処理がなされている。カバー4の側板5に当接する周縁42(短手側の周縁)の一部には所定の幅寸法及び高さ寸法を有する凸部43を設けてある。1対の側板5は、放熱フレーム3の短手側の端部付近に離隔して固定されている。離隔して配置された1対の側板5には、カバー4の凸部43が嵌合する嵌合部としての切欠部54を形成してある。
【解決手段】カバー4は、レンズ体2の各レンズに対応する部分を透明にした透明部41を有しており、カバー4の裏面側(レンズ体2側)の透明部41を除く他の部分は、所定の色(例えば、白色など)による着色処理がなされている。カバー4の側板5に当接する周縁42(短手側の周縁)の一部には所定の幅寸法及び高さ寸法を有する凸部43を設けてある。1対の側板5は、放熱フレーム3の短手側の端部付近に離隔して固定されている。離隔して配置された1対の側板5には、カバー4の凸部43が嵌合する嵌合部としての切欠部54を形成してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光を透過させる透過板を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省電力かつ長寿命という特徴を有する発光ダイオードが照明用の光源として注目され、発光ダイオードを用いた照明装置が様々な分野で広く使用されるようになり、用途に応じた照明装置が開発されている。
【0003】
例えば、筐体内部に設けられたLED光源から出射された光を筐体外部に透過拡散させる拡散板を筐体の上面に取り付けた照明器具本体部と、線状コンセントに接続するための端子を備えた端子部を備え、線状コンセントに複数隙間なく接続することができるLED照明器具が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3136599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のLED照明器具等の従来の照明装置のように、筐体に拡散板を取り付ける構造の場合、取り付け作業の容易性を高めるため、ねじ等で固定するのではなく、単に嵌めこむ構造のものが多い。一方で、筐体に拡散板を取り付けることができないという事態を防止するために取り付け誤差(寸法精度)にある程度の余裕を持たせている。このため、従来の照明装置にあっては、拡散板を筐体に取り付けた状態でも、取り付け誤差(寸法精度)の範囲内で拡散板の位置がずれるという問題があった。特に、場所により拡散度合いが異なる拡散板の場合、LEDと拡散板との位置関係が重要であり、拡散板の位置ずれにより所望の拡散効果が得られないという問題もあった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、光源と、該光源からの光を透過させる透過板と、該透過板を保持する側板とを備える照明装置において、前記透過板は、前記側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、前記側板は、前記凸部が嵌合する嵌合部を有し、前記凸部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記透過板の位置ずれを防止すべく構成してあることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る照明装置は、前記凸部は、前記透過板を前記嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明装置は、前記光源の光を集光するレンズを備え、前記透過板は、前記レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高いことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る照明装置は、前記側板を取り付けるための枠体を備え、前記側板は、前記光源を間にして離隔して複数設けられ、前記透過板の周縁を載置する載置部を有し、前記枠体から離れる方向に沿って前記側板同士の離隔寸法が小さくなるように該側板を傾斜させて前記枠体に取り付けてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る照明装置は、光源を実装した基板と、該基板を取り付けた枠体と、前記透過板を前記枠体に固定するための固定部材とを備え、前記側板を前記固定部材に設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、光源と、光源からの光を透過させる透過板と、透過板を保持する側板とを備える。そして、透過板は、側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、側板は、凸部に嵌合する嵌合部を有する。透過板を取り付ける場合には、各側板の嵌合部に凸部を嵌合させることにより、透過板の位置が側板に沿ってずれることを防止できる。また、透過板は2つの側板で挟まれているので、側板が対向する方向に沿って透過板がずれることも防止できる。これにより、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる。
【0012】
本発明にあっては、凸部は、透過板を嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしている。これにより、透過板を側板に嵌合し易くすることができる。
【0013】
本発明にあっては、光源の光を集光するレンズを備え、透過板は、レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高い。例えば、レンズに対応する部分を透明にしてある。なお、透過板の透明にしてある部分(透明部分)は、光を透過させる機能のみならず、光を拡散する機能を備えるものでもよい。透過板の位置ずれを防止することができるので、透過板の透明部分(透過性が高い部分)を通じて光源から出射された光を透過させることができ、透明部分以外の部分で光が遮蔽されることを防止することができる。また、透明部分に拡散機能を備える場合には、透過板の位置ずれによる拡散効率の低下や所望の拡散効果の低下などの事態を防止することができる。
【0014】
本発明にあっては、側板を取り付けるための枠体を備え、側板は、光源を間にして離隔して複数設けられ、透過板の周縁を載置する載置部を有し、枠体から離れる方向に沿って側板同士の離隔寸法が小さくなるように側板を傾斜させて枠体に取り付けてある。これにより、透過板の周縁は載置部で載置されて保持される。また、透過板は、載置部と傾斜した側板との間で挟持されるとともに、複数の(例えば、2つ)側板で押圧されるので、透過板の位置ずれをさらに防止することができる。
【0015】
本発明にあっては、光源を実装した基板と、基板を取り付けた枠体と、透過板を枠体に固定するための固定部材とを備え、側板を固定部材に設けてある。これにより、固定部材で透過板を枠体に固定する際に透過板の凸部を嵌合部に嵌合させることができ、透過板の取り付け作業が容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る照明装置の分解斜視図である。図1において、1は発光ダイオード(不図示)が適長離隔して実装された基板である。図1の例では、矩形状の基板1を長手方向に3枚、短手方向(幅方向)に2枚、合計6枚備えているが、基板1の枚数は、これに限定されるものではない。また、各基板1は絶縁シート(不図示)を介して枠体としてのアルミニウム製の放熱フレーム3に固定されてあるが、絶縁シートはなくてもよい。各基板1は、ハーネス13により電気的に接続されている。
【0018】
各基板1の表面(発光ダイオードが実装されている面)に対向して、基板1と略同寸法のレンズ体2を固定してある。レンズ体2は、例えば、透明のアクリル樹脂製であって、各発光ダイオードの実装位置に対応して略球面凸状の複数のレンズを備えている。各レンズは、発光ダイオードから発せられる光を集光するとともに、集光した光を所定の方向へ照射する。なお、レンズ体2の詳細は後述する。
【0019】
レンズ体2の表面側(基板1と反対側)には、放熱フレーム3の各端部に固定された側板5、5に挟み込まれるようにして、光源の光を透過させる透過板としてのカバー4を固定してあり、さらにカバー4の両端にサイドカバー6、6をはめ込むことにより、光源ユニットを構成している。すなわち、光源ユニットは、放熱フレーム3、発光ダイオードが実装された基板1、レンズ体2、側板5、カバー4などを備えている。
【0020】
カバー4は、レンズ体2の各レンズに対応する部分を透明にした透明部41を有しており、カバー4の裏面側(レンズ体2側)の透明部41を除く他の部分は、所定の色(例えば、白色など)による着色処理がなされている。透明部41は、光を透過させる機能のみならず、光を拡散する機能を備えるものでもよい。なお、透明部41に代えて、レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高くなるようにしてもよい。
【0021】
透明部41には、細かなマイクロレンズを形成することにより、所望の拡散率を得ることができる。例えば、マイクロレンズの寸法を大きくすれは、光の集光性を高めることができ、マイクロレンズの寸法を小さくすれば、拡散性を高めることができる。また、マイクロレンズに代えて、例えば、透明部41に透明の塗料を吹付けることにより、所望の拡散率を得ることができる。例えば、塗料の量を少なくすれば集光性が高くなり、塗料の量を増やせば拡散性を高めることができる。また、透明部41の表面形状や模様を変更することで拡散率を変えることもできる。種々の拡散率のカバー4を予め用意しておき、照明装置の設置場所の条件や照明装置の用途などに応じて所要の拡散率のカバー4を用いることができる。
【0022】
カバー4の側板5に当接する周縁42(短手側の周縁)の一部には所定の幅寸法及び高さ寸法を有する凸部43を設けてある。凸部43は、例えば、平面視が台形状、すなわち、高さ方向に向かって幅寸法が小さくなるようなテーパ状をなしている。なお、凸部43の平面視の形状は、台形状に限定されるものではなく、楕円状、円状などでもよい。また、凸部43を1つの周縁42に複数離隔して設けてもよい。
【0023】
1対の側板5は、放熱フレーム3の短手側の端部付近に離隔して固定されている。離隔して配置された1対の側板5には、カバー4の凸部43が嵌合する嵌合部としての切欠部54を形成してある。基板1とレンズ体2とを位置合わせした上で、基板1及びレンズ体2を放熱フレーム3に取り付ける。1対の側板5は、放熱フレーム3から離れる方向に沿って側板5同士の離隔寸法が小さくなるように側板5を傾斜させて放熱フレーム3に取り付けてある。そして、カバー4の凸部43を切欠部54に嵌合させることにより、カバー4を放熱フレーム3に固定して保持する。
【0024】
また、カバー4の凸部43が切欠部54に嵌合させる方向に沿って幅寸法が細くなるようにテーパ状をなしているので、カバー4を切欠部54の上方からスライドさせて照明装置に取り付ける際に、カバー4の凸部43のテーパ状の部分を利用して滑らかに切欠部54に嵌合させることができ、カバー4を側板5に嵌合し易くすることができる。
【0025】
よって、カバー4は、長手方向の位置ずれが生じないように、一対の側板5により挟持して固定されるとともに、短手方向の位置ずれが生じないように、切欠部54にカバー4の凸部43を嵌合させて固定されることになる。従って、カバー4は、光源(発光ダイオード)及びレンズ体2に対して、長手方向及び短手方向の両方向に対する位置ずれを防止することができる。
【0026】
放熱フレーム3の長手方向に沿った周縁部には、カバー4の長手方向の周縁を嵌め込むための断面形状がコの字状の溝部31を設けてある。
【0027】
放熱フレーム3の裏側(基板1と反対側)には、電源ユニット8を収容した箱状の照明装置筐体7を固定してあり、照明装置筐体7に取り付けられた端子台9には、商用電源からの電源線14を接続してある。端子台9と電源ユニット8の間には、ハーネス10を接続してあり、例えば、AC100V又はAC200Vの電圧を電源ユニット8へ印加するようになっている。電源ユニット8で変換された電圧(例えば、直流電圧)をハーネス11、12により各基板1へ供給している。
