説明

熱活性ユニットを備えた遠心力基盤の微細流動装置、これを備える微細流動システム及び前記微細流動システムの駆動方法

【課題】熱活性ユニットを備えた遠心力基盤の微細流動装置、これを備える微細流動システム及び前記微細流動システムの駆動方法を提供する。
【解決手段】回転体21と、微細流動構造物22と、を備える微細流動装置20であって、微細流動構造物22は、回転体21に配置され、回転体21の中心からの距離が互いに異なる二つ以上の基礎ユニットを備え、温度変化を起こさせるための少なくとも一つの熱活性ユニット23を備え、熱活性ユニット23の内部には、外部から照射される電磁波を吸収して周囲に熱エネルギーを放出する発熱粒子Mを備える。また、本発明の微細流動装置20と共に回転駆動部40と、外部エネルギー源30と、外部エネルギー源調整手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体(例えば、ディスク形態の回転体)に設けられた微細流動構造物内で遠心力を利用して流体サンプルを移動させ、少量のサンプルで生化学的試験を行える装置及び方法に係り、さらに詳細には、微細流動構造物中に放射熱によって作動されるユニットを備えた遠心力基盤の微細流動装置、及びこれと共に位置制御が可能な外部エネルギー源を備える微細流動システム、そして前記微細流動システムを駆動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、微細流動装置を構成する微細流動構造物には、少量の流体を収容するチャンバーや、流体が流れるチャンネル(通路)や、流体の流れを調節できる弁や、そして流体を受けて所定の機能を行ういろいろな機能性ユニットなどが含まれうる。小型のチップ上で生化学的反応を含む試験を行えるように、チップ形態の基板にこのような微細流動構造物を配置したものをバイオチップといい、特に、数段階の処理及び操作を一つのチップで行えるように製作された装置をラボオンチップ(lab−on−a chip)という。
【0003】
微細流動構造物内で流体を移送するためには、駆動圧力が必要であるが、駆動圧力として毛細管圧が利用されるか、または別途のポンプによる圧力が利用されることもある。最近では、コンパクトディスク形態の回転板に微細流動構造物を配置して、遠心力を利用する微細流動装置が提案されている。これをラボオンCD(lab−on−a CD)ともいう。しかし、この場合は、フレームに固定されずに動く回転体の特性上、その中で流体の流れを制御したり、ユニットの温度を制御したりする等の操作が容易でない。
【0004】
コンパクトディスク形態の微細流動装置でサンプル流体の流れを制御できる弁を提供するために、いろいろな試みが行われている。特許文献1には、ディスクの回転数によって流体の流れを制御する毛細管弁が開示されており、特許文献2には、内壁が疏水性を帯びた毛細管構造物を利用して、やはりディスクの回転数によって流体の流れを制御する疏水性ブレークが開示されている。しかし、これらは、ディスク全体に影響を及ぼす回転数を利用するので、複雑な構造の微細流動構造物で複数の弁を個別的に制御することが困難である。すなわち、微細流動構造物を配置するに当たって、弁の位置及び数に多くの制約がある。また、サンプルの表面張力に応じて作動回転数を変える必要があるので、いろいろな種類のサンプルを同時に処理し難い。
【0005】
コンパクトディスク形態の微細流動装置にワックス弁を採用した構成が、特許文献3に開示されている。前記文献に開示された装置は、ワックス弁の加熱のために“Screen−printed Heater”を利用するが、前記Screen−printed Heaterとそれによるリード線とがディスク上で多くの面積を占めるので、一つのディスク上に複数の弁を配置するのに困難さがある。また、熱効率が低いため、ワックス弁の溶融に多くの時間がかかる。
【特許文献1】米国特許第6,143,248号明細書
【特許文献2】米国特許第6,919,058号明細書
【特許文献3】米国特許第6,063,589号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、複数の熱活性ユニットを備え、これらを個別的に速かに制御し、遠心力基盤の微細流動装置及びこれを備える微細流動システムを提供するところにその目的がある。また、本発明は、前記のような微細流動システムの効果的な駆動方法を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による遠心力基盤の微細流動装置は、回転体と、微細流動構造物と、を備え、前記微細流動構造物は、前記回転体に配置され、前記回転体の中心からの距離が互いに異なる二つ以上の基礎ユニットを備え、前記回転体の遠心力によって前記基礎ユニットに連結しているチャンネルに沿って流体サンプルを移動させ、温度変化を起こさせるための少なくとも一つの熱活性ユニットを備え、前記熱活性ユニットの内部には、外部から照射される電磁波を吸収して周囲に熱エネルギーを放出する発熱粒子を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記熱活性化ユニットは、微細流動構造物に採用されうるいろいろな基礎ユニットのうち、熱によって活性化されて機能を行えるユニットであれば、いずれも使用できる。例えば、前記熱活性化ユニットは、常温で固体状態である相転移物質の分散媒に前記発熱粒子が分散された弁物質を含み、前記弁物質が熱によって溶融され、前記弁物質が移動することによって、前記チャンネルを開閉する弁ユニットであってもよく、複数の発熱粒子が分散された流体サンプルを収容し、前記発熱粒子が外部から電磁波を吸収して前記流体サンプルを加熱する加熱ユニットであってもよい。
【0009】
前記弁ユニットは、前記弁物質からなる弁プラグと、前記弁プラグに隣接して形成された余裕空間と、を備え、前記弁プラグが前記チャンネル内に配置され、前記チャンネルが閉じた状態にある時に、前記弁プラグが熱によって溶融し、前前記余裕空間に溶融した前記弁プラグが移動し、前記チャンネルを開放する開弁でありうる。一方、前記弁ユニットは、前記チャンネルと連結した弁チャンバーに前記弁物質を配置し、前記チャンネルが開放された状態である時に、前記弁物質が熱によって溶融及び膨脹し、前記チャンネルに流入し、前記チャンネルを閉じる閉弁であってもよい。
【0010】
前記弁ユニットにおいて、前記相転移物質の分散媒は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択された少なくともいずれか一つでありうる。また、前記発熱粒子は、直径が1nm〜100μmであり、重合体ビーズ、量子ドット、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、金属化合物ビーズ、炭素粒子、及び磁性ビーズからなる群から選択された少なくともいずれか一つでありうる。前記発熱粒子は、外部から照射される電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと。前記コアを取り囲むシェルとからなり、優れた電磁波吸収効率と高い熱伝導性とを同時に得るために、適切な金属成分を含んでもよい。
【0011】
前記加熱ユニットにおいて、前記発熱粒子は、やはり外部から照射される電磁波を吸収し、熱エネルギーに変換するコアと、前記コアを取り囲むシェルとからなることもある。この場合、前記コアは、強磁性を帯びた金属または金属酸化物からなり、前記シェルは、表面改質され、表面改質された前記シェルの表面に特定の生体分子を付着させることができる。
