説明

燃料電池発電システムとその制御方法

【課題】ユーザの意図を反映して燃料電池発電システムの動作音を的確に排除可能であり、所望のタイミングと設定内容で優れた静粛性を発揮することが可能な燃料電池発電システムとその制御方法を提供する。
【解決手段】燃料電池発電ユニット1には、燃料電池発電ユニット1の起動禁止時間帯を設定するリモコン17が設けられている。燃料電池発電ユニット1の発電制御装置11は、リモコン17が設定した起動禁止時間帯内であれば、燃料電池スタック4を停止状態のまま維持する静粛モードで燃料電池スタック4を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池発電システムの制御技術に係り、特に、ユーザの所望するタイミングで低騒音な静粛モードにて運用可能である燃料電池発電システムとその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、燃料電池発電システムは、優れたエネルギー効率で運用可能であり、環境に対する負荷が低いといったメリットがある。中でも、小出力の燃料電池発電システムは、分散電源に最適であって、個人家屋や小規模オフィス等の一般住宅に設置し、電気及び熱を供給するコージェネレーションシステムとして利用することが見込まれている。
【0003】
ここで、コージェネレーションシステムである燃料電池発電システムの概要について、図9を用いて具体的に説明する。図9に示すように、燃料電池発電システム20には、電気エネルギーを取り出す燃料電池発電ユニット1と、熱エネルギーを温水として利用する貯湯ユニット12とが設けられている。これら燃料電池発電ユニット1及び貯湯ユニット12は、互いに隣接して住宅等の外壁に近接して配置される。
【0004】
このうち、燃料電池発電ユニット1は、電気及び熱を発生させる燃料電池スタック4と、燃料電池スタック4に取り付けられる各種の補機(図9中の改質器2等)と、燃料電池スタック4の出力制御を行う発電制御装置11とから構成されるのが一般的である。このような燃料電池発電ユニット1は、系外から燃料及び空気を取り入れ、燃料電池スタック4で発生させた電気を、屋内に設置された各種電気設備(PC、テレビ、エアコン、照明、冷蔵庫、電磁調理器具等)に供給するようになっている。また、燃料電池発電ユニット1では、燃料電池スタック4で発生した熱を利用して温水を作るようになっている。
【0005】
なお、燃料電池スタック4に取り付けられる補機に関しては、図9では改質器2以外は図示していないが、具体的には、燃料電池スタック4に対し燃料を流すためのポンプや、空気を送り込む空気ブロア、余分な熱を系外に放熱する冷却モジュール用の冷却ファン等がある。また、補機のレイアウトは適宜選択可能であり、例えば冷却モジュールが燃料電池発電ユニット1側ではなく、貯湯ユニット12側に配置されても良い。
【0006】
貯湯ユニット12は、燃料電池発電ユニット1側から温水を取り込み、これを貯湯タンク13に貯えるユニットである。貯湯ユニット12には貯湯タンク13の給湯制御を行う給湯制御装置16が設置されており、給湯制御装置16の制御により、温水を屋内の給湯設備(風呂やキッチン等)へと供給するように構成されている。
【0007】
以上のような構成を有する燃料電池発電ユニット1において、ユニット1が停止状態から発電状態に移行する際の起動時には、改質器2の動作温度を、発電に最適な温度まで昇温する必要がある。このため、ポンプや空気ブロア等の発電用の補機は、大きな動作音を発することになる。
【0008】
また、発電中の燃料電池発電ユニット1を止めようとする制動時には、改質器2の速やかなクールダウンが好ましい。したがって、燃料電池発電ユニット1を停止させる時も、冷却モジュール等の補機は動作音が大きくなる。すなわち、燃料電池発電ユニット1では起動時及び制動時に大きな動作音が生じることになる。
【0009】
さらに、燃料電池発電ユニット1の発電時の運転音は、従来の大型の発電装置に比べれば小さいものの、発電出力が高くなれば、補機の動作音もそれに比例して大きくなるので、運転音が大きくなることは否めない。このため、住宅密集地に燃料電池発電システム20を適用する場合には、ユーザの住宅に設置した燃料電池発電システム20と、隣家との距離が短いので、騒音問題が生じ易い環境でのシステム運用となっていた。
【0010】
そこで、システム運用時に発生する騒音の低減化を図り、静粛性を高めた燃料電池発電システムが求められている。このようなニーズに応えて、例えば特許文献1に記載の従来技術が提案されている。この技術では、冷却モジュール用の冷却ファンをインバータ制御により可変速運転させる回路を持ち、昼間は高回転数で駆動させ、給湯需要の小さい夜間には冷却ファンの回転数を低速駆動に抑えることができる。これにより、暗騒音の低下した夜間に冷却ファンの動作音を弱めることが可能であり、高い静粛性を発揮することができる。
