説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、画像処理装置の制御プログラム、及び画像処理方法

【課題】本発明の課題は、画像劣化せずに高速な再印刷を可能とする画像処理装置を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、画像データを入力する画像データの入力手段と、印刷設定を入力する印刷設定の入力手段と、画像データの入力手段が入力する画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する第1の変換手段と、印刷設定を印刷設定情報に変換する第2の変換手段と、解像度非依存データを印刷設定情報に対応するページ単位の解像度依存描画データに変換する第3の変換手段と、印刷設定情報と解像度依存描画データを関連付ける関連付手段と、解像度非依存データと印刷設定情報と解像度依存描画データとを関連付けて印刷データとして保持する保持手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データを用いて印刷を行う画像処理装置と画像処理装置の制御方法と画像処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、編集作業による画像劣化を防ぎ、かつ高速に印刷可能な再印刷機能を実現するために以下の技術が開示されている。この技術では、入力されたPDL(ページ記述言語)をページ単位のPDLに分割し、印刷設定状態と共に補助記憶装置に保存する。そして、ページ単位のPDLをレンダリング処理し、レンダリング処理が一定時間を超えた場合にラスタデータを補助記憶装置に保存し、一定時間を超えていない場合にはラスタデータを補助記憶装置に保存しない。
【0003】
また、解像度変換処理による画像劣化を防止する技術として、画像入力機器で入力されたラスタデータを画像入力機器の解像度に依存しない描画データに変換する技術が開発されている(特許文献2)。このようにラスタデータを解像度に依存しないデータに変換する処理をベクトル化またはベクタライズと呼び、ベクトル化の結果得られるデータをベクタデータと呼ぶ。
【0004】
この技術を利用すれば、画像出力の際にベクタデータを再度ラスタデータに変換(ラスタライズ)することで、ラスタデータを解像度変換する処理がなくなるので、解像度変換処理による画像劣化を防止することが出来る。
【0005】
また、再印刷操作を簡便化するプリントサーバおよび印刷履歴管理方法および印刷履歴管理プログラムが開発されている。(特許文献3)
【0006】
【特許文献1】特開2005−269629号公報
【特許文献2】特開2006−23942号公報
【特許文献3】特開2005−173725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では以下のような問題が生じていた。
【0008】
特許文献1に開示された技術では、単一の印刷設定しか保持することができず、また、再印刷時に印刷データの更新が行われない。ユーザが新たな印刷設定を行った場合には、 新しい印刷設定に対応する再印刷手順を記憶することができないか、もしくは以前の再印刷手順を上書きする必要があった。そのため、複数の印刷設定を使い分けた場合にはその都度レンダリング処理されることになり、印刷速度が低下していた。
【0009】
また、特許文献1に開示された技術では、印刷データがページ単位のPDL及びラスタデータとして保存される。そのため、スキャンデータなど本来的に解像度に依存する印刷データが入力された場合、拡大縮小、回転を伴う編集を行うと原稿によっては画質劣化が発生してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、画像データを入力する画像データの入力手段と、印刷設定を入力する印刷設定の入力手段と、画像データの入力手段が入力する画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する第1の変換手段と、印刷設定を印刷設定情報に変換する第2の変換手段と、解像度非依存データを印刷設定情報に対応するページ単位の解像度依存描画データに変換する第3の変換手段と、印刷設定情報と解像度依存描画データを関連付ける関連付手段と、解像度非依存データと印刷設定情報と解像度依存描画データとを関連付けて印刷データとして保持する保持手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、解像度非依存データと印刷設定情報と解像度依存描画データとを関連付けて印刷データとして保持するので印刷設定に応じた作業による画像劣化がない印刷を実現できる。再印刷機能を実現するとともに、新たな解像度依存描画データを追加することで複数の印刷設定に対応する印刷データを保持および管理することができる。これにより、複数の印刷設定を切り替えて印刷した場合であっても高速に印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
<画像処理装置>
本実施形態を適用するに好適な1Dカラー系MFPについて、図1を用いて説明する。もちろんCMYKの色毎にドラムが並列に配置されたタンデム型のカラーMFPでもよりことは言うまでもない。
【0013】
図1において、1Dカラー系MFP100は、スキャナ部101、レーザ露光部102、感光ドラム103、作像部104、定着部105、給紙/搬送部106及び、これらを制御する不図示のプリンタ制御部を含む。
【0014】
スキャナ部101は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する。
【0015】
レーザ露光部102は、画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)に入射させ、反射走査光として感光ドラムに照射する。
【0016】
作像部104は、感光ドラムを回転駆動し、帯電器によって帯電させ、レーザ露光部102によって感光ドラム上に形成された潜像をトナーによって現像化し、そのトナー像をシートに転写する。その際に転写されずに感光ドラム上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスを実行して作像する。その際、シートが転写ベルトの所定位置に巻きつき、4回転する間に、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを持つそれぞれの現像ユニット(現像ステーション)が入れ替わりで順次前述の電子写真プロセスを繰り返し実行する。4回転の後、4色のフルカラートナー像を転写されたシートは、転写ドラムを離れ、定着部へ搬送される。
【0017】
定着部105は、ローラやベルトの組み合わせを有し、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、作像部によってトナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。
【0018】
