説明

現像剤及び画像形成方法

【課題】長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる現像剤及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】トナー粒子と、外添剤としての樹脂微粒子と、外添剤としての第1及び第2のシリカ微粒子と、を含む現像剤及びそれを用いた画像形成方法であって、第1のシリカ微粒子の数平均粒子径をAd(nm)、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をAc(%)、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をBd(nm)、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をBc(%)、樹脂微粒子の数平均一次粒子径をCd(nm)、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率をCc(%)、とした場合に、Ad、Ac、Bd、Bc、Cd及びCcが、下記関係式(1)等を満足する。
16≦Ad≦35nm (1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤及び画像形成方法に関し、特に、長期間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる現像剤及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真システムは、絶縁性トナー粒子や導電性トナー粒子のみを用いる一成分現像方式と、トナー粒子及びキャリアを用いる二成分現像方式と、の二つに大別される。
このうち二成分現像方式は、キャリアを介してトナー粒子を摩擦帯電させるため、一成分現像方式と比較して、摩擦帯電の制御性に優れている。
また、近年では、トナー粒子の摩擦帯電をさらに安定的に制御すべく、トナー粒子に対して無機微粒子と、樹脂微粒子と、を外添させる方法が行われている(例えば、特許文献1)。
すなわち、無機微粒子によって現像剤の流動性を向上させつつ、樹脂微粒子によってトナー粒子の帯電性を向上させることにより、トナー粒子の摩擦帯電を、より効果的に制御する方法が行われている。
しかしながら、外添剤として樹脂微粒子を用いた場合、樹脂微粒子同士の凝集が生じやすいことから、画像形成時の環境によっては、トナー粒子の帯電性に悪影響を及ぼし、ひいてはかぶりの原因となりやすいという問題が見られた。
【0003】
そこで、かかる樹脂微粒子同士の凝集を抑制するために、樹脂微粒子の粒径に近い大粒径シリカを用いる方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
より具体的には、トナー粒子に対して、個数平均粒径が異なる2種類のシリカ微粒子と、樹脂微粒子と、を外添させた静電荷現像用現像剤であって、2種類のシリカ微粒子として、個数平均粒径が15nm未満の値である第1のシリカ微粒子と、個数平均粒径が15〜150nmの範囲内の値である第2のシリカ微粒子と、を用いることともに、樹脂微粒子として、第2のシリカ微粒子の個数平均粒径と、当該樹脂微粒子の個数平均粒径と、の比が1:0.05〜20の範囲内である樹脂微粒子を用いることを特徴とする静電荷現像用現像剤が開示されている。
【特許文献1】特開平4−274249号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平11−184145号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載された現像剤は、樹脂微粒子同士の凝集についてはある程度抑制することができるものの、樹脂微粒子が感光体表面に付着しやすく、結果としてフィルミングが発生しやすいという問題が見られた。
特に、低濃度印字、より具体的には、平均印字率が2%未満である印字を繰り返した場合には、感光体表面に樹脂微粒子が滞留しやすくなることから、さらにフィルミングが発生しやすくなるという問題が見られた。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、鋭意検討した結果、現像剤において、トナー粒子の外添剤として、それぞれ所定の粒径を有する二種類のシリカ微粒子と、所定の粒径を有する樹脂微粒子と、を用いるとともに、これらの外添剤のトナー粒子に対する被覆率の関係を、所定の範囲に規定することにより、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の目的は、長期間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる現像剤及びそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、トナー粒子と、外添剤としての樹脂微粒子と、外添剤としての第1及び第2のシリカ微粒子と、キャリアと、を含む現像剤であって、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をAd(nm)、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をAc(%)、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をBd(nm)、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をBc(%)、樹脂微粒子の数平均一次粒子径をCd(nm)、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率をCc(%)、とした場合に、Ad、Ac、Bd、Bc、Cd及びCcが、下記関係式(1)〜(5)を満足することを特徴とする現像剤が提供され、上述した問題を解決することができる。
16≦Ad≦35nm (1)
Bd≧70nm (2)
Cd≧40nm (3)
1≦Cc≦Ac (4)
1≦Cc≦Bc (5)
すなわち、関係式(1)〜(5)を満足することにより、第1のシリカ微粒子が、樹脂微粒子と、感光体と、の間におけるスペーサーとしての効果を発揮する一方で、第2のシリカ微粒子が、感光体に付着し始めた樹脂微粒子を研磨する研磨剤としての効果を発揮することから、感光体表面に対する樹脂微粒子の付着を、効果的に抑制することができる。
それ故、第1及び第2のシリカ微粒子による流動性を向上させる効果と、樹脂微粒子による帯電性を向上させる効果と、を安定的に発揮させることができる。
したがって、本発明の現像剤であれば、長期間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる。
【0007】
また、本発明の二成分現像剤を構成するにあたり、Ccが、下記関係式(6)を満足することが好ましい。
1≦Cc≦30 (6)
このように構成することにより、トナー粒子の帯電性を向上させつつも、感光体に対して樹脂微粒子が付着することを効果的に抑制することができる。
【0008】
また、本発明の現像剤を構成するにあたり、樹脂微粒子が、スチレンと、ブチルメタクリレート及びジメチルアミノアクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーと、からなるスチレン−アクリル系ポリマーを含むことが好ましい。
このように構成することにより、トナー粒子の帯電性をより効果的に向上させることができる。
【0009】
また、本発明の現像剤を構成するにあたり、第1のシリカ微粒子の一部が、樹脂微粒子に対して外添されていることが好ましい。
このように構成することにより、第1のシリカ微粒子によるスペーサー効果を、より確実に発揮させることができる。
【0010】
また、本発明の現像剤を構成するにあたり、トナー粒子に対して、さらに酸化チタン微粒子を外添させることが好ましい。
このように構成することにより、感光体に対するトナー粒子の付着を抑制することができる。
【0011】
また、本発明の現像剤を構成するにあたり、現像剤が、二成分現像剤であることが好ましい。
このように構成することにより、トナー粒子の摩擦帯電の安定性を、さらに向上させることができる。
【0012】
また、本発明の別の態様は、上述した現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法である。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、所定の現像剤を用いていることから、長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる。
したがって、安定的に画像品質を維持することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成方法を実施するにあたり、感光体として、アモルファスシリコン感光体を用いることが好ましい。
このように実施することにより、感光体表面に対して樹脂微粒子が付着しやすくなるものの、本発明であれば、効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、トナー粒子と、外添剤としての樹脂微粒子と、外添剤としての第1及び第2のシリカ微粒子と、キャリアと、を含む現像剤であって、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をAd(nm)、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をAc(%)、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をBd(nm)、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率をBc(%)、樹脂微粒子の数平均一次粒子径をCd(nm)、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率をCc(%)、とした場合に、Ad、Ac、Bd、Bc、Cd及びCcが、下記関係式(1)〜(5)を満足することを特徴とする現像剤である。
16≦Ad≦35nm (1)
Bd≧70nm (2)
Cd≧40nm (3)
1≦Cc≦Ac (4)
1≦Cc≦Bc (5)