【特許文献1】特開平10−334931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、燃料電池発電システムでは、燃料電池スタックから得られる熱エネルギーが使いきれない状態が続くと、経済性を考慮してシステムの出力を低減させることがあり、システムを停止させた方が望ましい場合もある。具体的には、温水需要が少ない場合にはシステムを停止させた方が熱余りによる経済性低下を防止できるとされている。
【0012】
そのため、燃料電池発電システムを運用する際には、過去のデータから最も経済的な運用を選択するように燃料電池スタックの出力レベルを制御するといった、いわゆる学習制御モードで燃料電池スタックを制御することが主流となっている。特に、一般住宅用の燃料電池発電システムでは温水需要が大きい時間帯は朝と夕刻に限られる。すなわち、1日のうちで、時間帯によるエネルギー消費の格差が大きい。
【0013】
したがって、1日のうちで燃料電池スタックの停止と起動を繰り返した方が経済的な運用となり、学習制御モードでの燃料電池スタックの出力制御が有効である。このような学習制御モードにて運用される燃料電池発電システムでは、熱エネルギーが不要であれば燃料電池スタックを停止させ、熱エネルギーが必要となった時点で燃料電池スタックを再起動することにより、優れた経済性を発揮することができる。
【0014】
しかしながら、既に述べたように、燃料電池発電システムからの動作音は、補機の動作音の変化時である起動時及び制動時に特に大きくなる。したがって、燃料電池スタックの停止と起動を繰り返した場合、大きいレベルの動作音が頻繁に発生することになり、住宅の密集地では騒音問題に発展し易くなる。
【0015】
前述の特許文献1に記載の従来技術のように、夜間の動作音を抑える技術も提案されているが、単に冷却ファンの回転数を落とすだけでは動作変化に伴う音が耳障りとなる等、近隣に与える騒音を完全に排除することは困難であった。しかも、住宅地では燃料電池発電システムの動作音が騒音として認識される時間帯や音のレベルが近隣との状況に応じて変化する。したがって、多様なシチュエーションに柔軟に対応可能であり、安定して静粛性を発揮する燃料電池発電システムが強く望まれていた。
【0016】
本発明は、以上の課題を解決するために提案されたものであり、ユーザの意図を反映して燃料電池発電システムの動作音を的確に排除可能であり、所望のタイミングと設定内容で優れた静粛性を発揮することが可能な燃料電池発電システムとその制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、電気及び熱を発生させる燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの出力制御を行う発電制御手段と、前記発電制御手段に対し起動指令及び停止指令を送る指令送出手段とを有する燃料電池発電ユニットと、前記燃料電池スタックで発生した熱を利用して作った温水を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクの給湯制御を行う給湯制御手段とを有する貯湯ユニット、が設けられた燃料電池発電システムにおいて、次のような特徴を有している。
【0018】
請求項1の発明は、前記燃料電池発電ユニットの停止禁止時間帯を設定する停止禁止時間帯設定手段が具備され、前記発電制御手段は、前記指令送出手段から前記停止指令を受け取った場合でも、前記停止禁止時間帯設定手段が設定した前記停止禁止時間帯内であれば、前記燃料電池スタックを発電状態のまま維持して制動音の発生を抑える静粛モードで前記燃料電池スタックを制御するように構成されたことを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1の発明を制御方法の観点からとらえたものであり、前記燃料電池発電ユニットの停止禁止時間帯を設定する停止禁止時間帯設定ステップと、前記指令送出手段が前記発電制御手段に対し前記停止指令を送る停止指令送出ステップと、前記停止指令送出ステップにて前記発電制御手段に対し前記停止指令を送出した場合でも、前記停止禁止時間帯設定ステップにて設定した前記停止禁止時間帯内であれば、前記燃料電池スタックを発電状態のまま維持して制動音の発生を抑える静粛モードステップ、を含むことを特徴とする。
【0020】
これら請求項1、8の発明では、ユーザ自身が予め燃料電池発電ユニットの停止禁止時間帯を設定し、この停止禁止時間帯に該当すれば、システムを停止させて経済性を確保することよりも、システムを停止させないで静粛性を優先させている。すなわち、学習モード等に基づいて発電制御手段が停止指令を受け取ったとしても、発電制御手段はこの停止指令を無視して燃料電池スタックを発電状態のまま維持する。このため、燃料電池発電ユニットは、ユーザが設定した停止禁止時間帯が続く限り、発電状態を続けることになる。したがって、発電状態から停止状態への移行に伴う制動音が発生することがなく、静粛モードでの燃料電池発電ユニットの運用が可能である。
