説明

用紙後処理装置及び用紙後処理システム

【課題】マニュアル後処理時にガイドサイズのマニュアル設定を省略することが可能な用紙後処理装置及び用紙後処理システムを提供する。
【解決手段】プリンター3で印刷された用紙を含み処理位置にセットされた用紙束に対してマニュアル実行指示に基づく所定の後処理を行うフィニッシャー5であって、マニュアル実行指示を入力させる指示入力部43と、入力されたマニュアル実行指示に基づいて処理位置の用紙束に後処理を行う後処理部37と、用紙束を処理位置に案内するガイド部41と、ガイド部41のガイドサイズを変更して異なる用紙サイズの用紙束に対応させるガイド制御部55とを備え、ガイド制御部55は、プリンター3に信号受信可能に接続され印刷時の用紙サイズ情報を受信してガイド部41を駆動制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束に対して所定の後処理を行う用紙後処理装置及び用紙後処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙後処理装置としては、デジタル複合機等の画像形成装置に取り付けられ、用紙束に対してステープル処理等の後処理を行うフィニッシャーがある。
【0003】
このようなフィニッシャーでは、例えば特許文献1のように、画像形成装置の動作に連動した自動的な後処理に加え、画像形成装置の動作とは分離したマニュアル実行指示に基づく後処理を行うものがある。
【0004】
マニュアル後処理においては、セットされた用紙束を用紙サイズに応じて処理位置に案内し、案内された用紙束に対してマニュアル実行指示に基づく後処理を行う。
【0005】
これに応じ、フィニッシャー側では、用紙束を案内するガイド部を備えると共に、このガイド部のガイドサイズを後処理対象となる用紙束の用紙サイズに対応させることが行われている。
【0006】
このため、マニュアル後処理の際には、マニュアル実行指示に加えてガイド部のガイドサイズのマニュアル設定を行わせていた。
【0007】
しかしながら、ガイドサイズのマニュアル設定は、マニュアル後処理の作業性の低下を招くばかりか、誤設定による後処理不良を招くという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−206298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする問題点は、マニュアル後処理時のガイドサイズのマニュアル設定が必要な点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、マニュアル後処理時にガイドサイズのマニュアル設定を省略するために、画像形成装置で画像形成された用紙を含み処理位置にセットされた用紙束に対してマニュアル実行指示に基づく所定の後処理を行う用紙後処理装置であって、前記マニュアル実行指示を入力させる指示入力部と、前記入力されたマニュアル実行指示に基づいて前記処理位置の用紙束に前記後処理を行う後処理部と、前記用紙束を前記処理位置に案内するガイド部と、前記ガイド部のガイドサイズを変更して異なる用紙サイズの用紙束に対応させるガイド制御部とを備え、前記ガイド制御部は、前記画像形成装置に信号受信可能に接続され前記画像形成時の用紙サイズ情報を受信して前記ガイド部を駆動制御することを最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成時の用紙サイズ情報に応じてガイド部のガイドサイズを変更するので、マニュアル後処理時にガイドサイズのマニュアル設定を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】用紙後処理システムを示すブロック図である(実施例1)。
【図2】フィニッシャーの排出口の概略構成を示す平面図である(実施例1)。
【図3】用紙後処理システムの自動後処理を示すフローチャートである(実施例1)。
【図4】用紙後処理システムのマニュアル後処理を示すフローチャートである(実施例1)。
【図5】ガイド部のサイドサイズ制御の詳細を示すフローチャートである(実施例1)。