【0012】
本発明の他の一側面による微細流動システムは、前述の本発明の微細流動装置と、前記微細流動装置の回転体を駆動する回転駆動部と、前記微細流動装置内の発熱粒子の発熱を誘導できる波長帯の電磁波を照射する外部エネルギー源と、前記外部エネルギー源から電磁波を前記回転体上の所望の領域に照射させるように、前記外部エネルギー源の位置または方向を調整する外部エネルギー源調整手段とを備える。
【0013】
ここで、前記回転駆動部は、前記回転体を定速または定域回転させるモータを備えることができる。また、前記外部エネルギー源調整手段は、前記回転体に向かって設置された前記外部エネルギー源を、前記回転体の半径方向に移動させる移動手段を備えることができる。これと違って、前記外部エネルギー源調整手段は、固定された前記外部エネルギー源から照射された電磁波を反射させる少なくとも一つの反射鏡と、前記反射鏡の角度を調節して電磁波の経路を変更する反射鏡運動部と、を備えるか、前記回転体に向かって設置された前記外部エネルギー源を、前記回転体に平行な平面上を直交座標系の2方向に移動させる移動手段を備えることもある。
【0014】
前記外部エネルギー源は、レーザー光源を備え、前記レーザー光源は、少なくとも一つのダイオードを備えることができる。前記レーザー光源から照射されるレーザーは、少なくとも1mJ/pulse以上、かつ、前記微細流動装置の構造物及び前記発熱粒子が変成しない程度のエネルギーを有するパルスレーザーであるか、これと違って、少なくとも14mW以上の出力を有し、前記微細流動装置の構造物及び前記発熱粒子を変成させない程度の出力を有する連続波動レーザーであってもよい。前記レーザー光源から照射されるレーザーは、400ないし1300nmの波長を有しうる。
【0015】
本発明の他の一側面による前記微細流動システムの駆動方法は、前述の微細流動システムの多様な実施類型のうちいずれか一つに該当するシステムを駆動する方法において、前記回転駆動部に載置された前記微細流動装置に備えられる少なくとも一つの前記熱活性ユニットのそれぞれの位置情報を取得する段階と、取得された前記位置情報を利用して選択されたいずれか一つの前記熱活性ユニットに向かって、前記外部エネルギー源を照射する段階と、前記外部エネルギー源から電磁波を照射して、選択された前記熱活性ユニットを活性化する段階と、を含む。
【0016】
前記外部エネルギー源を照射する段階は、前記選択された熱活性ユニットの位置と前記外部エネルギー源から電磁波が照射される地点との偏差Δ(r,θ)またはΔ(x,y)を検出する段階と、前記回転駆動部及び前記外部エネルギー源調整手段を利用して、前記電磁波が照射される地点を前記偏差Δに基づいて調整する段階とを含むものでありうる。極座標を利用して前記外部エネルギー源調整手段を制御する場合、前記回転駆動部を利用して、前記回転体をΔθ定域回転させ、前記外部エネルギー源調整部を利用して、前記電磁波を照射する地点に前記外部エネルギー源を前記回転体の半径方向にΔr移動させることができる。一方、直交座標系を利用して、前記外部エネルギー源調整手段を制御する場合は、前記電磁波を照射する地点に前記外部エネルギー源を直交座標系上の偏差Δ(x,y)ほど移動させることもある。
【0017】
前記熱活性化ユニットを活性化する段階中に、前記回転駆動部は、前記回転体を一定の角度範囲で正回転と逆回転を繰り返すことによって、前記熱活性化ユニットに放射エネルギーを均一に伝えることができる。一方、このような目的を達成するために、前記外部エネルギー源調整部をして電磁波を照射する地点で前記外部エネルギー源を前記回転体の半径方向に一定の距離進退移動を繰り返すこともある。
【発明の効果】
【0018】
本発明による遠心力基盤の微細流動装置は、外部の熱源または電源との接触なしに、電磁波により活性化される多様な熱活性化ユニットを備えることによって、多様な生物学的または化学的反応を行える。それだけではなく、数段階の操作と処理が必要な反応を行うために、複雑な構造を有する微細流動構造物も一つの回転体からなる微細流動装置に配置することができる。
【0019】
特に、本発明の微細流動装置は、前述の熱活性化ユニットの一例として弁ユニットを利用する場合、流体流れのロバスト制御(robust control)が可能である。また、前述の熱活性化ユニットの他の例として加熱ユニットを利用する場合、外部熱源との接触を通じて流体サンプルを間接的に加熱したり、装置内部に抵抗発熱のための構成を有したりする必要がなく、流体サンプルと直接的に接する発熱粒子を含むことだけで、簡単に、かつ効果的にサンプルの温度を調節することができる。
【0020】
このように、本発明による微細流動装置と微細流動システム、及び微細流動システムの駆動方法は、流体サンプルの種類及び回転体の回転速度に関係なく、微細流動構造物内で流体の流れ及び流体の温度を正確に制御できる。また、このような長所を利用して、従来のコンパクトディスク型の微細流動装置より複雑な微細流動構造物を回転体上に具現化でき、微細流動装置を利用して、さらに複雑な段階の処理と操作が必要な反応を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
まず、本発明の微細流動装置と前記微細流動装置を備える微細流動システムの構成について、その機能を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明による微細流動システムの第1実施形態を示す斜視図である。本発明の第1実施形態による微細流動システム101は、本発明による微細流動装置20を備える。前記微細流動装置20は、一例としてディスク形状の回転体21上に配置された微細流動構造物22を備え、前記微細流動構造物22は、少なくとも一つの熱活性化ユニット23を備える。図1に示す微細流動装置20の微細流動構造物22は、実際に備えられうる多様な形態の構造物を単純化して象徴的に示したものである。前記微細流動構造物22は、二つ以上の基礎ユニットを備え、前記二つ以上の基礎ユニットは、流体サンプルが流れるチャンネルで連結される。前記二つ以上の基礎ユニットは、前記回転体21の回転中心からの距離が互いに異なるように配置され、したがって、これらの間では、遠心力によって前記チャンネルを介した流体サンプルの移動が可能である。ここで、基礎ユニットとは、それぞれ所定の機能を担当するチャンバー(保存チャンバー、混合チャンバー、反応チャンバー、培養チャンバーなど)やこれらを連結するチャンネルに設けられて流体の流れを制御する弁のような、微細流動構造物22を構成する基本要素を称する。一方、このような基礎ユニットのうち、機能の遂行のために温度変化を起こさせるため、特に、加熱によって作動したり、または機能遂行に有利な状態に到達したりすることのできる装置を熱活性ユニット23と称する。
【0024】
前記熱活性化ユニット23は、図1右側の小円に示すように、発熱粒子Mを備える。前記発熱粒子Mは、所定の分散媒Pに分散された状態で備えられてもよく、流体サンプル内に分散または凝集された状態で備えられてもよい。前記熱活性化ユニット23は、前記発熱粒子Mが前記微細流動装置20の外部から照射された電磁波からエネルギーを吸収してその周囲に熱を伝達することによって、熱によって活性化されて機能を行うという点に特徴がある。このような熱活性化ユニット23の実際的の例については、図6ないし図18及びこれらに関する説明を通じて具体的に後述する。