【0028】
図2は側板5の外観斜視図である。側板5は金属製であって、放熱フレーム3に固定するための取り付け穴511を設けてある矩形状の固定部51、固定部51から略コの字状に屈曲した立上がり部52、立上がり部52の縁部中央を折り曲げて形成された切欠部54及びカバー4の周縁を載置する載置部53などを備えている。
【0029】
図3はカバー4を側板5に取り付け状態の要部拡大図であり、図4は長手方向から見たカバー4の取り付け状態を示す模式図である。図3に示すように、側板5の切欠部54には、カバー4の凸部43が嵌合される。切欠部54の寸法は、平面視が台形状の凸部43の下辺寸法(幅寸法)より若干長く設定し、側板5の立上がり部52の面でカバー4の長手方向への移動を抑制している。なお、切欠部54の寸法は、平面視が台形状の凸部43の上辺の寸法(幅寸法)と凸部43の下辺寸法(幅寸法)との間の寸法に設定することもできる。これにより凸部43を、台形状の斜辺の中途部で確実に切欠部54に嵌合させることができ、簡単な構造で透過板の側板5に沿った方向の位置ずれを防止することができる。
【0030】
また、図4に示すように、放熱フレーム3に側板5、5を固定した状態で、立上がり部52は、内側に傾斜するように形成してあり(図2の例で角度αが90度以上)、カバー4は、載置部53と傾斜した立上がり部52(側板5)との間で挟持されるとともに、各立上がり部52でカバー4の周縁42を押圧することで、カバー4の取り付け誤差の影響を防止し、がたつきが無く確実に取り付けることができ、カバー4の位置ずれをさらに防止することができる。
【0031】
上述の例では、カバー4にはレンズの位置に対応させて透明部41を形成した構造であったが、照明装置の用途や設置場所によっては、透明部41を設けないカバー4を用いることもできる。透明部41を有するカバー4を用いる場合には、上述のように、カバー4の位置ずれを防止することができるので、カバー4の透明部41から光源の光を透過させることができ、透明部41以外の部分で光が遮蔽されることを防止することができる。また、透明部41に拡散機能を備える場合には、カバー4の位置ずれによる拡散効率の低下や所望の拡散効果の低下などの事態を防止することができる。
【0032】
図5は短手方向から見たカバー4の取り付け状態を示す模式図である。図5に示すように、放熱フレーム3のコの字状の溝部31は、カバー4と当接する角部311、312を湾曲させてある。これにより、カバー4を取り付ける際に、カバー4の周縁を溝部31に摺動させたときに角部311、312でカバー4の表面に傷が付くのを防止することができる。特に、カバー4の裏側には、透明部41を除く部分には所定の色の着色処理が臍粉されており、角部311で塗装が剥がれて透明のスジ状の傷が発生することを防止でき、カバー4の見た目や美観を損なうことを防止できる。
【0033】
なお、図5(a)は、角部311、312の立ち上がり寸法は同一であるが、図5(b)に示すように、角部312の立ち上がり寸法を角部311より長くすることもできる。この場合、仮に角部311でカバー4の裏側の塗料が剥がれても、寸法の長い角部312で塗料が剥がれた部分を外部から隠すことができ、カバー4の見た目や美観を損なうことを防止できる。
【0034】
また、図5の例では、角部311、312の両方を湾曲させる構成であるが、カバー4の表裏一方のみに着色処理が施されている場合には、着色処理が施されている側の角部のみを湾曲させるようにしてもよい。
【0035】
図6はレンズ体2の正面図であり、図7はレンズ体2の上面図であり、図8はレンズ体2の底面図である。図6では、レンズ体2の一部断面を示している。図6に示すように、レンズ体2は、基板1に実装された発光ダイオードの実装間隔に合わせて適長離隔した略球面凸状のレンズ200を形成してある。なお、レンズ体2は一体成形してあるが、これに限定されるものではなく、後述する各部を別個の部品として成形し、接着剤などで固定してレンズ体2とする構成でもよい。
【0036】
レンズ200は、凸レンズ部200a、反射部200b、凹部200cなどを備えている。凸レンズ部200aは、レンズ200の中央底部に形成してあり、発光ダイオードから発せられる光のうち、比較的出射角が小さい光を集光する。凹部200cは、凸レンズ部200aを挟んで周設してあり、発光ダイオードから発せられる光のうち、比較的出射角が大きい光をレンズ内に入射させ、反射部200bに導く。また、反射部200bは、レンズ200の略球面の内側に形成され、凹部200cからレンズ200へ入射した光をレンズ200の上面へ反射する。レンズ200の上面には、光を均一に照射するための拡散部206を形成してある。なお、拡散部206は、例えば、微小な凹凸模様とすることができるが、拡散部206を形成しなくてもよい。
【0037】
レンズ200を挟んで両側には、調整部としてのそれぞれ略円柱状の支持部210、220を形成してある。支持部210、220は、レンズ体2を基板1に固定する場合、基板1の表面とレンズ200との離隔寸法を、基板1に実装された発光ダイオードの形状又は大きさ(特に、発光ダイオードの基板面からの高さ寸法)に応じて調整するためのものである。
【0038】
支持部210の端面(上面)の一部には、支持部210と同心円状に円柱状の凸部202を形成してあり、凸部202の先端面の一部には、同心円状に円柱状の位置決め部201を形成してある。位置決め部201は、基板1とレンズ体2とを相互に固定する場合の位置決め用の部材として機能する。また、支持部220、240の先端面の一部には、略矩形状の凸部221、241を形成してある。
【0039】
支持部210、220、240の先端面は、基板1の表面に当接する第1の当接面として機能し、凸部202、略矩形状の凸部221、241の先端面は、基板1の表面に当接する第2の当接面として機能し、両者は段差のある複数の当接面を構成している。なお、図の例では、2つの当接面を有する構成であるが、さらに段差を設けて3つ以上の当接面を備える構成とすることもできる。
【0040】
また、図7に示すように、レンズ体2は、中央付近及び両端部付近にレンズ体2を基板1及び放熱フレーム3に固定するためのねじ孔205を形成してある。
【0041】
図9及び図10はレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図9及び図10はいずれも図6のA印で示す部分を拡大したものである。また、図9(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図10(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図9の場合よりも低い場合の例を示す。また、図9(b)及び図10(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0042】
図9に示すように、支持部210の当接面(第1の当接面)210aの一部に形成された凸部202の当接面(第2の当接面)202a、及び支持部220の当接面(第1の当接面)220aの一部に形成された凸部221の当接面(第2の当接面)221aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210及び凸部202の高さ寸法、支持部220及び凸部221の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0043】
また、位置決め部201は、基板1に設けられた孔101に挿入されることにより、位置決め部201と孔101とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔101の形状は、円形に限定されるものではなく、位置決め部201と嵌合するものであれば、矩形状、三角形、楕円状など種々の形状を取り得る。
【0044】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0045】
図10に示すように、図9の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部210の当接面(第1の当接面)210a、及び支持部220の当接面(第1の当接面)220aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210の高さ寸法、支持部220の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0046】
また、凸部202、221は、それぞれ基板1に設けられた孔102、103に挿入されることにより、凸部202と孔102とは嵌合し、凸部221と孔103とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔102、103の形状は、それぞれ凸部202、221と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0047】
支持部240の先端面に形成した矩形状の凸部241は、支持部220の先端面に形成された矩形状の凸部221と同様に機能する。また、支持部240は、ねじ孔205にねじを挿通してレンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に取り付けるための機能も有する。凸部241の形状は、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を調整するためには、適宜の形状とすることができるが、レンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に取り付けるためには、矩形状としている。以下、凸部241の形状が矩形状である理由について円形の場合と比較して説明する。
【0048】
図11は凸部241の形状を円形にした場合の状態を示す説明図である。図11(a)に示すように、支持部240には、ねじ孔205を形成してあり、ねじ孔205に、ねじ15を挿通し、レンズ体2を基板1に固定するとともに、レンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に固定した状態を示す。ねじ15は頭部15aとねじ部15bとを有する。ねじ15は、例えば、M3のナベ小ねじであり、この場合、頭部15aの径は5.6mm、ねじ部15bの径は3mmである。また、凸部241には、ねじ部15bを挿通させるための孔(例えば、径が3.6mm)を形成してある。また、凸部241の径は、ねじ部15bを挿通するに足るだけの寸法を要するため、例えば、7.6mmとする。
【0049】
上述の一般的な条件の場合、ねじ15を放熱フレーム3に締め付けたとき、凸部241の先端面と放熱フレーム3との間に隙間がないとレンズ体2で基板1を締め付けることができず、基板1と放熱フレーム3との間に隙間が生じ、十分な放熱効果を得ることができない。このため、ねじ15を締め付けた場合には、凸部241の先端面と放熱フレーム3との間には適宜の隙間を設けるようにしてある。しかし、隙間を設けた部分、すなわち、凸部241の径が、ねじ15の頭部15aの径よりも大きいため、ねじ15を締め付けた場合、図11(a)のBで示す部分に締め付けによる応力が集中し、レンズ体2が破損するおそれがある。
【0050】
また、締め付けによる破損を防止するために、図11(b)に示すように、凸部241の径を頭部15aの径(例えば、5.6mm)よりも小さくして、応力の集中を抑制することができたとしても、ねじ15を挿通するための孔の径が、例えば、3.6mmあるので、凸部241の肉厚は、1mm未満となり、凸部241の強度が不十分となる。
【0051】
凸部241の形状を矩形状とすることにより、上述の問題を解決することができる。
【0052】
図12及び図13は凸部241の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。図12は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例に対応し、図13は発光ダイオード160の高さ寸法が低い場合の例に対応する。
