説明

照明装置

【課題】
本発明は、半導体発光素子が設けられた複数の発光部を有し、発光部間で明暗の点灯制御を繰り返し行っても、発光部に対する視認性の向上を容易に実現できる照明装置を提供する。
【解決手段】
複数の応答性に優れた発光ダイオード2を光源として設けた各発光部1aおよび1bをある光出力で点灯させる第一発光状態と、各発光部1aおよび1bが完全に消灯するのではなく、第一発光状態で点灯している各発光部1aおよび1bよりも小さな光出力で常に点灯させる第二発光状態を、各発光部1aおよび1b間において、繰り返し点灯させる制御により、各発光部1aおよび1bが交互に点灯している状態を外部から容易に認識でき、各発光部1aおよび1bに対する視認性を容易に向上できる照明装置100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の半導体発光素子が設けられた複数の発光部を有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の発光部を有する照明装置として、例えば、滑走路警戒灯がある。この滑走路警戒灯は、空港において誘導路と滑走路との交差点近傍に設置されているもので、パイロットに滑走路の入口を認識させるためのものであり、2つの発光部が交互に点滅することにより視認性を高めている。そして、従来、滑走路警戒灯の光源として白熱電球が用いられてきた。白熱電球は入力信号に対して発光の応答性に優れないため、2つの発光部が交互に点滅するように制御しても、一方の発光部が点灯すると略同時に他方の発光部が消灯するような点滅の繰り返しではなく、両発光部は光出力差を有するように点滅していた。このことから、滑走路警戒灯が2つの発光部を有していることを認識しやすくなり、その結果として滑走路警戒灯の視認性を高めていた。
【0003】
一方、省電力・長寿命で優れた応答性を有する発光ダイオードを光源に用いた滑走路警戒灯が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
この特許文献1の滑走路警戒灯は、複数の発光ダイオードを基板に設けた発光部と、発光部を交互に点滅させるように制御する点灯制御手段と、発光部・発光ダイオード制御板および点灯制御手段を収容する照明器具本体と、空港における滑走路と誘導路との交差点近傍に設置される照明器具本体支持装置により構成されている。
【0005】
また、白熱電球を発光ダイオードに置換した照明装置および照明システムとして、電球に対する調光信号に基づいて光源である発光ダイオードの調光制御を適正に行うものが知られている。(例えば、特許文献2参照)
【0006】
この特許文献2の照明装置は、白熱電球を制御するための調光信号により、発光ダイオードの光出力が白熱電球の光出力に近似するように発光ダイオードを調光点灯することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−294007号公報(第4項、第1図)
【特許文献2】特開2005−129512号公報(第9項、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、例えば、特許文献1の滑走路警戒灯に、従来の白熱電球を光源として用いた滑走路警戒灯と同様の入力信号による点滅制御を行うと、発光ダイオードは入力信号に対する点灯時の立上がりおよび消灯時の立下がりの応答性に優れるため、一方の発光部が点灯から消灯する際に、他方の発光部が消灯から点灯に瞬時に切り替わり、発光ダイオードを光源に用いた滑走路警戒灯を遠方から視認した場合には、1つの発光部が点灯し続けているように見え、滑走路警戒灯が2つの発光部を有していることおよびこれらが交互に点滅していることの認識が困難となる虞がある。
【0009】
また、上記課題を解決する方法として、特許文献2に記載のような制御を行うことも考えられるが、特許文献2の技術を用いると、調光信号に基づいて発光部の調光を制御する発光制御回路が必要となり、装置およびシステムが複雑となる虞がある。
【0010】
本発明は、半導体発光素子が設けられた複数の発光部間で明暗の点灯制御を繰り返し行っても、発光部に対する視認性の向上を容易に実現できる照明装置の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の照明装置は、複数の半導体発光素子が設けられた複数の発光部と;発光部を所定の光出力で点灯させる第一発光状態と、発光部を第一発光状態より小さな光出力で点灯させる第二発光状態を有し、第一発光状態と第二発光状態とが複数の発光部間で繰り返されるように制御する点灯制御手段と;を具備していることを特徴とする。
【0012】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0013】
半導体発光素子は、例えば、発光ダイオードを用いることもできるが、エレクトロルミネッセンスであってもよい。
【0014】
