説明

燃料電池

【課題】本発明は、発電セルの形態を問わず燃料電池の内部に蓄積した逆拡散水の量を正確に計測する事が出来る燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】燃料が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極とに挟持された固体高分子電解質膜と、を備える発電部と、前記燃料を蓄える燃料源と、前記燃料極と前記燃料源との間に備えられ前記燃料極に対する前記燃料の供給を行う供給手段と、前記供給手段を制御し、前記燃料の供給を停止した場合、前記燃料極側の燃料極空間と前記燃料極空間の外部との連通を制御し、前記燃料極空間を前記外部と遮断し閉鎖空間を形成する制御部と、前記閉鎖空間の内部圧を計測する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で計測した前記内部圧力の変化量と前記閉鎖空間との体積から、前記閉鎖空間に蓄積した液水の量を算出する演算部とを備える事を特徴とする燃料電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガス燃料を利用して発電を行う燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
現在燃料電池には多数の方式が存在するが、電子機器に用いられる燃料電池は、そのシステムの小型化・簡素化が容易である事から固体高分子形燃料電池の適用が有望視されている。固体高分子形燃料電池は、燃料極と酸化剤極と両極に挟持された固体高分子電解質膜とから成る単電池によって構成され、燃料極側にメタノールや水素等の燃料を供給し、酸化剤極側に酸化剤気体、例えば酸素や空気を供給し、これらの電気化学反応により電力を発生する。その中でも燃料極に水素を供給する直接水素型燃料電池は発電電圧が高く高出力の発電が可能であると期待されている。
【0003】
ところで燃料電池の発電反応の過程で酸化剤極において水が生成される。酸化剤極で生成された水の多くは空気中に蒸発するが、温度や湿度等の運転環境によって固体高分子電解質膜を通して逆拡散水として燃料極に移動する。逆拡散水は微量であれば燃料電池の発電反応に影響はないが、継続した発電を行った場合には燃料極の内部に蓄積することによって触媒層表面を覆ってしまい拡散過電圧の増大を引き起こして発電性能の著しい低下を招くフラッディング状態に陥ってしまう事がある。
【0004】
そこで燃料極の内部に蓄積した逆拡散水を燃料電池の外部に放出する水除去技術が提案されている。燃料電池で使用される燃料ガスの放出に伴って燃料電池の外部へ逆拡散水を放出するパージ技術や、逆拡散水の蓄積した発電セルの出力を増大させることで抵抗過電圧を増大させ発熱量を増やし発電部を高温にして逆拡散水を蒸発させるという技術が知られている。しかし上述の逆拡散水除去方法では、例えばパージ技術は燃料ガスを外部に放出する事による燃料の損失や危険性の問題、出力増加法では高温動作による燃料電池構成部材への熱的損傷の問題が存在する為、逆拡散水の除去動作は適切なタイミングで行う必要がある。
【0005】
上記課題に対し、逆拡散水による燃料電池の状態異常を検出する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に係わる燃料電池は、燃料ガスの供給を受けて発電する発電対と、発電体と接しながら発電体の表面に沿って延びる燃料ガス流路を有する燃料電池と、燃料ガス流路に燃料ガスを供給する燃料ガス供給機構とを備え、燃料ガス流路の下流を閉塞して運転を行う状態であるデッドエンド運転状態と、燃料ガス流路の下流から排出されるガスの排出量を燃料ガス流路に流れ込むガスの量に比して微小量にして運転を行う状態である少量排気運転状態とのうち、少なくとも一方の運転状態を実現する。また燃料ガス流路の上流のガス圧力と、燃料ガス流路の下流のガス圧力との差を測定する測定手段を備え、測定手段で測定した圧力差に基づいて燃料電池の異常を検出する。上記技術によれば、燃料極の内部に逆拡散水が蓄積した場合に燃料ガス流路の上流と下流とを流れるガスの差圧から、フラッディング状態の検出を行う事が出来る。
【0006】
