説明

画像処理装置及び画像形成装置

【課題】使用者が交換する拡張基板を有する構成であっても小型化することができる画像処理装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】画像処理装置100は、第1アップグレード基板154が配置されると共に筐体102内部に設けられた第1コネクタ112、114に電気的に接続され画像処理が行われる画像処理基板104と、画像処理基板104の側面を構成する側板106と、画像処理基板104、第1アップグレード基板154、及び側板106で囲まれた空間に配置され使用者により交換可能とされた拡張基板108と、を有している。ここで、拡張基板108が画像処理基板104、第1アップグレード基板154、及び側板106で囲まれた空き領域に配置されるので、拡張基板108専用の設置場所を別途設ける必要がなくなり、画像処理装置100を小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像処理装置は、中継基板となるバックプレーン基板の一方の面に出力装置制御回路基板を接続し、他方の面に画像処理回路基板とビデオセレクタ回路基板を接続している。
【0003】
特許文献2の画像形成装置は、主電装基板ユニットの直下に追加電装基板ユニットを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−191217号公報
【特許文献2】特開2008−153364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用者が交換する拡張基板を有する構成であっても小型化することができる画像処理装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像処理装置は、装置本体内部に設けられた第1接続部に電気的に接続され画像処理を行う画像処理基板と、前記画像処理基板の一方側で該画像処理基板の一部を覆うように配置され少なくとも1つの機能を有する機能基板と、前記画像処理基板の前記第1接続部とは反対側に取り付けられ前記装置本体の側面を構成する側板と、前記画像処理基板に対する前記機能基板と同じ側で該画像処理基板の他の一部を覆うように配置され、前記装置本体内部に設けられた第2接続部に電気的に接続されると共に前記画像処理基板に対して独立して着脱される拡張基板と、を有する。
【0007】
本発明の請求項2に係る画像処理装置は、前記第2接続部への前記拡張基板の接続方向は、前記第1接続部への前記画像処理基板の接続方向と同方向とされ、前記拡張基板を前記第2接続部へ接続し、前記画像処理基板を前記第1接続部に接続したときに、前記側板が前記拡張基板に接触する。
【0008】
本発明の請求項3に係る画像処理装置は、前記画像処理基板を前記第1接続部に接続させるときに操作力を増幅するてこ機構部が設けられ、該てこ機構部で増幅された操作力が前記側板を介して前記拡張基板の前記第2接続部への接続の力として作用する。
【0009】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に画像処理後の画像情報を伝達する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、画像処理基板、機能基板、及び拡張基板を重ねて配置する構成に比べて、使用者が交換する拡張基板を有する構成であっても小型化することができる。
【0011】
請求項2の発明は、画像処理基板を接続するときに画像処理基板の側板と拡張基板とが接触しない構成に比べて、第2接続部に拡張基板を接続するときの拡張基板の抜けを抑制することができる。
【0012】
請求項3の発明は、画像処理基板を接続方向に付勢する接触部が側板に設けられていない構成に比べて、第2接続部に拡張基板を接続するときの差込みを確実に行うことができる。
【0013】
請求項4の発明は、画像情報に基づく画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置を裏側から見た斜視図である。
【図3】(A)本発明の実施形態に係る画像処理装置の分解図である。(B)本発明の実施形態に係る画像処理装置を画像形成装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】(A)本発明の実施形態に係る画像処理装置の断面図である。(B)本発明の実施形態に係る画像処理基板を画像形成装置側から見た説明図である。(C)本発明の実施形態に係る拡張基板を画像形成装置に取り付ける状態を示す説明図である。
【図5】(A)本発明の実施形態に係る画像処理装置を模式的に示した斜視図である。(B)本発明の実施形態に係る画像処理装置を模式的に示した断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像処理装置の各基板の接続関係を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理装置のハンドルの斜視図である。
【図8】(A)、(B)本発明の実施形態に係る画像処理装置のハンドルを倒した状態、立てた状態を示す説明図である。
【図9】(A)本発明の実施形態に係る画像処理基板及び拡張基板の長さを模式的に示す断面図である。(B)本発明の実施形態に係る画像処理基板及び拡張基板を中継基板に接続した状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る画像処理装置及び画像形成装置の一例について説明する。
【0016】
図1には、実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、原稿読取部16で読み取られたデータを画像処理して画像形成部14(画像形成ユニット50)に画像処理後の画像情報を伝達する画像処理装置100と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20(図6の出力制御基板120を含む)と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
