説明

物品展示用ホルダー

【課題】ショーウインドウの背景板などの化粧立面の前方にてパイプを展示できるようにし、展示されたパイプが購入者などから確認し易くなるようにする。
【解決手段】パイプホルダー1を、化粧立面aへの取付のビス6を後部に備えている円柱状の化粧ステー2と、化粧ステー2の前部に位置し、一対の爪部9の間でパイプaのシャンクdを着脱可能に保持する掴み手段4とから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば喫煙用具の一つであるパイプなどの物品を展示する場合に用いる物品展示用ホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプという喫煙用具を商品としてショーケースなどにて展示、陳列する場合には、例えば、特許文献1に示されているように、パイプのボウルを乗せる位置として凹面が形成されている底板と、この底板の上方の位置であってパイプのマウスピースを掛けるに適した切り欠きが設けられている受け板とからなるパイプスタンドが用いられている。もちろん、ショーケース内での陳列に際してのみでこのようなパイプスタンドが使用されているわけではなく、卓上として広く利用されている。なお、パイプを置くための用具とは異なるが、パイプを携帯する際の不具合の解消を目指して、パイプをタバコケースと一体的にするためのホルダーが特許文献2に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第239148号公報
【特許文献2】実開昭62−049991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したショーケースは一般的には上板を透明なカウンタ面としていて、店員が顧客に対面接客できるようにそのショーケース自体は低い位置にあって、このようなショーケース内でパイプスタンドを利用してパイプを展示しているため、購入者の目線が下がって商品を見下ろすようになり、側面形状に独特なフォルムをもつパイプについては形状確認が行ない難いものである。そのため、特定のパイプの形状や質感を強くアピールして購入者側の購買意欲をより一層高めるようにする場合には、その購入者側の目線を、例えば絵画を鑑賞する如く高い位置となるようにすることが望ましく、興味を持った購入者側も顔を近づけて間近でそのパイプ全体を確認し易くもなる。しかしながら、現状においては、絵画展示方式のように化粧立面やその化粧立面の前方にパイプを展示できるようにする保持具は何ら提案されていない。
【0005】
そこで本発明は上記事情に鑑み、ショーウインドウの背景板などの化粧立面の前方にてパイプを展示できるようにすることを課題とし、展示されたパイプが購入者などから確認し易くなるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、ショーウインドウの背景板などの前方に展示物が配される化粧立面への取付用の一本のビスを後部に備えて、ビスが中心線上に位置する円柱状の化粧ステーと、前記化粧ステーの前部に位置し、弾性を有する一対の爪部の間でパイプのシャンクを着脱可能に保持する掴み手段とからなることを特徴とする物品展示用ホルダーを提供して上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、化粧立面の前方に化粧ステーの長さ分の間隔をおいてパイプが保持されるようになるため、ショーウインドウの透明な前面板を介してもパイプが間近な位置で見ることができ、パイプをより際立させて展示できるようになる。そして、パイプホルダーの取付高さ位置を選択してパイプホルダーを化粧立面にビス止めするという簡易な作業で、購入者などから見易い高さに設定することができるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る物品展示用ホルダーの一例を示す説明図である。
【図2】一例の使用例を示す説明図である。
【図3】一例の断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに本発明を図1から図3に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は物品展示用ホルダーであるパイプホルダーを示している。このパイプホルダー1は図1に示されているように円柱状の化粧ステー2と、この化粧ステー2の前部であって円板状の正面板3に取り付けられた掴み手段4とからなるものである。前記化粧ステー2は円筒の胴体5の一端側に前記正面板3を固定配置してこの部分を化粧ステー2の前部とするとともに、胴体5の他端側も円板状の後面板6を固定配置してこの部分を化粧ステー2の後部とし、該後部に、ショーウインドウの背景板などの前方に展示物が配される化粧立面aに開口したビス孔bを通る取付用の一本のビス7を設けている。図2に示すようにこのビス7を前記ビス孔bに通した後、例えば図示のごとくワッシャを配するとともにナットにて化粧立面aの背面側から締め付けることで、胴体5、即ち、パイプホルダー1全体が化粧立面aの前面に突出する状態にして取り付けられる。ビス7はその胴体の中心線上に位置していて、かつ、胴体5が円筒状であるため、化粧立面aの背面側で前記ナットを緩めて、胴体5をその中心線周りに回転させてから、再びナットを締めつけても、胴体5が回転したことを看者からは分かり難くしている。このように化粧ステー2はその中心線周りの外周形状に方向性が生じないように設けられており、後述のようにパイプを保持させた後、そのパイプとともにパイプホルダー1をパイプの傾き調整という程度の範囲で回転させても、パイプの傾きが変化しただけに見えるようにしている。
【0010】
化粧ステー2の前部に位置する上記掴み手段4は、正面板3への取付座8の端部それぞれから爪部9がホルダー前方に向けて延設され、図2に示されているようにその一対の爪部9の間でパイプcのシャンクdを着脱可能に保持する。掴み手段4全体は弾性素材から成形されていて、爪部9それぞれの反りや変形にて爪部間が拡開し、その爪部9の間に差し入れたシャンクdを爪部それぞれが元の状態に復元しようとする作用で保持するものであり、パイプの着脱に際しては人の手で行えるものとされている。なお、10は掴み手段4を正面板3に取付固定するビスを示している。
【0011】
パイプホルダー1にて保持されたパイプcの傾き調整に際しては、上述のように化粧立面の背面のナットを完全に緩めなくとも、パイプを保持したパイプホルダーが自由回転しないナットの締め付け力としておけば、パイプホルダー1を伴なったパイプの傾き設定が頗る簡単になる。
なお、物品展示用ホルダーの一例としてパイプホルダーを例示したが、本発明はパイプホルダーに限定されず、掴み手段で保持できる形状部分がある展示物に対応するホルダーであればよい。
【符号の説明】
【0012】
1…パイプホルダー
2…化粧ステー
3…正面板
4…掴み手段
5…胴体
7…ビス
9…爪部
a…化粧立面
b…ビス孔
c…パイプ
d…シャンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーウインドウの背景板などの前方に展示物が配される化粧立面への取付用の一本のビスを後部に備えて、ビスが中心線上に位置する円柱状の化粧ステーと、前記化粧ステーの前部に位置し、弾性を有する一対の爪部の間でパイプのシャンクを着脱可能に保持する掴み手段とからなることを特徴とする物品展示用ホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−45275(P2011−45275A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195595(P2009−195595)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)