説明

特に土木機械における液圧ラインを接続するための急速接続カップリングならびにその交換可能な付属装置およびツール

本発明は、特に土木機械、ならびに、その交換可能な付属部品およびツールにおける液圧ラインを接続するための急速接続カップリング(15)に関する。急速接続カップリング(15)は、液圧流体を移送するために結合軸に沿って解放可能に結合され得る第1の接続部品および第2の接続部品(15aまたは15b)を備える。結合中の軸力を避けるために、移送されるべき液圧流体は、結合状態で、結合軸に対して直角に一方の接続部品(15aまたは15b)から抜け出て、結合軸に対して直角に他方の接続部品(15bまたは15a)に入る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木機械における液圧ラインを接続する技術分野に関し、また、他の液圧接続部と同様にそのツールおよび付属部品に関する。本発明は、請求項1の前文に係る急速接続カップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
液圧接続のための公知の急速接続カップリングは接続状態で軸力を引き起こし、この軸力は、接続ニップルのピストン領域によって形成され、液圧力によって増大される。したがって、小型の接続部では、しばしば、耐力ボールの列を有するロック機構が設けられる。
【0003】
大きな開口の接続では、大型のネジ付きスクリュージョイントが不可欠である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、公知の急速接続カップリングの欠点を回避するとともに、特に、液圧接続において軸力が生み出されないという事実によって区別される急速接続カップリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1の特徴部の全体によって達成される。本発明の核心は、結合状態で、移送されるべき液圧流体が、結合軸に対して直角に一方の接続部品から抜け出て、結合軸に対して直角に他方の接続部品に入るように、急速接続カップリングが構成されているという点にある。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、液圧流体の移送のための同軸環状空間が、軸方向両側がシールされて、2つの接続部品間に形成され、また、2つの接続部品が、径方向孔を介して環状空間により液圧流体を交換することができることを特徴とする。
【0007】
この実施形態の好ましい改良点は、2つの接続部品が雌接続部品と雄接続部品とを備え、雄接続部品が、第1の同軸孔を伴う第1の同軸接続ピストンを備え、雌接続部品が、第1の接続ピストンを受けるための第2の同軸孔を伴う第2の同軸接続ピストンを備え、同軸環状空間が、第1の接続ピストンを第2の接続ピストンの第2の同軸孔内に挿入する際に形成され、第1の接続ピストンの第1の径方向孔が、第1の同軸孔から同軸環状空間内へと通じ、第2の接続ピストンの第2の径方向孔が、同軸環状空間から第2の接続ピストンの周囲の外部空間へと通じているという事実によって区別される。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、2つの接続部品のそれぞれには液圧流体のための外側接続部が配置され、また、好ましくは差し込み/引き抜き動作によって作動され得るバルブ機構が設けられ、該バルブ機構は、接続部品が引き離されるときに接続部それぞれ及び第1の同軸孔と第2の接続ピストンの周囲の外部空間との間の液圧接続を遮断するとともに、接続部品が互いに差し込まれるときに接続部のそれぞれと第1の同軸孔と第2の接続ピストンの周囲の外部空間との間に液圧接続を形成する。
【0009】
特に、バルブ機構はそれぞれ、接続ピストンに対して軸方向に移動できる摺動スリーブを備え、該摺動スリーブは、接続ピストンを同心的に取り囲むとともに、内径が拡大されたオーバーフロー空間の中央に位置される貫通孔を有し、接続ピストンは、貫通孔を、周方向シールによって、2つの部分へと分割し、該2つの部分は、互いにシール状態で分離されるとともに、接続ピストンと摺動スリーブとの特定の相対位置が与えられて周方向スリーブがオーバーフロー空間内に存在するときだけ互いに連通する。
【0010】
他の実施形態は、各接続部品がハウジングを有し、接続ピストンがそれぞれ上記ハウジングに対して固定されるように接続され、摺動スリーブがハウジングに対して軸方向に移動でき、特に、摺動スリーブが、差し込み方向に対抗する圧縮スプリングの力に抗して引き込み可能であるという事実によって区別される。
【0011】
本発明の他の実施形態は、第2の接続ピストンの第2の同軸孔内に閉塞ピストンが配置され、該閉塞ピストンは、接続部品が引き離されるときに第2の同軸孔を外側で閉じ、接続部品が互いに差し込まれるときに圧縮スプリングの圧力に抗して第1の接続ピストンから第2の同軸孔内へ引き込まれることを特徴とする。
【0012】
特に簡略化されたアセンブリを目的として、接続部が接続ピストンの後端に配置されれば有益であり、また、接続ピストンを、液圧ラインが接続されるときに、後側からハウジング内に挿入してハウジングに締結できれば有益である。
【0013】
本発明の別の実施形態は、第1の接続部品に液圧流体のための第1の空間が設けられ、該第1の空間が結合軸の方向に延びるとともに、第1の接続部品の接続ラインと一端で連通し、第2の接続部品に液圧流体のための第2の空間が設けられ、該第2の空間が結合軸の方向に延びるとともに、第2の接続部品の接続ラインと一端で連通し、第1の空間を第1の閉塞機構によって他端で閉じることができ、第1の閉塞機構が分離状態で第1の空間をシールするとともに、結合状態で第1の空間を開放し、第2の空間を第2の閉塞機構によって他端で閉じることができ、第2の閉塞機構が分離状態で第2の空間をシールするとともに、結合状態で第2の空間を開放し、空間および閉塞機構がいずれも、結合状態で液圧流体が2つの空間の間を略径方向に流れるように構成されることを特徴とする。
【0014】
空間を閉じるための2つの閉塞機構には、圧力状態によって、金属が金属上にシール状態で位置するシールポイントが形成されることが好ましい。
【0015】
特に、2つの上記空間は、結合軸に対して同心的に配置される環状空間として形成される。
【0016】