【図6】用紙後処理システムを示すブロック図である(実施例2)。
【図7】用紙後処理システムを示すブロック図である(実施例3)。
【図8】タイマー制御を示すフローチャートである(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
マニュアル後処理時のガイドサイズのマニュアル設定を省略するという目的を、画像形成装置での画像形成時の用紙サイズ情報を利用することで実現した。
【実施例1】
【0014】
[用紙後処理システム]
図1は、本発明の実施例1に係る用紙後処理システムを示すブロック図である。
【0015】
図1のように、用紙後処理システム1は、画像形成装置としてのプリンター3と、用紙後処理装置としてのフィニッシャー5とを備えている。
【0016】
この用紙後処理システム1では、プリンター3で印刷された用紙を含む用紙束に対し、プリンター3の動作と連動した自動的な後処理(以下「自動後処理」と称する)に加え、プリンター3の動作と分離してマニュアル実行指示に基づく後処理(以下、「マニュアル後処理」と称する)を行わせることが可能となっている。
(画像形成装置)
プリンター3は、コピー機能やプリンター機能等を備えたデジタル複合機として構成され、印刷ジョブを実行することで用紙上に画像を印刷出力(画像形成)する。
【0017】
このプリンター3は、スキャナー部7、操作入力部としての操作パネル部9、ネットワーク通信部11、印刷部13、搬送部15、プリンター記憶部19、プリンター制御部21等を備えている。
【0018】
スキャナー部7は、原稿画像を読み取り、読み取られた画像に対応する画像データをプリンター制御部21に出力する。
【0019】
操作パネル部9は、タッチパネル式の液晶表示画面等からなり、プリンター3に対する操作入力や操作状況等の表示を行わせる。
【0020】
ネットワーク通信部11は、LAN等の通信網を介して、ユーザー端末23に対するデータの送受信を行う。
【0021】
印刷部13は、スキャナー部7で読み取られるか或いはユーザー端末から送信された画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。
【0022】
搬送部15は、印刷部13で印刷が行われた用紙をフィニッシャー5側に搬送する。
【0023】
プリンター記憶部19は、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)や補助記憶装置であるハードディスク等から構成されている。このプリンター記憶部19は、プリンター3の各種動作に必要なソフトウェアプログラムや設定データ等を記憶している。
【0024】
プリンター制御部21は、CPU(Central Process Unit)等の制御要素からなり、プリンター記憶部19内のソフトウェアプログラムを実行してプリンター3の制御や作業を行わせる。本実施例のプリンター制御部21は、プログラムの実行により、スキャナー制御部27、パネル制御部29、ネットワーク制御部30、画像形成部31、フィニッシャー管理部32、搬送制御部33を備える。
【0025】
スキャナー制御部27は、次述するパネル制御部29での操作入力に応じてスキャナー部7の読み取り制御を行う。この読み取り制御により、スキャナー部7からの画像データを画像形成部31に出力する。
【0026】
パネル制御部29は、操作パネル部9上での操作入力の受け付け及び操作パネル部9への表示を制御する。従って、パネル制御部29は、操作パネル部9と共に操作入力部を構成している。
【0027】
このパネル制御部29は、コピー機能時に、操作パネル部9上での操作入力による印刷ジョブを受け付けて画像形成部31に送る。なお、自動後処理を行う場合は、印刷ジョブの受け付け時に設定を行わせればよい。
【0028】
また、パネル制御部29は、操作パネル部9上での操作入力によって後述するガイドサイズのマニュアル設定を受け付け、これをフィニッシャー5側に出力する。従って、パネル制御部29は、操作パネル部9と共に後述する指示入力部43とは別に設けられてガイドサイズのマニュアル設定が可能なマニュアル設定部を構成している。
【0029】
