説明

犬走り閉鎖用門扉

【課題】 一般に幅の狭い建物回りの犬走りに規格品の鋳物製の門扉を提供するとともに現場に対応した幅詰めをなし得るようにする。
【解決手段】 アルミ鋳物の仕切面体31と、その外枠をなすようにこれを囲繞するアルミ押出材の仮組み枠34とを備えて門扉本体3を形成するとともに仕切面体31の面模様を疎密の部位32、33によって形成し、仮組み枠34の上下の横枠35と、仕切面体31端部の疎の部位32を切除し、切除後に本固定して吊元支柱1に吊支持して戸当支柱2との間に開閉自在に配置する。鋳物門扉の外観を呈する規格品で現場の狭い犬走りの幅に対応でき、侵入犯の侵入乃至逃走障害をなし防犯性を有効に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外側に配置した犬走りを閉鎖するように用いる犬走り閉鎖用門扉に関する。
【背景技術】
【0002】
吊元支柱に門扉本体を吊支持して戸当支柱との間で開閉自在とした門扉、特に片開き門扉は、アルミ押出材を接合して形成したアルミ門扉、アルミ鋳物を用いて鋳造成形した鋳物門扉が、下記特許文献に限らず周知であり、広く用いられているところ、一般に該門扉は、その門扉本体の幅を、例えば80cmとし、該門扉本体を吊支持する吊元支柱、戸当側に設置する戸当支柱は、その幅を10cm程度としたものとされるから、該支柱と門扉本体を備えた門扉、特に片開き門扉は、概ね1m程度の幅を有するものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−336470号公報
【特許文献2】特開2006−045935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物、特に住宅は、建ぺい率や建築協定によって、一般に道路側の門扉とフェンス、生垣等によって区画された敷地内の建物回りに犬走りを配置するものとされるところ、該犬走りの配置は、例えば玄関先と駐車場奥を開放した状態として配置されることが多く、多くの場合、コンクリートや砂利敷設によってその仕上げを行うものとされる。従って犬走りの配置は、建物に開放感を付与することができるが、一方で防犯上の問題点が指摘されている。
【0005】
即ち、侵入犯は、侵入乃至侵入後の逃走を容易になし得る建物を選択してその侵入を行うとされるところ、上記開放した犬走りを配置した建物は、道路側の門扉内に侵入すれば、犬走りを歩行して侵入に適した開口窓に至ることができることになる。特に、近時、道路側を開放して、道路側に門扉を設置しないケースも好まれるところ、この場合、道路から何の障害もなく犬走りに至ることができるので、侵入犯の侵入乃至侵入後の逃走が更に容易となり、防犯上の盲点となる可能性が高い。
【0006】
このため、犬走りの防犯対策として、例えば、人が踏むとその加重で音を発生する防犯砂利を敷設するといった措置が採られることも多いが、侵入犯の侵入防止には、侵入乃至侵入後の逃走に際しての障害をなすように、犬走りに障害物を設置することが、侵入犯に対して開放感を阻害して、侵入乃至侵入後の逃走のリスクを認識させる結果となって有効な防犯対策となるものと認められる。このため犬走りの端部、即ち、例えば上記玄関先や駐車場奥に門扉を配置して、敷地内を閉鎖することが、建物の外観を阻害することなく、犬走りに障害物を設置する上で好ましい。
【0007】
しかし乍ら、犬走りの幅は、人の歩行をなし得るも、広狭様々であるとともに比較的狭小であるのが通常であり、従って、市販されている上記1mの門扉、即ち、片開き門扉を設置しようとしても、幅の不足によって設置をなし得ないケースが頻発する可能性が高く、従って、犬走りに門扉を設置しようとしても、門扉を犬走りの幅に合せるために規格外のものとして特注する必要が生じることから、納期が掛り且つ価格が高いものとなる傾向を招き易い。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、犬走りの幅に現場対応した幅詰めを行うことによって外観を鋳物門扉とする規格品を用いながら犬走りに設置し得るようにした犬走り閉鎖用門扉を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に沿って本発明は、吊元支柱に吊支持することによって戸当支柱との間で開閉自在とする門扉本体を、アルミ鋳物の仕切面体と、その外枠をなすようにこれを囲繞するアルミ押出材の仮組み枠とを備えて形成することによってアルミ鋳物の外観を呈するものとする一方、仮組み枠の縦枠を取り外し又は分解して、カッター、グラインダー等で仮組枠の上