【0021】
以上のような本発明では、ユーザ自身が燃料電池発電ユニットの動作に関して、起動の禁止時間帯、停止の禁止時間帯、出力レベルの上限又は出力レベル範囲といったバリエーションに富んだ設定を行うことができるため、ユーザの望むタイミング及び設定内容に幅広く対応することができ、ユーザの望むタイミング及び設定内容に基づいて燃料電池発電ユニットを静粛モードにて運用可能である。したがって、ユーザの意図を正確に反映でき、効率よく確実に騒音を排除することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の燃料電池発電システムとその制御方法によれば、静粛モードで制御される燃料電池スタックの動作内容を自由に設定することができるため、所望のタイミングと設定内容に従って、燃料電池発電ユニットを静粛モードで運用可能であり、ユーザの意図を的確に実現でき、暗騒音の低下した夜間や住宅密集地等、騒音問題が生じ易い運用環境下であっても、確実に騒音を排除して優れた静粛性を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(1)代表的な実施形態
(1−1)構成
以下、本発明に係る代表的な実施形態について、図1〜図6を用いて具体的に説明する。図1は本実施形態の構成図、図2は本実施形態におけるリモコンの説明図、図3〜図6は本実施形態の静粛モードを説明するためのタイミングチャートである。なお、上述した図9に示した従来例と同一の部分に関しては同一符号を付して説明は省略する。また、本発明は、燃料電池発電システム20の制御方法及び制御プログラムとしても把握可能であり、制御プログラムはシステム20に組み込まれたCPUや各種チップセットといった物理的な処理装置を活用することで作用効果を実現する。
【0024】
(1−1−1)本実施形態の概要
まず、図1を参照して、本実施形態の概要について説明する。図1に示すように、燃料電池発電システム20は、燃料電池発電ユニット1、貯湯ユニット12及びリモコン17とから構成されている。燃料電池発電ユニット1及び貯湯ユニット12は屋外に配置され、リモコン17は屋内に配置されている。リモコン17は本実施形態の主要部であって、後段で詳述するように、リモコン17に設けられた静粛運転スイッチ25を操作することにより、燃料電池発電ユニット1が静粛モードを実行するときの動作設定を行うようになっている。
【0025】
また、燃料電池発電ユニット1は、静粛モードを実行しない場合の通常運用モードとして学習制御モードを実行するようになっている。この学習制御モードを実現するための機能は後述する発電制御装置11に組み込まれている。学習制御モードとは、ユーザの電力需要にあわせて適切な発電出力レベルと、起動及び停止を含む運転スケジュール(1日単位や1週間単位等)を学習しながら決定し、運転スケジュールに沿って燃料電池スタック4を制御するモードである。
【0026】
(1−1−2)燃料電池発電ユニット1
燃料電池発電ユニット1には、電力と熱を供給する燃料電池スタック4と、発電制御装置11が内蔵されている。燃料電池発電ユニット1における動作音の発生源としては、燃料電池発電ユニット1側に含まれる発電用の補機(改質器2、CO変成・除去器3、排ガス凝縮熱交換器5、水タンク6、電池冷却水ポンプ7、改質器ポンプ8、排熱回収ポンプ9、空気ブロア10)に加えて、貯湯ユニット12側に配置された冷却モジュール14がある。本実施形態では、レイアウトの関係上、冷却モジュール14が貯湯ユニット12側に配置されているが、燃料電池発電ユニット1側に組み込まれていても構わない。
【0027】
(1−1−3)発電制御装置11
発電制御装置11は、燃料電池発電ユニット1用に特化したプログラムを記憶させたマイコンにより実現される。この発電制御装置11には、学習制御モードを実行するためのプログラムが予め組み込まれているが、リモコン17から静粛モードを実行するための制御信号を受け取ると、学習制御モードに優先して静粛モードを実行するように構成されている。
【0028】
発電制御装置11には、燃料電池スタック4の出力制御を行う発電制御部11aと、この発電制御部11aに対し起動指令、停止指令及び出力レベル指令を送る指令送出部11bが設けられている。発電制御部11aは、燃料電池スタック4の出力レベルを制御する部分であり、指令送出部11bからの起動指令を受けて燃料電池スタック4の起動動作を開始し、停止指令を受けて燃料電池スタック4の発電停止するように構成されている。
【0029】