更なる実施形態は、第1の接続部品の環状空間が、中央軸方向ピストンとピストンロッドを距離を隔てて同心的に取り囲む内側摺動スリーブとの間に形成され、内側摺動スリーブとピストンロッドの前端に配置される接続ピストンとによって関連する閉塞機構が形成され、第2の接続部品の環状空間が、摺動スリーブと該摺動スリーブを距離を隔てて同心的に取り囲む外側チューブとの間に形成され、摺動スリーブと前端がテーパ状を成す外側チューブとによって関連する閉塞機構が形成され、第1の接続部品の内側摺動スリーブおよび接続ピストンが同じ外径を有し、第2の接続部品の外側チューブのテーパ状端部および摺動スリーブが同じ内径を有し、上記外径が上記内径にほぼ等しく、それにより、結合プロセスにおいて、内側摺動スリーブおよび接続ピストンが外側チューブのテーパ状端部および摺動スリーブ内へと移動できるという事実によって区別される。
【0017】
特に、第1の接続部品の閉塞機構は、結合プロセスにおいて、内側摺動スリーブがスプリングの圧力に抗して固定された接続ピストンに対して後方へ押されることによって開放され、第2の接続部品の閉塞機構は、結合プロセスにおいて、摺動スリーブがスプリングの圧力に抗して外側チューブの固定されたテーパ状端部に対して後方へ押されることによって開放される。
【0018】
他の実施形態は、摺動スリーブを第1の接続部品内で移動させるために、内側摺動スリーブを同心的に取り囲む外側摺動スリーブが設けられ、該外側摺動スリーブが軸方向に移動できるとともに、第2の接続部品の外側チューブによって作動されることができ、摺動スリーブを第2の接続部品内で移動させるために、摺動スリーブによって同心的に取り囲まれる閉塞ピストンが設けられ、該閉塞ピストンが、軸方向に移動できるとともに、第1の接続部品の接続ピストンによって作動され、第1の接続部品には、外側摺動スリーブと接続ピストンとの間に、また、第2の接続部品には、閉塞ピストンと外側チューブのテーパ状端部および摺動スリーブとの間にシールが配置され、閉塞機構は、シールが完全にカバーされるときにだけ開放するという事実によって区別される。
【0019】
また、逆止弁の効果を得るための手段が閉塞ピストンに組み込まれ、該手段は、特に、閉塞ピストンに形成される弁孔を内側から油密様態で閉じる薄い弁ディスクを備える。
【0020】
更に、小さい逃がし溝が接続ピストンおよび閉塞ピストンに凹状に形成され、小さい溝が閉塞ピストンの端面に凹状に形成されれば有益である。
【0021】
以下、図面に関連して本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の例示的な実施形態に係る、急速接続カップリングが接合ポイントに配置された、土木機械、例えば掘削機の延在部を備えたアームを示している。
【図2】図1に係る急速接続カップリングの雄接続部品を分解描写で示している。
【図3】図1に係る急速接続カップリングの雌接続部品を分解描写で示している。
【図4】結合前の組み付け状態における図2,3の2つの接続部品を示している。
【図5】結合状態における図4の2つの接続部品を示している。
【図6】図2および3の2つの接続部品のハウジングカバーに対して接続ピストンを締結するための締結手段の軸方向平面図を示している。
【図7】結合前の組み付け状態における本発明の他の例示的な実施形態に係る2つの接続部品を示している。
【図8】結合状態における図7の2つの接続部品を示している。
【図9】ブロック状態で組み合わされる図4および図5に係る複数の急速接続カップリングを備える急速接続システムを示している。
【図10a】図10a〜10eは、本発明の他の例示的な実施形態に係る急速接続カップリングを様々な部分図で示しており、結合プロセスにおける様々な段階が部分図で描かれ、部分図10cが部分図10bの拡大された詳細を示している。
【図10b】図10a〜10eは、本発明の他の例示的な実施形態に係る急速接続カップリングを様々な部分図で示しており、結合プロセスにおける様々な段階が部分図で描かれ、部分図10cが部分図10bの拡大された詳細を示している。
【図10c】図10a〜10eは、本発明の他の例示的な実施形態に係る急速接続カップリングを様々な部分図で示しており、結合プロセスにおける様々な段階が部分図で描かれ、部分図10cが部分図10bの拡大された詳細を示している。
【図10d】図10a〜10eは、本発明の他の例示的な実施形態に係る急速接続カップリングを様々な部分図で示しており、結合プロセスにおける様々な段階が部分図で描かれ、部分図10cが部分図10bの拡大された詳細を示している。
【図10e】図10a〜10eは、本発明の他の例示的な実施形態に係る急速接続カップリングを様々な部分図で示しており、結合プロセスにおける様々な段階が部分図で描かれ、部分図10cが部分図10bの拡大された詳細を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る急速接続カップリングは、素早い簡単な方法で液圧ラインを互いに解放可能に接続しなければならない多種多様な分野で使用することができる。特に重要な適用分野は、土木機械(例えば、掘削機など)およびそのツール並びに付属部品の分野である。図1には、1つの適用例として、掘削機(図示せず)のアーム10が示されており、このアーム10の一端には延在部11が付加される。掘削機からは第1の液圧ライン14がアーム10に沿って延びており、これらの液圧ラインは、延在部11に沿ってツールなどに至る第2の液圧ライン13に対して接合ポイント12で接続されるようになっている。第1および第2の液圧ライン14,13を解放可能に接続するため、液圧ライン13,14の数に対応する多くの急速接続カップリング15が接合ポイント12の領域に配置され、これらの急速接続カップリングは本発明の好ましい例示的実施形態にしたがって実現される(急速接続カップリング15に対する液圧ライン13,14の接続は図1に暗示されているだけであり、ラインがトレースされていない)。
【0024】
図1からの液圧カップリング15のうちの1つが、差し込まれていない状態で図4に示されるとともに、互いに差し込まれた状態で図5に示されている。液圧ライン15は、液圧接続を形成するために互いに解放可能に差し込むことができる2つの接続部品15a,15bを備える。接続部品15aは雌接続部品として構成され、接続部品15bは雄接続部品として構成される。急速接続カップリング15の2つの接続部品15a,15bの内部構造が図3および図2にそれぞれ分解表示で描かれている。図2の雄接続部品15bは、端壁17によって端面(差し込み方向で見て)で閉じられる中空円筒状のハウジング16を備える。端壁17には接続開口18が設けられており、組み付け状態では、この接続開口を通じて、摺動スリーブ19の前部20が延出する。この摺動スリーブは、それが軸方向(軸A)に移動できるようにハウジング16内に装着される(図4の右側参照)。