給紙/搬送部106は、シートカセットやペーパーデッキに代表されるシート収納庫を一つ以上持っており、プリンタ制御部の指示に応じてシート収納庫に収納された複数のシートの中から一枚分離し、作像部104および定着部105へ搬送する。シートは、作像部の転写ドラムに巻きつけられ、4回転した後に定着部へ搬送される。4回転する間に、前述のYMCK各色のトナー像が、シートに転写される。また、シートの両面に画像形成する場合は、定着部を通過したシートが、再度作像部へ搬送する搬送経路を通るように制御される。
【0019】
プリンタ制御部は、MFP全体を制御するMFP制御部と通信して、その指示に応じて制御を実行すると共に、前述のスキャナ、レーザ露光、作像、定着、給紙/搬送の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
【0020】
<システム>
図2は、本実施形態に係る画像処理システムの全体を示すブロック図である。図2において、画像処理システムは、互いにLAN(ローカルエリアネットワーク)10を介して接続された、MFP1、MFP2、MFP3を含む。
【0021】
上述した各MFPは、それぞれHDD(ハードディスクドライブ(二次記憶装置))H1、H2、H3を具備している。MFP1、MFP2、MFP3は、ネットワークプロトコルを使用して互いに通信することができる。なお、LAN10上に接続されるこれらのMFPは、上記のような物理的な配置に限定されなくても良い。また、LAN10上には、MFP以外の機器(例えばPC、各種サーバ、プリンタなど)が接続されていても良い。
【0022】
<コントローラユニット>
図3は、本実施形態におけるMFPのコントロールユニット(コントローラ)の例を示すブロック図である。図3において、コントロールユニット200は、画像入力デバイスであるスキャナ部201や画像出力デバイスであるプリンタエンジン202と接続し、画像データの読み取りやプリント出力のための制御を行う。また、コントロールユニット200は、LAN10や公衆回線204と接続することで、画像情報やデバイス情報をLAN10経由で入出力するための制御を行う。
【0023】
CPU205は、MFP全体を制御するための中央処理装置である。RAM206は、CPU205が動作するためのシステムワークメモリであり、入力された画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。さらに、ROM207は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD208は、ハードディスクドライブであり、各種処理のためのシステムソフトウェア及び入力された画像データを格納する。操作部I/F209は、画像データを表示可能な表示画面を有する操作部210に対するインタフェース部であり、操作部210に対して操作画面データを出力する。また、操作部I/F209は、操作部210から操作者が入力した情報をCPU205に伝える役割をする。ネットワークインタフェース211は、例えばLANカードで実現され、LAN10に接続して外部装置との間で情報の入出力を行う。さらにまた、モデム212は、公衆回線204に接続し、外部装置との間で情報の入出力を行う。以上のユニットがシステムバス213上に配置されている。
【0024】
イメージバスI/F214は、システムバス213と画像データを高速で転送する画像バス215とを接続するためのインタフェースであり、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス215上には、RIP(ラスタイメージプロセッサ)216、デバイスI/F217、スキャナ画像処理部218、プリンタ画像処理部219、画像編集用画像処理部220、CMM(カラーマネージメントモジュール)230が接続される。
【0025】
RIP216は、ラスタイメージプロセッサであり、ページ記述言語(PDL)コードや後述するベクトルデータをイメージに展開する。デバイスI/F部217は、スキャナ部201やプリンタエンジン202とコントローラユニット200とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0026】
また、スキャナ画像処理部218は、スキャナ部201から入力した画像データに対して、補正、加工、編集の各種処理を行う。プリンタ画像処理部219は、プリント出力する画像データに対して、プリンタエンジンに応じた補正、解像度変換の処理を行う。画像編集用画像処理部220は、画像データの回転や、画像データの圧縮伸長処理の各種画像処理を行う。CMM230は、画像データに対して、プロファイルやキャリブレーションデータに基づいた、色変換処理(色空間変換処理ともいう)を施す専用ハードウェアモジュールである。
【0027】
ここで、プロファイルは、機器に依存した色空間で表現したカラー画像データを機器に依存しない色空間(例えばLabなど)に変換するための関数もしくはルックアップテーブル(LUT)のような情報である。
【0028】
また、キャリブレーションデータは、カラー複合機3におけるスキャナ部201やプリンタエンジン202の色再現特性を修正するためのデータである。
【0029】
<コントローラソフトウェア>
図4は、MFPの動作を制御するコントローラソフトウェアを示すブロック図である。
【0030】
図4において、プリンタインターフェイス(プリンタI/F)1200は、外部との入出力のための手段である。
【0031】
また、プロトコル制御部1101は、ネットワークプロトコルを解析および送信することによって外部との通信を行う手段である。
【0032】
ベクタデータ生成部1102は、ラスタデータから解像度に依存しない描画記述であるベクタデータを生成(ベクタライズ)するものである。
【0033】
メタデータ生成部1103は、ベクタライズの過程で得られる副次情報をメタデータとして生成するものである。メタデータとは描画処理には必要のない検索用の付加的なデータである。
【0034】
PDL解析部1104は、PDLやベクタデータを解析し、より処理しやすい形式の中間コード(DisplayList(DL))に変換する手段である。PDL解析部1104において生成された中間コードは、データ描画部1105に渡されて処理される。
【0035】
データ描画部1105は、上記中間コードをラスタデータに展開するものであり、展開されたラスタデータは、ページメモリ1106に逐次描画されて行く。
【0036】
ページメモリ1106は、レンダラが展開するラスタデータを一次的に保持する揮発性のメモリである。
【0037】
パネル入出力制御部1020は、操作パネルからの入出力を制御するものである。
【0038】
ドキュメント(Document)記憶部1030は、入力文書の一塊(ジョブ)単位にベクタデータ、DL、メタデータを包含するデータファイルを記憶する手段である。ドキュメント(Document)記憶部1030は、例えば、ハードディスクのような二次記憶装置によって実現される。なお、このデータファイルを本実施形態では「ドキュメント」と呼ぶ。
【0039】
スキャン制御部1500は、スキャナから入力された画像データに対して、補正、加工、編集などの各種処理を行う。
【0040】
印刷制御部1300は、ページメモリ1106の内容をビデオ信号に変換処理し、プリンタエンジン部1400へ画像転送を行う。プリンタエンジン部1400は、受け取ったビデオ信号を記録紙に永久可視画像形成するための印刷機構部である。
【0041】
<ドキュメントデータ構造>
図5は、ドキュメントのデータ構造を示している。