【0053】
発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合、図12(a)に示すように、凸部241の先端面が基板1の表面に当接している。図12(b)は、図12(a)の状態において、基板1、放熱フレーム3を省略して、凸部241の先端面側から見た例である。凸部241を矩形状にすることにより、図12(b)に示すように、破線で示す領域Cの部分でねじ15の締め付け力を受け付けることができ、レンズ体2に発生する応力集中を抑制することができる。
【0054】
また、発光ダイオード160の高さ寸法が比較的低い場合、図13(a)に示すように、支持部240の先端面が基板1の表面に当接している。図13(b)は、図13(a)の状態において、基板1、放熱フレーム3を省略して、凸部241の先端面側から見た例である。なお、図13(b)において、凸部241、ねじ部15bを囲む長方形は、凸部241に嵌合すべく基板1に形成された嵌合孔を模式的に示すものである。凸部241を矩形状にすることにより、図13(b)に示すように、破線で示す領域Dの部分でねじ15の締め付け力を受け付けることができ、レンズ体2に発生する応力集中を抑制することができる。また、凸部241の厚みも2mm以上とすることができ十分な強度を確保することができ、強度不足を改善することができる。
【0055】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、図9の場合でも、図10の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0056】
なお、図9及び図10の例では、レンズ体2を基板1に嵌合する場合に、基板1に形成された嵌合用の孔101、102、103などを用いる構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、基板を固定したシャーシ又は筐体などに嵌合用の孔を設けておき、レンズ体2と前記シャーシ又は筐体の表面との取り付け寸法を調整するように構成することもできる。
【0057】
実施の形態2
上述の実施の形態1では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するために2種類の支持部210、220を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、1種類の支持部でもよい。
【0058】
図14は実施の形態2のレンズ体2の要部外観図である。図14(a)はレンズ体2の要部正面を示し、図14(b)はレンズ体2の要部底面を示す。図14に示すように、調整部としての円柱状の支持部230の当接面(第1の当接面)230aの一部に同心円状に円柱状の凸部232を形成してある。また、凸部232の当接面(第2の当接面)232aの一部に位置決め部231を形成してある。凸部232は平面形状が略矩形状である。なお、凸部232、位置決め部231の平面形状は、これに限定されるものではない。なお、図12では、レンズ200の一方に支持部230を形成してあるが、レンズ200を挟んで両側に形成してもよい。支持部230の数、離隔寸法は、基板1の形状、大きさに応じて適宜設定することができる。
【0059】
図15及び図16はレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図15(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図16(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図15の場合よりも低い場合の例を示す。また、図15(b)及び図16(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0060】
図15に示すように、支持部230の当接面(第1の当接面)230aの一部に形成された凸部232の当接面(第2の当接面)232aが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部230及び凸部232の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0061】
また、位置決め部231は、基板1に設けられた孔104に挿入されることにより、位置決め部231と孔104とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔104の形状は、矩形状に限定されるものではなく、位置決め部231と嵌合するものであれば、他の形状であってもよい。
【0062】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0063】
図16に示すように、図15の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部230の当接面(第1の当接面)230aが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部230の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0064】
また、凸部232は、基板1に設けられた孔105に挿入されることにより、凸部232と孔105とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔105の形状は、凸部232と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0065】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、図15の場合でも、図16の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0066】
実施の形態3
上述の実施の形態1では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するために2種類の支持部210、220を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、3種類の支持部を備える構成でもよい。
【0067】
図17及び図18は実施の形態3のレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図17(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図18(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図17の場合よりも低い場合の例を示す。また、図17(b)及び図18(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0068】
調整部としての支持部240の端面(上面)の一部には、支持部240の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部241を形成してある。なお、支持部210、220は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0069】
図17に示すように、支持部210の当接面(第1の当接面)210aの一部に形成された凸部202の当接面(第2の当接面)202a、支持部220の当接面(第1の当接面)220aの一部に形成された凸部221の当接面(第2の当接面)221a及び支持部240の当接面(第1の当接面)240aの一部に形成された凸部241の当接面(第2の当接面)241aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210及び凸部202の高さ寸法、支持部220及び凸部221の高さ寸法及び支持部240及び凸部241の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0070】
また、位置決め部201は、基板1に設けられた孔101に挿入されることにより、位置決め部201と孔101とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔101の形状は、円形に限定されるものではなく、位置決め部201と嵌合するものであれば、矩形状、三角形、楕円状など種々の形状を取り得る。なお、基板1に位置決め用の孔106、107を形成してもよい。この場合、凸部241、221の端面にそれぞれ位置決め用の突起部を設けることができる。
【0071】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法d(図17の例では、略0)を設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0072】
図18に示すように、図17の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部210の当接面(第1の当接面)210a、支持部220の当接面(第1の当接面)220a及び支持部240の当接面(第1の当接面)240aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210、220、240の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0073】
また、凸部202、221、241は、それぞれ基板1に設けられた孔102、103、108に挿入されることにより、凸部202と孔102とは嵌合し、凸部221と孔103とは嵌合し、凸部241と孔108とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔102、103、108の形状は、それぞれ凸部202、221、241と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0074】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法d(図18の例では略0)を設定することができる。これにより、図17の場合でも、図18の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0075】
実施の形態4
上述の実施の形態では、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を2段階調整する構成であったが、これに限定されるものではなく、3段階以上の多段調整を行うこともできる。以下、多段調整の例として離隔寸法を3段階に調整する場合について説明するが、4段階以上も同様に構成することができる。
【0076】
図19は離隔寸法を多段調整する一例を示す模式図である。図19(a)及び図19(b)はレンズ体2に形成した支持部260の正面図及び底面図を示すとともに、図19(c)乃至(e)は発光ダイオードの寸法(高さ)に応じた3種類の基板の要部平面図を示す。
【0077】
調整部としての支持部260の端面(上面)の一部には、支持部260の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部261を形成してある。また、支持部260の端面の一部には、凸部261と直交する形態で支持部260の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部262を形成してある。凸部262の厚み(高さ寸法)は凸部261の厚みより薄い。なお、凸部261の端面の中央部に位置決め用の突起(例えば、円柱状)を設けてもよい。
【0078】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が大きい場合、位置決め用の孔163を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261の当接面261aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も大きくする。