【0025】
摺動スリーブ19は、外径が拡大された中央部21を有しており、この中央部21によって端壁17の内面に当接する。ハウジング16はハウジングカバー25によって後側が閉じられ、ハウジングカバー25は、締結手段41の取り付けのための離間されたネジ穴26a,26bを有する。ハウジングカバー25には同心開口27が設けられており、この同心開口を通じて摺動スリーブ19を後側からハウジング16内へ軸方向に挿入することができる。摺動スリーブ19は、接続ピストン29の(シール形成)受け部としての役目を果たす中央同軸貫通孔22を有する。摺動スリーブ19の貫通孔22は、内径が拡大された部分を中央部21に有しており、この部分は、摺動スリーブ19の後述するバルブ機能に関連して、オーバーフロー空間23としての役目を果たす。
【0026】
円筒状の接続ピストン29はハウジング16内に装着固定される。このため、接続ピストンには、直径が広げられたピストンフート38が後端(図2の右側)に設けられており、該ピストンフートは同軸環状溝39を有する。接続ピストン29が、その前端によって摺動スリーブ19の貫通孔22内に挿入されるとともに、摺動スリーブ19と共にハウジング25の開口27を通じて後側からハウジング16内へ導入されると、ハウジングカバー25の外面がピストンフート38の環状溝39の前側壁と面一となって終端する。その後、半円クランプ42,43を、両側から環状溝39内へ挿入して、締結ネジ46,47によってハウジングカバー25に螺合することができる(図4の右側)。したがって、接続ピストン29は、ハウジングカバー25に対して強固に接続されるとともに、ハウジング16に対しても強固に接続される。接続ピスト29を同心的に取り囲む摺動スリーブ19とピストンフート38との間には圧縮スプリング24が配置され、この圧縮スプリングは、ピストンフート38に当接するとともに、摺動スリーブ19の中央部21を端壁17に対して押し付けて与圧する。
【0027】
接続ピストン29は、両側からピストン内へと達する2つの同心的な盲孔32,37を有する。前側(図2では左側)の盲孔32はストッパ28によって閉じられる。前側の盲孔32の外部空間に対する接続は、接続ピストン29の外面上の2つの軸方向に離間された同心シール36間に配置される1つ以上の径方向孔30によって形成される。2つのシール36の結果として、接続ピストン29が対応する孔内に挿入されるときに、前側盲孔32と連通する同軸環状空間(図5の82)が形成される。
【0028】
2つの盲孔32,37間の中間分には、接続ピストン29の外面上に周方向シール34が配置される。シール34の両側において、接続ピスト29は一部分がその外径に関してテーパ状になっている。テーパ状部分では、接続孔33a,33bおよび35a,35bが外部空間へと開放しており、これらの接続孔は、シール34の前後で、盲孔32,37を外部空間に対して接続する。後側の盲孔37は、後端で(ピストンフート38において)、液圧ラインの接続のための接続ネジ40と接続状態になっている。
【0029】
図3に分解表示で示され且つ図4の左側に組み付け状態で示される雌接続部品15aは、図2に対してほぼ鏡像を成した構造を有する。ここでも、同心開口50を伴う端壁49を有する中空の円筒状ハウジング48が存在し、このハウジングは、軸方向に移動可能な第2の摺動スリーブ55を受ける。摺動スリーブ55は、第2の接続ピストン64を受けるための中央同軸貫通孔58を有する。第2の接続ピストン64も、同様に、環状溝73を伴うピストンフート72を有しており、2つのクランプ76,77と締結ネジ80,81とを備える類似の締結手段75によって、対応するハウジングカバー61に対して螺合される。ハウジングカバー61には、締結ネジ80,81のためのネジ穴62a,62bと、同心開口63とが設けられており、同心開口63を通じて第2の摺動スリーブ55およびピストンフート72を押し込むことができる。
【0030】
第2の摺動スリーブ55は、前部56が開口50を通じて端壁49内に突出するとともに、厚肉の中央部57が端壁の内面と当接する。中央部57と第2の接続ピストン64のピストンフート72との間には圧縮スプリング60が配置されており(図4の左側)、この圧縮スプリングは、中央部57およびピストンフート72に対して当接するとともに、摺動スリーブ55を端壁49に対して押し付けて与圧する。
【0031】
第2の摺動スリーブ55も同軸貫通孔58を有しており、この同軸貫通孔は、オーバーフロー空間59を形成するために中央部でその内径が広くなっている。第2の接続ピストン64も、両側からピストン内へと達する2つの同心的な盲孔68,71を有する。2つの盲孔68,71間の中間分には、第2の接続ピストン64の外面上に周方向シール69が配置される。シール69の両側において、接続ピスト64は一部分がその外径に関してテーパ状になっている。シール69の左側の一方のテーパ状部分では、接続孔70a,70bが外部空間へと開放しており、これらの接続孔は、シール69の後側で、左側(後側)盲孔71を外部空間に対して接続する。他方の盲孔68は、内径が僅かに拡大されたカップリング空間67を有しており、このカップリング空間内で、径方向孔66が外方へ通じて前側盲孔68を外部空間に接続する。第2の接続ピストン64の前端で、シール69の右側に位置されるテーパ状部分は、シール形成リング構成部65によって終端される。後側の盲孔71は、後端で(ピストンフート72において)、液圧ラインの接続のための接続ネジ74と接続状態になっている。前側の盲孔68内には、更なる圧縮スプリング54によって外方へ与圧される閉塞ピストン51が軸方向に移動可能に載置される。圧縮スプリング54を受けるため、閉塞ピストン51には後側から盲穴52が穿設されており、この盲穴は、小さな安全孔53により、外部空間と前方向で連通する。
【0032】