【0025】
本実施形態による微細流動システム101は、前述の熱活性化ユニット23に所定の電磁波を照射してエネルギーを供給する外部エネルギー源30を備える。前記外部エネルギー源30は、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線及びX線など、多様な波長の電磁波のうちから選択された所定波長帯の電磁波を照射できる装置でありうる。また、このような電磁波を近距離の標的に集中的に照射可能な装置であれば、さらに望ましい。前記外部エネルギー源30の波長は、前記発熱粒子Mによってよく吸収される範囲であることが望ましい。したがって、前記外部エネルギー源30で電磁波を発生させる素子は、発熱粒子Mの素材及び表面条件によって適切に選択されうる。
【0026】
前記外部エネルギー源30は、例えば、レーザービームを照射するレーザー光源であり、その場合、少なくとも一つのレーザーダイオードを備えうる。レーザービームの波長や出力など細部的な事項は、主使用対象である微細流動装置20に含まれた熱活性ユニット23の種類によって決定されうる。
【0027】
前記微細流動システム101は、前記外部エネルギー源30の位置または方向を調整して、これから照射される電磁波を、前記微細流動装置20中の所望の領域に、具体的には、前記微細流動装置20に含まれる複数のユニットから選択される熱活性ユニット23に該当する領域に集中的に照射させうる外部エネルギー源調整手段(図示せず)を備える。前記図1のシステム101において外部エネルギー源調整手段(図示せず)は、回転体21に向かって設置された前記外部エネルギー源30の上に表示されている矢印方向、すなわち回転体21の半径方向に動くことができる。前記外部エネルギー源30を直線移動させるメカニズムは多様に提供され、当業者に自明なものであるので、本明細書ではその説明を省略する。
【0028】
一方、前記微細流動システム101は、前記回転体21を駆動する回転駆動部40を備える。図面に示す回転駆動部40は、前記回転体21を載置させ、回転力を伝達するための一部分であって、図示していないが、前記回転体21を定速または定域で、すなわち必要に応じて一定の速度で、そして一定の角度で回転させるモータ及びそれと関連した部品を備えることができる。前記外部エネルギー源調整手段(図示せず)と同様に、前記回転駆動部40に関する具体的な構成の例は本明細書で省略する。前記図1のシステム101において前記外部エネルギー源30は、前記外部エネルギー源調整手段(図示せず)と前記回転駆動部40とを用いて、電磁波を前記微細流動装置20中の選択された熱活性化ユニット23に集中的に照射することができる。
【0029】
図2は、本発明による微細流動システムの第2実施形態を示す斜視図である。本実施形態による微細流動システム102において、微細流動装置20、回転駆動部40、及び外部エネルギー源30’自体に関する事項は、前述の図1のシステム101と同様である。但し、本実施形態による微細流動システム102の場合、前記外部エネルギー源30’が固定設置され、前記外部エネルギー源30’から照射された電磁波ビームの経路を調整できる少なくとも一つの反射鏡33と、前記反射鏡33の角度を調節する反射鏡運動部(図示せず)とを備える点が相違している。前記少なくとも一つの反射鏡33は、微細流動装置20に対する前記外部エネルギー源30’の固定位置によって、一つまたは数個が配置され、そのうち少なくとも一つには、図面に矢印で表示したように反射鏡の角度を調節する反射鏡運動部(図示せず)が設けられて、前記電磁波ビームが前記微細流動装置20に到達する位置を制御できる。
【0030】
図3は、本発明による微細流動システムの第3実施形態を示す斜視図である。本実施形態による微細流動システム103において、微細流動装置20、回転駆動部40、及び外部エネルギー源30’’自体に関する事項は、前述の図1のシステム101と同様である。但し、本実施形態による微細流動システム103の場合、外部エネルギー源調整手段(図示せず)は、回転体21に向かって設置された前記外部エネルギー源30’’を、前記回転体21に平行な平面上で互いに直交する二方向(例えば、図面上のx軸とy軸方向、矢印参照)に移動させて、前記回転体21上の目標地点(例えば、熱活性ユニット23)に前記外部エネルギー源30’’から電磁波を照射させることができる移動手段を備えてもよい。
【0031】
また図示してはいないが、外部エネルギー調整手段は、前記回転体21の上部のいずれかの地点にその位置が固定された外部エネルギー源の方向を変化させて、放出された電磁波が目標地点に到達するように構成されてもよい。
【0032】
図4は、本発明による微細流動システムの第4実施形態を示す斜視図である。本実施形態による微細流動システム104において、微細流動装置20、外部エネルギー源30、外部エネルギー源調整部(図示せず)、及び回転駆動部40に関する事項は、前述の図1のシステム101と同様である。但し、本実施形態による微細流動システム104の場合、前記微細流動装置20の所定領域から流体サンプルの反応に関する光学的情報を検出する光検出部50をさらに備えてもよい。前記光検出部50は、蛍光または色相などの光学的信号を媒介として流体サンプルに対する反応の最終または中間結果物を観測できるものであれば、フォトダイオード、光ピックアップまたは撮像素子(CCD、CMOSセンサー等)など、多様な要素からなることができる。また、光学的信号を増幅するためのPMT(photo multiplier tube)をさらに備えることもある。前記光検出部50は、固定して設置されてもよく、前記図1のシステム101における外部エネルギー源30と同様に、回転体21の半径方向に移動できるように設置されてもよい。
【0033】
図5は、熱活性ユニットの一例である開弁の実施形態を示す平面図であり、図6A及び図6Bは、前記図5に示す開弁の初期状態(閉鎖状態)及び開放状態をそれぞれ示す断面図である。
【0034】
前述の熱活性ユニット23には、流体の流れを制御する弁ユニットが含まれる。弁ユニットは、微細流動装置20で二つの基礎ユニットの間の連結通路を提供するチャンネル221の中間に配置されうる。弁ユニットの一例である開弁231は、常温で固体状態である弁物質からなる弁プラグ223を備える。前記弁物質としては、常温で固体状態である相転移物質の分散媒に発熱粒子が分散されている材料を使用できる。前記固体状態の前記弁プラグ223が配置されている初期状態の位置に隣接した前記チャンネル221の上流及び下流には、その幅または深さが拡張されて余裕空間を提供する一対のチャンネル拡張部222が配置される。
【0035】
前記弁プラグ223は、常温で開口部223Aを中心としてチャンネル221の所定部分を完全に遮断して、入口I側から流入される流体サンプルLの流れを遮断する。前記弁プラグ223は、高温で溶融されて前記チャンネル221の上流側、下流側に流れ、隣接して配置されたチャンネル拡張部222に移動して、流体サンプルLの流路を開放した状態で再度凝固(223’参考)する。前記開口部223Aは、微細流動装置の製作時に溶融された弁物質を投入して弁プラグ223を形成する注入口の役割も行う。
【0036】