【0017】
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
【0018】
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
【0019】
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
【0020】
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。なお、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28の位置合せロール38の手前に接続されている。
【0021】
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
【0022】
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印H方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
【0023】
一方、画像形成部14は、トナー(現像剤)を用いて画像を形成する画像形成手段の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置72、転写ユニット70、及びクリーニング装置73を含んで構成されている。また、転写ユニット70は、後述する中間転写ベルト68、一次転写ロール67、補助ロール69、及び二次転写ロール71を含んで構成されている。
【0024】
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、潜像保持体である円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
【0025】
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、及び複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
【0026】
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置72が設けられている。
【0027】
現像装置72は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する6つの現像器(符号を省略する)が、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置された構成となっており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う各現像器が切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。なお、Y、M、C、Kの4色の画像形成を行う場合は、第1特別色(E)及び第2特別色(F)を使用しないため、Kに対応する現像器からYに対応する現像器への回転角度が180°となる。
【0028】
各現像器には、各トナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fからトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、各現像器には、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブと、該現像スリーブの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材とで構成されている。そして、現像装置72は、現像スリーブが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシを形成すると共に、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
【0029】
一方、転写ユニット70は、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状のベルトであり、感光体62の回転方向で現像装置72よりも下流側であり且つ感光体62の下側に配置されている。また、中間転写ベルト68は、制御部20(図6の出力制御基板120を含む)により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、及び後述する二次転写位置において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
【0030】
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置とする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
【0031】
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
【0032】
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
【0033】
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
【0034】
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
【0035】
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
【0036】