【0042】
図5に示されているように、ドキュメントは、複数ページからなるデータであり、大きく分けるとベクタデータ(a)、メタデータ(b)、DL領域(c)、を含み、ドキュメントヘッダ(x1)を先頭とする階層構造である。
【0043】
ベクタデータ(a)は、さらに、ページヘッダ(x2)、サマリ情報(Summary)(x3)、オブジェクト(Object)(x4)を含む。
【0044】
メタデータ(b)は、さらに印刷設定情報(Print Settings)(x5)とDL管理情報(DL Information)(x6)を含む。
【0045】
DL領域(c)は、さらに、ページヘッダ(x7)と描画展開用のインストラクション(Instruction)(x8)を含む。ドキュメントヘッダ(x1)には、ベクタデータの格納場所、DL領域の格納場所、メタデータの格納場所が記述されている。すなわち、ベクタデータ、DL、メタデータは、ドキュメントヘッダ(x1)によって関連付けられている。
【0046】
ベクタデータ(a)は、解像度非依存な描画データであるので、ページヘッダ(x2)には、ページの大きさや向きなどのレイアウト情報が記述される。オブジェクト(x4)には、ライン、多角形、ベジェ曲線などの描画データが一つずつリンクされており、複数のオブジェクトがまとめてサマリ情報(x3)に関連付けられている。サマリ情報(x3)は、複数のオブジェクトの特徴をまとめて表現する。
【0047】
メタデータ(b)は、描画処理には関係しない制御用の付加情報である。印刷設定情報(x5)には、以前ドキュメントに対して適用された印刷設定などが記述される。DL管理情報(x6)には、印刷設定情報(x5)に対応するDL領域(c)の情報などが記述される。
【0048】
DL領域(c)は、レンダラがレンダリング処理するための中間コード(DL)が格納される領域である。ページヘッダ(x7)には、ページ内の描画情報(インストラクション)の管理テーブルなどが記述されている。そして、インストラクション(x8)は、DLである解像度依存な描画情報(解像度依存描画データ)を含む。DL領域(c)は、印刷設定毎に保持され、さらにページ毎に保持するか否かを制御することができる。
【0049】
図6は、メタデータに記述された印刷設定情報(x5)及びDL管理情報(x6)の例である。
【0050】
図6に示されているように、印刷設定情報(x5)には、以前ドキュメントに対して適用された印刷設定などが記述される。メタデータ(b)のDL管理情報(x6)から、DL領域(c)が参照されており、DL管理情報(x6)から印刷設定情報(x5)に対応するDL領域(c)を見つけることができる。また、メタデータ(b)のDL管理情報(x6)には、さらに、DL保持ページリストとして、印刷設定情報(x5)に対応するDL領域に存在するページのリストが記述されている。
【0051】
<ドキュメント印刷処理>
図7は、実施形態におけるユーザがドキュメント印刷処理を指示する場合に操作部210に表示される画面の一例である。図7に示されているU101は、印刷設定の指示及びドキュメント印刷処理開始の指示を行うために操作部に表示される画面である。ユーザは、操作部210を操作して、例えば、倍率U102、用紙U103、印刷枚数U104、仕上げU105、印刷面U106、カラーU107、応用モードU108を設定することができる。ユーザがプリント開始ボタンU109を押下すると、ドキュメント印刷処理が開始される。また、キャンセルボタンU110を押下することにより処理を中止することもできる。
【0052】
次に、上述した本発明の画像処理装置における実施形態1の動作を、図8を用いて説明する。
【0053】
まず、ステップS101において、ユーザによる、操作部210におけるプリント開始ボタンの押下げによる印刷開始操作をCPU205が受け付ける。
【0054】
次に、ステップS102において、CPU205は、操作部210から入力された現在の印刷設定を取得する。
【0055】
次に、ステップS103において、CPU205は、印刷指示されたドキュメントのメタデータ(b)中に印刷設定情報(x5)が存在するかどうかを判定する。
【0056】
次に、ステップS103において、印刷設定情報(x5)が存在すると判定された場合には、ステップS104において、CPU205は、印刷設定情報の1つを取得する。
【0057】
次に、ステップS105において、CPU205は、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報が同等のものとして対応するかどうかを判定する。
【0058】
次に、ステップS105において、現在の印刷設定と取得した印刷設定が同等(同一)のものとして対応すると判定された場合には、ステップS106において、CPU205は、図10を用いて後述する再印刷処理を実行する。
【0059】
一方、ステップS105において、現在の印刷設定と取得した印刷設定が同等のものとして対応しないと判定された場合には、以下の処理が実行される。すなわち、ステップS107において、CPU205は、ドキュメントのメタデータ(b)中にまだ処理していない印刷設定情報(x5)が存在するかどうかがを判定する。そして、ステップS107において、ドキュメントのメタデータ(b)中にまだ処理していない印刷設定情報(x5)が存在すると判定された場合に、S104に処理が戻る。
【0060】
ステップS103において、メタデータ(b)に印刷設定情報(x5)が存在しないと判定された場合は、ステップS108において、CPU205が、図9で説明する初回印刷処理を実行する。
【0061】
また、ステップS107において、全ての印刷設定情報(x5)を処理して対応する印刷設定情報(x5)が存在しないと判定された場合は、ステップS108において、CPU205が、図9を用いて後述する初回印刷処理を実行する。
【0062】
なお、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報が同等のものとして対応するとは、現在の印刷設定を適用した場合に生成されるDLと取得した印刷設定情報を適用した場合に生成されるDLとが実質的に同一であることを言う。
【0063】
例えば、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報の倍率が異なる場合には、生成されるDLは相互に異なるため、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報は同等のものとして対応しない。尚倍率以外にも、Nup等のページレイアウトに関する印刷面(付け)の種類、用紙の種類、片面、両面、とじ方向等の仕上げ情報も同一性を判断する印刷設定とする。
【0064】
一方、例えば、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報が、印刷枚数の設定を除いて全て同じである場合には、現在の印刷設定と取得した印刷設定情報は同等のものとして対応する。
【0065】
次に、ステップS108における初回印刷処理の動作を、図9を用いて説明する。
【0066】
まず、ステップS201において、CPU205は、現在の印刷設定から印刷設定情報(x5)を生成し、ドキュメントのメタデータ(b)に追加する。
【0067】
次に、ステップS202において、CPU205は、ドキュメントに、印刷設定情報(x5)に対応するDL領域(c)を追加する。