しかしながら上述の特許文献1に係る燃料電池では、発電体内の圧力損失の総和からフラッディングであるか否かを検出するため、複数存在している燃料電池において逆拡散水の蓄積量にばらつきがあった場合に、個々の単位セル内の逆拡散水の量を計測する事が出来ない。すなわち少数の単位セルのみに逆拡散水が蓄積してしまった場合には、その単位セルだけを見るとフラッディングが生じているにも係わらず、燃料電池システム全体としてはフラッディングが生じていないと判定される恐れがある。また1つの単位セルによって構成される燃料電池システムにおいては燃料ガス流路の上流と下流の圧力差を検出するため流路や圧力センサ等の圧力測定系が複雑化して燃料電池の体積の大型化を招いてしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−259590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、発電セルの形態を問わず燃料電池の内部に蓄積した逆拡散水の量を正確に計測する事が出来る燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の燃料電池の第1の特徴は、燃料が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極とに挟持された固体高分子電解質膜と、を備える発電部と、前記燃料を蓄える燃料源と、前記燃料極と前記燃料源との間に備えられ前記燃料極に対する前記燃料の供給を行う供給手段と、前記供給手段を制御し、前記燃料の供給を停止した場合、前記燃料極側の燃料極空間と前記燃料極空間の外部との連通を制御し、前記燃料極空間を前記外部と遮断し閉鎖空間を形成する制御部と、前記閉鎖空間の内部圧を計測する圧力検出手段と、前記圧力検出手段で計測した前記内部圧力の変化量と前記閉鎖空間との体積から、前記閉鎖空間に蓄積した液水の量を算出する演算部とを備える事を要旨とする。
かかる特徴によれば制御部によって形成された閉鎖空間の内部容積と閉鎖空間内の燃料圧力の低下傾向から、閉鎖空間の内部に蓄積した逆拡散水の量を精度良く計測する事が可能である。
【0010】
また本発明の燃料電池の第2の特徴は、第1の特徴の燃料電池において、前記発電部の発電に伴い変動する物理量を計測する物理量検出手段を有し、前記制御部は、前記物理量に応じて前記閉鎖空間の形成を制御する事を要旨とする。
かかる特徴によれば燃料電池の運転状態に応じて、液水量が蓄積する傾向にある場合のみに液水計測動作を行う為、液水計測動作を適切なタイミングで行い安定した発電を持続する事が出来る。
【0011】
また本発明の燃料電池の第3の特徴は、第1または2の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記閉鎖空間と前記発電部の外部とを接続する接続路を備え、前記接続路は、前記閉鎖空間の内部物質が前記外部に移動できる開状態と、前記内部物質が移動できない閉状態とからなる開閉弁を備え、前記制御部は、前記演算部が算出した前記液水が規定量以上である場合に、前記開閉弁を前記開状態に制御する事を要旨とする。
かかる特徴によれば液水計測動作によって燃料極空間に液水が溜まっていた場合には、開閉弁を開状態にすることにより接続路を介して液水を発電部の外部へと放出する事が出来るため、液水が燃料極を覆う事によって低下した発電性能を回復させ、安定した発電を持続して行う事が出来る。
【0012】
また本発明の燃料電池の第4の特徴は、第1から3の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記発電部の温度を制御する温度制御部を備え、前記演算部が算出した前記液水が規定量以上である場合に、前記温度制御部は、前記発電部の温度を上昇させる事を要旨とする。
かかる特徴によれば液水計測動作によって燃料極空間に液水が溜まっていた場合には、温度制御部によって発電部の温度を上昇させて液水を蒸発させる事により、液水が燃料極を覆う事によって低下した発電性能を回復させ、安定した発電を持続して行う事が出来る。
【0013】
また本発明の燃料電池の第5の特徴は、第4の特徴に記載の燃料電池において、前記温度制御部は、前記発電部の発電量を制御する発電制御部を備え、前記発電制御部は、前記発電量を上昇させる事で、前記発電部の温度を上昇させる事を要旨とする。
かかる特徴によれば温度制御部は発電部自体であるので、液水を除去するための燃料電池の構成を簡素化する事が出来る。
【0014】
また本発明の燃料電池の第6の特徴は、第4の特徴に記載の燃料電池において、前記温度制御部は、前記発電部に対して熱を与える加熱手段を備え、前記加熱手段を動作させる事で、前記発電部の温度を上昇させる事を要旨とする。
かかる特徴によれば温度制御部は発電部に対して熱を与える加熱手段であり、燃料電池の発電状況に係らず液水除去動作を確実に行う事が出来る。
【0015】
また本発明の燃料電池の第7の特徴は、第1から6の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記発電部の外部に備えられ、前記燃料極空間に接続される気液分離部と、前記気液分離部により分離された気体を前記発電部に供給する燃料循環路を備える事を要旨とする。
かかる特徴によれば気液分離部によって燃料と液水が除去され燃料のみを発電部に再度供給をする事ができるため、燃料を無駄にすることなく燃料電池の安定した発電を持続する事が出来る。
【0016】