ネットワーク制御部30は、ネットワーク通信部11を介したユーザー端末23とのデータの送受信を制御する。この制御により、プリンター機能時には、ユーザー端末23からの印刷ジョブを受け付けて画像形成部31に送る。
【0030】
画像形成部31は、印刷ジョブを実行して、印刷条件に応じた出力画像データを形成する。この画像形成部31は、形成した出力画像データに基づき、印刷部13に対して用紙上への印刷出力を行わせる。
【0031】
フィニッシャー管理部32は、フィニッシャー5側にガイドサイズ情報の送信を要求する。また、フィニッシャー管理部32は、フィニッシャー5側からのガイドサイズ情報を受信してプリンター記憶部19内に記憶する。
【0032】
このフィニッシャー管理部32は、自動後処理を行う場合に、印刷ジョブ等で設定された自動後処理の設定をフィニッシャー5側に送信し、自動後処理を行わない場合に、印刷ジョブの用紙サイズ情報をフィニッシャー5側に送信する。
【0033】
この用紙サイズ情報の送信は、プリンター記憶部19内のガイドサイズ情報と用紙サイズ情報とを比較して、両者が不一致の場合にのみ行われる。
【0034】
搬送制御部33は、搬送部15を制御してフィニッシャー5側への用紙の搬送を行わせる。
(フィニッシャー)
フィニッシャー5は、プリンター3に取り付けられると共に信号送受信可能に接続されている。このフィニッシャー5は、搬入部35と、後処理部37と、排出口39と、ガイド部41と、排紙トレイ42a,42bと、指示入力部43と、フィニッシャー記憶部45と、フィニッシャー制御部47とを備えている。
【0035】
搬入部35は、自動後処理時にプリンター3側からの用紙を搬入させる。搬入された用紙は、複数枚を用紙束としてストックされる。
【0036】
後処理部37は、用紙束に対する所定の後処理を行う。自動後処理時には、ストックされた用紙束に対する後処理を行い、マニュアル後処理時には、処理位置にセットされた用紙束に対する所定の後処理を行う。本実施例では、後処理としてステープル処理が行われる。ただし、後処理としては、パンチ処理や折り曲げ処理等を行ってもよい。
【0037】
排出口39は、自動後処理時に後処理が行われた用紙束を排出させ、マニュアル後処理時に用紙束をセットするセット部として機能する。
【0038】
図2は、フィニッシャーの排出口の概略構成を示す平面図である。
【0039】
排出口39は、開閉扉49によって開閉されるようになっている。排出口39には、ガイド部41が設けられている。
【0040】
ガイド部41は、排出口39にセットされた用紙束Bを、後処理部37による処理位置に案内する。このガイド部41は、一対のガイドバー51a,51bからなり、ガイドバー51a,51b間で用紙束Bを案内する。
【0041】
ガイドバー51a,51bは、相互に近接離反する方向で駆動可能であり、ガイドサイズとしての各ガイドバーの位置及び相互間の距離を変更して異なる用紙サイズの用紙束Bに対応可能となっている。
【0042】
図1の排紙トレイ42aは、自動後処理後の用紙束を排出・保持するフィニッシャートレイであり、排紙トレイ42bは、印刷後の用紙を排出・保持する。
【0043】
指示入力部43は、例えばフィニッシャー5の外面上等に配置されたスイッチ等からなる。この指示入力部43は、排出口39の開閉扉49に対する開指示と、処理位置に案内された用紙束Bに対するマニュアル実行指示とを入力させる。
【0044】
フィニッシャー記憶部45は、プリンター3側と同様にRAM及びROMやハードディスク等から構成されている。このフィニッシャー記憶部45は、フィニッシャー5の各種動作に必要なソフトウェアプログラムや設定データ等を記憶している。
【0045】
フィニッシャー制御部47は、プリンター3側と同様にCPU等の制御要素からなり、フィニッシャー記憶部45内のソフトウェアプログラムを実行してフィニッシャー5の制御や作業を行わせる。本実施例のフィニッシャー制御部47は、プログラムの実行により、自動後処理制御部53、ガイド制御部55、マニュアル処理制御部57を備える。
【0046】