前記弁プラグ223を加熱するために、前記微細流動装置20の外部には外部エネルギー源30、30’、30’’が配置され、前記外部エネルギー源30、30’、30’’が前記弁プラグ223の初期状態(チャンネル221が閉鎖状態)の位置、すなわち前記開口部223Aとその周辺とを含む領域に電磁波を照射する。この時、前記外部エネルギー源30、30’、30’’は、例えば、レーザービームを照射するレーザー光源であり、その場合、少なくとも一つのレーザーダイオードを備えうる。前記レーザー光源は、パルスレーザーを照射する場合、1mJ/pulse以上のエネルギーを有するパルスレーザーを照射し、連続波動レーザーを照射する場合、10mW以上の出力を有する連続波動レーザーを照射することができる。
【0037】
後ほど図9ないし図12で示される実験を参照ると、808nm波長のレーザーを照射するレーザー光源を使用したが、必ずしもこの波長のレーザービームを照射することに限定されるものではなく、400〜1300nmの波長を有するレーザーを照射するレーザー光源であれば、前記微細流動システムの外部エネルギー源30、30’、30’’として採用されうる。
【0038】
前述のチャンネル221は、回転体をなす上板212または下板211の内面に形成された立体パターンによって提供されうる。前記上板212は、外部エネルギー源(図示せず)から照射される電磁波が前記弁プラグ223に入射できるように透過させ、外部で流体サンプルLを観測可能にする光学的に透明な材料から作られるものが望ましい。その例として、ガラスまたは透明プラスチック素材は、光学的透明性に優れ、かつ製造コストが安いという面で有利である。
【0039】
前記チャンネル221と一対のチャンネル拡張部222とは、互いに接合された上板212及び下板211を含んでなる回転体21に形成されうる。上板212と下板211との接合方法は、接着剤や両面接着テープを利用してもよく、超音波溶着を利用してもよい。具体的に、前記下板211に前記チャンネル221及び一対のチャンネル拡張部222が陰刻パターンで形成され、前記上板212には、前記チャンネル221中で前記一対のチャンネル拡張部222の間に弁物質を注入するための開口部223Aが形成されている。前記チャンネル221は、幅が約1mm、深さが約0.1mm程度の微細チャンネルである。前記チャンネル拡張部222は、約3mm程度の深さを有するように形成されうる。
【0040】
前記弁プラグ223に分散された発熱粒子は、数千μmの幅を有するチャンネル221内で自由に流動可能な1nm〜100μmの直径を有するものでありうる。前記発熱粒子は、レーザーが照射されれば、その放射エネルギーにより温度が急激に上昇して発熱する性質を有し、ワックスに均一に分散される性質を有する。このような性質を有するために、前記発熱粒子は、金属成分を含むコアと疏水性を帯びたシェルとを含む構造を有しうる。例えば、前記発熱粒子は、強磁性物質であるFeからなるコアと、前記Feに結合されてFeを取り囲む複数の界面活性成分からなるシェルとを備えた構造を有しうる。一般的に、前記発熱粒子は、キャリアオイルに分散された状態で保管される。疏水性表面構造を有する前記発熱粒子を均一に分散させるために、キャリアオイルも疏水性であることが望ましい。ワックスに前記発熱粒子が分散されたキャリアオイルを入れて混合することによって、前記弁プラグ223の素材を製造できる。前記発熱粒子の粒子形態は、前記例として挙げた形態に限定されるものではなく、重合体ビーズ、量子ドット、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、金属化合物ビーズ、炭素粒子、または磁性ビーズであってもよい。前記炭素粒子には、黒鉛粒子も含まれる。
【0041】
前記弁物質をなす相転移物質は、ワックスでありうる。前記発熱粒子が吸収した電磁波のエネルギーを熱エネルギーの形態で周囲に伝達すれば、ワックスは、これによって溶融されて流動性を有するようになり、その結果、弁プラグ223が崩壊し、流体サンプルLの流路が開放される。前記弁プラグ223を構成するワックスは、適当な融点を有することが望ましい。融点があまりにも高ければ、レーザー照射を始めてから溶融されるまで時間が長くかかってしまい、開放時点の精密な制御が困難になり、一方、融点があまりにも低ければ、レーザーが照射されていない状態でも部分的に溶融されてしまい、流体サンプルLが漏出することもあるためである。前記ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、微晶質ワックス、合成ワックス、または天然ワックスなどが採用されうる。
【0042】
一方、前記相転移物質は、ゲルまたは熱可塑性樹脂であることもある。前記ゲルとしては、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、またはポリビニルアミドなどが採用されうる。また、前記熱可塑性樹脂として、COC(cyclic olefin copolymer)、PMMA(polymethylmethacrylate)、PC(polycarbonate)、PS(polystyrene)、POM(polyoxymethylene)、PFA(perfluoralkoxy)、PVC(polyvinylchloride)、PP(polypropylene)、PET(polyethylene terephthalate)、PEEK(polyetheretherketone)、PA(polyamide)、PSU(polysulfone)、またはPVDF(polyvinylidene fluoride)などが採用されうる。
【0043】
図7は、熱活性ユニットの他の例である閉弁の実施形態を示す平面図であり、図8は、前記図7に示す閉弁の断面図である。
【0044】
前記弁ユニットの他の一例である閉弁232は、入口Iと出口Oを有するチャンネル224と、前記チャンネル224の中間に連結された弁チャンバー225と、初期状態は、前記弁チャンバー225内に常温で固体状態として充填され、加熱されれば、溶融及び膨脹され、前記チャンネル224に流入し、再度凝固し、前記チャンネル224を介した流体の流れを遮断する弁物質Vとを備える。ここで、前記閉弁232は、前述の微細流動装置20の微細流動構造物22をなす基礎ユニットの一つであって、前記入口Iと出口Oとは、互いに異なる基礎ユニットにそれぞれ連結され、前記チャンネル224は、前記ユニットの間で流体サンプルLを移動可能にするチャンネルの役割を行う。
【0045】
前記閉弁232の構造物も前述の開弁231と同様に、微細流動装置20の回転体21をなす上板212または下板211の内面に形成された立体パターンによって提供されうる。但し、前記弁チャンバー225は、前記チャンネル221の深さより深く、前記開弁231のチャンネル拡張部222より浅い深さ、例えば1mm程度の深さを有するように形成されうる。前記上板212は、外部エネルギー源(図示せず)から照射される電磁波を透過させ、外部で流体サンプルLを観測できるようにする光学的に透明な材料で作られたものが望ましい。さらに、前記上板212は、前記電磁波(例えば、レーザービーム)を前記弁プラグにさらに容易に入射させるために、前記弁チャンバー225に対応する開口部225Aを有してもよい。前記開口部225Aは、微細流動装置20の製作時に溶融された弁物質を投入する注入口の役割も行う。
【0046】