すなわち、関係式(1)〜(5)を満足することにより、図1(a)〜(b)に示すような現像剤の状態を作り出し、図2〜4に示すように、長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができる現像剤である。
以下、第1の実施形態としての現像剤について、構成要件ごとに、具体的に説明する。
【0015】
1.トナー粒子
(1)結着樹脂
トナー粒子に用いられる結着樹脂の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
【0016】
(2)着色剤
また、トナー粒子に含有させる着色剤は、特に制限されるものではないが、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、アゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土、ニトロ系染料、油溶性染料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料、銅フタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。
また、着色剤の添加量についても特に制限されるものではないが、例えば、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる着色剤の添加量が0.01重量部未満の値となると、画像濃度が低下して、鮮明な画像を得ることが困難となる場合があるためである。一方、かかる着色剤の添加量が30重量部を超えた値となると、定着性が低下する場合があるためである。
したがって、着色剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0017】
(3)電荷制御剤
また、トナー粒子に対して、電荷制御剤を添加することが好ましい。
この理由は、電荷制御剤を添加することによって、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させることができるためである。
このような電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することが好ましい。
また、電荷制御剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電荷制御剤の添加量が0.5重量部未満の値となると、電荷制御剤の効果が十分に発揮されない場合があるためである。一方、電荷制御剤の添加量が10重量部を超えた値となると、特に高温高湿環境下において、帯電不良及び画像不良が生じやすくなる場合があるためである。
したがって、電荷制御剤の添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して1〜9重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜8重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0018】
(4)ワックス
また、トナー粒子に対して、ワックスを添加することが好ましい。
このようなワックスとしては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、ワックスの添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ワックスの添加量が0.1重量部未満の値となると、定着プロセスでのオフセット(トナー粒子が定着ローラに付着する現象)や像スミアリング等を効果的に防止することが困難となる場合があるためである。一方、ワックスの添加量が20重量部を超えると、トナー粒子同士が融着して、保存安定性が低下する場合があるためである。
したがって、ワックスの添加量を、トナー粒子の結着樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0019】
(5)体積平均粒子径
また、トナー粒子の体積平均粒子径を4〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、トナー粒子の体積平均粒子径が4μm未満の値となると、物理的あるいは熱的ストレスの影響が過度に大きくなって、現像剤の劣化を十分に抑制することが困難となる場合があるためである。一方、トナー粒子の体積平均粒子径が12μmを超えた値となると、高画質画像を得ることが困難となる場合があるためである。
したがって、トナー粒子の体積平均粒子径を5〜10μmの範囲内の値とすることがより好ましく、6〜9μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかるトナー粒子の体積平均粒子径は、例えば、ベックマンコールター社製のコールターマルチサイザー3を用いて測定することができる。
【0020】
(6)製造方法
また、トナー粒子の製造方法としては、まず、上述した結着樹脂と、ワックスと、着色剤と、必要に応じてその他添加剤とを、公知の方法を用いて、予備混合をした後、溶融混練を行って、トナー用樹脂組成物を調製する。次いで、得られたトナー用樹脂組成物を公知の方法を用いて微粉砕し、その後、分級処理をしてトナー粒子を得ることが好ましい。
ここで、予備混合処理としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミル、スーパーミキサー、乾式ブレンダー等を用いて行うことが好ましい。
また、溶融混練処理としては、例えば、二軸押出機や一軸押出機等を用いて行うことが好ましい。また、微粉砕処理としては、例えば、気流式粉砕機等を用いて行うことが好ましい。さらに、分級処理としては、例えば、風力分級機等を用いて行うことが好ましい。
【0021】
2.樹脂微粒子
また、本発明の現像剤は、トナー粒子の外添剤として、樹脂微粒子を含むことを特徴とする。
この理由は、外添剤として樹脂微粒子を含むことにより、トナー粒子の実質的な表面積を大きくして、その摩擦帯電性を効果的に向上させることができるためである。
【0022】
(1)結着樹脂
樹脂微粒子における結着樹脂としては、トナー粒子の結着樹脂に使用されるものと同様の結着樹脂を用いることができる。
例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
一方、上述した結着樹脂の中でも、特にアクリル系樹脂を用いることが好ましい。
この理由は、アクリル系樹脂であれば、樹脂微粒子の硬度を、トナー粒子と同程度の硬度に調節することが容易となるばかりか、樹脂微粒子における摩擦帯電特性等を、容易に調節することができるためである。
また、アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体及びスチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
より具体的には、スチレンと、ブチルメタクリレート及びジメチルアミノアクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーと、からなるスチレン−アクリル系ポリマーが挙げられる。
この理由は、これらのモノマーからなる結着樹脂を用いた樹脂微粒子であれば、トナー粒子の帯電性をより効果的に向上させることができるためである。
【0023】
また、樹脂微粒子における結着樹脂のガラス転移点を80〜150℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、樹脂微粒子における結着樹脂のガラス転移点をかかる範囲とすることにより、トナー粒子の定着性を保持しつつも、感光体表面に対する樹脂微粒子の付着を抑制することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子における結着樹脂のガラス転移点が80℃未満の値となると、樹脂微粒子が感光体に対して、過度に熱融着しやすくなる場合があるためである。一方、樹脂微粒子における結着樹脂のガラス転移点が150℃を超えた値となると、トナー粒子に対して埋没しやすくなったり、トナー粒子の定着性を低下させる原因となったりする場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子における結着樹脂のガラス転移点を90〜145℃の範囲内の値とすることがより好ましく、100〜140℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0024】
(2)数平均一次粒子径
また、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdを40nm以上の値とすること、すなわち、Cdが関係式(3)を満足することを特徴とする。
この理由は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdをかかる範囲とすることにより、トナー粒子の実質的な表面積を増加させて、その帯電性を効率よく向上させることができる一方で、後述する第1及び第2のシリカ微粒子によって、感光体表面に対して樹脂微粒子が付着することを効果的に抑制することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdが40nm未満の値となると、トナー粒子の帯電性を十分に向上させることが困難となるばかりか、第1のシリカ微粒子による樹脂微粒子の外添が困難となったり、第2のシリカ微粒子による研磨効果が十分に発揮されにくくなったりする場合があるためである。一方、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdが過度に大きな値となると、トナー粒子に対する遊離率が過度に大きくなる場合がある。
したがって、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdを40〜200nmの範囲内の値とすることがより好ましく、50〜100nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdは、例えば、動的散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製、LB−550)によって測定することができる。
