説明

片面平形ショーケース

【課題】風防板を方である前側風防板は他方である後側風防板との二つに分割することで、展開時の閉塞面積は従来どおりのままで、従来収納しきれなかった風防板を取っ手の手前まで収納することができる。このように、風防板を取っ手の手前まで収納することで、コントローラの操作と、温度表示の目視が容易となった。
【解決手段】上部を開放したショーケース本体の片側にはカウンタ部16を形成し、このカウンタ部16に沿って風防板を出し入れ自在に収納する冷気循環式の片面平形オープンショーケースにおいて、風防板を二つに分割し、一方である前側風防板18aは他方である後側風防板18bに対して重合するようにスライド自在に係合させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品や冷蔵食品等の陳列に、上部を開放した平型の冷凍・冷蔵オープンショーケースである片面平形ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等のセルフサービス方式の食品販売店では、冷凍食品や冷蔵食品等の陳列に、上部を開放した平型の冷凍・冷蔵オープンショーケースがよく用いられている。
【0003】
このような平型オープンショーケースの1つとして、図4〜図8に示すように、上部を開放したショーケース本体1の片側にはカウンタ部16を形成した片面平形ショーケースがある。
【特許文献1】特開2009−226058号公報
【0004】
図8に示すように、ショーケース本体1は外箱1aと内箱2とからなり、外箱1aと内箱2の間を循環風路空間3として確保し、この循環風路空間3の一端を吸込口4、他の一端を吹出口5とし形成して、ショーケース本体1の上面開放面に臨ませる。図中6は吹出口5に配設する整流板である。
【0005】
内箱2の内側は庫内として、底部にベースデッキ7を配し、その上にスノコ8を配置して商品収納スペース9として形成する。
【0006】
前記循環風路空間3には、冷凍機の蒸発器(エバポレータ)10を設置し、蒸発器(エバポレータ)10の上流側に配置したファンプレナム11により、送風ファン12を支承した。
【0007】
外箱1の下部は機械室13となり、ここに圧縮器14、凝縮器15等を配置する。
【0008】
上記の構成で、ショーケースの保冷運転時には図示矢印のように冷風が循環送風され、その循環通風の途上で蒸発器(エバポレータ)10との熱交換により低温になった冷気が庫内に吹き出して、ケース本体の上面開放面を閉塞する冷気エアーカーテンを形成し、これが商品収納スペース9に陳列した商品を保冷する。
【0009】
図6はカウンタ部16部分の詳細を示すもので、カウンタ部16はカバーによりケースに形成され、ここを風防板収納部17として、風防板18が出し入れ自在に収納される。
【0010】
風防板18はアクリル板によるもので、図7に示すように、前端側の下側に取っ手19を、上側に露受け20を取り付け、後端側の下側に補強金具21を取り付けた。
【0011】
ショーケース本体1には上面開放面の内側左右にレール22を設け、レール22に載って前記風防板18はスライドする。
【0012】
カウンタ部16の下側には、操作部としてコントローラ23を設けている。図中24は照明である蛍光灯、25はロールブラインド構造のナイトカバーである。
【0013】
風防板18は手動でスライドさせる構造となっていて、展開する際は、風防板18の取っ手19を引き出すことで、風防板収納部17から手前に引き出され、収納する際は、押し戻すことで、風防板収納部17に差し入れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来の風防板18は、収納スペースである風防板収納部17に対してサイズが大きく、収納した際、風防板収納部17からはみ出す構造となっており、下記欠点がある。
1.カウンタ部16のコントローラ23の操作が困難である。
2.カウンタ部16のコントローラ23の温度表示の視認が困難である。
【0015】
本発明は前記不都合を解消し、限られた収納スペースでも従来よりはみ出す長さを少なくし、カウンタ部のコントローラ)の操作性を向上し、温度表示の目視を容易とした片面平形オープンショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の本発明は、上部を開放したショーケース本体の片側にはカウンタ部を形成し、このカウンタ部に沿って風防板を出し入れ自在に収納する冷気循環式の片面平形オープンショーケースにおいて、風防板を二つに分割し、一方である前側風防板は他方である後側風防板に対して重合するようにスライド自在に係合させたことを要旨とするものである。
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、風防板を二つに分割し、一方である前側風防板は他方である後側風防板に対して重合するようにスライド自在に係合させたので、前側風防板と後側風防板とを重合させて、収納することができ、収納しきれなかった部分まで収納することができる。
【0018】
請求項2記載の本発明は、前側風防板は左右側部にコ字形レール材を設け、このコ字形レール材を後側風防板の側部に嵌合させることを要旨とするものである。
【0019】