非組み付け状態(図4)において、摺動スリーブ19,55内のオーバーフロー空間23,59に対する接続ピストン29,64上に配置されるシール34,69の軸方向位置は、シール23,59が貫通孔22,58のそれぞれのオーバーフロー空間23,59の外側に位置され且つシール34,69の前後の空間を互いに液圧的に分離するような位置になっている。したがって、後側盲孔37,71と前側盲孔32との間(接続ピストン29の場合)、および、シール69とリング構成部65との間の空間(接続ピストン64の場合)には、液圧接続が存在しない。
【0033】
図4にしたがって予め組み付けられる2つの接続部品15a,15bが互いに差し込まれると(最終状態が図5に示される)、2つの摺動スリーブ19,55は、摺動スリーブ19,55の端面が端壁17,49のそれぞれの外面と面一に終端するまで、対応する圧縮スプリング24または60の圧力に抗してハウジング16または48内へと後方に軸方向で押し込まれる。この最終設定(図5)では、オーバーフロー空間23,59がシール34,69のそれぞれの真上に位置され、それにより、テーパ状部分同士の間の液圧接続がシール34,69の両側に形成される。
【0034】
同時に、左側接続ピストン64内の閉塞ピストン51は、右側接続ピストン29により、圧縮スプリング54の圧力に抗して元の左側接続ピストン64内へ押し戻され、内部に径方向孔66が存在するカップリング空間67を解放する。右側接続ピストン29は、径方向孔30,66が互いに上下に直接に対向し且つシール36がカップリング空間67を横方向で画成して同軸環状空間82を形成するポイントまで、左側接続ピストン64の盲孔68内へと移動し、また、同軸環状空間82を介して、2つの接続部品15a,15bは、それらの接続ピストン29,64により、径方向で、軸方向圧力を伴うことなく、液圧流体を交換することができる。この液圧流体は、接続部40,74およびそれに対して接続する盲孔37,71を介して供給され或いは除去される。
【0035】
しかしながら、図2〜5の例示的実施形態に代わる手段として、閉塞ピストン51を省くこともできる。この種の簡略化された形態が、図4および図5に対応する図7および図8に一例として描かれている。この急速接続カップリング15’においても接続部品15a’(雌),15b’(雄)が存在し、これらの接続部品はそれぞれ、ハウジング16’,48’内に、摺動スリーブ19’,55’によって取り囲まれる既に説明したタイプの接続ピストン29’,64’を、径方向孔30,66を含めて有する。右側接続ピストン29’は、ここでも先と同様、左側接続ピストン64’内へ移動するが、閉塞ピストンを移動させる必要がない。2つの接続ピストンの更に長い重なり合いの結果として、この場合には、良好なシールが得られる。
【0036】
使用部位で、図1に示される3つの急速接続カップリング15のように、複数の急速接続カップリングを使用する必要がある場合には、図9にしたがってブロック構造を成す急速接続システム83を設けることが都合良い。このシステムでは、ホース上に予め組み付けられる接続部品15a,15bをブロック85,84内にそれぞれ個別に設置することができる。これにより、空間に余裕がない状態において組み付けが非常に容易になる。ブロック84,85には、位置決めピンおよび心出しピンが設けられる。同様に、ブロック84,85は、それらが互いに対して調整できるようにスプリングによって弾性的に支持される。
【0037】
また、図2〜図5に係る急速接続カップリングは以下の安全機能を更に有する。閉塞ピストン51には、小さい安全孔53が端面に(右側に)設けられる。雄接続ピストン29には、横方向孔へと外側に開放する更なる小さい安全孔31が端面に(左側に)存在する。接続された状態で、これらの孔31,53は、安全逃がし孔としての機能を果たす。すなわち、
−接続ピストン29における最も重要なシールリングが軽微な漏れを示す場合には、望ましくない大きな軸力が形成されてブロック84,85同士を離間させる。
−閉塞ピストン51の後方では、分離状態において後側シールリング(左側)で軽微な漏れが生じた場合、このケースでは安全孔53を通じて逃げる可能性がある多量の油が蓄積し得る。接続プロセスでは、この閉塞ピストン51が接続ピストン29によって押圧され、それにより、閉塞ピストン51の後方の空間が減少される。このとき、この空間内の多量の油は、前述した安全逃がし孔を通じて逃げることができる。
−接続ピストン29が摺動スリーブ19内で有する遊びの結果として、外方へ移動される油の排出が可能である。
−ここでは我々が少量の油を伴う理論的な漏れについて議論していることに留意すべきである。
【0038】
図10a〜eには、本発明に係る急速接続カップリングの更なる特に有利な例示的実施形態がカップリング動作の様々な漸進的段階で描かれており、図10cは図10bの拡大された詳細を描いている。図10a〜eの急速接続カップリング100は、2つの接続部品、すなわち、雄接続部品100aと、適合する雌接続部品100bとを備える。
【0039】
雄接続部品100aは、結合方向に延びるピストンロッド136を有するカップリング要素に基づいており、ピストンロッド136の前端には接続ピストン110が配置される(図10c)。ピストンロッド136の外側は、距離を隔てて、カップリング要素100aに螺合されるチューブ103によって同心的に取り囲まれる。チューブ103内にはシールキャリアリング104が同心的に収容されており、シールキャリアリング104内には、スプリング105の力に抗して後方へと軸方向に移動でき且つシールキャリアリング104内に収容されるシール112によって外側でシールされる内側摺動スリーブ106が装着される。非結合状態で、内側摺動スリーブ106は、前側シール縁部118(図10c)が接続ピストン110の後面に当接するとともに、そこで、金属が金属と直面するシールポイントを形成する。
【0040】
チューブ103と内側摺動スリーブ106との間には、スプリング111の圧力に抗してチューブ103、内側摺動スリーブ106、および、接続ピストン110に対して軸方向に移動でき且つ内側摺動スリーブ106および接続ピストン110に対してシール113,114により内側でシールされる外側摺動スリーブ108が同心的に装着される。スプリング111は、外側に横方向で配置されるとともに、外側摺動スリーブ108の前端に対して取り付け固定され且つ外側摺動スリーブ108を同心的に取り囲むガイドプレート109によって作用される。ピストンロッド136と内側摺動スリーブ106との間には同軸環状空間137が形成されており、この環状空間は、雄側で、接続孔138を介して接続ライン101と連通する(図10b)。雄接続部品100aは、チューブ103により、結合方向に対して直角に位置するキャリアプレート107内に強固に捩じ込まれる。