自動後処理制御部53は、印刷ジョブ等の設定に応じて、自動後処理時に搬入部35及び後処理部37を駆動制御する。具体的には、搬入部35に用紙の搬入及び用紙束としてのストックを行わせると共に後処理部37に用紙束への後処理を行わせる。
【0047】
ガイド制御部55は、プリンター3側から用紙サイズ情報を受信すると、ガイド部41を駆動制御して用紙サイズ情報に対応したガイドサイズに変更する。また、ガイド制御部55は、マニュアル設定のガイドサイズ情報を受信すると、そのガイドサイズにガイド部41を変更する。
【0048】
ガイド部41のガイドサイズ情報は、ガイド制御部55によってフィニッシャー記憶部45内に記憶されると共にプリンター3のフィニッシャー管理部32からの送信要求に応じてフィニッシャー管理部32に送信される。
【0049】
マニュアル処理制御部57は、指示入力部43でのマニュアル実行指示の入力を受け付けて、排出口39の開閉扉49及び後処理部37を駆動制御する。具体的には、指示入力部43が最初に操作されると開閉扉49を開き、次に操作されると後処理部37に対して用紙束への後処理を行わせる。
[用紙後処理システムの動作]
本実施例の用紙後処理システム1では、上記のようにプリンター3の動作に連動した自動後処理に加えて、プリンター3の動作と分離した本発明に係るマニュアル後処理を行わせることができる。
(自動後処理)
まず、自動後処理について図3を参照して説明する。図3は、本実施例の用紙後処理システム1の自動後処理を示すフローチャートである。
【0050】
用紙後処理システム1の自動後処理では、図3のステップS1のように、まず「印刷ジョブの受付」の処理が行われる。すなわち、プリンター3は、ユーザー端末23又は操作パネル部9上での操作による印刷ジョブを、ネットワーク制御部30又はパネル制御部29を介して受け付ける。
【0051】
印刷ジョブには、印刷条件に加えて自動後処理の設定が含まれる。受け付けられた印刷ジョブは、画像形成部31に送られ、自動後処理は、ステップS2に移行する。
【0052】
次いで、ステップS2では、「印刷実行」の処理が行われる。すなわち、プリンター3の画像形成部31は、印刷ジョブを実行して用紙上に画像を印刷出力する。印刷後は、搬送制御部33が搬送部15を制御して用紙をフィニッシャー5側に搬送する。これにより、ステップS3へ移行する。
【0053】
ステップS3では、「用紙搬入」の処理が行われる。すなわち、フィニッシャー5は、自動後処理制御部53により、プリンター3から搬送された用紙を搬入部35に搬入させる。これにより、用紙が用紙束BとしてストックさせてステップS4へ移行する。
【0054】
ステップS4では、「後処理の実行」の処理が行われる。すなわち、自動後処理制御部53は、印刷ジョブでの自動後処理の設定に応じてストックされた用紙束Bに対する後処理を後処理部37に行わせる。こうして自動後処理が行われた後は、フィニッシャー5の排出口39から用紙束の排出が行われる。
(マニュアル後処理)
図4は、本実施例の用紙後処理システム1のマニュアル後処理を示すフローチャートである。なお、実施例では、プリンター3で印刷された用紙束Bに対し、表紙を付加してフィニッシャー5によるマニュアル後処理を実行する場合について説明する。
【0055】
用紙後処理システム1のマニュアル後処理では、図4のように、自動後処理の場合と同様にステップS1の「印刷ジョブの受付」及びステップS2の「印刷実行」の処理が行われる。
【0056】
ただし、マニュアル後処理の際には、印刷ジョブでの後処理に関する設定は行われず、印刷後の用紙がプリンター3からフィニッシャー5側に搬送されると、排紙トレイ42bに排紙される。これにより、マニュアル後処理は、ステップS13へ移行する。
【0057】
ステップS13では、「ガイドサイズ制御」の処理が行われる。この処理では、ガイド部41のガイドサイズを印刷時の用紙サイズに対応させる。詳細については、図5を参照して別途説明する。これによりステップS14へ移行する。
【0058】
ステップS14では、「排出口の開放」の処理が行われる。すなわち、フィニッシャー5は、指示入力部43の操作を通じて開指示を受け付け、これに基づきマニュアル処理制御部57が排出口39の開閉扉49を開ける。
【0059】