発光部は、複数の半導体発光素子が同心円上に配列されてもよいし、他の配列であってもよい。
【0015】
点灯制御手段は、発振装置およびフリップフロップ回路を介して行われてもよいが、他の装置および回路を介して行われてもよい。
【0016】
本発明における、「第一発光状態より小さな光出力で点灯させる第二発光状態」とは、第二発光状態における発光部全体の平均輝度が第一発光状態における発光部全体の平均輝度よりも小さくなっていることを示すものであるが、このような関係を満たす状態であれば、各発光状態における複数の半導体発光素子の点灯状態は特に限定しない。
【0017】
本発明において、発光部における第一発光状態と第二発光状態の明暗差の好適範囲は、第一発光状態の光出力に対して、第二発光状態の光出力が1/10から1/20である。第一発光状態の光出力に対して第二発光状態の光出力が1/10より大きくなると、各発光状態間の光出力差が小さくなり明暗差を視認しにくくなってしまう。また、第一発光状態に対して、第二発光状態の光出力が1/20より小さくなると、第二発光状態における発光部の点灯を視認しにくくなり、1つの発光部が点灯し続けているように見え、本発明の照明装置が複数の発光部を有していることを認識することが困難となる虞があるため好適ではない。よって、第一発光状態の光出力に対する第二発光状態の光出力の範囲は、1/10から1/20で設定することが好適である。
【0018】
請求項1記載の発明によれば、まず、複数の発光部のうち一部の発光部を第一発光状態で点灯させる。その後、又は第一発光状態で点灯させたと略同時に、複数の発光部のうちの第一発光状態で点灯させた発光部以外の発光部を第二発光状態で点灯させる。以後は、第一発光状態と第二発光状態とが複数の発光部間で略同時に発生しかつ交互に繰り返されるように点灯制御を行う。そして、このとき、第二発光状態では発光部が完全に消灯するのではなく、第一発光状態で点灯している発光部よりも輝度が低くなるように常に点灯させる状態で制御することにより、発光部において明暗差を有して各発光状態が繰り返されることになる。
【0019】
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、第一および第二発光状態それぞれにおいて各発光部に設けられた複数の半導体発光素子同士の光出力が同一となるように点灯させることを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、各発光状態毎に設定された半導体発光素子への電流供給量を各発光状態に応じて切り換えるものである。すなわち、複数の発光部毎に電流供給量を可変させることで、第一発光状態と第二発光状態とを容易に形成することができる。なお、本発明における「同一」とは、半導体発光素子や他の回路要素におけるばらつきも含む概念である。
【0021】
請求項3記載の照明装置は、請求項1又は2記載の照明装置において、第二発光状態において、発光部に設けられた複数の半導体発光素子の一部を消灯させるように制御することを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、各発光状態毎に消灯する半導体発光素子が予め又は適宜設定されているのであり、各発光状態において発光部間で点灯する半導体発光素子の光出力が異なるように点灯するものである。このように制御することで、第一発光状態と第二発光状態とを容易に形成することができる。
【0023】
また、本発明において、各発光状態における半導体発光素子への電流供給量は一定にしてもよいが、第一発光状態と第二発光状態とで半導体発光素子への電流供給量を可変させてもよい。この場合、好適であるのは、第二発光状態の方が第一発光状態の電流供給量よりも小さい場合である。この理由は、本発明においては、複数の発光部間で消灯しない範囲で明暗差を生じ、複数の発光部間で点滅している状態が視認により認識することができればよいものであるが、この目的を達成することができる範囲において、第二発光状態で点灯する半導体発光素子を少なくし、かつ、電流供給量を小さくすることが可能となる。このような照明装置は、昼夜に関わらず長い時間の点灯制御を実施する態様において有効である。
【0024】
請求項4記載の照明装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の照明装置において、第一発光状態の光出力の大きさに応じて、第二発光状態の光出力の大きさを制御することを特徴とする。
【0025】