また本発明の燃料電池の第8の特徴は、第1から7の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、複数の前記発電部を有する事を特徴とする。
かかる特徴によれば発電部を複数有する燃料電池においても液水の計測をする事が可能である。
【0017】
また本発明の燃料電池の第9の特徴は、第8の特徴に記載の燃料電池において、前記制御部は、複数の前記発電部のそれぞれに対し、前記閉鎖空間の形成を制御し、前記圧力検出手段は、複数の前記セルのそれぞれの前記閉鎖空間の前記内部圧力を計測する事を要旨とする。
かかる特徴によれば発電部を複数有する燃料電池において、各発電セルの燃料極空間中の液水量を個別に計測する事が出来る。
【0018】
また本発明の燃料電池の第10の特徴は、第2から9の特徴に記載の燃料電池において、前記物理量は、電圧である事を要旨とする。
かかる特徴によれば定電流負荷や定電力負荷で燃料電池を行った場合に、電圧情報を読み取ることによって燃料極空間への液水の侵入の傾向を把握することが出来るため、液水計測動作を適切なタイミングで行い安定した発電を持続することができる。
【0019】
また本発明の燃料電池の第11の特徴は、第2から10の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記物理量は、電流である事を要旨とする。
かかる特徴によれば定電圧負荷や定電力負荷で燃料電池を行った場合に、電流情報を読み取ることによって燃料極空間への液水の侵入の傾向を把握することが出来るため、液水計測動作を適切なタイミングで行い安定した発電を持続することができる。
【0020】
また本発明の燃料電池の第12の特徴は、第2から11の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記物理量は、時間である事を要旨とする。
かかる特徴によれば燃料電池を運転する際の負荷や温度などの条件が予め分かっている場合に、発電開始からの経過時間によって燃料極空間への液水の侵入の傾向を把握することが出来るため、液水計測動作を適切なタイミングで行い安定した発電を持続することができる。
【0021】
また本発明の燃料電池の第13の特徴は、第2から12の特徴のいずれかに記載の燃料電池において、前記物理量は、温度である事を要旨とする。
かかる特徴によれば第2から12の特徴の燃料電池において検出する物理量に加え、発電部の温度を計測する事によって、燃料極空間への液水の侵入の傾向をさらに精度良く把握することが出来るため、液水計測動作を適切なタイミングで行いより安定した発電を持続することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、燃料極に燃料として気体が供給される燃料電池において、発電セルの形態を問わず燃料極内に蓄積した逆拡散水の量を正確に測定する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例に係る燃料電池システムの概略構成である。
【図2】本発明の実施の形態1における燃料電池の構成図である。
【図3】固体高分子電解質膜と酸化剤極及び燃料極の部分拡大図である。
【図4】燃料電池を動作したときの閉鎖空間の圧力の遷移図である。
【図5】本発明の実施の形態2における燃料電池の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態2の変形例における燃料電池の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態3における燃料電池の構成図である。
【図8】発電部及び燃料供給の構成を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
図1から図4に基づいて本発明の実施の形態1における燃料電池1の実施例を説明する。
図1には本発明の一実施例に係る燃料電池システム100の概略構成、図2には燃料電池1の構成図、図3には固体高分子電解質膜21と酸化剤極22及び燃料極23の部分拡大図、図4は本実施例の燃料電池1を動作したときの閉鎖空間の圧力の遷移図を示している。
【0025】
図1に示されるように、燃料電池1は、発電部2と、燃料源3、制御ユニット4から構成される。燃料電池1で発電した電力は使用機器5に対して供給される。制御ユニット4には制御部43や演算部44のような電気信号を制御する機能部品が納められる。また燃料電池1で発電した電力を使用機器5に合わせて整流する制御回路が含まれていても良い。
【0026】