【0079】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が中程度である場合、矩形状の孔161を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261の一部は、孔161と嵌合し、凸部262の当接面262aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を中程度にする。
【0080】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が小さい場合、略十字状の孔162を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261、262は、孔162と嵌合し、支持部260の当接面260aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も小さくする。
【0081】
図20は離隔寸法を多段調整する他の例を示す模式図である。図20(a)及び図20(b)はレンズ体2に形成した支持部270の正面図及び底面図を示すとともに、図20(c)乃至(e)は発光ダイオードの寸法(高さ)に応じた3種類の基板の要部平面図を示す。
【0082】
調整部としての支持部270の端面(上面)には、適長離隔して円柱状の凸部271、271、272、272を形成してある。凸部272の高さは凸部271より低い。なお、支持部270の端面の中央部に位置決め用の突起(例えば、円柱状)を設けてもよい。
【0083】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が大きい場合、位置決め用の孔170を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271の当接面271aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も大きくする。
【0084】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が中程度である場合、孔170、171を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271は、孔171と嵌合し、凸部272の当接面272aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を中程度にする。
【0085】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が小さい場合、孔170、171、172を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271、272は、それぞれ孔171、172と嵌合し、支持部270の当接面270aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も小さくする。
【0086】
実施の形態5
上述の実施の形態では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するためにレンズ体2に支持部を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、基板1側に支持部を設ける構成でもよい。
【0087】
図21は実施の形態5のレンズ200周辺の要部外観図である。図21(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図21(b)は発光ダイオード160の高さ寸法が図21(a)の場合よりも低い場合の例を示す。図21(a)に示すように、基板1の実装面には、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法を適長に設定できるように、調節部材としての支持部110を設けてある。また、支持部110の先端面には、凸部111を設けてあり、凸部111はレンズ体2に形成された孔207に嵌合するようにしてある。
【0088】
図21(b)に示すように、高さ寸法の低い発光ダイオード160が実装された基板1にレンズ体2を固定する場合、基板1の実装面には、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法を適長に設定できるように、支持部110よりも長さの短い調節部材としての支持部120を設けてある。また、支持部120の先端面には、凸部121を設けてあり、凸部121はレンズ体2に形成された孔207に嵌合するようにしてある。凸部111、121の形状を同一にすることにより、共通のレンズ体2を用いることができる。
【0089】
支持部110、120は、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整するための専用の部材でもよく、あるいは、基板1の表面に実装される部品(例えば、抵抗素子、コネクタなど)でもよい。また、支持部110、120を基板1と別個の部材として、基板1とレンズ体2を固定する際に取り付けるようにしてもよい。
【0090】
実施の形態6
上述の実施の形態では、カバー4の凸部43を側板5の切欠部54に嵌合させて、カバー4を放熱フレーム3に取り付ける構造であったが、これに限定されるものではなく、カバー4の凸部43をサイドカバー6で固定するように構成することもできる。
【0091】
図22は実施の形態6のサイドカバー6の外観斜視図である。カバー4を放熱フレーム3に固定する固定部材としてのサイドカバー6は、断面L字状に形成された上板部65と側板部64とを備え、上板部65には、放熱フレーム3に設けられた取り付け穴に嵌合してサイドカバー6を放熱フレーム3に固定するための引掛け部63を垂設してある。また、上板部65には、カバー4の凸部43と嵌合する嵌合部としての嵌合孔62を形成した側板としての縦板部61を垂設してある。
【0092】
これにより、サイドカバー6でカバー4を放熱フレーム3に固定する際にカバー4の凸部43を嵌合孔62に嵌合させることができ、カバー4の取り付け作業が容易になる。
【0093】
以上説明したように、本発明にあっては、簡単な構造でカバー4の位置ずれを防止することができる。また、光源からの光が出射されるレンズの位置に対応させてカバー4の透明部41が形成されているような光源ユニットや照明装置にあっては、位置ずれを防止することで照明装置の品位を高めることができるとともに、透明部41以外の部分(例えば、着色部、不透明部など)で光源から出射された光が遮蔽され、光損失が生ずるという問題を未然に防止することができる。
【0094】
上述の実施の形態において、基板1とレンズ体2との取り付け方向を間違わずに正しい方向・配置で取り付けことができるような位置決め部材を設けることもできる。例えば、図6に示す位置決め部201それぞれの径の寸法を変えることにより、所定の方向・配置のみでしか取り付けられないようにすることができる。
【0095】
上述の実施の形態において、基板1とレンズ体2とを仮止めするためのプッシュリベット(不図示)用の穴を設けてもよい。この場合、放熱フレーム3には、プッシュリベットの先端部を収容するための収容穴又は収容孔を設けることで、基板1を放熱フレーム3に密着させて取り付けることができる。
【0096】
上述の実施の形態では、レンズ体の支持体側に凸部を形成して複数の当接面を設け、基板等の所定面側に凸部を嵌合する孔を設けることにより、所定面とレンズとの取り付け間隔を調整しているが、これと逆でも良い。つまり、基板等の所定面側に凸部を設けて複数の当接面を形成し、レンズ体の支持体側に所定面の凸部を嵌合する孔を設けて、所定面とレンズとの取り付け間隔を調整できるようにしていてもよい。すなわち、凸部及び凸部が嵌合される孔からなる調整部が、それぞれ対応するようにレンズ体と基板等の所定面に設けられていれば、どちらに形成されていてもよい。
【0097】
上述の実施の形態では、光源として発光ダイオードを用いた例について説明したが、光源は発光ダイオードに限定されるものではなく、電球、蛍光管など他の光源であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係る照明装置の分解斜視図である。
【図2】側板の外観斜視図である。
【図3】カバーを側板に取り付け状態の要部拡大図である。
【図4】長手方向から見たカバーの取り付け状態を示す模式図である。
【図5】短手方向から見たカバーの取り付け状態を示す模式図である。
【図6】レンズ体の正面図である。
【図7】レンズ体の上面図である。
【図8】レンズ体の底面図である。
【図9】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図10】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図11】凸部の形状を円形にした場合の状態を示す説明図である。
【図12】凸部の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。
【図13】凸部の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。
【図14】実施の形態2のレンズ体の要部外観図である。
【図15】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図16】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図17】実施の形態3のレンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図18】実施の形態3のレンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図19】離隔寸法を多段調整する一例を示す模式図である。
【図20】離隔寸法を多段調整する他の例を示す模式図である。
【図21】実施の形態5のレンズ周辺の要部外観図である。
【図22】実施の形態6のサイドカバーの外観斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
1 基板
2 レンズ体
3 放熱フレーム
31 溝部
311、312 角部
4 カバー
41 透明部
42 周縁
43 凸部
5 側板
52 立上がり部
53 載置部
54 切欠部
6 サイドカバー
61 縦板部
62 嵌合孔
150、160 発光ダイオード
200 レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光を透過させる透過板を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省電力かつ長寿命という特徴を有する発光ダイオードが照明用の光源として注目され、発光ダイオードを用いた照明装置が様々な分野で広く使用されるようになり、用途に応じた照明装置が開発されている。
【0003】