本発明で、「第一発光状態の光出力の大きさに応じて、第二発光状態の光出力の大きさを制御する」とは、例えば、第一発光状態の光出力を変化させた際に、本発明の照明装置が複数の発光部を有していることを認識できるように、第二発光状態で点灯する半導体発光素子を第一発光状態に追従するように制御し、または、半導体発光素子への電流供給量を第一発光状態に追従するように制御し、光出力が好適範囲となるように発光部を制御することである。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、第一発光状態における光出力が低下し、各発光状態において個々の半導体発光素子に供給される電流量の差、または、各発光状態において発光部全体に供給される電流量の差が減少した場合でも、第二発光状態の光出力の大きさを可変することで、第一発光状態と第二発光状態の光出力差を維持することができる。このような照明装置は、屋外に設置され、天候等によって第一発光状態における発光部の光出力が制御される態様において特に有効である。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明によれば、応答性に優れた半導体発光素子を光源として用いて複数の発光部間で点滅を繰り返す制御をしたとしても、第二発光状態では発光部が完全に消灯するのではなく、第一発光状態で点灯している発光部よりも輝度が低くなるように常に点灯させる状態で制御することにより、各発光部が交互に点灯している状態を外部から容易に認識できる照明装置を提供できる。
【0028】
請求項2又は3記載の発明によれば、請求項1記載の照明装置が有する効果に加えて、第一発光状態と第二発光状態における発光部に設けられた複数の半導体発光素子への電流供給量をそれぞれ同一にしたことにより、点灯制御手段に複雑な構成を用いなくとも本発明の照明装置を実現することができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3記載の照明装置が有する効果に加えて、第一発光状態の光出力に応じて、適宜、第二発光状態の光出力の大きさを可変することができるので、電力の消費を抑制した照明装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す滑走路警戒灯の正面図
【図2】同じく各発光部への入力信号および光出力の変化状態を示した説明図
【図3】同じく発光部の第一発光状態および第二発光状態を示す一部拡大正面図
【図4】同じく図1の点灯制御手段である点灯制御回路の回路構成例を示す回路図
【図5】第二の実施形態における発光部の第一発光状態および第二発光状態を示す一部正面拡大図
【図6】同じく図1の点灯制御手段である点灯制御回路の回路構成例を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の照明装置の実施形態である滑走路警戒灯について図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本発明の第一の実施形態を示す滑走路警戒灯の正面図、図2は同じく各発光部1aおよび1bへの入力信号(1a_in、1b_in)および光出力(1a_out、1b_out)の変化状態を示した説明図、図3は同じく各発光部1aおよび1bの第一発光状態(3A)および第二発光状態(3B)を示す一部拡大正面図、図4は同じく図1の点灯制御手段である点灯制御回路の回路構成例を示す回路図である。
【0033】
図1において、照明装置の一例である滑走路警戒灯100は、各発光部1aおよび1b、この各発光部1aおよび1bの前方側に配設される半導体発光素子である発光ダイオード2、各発光部1aおよび1bと発光ダイオード2を収容する照明器具本体3および照明器具本体3を上部に支持し、地面に固定する照明器具本体支持装置4を有して構成されている。
【0034】
各発光部1aおよび1bは、図1に示すように、複数の発光ダイオード2がほぼ円形状の領域内に同数配設されている。
【0035】
発光ダイオード2は、電源コード(図示しない)および後述する点灯制御手段である点灯制御回路200又は電源コードを介して給電されると点灯し、可視光を放射する。
【0036】
発光ダイオード2は、1個または複数個ずつ透明性の合成樹脂レンズの中に埋設してあるものの他に、基板(図示しない)と一体に複数の発光ダイオード2を透明性の合成樹脂で成形したものでもよい。
【0037】
また、合成樹脂レンズ内に埋設するにあたり、発光ダイオード2を微小反射体と組み合わせたものを使用してもよい。さらにまた、発光ダイオード2には狭角配光形と広角配光形があり、所望の配光が出るように組み合わせて使用してもよい。
【0038】
照明器具本体3は、発光ダイオード2が複数配設された各発光部1aおよび1b、および点灯制御回路200を収容するものである。
【0039】
照明器具本体3は、例えばアルミニウム(Al)からなり、前方側に発光ダイオード2を複数個配設することにより2つの発光部1aおよび発光部1bを形成し、背面側に放熱フィン(図示しない)が形成されている。放熱フィンは、発光ダイオードから2からの熱を外部に放熱する。
【0040】
照明器具本体支持装置4は、照明器具本体2を固定するものであり、例えば、支柱、台座部として空港における滑走路と誘導路との交差点近傍に設置されるものである。
【0041】