図2に示すように発電部2は固体高分子電解質膜21を酸化剤が供給される酸化剤極22と燃料が供給される燃料極23が挟持する事によって形成される。本発明の燃料電池1において酸化剤とは通常は大気中の酸素を利用する事が一般的であるが、特に発電量の大きい燃料電池1に対しては窒素等の不純物質の影響を除外するために酸素ボンベ等から高濃度の酸素を供給する場合もある。大気中の酸素を利用する場合には常に酸素の供給を受けられるように酸化剤極22は大気中に開放されている。また固体高分子電解質膜21を有する燃料電池1において燃料極23に供給する燃料にはメタノールやエタノールといった液体燃料、また気化したメタノールや水素等の気体燃料が適用される。本発明の燃料電池1は燃料極23中の水による発電能力低下に係るものであるため、気体燃料を燃料極23に供給する。燃料として水素を使用するために燃料極23は大気と遮断されている必要があり、その為に燃料極23を覆う燃料極筐体24が備えられている。
【0027】
燃料は燃料源3から燃料極23に対して供給される為、燃料源3の中に収容される。ここで燃料源3の中での燃料の貯蔵形態であるが、例えば高圧ボンベや水素吸蔵合金等のように内部に水素を直接保存している状態や、化学反応によって燃料である水素を作り出す燃料前駆体として保存されていても良い。燃料前駆体の具体例としては水素化ホウ素ナトリウム・水素化アルミなどの水素化化合物やアルミ等の金属や水・酸や貴金属等の触媒を含む触媒溶液等が挙げられる。このような燃料前駆体を利用する場合には複数の種類の燃料前駆体を移動させて接触させ反応させることで水素を発生させる。また燃料源3の内部に収容される燃料及び燃料前駆体の量には限りがあるため、図1の点線で区切られているように燃料源3を別対として着脱自在なカートリッジ構造にしても良い。カートリッジ構造にする事で燃料源3内の燃料及び燃料前駆体の残量が低下した際に新たな燃料源3に交換する事で燃料電池1の連続発電時間を延ばす事が可能である。
【0028】
燃料源3に存在する燃料は供給手段41によって燃料極23へと供給される。ここで供給手段41の具体例として、ポンプや圧力レギュレータや弁体や燃料発生装置が挙げられる。燃料源3として高圧ボンベや水素吸蔵合金を用いる場合には、燃料源3と燃料極23を直接接続すると高圧の燃料が燃料極23に供給され燃料極23の内部圧力と発電部2の外部圧力の差によって機械的破壊を生じる可能性がある。そこで図2のように燃料極23と燃料源3との間にポンプや圧力レギュレータを介して燃料の供給量及び供給圧力を制御する。また燃料極23に対する燃料供給・停止動作を確実に行う為には弁体を利用する事が好ましい。また燃料源3として燃料前駆体を反応させて燃料を供給する場合には、燃料極23と燃料源3とを直接接続し、燃料の発生速度を制御することによって発電部2に適切な量の燃料を供給することが出来る。また燃料の発生量が大きくなってしまった場合の対策としてポンプや圧力レギュレータをさらに設けることも可能である。また燃料源3と発電部2との位置が離間している場合には、両者の間に内部の燃料の流通を可能にする供給路を設けても良い。
【0029】
供給手段41は燃料の供給を停止したとき、燃料極筐体24によって形成された燃料極空間234を、燃料源3内の空間を含む燃料極23外部の空間と遮断する機能を有する。即ちポンプや圧力レギュレータであれば開閉動作を行う弁を有し燃料が供給されない時には弁が閉鎖する、燃料供給源であれば燃料前駆体の移動部分に弁を有し燃料が供給されない時には弁が閉鎖するといった例が挙げられる。供給手段41は制御部43によって燃料の供給または停止状態のどちらかを保持するように制御される。
【0030】
また本発明の燃料電池1には閉鎖空間内の内部圧力を測定するべく圧力センサに代表される圧力検出手段42が設けられている。圧力検出手段42は閉鎖空間内の圧力を計測できればその設置位置は問わず、発電部2や燃料源3や供給路のいずれに配置されていても良い。圧力検出手段42は演算部44に電気的に接続され、圧力情報は演算部44に送られる。
【0031】
次に酸化剤極22と燃料極23との詳細な構成と発電部2の発電動作を図3を用いて説明する。固体高分子電解質膜21は白金、ルテニウム、コバルトに代表される触媒が担持されたカーボン粒子が全面に塗布された層である触媒層を表面に有している。触媒の例を上に挙げたが、発電部2の発電反応においてプロトンを生成できるものであれば触媒の種類はこれには限らない。触媒層221・231は酸化剤極22側の触媒層221と燃料極23側の触媒層231というように両面に配置されている。更に酸化剤極22側と燃料極23側の両面の触媒層221・231の表面には導電性と通気性を両立するガス拡散層を有している事が好ましい。ガス拡散層は燃料を透過するために多孔質となっており、また導電性を得るべく金属やカーボン等の導電体によって形成される。
【0032】
燃料極空間234に与えられた燃料はガス拡散層中の空孔を通して燃料極23側の触媒層231へと到達し、触媒上で以下に示す反応が生じプロトンと電子へと変わる。
【0033】
2 →2H++2e - (式1)