前記弁物質Vをなす相転移物質Pと発熱粒子Mに関する事項は、開弁231の例を通じて説明した通りである。また、前記弁物質Vに電磁波を提供する外部エネルギー源30、30’、30’’に関する事項も、前述と同様である。分散媒である相転移物質Pと発熱粒子Mとを含む弁物質Vにレーザービームが照射されれば、前記発熱粒子Mがエネルギーを吸収して前記相転移物質Pを加熱させる。これによって、前記弁物質Vは、溶融され体積が膨脹し、連結されたチャンネル226を介して前記チャンネル224に流入する。前記チャンネル224内で流体サンプルLと接触し、さらに凝固された弁物質Vは、弁プラグをなし、前記チャンネル224を介した流体サンプルLの流れを遮断する。
【0047】
前述の弁ユニットの反応時間を測定した実験結果は、次の通りである。実験のためのテストチップにおいて作動流体の圧力は46kPaに維持した。圧力維持のために、シリンジポンプ(Havard PHD2000、USA)と圧力センサー(MPX 5500DP、Freescale semiconductor Inc.、AZ、USA)を使用した。前記弁ユニットに電磁波を照射する外部エネルギー源としては、放出波長が808nmであり、出力が1.5Wであるレーザー光源を使用した。弁ユニットの反応時間に関するデータは、高速撮影装置(Fastcam−1024、Photron、CA、USA)の結果物分析を通じて得た。前記弁物質としては、発熱粒子である平均直径10nmの磁性ビーズがキャリアオイルに分散された、いわゆる磁性流体とパラフィンワックスとが1:1の割合で混合された、すなわち磁性流体の体積比が50%である磁性ワックスを使用した。
【0048】
図9は、前記開弁の作動の様子を示す一連の高速撮影写真である。前記開弁の弁プラグにレーザービームを照射してから、前記弁プラグが溶融されてチャンネルが開放されるまでの反応時間は、0.012秒であった。
【0049】
図10は、前記閉弁の作動の様子を示す一連の高速撮影写真である。前記閉弁の弁物質にレーザービームを照射してから、前記弁物質が溶融及び膨脹し、チャンネルを閉じるまでの反応時間は、0.444秒であった。従来のワックス弁の反応時間が2〜10秒であった点と比較すると、はるかに速い反応時間であることが分かる。
【0050】
図11は、前記開弁で弁プラグに含まれる磁性流体の体積比と弁の反応時間との関係を示すグラフである。図11を参照すれば、磁性流体の体積比が大きくなるにつれて、反応時間が短くなる推移を示す。しかし、磁性流体の体積比が0.7(70%)以上大きくなれば、弁プラグの最大許容圧力が低くなる傾向がある。したがって、前記弁ユニットで弁物質に含まれる磁性流体の体積比は、反応時間に対する要求と最大許容圧力に対する要求との折衝によって決定される。
【0051】
図12は、前記開弁で外部エネルギー源として使われるレーザー光源の出力と弁の反応時間との関係を示すグラフである。出力が増大するほど反応時間が短くなる推移を示す。しかし、レーザー光源の出力が1.5Wに近接すれば、反応時間の変化が緩やかになり、(グラフに示していないが)1.5Wを超えれば、所定の最小反応に収束する。パラフィンワックスを通した熱伝導率の制約があるためである。前記実験では、このような理由で出力が1.5Wであるレーザー光源を使用した。しかし、本発明の外部エネルギー源がこれに限定されるものではない。
【0052】
図13は、熱活性ユニットのさらに他の例である加熱ユニットの実施形態を示す平面図である。本発明による微細流動装置20は、熱活性ユニット23のさらに他の例であって加熱ユニット233を備えることができる。ここで、加熱ユニット233とは、サンプル溶液Lを加熱して部分的または全体的に温度を高くする機能を含むユニットを意味する。ここには、流体サンプルLと他物質との反応を促進させたり、流体サンプルLに含まれた細胞を培養したり、細胞を溶解して核酸を抽出したり、PCR(Polymerase Chain Reaction)サイクルを適用して核酸を増幅したりする多様な機能を行うユニットが含まれうる。
【0053】
このような加熱ユニット233は、前記微細流動装置20の回転体内に設けられた加熱チャンバー227を備える。前記加熱チャンバー227は、その入口I側が前記チャンバー227より回転体21の中心から近い距離に配置された他の基礎ユニット(図示せず)と連結される。一方、その出口O側には、前述の開弁の弁プラグ223が設けられることもある。これを通じて、前記チャンバー227内に流体サンプルLを収容することができる。前記加熱チャンバー227内には、発熱粒子Mを備える。前記発熱粒子Mは、前記微細流動装置20の外部に設けられた外部エネルギー源30、30’、30’’から照射される電磁波を吸収して、これを熱エネルギーの形態でその表面を通じて周囲に伝達する。
【0054】
この場合、前記発熱粒子Mは、前述の弁ユニットでの場合と同様に、電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと前記コアを取り囲むシェルとを含む形態を有しうる。前記コアは、強磁性を帯びた金属または金属酸化物からなりうる。さらに具体的には、強磁性体を帯びるFe、Ni、Crの金属及びそれらの酸化物からなる群から選択される1つ以上の物質を含みうる。前記発熱粒子Mが強磁性物質を含めば、前記加熱ユニット233の機能が完遂した後に、サンプルLから前記発熱粒子Mを分離するのが容易である。磁石を利用してこれらを集めることができるからである。一方、前記シェルは、前記加熱ユニット233の細部的な用途によって異なる特性を有する。前記シェルの表面は、親水性でありうる。この場合、大部分の流体サンプルLが親水性溶液であるため、前記発熱粒子MをサンプルLに均一に分散させるのに有利である。また、前記シェルの表面は、特定の生体分子が付着できるように改質されうる。このような発熱粒子Mを利用して、サンプルLから特定生体分子を分離することも可能であり、このように分離された生体分子を培養したり破壊したりする特殊な機能を行えるからである。
【0055】
以下では、前述した本発明の微細流動システムを効果的に駆動する方法について例を挙げて説明する。以下の駆動方法は、前述の微細流動システムの多様な実施形態に適用されうる。
【0056】
まず、微細流動装置が微細流動システムの回転駆動部に設置され、前記微細流動システムは、該当微細流動装置に含まれる少なくとも一つの熱活性ユニットの位置情報を取得する。位置情報を取得する方法としては、多様な方法が適用されうる。例えば、微細流動システムの情報保存部に使われる微細流動装置のユニット配置に関する情報を予め保存し、回転駆動部に載置された微細流動装置が認識されれば、該当微細流動装置に対するユニット配置情報をロードしてシステム駆動に活用することができる。この場合、微細流動システムは、任意の時点で載置された微細流動装置の基準点位置を把握するだけで、以後の動作のための情報も取得できる。他の例として、微細流動装置の各熱活性ユニットまたはそれと一対一に対応する位置に識別符号を付与し、微細流動システムが前記識別符号を認識して、各熱活性化ユニットに関する位置情報を取得するようにしてもよい。
【0057】