【0068】
さらに、ステップS203において、CPU205は、印刷設定情報(x5)に対応するDL管理情報(x6)を生成し、ステップS202で追加されたDL領域と関連付ける。これらの操作により、ドキュメント中に現在の印刷設定に対応する印刷設定情報(x5)、DL管理情報(x6)、DL領域(c)が生成される。
【0069】
次に、CPU205は、印刷の処理対象ページに対して順番に印刷処理を行う。
【0070】
まず、ステップS204において、CPU205は、PDL解析部1104を用いて、処理対象ページのベクタデータ(a)をDLに変換して、DLを生成する。
【0071】
続けて、ステップS205において、CPU205は、データ描画部1105を用いてDLを、描画用のラスタデータに変換し、デバイスI/F部217に出力する。
【0072】
次に、ステップS206において、CPU205は、デバイスI/F部217でラスタデータ生成待ちが予め決められた閾値より長く発生していたかどうかを判定する。
【0073】
ステップS206において、ラスタデータ生成待ちが閾値より長く発生していたと判定された場合には、ステップS207において、CPU205は、ステップS204で生成されたDLを、ドキュメントのDL領域に保存する。ラスターデータ生成待ちが発生する頁についてはDLを保持することができ、この保持されたDLを使用する場合、ベクタデータをDLに変換する処理を行なうことなく保持済みのDLをラスタできるので、高速なラスタデータ生成が可能となる。
【0074】
そして、ステップS208において、CPU205は、さらにDL管理情報(x6)のDL保持ページ情報に処理対象ページのページ番号を追加する。
【0075】
一方、ステップS206において、ラスタデータ生成待ちが閾値より長く発生していなかったと判定された場合には、ステップS209において、CPU205は、ステップS204で生成されたDLを破棄する。
【0076】
その後、ステップS210において、CPU205は、全ての処理対象ページを処理したかどうかを判定する。
【0077】
そして、まだ処理されていない処理対象ページが存在し、ステップS210において、全ての処理対象ページが処理されていないと判定された場合には、ステップS204に処理が戻る。そして、ステップS210において、全ての処理対象ページが処理されたと判定された場合には、処理が終了する。これらの操作により、ドキュメントが印刷されると同時に、ラスタデータ生成待ちが発生するページのDLがドキュメントに保存され、DL管理情報(x6)にページ番号が記述される。
【0078】
次に、図8に示されているS106における再印刷処理の動作を、図10を用いて説明する。
【0079】
まず、ステップS301において、CPU205は、ドキュメントのメタデータ(b)から現在の印刷設定に対応する印刷設定情報(x5)に対応するDL管理情報(x6)を取得する。
【0080】
次に、ステップS302において、CPU205は、DL管理情報(x6)と関連付けられているDL領域(c)を取得する。
【0081】
次に、CPU205は、印刷の処理対象ページに対して順番に印刷処理を行う。
【0082】
まず、ステップS303において、CPU205は、処理対象ページのDLがドキュメント中のDL領域(c)に存在するかどうかを判定する。この判定は、DL管理情報(x6)のDL保持ページ情報に処理対象ページのページ番号が存在するか否かを判定することによって行われる。
【0083】
ステップS303において、DL領域(c)に処理対象ページのDLが存在すると判定された場合には、ステップS304において、CPU205は、DL領域(c)から処理対象ページのDLを取得する。その後、後述するステップS306に処理が進む。
【0084】
一方、ステップS303において、DL領域(c)に処理対象ページのDLが存在しないと判定場合には、ステップS305において、CPU205は、PDL解析部1104を用いて処理対象ページのベクタデータ(a)をDLに変換して、DLを生成する。
【0085】
その後、ステップS306において、CPU205は、データ描画部1105を用いてDLを、描画用のラスタデータに変換し、デバイスI/F部217に出力する。
【0086】
最後に、ステップS307において、CPU205は、全ての処理対象ページを処理したかどうかを判定する。
【0087】
そして、ステップS307において、まだ処理されていない処理対象ページが存在すると判定された場合には、S303に処理が戻る。
【0088】
ステップS307において、全ての処理対象ページに対し処理が完了したと判定された場合には、処理が終了する。これらの操作により、印刷設定情報(x5)に対応するDLがドキュメント中に存在する場合には当該DLを用いて印刷処理が行われ、存在しない場合にはベクタデータ(a)を用いて印刷処理が行われる。
【0089】
以上説明したように、実施形態1によれば、ベクタデータを利用することで編集作業による画像劣化がない再印刷機能を実現するとともに、複数の印刷設定に対応する印刷データを保持および管理することが可能となる。これにより、複数の印刷設定を切り替えて印刷した場合であっても高速に印刷することができる。更にDLが保存されている頁はDLを使い高速に描画できる。
【0090】
<実施形態2>
実施形態1ではユーザが操作部210から任意の印刷設定を入力し、CPU205は、入力された印刷設定とメタデータ(b)に保存された印刷設定情報(x5)が対応するか否かを判定した。ここで、ユーザは、印刷するたびに操作部210から全ての印刷設定を入力する必要があり、ユーザの操作の負担になる場合がある。そのような問題を解決するために、実施形態2では、印刷設定復元機能によりユーザの操作が支援される。
【0091】
<ドキュメント印刷処理>
図11は、実施形態2におけるユーザがドキュメント印刷処理を指示する場合に操作部210に表示される画面の一例を示す。図11に示されている画面U201は、印刷設定の指示及びドキュメント印刷処理開始の指示を行うために操作部に表示される画面である。ユーザは、操作部210を操作して、倍率、用紙、印刷枚数、フィニッシャー、両面設定、画質、カラー、応用モードを設定することができる。ユーザが、印刷設定復元ボタンU202を押下すると、図12のU301に示されている印刷設定履歴画面が表示される。ユーザが、プリント開始ボタンを押下すると、ドキュメント印刷処理が開始される。
【0092】
図12は、実施形態2におけるユーザが印刷設定復元処理を指示する場合に操作部210に表示される画面の一例である。図12のU301は、印刷設定復元の指示を行うために操作部に表示される画面である。
【0093】
一覧表示U302には、メタデータ(b)に保存された印刷設定情報(x5)の全部または一部が一覧で表示される。また、ユーザが、一覧表示U302から復元したい印刷設定を選択して復元ボタンU303を押下すると、選択された印刷設定情報(x5)から印刷設定が復元され、現在の印刷設定に反映されるとともに、図11に示されている画面U201に戻る。
【0094】
また、キャンセルボタンU304を押下することにより印刷設定復元処理を中止し、図11の画面U201に戻ることもできる。ユーザは、操作部210を操作して、印刷設定の指示及びドキュメント印刷処理の開始の支持を行うことができる。