例えば、筐体内部に設けられたLED光源から出射された光を筐体外部に透過拡散させる拡散板を筐体の上面に取り付けた照明器具本体部と、線状コンセントに接続するための端子を備えた端子部を備え、線状コンセントに複数隙間なく接続することができるLED照明器具が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3136599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のLED照明器具等の従来の照明装置のように、筐体に拡散板を取り付ける構造の場合、取り付け作業の容易性を高めるため、ねじ等で固定するのではなく、単に嵌めこむ構造のものが多い。一方で、筐体に拡散板を取り付けることができないという事態を防止するために取り付け誤差(寸法精度)にある程度の余裕を持たせている。このため、従来の照明装置にあっては、拡散板を筐体に取り付けた状態でも、取り付け誤差(寸法精度)の範囲内で拡散板の位置がずれるという問題があった。特に、場所により拡散度合いが異なる拡散板の場合、LEDと拡散板との位置関係が重要であり、拡散板の位置ずれにより所望の拡散効果が得られないという問題もあった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明装置は、光源と、該光源からの光を透過させる透過板と、該透過板を保持する側板とを備える照明装置において、前記透過板は、前記側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、前記側板は、前記凸部が嵌合する嵌合部を有し、前記凸部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記透過板の位置ずれを防止すべく構成してあることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る照明装置は、前記凸部は、前記透過板を前記嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る照明装置は、前記光源の光を集光するレンズを備え、前記透過板は、前記レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高いことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る照明装置は、前記側板を取り付けるための枠体を備え、前記側板は、前記光源を間にして離隔して複数設けられ、前記透過板の周縁を載置する載置部を有し、前記枠体から離れる方向に沿って前記側板同士の離隔寸法が小さくなるように該側板を傾斜させて前記枠体に取り付けてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る照明装置は、光源を実装した基板と、該基板を取り付けた枠体と、前記透過板を前記枠体に固定するための固定部材とを備え、前記側板を前記固定部材に設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、光源と、光源からの光を透過させる透過板と、透過板を保持する側板とを備える。そして、透過板は、側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、側板は、凸部に嵌合する嵌合部を有する。透過板を取り付ける場合には、各側板の嵌合部に凸部を嵌合させることにより、透過板の位置が側板に沿ってずれることを防止できる。また、透過板は2つの側板で挟まれているので、側板が対向する方向に沿って透過板がずれることも防止できる。これにより、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる。
【0012】
本発明にあっては、凸部は、透過板を嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしている。これにより、透過板を側板に嵌合し易くすることができる。
【0013】
本発明にあっては、光源の光を集光するレンズを備え、透過板は、レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高い。例えば、レンズに対応する部分を透明にしてある。なお、透過板の透明にしてある部分(透明部分)は、光を透過させる機能のみならず、光を拡散する機能を備えるものでもよい。透過板の位置ずれを防止することができるので、透過板の透明部分(透過性が高い部分)を通じて光源から出射された光を透過させることができ、透明部分以外の部分で光が遮蔽されることを防止することができる。また、透明部分に拡散機能を備える場合には、透過板の位置ずれによる拡散効率の低下や所望の拡散効果の低下などの事態を防止することができる。
【0014】
本発明にあっては、側板を取り付けるための枠体を備え、側板は、光源を間にして離隔して複数設けられ、透過板の周縁を載置する載置部を有し、枠体から離れる方向に沿って側板同士の離隔寸法が小さくなるように側板を傾斜させて枠体に取り付けてある。これにより、透過板の周縁は載置部で載置されて保持される。また、透過板は、載置部と傾斜した側板との間で挟持されるとともに、複数の(例えば、2つ)側板で押圧されるので、透過板の位置ずれをさらに防止することができる。
【0015】
本発明にあっては、光源を実装した基板と、基板を取り付けた枠体と、透過板を枠体に固定するための固定部材とを備え、側板を固定部材に設けてある。これにより、固定部材で透過板を枠体に固定する際に透過板の凸部を嵌合部に嵌合させることができ、透過板の取り付け作業が容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構造で拡散板等の透過板の位置ずれを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
実施の形態1
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る照明装置の分解斜視図である。図1において、1は発光ダイオード(不図示)が適長離隔して実装された基板である。図1の例では、矩形状の基板1を長手方向に3枚、短手方向(幅方向)に2枚、合計6枚備えているが、基板1の枚数は、これに限定されるものではない。また、各基板1は絶縁シート(不図示)を介して枠体としてのアルミニウム製の放熱フレーム3に固定されてあるが、絶縁シートはなくてもよい。各基板1は、ハーネス13により電気的に接続されている。
【0018】
各基板1の表面(発光ダイオードが実装されている面)に対向して、基板1と略同寸法のレンズ体2を固定してある。レンズ体2は、例えば、透明のアクリル樹脂製であって、各発光ダイオードの実装位置に対応して略球面凸状の複数のレンズを備えている。各レンズは、発光ダイオードから発せられる光を集光するとともに、集光した光を所定の方向へ照射する。なお、レンズ体2の詳細は後述する。
【0019】
レンズ体2の表面側(基板1と反対側)には、放熱フレーム3の各端部に固定された側板5、5に挟み込まれるようにして、光源の光を透過させる透過板としてのカバー4を固定してあり、さらにカバー4の両端にサイドカバー6、6をはめ込むことにより、光源ユニットを構成している。すなわち、光源ユニットは、放熱フレーム3、発光ダイオードが実装された基板1、レンズ体2、側板5、カバー4などを備えている。
【0020】
カバー4は、レンズ体2の各レンズに対応する部分を透明にした透明部41を有しており、カバー4の裏面側(レンズ体2側)の透明部41を除く他の部分は、所定の色(例えば、白色など)による着色処理がなされている。透明部41は、光を透過させる機能のみならず、光を拡散する機能を備えるものでもよい。なお、透明部41に代えて、レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高くなるようにしてもよい。
【0021】
透明部41には、細かなマイクロレンズを形成することにより、所望の拡散率を得ることができる。例えば、マイクロレンズの寸法を大きくすれは、光の集光性を高めることができ、マイクロレンズの寸法を小さくすれば、拡散性を高めることができる。また、マイクロレンズに代えて、例えば、透明部41に透明の塗料を吹付けることにより、所望の拡散率を得ることができる。例えば、塗料の量を少なくすれば集光性が高くなり、塗料の量を増やせば拡散性を高めることができる。また、透明部41の表面形状や模様を変更することで拡散率を変えることもできる。種々の拡散率のカバー4を予め用意しておき、照明装置の設置場所の条件や照明装置の用途などに応じて所要の拡散率のカバー4を用いることができる。
【0022】
カバー4の側板5に当接する周縁42(短手側の周縁)の一部には所定の幅寸法及び高さ寸法を有する凸部43を設けてある。凸部43は、例えば、平面視が台形状、すなわち、高さ方向に向かって幅寸法が小さくなるようなテーパ状をなしている。なお、凸部43の平面視の形状は、台形状に限定されるものではなく、楕円状、円状などでもよい。また、凸部43を1つの周縁42に複数離隔して設けてもよい。
【0023】
1対の側板5は、放熱フレーム3の短手側の端部付近に離隔して固定されている。離隔して配置された1対の側板5には、カバー4の凸部43が嵌合する嵌合部としての切欠部54を形成してある。基板1とレンズ体2とを位置合わせした上で、基板1及びレンズ体2を放熱フレーム3に取り付ける。1対の側板5は、放熱フレーム3から離れる方向に沿って側板5同士の離隔寸法が小さくなるように側板5を傾斜させて放熱フレーム3に取り付けてある。そして、カバー4の凸部43を切欠部54に嵌合させることにより、カバー4を放熱フレーム3に固定して保持する。
【0024】
また、カバー4の凸部43が切欠部54に嵌合させる方向に沿って幅寸法が細くなるようにテーパ状をなしているので、カバー4を切欠部54の上方からスライドさせて照明装置に取り付ける際に、カバー4の凸部43のテーパ状の部分を利用して滑らかに切欠部54に嵌合させることができ、カバー4を側板5に嵌合し易くすることができる。
【0025】
よって、カバー4は、長手方向の位置ずれが生じないように、一対の側板5により挟持して固定されるとともに、短手方向の位置ずれが生じないように、切欠部54にカバー4の凸部43を嵌合させて固定されることになる。従って、カバー4は、光源(発光ダイオード)及びレンズ体2に対して、長手方向及び短手方向の両方向に対する位置ずれを防止することができる。
【0026】
放熱フレーム3の長手方向に沿った周縁部には、カバー4の長手方向の周縁を嵌め込むための断面形状がコの字状の溝部31を設けてある。
【0027】
放熱フレーム3の裏側(基板1と反対側)には、電源ユニット8を収容した箱状の照明装置筐体7を固定してあり、照明装置筐体7に取り付けられた端子台9には、商用電源からの電源線14を接続してある。端子台9と電源ユニット8の間には、ハーネス10を接続してあり、例えば、AC100V又はAC200Vの電圧を電源ユニット8へ印加するようになっている。電源ユニット8で変換された電圧(例えば、直流電圧)をハーネス11、12により各基板1へ供給している。
【0028】
図2は側板5の外観斜視図である。側板5は金属製であって、放熱フレーム3に固定するための取り付け穴511を設けてある矩形状の固定部51、固定部51から略コの字状に屈曲した立上がり部52、立上がり部52の縁部中央を折り曲げて形成された切欠部54及びカバー4の周縁を載置する載置部53などを備えている。
【0029】
図3はカバー4を側板5に取り付け状態の要部拡大図であり、図4は長手方向から見たカバー4の取り付け状態を示す模式図である。図3に示すように、側板5の切欠部54には、カバー4の凸部43が嵌合される。切欠部54の寸法は、平面視が台形状の凸部43の下辺寸法(幅寸法)より若干長く設定し、側板5の立上がり部52の面でカバー4の長手方向への移動を抑制している。なお、切欠部54の寸法は、平面視が台形状の凸部43の上辺の寸法(幅寸法)と凸部43の下辺寸法(幅寸法)との間の寸法に設定することもできる。これにより凸部43を、台形状の斜辺の中途部で確実に切欠部54に嵌合させることができ、簡単な構造で透過板の側板5に沿った方向の位置ずれを防止することができる。
【0030】
また、図4に示すように、放熱フレーム3に側板5、5を固定した状態で、立上がり部52は、内側に傾斜するように形成してあり(図2の例で角度αが90度以上)、カバー4は、載置部53と傾斜した立上がり部52(側板5)との間で挟持されるとともに、各立上がり部52でカバー4の周縁42を押圧することで、カバー4の取り付け誤差の影響を防止し、がたつきが無く確実に取り付けることができ、カバー4の位置ずれをさらに防止することができる。
【0031】