こうして、排出口39が開放されて用紙束Bのセット可能状態となり、ステップS15へ移行する。
【0060】
ステップS15では、「用紙束のセット」が行われる。すなわち、ユーザーは、排紙トレイ42bにストックされた用紙に、表紙を付加してフィニッシャー5の排出口39にセットする。セットされた用紙束Bは、ガイド部41によって処理位置に案内される。
【0061】
このとき、ガイド部41は、ガイドサイズがプリンター3の画像形成時の用紙サイズに対応しているため、セットされた用紙束Bを処理位置に確実に案内することができる。こうしてステップS15が完了して、ステップS16へ移行する。
【0062】
ステップS16では、「マニュアル実行指示」の処理が行われる。すなわち、マニュアル処理制御部57は、指示入力部43の操作を通じてマニュアル実行指示を受け付ける。これにより、ステップS17へ移行する。
【0063】
ステップS17では、「後処理の実行」の処理が行われる。すなわち、マニュアル処理制御部57は、マニュアル実行指示に基づき、後処理部37に対して処理位置の用紙束Bに後処理を行わせる。
【0064】
こうして、用紙後処理システム1では、マニュアル後処理と直前の印刷処理とに関連性を持たせることで、プリンター3で印刷された用紙を含む用紙束Bに対して、マニュアル実行指示だけで所定の後処理を行わせることができる。
【0065】
なお、本実施例の用紙後処理システム1では、印刷処理と直前の関連性のないマニュアル後処理も行わせることができる。
【0066】
このマニュアル後処理では、プリンター3の操作パネル部9においてガイドサイズのマニュアル設定を行わせ、これをフィニッシャー5側に送信する。その後は、マニュアル設定のガイドサイズ情報に基づいてガイド部41のガイドサイズが変更され、上記ステップS14〜S17と同様の処理が行われる。
(ガイドサイズ制御)
図5は、ガイド部のサイドサイズ制御の詳細を示すフローチャートである。なお、図5のガイドサイズ制御は、プリンター3及びフィニッシャー5の起動からマニュアル後処理までの全体を通じて行われているため、その一部として図4のステップS13についても説明する。
【0067】
このガイドサイズ制御は、プリンター3及びフィニッシャー5が起動されることでスタートし、ステップ21以降の処理が行われる。
【0068】
ステップS21では、まず「ガイドサイズ情報の要求」の処理が行われる。すなわち、プリンター3のフィニッシャー管理部32が、フィニッシャー5側にガイドサイズ情報の送信を要求する。これにより、ステップS22に移行する。
【0069】
ステップS22では、「ガイドサイズ情報の送受信」の処理が行われる。すなわち、フィニッシャー5のガイド制御部55は、その時点でのガイド部41のガイドサイズ情報をプリンター3に送信する。
【0070】
プリンター3では、フィニッシャー管理部32がガイドサイズ情報を受信してプリンター記憶部19内に記憶する。これにより、プリンター3側でもガイド部41のガイドサイズ情報を管理することができる。
【0071】
こうしてステップS22が完了して、図4のステップS13に対応するステップS23〜S25の処理が行われる。
【0072】
ステップS23では、「ガイドサイズ変更必要?」の処理が行われる。すなわち、プリンター3のフィニッシャー管理部32は、プリンター記憶部19からガイドサイズ情報を取得して印刷ジョブの用紙サイズ情報と比較する。
【0073】
ガイドサイズ情報と用紙サイズ情報とが一致しない場合は、「ガイドサイズ変更必要」としてステップS24へ移行し(Yes)、一致する場合は、「ガイドサイズ変更不要」としてガイドサイズ制御が完了する(No)。例えば、ガイドサイズがA4対応であり、用紙サイズがB5であるような場合は、ステップS24へ移行する。
【0074】
ステップS24では、「印刷ジョブの用紙サイズ情報の送信」の処理が行われる。すなわち、プリンター3のフィニッシャー管理部32は、印刷ジョブの用紙サイズ情報をガイドサイズ設定としてフィニッシャー5側に送信する。これにより、ステップS25へ移行する。
【0075】