下の横枠と仕切面体の幅方向一方又は双方の端部を部分的に切除して、犬走りの幅に現場対応した幅詰めを可能としたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、吊元支柱に門扉本体を吊支持して戸当支柱との間で開閉自在とした門扉であって、上記門扉本体を、アルミ鋳物製一体の仕切面体と、該仕切面体をその四周で囲繞する外枠をなすアルミ押出材製の仮組み枠とを備えて形成し、該仮組み枠の縦枠を取り外し又は該仮組み枠を分解して該仮組み枠の上下の横枠と仕切面体の幅方向一方又は双方の端部を部分的に切除することによって建物の犬走り用に門扉本体を幅詰め自在としてなることを特徴とする犬走り閉鎖用門扉としたものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、アルミ鋳物の仕切面体における面模様を疎密の各部位によって可及的良好な外観を確保するとともに該疎の部位を上記部分的な切除を行うように端部に配置することによって、上記現場対応の幅詰め作業を可及的簡易且つ確実に行い得るものとするように、これを、上記アルミ鋳物製の仕切面体における面模様を疎密の各部位によって形成し、疎の部位を幅方向一方又は双方の端部に配置し、その余に密の部位を配置してなることを特徴とする請求項1に記載の犬走り閉鎖用門扉としたものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記疎の部位に、縦方向又は横方向の小桟を配置することによって、上記部分的な切除の切除対象部位数を可及的に減少して、上記現場対応の幅詰め作業を更に簡易化するように、これを、上記仕切面体の面模様における疎の部位を、切除用に縦方向又は横方向の小桟を配置して形成してなることを特徴とする請求項2に記載の犬走り閉鎖用門扉としたものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、吊元支柱及び戸当支柱を、その見付面を可及的に細幅として、支柱強度を確保しつつ、上記部分的の切除の対象幅を縮小して門扉本体の有効開口幅を可及的に広く確保するように、これを、上記吊元支柱及び戸当支柱を、見付面を4〜6cmとした見付面細幅形成の支柱を用いて形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の犬走り閉鎖用門扉としたものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記戸当支柱を用いることなく、即ち、戸当支柱の錠受けの下方部分を開放した空間とすることによって、門扉本体の施錠を行うとともに該門扉本体の開口幅に加えて、該錠受の下方部分を利用可能とするように、これを、上記戸当支柱に代えて、塀等の起立面に固定して門扉本体の錠受を設置した戸当部材を用いてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の犬走り閉鎖用門扉としたものである。
【0014】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として、上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、吊元支柱に吊支持することによって戸当支柱との間で開閉自在とする門扉本体を、アルミ鋳物の仕切面体と、その外枠をなすようにこれを囲繞するアルミ押出材の仮組み枠とを備えて形成することによってアルミ鋳物の外観を呈するものとする一方、仮組み枠の縦枠を取り外し又は分解して、カッター、グラインダー等で仮組枠の上下の横枠と仕切面体の幅方向一方又は双方の端部を部分的に切除して、犬走りの幅に現場対応した幅詰めを行うことによって、外観を鋳物門扉とする規格品を用いながら犬走りに設置し得るようにした犬走り閉鎖用門扉を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、アルミ鋳物の仕切面体における面模様を疎密の各部位によって可及的良好な外観を確保するとともに該疎の部位を上記部分的な切除を行うように端部に配置することによって、上記現場対応の幅詰め作業を可及的簡易且つ確実に行い得るものとすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記疎の部位に、縦方向又は横方向の小桟を配置することによって、上記部分的な切除の切除対象部位数を可及的に減少して、上記現場対応の幅詰め作業を更に簡易化することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