上述の例では、カバー4にはレンズの位置に対応させて透明部41を形成した構造であったが、照明装置の用途や設置場所によっては、透明部41を設けないカバー4を用いることもできる。透明部41を有するカバー4を用いる場合には、上述のように、カバー4の位置ずれを防止することができるので、カバー4の透明部41から光源の光を透過させることができ、透明部41以外の部分で光が遮蔽されることを防止することができる。また、透明部41に拡散機能を備える場合には、カバー4の位置ずれによる拡散効率の低下や所望の拡散効果の低下などの事態を防止することができる。
【0032】
図5は短手方向から見たカバー4の取り付け状態を示す模式図である。図5に示すように、放熱フレーム3のコの字状の溝部31は、カバー4と当接する角部311、312を湾曲させてある。これにより、カバー4を取り付ける際に、カバー4の周縁を溝部31に摺動させたときに角部311、312でカバー4の表面に傷が付くのを防止することができる。特に、カバー4の裏側には、透明部41を除く部分には所定の色の着色処理が臍粉されており、角部311で塗装が剥がれて透明のスジ状の傷が発生することを防止でき、カバー4の見た目や美観を損なうことを防止できる。
【0033】
なお、図5(a)は、角部311、312の立ち上がり寸法は同一であるが、図5(b)に示すように、角部312の立ち上がり寸法を角部311より長くすることもできる。この場合、仮に角部311でカバー4の裏側の塗料が剥がれても、寸法の長い角部312で塗料が剥がれた部分を外部から隠すことができ、カバー4の見た目や美観を損なうことを防止できる。
【0034】
また、図5の例では、角部311、312の両方を湾曲させる構成であるが、カバー4の表裏一方のみに着色処理が施されている場合には、着色処理が施されている側の角部のみを湾曲させるようにしてもよい。
【0035】
図6はレンズ体2の正面図であり、図7はレンズ体2の上面図であり、図8はレンズ体2の底面図である。図6では、レンズ体2の一部断面を示している。図6に示すように、レンズ体2は、基板1に実装された発光ダイオードの実装間隔に合わせて適長離隔した略球面凸状のレンズ200を形成してある。なお、レンズ体2は一体成形してあるが、これに限定されるものではなく、後述する各部を別個の部品として成形し、接着剤などで固定してレンズ体2とする構成でもよい。
【0036】
レンズ200は、凸レンズ部200a、反射部200b、凹部200cなどを備えている。凸レンズ部200aは、レンズ200の中央底部に形成してあり、発光ダイオードから発せられる光のうち、比較的出射角が小さい光を集光する。凹部200cは、凸レンズ部200aを挟んで周設してあり、発光ダイオードから発せられる光のうち、比較的出射角が大きい光をレンズ内に入射させ、反射部200bに導く。また、反射部200bは、レンズ200の略球面の内側に形成され、凹部200cからレンズ200へ入射した光をレンズ200の上面へ反射する。レンズ200の上面には、光を均一に照射するための拡散部206を形成してある。なお、拡散部206は、例えば、微小な凹凸模様とすることができるが、拡散部206を形成しなくてもよい。
【0037】
レンズ200を挟んで両側には、調整部としてのそれぞれ略円柱状の支持部210、220を形成してある。支持部210、220は、レンズ体2を基板1に固定する場合、基板1の表面とレンズ200との離隔寸法を、基板1に実装された発光ダイオードの形状又は大きさ(特に、発光ダイオードの基板面からの高さ寸法)に応じて調整するためのものである。
【0038】
支持部210の端面(上面)の一部には、支持部210と同心円状に円柱状の凸部202を形成してあり、凸部202の先端面の一部には、同心円状に円柱状の位置決め部201を形成してある。位置決め部201は、基板1とレンズ体2とを相互に固定する場合の位置決め用の部材として機能する。また、支持部220、240の先端面の一部には、略矩形状の凸部221、241を形成してある。
【0039】
支持部210、220、240の先端面は、基板1の表面に当接する第1の当接面として機能し、凸部202、略矩形状の凸部221、241の先端面は、基板1の表面に当接する第2の当接面として機能し、両者は段差のある複数の当接面を構成している。なお、図の例では、2つの当接面を有する構成であるが、さらに段差を設けて3つ以上の当接面を備える構成とすることもできる。
【0040】
また、図7に示すように、レンズ体2は、中央付近及び両端部付近にレンズ体2を基板1及び放熱フレーム3に固定するためのねじ孔205を形成してある。
【0041】
図9及び図10はレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図9及び図10はいずれも図6のA印で示す部分を拡大したものである。また、図9(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図10(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図9の場合よりも低い場合の例を示す。また、図9(b)及び図10(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0042】
図9に示すように、支持部210の当接面(第1の当接面)210aの一部に形成された凸部202の当接面(第2の当接面)202a、及び支持部220の当接面(第1の当接面)220aの一部に形成された凸部221の当接面(第2の当接面)221aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210及び凸部202の高さ寸法、支持部220及び凸部221の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0043】
また、位置決め部201は、基板1に設けられた孔101に挿入されることにより、位置決め部201と孔101とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔101の形状は、円形に限定されるものではなく、位置決め部201と嵌合するものであれば、矩形状、三角形、楕円状など種々の形状を取り得る。
【0044】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0045】
図10に示すように、図9の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部210の当接面(第1の当接面)210a、及び支持部220の当接面(第1の当接面)220aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210の高さ寸法、支持部220の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0046】
また、凸部202、221は、それぞれ基板1に設けられた孔102、103に挿入されることにより、凸部202と孔102とは嵌合し、凸部221と孔103とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔102、103の形状は、それぞれ凸部202、221と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0047】
支持部240の先端面に形成した矩形状の凸部241は、支持部220の先端面に形成された矩形状の凸部221と同様に機能する。また、支持部240は、ねじ孔205にねじを挿通してレンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に取り付けるための機能も有する。凸部241の形状は、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を調整するためには、適宜の形状とすることができるが、レンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に取り付けるためには、矩形状としている。以下、凸部241の形状が矩形状である理由について円形の場合と比較して説明する。
【0048】
図11は凸部241の形状を円形にした場合の状態を示す説明図である。図11(a)に示すように、支持部240には、ねじ孔205を形成してあり、ねじ孔205に、ねじ15を挿通し、レンズ体2を基板1に固定するとともに、レンズ体2及び基板1を放熱フレーム3に固定した状態を示す。ねじ15は頭部15aとねじ部15bとを有する。ねじ15は、例えば、M3のナベ小ねじであり、この場合、頭部15aの径は5.6mm、ねじ部15bの径は3mmである。また、凸部241には、ねじ部15bを挿通させるための孔(例えば、径が3.6mm)を形成してある。また、凸部241の径は、ねじ部15bを挿通するに足るだけの寸法を要するため、例えば、7.6mmとする。
【0049】
上述の一般的な条件の場合、ねじ15を放熱フレーム3に締め付けたとき、凸部241の先端面と放熱フレーム3との間に隙間がないとレンズ体2で基板1を締め付けることができず、基板1と放熱フレーム3との間に隙間が生じ、十分な放熱効果を得ることができない。このため、ねじ15を締め付けた場合には、凸部241の先端面と放熱フレーム3との間には適宜の隙間を設けるようにしてある。しかし、隙間を設けた部分、すなわち、凸部241の径が、ねじ15の頭部15aの径よりも大きいため、ねじ15を締め付けた場合、図11(a)のBで示す部分に締め付けによる応力が集中し、レンズ体2が破損するおそれがある。
【0050】
また、締め付けによる破損を防止するために、図11(b)に示すように、凸部241の径を頭部15aの径(例えば、5.6mm)よりも小さくして、応力の集中を抑制することができたとしても、ねじ15を挿通するための孔の径が、例えば、3.6mmあるので、凸部241の肉厚は、1mm未満となり、凸部241の強度が不十分となる。
【0051】
凸部241の形状を矩形状とすることにより、上述の問題を解決することができる。
【0052】
図12及び図13は凸部241の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。図12は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例に対応し、図13は発光ダイオード160の高さ寸法が低い場合の例に対応する。
【0053】
発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合、図12(a)に示すように、凸部241の先端面が基板1の表面に当接している。図12(b)は、図12(a)の状態において、基板1、放熱フレーム3を省略して、凸部241の先端面側から見た例である。凸部241を矩形状にすることにより、図12(b)に示すように、破線で示す領域Cの部分でねじ15の締め付け力を受け付けることができ、レンズ体2に発生する応力集中を抑制することができる。
【0054】
また、発光ダイオード160の高さ寸法が比較的低い場合、図13(a)に示すように、支持部240の先端面が基板1の表面に当接している。図13(b)は、図13(a)の状態において、基板1、放熱フレーム3を省略して、凸部241の先端面側から見た例である。なお、図13(b)において、凸部241、ねじ部15bを囲む長方形は、凸部241に嵌合すべく基板1に形成された嵌合孔を模式的に示すものである。凸部241を矩形状にすることにより、図13(b)に示すように、破線で示す領域Dの部分でねじ15の締め付け力を受け付けることができ、レンズ体2に発生する応力集中を抑制することができる。また、凸部241の厚みも2mm以上とすることができ十分な強度を確保することができ、強度不足を改善することができる。
【0055】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、図9の場合でも、図10の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0056】
なお、図9及び図10の例では、レンズ体2を基板1に嵌合する場合に、基板1に形成された嵌合用の孔101、102、103などを用いる構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、基板を固定したシャーシ又は筐体などに嵌合用の孔を設けておき、レンズ体2と前記シャーシ又は筐体の表面との取り付け寸法を調整するように構成することもできる。