ステップS25では、「ガイドサイズの変更」の処理が行われる。すなわち、フィニッシャー5のガイド制御部55は、プリンター3からの用紙サイズ情報を受信し、この用紙サイズ情報に応じてガイド部41の駆動制御によってガイドサイズを変更する。例えば、A4対応のガイドサイズがB5対応のガイドサイズに変更される。
【0076】
これにより、ガイド部41のガイドサイズを印刷時の用紙サイズに対応させることができる。こうしてガイドサイズ制御が完了し、図4のステップS14以降の処理が実行されることになる。
【0077】
なお、本実施例のガイドサイズ制御は、プリンター3のプリンター制御部21及びフィニッシャー5のフィニッシャー制御部47の処理として行っているが、フィニッシャー制御部47のみの処理として行っても良い。
[実施例1の効果]
本実施例では、プリンター3で印刷された用紙を含み処理位置にセットされた用紙束Bに対してマニュアル実行指示に基づく所定の後処理を行うフィニッシャー9であって、マニュアル実行指示を入力させる指示入力部43と、入力されたマニュアル実行指示に基づいて処理位置の用紙束Bに後処理を行う後処理部37と、用紙束Bを処理位置に案内するガイド部41と、ガイド部41のガイドサイズを変更して異なる用紙サイズの用紙束Bに対応させるガイド制御部55とを備え、ガイド制御部55は、プリンター3に信号受信可能に接続され印刷時の用紙サイズ情報を受信してガイド部41を駆動制御する。
【0078】
従って、本実施例では、印刷時の用紙サイズ情報に応じてガイド部41のガイドサイズを変更するので、印刷直後のマニュアル後処理時にマニュアル実行指示だけでガイドサイズを用紙サイズに対応させて所定の後処理を行わせることができる。
【0079】
このように、本実施例では、マニュアル後処理時にガイドサイズのマニュアル設定を省略することができる。
【0080】
また、本実施例では、指示入力部43とは別に用紙束Bのガイドサイズのマニュアル設定が可能なマニュアル設定部であるプリンター3の操作パネル部9及びパネル制御部29を備え、ガイド制御部55が、マニュアル設定が行われると、そのガイドサイズに応じてガイド部41のガイドサイズを変更する。
【0081】
従って、本実施例では、従来のようにマニュアル設定によってガイドサイズを変更させたマニュアル後処理も行わせることができ、直前の印刷とは関連性のない用紙束に対しても確実に後処理を行わせることができる。
【0082】
しかも、本実施例では、プリンター3の操作パネル部9を利用してガイドサイズのマニュアル設定を行わせるので、フィニッシャー5の構造を簡素化することができ、コスト低減も図ることができる。
【0083】
このように構成しても、通常は、上記のようにガイドサイズのマニュアル設定を省略することができ、フィニッシャー5側でのマニュアル実行指示だけで容易にマニュアル後処理を行わせることができる。
【実施例2】
【0084】
図6は、本発明の実施例2に係る用紙後処理システムを示すブロック図である。なお、実施例2では、基本構成が実施例1と共通しているため、対応する構成部分に同符号又は同符号にAを付したものを用いて重複した説明を省略する。
【0085】
用紙後処理システム1Aは、印刷ジョブの設定時に、印刷時の用紙サイズ情報をガイド部41の駆動制御に用いるか否かを選択させるものである。
【0086】
すなわち、フィニッシャー5Aは、図6のように、印刷後の用紙を排紙ストックする複数の排紙トレイ42Ab,42Ac・・・を備えている。印刷ジョブの受け付けの際には、プリンター3の操作パネル部9又はユーザー端末23上で、印刷条件の設定と共に排紙先となる排紙トレイ42Ab,42Ac・・・の何れかを選択させる。
【0087】
そして、所定の排紙トレイ(42Ab,42Ac・・・の何れか)が選択されている場合には、フィニッシャー5のガイド制御部55が、印刷時の用紙サイズ情報に基づいてガイド部41の駆動制御を行わせるようになっている。
【0088】
従って、本実施例では、プリンター3の操作パネル部9及びパネル制御部29又はユーザー端末23及びプリンター3のネットワーク制御部30が、印刷ジョブの設定と共にその用紙サイズ情報によってガイド部41の駆動制御を行うか否かを選択させる選択入力部を構成している。
【0089】