次に、取得した位置情報を利用して選択されたいずれか一つの熱活性化ユニットに向かって外部エネルギー源を照準する。前記外部エネルギー源照準段階は、照準開始時点を基準として、前記微細流動装置上で前記選択された熱活性ユニットの位置と前記外部エネルギー源の電磁波を照射している地点との偏差Δ(r,θ)を検出し、前記回転駆動部及び前記外部エネルギー源調整手段を利用して、前記電磁波の照射地点を前記偏差Δに基づいて調整することができる。一例として、前記外部エネルギー源調整手段が電磁波の照射地点を1次元的に移動させる場合には、前記回転駆動部を利用して前記回転体をΔθほど定域回転させ、前記外部エネルギー源調整部を利用して、前記電磁波の照射地点を前記回転体の半径方向にΔrほど移動させることができる。ここでは、微細流動システムが極座標系を利用することを例に挙げたが、本発明の駆動方法がこれに限定されるものではなく、前記外部エネルギー源調整手段の機構的構成によって直交座標系(x、y)を利用してもよいということは言うまでもない。一方、外部エネルギー源の標的となる熱活性化ユニットに対する選択は、その時のユーザの入力によって行われてもよく、予め入力されたプログラムによって行われてもよい。特に、微細流動装置に複数の熱活性化ユニットが含まれており、これらが順次に動作する場合にプログラムによる制御が有利である。
【0058】
次に、照準された熱活性ユニットに電磁波を照射して前記熱活性ユニットを活性化する。この時、微細流動システムは、電磁波(例えば、レーザービーム)を照射しながら、回転駆動部を利用して前記回転体を一定の角度範囲で正回転と逆回転を繰り返すことによってさせて、前記熱活性化ユニットに放射エネルギーを均一に伝達することができる。これと類似した例として、微細流動システムは、前記外部エネルギー源調整部を利用して電磁波を照射する地点で前記外部エネルギー源を前記回転体の半径方向に一定の距離進退移動を繰り返すことで、前記熱活性化ユニットに放射エネルギーを均一に伝達することができる。添付された図面を参照して説明すれば、次の通りである。
【0059】
図14及び図16は、本発明による微細流動システムにおいて熱活性ユニットの配置による外部エネルギー源の位置制御方法を示す。まず、図14は、一つの熱活性ユニット23を個別的に活性化する動作の例を示す。外部エネルギー源30が微細流動装置に向かうように設置され、半径方向に直線移動する場合を示すものである。一つの熱活性ユニット23が選択された場合、外部エネルギー源30を照準し始める現時点での前記熱活性ユニット23の位置と、現時点の外部エネルギー源30の位置との極座標上の偏差Δ(r,θ)を求める。そして、回転駆動部を利用して、前記回転体21をΔθ定域回転させ、前記外部エネルギー源調整手段(図示せず)を利用して、前記外部エネルギー源30を前記回転体21の半径方向にΔr移動させることができる。
【0060】
図15は、微細流動装置内で回転中心から同じ距離に配置された複数の熱活性ユニット23を同時に活性化する動作の例を示す。同様に、外部エネルギー源30が微細流動装置に向かうように設置され、半径方向に直線移動する場合を示すものである。微細流動システムは、外部エネルギー源30を照準し始める現時点での前記複数の熱活性ユニット23が配置された位置の半径と前記外部エネルギー源30の位置との偏差Δrを求め、外部エネルギー源調整手段を利用して、前記外部エネルギー源30をΔr移動させた後、回転駆動部を利用して、回転体21を回転させると同時に電磁波を照射することができる。
【0061】
図16は、一つの熱活性ユニット23を個別的に活性化する動作の他の例を示す。外部エネルギー源30’’が微細流動装置に向かうように設置されて、微細流動装置20の回転体21に平行な平面上で移動する場合を示すものである。一つの熱活性ユニット23が選択された場合、外部エネルギー源30’’を照準し始める現時点における前記熱活性ユニット23の位置と、現在外部エネルギー源30’’の位置との直交座標系上の偏差Δ(x,y)を求める。そして、外部エネルギー源調整手段(図示せず)を利用して、前記外部エネルギー源30’’をx軸方向にΔx直線移動させ、y軸方向にΔy直線移動させることができる。
【0062】
図17は、本発明による複数の熱活性ユニットを備えた微細流動装置の実施形態を示す平面図である。本実施形態による微細流動装置20は、回転体21上に対称的に配置された複数の微細流動構造物22を備える。前記微細流動構造物22は、上流側、すなわち回転体21の回転中心から近い方向に配置された三つのサンプルチャンバー228A、228B、228Dと、回転中心から遠い方向に配置された三つの反応チャンバー228E、228F、228Cと、これらの間に配置された混合チャンバー228Mとを備える。前記混合チャンバー228Mは、前記サンプルチャンバー228A、228B、228D及び反応チャンバー228E、228F、228Cとそれぞれチャンネルを介して連結されており、各チャンネルの中間には、熱活性ユニットの一種として流体の流れを制御できる弁ユニット231A、231B、231C、231D、231E、231F、232Cが配置されている。前記弁ユニットのうち232Cは、閉弁であり、残りは開弁である。前記サンプルチャンバー228A、228B、228Dには、それぞれサンプルA、B、Dが保存されており、前記反応チャンバー228E、228F、228Cには、前記サンプルと所定の反応を起こしうる反応物質E、F、Cがそれぞれ配されている。前記反応物質は、液体状態で配されてもよく、固体表面に固定されるなど、多様な形態に配されてもよい。
【0063】
図18は、前記図17の微細流動装置を備える微細流動システムの駆動例を示す。本実施形態による微細流動システムは、予めプログラムされたところによって駆動できる。4個のサブ図面は、前記微細流動装置の操作遂行過程を示し、各サブ図面の左上に示された数字は、該当弁の作動順序を示す。まず、サンプルA、Bが保存されたサンプルチャンバー228A、228Bと連結された開弁231A、231Bを作動させ、前記二つのサンプルを移送して混合チャンバー228MでサンプルA、Bを混合する。次に、反応チャンバーC 228Cと連結された開弁231Cを作動させ、サンプルA、Bの混合液の一部を移送して反応物質Cと反応させた後、やはり反応チャンバーC 228Cと連結された閉弁232Cを閉じる。その後、サンプルDが保存されたチャンバー228Dと連結された開弁231Dを開放し、前記サンプルDを混合チャンバー228Mに移送して残っていたサンプルA、Bの混合液とさらに混合する。その後、反応チャンバーE 228Eと、チャンバーF 228Fとがそれぞれ連結された開弁231E、231Fを作動させ、サンプルA、B、Dの混合液を移送する。これにより、反応チャンバーC 228Cでは、サンプルA、Bと反応物質Cとの反応が行われ、反応チャンバーE 228Eでは、サンプルA、B、Dと反応物質Eとの反応が行われ、反応チャンバーF 228Fでは、サンプルA、B、Dと反応物質Fとの反応が行われうる。
【0064】
図18の実施形態は、本発明による微細流動装置と微細流動システムを利用して、数段階からなる生物学的または化学的反応を効果的に行うことができることを示す例である。各過程において各弁ユニットの作動などを含む微細流動システムの具体的な駆動は、前述の方法によって行われうる。
【0065】
以上、本発明による望ましい実施形態が説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、生化学的反応関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による微細流動システムの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明による微細流動システムの第2実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明による微細流動システムの第3実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明による微細流動システムの第4実施形態を示す斜視図である。