触媒上で発生したプロトンは固体高分子電解質膜21中を移動して酸化剤極22側の触媒層221へと運搬される。また電子は触媒層221・231よりも導電性の高いガス拡散層中を移動して図示していない外部回路へと移動する。外部回路の先には燃料電池1で発電した電力により駆動する電子機器が接続されており、さらに電子機器の先には酸化剤極22側のガス拡散層222と接続される。またガス拡散層は触媒層221・231と比較すると電気抵抗は低いが、金属やカーボンに比べると電気抵抗は高い為に、固体高分子電解質膜21の面積が広い場合には外部回路へと移動する間に抵抗成分が加わり電圧が低下してしまう。このような電圧低下を改善する為に、ガス拡散層の触媒層221・231と接する面と反対側の面に接するようにガス拡散層よりも導電性の高いカーボン樹脂や金属で形成された電極板を設けても良い。
【0034】
一方酸化剤極22側では空気中の酸素がガス拡散層中の空孔を通して酸化剤極22側の触媒層221へと到達する。酸化剤極22側の触媒層221では固体高分子電解質膜21を通して運搬されたプロトンと酸素と外部回路を通して移動してきた電子と以下の反応を起こし水を生成する。
【0035】
(1/2)O2 +2H++2e -→H2 O (式2)
このような電気化学反応を経て燃料電池1は電力を発生し電子機器を駆動する事ができる。こうして生成された電子は両極のガス拡散層上に接するように備えられた集電板223・233を通して使用機器5へと供給される。集電板223・233は燃料及び酸化剤を供給するための穴や流路が設けられている事が望ましい。
【0036】
ここで酸化剤極22において発生した水の多くは酸化剤極22に面する大気へ蒸発するが、一部は固体高分子電解質膜21を通して燃料極23へと透過する。燃料極23へと移動した水は燃料極空間234へと蒸発するが、燃料極空間234は閉鎖空間である為に蒸気圧が運転状態の温度における飽和水蒸気圧に達すると水は液滴として燃料極部に溜まり始める。また酸化剤極22が大気に面している場合には、空気中の気体が固体高分子電解質膜21を通して燃料極空間234へと透過してくる。透過してくる気体の主成分のうち酸素は燃料極23上でプロトン反応して水になるが、窒素は燃料極空間234の内部に留まり続ける。
【0037】
次に図4を用いて本発明の燃料電池1の動作について説明を行う。図4は一定の負荷で燃料電池1を発電させた時の、燃料極空間234内の液水量計測時の圧力遷移図である。燃料電池1を通常発電させている状態では燃料源3から発電に十分な量の燃料が供給されるため、燃料極空間234の内部圧力は低下せずほぼ一定の値で推移する(区間a)。そして制御部43によって供給手段41による燃料極23への燃料の供給が停止されると閉鎖空間が形成される(区間b)閉鎖空間では燃料源3から燃料が供給されないため閉鎖空間の内部圧力は徐々に低下していく。ここで閉鎖空間の形成時の圧力をP1、閉鎖空間の内部圧力が低下したときの圧力をP2とする。燃料極23に液水が溜まっている状態では閉鎖空間中の燃料が占める体積が少ない為、液水が溜まっていない状態と比較してP2に至るまでの時間が早くなる。例えば燃料極空間234の1/2を液水が占めている場合には液水がない状態と比較して燃料が占める体積が半分であるため、図4の区間b´における破線で示すようにP1からP2に至るまでの時間も半分になる。このように燃料極空間234内に液水が溜まっていない状態でのP1からP2に至るまでの時間を予め把握していれば、演算部44が得たP1からP2に至るまでの時間と比較することにより液水の量を検出する事が出来る。なお固体高分子膜やシール部からの不純物質の燃料供給空間への侵入をより確実に防止するためにP2は大気圧P0以上に設定することが好ましい。
【0038】
また負荷が変動する場合においては演算部44が電流のP1からP2に至るまでの電流の積算量を基準にして液水の量を計算することが出来る。固体高分子形燃料電池1で0℃1atmの条件下で1Aの発電に使用する水素量は1cc/minである。この事から演算部44が圧力情報と同時に電流情報も読み取っていればP1からP2に至るまでに使用した水素量から、閉鎖空間の中で燃料が占める容積を算出する事が出来る。ここで予め閉鎖空間の体積を把握していれば、その差分から液水の蓄積量を精度良く検出することが可能である。
【0039】
また上述の液水計測動作を行うタイミングを規定するために、本発明の燃料電池1は発電部2の発電に伴い変動する物理量を計測する物理量検出手段を備えている事が望ましい。制御部43は物理量の変化を読み取り、燃料極空間234中の液水が増加傾向であると判断した時に供給手段41の供給を遮断して閉鎖空間を形成して液水計測動作を行う。ここで物理量の具体例としては、発電部2の電圧、電流、時間、温度が挙げられる。
【0040】