【0041】
雌接続部品100bは、スプリング128の圧力に抗して軸方向に移動できるように装着される摺動スリーブ127を支持するカップリング要素に基づいている。摺動スリーブ127の外側は、距離を隔てて、チューブ129によって同心的に取り囲まれており、チューブ129は、後端がカップリング要素100b上に螺合されるとともに、前端がキャリアプレート122内に捩じ込まれる。チューブ129は前端が細くなっている。非結合状態において、摺動スリーブ127は、シール縁部119(図10c)がチューブ129の細径部の後面に当接しており、同様に、そこで、金属が金属と直面するシールポイントを形成する。摺動スリーブ127内およびチューブ129の細径前部内には、スプリング124の圧力に抗して軸方向に移動できるように閉塞ピストン123が装着されており、閉塞ピストン123は、非結合状態でその前面がチューブ129の前端と面一で終端するようにスペーサブシュ126および保持ネジ125によりカップリング要素100b上に保持される。閉塞ピストン123は、チューブ129の細径部および摺動スリーブ127のそれぞれに対してシール115,116により外側でシールされる。摺動スリーブ127とチューブ129との間には同軸内側空間139が形成されており、この同軸内側空間は、雌側で、接続孔140を介して接続ライン131と連通する(図10b)。
【0042】
この例示的な実施形態においても、本質的特徴は、結合された接続部に液圧が作用するときに軸力が生み出されないという点である。これは、雄急速接続カップリン部品すなわち接続部品100aにおいて、接続ピストン110がピストンロッド136に締結され、雌急速接続カップリング部品すなわち接続部品100bとの結合が行なわれるときに、ピストンロッド136が接続部品100b内に突出するという事実によって実現される。
【0043】
雌急速接続カップリング部品100bは、結合プロセスにおいて閉塞ピストン123が雄急速接続カップリング部品100aの接続ピストン110の端面によって無圧力空間内へと押し込まれるように構成される。この構成では、液圧力によって増大される接続ピストン110のリング表面によって形成される力が、前述したピストンロッド136によって完全に吸収される。保持プレートすなわちキャリアプレート107,122および機械部品に対する関連する締結具を著しく損傷させる可能性がある前述した力の想定し得る増大を確実に防止するため、漏油孔120に対して接続され且つシール116,117での想定し得る軽微な漏れを排出できる漏油ライン121が設けられており、この漏油ラインは元のタンクへと通じている。
【0044】
同時に、閉塞ピストン123のポンプ作用は、分離プロセスにおける任意の漏れ油を吸引するために使用される。この目的のため、逆止弁の効果を達成するための手段が閉塞ピストン123内に組み込まれる。これらの手段の好ましい実施形態では、薄い弁ディスク132が設けられる。この弁ディスクは、閉塞ピストン123に形成された4つの弁孔133を内側から閉じて、油が逃げることができないようにする。結合前に油がこの弁ディスク132の後側に存在する場合、この油は、漏油ライン121のニップルの逆止弁を通じてタンク内へと押し進められる。
【0045】
システムが分離されると、閉塞ピストン123の後方の空間内に真空が形成され、それにより、弁ディスク132が静的な周囲圧力によって内側に押し込まれる。同時に、分離中にシールリングを通り過ぎた結果として接続ピストン110および閉塞ピストン123の端面上に集まる少量の油を弁孔133を通じて吸引することができる。
【0046】
接続された状態(図10e)では、大きな油流において、雄急速接続カップリング部品から雌急速接続カップリング部品100aまたは100bへの或いはその逆への有益な流れ移送が得られる。流れ移送は略径方向で行なわれる。その場合、摺動スリーブ106,127、および、ピストンロッド136を伴う接続ピストン110には、油が同軸に周囲で流され或いは貫流される。特定の小さい直径の差異を伴う周方向シール112,...,117は、移動可能なスリーブ105,127において、意図的に小さい軸力を生み出し、この軸力は、閉塞動作においてスプリング105,128を支援する。同時に、これらの軸力は、油が場合により接続ピストンの端面上で外側へ或いは接続ピストン110に沿って移動するのを防止する。
【0047】
分離された閉じられた状態(図10a)では、内側摺動スリーブ106が接続ピストン110に作用する力および摺動スリーブ127が雌側のチューブ129に対して作用する力は、想定し得る液圧残留圧力によって更に増強される。これは、機械加工された金属シール縁部118,119(図10c)がシール112,117と直径の点で異なり、それにより、小さいリング表面が得られるという事実によって実現される。このようにして、両方のカップリング部品が既に比較的きつく閉じられる。カップリング部品100a,100bは、シール112,..,117によって決定的にきつくシールされる。
【0048】
結合動作において液圧によりシール114,115,116を損傷させないように、接続ピストン110上および閉塞ピストン123上に小さい逃がし溝134(図10c)が凹状に形成される。これらの逃がし溝134によって少量の油を排出して、シール114,115,116が一方で接続ピストン110と内側摺動スリーブ106との間の分割ポイントを、他方で接続ピストン110と閉塞ピストン123との間の分割ポイントを通り過ぎる前に、シール113,114,115,116間の液圧張力を緩和することができる。このときに逃げた少量の油は、接続ピストン110および閉塞ピストン123の端面に集まる。この端面には、弁孔133に通じる小さい溝135が凹状に形成されている。この量の油は、分離プロセスにおいて、既に説明された真空によって吸引される。
【0049】
この構造の結果として、大きな力を必要とすることなく、加圧ラインを結合することができる。
【0050】
加圧された急速接続カップリング部品の結合:
本発明に係る加圧された急速接続カップリングは、2つのカップリング部品を引き離させる軸力を生み出さない。したがって、結合プロセスにおいて、大きな力に打ち勝つ必要がない。全てのスプリングの力だけで部品を引き離し、液圧荷重下で増大されたシールの摩擦に打ち勝つだけで済む。また、リング表面によって引き起こされ且つ液圧によって増大される前述した小さい力に打ち勝たなければならない。