【0057】
実施の形態2
上述の実施の形態1では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するために2種類の支持部210、220を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、1種類の支持部でもよい。
【0058】
図14は実施の形態2のレンズ体2の要部外観図である。図14(a)はレンズ体2の要部正面を示し、図14(b)はレンズ体2の要部底面を示す。図14に示すように、調整部としての円柱状の支持部230の当接面(第1の当接面)230aの一部に同心円状に円柱状の凸部232を形成してある。また、凸部232の当接面(第2の当接面)232aの一部に位置決め部231を形成してある。凸部232は平面形状が略矩形状である。なお、凸部232、位置決め部231の平面形状は、これに限定されるものではない。なお、図12では、レンズ200の一方に支持部230を形成してあるが、レンズ200を挟んで両側に形成してもよい。支持部230の数、離隔寸法は、基板1の形状、大きさに応じて適宜設定することができる。
【0059】
図15及び図16はレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図15(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図16(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図15の場合よりも低い場合の例を示す。また、図15(b)及び図16(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0060】
図15に示すように、支持部230の当接面(第1の当接面)230aの一部に形成された凸部232の当接面(第2の当接面)232aが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部230及び凸部232の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0061】
また、位置決め部231は、基板1に設けられた孔104に挿入されることにより、位置決め部231と孔104とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔104の形状は、矩形状に限定されるものではなく、位置決め部231と嵌合するものであれば、他の形状であってもよい。
【0062】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0063】
図16に示すように、図15の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部230の当接面(第1の当接面)230aが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部230の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0064】
また、凸部232は、基板1に設けられた孔105に挿入されることにより、凸部232と孔105とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔105の形状は、凸部232と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0065】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法dを設定することができる。これにより、図15の場合でも、図16の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0066】
実施の形態3
上述の実施の形態1では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するために2種類の支持部210、220を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、3種類の支持部を備える構成でもよい。
【0067】
図17及び図18は実施の形態3のレンズ体2を基板1に固定した場合の状態を示す説明図である。図17(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図18(a)は発光ダイオード160の高さ寸法が図17の場合よりも低い場合の例を示す。また、図17(b)及び図18(b)は基板1を上面(発光ダイオード150、160の実装面)から見た例を示す。
【0068】
調整部としての支持部240の端面(上面)の一部には、支持部240の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部241を形成してある。なお、支持部210、220は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0069】
図17に示すように、支持部210の当接面(第1の当接面)210aの一部に形成された凸部202の当接面(第2の当接面)202a、支持部220の当接面(第1の当接面)220aの一部に形成された凸部221の当接面(第2の当接面)221a及び支持部240の当接面(第1の当接面)240aの一部に形成された凸部241の当接面(第2の当接面)241aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210及び凸部202の高さ寸法、支持部220及び凸部221の高さ寸法及び支持部240及び凸部241の高さ寸法により、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整することができる。
【0070】
また、位置決め部201は、基板1に設けられた孔101に挿入されることにより、位置決め部201と孔101とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード150の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔101の形状は、円形に限定されるものではなく、位置決め部201と嵌合するものであれば、矩形状、三角形、楕円状など種々の形状を取り得る。なお、基板1に位置決め用の孔106、107を形成してもよい。この場合、凸部241、221の端面にそれぞれ位置決め用の突起部を設けることができる。
【0071】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法d(図17の例では、略0)を設定することができる。これにより、レンズ200で発光ダイオード150から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0072】
図18に示すように、図17の場合に比べて、高さの低い発光ダイオード160を実装した基板1にレンズ体2を取り付ける場合には、支持部210の当接面(第1の当接面)210a、支持部220の当接面(第1の当接面)220a及び支持部240の当接面(第1の当接面)240aそれぞれが、基板1の表面に当接している。すなわち、支持部210、220、240の高さ寸法により、発光ダイオード160の高さが発光ダイオード150の高さよりも低い分だけ、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔が短くなるように調整することができる。
【0073】
また、凸部202、221、241は、それぞれ基板1に設けられた孔102、103、108に挿入されることにより、凸部202と孔102とは嵌合し、凸部221と孔103とは嵌合し、凸部241と孔108とは嵌合し、レンズ200の先端部が発光ダイオード160の表面に対向するように基板1とレンズ体2との位置決めが行われる。なお、孔102、103、108の形状は、それぞれ凸部202、221、241と嵌合するものであれば、どのような形状であってもよい。
【0074】
基板1とレンズ体2とが取り付けられた状態で、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法d(図18の例では略0)を設定することができる。これにより、図17の場合でも、図18の場合でも、レンズ200の先端部と発光ダイオード150、160の表面との離隔寸法を略等しくすることができ、レンズ200で発光ダイオード160から発せられる光を所望の状態で集光することができる。
【0075】
実施の形態4
上述の実施の形態では、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を2段階調整する構成であったが、これに限定されるものではなく、3段階以上の多段調整を行うこともできる。以下、多段調整の例として離隔寸法を3段階に調整する場合について説明するが、4段階以上も同様に構成することができる。
【0076】
図19は離隔寸法を多段調整する一例を示す模式図である。図19(a)及び図19(b)はレンズ体2に形成した支持部260の正面図及び底面図を示すとともに、図19(c)乃至(e)は発光ダイオードの寸法(高さ)に応じた3種類の基板の要部平面図を示す。
【0077】
調整部としての支持部260の端面(上面)の一部には、支持部260の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部261を形成してある。また、支持部260の端面の一部には、凸部261と直交する形態で支持部260の直径と略同寸法の平面視が矩形状の凸部262を形成してある。凸部262の厚み(高さ寸法)は凸部261の厚みより薄い。なお、凸部261の端面の中央部に位置決め用の突起(例えば、円柱状)を設けてもよい。
【0078】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が大きい場合、位置決め用の孔163を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261の当接面261aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も大きくする。
【0079】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が中程度である場合、矩形状の孔161を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261の一部は、孔161と嵌合し、凸部262の当接面262aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を中程度にする。
【0080】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が小さい場合、略十字状の孔162を形成した基板1を用いる。この場合、凸部261、262は、孔162と嵌合し、支持部260の当接面260aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も小さくする。
【0081】
図20は離隔寸法を多段調整する他の例を示す模式図である。図20(a)及び図20(b)はレンズ体2に形成した支持部270の正面図及び底面図を示すとともに、図20(c)乃至(e)は発光ダイオードの寸法(高さ)に応じた3種類の基板の要部平面図を示す。
【0082】
調整部としての支持部270の端面(上面)には、適長離隔して円柱状の凸部271、271、272、272を形成してある。凸部272の高さは凸部271より低い。なお、支持部270の端面の中央部に位置決め用の突起(例えば、円柱状)を設けてもよい。