また、本発明においては、樹脂微粒子が凝集していてもよいが、その場合の数平均二次粒子径は、100〜2000nmの範囲内の値とすることが好ましく、200〜1000nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0025】
(3)被覆率
また、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccを1〜30%の範囲内の値とすること、すなわち、Ccが関係式(6)を満足することが好ましい。
この理由は、樹脂微粒子の被覆率Ccをかかる範囲内の値とすることにより、トナー粒子の帯電性を向上させつつも、感光体に対して樹脂微粒子が付着することを、より効果的に抑制することができるためである。
すなわち、樹脂微粒子の被覆率Ccが1%未満の値となると、トナー粒子の帯電性を十分に向上させることが困難となって、かぶりやトナー飛散等を抑制することが困難となる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の被覆率Ccが30%を超えた値となると、特に第1のシリカ微粒子によるスペーサー効果が十分に発揮されにくくなって、感光体に対して樹脂微粒子が過度に付着しやすくなる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccを1.5〜25%の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜20%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、本発明における樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccとは、トナー粒子の表面積に対する、当該トナー粒子に外添されている樹脂微粒子の投影面積の割合(%)を意味する。
かかる被覆率Ccの具体的な計算方法は、実施例において記載する。
【0026】
(4)添加量
また、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.1〜1.5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、樹脂微粒子の添加量が0.1重量部未満の値となると、樹脂微粒子の被覆率Ccが過度に低下して、トナー粒子の帯電性を十分に向上させることが困難となる場合があるためである。一方、樹脂微粒子の添加量が1.5重量部を超えた値となると、感光体に対して樹脂微粒子が過度に付着しやすくなる場合があるためである。
したがって、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.15〜1.25重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜1重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0027】
(5)製造方法
また、樹脂微粒子は、乳化重合法、スプレードライ法、またはこれらの組み合わせ等によって製造することができるが、特に好適な製造方法としては、乳化重合法が挙げられる。
乳化重合法について具体的に説明すると、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムや、ラウリン酸ジエタノールアミド等の界面活性剤及び過硫酸アンモニウムや、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩等の重合開始剤等を添加した溶液を用意する。次いで、かかる溶液に対して、アクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ジメチルアミノアクリレート及びスチレン等のモノマー成分を、滴下して、エマルジョンを得る。最後に、かかるエマルジョンを乾燥させることで、樹脂微粒子を得ることができる。
【0028】
3.第1のシリカ微粒子
また、本発明の現像剤は、トナー粒子の外添剤として、第1のシリカ微粒子を含むことを特徴とする。
この理由は、外添剤として第1のシリカ微粒子を含むことにより、トナー粒子の流動性を向上させることができる一方で、樹脂微粒子と、感光体表面と、の間におけるスペーサーとしての機能を発揮させて、感光体表面に対して樹脂微粒子が付着することを効果的に抑制することができるためである。
【0029】
(1)種類
第1のシリカ微粒子は、金属ケイ素の酸化による反応熱により、蒸気または液体状態を経て造粒される真球状のシリカ微粒子であることが好ましい。
また、第1のシリカ微粒子に対しては、ジメチルポリシロキサン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン及びアリルジメチルクロルシラン等の有機ケイ素化合物によって疎水化処理を施すことができる。
これらの中でも、第1のシリカ微粒子のスペーサー効果をよりよく発揮させることができることから、ジメチルポリシロキサン及び3−アミノプロピルトリメトキシシランを併用することが特に好ましい。
【0030】
(2)数平均一次粒子径
また、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adを16〜35nmの範囲内の値とすること、すなわち、Adが関係式(1)を満足することを特徴とする。
この理由は、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adをかかる範囲とすることにより、トナー粒子の流動性を向上させることができる一方で、樹脂微粒子と、感光体表面と、の間におけるスペーサーとしての機能を発揮させて、感光体表面に対して樹脂微粒子が付着することを効果的に抑制することができるためである。
すなわち、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adが16nm未満の値となると、第1のシリカ微粒子が、樹脂微粒子に対して過度に埋没しやすくなる場合があるためである。一方、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adが30nmを超えた値となると、樹脂微粒子に対して均一に外添させることが困難となって、ひいては、樹脂微粒子と、感光体表面と、の間におけるスペーサーとしての機能を発揮させることが困難となる場合があるためである。
したがって、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adを18〜37nmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜30nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adは、例えば、動的散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製、LB−550)によって測定することができる。
また、本発明においては、第1のシリカ微粒子が凝集していてもよいが、その場合の数平均二次粒子径は、50〜2000nmの範囲内の値とすることが好ましく、100〜1000nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0031】
(3)被覆率
また、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Acを、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccよりも大きな値とすること、すなわち、Ac及びCcが関係式(4)を満足することを特徴とする。
この理由は、第1のシリカ微粒子の被覆率Acを、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも大きな値とすることにより、第1のシリカ微粒子のスペーサーとしての機能を、安定的に発揮させることができるためである。
すなわち、第1のシリカ微粒子の被覆率Acが、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも小さな値となると、樹脂微粒子表面における第1のシリカ微粒子の存在量が過度に少なくなって、樹脂微粒子と、感光体表面とが、直接的に接触しやすくなるためである。一方、第1のシリカ微粒子の被覆率Acが過度に大きな値となると、第1のシリカ微粒子同士が凝集しやすくなったり、トナー粒子に対する樹脂微粒子の外添を阻害したりする場合がある。
したがって、樹脂微粒子の被覆率Ccとの兼ね合いを考慮する必要はあるが、一般的には、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Acを10〜60%の範囲内の値とすることが好ましく、15〜40%の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Acは、樹脂微粒子の場合と同様に定義される。
かかる被覆率Acの具体的な計算方法は、実施例において記載する。
【0032】
(4)添加量
また、第1のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.3〜3重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第1のシリカ微粒子の添加量が0.3重量部未満の値となると、第1のシリカ微粒子の被覆率Acが過度に低下して、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも大きな値に調節することが困難となる場合があるためである。一方、第1のシリカ微粒子の添加量が3重量部を超えた値となると、第1のシリカ微粒子同士が過度に凝集しやすくなったり、トナー粒子に対する樹脂微粒子の外添を阻害したりする場合がある。
したがって、第1のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.4〜2.5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜2重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0033】
(5)樹脂微粒子に対する外添