【0051】
図10a〜eにしたがった結合動作において、2つの急速接続カップリング部品100a,100bは、第1のステップ(図10bおよび図10c)において、互いに抗して移動し、それにより、雄接続部品100aの接続ピストン110が雌接続部品100bの圧力ピストン123に衝突する。
【0052】
図10dにおいて、雄接続部品100aは、接続ピストン110によって、閉塞ピストン123を停止するまで摺動スリーブ127内に押し込む。この位置で、これらの部品が強固に接続される。油流は、金属シール縁部118,119によって未だ解放されない。雄カップリング部品100aでは、内側摺動スリーブ106が、内側摺動スリーブ用のスプリング105によって、雄接続部品100aのピストン110の内側に押し付けられる。また、雌急速接続カップリング部品100bでは、そこに存在する摺動スリーブ127が、該摺動スリーブ用のスプリング128により、それに対応して形成された雌側のチューブ129の内側に押し付けられる。逃がし溝134のおかげにより、シール114,115,116は、ここでは、液圧による負荷に晒されることなく通過される。圧力下で接続が行なわれる際、全てのシールが完全にカバーされるときだけ自由に通過される。一方、既存の油流は金属シール縁部118,119によって停止され、また、シール114,115,116は、これらが突然に停止され得る油流によってもはや損傷され得ないときにだけ通過される。
【0053】
図10eには、互いに完全に結合された急速接続カップリング100が示されている。ここでは、両方の摺動スリーブ106,127は、完全に挿入され、断面全体を解放する。
【0054】
全体から見ると、本発明に係る急速接続カップリングは以下の特徴を有する。
・圧力下で高圧液圧結合可能な急速接続システム。
・加圧時に外方へ作用する軸力を伴わない急速接続システム。これは、油吸入孔および排出孔の横方向配置によって実現される。
・周方向シールは、油がその端面に沿って進むのを防止する。分離状態では、摺動スリーブが油の逃げを与える。
・この構造の結果として、大きな力を必要とすることなく、加圧ラインを結合して分離することができる。
・制動効果および熱の発生を防止するために、公称のサイズにしたがって、連続的に大きな断面を有する急速接続カップリング。
・とりわけ、流通空間内に存在するスプリングがないため、流体的に有利に形成される急速接続カップリング。
・結合および分離の過程でシールが油流により加圧下で損傷されるのを防止する設計指標を有する急速接続カップリング。これは、任意の油流が加圧下で金属閉塞体によって保持されるという事実によって実現される。シールは、最小の圧力だけを伴って閉塞部品および接続部品によって乗り越えられる。
・複数のカップリングのためのシートブランクで用いるのに特に適した急速接続カップリング。
・自動結合動作のための急速接続カップリング。
・分離後に残留油量の流出を防止する閉塞部品を有する急速接続カップリング。
・キャリアプレートにおける複合多重用途に特に適した急速接続カップリング。
【符号の説明】
【0055】
10…アーム、11…延在部、12…接合ポイント、13,14…液圧ライン、15,15’…急速作用カップリング、15a,b…接続部品、15a’,15b’…接続部品、16,16’,48,48’…ハウジング、17,49…端壁、18,50…開口、19,19’,55,55’…摺動スリーブ、20,56…前部、21,57…中央部、22,58…貫通孔、23,59…オーバーフロー空間、24,60…圧縮スプリング、25,61…ハウジングカバー、26a,b;62a,b…ネジ穴(横方向)、27,63…開口、28…ストッパ、29,29’,64,64’…接続ピストン、30,66…孔(径方向)、31…安全孔、32,37,68,71…盲孔、33a,b;70a,b…接続孔、34,69…シール(周方向)、35a,b…接続孔、36…シール、38,72…ピストンフート、39,73…環状溝、40,74…接続ネジ、41,75…締結手段、42,43;76,77…クランプ、44,45,78,79…締結穴、46,47;80,81…締結ネジ、51…閉塞ピストン、52…盲孔、53…安全孔、54…圧縮スプリング、65…リング構成部、67…カップリング空間、82…環状空間(同軸)、83…急速接続システム、84,85…ブロック、100…急速接続カップリング、101…接続ライン、100a…雄接続部品または急速接続カップリング部品(ピストンを伴う)、103…チューブ(雄側)、104…シールリングキャリアリング、105…スプリング(内側摺動スリーブ用)、106…内側摺動スリーブ、107…キャリアプレート(雄側)、108…外側摺動スリーブ、109…ガイドプレート、110…接続ピストン、111…スプリング(外側摺動スリーブ用)、112…後側シール(内側摺動スリーブ用)、113…後側シール(外側摺動スリーブ用)、114…前側シール(外側摺動スリーブ用)、115,116…接続シール、117…後側シール(摺動スリーブ用)、118…金属シール縁部(雄側)、119…金属シール縁部(雌側)、120…漏油孔、121…漏油ライン、122…キャリアプレート(雌側)、123…閉塞ピストン、124…スプリング(閉塞ピストン用)、125…保持ネジ、126…スペーサブシュ、127…摺動スリーブ、128…スプリング(摺動スリーブ用)、129…チューブ(雌側)、100b…雌接続部品または急速接続カップリング部品、131…接続ライン、132…弁ディスク、133…弁孔、134…逃がし溝、135…溝、136…ピストンロッド、137,139…同軸環状空間、138,140…接続孔、A…結合軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に土木機械における液圧ライン、ならびに、その交換可能な付属部品およびツールを接続するための急速接続カップリング(15,15’;100)であって、液圧流体の移送のために結合軸(A)に沿って解放可能に結合され得る第1の接続部品および第2の接続部品(15a,15a’および15b,15b’および100a,100b)を備える急速接続カップリング(15,15’;100)において、結合状態で、移送されるべき液圧流体が、結合軸(A)に対して直角に一方の接続部品(15a,15a’,100aおよび15b,15b’,100b)から抜け出て、前記結合軸(A)に対して直角に他方の接続部品(15b,15b’,100bおよび15a,15a’,100a)に入ることを特徴とする、急速接続カップリング(15,15’;100)。