請求項2記載の本発明によれば、前側風防板は他方である後側風防板に対して重合するようにスライド自在に係合させるのに、側風防板は左右側部にコ字形レール材を設け、このコ字形レール材を後側風防板の側部に嵌合させることで簡単に組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように本発明の片面平形オープンショーケースは、風防板を一方である前側風防板と他方である後側風防板との二つに分割することで、展開時の閉塞面積は従来どおりのままで、従来収納しきれなかった風防板を取っ手の手前まで収納することができる。このように、風防板を取っ手の手前まで収納することで、コントローラの操作と、温度表示の目視が容易となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の片面平形オープンショーケースの1実施形態を示すものとして、風防板展開時の要部の縦断側面図、図2は風防板収納時の要部の縦断側面図で、前記従来例を示す図6と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
【0022】
本発明は、上部を開放したショーケース本体1の片側にはカウンタ部16を形成し、このカウンタ部16に沿って風防板を出し入れ自在に収納する冷気循環式の片面平形オープンショーケースである。
【0023】
なお、片面平形オープンショーケースの全体構造二ついては、図8について説明した通りであり、ここでの説明は省略する。
【0024】
本発明は、図3に示ように前記風防板は、一方である前側風防板18aと後側風防板18bとの二つに分割した。
【0025】
前側風防板18aは本体部であるアクリル板の前端側の下側に取っ手19を、上側に露受け20を取り付け、また、左右側部に開口面を内側としてコ字形レール材26を設け、後端側には断面鉤形の引掛け具27を設けた。
【0026】
後側風防板18bは本体部であるアクリル板の前端側に断面鉤形の引っ掛け具28を設け、後端側の下側に補強金具21を取り付けた。
【0027】
前記前側風防板18aと後側風防板18bとの組み合わせは、前側風防板18aのコ字形レール材26を後側風防板18bの側部に嵌合させ、前側風防板18aが後側風防板18bの上を滑るようにする。
【0028】
なお、コ字形レール材26はスペーサとしての役割もあり、これがショーケース本体1の上面開放面の内側左右に設けたレール22の上に載り、手動でスライドさせる構造となっている。
【0029】
展開する際は、図1に示すように前側風防板18aの取っ手19を引き出すことで、始めに前側風防板18aが引き出され、続いて前側風防板18aに取付いている引っ掛け具27が、後側風防板18bに取付いている引っ掛け具28を引っ掛け、前側風防板18a、後側風防板18bを手前に引き出す。
【0030】
収納する際は、前側風防板18aを押し戻すことで、前側風防板18aに取付いている取っ手19が後側風防板18bの引っ掛け具28を押し、風防板全体が後方へ押され収納される。
【0031】
前側風防板18aにはスペーサ(左右)ともなるコ字形レール材26が取付いているので、後側風防板18bの上に重なり収納される。
【0032】
また、スペーサ(左右)ともなるコ字形レール材26が前側風防板18aを浮かせているので、前側風防板18aと後側風防板18bはラップしても干渉しない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の片面平形オープンショーケースの1実施形態を示すものとして、風防板展開時の要部の縦断側面図である。
【図2】本発明の片面平形オープンショーケースの1実施形態を示すものとして、風防板収納時の要部の縦断側面図である。
【図3】本発明の片面平形オープンショーケースで使用する風防板の側面図である。
【図4】本発明の片面平形オープンショーケースの風防板展開時の斜視図である。
【図5】本発明の片面平形オープンショーケースの風防板収納時の斜視図である。
【図6】従来例を示す側面図である。
【図7】従来の風防板を示す側面図である。
【図8】片面平形オープンショーケースの全体構造を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ショーケース本体 1a 外箱
2 内箱 3 環風路空間
4 吸込口 5 吹出口
6 整流板 7 ベースデッキ
8 スノコ 9 商品収納スペース
10 蒸発器(エバポレータ)
11 ファンプレナム 12 送風ファン
13 機械室 14 圧縮器
15 凝縮器 16 カウンタ部
17 風防板収納部 18 風防板
18a 前側風防板 18b 後側風防板
19 取っ手 20 露受け
21 補強金具 22 レール
23 コントローラ 24 蛍光灯
25 ナイトカバー 26 コ字形レール材
27 引掛け具 28 引っ掛け具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部を開放したショーケース本体の片側にはカウンタ部を形成し、このカウンタ部に沿って風防板を出し入れ自在に収納する冷気循環式の片面平形オープンショーケースにおいて、
風防板を二つに分割し、一方である前側風防板は他方である後側風防板に対して重合するようにスライド自在に係合させたことを特徴とする片面平形オープンショーケース。
【請求項2】
前側風防板は左右側部にコ字形レール材を設け、このコ字形レール材を後側風防板の側部に嵌合させる請求項1記載の片面平形オープンショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−250987(P2011−250987A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126765(P2010−126765)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(510146137)三菱電機冷熱応用システム株式会社 (33)
【Fターム(参考)】