そして、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置は、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置90が設けられている。定着装置90は、加熱により定着を行う定着ロール92と、定着ロール92へ向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール94とを有している。なお、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置90よりも下流側には、排紙部15又は反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。
【0037】
次に、画像処理装置100について説明する。
【0038】
図2に示すように、画像処理装置100は、画像処理を行う画像処理基板104と、画像処理基板104に接続された機能基板の一例としての第1アップグレード基板154(図3(A)参照)と、画像処理基板104に取り付けられた側板106と、拡張基板108(図3(A)参照)とを有しており、画像処理基板104及び拡張基板108は、装置本体の一例としての筐体102内に設けられている。筐体102は、平面視で矩形状の箱体であり、上面は図示しない板金で塞がれ電波ノイズに強い構成となっており、4つの側壁のうち1つが取り除かれて開口部102Aが形成されている。
【0039】
また、筐体102は、開口部102Aが画像形成装置10の装置本体10Aの背面側に設けられた背面パネル11に配置されるように、画像形成装置10内に取り付けられている。そして、画像処理装置100は、画像形成装置10を背面側から見て、画像形成部14の中央よりも左側に設けられている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の背面側から正面側への方向を矢印Z方向で表す。
【0040】
図3(A)に示すように、筐体102の開口部102Aとは反対側にある奥壁102Bには、中継基板110が鉛直方向に立てられた状態でネジにより締結固定されている。中継基板110は、開口部102A側の面に第1接続部の一例としての第1コネクタ112、114が左右に並んで設けられており、第1コネクタ114の下側には、第2接続部の一例としての第2コネクタ116が設けられている。また、奥壁102Bにおいて、開口部102A側の面で且つ中継基板110が取り付けられていない領域には、画像処理基板104に電源を供給するための給電コネクタ118が設けられている。
【0041】
また、図4(A)、(B)、(C)に示すように、筐体102は、奥壁102Bを正面視したとき(図2の矢印Z方向に見たとき)の左側壁102C、右側壁102Dと、底壁102Eとを有している。左側壁102C及び右側壁102Dには、筐体102の内側に向けて突出した平板からなるガイドレール122、124が設けられている。また、底壁102Eの中央には、正面視で断面L字状のガイドレール126が設けられている。ガイドレール126は、上部がガイドレール124に向けて折り曲げられて平坦部126Aが形成されている。
【0042】
左側壁102Cにおけるガイドレール122の上側には、筐体102の内側へ向けて突出したガイド部128が設けられており、右側壁102Dにおけるガイドレール124の上側には、筐体102の内側へ向けて突出したガイド部129が設けられている。ここで、画像処理基板104の左右縁部(側板106側から見た左右縁部)には、金属製の支持フレーム132、134が取り付けられており、支持フレーム132がガイドレール122とガイド部128との間に案内され、支持フレーム134がガイドレール124とガイド部129との間に案内されることにより、画像処理基板104が奥壁102Bに向けて挿入されるようになっている。尚、支持フレーム132、134は一体フレームでも構わない。
【0043】
図4(B)に示すように、画像処理基板104における側板106が取り付けられた側とは反対側の端部には、第1コネクタ112、114(図3(A)参照)に接続されるコネクタ136、138と、給電コネクタ118(図3(A)参照)に接続されるコネクタ142とが設けられている。また、図5(B)に示すように、画像処理基板104を矢印Z方向(図3(A)参照)に見て、画像処理基板104の左側の上面には上方(矢印+V方向)へ向けて上コネクタ144が設けられており、左側の下面には下方(矢印−V方向)へ向けて下コネクタ146が設けられている。さらに、画像処理基板104の側板106側の端部には、側板106から外側へ露出されたコネクタ148が設けられている。
【0044】
図3(A)及び図5(B)に示すように、画像処理基板104の下側(拡張基板108と同じ側)には機能基板の一例としての第1アップグレード基板154が配置されており、画像処理基板104の上側には第2アップグレード基板152が配置されている。第1アップグレード基板154は、コネクタ155を有しており、コネクタ155が下コネクタ146に接続されることで画像処理基板104に接続されている。また、第2アップグレード基板152は、コネクタ153を有しており、コネクタ153が上コネクタ144に接続されることで画像処理基板104に接続されている。
【0045】
図5(A)、(B)に示すように、第2アップグレード基板152は、画像処理基板104に接続された状態における側板106側の端部の上側及び下側にコネクタ156、158が設けられている。また、第1アップグレード基板154は、画像処理基板104に接続された状態における側板106側の端部の下側にコネクタ162が設けられている。コネクタ156、158、162は、画像処理基板104に第1アップグレード基板154及び第2アップグレード基板152を接続した状態で、側板106から外側へ露出される。ここで、第1アップグレード基板154は、画像処理基板104の一方側(下側)で該画像処理基板104の一部(下面の左側)を覆うように配置されている。
【0046】