【0095】
次に、上述した本発明の画像処理装置における実施形態2の動作を、図13を参照して説明する。
【0096】
まず、ステップS401において、CPU205が、操作部210においてユーザによる印刷設定の復元操作がなされたか否かを判定する。
【0097】
ステップS401において、操作部210においてユーザによる印刷設定の復元操作がなされたと判定された場合に、ステップS402において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグをセットする。
【0098】
次に、ステップS403において、CPU205は、印刷設定情報(x5)を復元し、現在の印刷設定に反映することにより、印刷設定の復元処理を実行する。
【0099】
一方、ステップS401において、操作部210においてユーザによる印刷設定の復元操作がなされなかったと判定された場合には以下の処理が実行される。すなわち、ステップS404において、CPU205は、操作部210においてユーザによる印刷設定の変更操作がなされた否かを判定する。
【0100】
次に、ステップS404において、操作部210においてユーザによる印刷設定の変更操作がなされたと判定された場合、以下の処理が実行される。すなわち、CPU205は、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応するか否かを判定する。ここで、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応するとは、実施形態1において説明した意味同等の判定と同じである。また、ステップS404において、操作部210においてユーザによる印刷設定の変更操作がなされなかったと判定された場合、後述するステップS407に処理が進む。
【0101】
ステップS405において、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応しないと判定された場合には、ステップS406において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグをリセットする。一方、ステップS405において、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応すると判定された場合には、後述するステップS407に処理が進む。
【0102】
その後、ステップS407において、CPU205は、印刷設定の変更をせずに、あるいは印刷設定の変更後に、ユーザがプリント開始ボタンを押下して印刷開始操作を行う。
【0103】
その後、ステップS408において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグを参照し、現在の印刷設定が再印刷であるか否かを判定する。
【0104】
ステップS408において、再印刷でないと判定された場合に、ステップS409において、CPU205は、実施形態1において図9を用いて説明した初回印刷処理を行う。一方、ステップS408において、再印刷であると判定された場合に、ステップS410において、CPU205は、実施形態1において図10を用いて説明した再印刷処理を行う。
【0105】
以上説明したように、実施形態2によれば、編集作業による画像劣化がない再印刷機能を実現するとともに、複数の印刷設定に対応する印刷データを保持および管理することが可能となる。これにより、複数の印刷設定を切り替えて印刷した場合であっても高速に印刷することができる。
【0106】
さらに、実施形態2によれば、過去に指示した印刷設定を復元し、その印刷設定を利用できるのでユーザは印刷設定を設定において操作性が向上する。
【0107】
<実施形態3>
実施形態1および実施形態2における処理は印刷設定毎に全てのDLをドキュメントに蓄積する。この場合、ドキュメントのデータ量が大きくなる傾向がある。例えば、デバイス間でドキュメントの複製を行う場合に転送量が膨大になる場合がある。そこで、実施形態3は、データの転送量を抑えつつ、複製先のデバイスで印刷設定復元機能及びドキュメント印刷処理を実現する。
【0108】
<デバイス間ドキュメント複製処理>
図14は、実施形態3におけるユーザがデバイス間ドキュメント複製処理を指示する場合に操作部210に表示される画面の一例を示す。図14の画面U401は、デバイス間ドキュメント複製の設定及びデバイス間ドキュメント複製処理開始の指示を行うために操作部に表示される画面である。ユーザは、操作部210を操作して、ドキュメントの複製先デバイスU402や保存先U403を設定することができる。ユーザが実行ボタンU404を押下するとデバイス間ドキュメント複製処理が開始される。また、キャンセルボタンU404を押下することにより処理を中止することもできる。
【0109】
次に、上述した本発明の画像処理装置における実施形態3の動作を、図15を参照して説明する。
【0110】
まず、ステップS501において、CPU205は、ユーザによる操作部210における実行ボタンの押下によるデバイス間ドキュメント複製処理の開始操作を受け付ける
次に、ステップS502において、CPU205は、ドキュメントを複製し、複製用ドキュメントを生成する。
【0111】
次に、ステップS503において、CPU205は、複製ドキュメントのメタデータ(b)中に印刷設定情報(x5)が存在するかどうかを判定する。
【0112】
ステップS503において、複製ドキュメントのメタデータ(b)中に印刷設定情報(x5)が存在すると判定された場合には、ステップS504において、CPU205は、印刷設定情報(x5)とDL管理情報(x6)を取得する。
【0113】
次に、ステップS505において、CPU205は、DL管理情報(x6)と関連付けされたDL領域(c)を送信用ドキュメントから削除する。
【0114】
次に、ステップS506において、CPU205は、DL管理情報(x6)を送信用ドキュメントから削除する。
【0115】
次に、ステップS507において、CPU205は、送信ドキュメント中に処理していない印刷設定情報(x5)が存在するかどうかを判定する。
【0116】
ステップS507において、送信ドキュメント中に処理していない印刷設定情報(x5)が存在すると判定された場合には、S504に処理が戻る。
【0117】
一方、ステップS507において、送信ドキュメント中に処理していない印刷設定情報(x5)が存在しないと判定された場合には、ステップS508において、CPU205は、送信用ドキュメントを複製先デバイスに送信する。そして、処理が終了する。
【0118】
また、ステップS503において、複製ドキュメントのメタデータ(b)中に印刷設定情報(x5)が存在しないと判定された場合、ステップS508において、CPU205は、送信用ドキュメントを複製先デバイスに送信する。そして、処理が終了する。
【0119】
ステップS508において、送信用ドキュメントを受信したデバイスは、指定された保存先に送信用ドキュメントを保存する。
【0120】
以上の処理により、DL領域(c)とDL管理情報(x6)が取り除かれたドキュメントが複製先のデバイスに送信される。
【0121】
<ドキュメント印刷処理>
次に、デバイス間ドキュメント処理によって複製されたドキュメントを受信したデバイスにおける、ドキュメント印刷処理の動作を、図16を参照して説明する。