また、図1(a)〜(b)に示すように、第1のシリカ微粒子52の一部が、樹脂微粒子53に対して外添されていることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、第1のシリカ微粒子によるスペーサー効果を、より確実に発揮させることができるためである。
なお、このような外添状態とするための具体的な方法については、後述する。
【0034】
4.第2のシリカ微粒子
また、本発明の現像剤は、トナー粒子の外添剤として、さらに第2のシリカ微粒子を含むことを特徴とする。
この理由は、外添剤として第のシリカ微粒子を含むことにより、トナー粒子の流動性を向上させることができる一方で、感光体表面に付着し始めた樹脂微粒子を、効率的に研磨除去することができるためである。
なお、トナー粒子の研磨剤としては、従来より酸化チタン微粒子が用いられているが、トナー粒子よりも小さく、かつ、帯電しやすい樹脂微粒子に対しては、その研磨効果が不十分であった。
これは、酸化チタン微粒子が非常に凝集しやすいため、第2のシリカ微粒子よりも研磨が粗いことに起因すると推定される。
【0035】
(1)種類
第2のシリカ微粒子は、その数平均一次粒子径が異なるほかは、基本的に第1のシリカ微粒子と同様の構成とすることができる。
一方、疎水化処理を施す場合には、第2のシリカ微粒子の研磨効果をよりよく発揮させることができることから、処理剤としてアミノプロピルエトキシシラン及びシリコンオイルを併用することが好ましい。
【0036】
(2)数平均一次粒子径
また、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdを70nm以上の値とすること、すなわち、Bdが関係式(2)を満足することを特徴とする。
この理由は、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdをかかる範囲とすることにより、トナー粒子の流動性を向上させることができる一方で、感光体表面に付着し始めた樹脂微粒子を、効率的に研磨除去することができるためである。
すなわち、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdが70nm未満の値となると、第2のシリカ微粒子同士が過度に凝集しやすくなって、研磨が粗くなる場合があるためである。一方、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdが過度に大きな値となると、トナー粒子からの遊離率が過度に増加したり、トナー粒子の流動性を阻害したりする場合がある。
したがって、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdを70〜150nmの範囲内の値とすることがより好ましく、80〜120nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0037】
(3)被覆率
また、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Bcを、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccよりも大きな値とすること、すなわち、Bc及びCcが関係式(5)を満足することを特徴とする。
この理由は、第2のシリカ微粒子の被覆率Bcを、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも大きな値とすることにより、第2のシリカ微粒子の研磨剤としての機能を、安定的に発揮させることができるためである。
すなわち、第2のシリカ微粒子の被覆率Bcが、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも小さな値となると、第2のシリカ微粒子の絶対量が不足して、感光体表面に付着し始めた樹脂微粒子を効率よく研磨除去することが困難となる場合があるためである。一方、第2のシリカ微粒子の被覆率Bcが過度に大きな値となると、第2のシリカ微粒子同士が凝集しやすくなったり、トナー粒子に対する樹脂微粒子の外添を阻害したりする場合がる。
したがって、樹脂微粒子の被覆率Ccとの兼ね合いを考慮する必要はあるが、一般的には、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Bcを5〜30%の範囲内の値とすることが好ましく、10〜20%の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Bcは、樹脂微粒子の場合と同様に定義される。
かかる被覆率Bcの具体的な計算方法は、実施例において記載する。
【0038】
(4)添加量
また、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.4〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、第2のシリカ微粒子の添加量が0.4重量部未満の値となると、第2のシリカ微粒子の被覆率Bcが過度に低下して、樹脂微粒子の被覆率Ccよりも大きな値に調節することが困難となる場合があるためである。一方、第2のシリカ微粒子の添加量が5重量部を超えた値となると、第2のシリカ微粒子同士が凝集しやすくなったり、トナー粒子に対する樹脂微粒子の外添を阻害したりする場合がある。
したがって、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して、0.8〜3重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】
5.関係式
上述してきたように、本発明の現像剤は、関係式(1)〜(5)を満足することを特徴とする。
以下、図2〜4を用いて、関係式(1)〜(5)と、本発明の効果と、の関係を説明する。
【0040】
まず、図2を用いて、樹脂微粒子の数平均一次粒子径と、10万枚低濃度印字を行った場合の感光体に対する樹脂微粒子の付着性と、の関係を説明する。
すなわち、図2には、横軸に樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cd(nm)を採り、縦軸に感光体に対する樹脂微粒子の付着性評価値(相対値)を採った特性曲線A及びプロットB〜Fが示してある。
ここで、特性曲線Aは、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Adが16〜35nmの範囲内の値であり、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径Bdが70nm以上の値であり、かつ、第1及び第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ac及びBcの値が、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccの値よりも大きい現像剤を用いた場合の特性曲線を示す。
すなわち、特性曲線Aは、関係式(1)、(2)、(4)及び(5)を満足する現像剤を用いた場合の特性曲線を示す。
一方、プロットB(マーカー:●)は、関係式(1)〜(3)及び(5)は満足するものの、第1のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Acが、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccよりも小さく、関係式(4)を満足していない現像剤を用いた場合のプロットを示す。
また、プロットC(マーカー:□)は、関係式(1)〜(4)は満足するものの、第2のシリカ微粒子のトナー粒子に対する被覆率Bcが、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccよりも小さく、関係式(5)を満足していない現像剤を用いた場合のプロットを示す。
また、プロットD(マーカー:▲)は、関係式(2)〜(5)は満足するものの、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径が、16nm未満の値であり、関係式(1)を満足していない現像剤を用いた場合のプロットを示す。
また、プロットE(マーカー:◇)は、関係式(2)〜(5)は満足するものの、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径が、35nmを超えた値であり、関係式(1)を満足していない現像剤を用いた場合のプロットを示す。
さらに、プロットF(マーカー:×)は、関係式(1)及び(3)〜(5)は満足するものの、第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径が、70nm未満の値であり、関係式(2)を満足していない現像剤を用いた場合のプロットを示す。
なお、このときの樹脂微粒子のトナー粒子100重量部に対する添加量は、0.3重量部に統一した。
また、感光体に対する樹脂微粒子の付着性評価値(以下、感光体付着性評価値と称する)は、10万枚の低濃度印字を行った場合の結果であり、下記評価基準に沿って数値化したものである。かかる評価方法等についての詳細は、実施例にて記載する。
3:感光体付着無し
1:感光体付着有り
【0041】
まず、特性曲線Aからは、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdが増加するのにともなって、感光体付着性評価値が増加し、感光体付着性を効果的に抑制できるようになることが理解される。
より具体的には、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdが30nmから40nmへと増加する際に、感光体付着性評価値が1(感光体付着有り)から3(感光体付着無し)へと急激に増加し、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdが40nm以上の範囲では、安定的に感光体付着性評価値を3に保持できることが理解される。
これに対し、プロットB、C、D及びFの場合は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdを80nmまで増加させた場合であっても、所望の感光体付着性評価値を得ることが困難となることが理解される。