照明器具本体支持装置4は、例えばアルミニウム(Al)からなり略円筒状に形成され、照明器具本体3の下面側に設けられた取付金具(図示しない)にボルト(図示しない)により取り付けられている。照明器具本体支持装置4の内部には、外部から電源コードが導入され、この電源コードは発光ダイオード2又は点灯制御回路200に電気的に接続されている。
【0042】
次に、各発光部1aおよび1b間における第一発光状態と第二発光状態の繰り返しの変化状態を図2および図3を参照して説明する。
【0043】
図2は本発明の第一の実施形態における発光部1への入力信号および光出力を示したものである。図2において1a_inおよび1b_inは、それぞれ発光部1aおよび発光部1bに対する入力信号と時間の関係を示したものである。図2中の1a_inおよび1b_inにおいて、縦軸は発光部1aおよび発光部1bへの入力信号強度、横軸は時間を表す。また、図2中の1a_outおよび1b_outは、それぞれ発光部1aおよび発光部1bに対する光出力と時間の関係を示したものである。図2の1a_outおよび1b_outにおいて、縦軸は発光部1aおよび発光部1bの光出力、横軸は時間を表す。図2中の1a_in、1b_in、1a_outおよび1b_outにおいて、横軸である時間軸は、ある時刻を共通の原点とした経過時間を同一の尺度で示している。
【0044】
図2の1a_inおよび1b_inにおいて、入力信号強度が他部より大きい部分が第一発光状態である。また同図において、入力信号強度として第一発光状態より小さな電流を印加している部分が第二発光状態である。その結果、1a_outおよび1b_outにおいて、第二発光状態は第一発光状態より小さな光出力で点灯している。また同図において、2つの発光部1aおよび発光部1bは、発光部1aが第一発光状態のとき、発光部1bが第二発光状態となり、また逆に発光部1bが第一発光状態のとき、発光部1aが第二発光状態となるように点灯を繰り返している。
【0045】
図3に発光部1aと照明器具本体3の一部を示す。図3Aが第一発光状態を示すものであり、発光部1aに設けられた全ての発光ダイオード2が同一の光出力で点灯する様子を示している。また、図3Bが第二発光状態を示すものであり、発光部1aに設けられた全ての発光ダイオード2が一様に第一発光状態より小さな光出力で点灯する様子を示している。
【0046】
図3Aに示された第一発光状態により発光部1aが点灯するとき、図示はしないが他方の発光部1bは第二発光状態により点灯する。また逆に、図3Bに示された第二発光状態により発光部1aが点灯するとき、図示はしないが他方の発光部1bは第一発光状態により点灯する。発光部1aおよび発光部1bは、この2つの点灯状態を交互に繰り返す。
【0047】
次に、本実施形態の点灯制御回路200について図を参照して説明する。図4は、点灯制御回路200を示す回路図である。図4において、電源7は発光部回路41aおよび発光部回路41bに並列に接続され、補助電源8も同様にこれらに並列に接続されている。発振回路5およびフリップフロップ回路6は、補助電源8から給電される。発光部回路41aおよび発光部回路41bにおいて、発光ダイオード2は直列に接続され、発光ダイオード群52aおよび発光ダイオード群52bをそれぞれ形成する。各発光部内の発光ダイオード群52aおよび52bに対して、点灯電流制限用抵抗53aおよび点灯電流制限用抵抗53bが、各発光ダイオード群52aおよび52bのアノード側にそれぞれ直列接続される。また、各発光部内の発光ダイオード群52aおよび52bに対して、トランジスタ51aおよびトランジスタ51bが各発光ダイオード群52aおよび52bのカソード側にそれぞれ直列に接続されている。第二発光状態用抵抗54aおよび第二発光状態用抵抗54bがそれぞれトランジスタ51aおよびトランジスタ51bに並列接続される。
【0048】
各発光部1aおよび1bにおける第一発光状態と第二発光状態の繰り返しは発振回路5およびフリップフロップ回路6を介して行われる。発振回路5およびフリップフロップ回路6による入力信号がスイッチ素子であるトランジスタ51aおよびトランジスタ51bを駆動し、第一発光状態と第二発光状態を各発光部1aおよび1bに与える。例えば、第一発光状態と第二発光状態はそれぞれ約1秒強で繰り返される周期となっている。
【0049】
発光部1aに設けられた発光ダイオード群52aおよび発光部1bに設けられた発光ダイオード群52bは、点灯電流制限用抵抗53aおよび点灯電流制限用抵抗53bを介してそれぞれ点灯付勢される。さらに、第二発光状態において各発光部1aおよび1bを、第一発光状態より小さな光出力で点灯させるために、発光ダイオード群52aおよび発光ダイオード群52bにそれぞれ第二発光状態用抵抗54aおよび第二発光状態用抵抗54bを並列接続させている。
【0050】