【0122】
まず、ステップS601において、CPU205は、ユーザによる操作部210における印刷設定の復元操作を受け付けた否かを判定する。ステップS601において、印刷設定の復元操作を受け付けなかったと判定された場合には、後述するステップS604に処理が移行する。
【0123】
ステップS601において、印刷設定の復元操作を受け付けたと判定された場合には、ステップS602において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグをセットする。
【0124】
次に、ステップS603において、CPU205は、印刷設定情報(x5)を復元し、現在の印刷設定に反映することにより、印刷設定の復元処理を行なう。
【0125】
次に、ステップS604において、CPU205は、ユーザによる操作部210における印刷設定の変更操作を受け付けた否かを判定する。ステップS604において、印刷設定の変更操作を受け付けなかったと判定された場合には、ステップS607に処理が移行する。
【0126】
ステップS604において、印刷設定の変更操作を受け付けたと判定された場合には、ステップS605に処理が移行する。
【0127】
ステップS605において、CPU205は、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応するか否かを判定する。ここで、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応するとは、実施形態1および実施形態2において説明した意味と同じである。ステップS605において、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応すると判定された場合には、後述するステップS607に処理が移行する。
【0128】
ステップS605において、変更前の印刷設定と変更後の印刷設定が同等のものとして対応しないと判定された場合には、ステップS606に処理が移行する。
【0129】
ステップS606において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグをリセットする。
【0130】
次に、ステップS607において、CPU205は、ユーザによるプリント開始ボタンの押下による印刷開始操作を受け付ける。
【0131】
次に、ステップS608において、CPU205は、再印刷であることを示す状態フラグを参照し、現在の印刷設定が再印刷であるか否かを判定する。
【0132】
ステップS608において、再印刷ではないと判定された場合に、ステップS609において、CPU205は、実施形態1において図9を用いて説明した初回印刷処理を行う。そして、処理が終了する。
【0133】
ステップS608において、再印刷であると判定された場合に、ステップS610に処理が移行する。
【0134】
ステップS610において、CPU205は、印刷設定(x5)に対応するDL領域(c)が存在するか否かを判定する。
【0135】
ステップS610において、DL領域(c)が存在すると判定された場合に、ステップS611において、CPU205は、実施形態1において図10を用いて説明した再印刷処理を実行する。そして処理が終了する。
【0136】
ステップS610において、DL領域(c)が存在しないと判定された場合に、ステップS612において、CPU205は、図17を用いて後述するDL再登録印刷処理を実行する。そして処理が終了する。
【0137】
次に、S612におけるDL再登録印刷処理の動作を、図17を用いて説明する。
【0138】
まず、ステップS701において、CPU205は、ドキュメントに生成した印刷設定情報(x5)に対応するDL領域(c)を追加する。
【0139】
次に、ステップS702において、CPU205は、印刷設定情報(x5)に対応するDL管理情報(x6)を生成し、ステップS701で生成されたDL領域と関連付ける。これらの操作により、ドキュメント中に印刷設定情報(x5)に対応するDL管理情報(x6)、DL領域(c)が生成される。
【0140】
次に、ステップS703において、CPU205は、印刷の処理対象ページに対して順番に印刷処理を行う。ここで、CPU205は、PDL解析部1104を用いて処理対象ページのベクタデータ(a)をDLに変換して、DLを生成する。
【0141】
続けて、ステップS704において、CPU205は、データ描画部1105を用いてDLを、描画用のラスタデータに変換し、デバイスI/F部217に出力する。
【0142】
次に、ステップS705において、CPU205は、デバイスI/F部217でラスタデータ生成待ちが発生していたかどうかを判定する。
【0143】
ステップS705において、ラスタデータ生成待ちが発生していたと判定された場合には、ステップS706において、ステップS703で生成されたDLをドキュメントのDL領域に保存する。
【0144】
次に、ステップS707において、CPU205は、さらにDL管理情報(x6)のDL保持ページ情報に処理対象ページのページ番号を追加する。そして、後述するステップS709に処理が移行する。
【0145】
ステップS705において、ラスタデータ生成待ちが発生していなかったと判定された場合には、ステップS708において、CPU205は、ステップS703で生成されたDLを破棄する。
【0146】
その後、ステップS709において、CPU205は、全ての処理対象ページを処理したかどうかを判定する。
【0147】
ステップS709において、まだ処理していない処理対象ページが存在すると判定された場合には、ステップS703に処理が戻る。そして、ステップS709において、全ての処理対象ページに対し処理が完了したと判定された場合には処理が終了する。これらの操作により、ドキュメントが印刷されると同時に、ラスタデータ生成待ちが発生するページのDLがドキュメントに保存され、DL管理情報(x6)にページ番号が記述される。
【0148】
以上説明したように、実施形態3によれば、編集作業による画像劣化がない再印刷機能を実現するとともに、複数の印刷設定に対応する印刷データを保持および管理することが可能となる。これにより、複数の印刷設定を切り替えて印刷した場合であっても高速に印刷することができる。
【0149】
さらに、実施形態3によれば、過去に指示した印刷設定を復元することができる。
【0150】
さらに、実施形態3によれば、データの転送量を抑えつつ、複製先のデバイスでドキュメント印刷処理を実現することができる。さらに、転送先のデバイスでも転送元のデバイスで過去に指示した印刷設定を復元することができる。これにより、デバイス間でドキュメントを複製した場合であっても共通の操作感で使用することができ、ユーザの操作を支援することができる。
【0151】
<その他の実施形態>
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム、もしくは記憶媒体の実施態様をとることが可能である。具体的には、例えば、複数の機器を含むシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0152】
なお、本発明は、複数の変換手段を含むが、これらを、例えば、第1の変換手段、第2の変換手段、および第3の変換手段と呼んでも良い。
【0153】