、吊元支柱及び戸当支柱を、その見付面を可及的に細幅として、支柱強度を確保しつつ、上記部分的の切除の対象幅を縮小して門扉本体の有効開口幅を可及的に広く確保することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記戸当支柱を用いることなく、即ち、戸当支柱の錠受けの下方部分を開放した空間とすることによって、門扉本体の施錠を行うとともに該門扉本体の開口幅に加えて、該錠受の下方部分を利用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】犬走り閉鎖用門扉の出荷状態の背面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】犬走り閉鎖用門扉の設置状態を示す背面図である。
【図4】仕切面体の斜視図である。
【図5】仕切面体の幅詰め状態を示す部分拡大の斜視図である。
【図6】幅詰めした仕切面体の再組立状態を示す部分拡大の斜視図である。
【図7】幅詰めした仕切面体の斜視図である。
【図8】他の例の犬走り閉鎖用門扉の設置状態を示す背面図である。
【図9】図8の正面側部分拡大の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、Aは、建物の犬走りを閉鎖するように、該犬走りの幅に現場対応して設置した犬走り閉鎖用門扉であり、該門扉Aは、吊元支柱1に門扉本体3を吊支持して戸当支柱2との間で開閉自在とした門扉として、その上記門扉本体3を、アルミ鋳物製一体の仕切面体31と、該仕切面体31をその四周で囲繞する外枠をなすアルミ押出材製の仮組み枠34とを備えて形成し、該仮組み枠34の縦枠36を取り外し又は該仮組み枠34を分解して該仮組み枠34の上下の横枠35と仕切面体34の幅方向一方又は双方の端部を部分的に切除することによって建物の犬走り用に門扉本体3を幅詰め自在にしたものとしてあり、このとき、本例の門扉Aは、その上記吊元支柱1及び戸当支柱2を、見付面を4〜6cm、例えば5cmとした見付面細幅形成の支柱を用いて形成したものとしてある。
【0022】
本例の門扉Aは、幅を0.75m、高さを1.2m程度の規格品として、建物の犬走りの多くの現場にそのまま使用して設置し得るように寸法設定したものとするとともに0.75以下の犬走りの現場においてこれに対応してその幅詰めを可能とするように仮組みして、その出荷を行うものとしてある。
【0023】
即ち、規格品としての門扉Aは、全体をアルミ鋳物で一体に鋳造した一般の鋳物門扉における門扉本体とは異なって、門扉本体3をアルミ押出材による外枠をなす仮組み枠34と、該仮組み枠34内に配置したアルミ鋳物による仕切面体31を備えて形成してあり、このとき該アルミ押出材の仮組み枠34は、上下左右の横枠35及び縦枠36を備え、該横枠35及び縦枠36の面内、即ち横枠35同士、縦枠36同士の対向面に上記仕切面体31の縁部を受入れる受入溝を配置してあり、該受入溝で仕切面体31の外周縁部を四周で囲繞するように該仕切面体31を受入れ被嵌し、例えば横枠35をホロー材としてその中空部に配置した、例えば2ヶ所のタッピングホールに該横枠35の長手方向両端を受入溝に被嵌した縦枠36の見込面側からネジ37を螺入することによってその接合を行ってある。このとき、例えば該ネジ37を容易に取り外し可能とするように該ネジ37を緩めに螺入し、また、上記2ヶ所のうちの一方のタッピングホールにネジ37を螺入する等の措置を施すことによって、その固定を仮止め固定の状態とするように仮組みを行ってあり、従って、規格品をそのまま使用するときは、該ネジ37を強固に螺入し、また、2ヶ所のうちの他方にもネジ37を強固に螺入する等して、仮組み枠34を外枠として完全に固定する本固定を行なうように用いるものとしてある。
【0024】
該仮組みは、例えば上記横枠35に対する左右の縦枠36の一方又は双方についてこれを行うものとしてあり、従って吊元側及び戸当側の双方の縦枠36について仮止め固定を行うものとすることが可能であるが、一方の縦枠36について仮組みを行うとき、例えば、上記仕切面体31の吊元側でその仮止め固定を行うようにして、該吊元側を上記幅詰めのための部分的な切除対象部位とすることができる。このように吊元側を切除対象部位とするものとすれば、戸当側に設置した錠、例えば、打ち掛け錠を取り外すことなく、その作業を行うことが可能となる。また、吊元側又は戸当側の一方又は双方を幅詰めのための部分的な切除対象部位とするに際しては、該切除対象部位側の片側の、例えば、吊元側の縦枠36を取り外すようにすれば、仕切面体31と仮組み枠34の上下の横枠35と戸当側の縦枠36によるコ字状の枠を外すことができ、更に、仕切面体31は、これを該コ字状の枠から引き抜くことができるから、切除作業は、これらを転倒した状態とする等して安定且つ確実に行うことが可能になる。