ただし、排紙トレイの選択に代えて、上記ガイド部41の駆動制御の有無を直接選択入力させるように構成してもよい。
【0090】
このような本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
加えて、本実施例では、所定の排紙トレイが選択による駆動制御の選択がなされている場合にのみ、印刷時の用紙サイズ情報に基づくガイド部41の駆動制御を行わせることができる。
【0092】
この結果、本実施例では、不用意なガイド部41の制御を抑制することができ、直前の印刷処理と関連性のないマニュアル後処理に対して誤ったガイドサイズによる後処理が行われることを抑制することができる。
【実施例3】
【0093】
図7は、本発明の実施例3に係る用紙後処理システムを示すブロック図である。なお、実施例3では、実施例1と基本構成が共通しているため、対応する構成部分に同符号或いは同符号にBを付したものを用いて重複した説明を省略する。
[用紙後処理システムの構成及び動作]
本実施例の用紙後処理システム1Bは、ガイド部41のガイドサイズを一定時間後にデフォルト設定に戻すものである。
【0094】
具体的には、図7のように、プリンター3Bのプリンター制御部21Bが、プログラムの実行によってタイマー部としてのタイマー制御部59を備える。
【0095】
タイマー制御部59は、ガイド部41のガイドサイズ変更後の経過時間をカウントし、一定時間が経過したか否かを判定する。経過時間のカウントは、フィニッシャー管理部32が用紙サイズ情報又はガイドサイズ情報を送信したとき(ガイドサイズ設定をしたとき)をトリガーとして開始される。
【0096】
また、タイマー制御部59は、一定時間経過前に再度ガイドサイズの調整が行われると、その時点から再度一定時間経過したか否かを判定する。
【0097】
一定時間の経過情報は、タイマー制御部59からフィニッシャー5のガイド制御部55に送信される。
【0098】
フィニッシャー5のガイド制御部55は、時間の経過情報に応じてガイド部41をデフォルトのガイドサイズに戻す。デフォルトのガイドサイズ情報は、フィニッシャー記憶部45内に記憶されている。
【0099】
図8は、実施例3に係るタイマー制御を示すフローチャートである。
【0100】
タイマー制御は、実施例1の図5のガイドサイズ制御と平行して行われるものであり、図5ステップS24が行われるとスタートする。
【0101】
ステップS31では、「経過時間のカウント開始」の処理が行われる。すなわち、プリンター3Bのタイマー制御部59は、フィニッシャー管理部32が用紙サイズ情報又はガイドサイズ情報を送信したときをトリガーとして、ガイドサイズ変更後の経過時間のカウントを開始する。これにより、ステップS32へ移行する。
【0102】
ステップS32では、「一定時間経過したか?」の処理が行われる。すなわち、タイマー制御部59は、カウントした時間が、予め設定された一定時間に達したか否かを判断する。
【0103】
一定時間が経過していない場合(No)は、ステップS33へ移行し、経過した場合(Yse)は、ステップS34へ移行する。
【0104】
ステップS33では、「サイズ情報の再送信あり?」の処理が行われる。すなわち、タイマー制御部59は、フィニッシャー管理部32からの用紙サイズ情報又はガイドサイズ情報の再送信があったか否かを判断する。再送信がある場合(Yes)は、ステップS31に戻り、再送信がない場合(No)は、ステップS32へ戻る。
【0105】
ステップS34では、「ガイドサイズのデフォルトへの変更」の処理が行われる。すなわち、タイマー制御部59は、一定時間が経過したことの経過情報を、ガイド設定としてフィニッシャー5のガイド制御部55に送信する。フィニッシャー5のガイド制御部55は、受信した経過情報に応じ、ガイド部41をデフォルトのガイドサイズに戻す。
【0106】
例えば、直前のガイドサイズがB5対応であり、且つデフォルトのガイドサイズがA4対応である場合は、ガイドサイズがA4に戻される。
【0107】
なお、本実施例のタイマー制御は、プリンター3Bのプリンター制御部21B側の処理として行っているが、フィニッシャー5のフィニッシャー制御部47側の処理として行ってもよい。