したがって、関係式(2)、(4)及び(5)を満足することを前提とした場合であれば、関係式(3)を満足することにより、長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制できることが理解される。
【0042】
次いで、同様に図3及び4において、樹脂微粒子の数平均一次粒子径と、10万枚低濃度印字を行った場合の画像濃度及びかぶり濃度と、の関係をそれぞれ示す。ここで、画像濃度及びかぶり濃度は、それぞれ現像剤の帯電性を判断するための指標となる値である。
かかる画像濃度及びかぶり濃度の測定方法等についての詳細は、実施例にて記載する。
また、図3及び4に示す特性曲線A及びプロットB〜Fにおいて用いた現像剤の構成は、図2における特性曲線A及びプロットB〜Fと同様である。
【0043】
まず、特性曲線Aからは、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdを40nm以上の値とすることにより、安定的に1.3以上の画像濃度が得られるとともに、かぶり濃度についても、安定的に0.008以下の値に抑制できることが理解される。
これに対し、プロットB〜Eの場合は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径Cdを80nmまで増加させた場合であっても、所望の画像濃度及びかぶり濃度を得ることが困難となることが理解される。
したがって、関係式(1)、(4)及び(5)を満足することを前提とした場合であれば、関係式(3)を満足することにより、長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、現像剤の摩擦帯電性を安定的に保持できることが理解される。
よって、図2〜4を総合的に判断したしたならば、関係式(1)〜(5)の全てを満足することにより、長期間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるようになるとともに、現像剤の摩擦帯電性についても効果的に保持できるようになることが理解される。
逆に言えば、関係式(1)〜(5)のいずれか一つでも満足しない場合、長期間連続して低濃度印字を行った場合における感光体に対する樹脂微粒子の付着、あるいは現像剤の摩擦帯電性の問題が生じてしまうことが理解される。
【0044】
また、既に樹脂微粒子の項において記載したので、内容を省略するが、樹脂微粒子のトナー粒子に対する被覆率Ccを1〜30%の範囲内の値とすること、すなわち、Ccが関係式(6)を満足することが好ましい。
【0045】
6.その他の外添剤
また、トナー粒子に対して、さらに酸化チタン微粒子を外添させることが好ましい。
この理由は、さらに酸化チタン微粒子を外添させることにより、感光体に対するトナー粒子の付着を抑制することができるためである。
かかる酸化チタン微粒子としては、特に限定されるものではなく、ルチル型、アナターゼ型及びブルッカイト型等、いずれの結晶型を有していてもよい。
また、酸化チタン微粒子の数平均一次粒子径としては、20〜300nmの範囲内の値とすることが好ましく、50〜200nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、酸化チタン微粒子の添加量としては、トナー粒子100重量部に対し、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜3重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0046】
7.外添条件
また、トナー粒子に対して、樹脂微粒子や第1及び第2のシリカ微粒子等の外添剤を外添させる際の外添条件としては、図1(a)〜(b)に示すような外添状態が得られるならば、特に制限されるものではない。
一例としては、ヘンシェルミキサー中に、トナー粒子と、所定の外添剤と、を収容した後、混合中の温度の上限値を5〜40℃の範囲内の値とし、回転数750〜5000rpmの範囲内にて1〜30分間混合する方法が挙げられる。
【0047】
7.二成分現像剤
また、本発明の現像剤を構成するにあたり、現像剤が、二成分現像剤であることが好ましい。
この理由は、二成分現像剤であれば、トナー粒子の帯電安定性を、さらに向上させることができるためである。
かかる二成分現像剤に使用されるキャリアは、キャリアコアのみからなるキャリアであってもよいが、キャリアコアと、かかるキャリアコアを被覆する樹脂被覆層からなることがより好ましい。
この理由は、かかる樹脂被覆層によって、キャリアの絶縁性を向上させて、キャリアとトナー粒子との摩擦帯電特性を好適な範囲に調節することができ、さらに、キャリアの耐久性を向上させることができるためである。
【0048】
(1)キャリアコア
キャリアコアとしては、フェライト、マグネタイト、鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性を示す金属もしくは合金、またはこれらの強磁性元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが、適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金等を挙げることができる。
また、このようなキャリアコアとして、ポリビニルアルコール樹脂やポリビニルアセタール樹脂等のバインダー樹脂中に、上述した磁性粉を分散させて造粒したものを用いることも好ましい。すなわち、磁性粉と、バインダー樹脂と、必要に応じて添加剤等と、を混合分散した後、造粒及び乾燥してコア素粒子を得ることができる。その後、得られたキャリアコア素粒子を公知の方法を用いて焼成、粉砕を行ってキャリアコアを得ることができる。
【0049】
(2)樹脂被覆層
また、キャリアの樹脂被覆層としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が好適に使用される。
この理由は、これらの樹脂であれば、キャリアにおける摩擦帯電特性等を、好適な範囲に調節することができるためである。
また、かかる樹脂被覆量は、キャリアコア100重量部に対して5〜60重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる樹脂被覆量が5重量部未満の値となると、キャリアコアを十分に被覆することができず、帯電性や耐久性が低下する場合があるためである。一方、かかる樹脂被覆量が60重量部を超えた値となると、流動性が低下したり、スペントが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、かかる樹脂被覆量を、キャリアコア100重量部に対して10〜50重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜45重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0050】
(3)平均粒子径
また、キャリアの平均粒子径を20〜120μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、キャリアの平均粒子径が20μm未満の値となると、キャリア飛び(感光体にキャリアが移行する現象)が生じ、印字部が白く抜けてしまう場合があるためである。一方、キャリアの平均粒子径が120μmを超えた値となると、現像剤全体としての現像性(現像量)が低下する場合があるためである。
したがって、キャリアの平均粒子径を30〜110μmの範囲内の値とすることがより好ましく、40〜100μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0051】
(4)添加量
また、キャリアの添加量を、トナー粒子100重量部に対して50〜5000重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、キャリアの添加量が50重量部未満の値となると、樹脂微粒子を外添させた状態のトナー粒子を十分に摩擦帯電させることが困難となる場合があるためである。一方、キャリアの添加量が5000重量部を超えた値となると、現像剤全体としての流動性が低下したり、キャリア飛びが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、キャリアの添加量を、トナー粒子100重量部に対して100〜3000重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜2000重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0052】
(5)製造方法
また、キャリアコアに対して樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、被覆樹脂を適当な溶媒に溶解した溶液を、スプレー噴霧や流動床等の手段を用いて、キャリアコアに対して被覆させることが好ましい。次いで、得られた被覆樹脂とキャリアコアの混合塊を乾燥及び焼成した後、ハンマーミル等を用いて解砕し、さらに風力分級機等を用いて分級処理を行うことが好ましい。
【0053】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態において記載した現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法である。
以下、第2の実施形態としての画像形成方法について、第1の実施形態と重複する内容は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0054】
1.画像形成装置
第2の実施形態の画像形成方法を実施するにあたり、例えば、図5に示すようなタンデム型の画像形成装置2を好適に使用することができる。
ここで、図5は、画像形成装置の全体構成を示す概略図である。この画像形成装置2は、画像形成装置本体2の下部に配設された給紙カセット22と、この給紙カセット22の側方および上方に配設された用紙搬送部と、この用紙搬送部の上方に配設された画像形成部と、この画像形成部よりも排出側に配設された定着部24と、を備えている。
そして、給紙カセット22には、給紙ローラの回転動作により、当該複数の給紙カセット22のうち選択された給紙カセット22から用紙が用紙搬送部側に送り出され、用紙が1枚ずつ確実に用紙搬送部に給紙されるように構成されている。なお、これら3つの給紙カセット22は、画像形成装置本体2に対し、着脱自在となるように構成されている。