また、本発明は、複数の判定手段を含むが、これらを、例えば、第1の判定手段、第2の判定手段、および第3の判定手段と呼んでも良い。
【0154】
また、本発明は、複数の解像度非依存データを含むが、これらを、例えば、第1の解像度非依存データ、および第2の解像度非依存データと呼んでも良い。
【0155】
また、本発明は、複数の制御工程を含むが、これらを、例えば、第1の制御工程、第2の制御工程、第3の制御工程、第4の制御工程、および第5の制御工程と呼んでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】実施形態1における画像処理装置(MFP)の構造を示す図である。
【図2】実施形態1におけるシステムの一例を示す図である。
【図3】実施形態1における各機器のコントロールユニットの例を示すブロック図である。
【図4】実施形態1におけるコントローラソフトウェアの一例を示すブロック図である。
【図5】実施形態1におけるドキュメントのデータ構造を示す図である。
【図6】実施形態1における印刷設定情報及びDL管理情報の記載例を示す図である。
【図7】実施形態1におけるドキュメント印刷の操作画面を示す図である。
【図8】実施形態1におけるドキュメント印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態1における初回印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施形態1における再印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態2におけるドキュメント印刷の操作画面を示す図である。
【図12】実施形態2における印刷設定復元操作の操作画面を示す図である。
【図13】実施形態2におけるドキュメント印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施形態3におけるデバイス間ドキュメント複製処理の操作画面を示す図である。
【図15】実施形態3におけるデバイス間ドキュメント複製処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】実施形態3におけるドキュメント印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】実施形態3におけるDL再登録印刷処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
205 CPU
210 操作部
217 デバイスI/F
a ベクタデータ
b メタデータ
c DL領域
x5 印刷設定情報
x6 DL管理情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する画像データの入力手段と、
印刷設定を入力する印刷設定の入力手段と、
前記画像データの入力手段が入力する画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する第1の変換手段と、
前記印刷設定を印刷設定情報に変換する第2の変換手段と、
解像度非依存データを前記印刷設定情報に対応するページ単位の解像度依存描画データに変換する第3の変換手段と、
前記印刷設定情報と前記解像度依存描画データを関連付ける関連付手段と、
前記解像度非依存データと前記印刷設定情報と前記解像度依存描画データとを関連付けて印刷データとして保持する保持手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記印刷設定情報と前記印刷設定の入力手段によって新たに入力された印刷設定とが同一であるか否かを判定する第1の判定手段と、
処理対象ページの前記解像度依存描画データが印刷データに存在するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記解像度依存描画データを描画展開する描画展開手段とをさらに備え、
前記第1の判定手段による判定の結果、同一と判定され、処理対象ページの前記解像度依存描画データが存在する場合には前記印刷設定情報に関連付けされた解像度依存描画データを前記描画展開手段によって描画展開し、処理対象ページの前記解像度依存描画データが存在しない場合には新たに前記解像度非依存データから変換された解像度依存描画データを前記描画展開手段によって描画展開することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷設定情報を前記印刷データに新たに追加する印刷設定情報の追加手段と、
前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加する解像度依存描画データの追加手段と、
前記描画展開手段による待ち時間が予め決められた閾値より長く発生したか否かをページ毎に判定する第3の判定手段とをさらに備え、
印刷データに所定の前記印刷設定情報が存在しない場合に、新たに前記解像度非依存データから変換された解像度依存描画データを前記描画展開手段によって描画展開するとともに、前記第2の変換手段により変換して得られた印刷設定情報を第3の変換手段により変換して得られた解像度依存描画データを前記印刷データに追加し、前記描画展開手段による待ち時間が予め決められた閾値より長く発生した場合には前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加し、前記描画展開手段による待ち時間が予め決められた閾値より長く発生しなかった場合には前記解像度依存描画データを前記印刷データに追加しないことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の判定手段は、第1の変換手段に従って解像度非依存データから変換される第1の解像度非依存データと、第2の変換手段により変換して得られた印刷設定情報に従って解像度非依存データから変換される第2の解像度非依存データとが同一であるか否かを判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の判定手段は、第1の解像度非依存データと第2の解像度非依存データとが同一であるか否かを判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の判定手段は、印刷枚数、印刷面、用紙、仕上げについて同一であるか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記印刷設定情報の一覧を表示する印刷設定の表示手段と、
前記印刷設定の表示手段により表示された前記印刷設定情報の中から印刷設定情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された印刷設定情報を印刷設定に復元する復元手段とをさらに備え、
前記第1の判定手段は、印刷設定が前記復元手段によって復元されたものであるか否かを判定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記復元手段によって復元された前記印刷設定を変更する変更手段とをさらに備え、