指令送出部11bは、最低出力指令から最高出力指令までの出力指令を発電制御部11aに送るようになっている。発電制御部11aはこれらの指令を指令送出部11bから受け取り、各指令に応じて燃料電池スタック4の出力レベルを制御するようになっている。
【0030】
(1−1−4)貯湯ユニット12
貯湯ユニット12には、図9に示したものと同じく貯湯タンク13が設置されている。また温水が足りなくなった場合に使用するバックアップ給湯器30が、貯湯タンク13に取り付けられている。さらに、貯湯ユニット12には給湯制御装置16が配置されている。
【0031】
給湯制御装置16は、ユーザの温水需要にあわせて貯湯タンク13の給湯制御を行う装置である。給湯制御装置16は、貯湯ユニット12用に特化したプログラムを記憶させたマイコンにより実現される。さらに、貯湯ユニット12には、前記冷却モジュール14及び温度センサ15が設けられている。
【0032】
(1−1−5)リモコン17
屋内に配置されたリモコン17は、燃料電池発電ユニット1の発電制御装置11及び貯湯ユニット12の給湯制御装置16に電気的に接続されており、ユーザ操作に基づく制御信号を、各制御装置11、16に送信するように構成されている。このリモコン17が、燃料電池発電ユニット1及び貯湯ユニット12の動作設定を行うための動作設定手段となっている。
【0033】
図2に示すように、リモコン17は、上半分に横長の表示パネル19が設けられ、下半分に操作スイッチ群が配置されている。操作スイッチ群は、中央部分に、2つの長方形のスイッチとして、切換スイッチ21及び確定スイッチ22が配置され、その上下に、三角形のプラスボタン23及びマイナスボタン24が設置されている。これらのボタン23、24は、時間等の数字や表示の順番を変更するためのものである。
【0034】
切換スイッチ21及び確定スイッチ22の左右には、やや大き目の正方形のスイッチ25〜28が配置されている。これらのスイッチ25〜28は、燃料電池発電システム20の主要な機能を指示するためのスイッチである。このうち、スイッチ26は燃料電池発電ユニット1の主電源となるFC停止スイッチ、スイッチ27は貯湯ユニット12の主電源となる給湯入/切スイッチ、スイッチ28は風呂の湯面レベルの維持及び湯温の維持を自動的に行うためのふろ自動スイッチである。
【0035】
静粛運転スイッチ25は、燃料電池発電ユニット1の静粛モードの動作内容を決めるためのスイッチであって、静粛モードを実施する際の動作設定として、燃料電池発電ユニット1の起動、停止及び高出力動作を禁止する時間帯の設定と、燃料電池発電ユニット1の出力範囲の設定を行う。
【0036】
(1−1−6)リモコン17による静粛モード時の動作設定の手順
続いて、リモコン17による静粛モード時の動作設定の手順の一例について、説明する。静粛運転スイッチ25を押した場合、表示パネル19にまず「静粛運転時間」という表示がなされ、切換スイッチ21を押すと、「禁止動作」、「出力制限範囲」が順次表示される(図2参照)。
【0037】
表示パネル19に「静粛運転時間」を表示した状態で、ユーザがプラスボタン23及びマイナスボタン24を操作すると、静粛運転開始時間と静粛運転終了時間の選択が可能であり、時間を選択し終えてから確定スイッチ22を押すことで、静粛モードを実施する時間帯が確定する。
【0038】
また、表示パネル19に「禁止動作」を表示した状態で、ユーザがプラスボタン23及びマイナスボタン24を操作すると、「起動」、「停止」、「高出力」という動作状態を示す文字が順次点滅し、さらに文字が点滅している状態で確定スイッチ22を押すことにより、点滅している動作状態を禁止することになる。
【0039】
「禁止動作」の選択に際して、「高出力」動作を禁止することを選択した場合、表示パネル19の表示は「出力制限範囲」に切り替わる。表示パネル19に「出力制限範囲」を表示した状態で、ユーザがプラスボタン23及びマイナスボタン24を操作すると、燃料電池発電ユニット1の出力制限範囲を選択可能であり、出力制限範囲の数値を選択し終えた時点で確定スイッチ22を押すことにより、出力制限範囲が確定する。
【0040】
(1−1−7)静粛モード時の発電制御装置11の動作
ここで、燃料電池発電ユニット1にて動作状態の禁止又は制約を実行する静止モードについて、発電制御装置11の観点から説明する。すなわち、リモコン17から燃料電池発電ユニット1の起動の禁止時間帯を設定した旨の制御信号を発電制御装置11が受け取った場合には、たとえ学習制御モードに沿って指令送出部11bが発電制御部11aに起動指令を送ったとしても、起動禁止時間帯内であれば、発電制御部11aは、燃料電池スタック4を停止状態のまま維持するようになっている。
【0041】