【0055】
また、用紙搬送部に給紙された用紙は、用紙供給経路を経由して画像形成部に向けて搬送される。この画像形成部は、電子写真プロセスによって、用紙に所定のトナー像を形成するものであり、所定の方向に回転可能に軸支された像担持体である感光体10と、この感光体10の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置12、露光装置14、現像装置3(3〜6)、転写装置16、およびクリーニング装置18を備えている。
【0056】
また、帯電装置12は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体10の表面に所定電位を与えることにより、感光体10の表面が所定電位に一様に帯電させられる。そして、露光装置14により、原稿の画像データに基づく光が、感光体10に照射されることにより、感光体10の表面電位が選択的に減衰されて、この感光体10の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像装置3により、上述した静電潜像にトナーが付着し、感光体10の表面にトナー像が形成され、転写装置16により、感光体10の表面のトナー像が、感光体10と転写装置16との間に供給された用紙に転写される。
【0057】
また、トナー像が転写された用紙は、画像形成部から定着部24に向けて搬送される。この定着部24は、画像形成部の用紙搬送方向の下流側に配置されており、画像形成部においてトナー像が転写された用紙は、定着部24に設けられた加熱ローラ、および当該加熱ローラに押し付けられる加圧ローラによって挟まれるとともに加熱され、用紙上にトナー像が定着される。次いで、画像形成部から定着部24において画像形成がなされた用紙は、排出ローラ対26によって排出トレイ28上に排出される。一方、転写後、感光体10の表面に残留しているトナーは、クリーニング装置18により除去される。
その後、感光体10は帯電装置12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
【0058】
2.現像装置
また、本発明に使用する現像装置としては、一例ではあるが、図6に示すように、二成分現像剤を収容するための現像容器110と、現像剤を担持して現像領域に搬送するための現像ローラ140と、現像ローラ140に対して現像剤を供給するための磁気ローラ130と、磁気ローラ130上に形成された磁気ブラシの層厚を規制するための現像剤層厚規制部材117と、所定の回転軸を中心に回転して現像剤を回転軸方向に搬送するラセンバネ120と、を含む現像装置100を用いることができる。
ここで、ラセンバネ120とは、現像剤を所定方向に搬送する搬送手段である第1スパイラル部材124及び第2スパイラル部材122から構成されている。
より具体的には、現像剤の攪拌を行う攪拌室114内に設けられた回転可能な軸の周面に設けられたスパイラル状の羽根(図示せず)とからなり、図6中の矢印の方向に回転することにより、現像剤を軸の長手方向に搬送する第1スパイラル部材124を備えている。
【0059】
また、現像剤を撹拌しつつ磁気ローラ130に現像剤を付与するために設けられた現像室112内に設けられた第1スパイラル部材124の軸と略平行に配置された回転可能な軸の周面に設けられたスパイラル状の羽根(図示せず)とからなり、図6中の矢印の方向に回転することにより、現像剤を軸の長手方向に搬送する第2スパイラル部材122とを備えている。
なお、第1スパイラル部材124と第2スパイラル部材122は、略平行に配置されている。また、第1スパイラル部材124と第2スパイラル部材122の間には、攪拌室114と現像室112が連通可能となるように、第1スパイラル部材124及び第2スパイラル部材122の軸方向両端部に対応する部分を除いて、攪拌室114と現像室112を仕切る仕切部材113が設けられている。したがって、トナーを循環的に攪拌しながら搬送することが可能となっている。
また、図6に示すように、第2スパイラル部材122に対し、現像容器110のドラム開口側に配設され、複数の磁極を有する固定マグネット134と、当該固定マグネット134を内包するとともに、収納された現像剤を現像ローラ140の表面上に導くために回転自在に軸支された非磁性の磁気スリーブ132からなる磁気ローラ130を備えている。
更に、板状の磁性体により構成され、磁気スリーブ132の近傍に配設されるとともに、当該磁気スリーブ132上面に向け垂下する、現像剤層厚規制部材117と、を備えている。
そして、現像容器110のドラム開口側には、磁気ローラ130から供給されたトナー粒子によって、表面にトナー粒子からなる薄層を形成するとともに、かかる薄層を形成しているトナー粒子を、感光体10上の静電潜像に対し、電気的に付着させて現像するための現像ローラ140が配設されている。
【0060】
また、第1スパイラル部材124の上方にはトナー補給孔(図示せず)が開口されており、トナーコンテナ100Aから現像剤が投入可能となるように構成されている。すなわち、投入された現像剤は、第1スパイラル部材124によって、トナー粒子と、キャリアと、を撹拌帯電させながら、現像室112まで搬送される。そして、現像室112に搬送された現像剤は、第2スパイラル部材122によって、磁気スリーブ132に導かれる。磁気スリーブ132に導かれた現像剤は、固定マグネット134の磁力を利用して磁気スリーブ132上に担持され、当該現像剤は、磁気スリーブ132の近傍に配設してある現像剤層厚規制部材117により厚みが規制される。
次いで、磁気スリーブ132上に担持された現像剤は、磁気ローラ130と、現像ローラ140と、にそれぞれ印加されている電圧の電位差によって、トナー粒子(外添剤も含む)のみが現像ローラ140の周表面に対して移動し、薄層を形成する。
そして、トナー粒子は、現像ローラ140により、現像位置、すなわち、感光体10の表面と近接または接触する位置に導かれ、静電潜像、すなわち、露光により表面電位が減衰した部分を現像し、さらに、かかる感光体10と印刷紙とが接触することにより、印刷紙上に画像を転写形成される。
【0061】
3.感光体
また、本発明においては、感光体として、アモルファスシリコン感光体を用いることが好ましい。
この理由は、アモルファスシリコン感光体であれば、感光体表面に対して樹脂微粒子が付着しやすくなるものの、本発明であれば、所定の現像剤を用いていることから、かかる付着の発生を効果的に抑制して、アモルファスシリコン感光体の特長である長寿命という特性を、効果的に発揮させることができる。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、言うまでもなく、本発明はこれらの記載内容に限定されるものではない。
【0063】
1.樹脂微粒子の製造
(1)樹脂微粒子a
撹拌器、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び滴下ロートを装着した2リットルのセパラブル・フラスコ中に、イオン交換水を収容し、かかるイオン交換水100重量部に対し、ラウリン酸ジエタノールアミド1重量部を加え、80℃に昇温した。
次いで、さらに2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩0.1重量部を加えた後、スチレン40重量部、ブチルメタクリレート40重量部、及びジメチルアミノアクリレート20重量部を滴下し、3時間、80℃の条件下にて乳化重合させ、エマルジョンを得た。
次いで、得られたエマルジョンを限外ろ過装置により精製した後、スプレードライ法にて乾燥し、ガラス転移点が120℃であり、数平均一次粒子径が80nmである樹脂微粒子aを得た。
なお、樹脂微粒子aの数平均一次粒子径は、動的散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製、LB−550)を用いて測定した。以下の樹脂微粒子b〜cについても同様である。
【0064】
(2)樹脂微粒子b
樹脂微粒子aを、エルボージェット分級機(日鉄鉱業(株)製)にて粗粉側をカットし、数平均粒子径が40nmである樹脂微粒子bを得た。
【0065】
(3)樹脂微粒子c
樹脂微粒子aを、エルボージェット分級機(日鉄鉱業(株)製)にて粗粉側をカットし、数平均粒子径が30nmである樹脂微粒子cを得た。
【0066】
2.シリカ微粒子の製造
(1)シリカ微粒子A
容器内にて、トルエン200gに対し、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業(株)製)100g及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)100gを添加して溶解させ、さらに、かかる溶液をトルエンで10倍に希釈し、希釈溶液を得た。
次いで、シリカ微粒子(日本アエロジル(株)製、ヒュームドシリカアエロジル R972)200gを準備し、かかるシリカ微粒子に対して上述した希釈溶液を徐々に滴下しつつ、30分間超音波照射及び撹拌を行って、混合物を得た。
次いで、得られた混合物を、150℃の高温槽で加熱した後、トルエンをロータリーエヴァポレーターを用いて溜去し、得られた固形物を減圧乾燥機を用いて、設定温度50℃で減量しなくなるまで乾燥し、乾燥固形物を得た。
次いで、得られた乾燥固形物を、電気炉を用いて窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理を行い、粉体を得た。
次いで、得られた粉体をジェットミルを用いて解砕(風量:1m3/分)した後、バグフィルターで捕集し、数平均一次粒子径が20nmのシリカ微粒子Aを得た。
なお、シリカ微粒子Aの数平均一次粒子径は、動的散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所(株)製、LB−550)を用いて測定した。以下のシリカ微粒子B〜Fについても同様である。
【0067】
(2)シリカ微粒子B
ジェットミルによる解砕時の風量を1.2m3/分に変えたほかは、シリカ微粒子Aと同様に製造し、数平均一次粒子径が30nmのシリカ微粒子Bを得た。
【0068】
(3)シリカ微粒子C
ジェットミルによる解砕時の風量を1.5m3/分に変えたほかは、シリカ微粒子Aと同様に製造し、数平均一次粒子径が40nmのシリカ微粒子Cを得た。
【0069】