前記第1の判定手段は、印刷設定が前記復元手段によって復元された後、変更されているか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1の判定手段は、印刷枚数、印刷面、用紙、仕上げについて変更されているか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記解像度依存描画データを描画展開する描画展開手段と
前記描画展開手段による待ち時間が予め決められた閾値より長く発生したか否かをページ毎に判定する判定手段を有し、
前記判定手段による判定の結果、前記描画展開手段による待ち時間が予め決められた閾値より長く発生しない場合、前記第3の変換手段による変換をおこなわないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
印刷設定の入力を受け付ける受け付けステップと、
印刷データに入力された印刷設定に対応する印刷設定情報が存在するか否かを判定する判定ステップと、
対応する印刷設定情報が存在する場合には、対応する印刷設定を選択し、さらに処理対象ページの解像度依存描画データが前記印刷データに存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記印刷データに含まれる画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する変換ステップと、
処理対象ページの解像度依存描画データが存在する場合に前記印刷データに存在する前記解像度依存描画データを描画展開する展開ステップと、
処理対象ページの解像度依存描画データが存在しない場合に前記解像度非依存データを前記解像度依存描画データに変換し、さらに前記解像度依存描画データを描画展開する展開ステップとを備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
印刷データに入力された印刷設定に対応する印刷設定情報が存在するか否かを判定する判定ステップと、
対応する印刷設定情報が存在しない場合には、前記解像度非依存データを前記解像度依存描画データに変換し、さらに前記解像度依存描画データを描画展開するとともに、 前記変換および前記描画展開による待ち時間が発生したか否かを判定する判定ステップと、
待ち時間が発生した場合に前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加する追加ステップとをさらに備え、
待ち時間が発生しない場合に前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加しないことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項13】
印刷設定を入力する入力工程と、
印刷データに入力された印刷設定に対応する印刷設定情報が存在するか否かを判定する第1の判定工程と、
前記印刷データに含まれる画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する変換工程と、
第1の判定工程で真と判定された場合に、処理対象ページの解像度依存描画データが前記印刷データに存在するか否かを判定する第2の判定工程と、
第2の判定工程で真と判定された場合に、前記印刷データに存在する前記解像度依存描画データを描画展開する第1の制御工程と、
第2の判定工程で偽と判定された場合に、前記解像度非依存データを前記解像度依存描画データに変換し、さらに前記解像度依存描画データを描画展開する第2の制御工程とを備えることを特徴とする画像処理装置の制御プログラム。
【請求項14】
前記第1の判定工程で偽と判定された場合に、前記解像度非依存データを前記解像度依存描画データに変換し、さらに前記解像度依存描画データを描画展開する第3の制御工程と、
前記第3の制御工程による待ち時間が発生したか否かをページ毎に判定する第3の判定工程と、
第3の判定工程で真と判定された場合に、前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加する第4の制御工程と、
第3の判定工程で偽と判定された場合に、前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加しない第5の制御工程とをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置の制御プログラム。
【請求項15】
画像データを入力する画像データの入力工程と、
印刷設定を入力する印刷設定の入力工程と、
前記画像データの入力手段から入力する画像データを解像度に依存しない解像度非依存データに変換する第1の変換工程と、
前記印刷設定を印刷設定情報に変換する第2の変換工程と、
解像度非依存データを前記印刷設定情報に対応するページ単位の解像度依存描画データに変換する第3の変換工程と、
前記印刷設定情報と前記解像度依存描画データを関連付ける関連付工程と、
前記解像度非依存データと前記印刷設定情報と前記解像度依存描画データとを関連付けて印刷データとして保持する保持工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
前記印刷設定情報と前記印刷設定の入力工程によって新たに入力された印刷設定とが対応するか否かを判定する第1の判定工程と、
処理対象ページの前記解像度依存描画データが印刷データに存在するか否かを判定する第2の判定工程と、
前記解像度依存描画データを描画展開する描画展開工程とをさらに備え、
印刷データに前記印刷設定に対応する前記印刷設定情報が存在する場合に、処理対象ページの前記解像度依存描画データが存在する場合には前記印刷設定情報に関連付けされた解像度依存描画データを前記描画展開工程によって描画展開し、処理対象ページの前記解像度依存描画データが存在しない場合には新たに前記解像度非依存データから変換された解像度依存描画データを前記描画展開工程によって描画展開することを特徴とする請求項15に記載の画像処理方法。
【請求項17】
前記印刷設定情報を前記印刷データに新たに追加する印刷設定情報の追加工程と、
前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加する解像度依存描画データの追加工程と、
前記描画展開工程による待ち時間が発生したか否かをページ毎に判定する第3の判定工程とをさらに備え、
印刷データに前記印刷設定に対応する前記印刷設定情報が存在しない場合に、新たに前記解像度非依存データから変換された解像度依存描画データを前記描画展開工程によって描画展開するとともに、前記第2の変換工程により変換して得られた印刷設定情報を前記第3の変換工程により変換して得られた印刷設定情報を前記印刷データに追加し、前記描画展開工程による待ち時間が発生した場合には前記解像度依存描画データを前記印刷データに新たに追加し、前記描画展開工程による待ち時間が発生しなかった場合には前記解像度依存描画データを前記印刷データに追加しないことを特徴とする請求項16に記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−194563(P2009−194563A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32269(P2008−32269)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】