また、リモコン17にて燃料電池発電ユニット1の停止の禁止時間帯を設定した旨の制御信号を発電制御装置11が受け取った場合には、仮に学習制御モードに沿って指令送出部11bが発電制御部11aに停止指令を送ったとしても、停止禁止時間帯内であれば、発電制御部11aは、燃料電池スタック4を停止させることなく、燃料電池スタック4を最低出力レベルで出力制御するように構成されている。
【0042】
さらに、リモコン17にて燃料電池発電ユニット1の高出力の禁止時間帯を設定し、さらに出力制限範囲を最低出力〜50%出力として設定した旨の制御信号を発電制御装置11が受け取ったときは、発電制御部11aが指令送出部11bから受け取る指令に関係なく、発電制御部11aは燃料電池スタック4の出力レベルに関して最低出力〜50%出力の出力レベル範囲で燃料電池スタック4を制御するように構成されている。
【0043】
(1−2)作用
以上の構成を有する本実施形態に係る燃料電池発電システム20では、ユーザがリモコン17を用いて、静粛モードを実施する際の燃料電池発電ユニット1の動作設定を行うと、リモコン17は制御信号を燃料電池発電ユニット1の発電制御装置11へと送る。発電制御装置11の発電制御部11aは、リモコン17から受信した制御信号に基づいて、燃料電池スタック4の出力レベルを制御し、燃料電池発電ユニット1を学習制御モードあるいは静粛モードで運用する。
【0044】
以下、燃料電池発電ユニット1の実動作の一例について、図3〜図6のタイミングチャートを参照して説明する。図3〜図6において、縦軸は発電制御装置11によって制御される燃料電池スタック4の出力レベルの変化(簡単のため発電停止、最低出力、50%出力、75%出力、最高出力の5段階で表示している)、横軸は1日の時刻(0時〜24時)であり、実線は学習制御モードで制御される場合の燃料電池スタック4の出力レベルである。
【0045】
経済性を優先させた学習制御モードによる燃料電池スタック4の出力レベルについて、時刻ごとの変化に述べると、前日の22時〜2時が50%出力、2時〜7時が発電停止、7時〜8時が50%出力、8時〜10時が最高出力、10時〜11時が75%出力、11時〜14時が最低出力、14時〜19時が発電停止、19時〜22時が最高出力である(図3〜図6共通)。
【0046】
また、図3〜図6において、太点線は静粛モードで制御された際の特徴的な動き(つまり実線で示した学習制御モードと比べて)となる燃料電池スタック4の出力レベルである。さらに、一点鎖線は燃料電池発電ユニット1に関してリモコン17により動作設定された静粛モードの設定内容を示すものである。
【0047】
図3は燃料電池発電ユニット1について起動を禁止する時間帯と起動を許可する時間帯、図4は燃料電池発電ユニット1について停止を禁止する時間帯と停止を許可する時間帯、図5は燃料電池発電ユニット1について起動及び停止を禁止する時間帯と起動及び停止を許可する時間帯、図6は燃料電池発電ユニット1における燃料電池スタック4の出力レベル範囲が最低出力〜50%出力に制約された時間帯と制約が解除される時間帯を示している。
【0048】
(1−2−1)起動禁止時間帯を含むタイムチャート
まず、図3のタイムチャートでは、リモコン17によって、静粛モードとして燃料電池発電ユニット1の起動禁止が設定された場合について説明する。ここでは、0時〜8時が静粛モードを実施する燃料電池発電ユニット1の起動禁止時間帯、8時〜24時(0時)が燃料電池発電ユニット1の起動を許可する時間帯である(一点鎖線参照)。
【0049】
このような静粛モードにて運用される燃料電池発電ユニット1では、8時までは起動禁止時間帯であるため7時になっても起動することがなく、起動が許可される8時になってから起動を開始することになる。このとき、学習制御モードの8時における出力レベルである最高出力まで一気に燃料電池スタック4の出力レベルを上げる(太点線参照)。また、8時以降は燃料電池発電ユニット1の起動を許可する時間帯なので、燃料電池スタック4の出力レベルは学習制御モードと同様の実動作をとる。
【0050】
(1−2−2)停止禁止時間帯を含むタイムチャート
続いて、図4のタイムチャートを用いて、リモコン17によって、静粛モードとして燃料電池発電ユニット1の停止禁止が設定された場合について説明する。ここでは、0時〜8時が静粛モードを実施する燃料電池発電ユニット1の停止禁止時間帯、8時〜24時(0時)が燃料電池発電ユニット1の停止を許可する時間帯である(一点鎖線参照)。
【0051】
このような静粛モードにて運用される燃料電池発電ユニット1では、8時までは停止禁止時間帯であるため、学習制御モードとは異なり夜の2時の時点で燃料電池スタック4の出力レベルは発電が停止することがなく、燃料電池スタック4の出力レベルは最低出力まで低下する。
【0052】
そして、7時以降は燃料電池発電ユニット1の停止を許可する時間帯なので、燃料電池スタック4の出力レベルは学習制御モードと同様の実動作をとる。15時から21時は起動禁止時間帯なので、停止を保持し、21時以降の出力レベルは学習制御モードと同様の実動作をとる。