(4)シリカ微粒子D
ジェットミルによる解砕時の風量を0.5m3/分に変えたほかは、シリカ微粒子Aと同様に製造し、数平均一次粒子径13nmのシリカ微粒子Dを得た。
【0070】
(4)シリカ微粒子E
容器内に、微粉砕された珪石シリカと、還元剤としての炭素粉末と、水と、を収容するとともに混合し、混合原料とした。
次いで、焼却炉にて、得られた混合原料に対して約1800℃にて熱処理を施し、SiO2ガスを発生させた。
次いで、発生したSiO2ガスを冷却空気(流量:80m3/時間)を用いて強制冷却するとともに、析出したシリカ微粒子をバグフィルターにて捕集した。
次いで、得られたシリカ微粒子に対し、アミノプロピルエトキシシラン及びシリコンオイルを加えた後、加熱処理を行い、固形物を得た。
次いで、ヘンシェルミキサーを用いて、得られた固形物を開催して、数平均一次粒子径が100nmであるシリカ微粒子Eを得た。
【0071】
(5)シリカ微粒子F
SiO2ガスを強制冷却するための冷却空気の流量を、90m3/時間に変えたほかは、シリカ微粒子Eと同様に製造し、数平均一次粒子径が70nmであるシリカ微粒子Fを得た。
【0072】
(6)シリカ微粒子G
SiO2ガスを強制冷却するための冷却空気の流量を、110m3/時間に変えたほかは、シリカ微粒子Eと同様に製造し、数平均一次粒子径が60nmであるシリカ微粒子Gを得た。
【0073】
[実施例1]
1.トナー粒子の製造
ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)中に、ビスフェノールと、フマル酸と、を縮合させて得られたポリエステル樹脂を収容し、かかるポリエステル樹脂100重量部に対して離型剤としてのフィッシャートロプシュワックス(日本精▲蝋▼(株)製、FT−100)3重量部、着色剤としての銅フタロシアニン顔料4重量部、及び電荷制御剤としての4級アンモニウム塩(オリエント化学(株)製、P−51)2重量部を添加して2分間混合した。
次いで、得られた混合物を、二軸押し出し機を用いて溶融混練し、トナー混練物を得た。
次いで、得られたトナー混練物を気流式粉砕機にて微粉砕した後、風力分級機にて分級処理し、体積平均粒子径8μmのトナー粒子を得た。
【0074】
2.二成分現像剤の製造
ヘンシェルミキサー中に、得られたトナー粒子を100重量部、第1のシリカ微粒子としてのシリカ微粒子Aを1重量部、第2のシリカ微粒子としてのシリカ微粒子Eを1.7重量部、樹脂微粒子aを0.3重量部、及びその他の外添剤としての酸化チタン微粒子(石原産業(株)製、TTO−55A、数平均一次粒子径150nm)を1重量部、を収容し、混合中の温度の上限値を30℃とし、3000rpmにて10分間混合して、トナー粒子に対して外添剤を外添させた。
このとき、第1のシリカ微粒子としてのシリカ微粒子Aのトナー粒子に対する被覆率は、33.2%であり、第2のシリカ微粒子としてのシリカ微粒子Fのトナー粒子に対する被覆率は、11.3%であり、樹脂微粒子aのトナー粒子に対する被覆率は、5.4%であった。
次いで、外添剤を外添させたトナー粒子に対し、数平均粒子径が60μmのフェライトキャリア(パウダーテック(株)製、EF−60B)を、トナー粒子の濃度が8重量%となるように加え、均一になるまで撹拌混合を行い、二成分現像剤を得た。得られた二成分現像剤の主要な構成を表1に示す。
【0075】
3.被覆率の算出
本発明における被覆率とは、トナー粒子の表面積に対する、当該トナー粒子に外添されている外添剤の投影面積の割合(%)と定義される。
かかる被覆率の定義に沿っていれば、その他の条件は課されないが、実際には、トナー粒子と、外添剤と、におけるそれぞれの粒子径、真比重、及びこれらの混合比から計算し、最後にトナー粒子の円形度を考慮するための形状補正を行う方法を採るのが一般的である。
以下、外添剤として樹脂微粒子を用いた場合を中心に計算過程を記載する。
【0076】
(1)計算に用いる数値
トナー粒子の体積平均粒子径 8μm=8×10-4cm
トナー粒子の真比重 1.2g/cm3
樹脂微粒子の数平均一次粒子径 0.08μm=8×10-6cm
樹脂微粒子の真比重 1.04g/cm3
トナー:樹脂微粒子の混合比(重量) 1:0.003
トナー粒子の形状補正係数 1.6
【0077】
(2)トナー粒子1個当たりの樹脂微粒子の個数の算出
まず、樹脂微粒子1個当たりの重量を計算すると、
{4×3.14×(4×10-63/3}×1.04
=2.79×10-16(g)
次いで、トナー微粒子1個当たりの重量を計算すると、
{4×3.14×(4×10-23/3}×1.2
=3.22×10-10(g)
したがって、トナー粒子1個当たりの樹脂微粒子の個数は、
{0.003/2.79×10-16}/{1/3.22×10-10
=3.46×103(個)
【0078】
(3)形状補正前の被覆率の算出
次いで、樹脂微粒子1個当たりの投影面積を計算すると、
3.14×(4×10-62
=5.03×10-11(cm2
次いで、トナー粒子1個当たりの表面積を計算すると、
4×3.14×(4×10-42
=2.01×10-6(cm2
したがって、形状補正前の被覆率は、
100×{(3.46×103)×(5.03×10-11)}/2.01×10-6
=8.7(%)
【0079】
(4)形状補正
最後に、製造したトナー粒子が、円形度1の真球ではなく、円形度が0.93であるため、その表面積が真球の場合よりも大きくなることを反映させるべく、形状補正前の被覆率を、形状補正係数1.6にて除すると、
8.7/1.6
=5.4(%)
なお、形状補正係数は、真球の表面積と、円形度0.93の球状体の表面積と、の比により求めることができる。
すなわち、円形度0.93の粉砕トナー粒子におけるBET比表面積値は1.255m2/gであり、真球トナー粒子におけるBET比表面積値は0.783m2/gである。
したがって、これらの値から、以下の計算によって、形状補正係数1.6を得ることができる。
1.255(m2/g)/0.783(m2/g)=1.6(−)
なお、トナー粒子の円形度が0.98、0.96、0.91の場合のBET比表面積値は、それぞれ0.853、0.938、1.4871.255m2/gであり、これらの値から、それぞれの形状補正係数を得ることができる。
また、外添剤としてのシリカ微粒子の被覆率を算出する場合にも、数平均粒子径、真比重(2.26g/cm3)、混合比等を、適宜使用したシリカ微粒子が有する数値に合わせて計算を行った。得られた算出結果を表1に示す。
【0080】
4.評価
(1)画像濃度(ID)の評価
得られた二成分現像剤を用いて、画像濃度(ID)の評価を行った。
すなわち、得られた二成分現像剤を、カラーマルチファンクションプリンター(京セラミタ(株)、KM−3232改造機)にセットし、マシン電源を入れて安定状態とした直後に、常温常湿環境下(温度:25±2℃、相対湿度:50±5%)にて、ソリッド部分及び白紙部分を有するサンプル画像を出力し、初期画像とした。
次いで、得られた初期画像のソリッド部分の3点における画像濃度を、反射濃度計(グレタグマクベス(株)製、RD−19I)を用いて測定し、その平均値を画像濃度(ID)とした。
また、同一環境下で印字率を0.2%として、10万枚の耐久画像出力を行った後に、上述のサンプル画像を出力して耐久画像とし、初期画像の場合と同様に画像濃度(ID)を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0081】
(2)かぶり濃度(FD)の評価
また、得られた二成分現像剤を用いて、かぶり濃度(FD)の評価を行った。
すなわち、上述した画像濃度(ID)の評価と同様に、初期画像及び耐久画像の出力を行った後に、それぞれの白紙部分における3点のかぶり濃度を測定し、その平均値を、それぞれのかぶり濃度(FD)とした。得られた結果を表2に示す。
【0082】
(3)画像不具合の評価
また、得られた二成分現像剤を用いて、画像不具合の評価を行った。
すなわち、上述した画像濃度(ID)の評価と同様に、初期画像及び耐久画像の出力を行った後に、目視にて、出力画像に乱れがないか否かの確認を行った。得られた結果を表2に示す。
【0083】
(4)総合評価
また、上述の画像濃度の評価、かぶり濃度の評価及び画像不具合の評価を総合的に評価した。
すなわち、下記基準に沿って、総合評価を行った。
○:ID≧1.3、かつFD≦0.008、かつ画像不具合無し
△:1.1≦ID<1.3、かつ0.009≦FD<0.01、かつ画像不具合無し
×:ID<1.1、またはFD≧0.01、または画像不具合有り
【0084】
[実施例2]
実施例2では、二成分現像剤を製造する際に、第1のシリカ微粒子としてシリカ微粒子Bを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0085】
[実施例3]
実施例3では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子としてシリカ微粒子Fを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0086】
[実施例4]
実施例4では、二成分現像剤を製造する際に、樹脂微粒子として樹脂微粒子bを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0087】
[実施例5]
実施例5では、二成分現像剤を製造する際に、第1のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して0.3重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0088】
[実施例6]
実施例6では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して1重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0089】
[実施例7]
実施例7では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して4重量部に変えるとともに、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して1.4重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0090】
[実施例8]