固体高分子形燃料電池1のI−V特性で知られているように、負荷電流密度が増大すると電池内部のイオン及び電子の導電抵抗に起因する抵抗過電圧により電圧が低下する。そのため定電流運転を例にとって考えた場合、液水によって燃料極23の一部が覆われてしまうと残りの領域で同量の電流を負荷させる為に、負荷電流密度の増大に伴って電圧が低下する。ただしあくまでも電圧の低下は燃料極23が液水によって覆われる面積に比例するため、正確な液水の量は不明だが液水が蓄積している傾向を把握する事が出来る。負荷電流が変動するような発電状態においても予め燃料電池1のI−V特性を把握しておく事で、電圧値から負荷電流密度を予測でき液水が燃料極23を覆う領域を関連付けることが可能である。このように発電部2の電圧を計測して適切なタイミングで液水計測動作を行う事が可能である。また燃料電池1で発電した電力を使用する使用機器5が一定の出力で定格運転をする場合、燃料電池1は低電力運転をする場合が多い。その場合燃料極23が液水で覆われると、電圧低下を補う為に更に大きな電流を負荷する必要がある。このように電流の増大を計測することにより適切なタイミングで液水計測動作を行う事も出来る。また発電を開始してからの時間を基準にして液水計測動作を行っても良い。発電の化学反応の過程で酸化剤極22で生成された液水は、時間経過に伴って燃料極空間234へと蓄積していく。燃料電池1を発電させる環境の温度条件、負荷条件が予めわかっている場合においては燃料電池1が発電を開始してから液水が蓄積するまでの時間が経過した段階で液水計測動作を行う。またこの時燃料空間中に液水が蓄積していなければ通常運転に移行し時間を置いて再度液水計測動作を行う。ここに記した物理量検出はそれぞれ単独で行っても良いし、複数種類の物理量の検出を組み合わせて行っても良い。また液水が蓄積している傾向の把握をより確実にする為、さらに発電部2の温度を検出し温度情報と組み合わせて液水計測動作を行っても良い。前述のように酸化剤極22において発生した水の多くは酸化剤極22に面する大気へ蒸発するが、大気の温度や大気と接する酸化剤極22自体の温度が低い場合には水が蒸発しにくい。その為上述の物理量と組み合わせて、外部環境や酸化剤極22の温度が低い場合には液水計測動作を頻繁に行う事で、液水が蓄積して発電性能が著しく低下する前に液水量を正確に計測する事が可能である。このように演算部44が発電に伴って変化する物理量に関する情報から、液水計測動作を行う事で圧力の増減が伴う液水計測動作の回数を最小限に抑えた安定した発電を行う事が可能となる。
【0041】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における燃料電池1の構成図を図5に示す。なお、本実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図5を用いて本実施の形態2について説明する。
本実施の形態における燃料電池1は、実施の形態1の燃料電池1の構成に加え、液水を除去させる手段として、発電部2の外部と閉鎖空間を接続する接続路25と、発電部2の温度を制御する温度制御部46を有する。
【0042】
接続路25は流路であり、内部を閉鎖空間の内部物質の流通が可能である開状態と、閉鎖空間と燃料電池1外部が遮断された閉状態のいずれかの状態を取る開閉弁44を有している。通常発電時においては燃料の燃料電池1外部への過大な漏洩を防ぐ為に開閉弁44は閉状態となっている。そして液水計測動作によって演算部44が閉鎖空間の内部に除去に必要な液水量が蓄積していると判断した場合には開閉弁44は開状態となる。なお液水計測動作によって閉鎖空間の内部圧力がP2の時点で大気圧P0を下回っていた場合には、開閉弁44を開状態にしてしまうと圧力差により燃料極空間234に対して大気中の気体が逆流してしまう。そのため開閉弁44を開く際には閉鎖空間中の圧力を制御部43で読み取り、圧力が大気圧P0を下回っていた場合には燃料極23に燃料を供給して燃料極23を陽圧にする必要がある。そして燃料極空間234が大気圧P0よりも高い状態になったところで開閉弁44を開状態にすると、燃料が燃料極空間234から燃料電池1外部へと流出する。この時燃料の流れの勢いに伴って燃料極空間234に蓄積した液水も燃料電池1外部へと除去される。
【0043】
また温度制御部46は発電部2の温度を上昇させる発熱源であり、望ましくは燃料極23若しくは酸化剤極22の近傍に備えられていることが好ましい。液水計測動作によって演算部44が閉鎖空間の内部に除去に必要な液水量が蓄積していると判断した場合には温度制御部46によって発電部2に熱を与える。発電部2の温度が上昇すると燃料極23側では燃料極空間234の温度に伴って飽和水上気圧が上昇し、燃料極空間234に蓄積した液水が蒸発しやすい状況となる。また酸化剤極22側では酸化剤極22近傍の大気の温度に伴って飽和水上気圧が上昇し酸化剤極22上の液水が蒸発し乾燥した状態になり、燃料極23側の液水が酸化剤極22へと拡散していき燃料極空間234中の液水を除去することが出来る。
【0044】