【0053】
(1−2−3)起動及び停止の禁止時間帯を含むタイムチャート
次に、図5のタイムチャートを用いて、リモコン17によって、静粛モードとして燃料電池発電ユニット1の起動及び停止禁止が設定された場合について説明する。ここでは、0時〜8時が静粛モードを実施する燃料電池発電ユニット1の起動及び停止禁止時間帯、8時〜15時が燃料電池発電ユニット1の停止を許可する時間帯である(一点鎖線参照)。
【0054】
このような静粛モードにて運用される燃料電池発電ユニット1では、8時までは停止禁止時間帯であるため、学習制御モードとは異なり夜の2時の時点で停止することがなく、燃料電池スタック4の出力レベルが最低出力まで低下する。そして、7時以降は燃料電池発電ユニット1の停止を許可する時間帯なので、燃料電池スタック4の出力レベルは学習制御モードと同様の実動作をとる。
【0055】
(1−2−4)出力レベルの制約時間帯を含むタイムチャート
図6のタイムチャートは、リモコン17によって、静粛モードとして燃料電池発電ユニット1の高出力が禁止され、且つ燃料電池スタック4の出力レベル範囲が最低出力〜50%出力に制約された場合について説明する。ここでは、0時〜11時と14時〜20時が静粛モードを実施する燃料電池スタック4の出力レベルを制約する時間帯、11時〜14時と20〜24時(0時)が燃料電池スタック4の出力レベルの制約を解除する時間帯である(一点鎖線参照)。
【0056】
このような静粛モードにて運用される燃料電池発電ユニット1では、11時までは出力レベルの制約時間帯であるため、学習制御モードとは異なり、夜の2時の時点で停止することがなく、燃料電池スタック4の出力レベルが最低出力となる。この状態が7時まで続き、燃料電池スタック4の出力レベルは上限が50%出力なので、7時になると最低出力から50%出力まで上昇する。
【0057】
ただし、8時以降も出力レベルの制約時間帯が続くので、燃料電池スタック4の出力レベルは50%出力に抑えられ、出力レベルの制約が解除される11時までこの状態が継続する。11時〜14時までは、燃料電池スタック4の出力レベルの制約が解除される時間帯なので、燃料電池スタック4の出力レベルは学習制御モードと同様の実動作をとる。
【0058】
14時になると、再度、燃料電池スタック4の出力レベルを制約する時間帯に入るため、燃料電池スタック4は学習制御モードのように停止するのではなく、その出力レベルは最低出力となり、この状態が19時まで続く。学習制御モードに従えば、19時になると燃料電池スタック4の出力レベルは最高出力となるが、19時以降も出力レベルの制約時間帯が続くので、燃料電池スタック4の出力レベルは50%出力に抑えられ、この状態が20時まで続く。そして、出力レベルの制約が解除される20時となって、はじめて燃料電池スタック4の出力レベルは最高出力となる。
【0059】
(1−3)効果
以上述べたように、本実施形態の静粛モードでは、「禁止動作」の選択に際して、燃料電池発電ユニット1の「起動」又は「停止」を禁止することを選択した場合、発電中の燃料電池発電ユニット1は発電状態のままで停止動作に移行することがない。反対に、停止中の燃料電池発電ユニット1は停止状態のままで起動動作に移行することがない。
【0060】
さらに、静粛モードでの「禁止動作」の選択に際して、燃料電池発電ユニット1の「高出力」を禁止することを選択した場合、「出力制限範囲」でのみ燃料電池発電ユニット1が動作する。このため、燃料電池発電システム20は高出力状態で運転されることがなく、燃料電池発電ユニット1の動作音を抑えることができる。
【0061】
このように、本実施形態では燃料電池発電ユニット1の動作状態に変化がなければ、燃料電池発電ユニット1の動作音が変わることがない。したがって、燃料電池発電システム20を住宅密集地で運用しても、騒音問題が起こることがなく、優れた静粛性を発揮することができる。
【0062】
上記の本実施形態に係る燃料電池発電システム20によれば、ユーザがリモコン17を操作することで、静粛モードで制御される燃料電池スタック4の動作内容を簡単に設定することができる。このため、設定にあわせて運転音を低減又は排除した静粛モードに切り替えることができ、ユーザが望むタイミングと設定内容に基づいて、燃料電池発電ユニット1を運用可能である。したがって、暗騒音の低下した夜間や住宅密集地であっても、ユーザの意図を的確に反映して、起動や停止、高出力運転時の騒音を確実に取り除くことができ、静粛性が向上する。
【0063】
(2)他の実施形態
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、燃料電池発電ユニット1や貯湯ユニット12の構成要素は適宜変更可能であり、リモコン17の形状や設置場所等は適宜選択可能である。また、静粛モードにて燃料電池スタック4を制御する時間帯や学習制御モードにて制御する時間帯の設定や、燃料電池スタック4の出力レベル範囲や上限等も、適宜変更自由である。