【請求項2】
液圧流体の移送のための同軸環状空間(82)が、結合状態で、軸方向両側がシールされて、2つの前記接続部品(15a,15b,15a’,15b’)間に形成され、また、2つの前記接続部品(15a,15b,15a’,15b’)が、径方向孔(30,66)を介して環状空間(82)により液圧流体を交換することができることを特徴とする、請求項1に記載の急速接続カップリング。
【請求項3】
2つの前記接続部品(15a,15b,15a’,15b’)が雌接続部品(15a,15a’)と雄接続部品(15b,15b’)とを備え、前記雄接続部品(15b,15b’)が、第1の同軸孔(32)を有する第1の同軸接続ピストン(29,29’)を備え、前記雌接続部品(15a,15a’)が、前記第1の接続ピストン(29,29’)を受けるための第2の同軸孔(68)を有する第2の同軸接続ピストン(64,64’)を備え、前記同軸環状空間(82)が、前記第1の接続ピストン(29,29’)を前記第2の接続ピストン(64,64’)の前記第2の同軸孔(68)内に挿入する際に形成され、前記第1の接続ピストン(29,29’)の第1の径方向孔(30)が、前記第1の同軸孔(32)から前記同軸環状空間(82)内へと通じ、前記第2の接続ピストン(64,64’)の第2の径方向孔(66)が、前記同軸環状空間(82)から前記第2の接続ピストン(64,64’)の周囲の外部空間へと通じていることを特徴とする、請求項2に記載の急速接続カップリング。
【請求項4】
2つの前記接続部品(15a,15b;15a’,15b’)のそれぞれには液圧流体のための外側接続部(40,74)が配置され、また、好ましくは差し込み/引き抜き動作によって作動され得るバルブ機構(19,22,23,24,32,33a,33b,34,35a,35b,37および55,58,59,60,68,69,70a,70b,71)が設けられ、前記バルブ機構が、前記接続部品(15a,15b;15a’,15b’)が引き離されるときに前記接続部(40,74)のそれぞれ及び前記第1の同軸孔(32)と前記第2の接続ピストン(64,64’)の周囲の外部空間との間の液圧接続を遮断するとともに、前記接続部品(15a,15b;15a’,15b’)が互いに差し込まれるときに接続部(40,74)のそれぞれ及び前記第1の同軸孔(32)と前記第2の接続ピストン(64,64’)の周囲の外部空間との間に液圧接続を形成することを特徴とする、請求項3に記載の急速接続カップリング。
【請求項5】
前記バルブ機構(19,22,23,24,32,33a,33b,34,35a,35b,37および55,58,59,60,68,69,70a,70b,71)がそれぞれ、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)に対して軸方向に移動できる摺動スリーブ(19,19’および55,55’)を備え、前記摺動スリーブが、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)を同心的に取り囲むとともに、内径が拡大されたオーバーフロー空間(23および59)が中央に位置される貫通孔(22および58)を有し、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)が、前記貫通孔(22および58)を、周方向シール(34および69)によって、2つの部分へと分割し、該2つの部分が、互いにシール状態で分離されるとともに、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)と前記摺動スリーブ(19,19’および55,55’)との特定の相対位置が与えられて前記周方向シール(34および69)が前記オーバーフロー空間(23および59)内に存在するときだけ互いに連通することを特徴とする、請求項4に記載の急速接続カップリング。
【請求項6】
各接続部品(15a,15b;15a’,15b’)がハウジング(16,16’および48,48’)を有し、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)がそれぞれ前記ハウジングに対して固定されるように接続され、前記摺動スリーブ(19,19’および55,55’)が前記ハウジング(16,16’および48,48’)に対して軸方向に移動できることを特徴とする、請求項5に記載の急速接続カップリング。
【請求項7】
前記摺動スリーブ(19,19’および55,55’)が、差し込み方向に対抗する圧縮スプリング(24および60)の力に抗して引き込み可能であることを特徴とする、請求項6に記載の急速接続カップリング。
【請求項8】
前記第2の接続ピストン(64)の前記第2の同軸孔(68)内には閉塞ピストン(51)が配置され、前記閉塞ピストンが、前記接続部品(15a,b)が引き離されるときに前記第2の同軸孔(68)を外側で閉じ、前記接続部品(15a,b)が互いに差し込まれるときに圧縮スプリング(54)の圧力に抗して前記第1の接続ピストン(29)から前記第2の同軸孔(68)内へ引き込まれることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか一項に記載の急速接続カップリング。
【請求項9】
前記接続部(40および74)が前記接続ピストン(29,29’および64,64’)の後端に配置され、前記接続ピストン(29,29’および64,64’)が、前記液圧ラインが接続されるときに、後側から前記ハウジング(16,16’および48,48’)内に挿入されて前記ハウジング(16,16’および48,48’)に締結され得ることを特徴とする、請求項6に記載の急速接続カップリング。
【請求項10】