本実施形態によれば、発光部回路41aおよび発光部回路41bにそれぞれ設けられたトランジスタ51aおよびトランジスタ51bは、発振回路5による入力信号をフリップフロップ回路6を通して受け取る。このとき、フリップフロップ回路6は、各発光部回路41aおよび41bの第二発光状態用抵抗54に電流が流れるように接続する第二発光状態と、各発光部回路41aおよび41bの第二発光状態用抵抗54に電流が流れないように接続する第一発光状態を、各トランジスタ51aおよび51bを制御することにより発光部1aおよび発光部1bに交互に形成させる。
【0051】
そして、本実施形態によれば、第二発光状態では発光部が完全に消灯するのではなく、第一発光状態で点灯している発光部よりも輝度が低くなるように常に点灯させる状態で制御し、発光部1aおよび発光部1bを、同一のフリップフロップ回路6および発振回路5に接続し、発振回路5の発振周期を変化させることで、各発光部が交互に点灯している状態を維持する周期を変更することができる。
【0052】
よって、発振回路5の周期を変えるだけで各発光状態における点灯時間を変更することもでき、かつ、外部から容易に認識でき視認性を向上させることを複雑な制御手段を用いなくとも容易に実現できる照明装置を提供することができる。
【0053】
次に、本発明の第二の実施形態について図を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0054】
図2は本発明の第二の実施形態を示す各発光部1aおよび1bへの入力信号および光出力を示した説明図、図5は同じく各発光部1aおよび1bの第一発光状態(5A)および第二発光状態(5B)、図6は同じく図5の点灯制御手段である点灯制御回路の回路構成例を示す回路図である。
【0055】
本発明の発光部1aおよび発光部1b間における第一発光状態と第二発光状態の繰り返しの第二の実施形態を図2および図5を参照して説明する。
【0056】
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様に図2に示したように、2つの発光部1aおよび1bは、発光部1aが第一発光状態のとき発光部1bが第二発光状態となり、また逆に発光部1bが第一発光状態のとき発光部1aが第二発光状態となるように点灯を繰り返す。なお、第二の実施形態においては、第一の実施形態より第一発光状態と第二発光状態の光出力差が大きくなるように点灯制御する。
【0057】
図5に発光部1aと照明器具本体3の一部を示す。図5Aが、第一発光状態を示すものであり、発光部1aに設けられた全ての発光ダイオード2が同一の光出力で点灯する様子を示している。また、図5Bが、第二発光状態を示すものであり、発光部1aに設けられた発光ダイオード2の中央部の一部のみが一様に第一発光状態より小さな光出力で点灯する様子を示している。発光部1aにおいて、点灯している発光ダイオード2の周囲に配設された発光ダイオード2は消灯している。
【0058】
図5の図5Aに示された第一発光状態により発光部1aが点灯するとき、図示はしないが他方の発光部1bは第二発光状態により点灯する。また逆に、図5Bに示された第二発光状態により発光部1aが点灯するとき、図示はしないが他方の発光部1bは第一発光状態により点灯する。発光部1aおよび発光部1bは、この2つの点灯状態を交互に繰り返す。
【0059】
次に、本実施形態の点灯制御回路200について図を参照して説明する。図6は、点灯制御回路200を示す回路図である。図6において、電源7は発光部回路61aおよび発光部回路61bに並列に接続され、補助電源8も同様にこれらに並列に接続されている。発振回路5およびフリップフロップ回路6は、補助電源8から給電される。発光部回路61aおよび発光部回路61bにおいて、発光ダイオード2は直列に接続され、中央部発光ダイオード群62a、中央部発光ダイオード群62b、他部発光ダイオード群72aおよび他部発光ダイオード群72bをそれぞれ形成する。各発光部内の発光ダイオード群62a、62b、72aおよび72bに対して、各点灯電流制限用抵抗63a、63b、73aおよび73bが、各発光部内の発光ダイオード群62a、62b、72aおよび72bのアノード側にそれぞれ直列接続される。また、各発光部内の発光ダイオード群62a、62b、72a、72bに対して、トランジスタ61a、トランジスタ61b、トランジスタ71aおよびトランジスタ71bが各発光ダイオード群62a、62b、72a、72bのカソード側にそれぞれ直列に接続されている。また、第二発光状態用抵抗64aおよび第二発光状態用抵抗64bがそれぞれトランジスタ61aおよびトランジスタ61bに並列接続される。
【0060】
各発光部1aおよび1bにおける第一発光状態と第二発光状態の繰り返しは発振回路5およびフリップフロップ回路6を介して行われる。発振回路5およびフリップフロップ回路6による入力信号がスイッチ素子である各トランジスタ61a、61b、71aおよび71bを駆動し、第一発光状態と第二発光状態を各発光部1aおよび1bに与える。例えば、第一発光状態と第二発光状態はそれぞれ約1秒強で繰り返される周期となっている。
【0061】