【0064】
さらには、以下のような実施形態も包含する。すなちわ、図7に示すように、燃料電池発電ユニット1に燃料電池発電システム20の周囲の外気温を検知する外気温度センサ18を設け、リモコン17で、静粛モードに移行するための基準となる基準外気温の設定を行うようにしてもよい。
【0065】
この実施形態では、表示パネル19に「静粛運転移行外気温」を表示した状態で、ユーザがプラスボタン23及びマイナスボタン24を操作すると、静粛モードに移行するための基準外気温(例えば、夏日の目安となる気温25℃)を設定可能であり、基準外気温を設定し終えた時点で確定スイッチ22を押すことにより、静粛モードに移行するための基準外気温が確定する。
【0066】
以上の実施形態によれば、外気温が高くなって、窓の開いている家が多い状況となった場合に、仮にユーザが静粛モードの動作設定をし忘れていても、自動的に静粛モードに移行する。このため、燃料電池発電ユニット1の静粛性を高めて運転することが可能である。したがって、住宅密集地へ燃料電池発電システム20を適用する場合に好適であり、燃料電池発電システム20と隣家との距離が短くても、騒音問題が起こる心配がない。
【0067】
また、図8に示すように、燃料電池発電ユニット1に燃料電池発電システムの周囲の騒音を検知する騒音センサ29を設け、リモコン17で、静粛モードに移行するための基準騒音レベルの設定を行うようにした実施形態も含まれる。この実施形態では、表示パネル19に「静粛運転に移行する騒音レベル」を表示した状態で、ユーザがプラスボタン23及びマイナスボタン24を操作すると、静粛モードに移行するための基準となる基準騒音レベルを設定可能であり、基準騒音レベルを設定し終えた時点で確定スイッチ22を押すことにより、静粛モードに移行するための基準騒音レベルが確定する。
【0068】
上記の実施形態によれば、燃料電池発電ユニット1の運転音に対して、周囲の騒音が十分に小さい場合には自動的に静粛モードに移行することができ、暗騒音に対応して常に優れた静粛性を発揮可能である。したがって、燃料電池発電システム20は、柔軟な静粛性を持つことができ、住宅の立地条件に対応して、優れた静粛性を維持しつつ、最大限のエネルギー効率を引き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る燃料電池発電システムの代表的な実施形態の構成図。
【図2】本実施形態におけるリモコンの説明図。
【図3】本実施形態において起動禁止時間帯を含む際のタイミングチャート。
【図4】本実施形態において停止禁止時間帯を含む際のタイミングチャート。
【図5】本実施形態において起動及び停止禁止時間帯を含む際のタイミングチャート。
【図6】本実施形態において出力レベルの制約時間帯を含む際のタイミングチャート。
【図7】本発明に係る他の実施形態を説明するためのリモコンを含めた説明図。
【図8】本発明に係る他の実施形態を説明するためのリモコンを含めた説明図。
【図9】一般的な燃料電池発電システムの説明図。
【符号の説明】
【0070】
1…燃料電池発電ユニット
2…改質器
3…CO変成・除去器
4…燃料電池スタック
5…排ガス凝縮熱交換器
6…水タンク
7…電池冷却水ポンプ
8…改質水ポンプ
9…排熱回収ポンプ
10…空気ブロワ
11…発電制御装置
11a…発電制御部
11b…指令送出部
12…貯湯ユニット
13…貯湯タンク
14…冷却モジュール
15…温度センサ
16…給湯制御装置
17…リモコン
18…外気温度センサ
19…表示パネル
20…燃料電池発電システム
25…静粛運転スイッチ
26…FC停止スイッチ
27…給湯入/切スイッチ
28…ふろ自動スイッチ
29…騒音センサ
30…バックアップ給湯器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気及び熱を発生させる燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの出力制御を行う発電制御手段と、前記発電制御手段に対し起動指令及び停止指令を送る指令送出手段とを有する燃料電池発電ユニットと、
前記燃料電池スタックで発生した熱を利用して作った温水を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクの給湯制御を行う給湯制御手段とを有する貯湯ユニット、が設けられた燃料電池発電システムにおいて、
前記燃料電池発電ユニットの停止禁止時間帯を設定する停止禁止時間帯設定手段が具備され、