【0025】
更に、仕切面体31は、その外周縁部を上記外枠、即ち仮組み枠34、特に縦枠36の受入溝に嵌入保持し得るように肉厚を該受入溝の溝幅に合せてあるところ、本例にあっては切除対象部位の全体に亘ってその肉厚を同様に該受入溝の溝幅に合せるようにすることによって、該縦枠が、その受入溝に切除対象部位を切除した切除後の仕切面体31の縁部を被覆して、切断端面が露出するようなことなく、外観よく安定且つ確実な受入保持を行うものとすることができる。
【0026】
本例にあって仕切面体31は、アルミ鋳物で一体に鋳造したものとするも、特にその面模様を疎密の各部位32、33によって形成し、疎の部位33を幅方向一方又は双方の端部に配置し、その余に密の部位32を配置したものとし、また、このとき、該面模様における疎の部位32を、切除用に縦方向又は横方向、本例にあっては横方向の小桟を配置して形成したものとしてある。
【0027】
本例の仕切面体31は、縦横の見付を小さく、例えば1cm以下とした小桟を配置して、面内中間に密の部位33を、幅方向双方の端部に疎の部位32を配置して、図3に示すように、全体を格子状とした面模様をなすものとしてあり、このとき密の部位33を、例えば数列にして数段、特に3列6段の桝目格子の模様とし、幅方向双方の端部における疎の部位32を1〜2列にして数段、特に1列にして、その段数を、上下中間で長寸とし、上下端部で短寸とした4段の縦長格子の模様をなすものとしてあり、これによって本例の門扉本体3は上下及び左右の勝手を問わずに外枠、即ち仮組み枠34に装着し得るようにしてある。本例にあって該面模様の上記疎密の各部位32、33は、その幅をそれぞれ15cm程度としてあり、これによって、幅方向一方の端部全部を切除したとき15cm、幅方向双方の端部全部を切除したとき30cmの幅詰めを行って、上記0.75mの門扉本体Aを、例えば0.6mや0.4m程度の幅のものとし得るようにしてある。
【0028】
門扉本体3の幅詰めは、上記仮組み枠34の戸当側の縦枠36を取り外し又は該仮組み枠34を分解して、その上下の横枠35と仕切面体31の端部を部分的に切除すればよく、図5に示すように、上下の横枠35については、工具、例えばカッターを用いてアルミ押出材を幅詰め位置で切断してこれを除去し、仕切面体31については、同じく工具、例えばグラインダーを用いて、上記幅方向一方又は双方の端部を同じく幅詰め位置で切断しこれを除去するようにして、部分的な切除を行うものとしてあり、該切断後に図6に示すように、取り外した戸当側の縦枠36を再度設置し、ネジ37によって本固定し、又は分解した上下左右の横枠35及び縦枠36を同様に本固定し、それぞれ強固な固定を行うことによって、部分的に切除した仕切面体31を、外枠34で囲繞して幅詰めの門扉本体3とすればよい。
【0029】
該仕切面体31の部分的な切除は、仮組み枠34の上下の横枠35が受入れ被嵌した上下及び上記縦長格子をなす3本の合計5本の横方向に向けた疎の部位32の小桟を縦方向に同一寸法分それぞれ切断して、その部分的な切除を行えばよく、このとき小桟は、その見付を上記1cm以下とした細幅のものとしてあるから、該小桟の切断による切除を容易に行うことができる。
【0030】
部分的な切除の後に、仕切面体31の上下端及び切除端を覆うように上下の横枠35及び縦枠36を再装着して上記本固定、即ち強固な固定を行えば、特に切除端が露出することなく、犬走りの幅に合せた外観良好な門扉本体3を形成することができる。従って、吊元支柱1及び戸当支柱2を起立設置して吊元支柱1に門扉本体3を常法に従ってヒンジで吊支持すれば、犬走りの開閉自在な閉鎖を行う犬走り閉鎖用門扉Aの設置作業を完了し得る。
【0031】
図8及び9は、他の例を示すもので、本例にあっては、上記戸当支柱1に代えて、例えば塀や建物の起立面5に固定して門扉本体3の錠受を設置した戸当部材4を用いて犬走り閉鎖用門扉Aを形成してあり、本例にあって該戸当部材4は、これを、例えば10〜30cm程度の長さとしたアルミ押出材を用いて、その上下端にキャップを装着するとともに、戸当支柱2と同様に裏面の見付面に、例えば門扉本体3の戸当側の裏面見付面設置の打ち掛け錠のアーム受をなす上向き開口断面U字状金具の錠受を固定したものとしてあり、該戸当部材4は、例えば、塀や建物壁面等の起立面5に、例えばネジ止め等適宜の固定手段によって、その固定を行えばよく、該戸当部材4を用いることによって、その下方部分を開放した空間とし得るから、戸当支柱2を起立設置するについて障害が存在する現場においても、該障害の有無に拘らずに犬走り閉鎖用門扉の設置を行うことができ、また、犬走りから庭に荷物を搬入搬出するに際しても、該荷物を手持ちした状態で、戸当支柱2分の幅の空間を利用することが可能となり、使い勝手のよい犬走り閉鎖用門扉とすることができる。