ここで温度制御部46の具体例として電力を消費して発熱をするヒーターを利用する事が考えられる。この場合ヒーターを動作させるための電力は、使用機器5で使われる電力よりも多くの電力を燃料電池1で発電しその電力を用いる事や、燃料電池1に二次電池等の蓄電手段を設け、蓄熱手段から電力を供給する事が出来る。また燃料電池1を過負荷状態にする事で抵抗過電圧を増大する事により発熱量を増やし、発電部2を高温にする事も可能である。その際には使用機器5での要求電力よりも超過した電力を二次電池等の蓄電手段への充電に用いても良い。
【0045】
上述の液水除去の手段のうちいずれか一方を使用しても良いし、より確実に液水を除去するために両方を併用しても良い。このような方法により燃料極空間234に蓄積した液水を適切なタイミングで除去をする事が出来る。
【0046】
(実施の形態2の変形例)
本発明の実施の形態2の変形例における燃料電池1の構成図を図6に示す。なお、本実施の形態1および形態2と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。
【0047】
本実施の形態における燃料電池1は、実施の形態2の燃料電池1の構成に加え、発電部2の外部に備えられ燃料極空間234と接続される気液分離部47を備える。気液分離部47は燃料極空間234と接続路25を介して通じており、燃料電池1の発電反応において発生した液水を除去する。また気液分離部47は液水を除去した後の燃料を強制的に燃料循環路を通して発電部2に送る事によって燃料の循環を行う。燃料の強制的な循環はポンプ等の流体移動装置471によって実現され、ポンプは制御部43によって発電の状況に応じて運転が制御される事が望ましい。
【0048】
燃料循環路が発電部2と接続される場所は燃料供給空間や供給路や燃料源3など、発電部2に対して燃料を供給できるのであればどこであっても良い。また閉鎖空間中の燃料量の変動がないように液水計測動作中には気液分離部47から燃料が供給されない事が望ましく、循環路上に弁体が存在していても良い。
【0049】
液水計測動作によって燃料極空間234中に液水が蓄積したと計測された場合には、気液分離部47による燃料の循環量を増大させて、燃料の移動に伴って燃料供給空間に蓄積した液水を勢い良く気液分離部47に移動させる。また実施の形態2でも記述したように温度制御部46の動作によって水を除去しても良い。
【0050】
上述の方法により燃料が移動して液水量が把握し難い燃料循環型の構成においても、液水計測動作中に燃料の循環を停止する事で、燃料極空間234に蓄積した液水の量を正確に測定することが出来る。なお図6では簡略化の為に温度制御部46を示していないが、液水を除去するために本実施例に加えた構造でも良い。
【0051】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における燃料電池システム100の概略構成を図7に示し、発電部2及び燃料供給の構成を示す拡大図を図8に示す。なお、本実施の形態1及び2と同一の部分については同一の符号を付し、同様な構成、動作については説明を省略する。以下図7及び図8を用いて本実施の形態2について説明する。
【0052】
図7に示すように本実施例の燃料電池1は発電部2を有する複数の発電セルを有しており、燃料源3から与えられた燃料が複数の発電セルのそれぞれに供給される。また図8(a)に示すように、発電部2は複数の発電セルが積層されたスタック体になっていても良い。スタック構造にすることによって発電セルを保持するエンドプレートを共用できるため、小さい体積で発電部2を作製する事が可能となる。またスタック構造にする場合には燃料極筐体24を導電性を有する部材にし、燃料極筐体24の一部に燃料極23及び酸化剤極22と接する突出部241を設けることによって効率的で低抵抗の配線をする事が可能である。
【0053】
燃料源3から各セルに分配する流路上に燃料の供給を制御する供給手段41を設け、供給手段41から発電セルまでの間に圧力検出手段42を配置している。この構成によれば物理量検出手段によって燃料極23中に液水が蓄積している傾向にある発電セルのみの供給手段41を停止する事で、一つの発電セルの液水量を正確に計測する事が可能である。
【0054】
また図8(b)に示すように燃料源3から各セルに分配する流路の手前に供給手段41を備え、供給手段41から各複数の発電セルの間に圧力検出手段42を有し、さらに圧力検出手段42から各複数の発電セルの間に内部を流体の移動を行う開状態と物体の移動を遮断する閉状態を有する複数の独立弁48を備える構造でも良い。この構成の場合、供給手段41による燃料供給を停止した上で、液水計測を行いたい発電セルの独立弁48を開状態にし、その他の全ての独立弁48を閉状態にする。この状態で液水計測動作を行えば開状態にした独立弁48に対応した発電セル内に蓄積した液水のみを計測する事が可能となる。
【0055】
上述の構造によれば複数の発電セルから構成される燃料電池1においても、燃料電池1を発電させた状態で任意の発電セルの内部に蓄積した液水の量を個別に正確に計測する事が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 燃料電池