【図5】熱活性ユニットの一例である開弁の実施形態を示す平面図である。
【図6A】図5に示す開弁の初期状態を示す断面図である。
【図6B】図5に示す開弁の開放状態を示す断面図である。
【図7】熱活性ユニットの他の例である閉弁の実施形態を示す平面図である。
【図8】図7に示す閉弁の断面図である。
【図9】開弁の作動の様子を示す一連の高速撮影写真である。
【図10】閉弁の作動の様子を示す一連の高速撮影写真である。
【図11】開弁において弁プラグに含まれた磁性流体の体積比と弁反応時間との関係を示すグラフである。
【図12】開弁において外部エネルギー源として使われたレーザー光源の出力と弁反応時間との関係を示すグラフである。
【図13】熱活性ユニットのさらに他の例である加熱チャンバーの実施形態を示す平面図である。
【図14】本発明による微細流動システムにおいて熱活性ユニットの配置による外部エネルギー源の位置制御方法を示す図である。
【図15】本発明による微細流動システムにおいて熱活性ユニットの配置による外部エネルギー源の位置制御方法を示す図である。
【図16】本発明による微細流動システムにおいて熱活性ユニットの配置による外部エネルギー源の位置制御方法を示す図である。
【図17】本発明による複数の熱活性ユニットを備えた微細流動装置の実施形態を示す平面図である。
【図18】図17の微細流動装置を備える微細流動システムの駆動例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
20 微細流動装置、
21 回転体、
22 微細流動構造物、
23 熱活性ユニット、
30、30’、30’’ 外部エネルギー源、
33 反射鏡、
40 回転駆動部、
50 光学的検出装置、
101、102、103、104 微細流動システム、
211 下板、
212 上板、
221、224、226、 チャンネル、
222 チャンネル拡張部、
223 弁プラグ、
225 弁チャンバー、
227 加熱チャンバー、
231 開弁、
232 閉弁、
233 加熱ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、
微細流動構造物と、
を備える微細流動装置であって、
前記微細流動構造物は、
前記回転体に配置され、
前記回転体の中心からの距離が互いに異なる二つ以上の基礎ユニットを備え、
前記回転体の遠心力によって前記基礎ユニットに連結しているチャンネルに沿って流体サンプルを移動させ、
温度変化を起こさせるための少なくとも一つの熱活性ユニットを備え、
前記熱活性ユニットの内部には、外部から照射される電磁波を吸収して周囲に熱エネルギーを放出する発熱粒子を備えることを特徴とする遠心力基盤の微細流動装置。
【請求項2】
前記熱活性ユニットは、
常温で固体状態である相転移物質の分散媒に前記発熱粒子が分散された弁物質を含み、
前記弁物質が熱によって溶融され、前記弁物質が移動することによって、前記チャンネルを開閉する弁ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項3】
前記弁ユニットは、
前記弁物質からなる弁プラグと、前記弁プラグに隣接して形成された余裕空間と、を備え、
前記弁プラグが前記チャンネル内に配置され、前記チャンネルが閉じた状態にある時に、
前記弁プラグが熱によって溶融し、前記余裕空間に溶融した前記弁プラグが移動し、前記チャンネルを開放する開弁であることを特徴とする請求項2に記載の微細流動装置。
【請求項4】
前記弁ユニットは、
前記チャンネルと連結した弁チャンバーに前記弁物質を配置し、前記チャンネルが開放された状態である時に、
前記弁物質が熱によって溶融及び膨脹し、前記チャンネルに流入し、前記チャンネルを閉じる閉弁であることを特徴とする請求項2に記載の微細流動装置。
【請求項5】
前記相転移物質の分散媒は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択された少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項2に記載の微細流動装置。
【請求項6】
前記発熱粒子は、直径が1nm〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項7】
前記発熱粒子は、外部から照射される電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと前記コアを取り囲むシェルとからなることを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項8】
前記発熱粒子は、重合体ビーズ、量子ドット、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、金属化合物ビーズ、炭素粒子、及び磁性ビーズからなる群から選択された少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項9】
前記発熱粒子は、金属成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項10】
前記熱活性ユニットは、
複数の発熱粒子が分散された流体サンプルを収容し、前記発熱粒子が外部から照射される電磁波を吸収し、前記流体サンプルを加熱する加熱ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の微細流動装置。
【請求項11】
前記発熱粒子は、外部から照射される電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと前記コアを取り囲むシェルとからなることを特徴とする請求項10に記載の微細流動装置。
【請求項12】
前記コアは、強磁性を帯びた金属または金属酸化物からなることを特徴とする請求項11に記載の微細流動装置。
【請求項13】
前記シェルは、表面改質され、
表面改質された前記シェルの表面に特定の生体分子を付着させることができることを特徴とする請求項11に記載の微細流動装置。
【請求項14】
請求項1に記載の微細流動装置と、
前記微細流動装置の回転体を駆動する回転駆動部と、
前記微細流動装置内の発熱粒子の発熱を誘導できる波長帯の電磁波を照射する外部エネルギー源と、
前記外部エネルギー源から電磁波を前記回転体上の所望の領域に照射させるように、前記外部エネルギー源の位置または方向を調整する外部エネルギー源調整手段と、
を備える微細流動システム。
【請求項15】
前記回転駆動部は、前記回転体を定速または定域回転させるモータを備えることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項16】
前記外部エネルギー源調整手段は、前記回転体に向かって設置された前記外部エネルギー源を、前記回転体の半径方向に移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項17】
前記外部エネルギー源調整手段は、
固定された前記外部エネルギー源から照射された電磁波を反射させる少なくとも一つの反射鏡と、
前記反射鏡の角度を調節して電磁波の経路を変更する反射鏡運動部と、
を備えることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項18】