前記発電制御手段は、前記指令送出手段から前記停止指令を受け取った場合でも、前記停止禁止時間帯設定手段が設定した前記停止禁止時間帯内であれば、前記燃料電池スタックを発電状態のまま維持して制動音の発生を抑える静粛モードで前記燃料電池スタックを制御するように構成されたことを特徴とする燃料電池発電システム。
【請求項2】
前記燃料電池発電ユニットの起動禁止時間帯を設定する起動禁止時間帯設定手段が具備され、
前記発電制御手段は、前記指令送出手段から前記起動指令を受け取った場合でも、前記起動禁止時間帯設定手段が設定した前記起動禁止時間帯内であれば、前記燃料電池スタックを停止状態のまま維持する静粛モードで前記燃料電池スタックを制御するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池発電システム。
【請求項3】
前記発電制御手段は、前記指令送出手段から前記停止指令を受け取った場合でも、前記停止禁止時間帯設定手段が設定した前記停止禁止時間帯内であれば、前記静粛モードにおいて前記燃料電池スタックを最低出力レベルで出力制御するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池発電システム。
【請求項4】
前記起動禁止時間帯設定手段及び前記停止禁止時間帯設定手段の少なくとも一つが家屋内に設置されるリモコンに組み込まれたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項5】
前記燃料電池発電システムの周囲の気温を検知する温度検知手段と、
基準となる気温を設定する基準気温設定手段と、
前記基準気温設定手段にて設定した基準気温に基づいて前記温度検知手段の検知した気温を判定する気温判定手段が設けられ、
前記気温判定手段が前記温度検知手段の検知した気温が前記基準気温を超えたと判定した場合、前記発電制御手段は前記静粛モードで前記燃料電池スタックを制御するように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項6】
前記燃料電池発電システムが設置されている周辺の騒音を検知する周辺騒音検知手段と、
基準となる騒音を設定する基準騒音設定手段と、
前記基準騒音設定手段にて設定した基準騒音に基づいて前記周辺騒音検知手段の検知した周辺騒音を判定する付近騒音判定手段、が設けられ、
前記周辺騒音判定手段が前記周辺騒音検知手段の検知した周辺騒音が前記基準騒音よりも小さいと判定した場合、前記発電制御手段は、前記静粛モードにて前記燃料電池スタックを制御するように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項7】
前記発電制御手段は、過去のデータから最も経済的な運用を選択する学習制御モードにより前記燃料電池スタックを制御するように構成され、且つ前記静粛モードの方が前記学習制御モードよりも優先するように構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
【請求項8】
電気及び熱を発生させる燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの出力制御を行う発電制御手段と、前記発電制御手段に対し起動指令及び停止指令を送る指令送出手段を有する燃料電池発電ユニットと、
前記燃料電池スタックで発生した熱を利用して作った温水を貯える貯湯タンクと、前記貯湯タンクの給湯制御を行う給湯制御手段とを有する貯湯ユニット、が設けられた燃料電池発電システムの制御方法であって、
前記燃料電池発電ユニットの停止禁止時間帯を設定する停止禁止時間帯設定ステップと、
前記指令送出手段が前記発電制御手段に対し前記停止指令を送る停止指令送出ステップと、
前記停止指令送出ステップにて前記発電制御手段に対し前記停止指令を送出した場合でも、前記停止禁止時間帯設定ステップにて設定した前記停止禁止時間帯内であれば、前記燃料電池スタックを発電状態のまま維持して制動音の発生を抑える静粛モードステップ、を含むことを特徴とする燃料電池発電システムの制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77569(P2013−77569A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257427(P2012−257427)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2008−159598(P2008−159598)の分割
【原出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(301060299)東芝燃料電池システム株式会社 (358)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】