2 発電部
3 燃料源
4 制御ユニット
5 使用機器
21 固体高分子電解質膜
22 酸化剤極
23 燃料極
24 燃料極筐体
25 接続路
41 供給手段
42 圧力検出手段
43 制御部
44 演算部
45 開閉弁
46 温度制御
47 気液分離部
48 独立弁
100 燃料電池システム
221 触媒層(酸化剤極)
222 ガス拡散層(酸化剤極)
223 集電板(酸化剤極)
231 触媒層(燃料極)
232 ガス拡散層(燃料極)
233 集電板(燃料極)
234 燃料極空間
241 突出部
471 流体移動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極とに挟持された固体高分子電解質膜と、を備える発電部と、
前記燃料を蓄える燃料源と、
前記燃料極と前記燃料源との間に備えられ前記燃料極に対する前記燃料の供給を行う供給手段と、
前記供給手段を制御し、前記燃料の供給を停止した場合、前記燃料極側の燃料極空間と前記燃料極空間の外部との連通を制御し、前記燃料極空間を前記外部と遮断し閉鎖空間を形成する制御部と、
前記閉鎖空間の内部圧を計測する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段で計測した前記内部圧力の変化量と前記閉鎖空間との体積から、前記閉鎖空間に蓄積した液水の量を算出する演算部と
を備える事を特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記発電部の発電に伴い変動する物理量を計測する物理量検出手段を有し、
前記制御部は、前記物理量に応じて前記閉鎖空間の形成を制御する事を特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記閉鎖空間と前記発電部の外部とを接続する接続路を備え、
前記接続路は、前記閉鎖空間の内部物質が前記外部に移動できる開状態と、前記内部物質が移動できない閉状態とからなる開閉弁を備え、
前記制御部は、前記演算部が算出した前記液水が規定量以上である場合に、前記開閉弁を前記開状態に制御する事を特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記発電部の温度を制御する温度制御部を備え、
前記前記演算部が算出した前記液水が規定量以上である場合に、
前記温度制御部は、前記発電部の温度を上昇させる事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記温度制御部は、前記発電部の発電量を制御する発電制御部を備え、
前記発電制御部は、前記発電量を上昇させる事で、前記発電部の温度を上昇させる事を特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記温度制御部は、前記発電部に対して熱を与える加熱手段を備え、
前記加熱手段を動作させる事で、前記発電部の温度を上昇させる事を特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記発電部の外部に備えられ、前記燃料極空間に接続される気液分離部と、
前記気液分離部により分離された気体を前記発電部に供給する燃料循環路を備える事を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項8】
複数の前記発電部を有する事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記制御部は、複数の前記セルのそれぞれに対し、前記閉鎖空間の形成を制御し、
前記圧力検出手段は、複数の前記発電部のそれぞれの前記閉鎖空間の前記内部圧力を計測する事を特徴とする請求項8記載の燃料電池。
【請求項10】
前記物理量は、電圧である事を特徴とする請求項2乃至9のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項11】
前記物理量は、電流である事を特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項12】
前記物理量は、時間である事を特徴とする請求項2乃至11のいずれか一項に記載の燃料電池。
【請求項13】
前記物理量は、温度である事を特徴とする請求項2乃至12のいずれか一項に記載の燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77524(P2013−77524A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218239(P2011−218239)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】