前記外部エネルギー源調整手段は、前記回転体に向かって設置された前記外部エネルギー源を、前記回転体に平行な平面上を直交座標系の2方向に移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項19】
前記請求項1に記載の微細流動装置に備えられている前記熱活性ユニットは、
常温で固体状態である相転移物質の分散媒に前記発熱粒子が分散された弁物質を含み、
前記弁物質が熱によって溶融され、前記弁物質が移動することによって、前記チャンネルを開閉する弁ユニットであることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項20】
前記弁ユニットは、
前記弁物質からなる弁プラグと、前記弁プラグに隣接して形成された余裕空間と、を備え、
前記弁プラグが前記チャンネル内に配置され、前記チャンネルが閉じた状態にある時に、
前記弁プラグが熱によって溶融し、前記余裕空間に溶融した前記弁プラグが移動し、前記チャンネルを開放する開弁であることを特徴とする請求項19に記載の微細流動システム。
【請求項21】
前記弁ユニットは、
前記チャンネルと連結した弁チャンバーに前記弁物質を配置し、前記チャンネルが開放された状態である時に、
前記弁物質が熱によって溶融及び膨脹し、前記チャンネルに流入し、前記チャンネルを閉じる閉弁であることを特徴とする請求項19に記載の微細流動システム。
【請求項22】
前記相転移物質の分散媒は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択された少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項19に記載の微細流動システム。
【請求項23】
前記発熱粒子は、直径が1nm〜100μmであることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項24】
前記発熱粒子は、外部から照射される電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと前記コアを取り囲むシェルとからなることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項25】
前記発熱粒子は、重合体ビーズ、量子ドット、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、金属化合物ビーズ、炭素粒子、及び磁性ビーズからなる群から選択された少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項26】
前記発熱粒子は、金属成分を含むことを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項27】
前記請求項1に記載の微細流動装置に備えられている前記熱活性ユニットは、
複数の発熱粒子が分散された流体サンプルを収容し、前記発熱粒子が外部から照射される電磁波を吸収し、前記流体サンプルを加熱する加熱ユニットであることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項28】
前記発熱粒子は、外部から照射される電磁波を吸収して熱エネルギーに変換するコアと前記コアを取り囲むシェルとからなることを特徴とする請求項27に記載の微細流動システム。
【請求項29】
前記コアは、強磁性を帯びた金属または金属酸化物からなることを特徴とする請求項28に記載の微細流動システム。
【請求項30】
前記シェルは、表面改質され、表面改質された前記シェルの表面に特定の生体分子を付着させることができることを特徴とする請求項28に記載の微細流動システム。
【請求項31】
前記外部エネルギー源は、レーザー光源を備えることを特徴とする請求項14に記載の微細流動システム。
【請求項32】
前記レーザー光源は、少なくとも一つのレーザーダイオードを備えることを特徴とする請求項31に記載の微細流動システム。
【請求項33】
前記レーザー光源から照射されるレーザーは、少なくとも1mJ/pulse以上、かつ、前記微細流動装置の構造物及び前記発熱粒子が変成しない程度のエネルギーを有するパルスレーザーであることを特徴とする請求項31に記載の微細流動システム。
【請求項34】
前記レーザー光源から照射されるレーザーは、少なくとも14mW以上の出力を有し、前記微細流動装置の構造物及び前記発熱粒子を変成させない程度の出力を有する連続波動レーザーであることを特徴とする請求項31に記載の微細流動システム。
【請求項35】
前記レーザー光源から照射されるレーザーは、400ないし1300nmの波長を有することを特徴とする請求項31に記載の微細流動システム。
【請求項36】
請求項14ないし請求項35のうちいずれか一項に記載の微細流動システムを駆動する方法において、
前記回転駆動部に載置された前記微細流動装置に備えられる少なくとも一つの前記熱活性ユニットのそれぞれの位置情報を取得する段階と、
取得された前記位置情報を利用して選択されたいずれか一つの前記熱活性ユニットに向かって、前記外部エネルギー源を照射する段階と、
前記外部エネルギー源から電磁波を照射して、選択された前記熱活性ユニットを活性化する段階と、
を含む微細流動システムの駆動方法。
【請求項37】
前記外部エネルギー源を照射する段階は、
前記選択された熱活性ユニットの位置と前記外部エネルギー源から電磁波が照射される地点との偏差Δ(r,θ)またはΔ(x,y)を検出する段階と、
前記回転駆動部及び前記外部エネルギー源調整手段を利用して、前記電磁波が照射される地点を前記偏差Δに基づいて調整する段階と、
を含むことを特徴とする請求項36に記載の微細流動システムの駆動方法。
【請求項38】
前記回転駆動部を利用して、前記回転体をΔθ定域回転させ、前記外部エネルギー源調整手段を利用して、前記電磁波を照射する地点に前記外部エネルギー源を前記回転体の半径方向にΔr移動させることを特徴とする請求項37に記載の微細流動システムの駆動方法。
【請求項39】
前記微細流動装置が停止した状態で前記外部エネルギー源調整手段を利用して、前記電磁波を照射する地点に前記外部エネルギー源を直交座標系上の偏差Δ(x,y)移動させることを特徴とする請求項37に記載の微細流動システムの駆動方法。
【請求項40】
前記熱活性化ユニットを活性化する段階中に、前記回転駆動部は、前記回転体を一定の角度範囲で正回転と逆回転を繰り返すことによって、前記熱活性化ユニットに放射エネルギーを均一に伝えることを特徴とする請求項36に記載の微細流動システムの駆動方法。
【請求項41】
前記熱活性化ユニットを活性化する段階中に、前記外部エネルギー源調整部は、電磁波を照射する地点で前記外部エネルギー源を前記回転体の半径方向に一定の距離進退移動を繰り返すことによって、前記熱活性化ユニットに放射エネルギーを均一に伝えることを特徴とする請求項36に記載の微細流動システムの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−62232(P2008−62232A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228426(P2007−228426)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】