【0083】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が大きい場合、位置決め用の孔170を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271の当接面271aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も大きくする。
【0084】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が中程度である場合、孔170、171を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271は、孔171と嵌合し、凸部272の当接面272aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を中程度にする。
【0085】
発光ダイオードの寸法(例えば、高さ)が小さい場合、孔170、171、172を形成した基板1を用いる。この場合、凸部271、272は、それぞれ孔171、172と嵌合し、支持部270の当接面270aが基板1の表面と当接することで、レンズ200の先端部と発光ダイオードの表面との離隔寸法を最も小さくする。
【0086】
実施の形態5
上述の実施の形態では、基板1とレンズ体2との取り付け寸法を調整するためにレンズ体2に支持部を備える構成であったが、これに限定されるものではなく、基板1側に支持部を設ける構成でもよい。
【0087】
図21は実施の形態5のレンズ200周辺の要部外観図である。図21(a)は発光ダイオード150の高さ寸法が比較的高い場合の例を示し、図21(b)は発光ダイオード160の高さ寸法が図21(a)の場合よりも低い場合の例を示す。図21(a)に示すように、基板1の実装面には、レンズ200の先端部と発光ダイオード150の表面との離隔寸法を適長に設定できるように、調節部材としての支持部110を設けてある。また、支持部110の先端面には、凸部111を設けてあり、凸部111はレンズ体2に形成された孔207に嵌合するようにしてある。
【0088】
図21(b)に示すように、高さ寸法の低い発光ダイオード160が実装された基板1にレンズ体2を固定する場合、基板1の実装面には、レンズ200の先端部と発光ダイオード160の表面との離隔寸法を適長に設定できるように、支持部110よりも長さの短い調節部材としての支持部120を設けてある。また、支持部120の先端面には、凸部121を設けてあり、凸部121はレンズ体2に形成された孔207に嵌合するようにしてある。凸部111、121の形状を同一にすることにより、共通のレンズ体2を用いることができる。
【0089】
支持部110、120は、レンズ体2と基板1の表面との取り付け間隔を所要の長さに調整するための専用の部材でもよく、あるいは、基板1の表面に実装される部品(例えば、抵抗素子、コネクタなど)でもよい。また、支持部110、120を基板1と別個の部材として、基板1とレンズ体2を固定する際に取り付けるようにしてもよい。
【0090】
実施の形態6
上述の実施の形態では、カバー4の凸部43を側板5の切欠部54に嵌合させて、カバー4を放熱フレーム3に取り付ける構造であったが、これに限定されるものではなく、カバー4の凸部43をサイドカバー6で固定するように構成することもできる。
【0091】
図22は実施の形態6のサイドカバー6の外観斜視図である。カバー4を放熱フレーム3に固定する固定部材としてのサイドカバー6は、断面L字状に形成された上板部65と側板部64とを備え、上板部65には、放熱フレーム3に設けられた取り付け穴に嵌合してサイドカバー6を放熱フレーム3に固定するための引掛け部63を垂設してある。また、上板部65には、カバー4の凸部43と嵌合する嵌合部としての嵌合孔62を形成した側板としての縦板部61を垂設してある。
【0092】
これにより、サイドカバー6でカバー4を放熱フレーム3に固定する際にカバー4の凸部43を嵌合孔62に嵌合させることができ、カバー4の取り付け作業が容易になる。
【0093】
以上説明したように、本発明にあっては、簡単な構造でカバー4の位置ずれを防止することができる。また、光源からの光が出射されるレンズの位置に対応させてカバー4の透明部41が形成されているような光源ユニットや照明装置にあっては、位置ずれを防止することで照明装置の品位を高めることができるとともに、透明部41以外の部分(例えば、着色部、不透明部など)で光源から出射された光が遮蔽され、光損失が生ずるという問題を未然に防止することができる。
【0094】
上述の実施の形態において、基板1とレンズ体2との取り付け方向を間違わずに正しい方向・配置で取り付けことができるような位置決め部材を設けることもできる。例えば、図6に示す位置決め部201それぞれの径の寸法を変えることにより、所定の方向・配置のみでしか取り付けられないようにすることができる。
【0095】
上述の実施の形態において、基板1とレンズ体2とを仮止めするためのプッシュリベット(不図示)用の穴を設けてもよい。この場合、放熱フレーム3には、プッシュリベットの先端部を収容するための収容穴又は収容孔を設けることで、基板1を放熱フレーム3に密着させて取り付けることができる。
【0096】
上述の実施の形態では、レンズ体の支持体側に凸部を形成して複数の当接面を設け、基板等の所定面側に凸部を嵌合する孔を設けることにより、所定面とレンズとの取り付け間隔を調整しているが、これと逆でも良い。つまり、基板等の所定面側に凸部を設けて複数の当接面を形成し、レンズ体の支持体側に所定面の凸部を嵌合する孔を設けて、所定面とレンズとの取り付け間隔を調整できるようにしていてもよい。すなわち、凸部及び凸部が嵌合される孔からなる調整部が、それぞれ対応するようにレンズ体と基板等の所定面に設けられていれば、どちらに形成されていてもよい。
【0097】
上述の実施の形態では、光源として発光ダイオードを用いた例について説明したが、光源は発光ダイオードに限定されるものではなく、電球、蛍光管など他の光源であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係る照明装置の分解斜視図である。
【図2】側板の外観斜視図である。
【図3】カバーを側板に取り付け状態の要部拡大図である。
【図4】長手方向から見たカバーの取り付け状態を示す模式図である。
【図5】短手方向から見たカバーの取り付け状態を示す模式図である。
【図6】レンズ体の正面図である。
【図7】レンズ体の上面図である。
【図8】レンズ体の底面図である。
【図9】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図10】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図11】凸部の形状を円形にした場合の状態を示す説明図である。
【図12】凸部の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。
【図13】凸部の形状を矩形状にした場合の状態を示す説明図である。
【図14】実施の形態2のレンズ体の要部外観図である。
【図15】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図16】レンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図17】実施の形態3のレンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図18】実施の形態3のレンズ体を基板に固定した場合の状態を示す説明図である。
【図19】離隔寸法を多段調整する一例を示す模式図である。
【図20】離隔寸法を多段調整する他の例を示す模式図である。
【図21】実施の形態5のレンズ周辺の要部外観図である。
【図22】実施の形態6のサイドカバーの外観斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
1 基板
2 レンズ体
3 放熱フレーム
31 溝部
311、312 角部
4 カバー
41 透明部
42 周縁
43 凸部
5 側板
52 立上がり部
53 載置部
54 切欠部
6 サイドカバー
61 縦板部
62 嵌合孔
150、160 発光ダイオード
200 レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源からの光を透過させる透過板と、該透過板を保持する側板とを備える照明装置において、
前記透過板は、
前記側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、
前記側板は、
前記凸部が嵌合する嵌合部を有し、前記凸部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記透過板の位置ずれを防止すべく構成してあることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記凸部は、
前記透過板を前記嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源の光を集光するレンズを備え、
前記透過板は、
前記レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記側板を取り付けるための枠体を備え、
前記側板は、
前記光源を間にして離隔して複数設けられ、
前記透過板の周縁を載置する載置部を有し、
前記枠体から離れる方向に沿って前記側板同士の離隔寸法が小さくなるように該側板を傾斜させて前記枠体に取り付けてあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
光源を実装した基板と、
該基板を取り付けた枠体と、
前記透過板を前記枠体に固定するための固定部材と
を備え、
前記側板を前記固定部材に設けてあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項1】
光源と、該光源からの光を透過させる透過板と、該透過板を保持する側板とを備える照明装置において、
前記透過板は、
前記側板に当接する周縁の一部に凸部を有し、
前記側板は、
前記凸部が嵌合する嵌合部を有し、前記凸部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記透過板の位置ずれを防止すべく構成してあることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記凸部は、
前記透過板を前記嵌合部に嵌合させる方向に沿って細くなるようにテーパ状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源の光を集光するレンズを備え、
前記透過板は、
前記レンズに対応する部分の透過性がその他の部分より高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記側板を取り付けるための枠体を備え、
前記側板は、
前記光源を間にして離隔して複数設けられ、
前記透過板の周縁を載置する載置部を有し、
前記枠体から離れる方向に沿って前記側板同士の離隔寸法が小さくなるように該側板を傾斜させて前記枠体に取り付けてあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
光源を実装した基板と、
該基板を取り付けた枠体と、
前記透過板を前記枠体に固定するための固定部材と
を備え、
前記側板を前記固定部材に設けてあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−102955(P2010−102955A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273353(P2008−273353)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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