[実施例3の効果]
実施例3においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0108】
加えて、本実施例では、ガイド部41のガイドサイズの変更後に一定時間経過するとデフォルト設定に戻すため、直前の印刷処理と関連性のないマニュアル後処理に対して誤ったガイドサイズによる後処理が行われることを抑制することができる。
【0109】
同様に、直前のマニュアル後処理時にガイドサイズのマニュアル設定を行っても、これとは関連性のない後のマニュアル後処理に対して誤ったガイドサイズによる後処理が行われることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 用紙後処理システム
3 プリンター(画像形成装置)
5 フィニッシャー(用紙後処理装置)
9 操作パネル部(操作入力部、マニュアル設定部、選択入力部)
23 ユーザー端末(選択入力部)
29 パネル制御部(操作入力部、マニュアル設定部、選択入力部)
30 ネットワーク制御部(選択入力部)
37 後処理部
41 ガイド部
43 指示入力部
55 ガイド制御部
59 タイマー制御部(タイマー部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で画像形成された用紙を含み処理位置にセットされた用紙束に対してマニュアル実行指示に基づく所定の後処理を行う用紙後処理装置であって、
前記マニュアル実行指示を入力させる指示入力部と、
前記入力されたマニュアル実行指示に基づいて前記処理位置の用紙束に前記後処理を行う後処理部と、
前記用紙束を前記処理位置に案内するガイド部と、
前記ガイド部のガイドサイズを変更して異なる用紙サイズの用紙束に対応させるガイド制御部とを備え、
前記ガイド制御部は、前記画像形成装置に信号受信可能に接続され前記画像形成時の用紙サイズ情報を受信して前記ガイド部を駆動制御する、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の用紙後処理装置であって、
前記指示入力部とは別に前記ガイドサイズのマニュアル設定が可能なマニュアル設定部を備え、
前記ガイド制御部は、前記マニュアル設定が行われると、そのガイドサイズ情報に応じて前記ガイド部のガイドサイズを変更する、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の用紙後処理装置であって、
前記マニュアル設定部は、前記画像形成装置の操作入力部である、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の用紙後処理装置であって、
前記画像形成用の設定と共に前記ガイド部の駆動制御を行うか否かを選択させる選択入力部を備え、
前記ガイド制御部は、前記駆動制御の選択がされた場合に、前記画像形成時の用紙サイズ情報に基づく前記ガイド部の駆動制御を行う、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の用紙後処理装置であって、
前記駆動制御の選択は、前記画像形成装置に複数設けられた用紙排出用の排紙トレイの選択であり、
前記ガイド制御部は、所定の排紙トレイが選択された場合に、前記画像形成時の用紙サイズ情報に基づく前記ガイド部の駆動制御を行う、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の用紙後処理装置であって、
前記ガイド部のガイドサイズ変更後の経過時間をカウントして一定時間が経過したか否かを判定するタイマー部を備え、
前記ガイド制御部は、前記一定時間が経過した場合に前記ガイドサイズをデフォルト設定に戻す、
ことを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の用紙後処理装置を画像形成装置に取り付けたことを特徴とする用紙後処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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