前記第1の接続部品(100a)に液圧流体のための第1の空間(137)が設けられ、前記第1の空間が前記結合軸(A)の方向に延びるとともに、前記第1の接続部品(100a)の接続ライン(101)と一端で連通し、前記第2の接続部品(100b)に液圧流体のための第2の空間(139)が設けられ、前記第2の空間が前記結合軸(A)の方向に延びるとともに、前記第2の接続部品(100b)の接続ライン(131)と一端で連通し、前記第1の空間(137)を第1の閉塞機構(106,110,118)によって他端で閉じることができ、前記第1の閉塞機構(106,110,118)が分離状態で前記第1の空間(137)をシールするとともに、結合状態で前記第1の空間を開放し、前記第2の空間(139)を第2の閉塞機構(119,127,129)によって他端で閉じることができ、前記第2の閉塞機構(119,127,129)が分離状態で前記第2の空間(139)をシールするとともに、結合状態で前記第2の空間を開放し、空間(137,139)および閉塞機構(106,110,118および119,127,129)はいずれも、結合状態で液圧流体が2つの前記空間(137,139)の間を略径方向に流れるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の急速接続カップリング。
【請求項11】
前記空間(137,139)を閉じるための2つの前記閉塞機構(106,110,118および119,127,129)には、金属が金属上にシール状態で位置するシールポイント(118,119)が形成されることを特徴とする、請求項10に記載の急速接続カップリング。
【請求項12】
2つの前記空間(137,139)が、前記結合軸(A)に対して同心的に配置される環状空間として形成されることを特徴とする、請求項10または11に記載の急速接続カップリング。
【請求項13】
前記第1の接続部品(100a)の前記環状空間(137)が、中央軸方向ピストン(136)と前記ピストンロッド(136)を距離を隔てて同心的に取り囲む内側摺動スリーブ(106)との間に形成され、前記内側摺動スリーブ(106)と前記ピストンロッドの前端に配置される接続ピストン(110)とによって関連する閉塞機構が形成され、前記第2の接続部品(100b)の前記環状空間(139)が、摺動スリーブ(127)と前記摺動スリーブ(127)を距離を隔てて同心的に取り囲む外側チューブ(129)との間に形成され、前記摺動スリーブ(127)と前端がテーパ状を成す前記外側チューブ(129)とによって関連する閉塞機構が形成され、前記第1の接続部品(100a)の前記内側摺動スリーブ(106)および前記接続ピストン(110)が同じ外径を有し、前記第2の接続部品(100b)の前記外側チューブのテーパ状端部および前記摺動スリーブ(127)が同じ内径を有し、前記外径が前記内径にほぼ等しく、それにより、結合プロセスにおいて、前記内側摺動スリーブ(106)および前記接続ピストン(110)が前記外側チューブ(129)の前記テーパ状端部および前記摺動スリーブ(127)内へと移動できることを特徴とする、請求項12に記載の急速接続カップリング。
【請求項14】
前記第1の接続部品(100a)の前記閉塞機構が、結合プロセスにおいて、前記内側摺動スリーブ(106)がスプリング(105)の圧力に抗して固定された前記接続ピストン(110)に対して後方へ押されることによって開放され、前記第2の接続部品(100b)の前記閉塞機構が、結合プロセスにおいて、前記摺動スリーブ(127)がスプリング(128)の圧力に抗して前記外側チューブ(129)の固定されたテーパ状端部に対して後方へ押されることによって開放されることを特徴とする、請求項13に記載の急速接続カップリング。
【請求項15】
前記摺動スリーブ(106)を前記第1の接続部品(100a)内で移動させるために、前記内側摺動スリーブ(106)を同心的に取り囲む外側摺動スリーブ(108)が設けられ、前記外側摺動スリーブが軸方向に移動できるとともに、前記第2の接続部品(100b)の前記外側チューブ(129)によって作動されることができ、前記摺動スリーブ(127)を前記第2の接続部品(100b)内で移動させるために、前記摺動スリーブ(127)によって同心的に取り囲まれる閉塞ピストン(123)が設けられ、前記閉塞ピストンが、軸方向に移動できるとともに、前記第1の接続部品(100a)の前記接続ピストンによって作動されることができることを特徴とする、請求項14に記載の急速接続カップリング。
【請求項16】
前記第1の接続部品(100a)には、前記外側摺動スリーブ(108)と前記接続ピストン(110)との間に、また、前記第2の接続部品には、前記閉塞ピストン(123)と前記外側チューブ(129)の前記テーパ状端部および摺動スリーブ(127)との間にシール(114,115,116)が配置され、前記閉塞機構(106,110,118および119,127,129)が、前記シール(114,115,116)が完全にカバーされるときにだけ開放することを特徴とする、請求項15に記載の急速接続カップリング。
【請求項17】
逆止弁の効果を達成するための手段が閉塞ピストン(123)に組み込まれ、前記手段が、特に、前記閉塞ピストン(123)に形成される内側の弁孔(133)から閉じる薄い弁ディスク(132)を備えることを特徴とする、請求項16に記載の急速接続カップリング。
【請求項18】
小さい逃がし溝(134)が前記接続ピストン(110)および前記閉塞ピストン(123)に凹状に形成され、小さい溝(135)が前記閉塞ピストン(123)の端面に凹状に形成されることを特徴とする、請求項17に記載の急速接続カップリング。
【請求項19】
特に土木機械おける液圧ライン、ならびに、その交換可能な付属部品およびツールを接続するための急速接続システムであって、請求項1〜18のいずれか一項に記載の複数の急速接続カップリングがブロック(84,85)内に或いは共通のキャリアプレート(107,122)上に並列配置で組み合わされることを特徴とする、急速接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b−10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【公表番号】特表2010−512492(P2010−512492A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540566(P2009−540566)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000530
【国際公開番号】WO2008/071015
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509167213)オスカー マイアー アーゲー (1)
【Fターム(参考)】