【0032】
以上のように門扉Aを犬走りに設置することによって、該犬走りを開閉自在に閉鎖して、外観良好に外部との遮断性を向上して侵入犯の侵入乃至逃走障害とすることができ、犬走りの防犯性を確保することができるとともに幅詰めを自在としたことによって広狭各種の犬走りに規格品を用いて可及的に簡易な作業によって現場対応を行うことができる。
【0033】
図示した例は以上のとおりとしたが、門扉本体における仕切面体の面模様を、従来の鋳物門扉の各種デザインを含めて自由な形態のものとすること、このとき、仕切面体の、仮組み枠の上下の横枠及び左右の縦枠に受入溝の溝幅に合せるように、外形枠部及び切除部分の肉厚と、切除対象外の、例えば、中間部分の肉厚を変化させ、該切除対象外を適宜に厚くするように形成すること、面模様を疎密の各部位によって形成するとき、上記横方向の小桟に代えて、切除用に縦方向の小桟を配置して形成したものとすること、門扉本体の部分的な切除を、切除対象部位の全部とし、また、その一部とすること、上記門扉本体の幅を超える犬走りについて、上記犬走り門扉を一対用い、その一方又は双方に上記幅方向の切除を施すことによって、該犬走り用閉鎖門扉を両開き門扉として用いるようにすること、このとき双方の吊元支柱を用いて各門扉本体を吊支持し且つ門扉本体間に錠と錠受を設置するようにすること、犬走り閉鎖用門扉の設置を、塀に開口した勝手口や裏口等の、犬走りと同様な小開口の幅に対応する必要のある箇所に行うこと等を含めて、本発明の実施に当って、吊元支柱、戸当支柱、門扉本体、仮組み枠、幅詰め、仕切面体、面模様、必要に応じて用いる面模様の疎の部位又は密の部位、小桟、吊元支柱及び戸当支柱の見付面、戸当部材等の各具体的形状、構造、材質、これらの関係、これらに対する付加等は上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0034】
A 犬走り閉鎖用門扉
1 吊元支柱
2 戸当支柱
3 門扉本体
31 仕切面体
32 疎の部位
33 密の部位
34 外枠(仮組み枠)
35 横枠
36 縦枠
37 ネジ
4 戸当部材
5 起立面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊元支柱に門扉本体を吊支持して戸当支柱との間で開閉自在とした門扉であって、上記門扉本体を、アルミ鋳物製一体の仕切面体と、該仕切面体をその四周で囲繞する外枠をなすアルミ押出材製の仮組み枠とを備えて形成し、該仮組み枠の縦枠を取り外し又は該仮組み枠を分解して該仮組み枠の上下の横枠と仕切面体の幅方向一方又は双方の端部を部分的に切除することによって建物の犬走り用に門扉本体を幅詰め自在としてなることを特徴とする犬走り閉鎖用門扉。
【請求項2】
上記アルミ鋳物製の仕切面体における面模様を疎密の各部位によって形成し、疎の部位を幅方向一方又は双方の端部に配置し、その余に密の部位を配置してなることを特徴とする請求項1に記載の犬走り閉鎖用門扉。
【請求項3】
上記仕切面体の面模様における疎の部位を、切除用に縦方向又は横方向の小桟を配置して形成してなることを特徴とする請求項2に記載の犬走り閉鎖用門扉。
【請求項4】
上記吊元支柱及び戸当支柱を、見付面を4〜6cmとした見付面細幅形成の支柱を用いて形成してなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の犬走り閉鎖用門扉。
【請求項5】
上記戸当支柱に代えて、塀等の起立面に固定して門扉本体の錠受を設置した戸当部材を用いてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の犬走り閉鎖用門扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−112148(P2012−112148A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260853(P2010−260853)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】