実施例8では、二成分現像剤を製造する際に、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して0.2重量部としたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0091】
[比較例1]
比較例1では、二成分現像剤を製造する際に、第1のシリカ微粒子としてシリカ微粒子Cを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0092】
[比較例2]
比較例2では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子としてシリカ微粒子Gを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0093】
[比較例3]
比較例3では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子の添加量を、結着樹脂100重量部に対して2.4重量部とするとともに、樹脂微粒子として樹脂微粒子cを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0094】
[比較例4]
比較例4では、二成分現像剤を製造する際に、第1のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して0.15重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0095】
[比較例5]
比較例5では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して0.7重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0096】
[比較例6]
比較例6では、二成分現像剤を製造する際に、第2のシリカ微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して4重量部に変えるとともに、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して1.8重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0097】
[比較例7]
比較例7では、二成分現像剤を製造する際に、樹脂微粒子の添加量を、トナー粒子100重量部に対して0.05重量部に変えたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0098】
[比較例8]
比較例8では、二成分現像剤を製造する際に、第1のシリカ微粒子としてシリカ微粒子Dを用いたほかは、実施例1と同様に二成分現像剤を製造し、評価した。得られた二成分現像剤の主要な構成及び評価結果を、表1及び2に示す。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
表1及び2から理解されるように、実施例1〜実施例8の全てにおいて、10万枚耐刷を通して良好な画像濃度(ID)及びかぶり濃度(FD)を維持することができ、かつ、画像不具合についても抑制することができた。
これに対し、第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径を大きくした比較例1では、画像濃度の低下及びカブリが発生した。これは、トナー流動性の維持が得られなかったためと考えられる。
また、比較例2では、ドラム付着が発生した。これは、比較的小サイズの第2のシリカ微粒子を用いたため、研磨効果が十分に得られなかったものと考えられる。
比較例3では、感光体付着による画像不具合が発生した。これは、使用した樹脂微粒子が比較的小サイズであったため、感光体クリーニングブレードをすり抜け、感光体付着が発生したものと考えられる。
比較例4では、第1のシリカ微粒子による被覆率が低いため、樹脂微粒子及び感光体表面間のスペーサー機能が働かず、感光体付着が発生したものと考えられる。また、画像濃度低下とカブリが発生したが、トナー流動性維持が不足したためと考えられる。
比較例5では、第2のシリカ微粒子の研磨効果が不足し、感光体付着が生じたものと考えられる。
比較例6では、樹脂微粒子の被覆率が多いため、第1及び第2のシリカ微粒子によるスペーサー及び研磨効果が十分に得られず、結果として感光体付着が発生したものと考えられる。また、比較的熱特性(Tg)の高い樹脂ビーズが多く存在する為、初期より定着不良が発生したものと考えられる。
比較例7では、カブリとトナー飛散が発生した。これは、樹脂微粒子の被覆率が少なく、十分な帯電維持効果が得られなかったものと考えられる。
比較例8では、耐久後において画像濃度が低下するとともに、感光体付着が発生した。画像濃度の低下については、比較的小サイズの第1のシリカ微粒子を用いたため、第1のシリカ微粒子がトナー粒子の表面に対して埋没してしまい、現像剤の流動性が十分に維持されなかったためであると考えられる。また、感光体付着についても、第1のシリカ微粒子がトナー粒子の表面に対して埋没してしまい、第1のシリカ微粒子が、樹脂微粒子及び感光体表面間のスペーサー機能を十分に発揮することができなかったためであると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明にかかる現像剤によれば、トナー粒子の外添剤として、それぞれ所定の粒径を有する二種類のシリカ微粒子と、所定の粒径を有する樹脂微粒子と、を用いるとともに、これらの外添剤のトナー粒子に対する被覆率の関係を所定の範囲に規定することにより、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるようになった。
その結果、長時間連続して低濃度印字を行った場合であっても、感光体に対する樹脂微粒子の付着を効果的に抑制することができるとともに、現像剤の摩擦帯電性を効果的に保持することができるようになった。
したがって、本発明の現像剤及びそれを用いた画像形成方法は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高性能化及び高耐久性化に寄与することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1(a)〜(b)は、本発明の現像剤の、感光体表面上における状態を説明するために供する図である。
【図2】図2は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径と、感光体付着性と、の関係を説明するために供する図である。
【図3】図3は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径と、画像濃度(ID)と、の関係を説明するために供する図である。
【図4】図4は、樹脂微粒子の数平均一次粒子径と、かぶり濃度(FD)と、の関係を説明するために供する図である。
【図5】図5は、本発明における画像形成装置を説明するために供する図である。
【図6】図6は、本発明における現像装置を説明するために供する図である。
【符号の説明】
【0104】
2:画像形成装置、3:現像装置、10:感光体、12:帯電装置、14:露光装置、16:転写装置、18:クリーニング装置、22:給紙カセット、24:定着部、26:排出ローラ対、28:排出トレイ、100:現像装置、100A:トナーコンテナ、110:現像容器、112:現像室、113:仕切部材、114:攪拌室、117:現像剤層厚規制部材、120:ラセンバネ、122:第2スパイラル部材、124:第1スパイラル部材、130:磁気ローラ、132:磁気スリーブ、134:固定マグネット、140:現像ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子と、外添剤としての樹脂微粒子と、外添剤としての第1及び第2のシリカ微粒子と、を含む現像剤であって、
前記第1のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をAd(nm)、
前記第1のシリカ微粒子の前記トナー粒子に対する被覆率をAc(%)、
前記第2のシリカ微粒子の数平均一次粒子径をBd(nm)、
前記第2のシリカ微粒子の前記トナー粒子に対する被覆率をBc(%)、
前記樹脂微粒子の数平均一次粒子径をCd(nm)、
前記樹脂微粒子の前記トナー粒子に対する被覆率をCc(%)、
とした場合に、前記Ad、Ac、Bd、Bc、Cd及びCcが、下記関係式(1)〜(5)を満足することを特徴とする現像剤。
16≦Ad≦35nm (1)
Bd≧70nm (2)
Cd≧40nm (3)
1≦Cc≦Ac (4)
1≦Cc≦Bc (5)
【請求項2】
前記Ccが、下記関係式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
1≦Cc≦30 (6)
【請求項3】
前記樹脂微粒子が、スチレンと、ブチルメタクリレート及びジメチルアミノアクリレートからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーと、からなるスチレン−アクリル系ポリマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤。
【請求項4】
前記第1のシリカ微粒子の一部が、前記樹脂微粒子に対して外添されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像剤。
【請求項5】
前記トナー粒子に対して、さらに酸化チタン微粒子を外添させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像剤。
【請求項6】
前記現像剤が、二成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
感光体として、アモルファスシリコン感光体を用いることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−145467(P2010−145467A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319408(P2008−319408)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】