発光部1aおよび発光部1bに設けられた発光ダイオード2は、各中央部発光ダイオード群62aおよび62bと各他部発光ダイオード群72aおよび72bにそれぞれ分割される。中央部発光ダイオード群62a・中央部発光ダイオード群62b・他部発光ダイオード群72aおよび他部発光ダイオード群72bは、各点灯電流制限用抵抗63a、63b、73aおよび73bを介してそれぞれ点灯付勢される。さらに、第二発光状態において各発光部1aおよび1bを、第一発光状態より小さな光出力で点灯させるために、中央部発光ダイオード群62aおよび中央部発光ダイオード群62bにそれぞれ第二発光状態用抵抗64aおよび第二発光状態用抵抗64bを並列接続させている。
【0062】
本実施形態によれば、各発光部1aおよび1bに設けられた発光ダイオード2を各中央部発光ダイオード群62aおよび62bと各他部発光ダイオード群72aおよび72bの2つに分割することにより、第二発光状態において各発光部1aおよび1bの中央部分に設けられた発光ダイオード2のみを点灯させることが可能になる。仮に第一の実施形態と本実施形態において各発光部1aおよび1bに設けられた発光ダイオード2の個数が同じであれば、第一の実施形態における点灯制御回路200(図5)と比較して、本実施形態を実現するために追加が必要な構成要素は、点灯電流制限用抵抗63a、点灯電流制限用抵抗63b、第二発光状態用抵抗64aおよび第二発光状態用抵抗64bのみである。
【0063】
各発光部1aおよび1bに設けられた発光ダイオード2を分割して制御することにより、第一発光状態における光出力を減少させた場合でも、第二発光状態において一部の発光ダイオード2を消灯させることにより、第一発光状態と第二発光状態において光出力差を大きくした点灯制御が可能になり、より高い視認性を維持し、かつ、電力の消費を抑制することが可能な照明装置を提供できる。
【0064】
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。なお、第一および第二の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。図を参照した詳細な説明はしないが、第一発光状態の光出力の大きさに応じて、第二発光状態の光出力を制御するためには、点灯制御回路200に第一発光状態の光出力の大きさを検出し、その検出信号により第二発光状態の光出力を制御する構成を設ければよい。
【0065】
点灯制御回路200におけるこのような構成により、第一発光状態の光出力の大きさに応じて、第二発光状態で点灯する発光ダイオード2を減少させる、または、発光ダイオード2に供給する電流量を減少させる、または、この両方の制御により第二発光状態における光出力の大きさを制御することが可能になる。よって、第一発光状態の光出力を低下させた場合でも、第一発光状態と第二発光状態の光出力差を維持することができる。
【0066】
点灯制御回路200に第一発光状態の光出力の大きさを検出する構成を設けたことにより、第一発光状態と第二発光状態の光出力差を確保し、視認性の向上と電力消費の抑制を両立した照明装置が可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1…発光部
2…発光ダイオード
100…照明装置である滑走路警戒灯
200…点灯制御手段である点灯制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体発光素子が設けられた複数の発光部と;
複数の半導体発光素子が設けられた発光部をある光出力で点灯させる第一発光状態と、複数の半導体発光素子が設けられた発光部を第一発光状態より小さな光出力で点灯させる第二発光状態を有し、第一発光状態と第二発光状態とが複数の発光部間で繰り返されるように制御する点灯制御手段と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
点灯制御手段は、第一発光状態および第二発光状態において、各発光部に設けられた複数の半導体発光素子が同一の光出力となるように点灯させることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
点灯制御手段は、第二発光状態において、発光部に設けられた複数の半導体発光素子の一部を消灯させるように制御することを特徴とする請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
点灯制御手段は、第一発光状態の光出力の大きさに応じて、第二発光状態の光出力の大きさを制御することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−134569(P2011−134569A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292644(P2009−292644)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】