一方、図3(A)及び図4(C)に示すように、拡張基板108は、ガイドレール124とガイドレール126との間に収容可能な大きさとなっており、矢印Z方向の一端には、第2コネクタ116に接続されるコネクタ164が設けられている。また、拡張基板108は、矢印Z方向の他端(側板106側)に側板165及びコネクタ166が設けられている。さらに、拡張基板108は、矢印Z方向に見て左右の縁部に金属製の支持フレーム167、168が取り付けられている。支持フレーム167、168は、ガイドレール124の下面及びガイドレール126の右側面に沿って案内される。ここで、図5(A)に示すように、拡張基板108のコネクタ166は、側板106における画像処理基板のコネクタ148よりも下側に形成された矩形状の開口部106Aから外側へ露出するようになっている。尚、支持フレーム167、168は一体フレームでも構わない。
【0047】
図5(B)に示すように、拡張基板108は、画像処理基板104に対する第1アップグレード基板154と同じ側で該画像処理基板104の他の一部(下面の右側)を覆うように配置されており、第2コネクタ116(図3(A)参照)に電気的に接続されると共に画像処理基板104に対して独立して着脱されるようになっている。また、拡張基板108は、画像処理基板104、第1アップグレード基板154、側板106(図3(A)参照)、及び中継基板110で囲まれた空間に配置されている。そして、拡張基板108は、画像処理基板104及び側板106を矢印Z方向とは反対側に引抜くことで、使用者により交換可能とされている。
【0048】
次に、画像処理装置100の各基板の接続関係について説明する。
【0049】
図6には、画像処理装置100の概略構成が示されている。中継基板110における画像処理基板104側とは反対側(図3(A)における矢印Z方向奥側)には、中継基板110に設けられたコネクタ169Aに接続されるコネクタ169Bを有する出力制御基板120が設けられている。出力制御基板120は、CPU(Central Processing Unit)172とスクリーン処理部174とを含んで構成されており、受け取った画像データを画像形成ユニット50(図1参照)を用いて画像出力するための画像データ処理等を行なう。CPU172は、出力制御基板120を制御するためのものであり、スクリーン処理部174は、画像の諧調表現のために画像処理基板104から送られてきた画像データの画素を制御してスクリーン生成する回路である。なお、出力制御基板120は、筐体121(図9(A)参照)で覆われている。
【0050】
画像処理基板104は、原稿読取部16で読み取られた画像データに対して画像処理を行うものであり、制御を行うCPU176と、画像処理モジュール178と、シリアル/パラレル変換部182と、データの伝送路(図示省略)とを含んで構成されている。画像処理モジュール178は、シリアル/パラレル変換部182を介して受け取った画像データの処理を行なうものである。また、画像処理基板104は、コネクタ148及びケーブル(図示省略)を介して原稿読取部16に接続されている。なお、第2アップグレード基板152及び第1アップグレード基板154は、前述のコネクタ156、158、162(図5(A)参照。図6では図示省略)を介して外部機器に接続されるようになっており、画像形成装置10の機能変更等に合わせて交換されるようになっている。
【0051】
拡張基板108は、一例として、ビデオセレクタ回路基板であり、スキャンビデオセレクタ184と、プリントビデオセレクタ185と、デシリアライザ186と、シリアライザ188と、LVDS(Low voltage differential signaling)192と、これらの間の伝送路(図示省略)とを含んで構成されている。これらは、画像処理基板104と外部制御装置130との間のデータ通信を行うためのものである。そして、原稿読取部16から送られた画像データは、拡張基板108のスキャンビデオセレクタ184により外部制御装置130に供給され、外部制御装置130からの画像データは、プリントビデオセレクタ185を介して出力制御基板120に送られて、画像形成ユニット50(図1参照)で画像出力される。
【0052】
ここで、図6において、出力制御基板120へ画像を出力する経路として、原稿読取部16から画像処理基板104及び中継基板110を経由して出力制御基板120へ画像を出力する経路、画像処理基板104から中継基板110を経由して出力制御基板120へ出力する経路、外部制御装置130から拡張基板108及び中継基板110を経由して出力制御基板120へ画像を出力する経路がある。また、画像の読み取りデータを送る経路として、原稿読取部16から画像処理基板104へ読み取りデータを送る経路、原稿読取部16から画像処理基板104、中継基板110、及び拡張基板108を経由して外部制御装置130へ読み取りデータを送る経路がある。
【0053】
次に、側板106に設けられたハンドル200の構成について説明する。
【0054】
図8(A)に示すように、側板106の画像処理基板104側とは反対側の面には、てこ機構部の一例としてのハンドル200及び支持部材202が設けられている。ハンドル200は、樹脂の一体成型品からなるもので、一対の支持部材202を用いて側板106に対して矢印Z方向、即ち、画像処理基板104の接続方向に対して、矢印+R方向(左側壁102Cから見て時計回り方向)、矢印−R方向(左側壁102Cから見て反時計回り方向)に回転(移動)可能に支持されている。
【0055】
図7に示すように、ハンドル200は、握り部204と一対の脚部206とを一体に備えたコ字状の部材であり、一対の脚部206は、握り部204の両端部から互いに同じ方向(握り部204と直角をなす方向)に延出している。各々の脚部206には、側面から外側へ突出した支軸208と、支軸208よりも下側の部位である接触部210とが設けられている。接触部210は、脚部206の下部で脚部206の軸方向に対して斜め方向(側板106から離れる方向)に延びており、脚部206を支軸208の軸方向に見て断面三角形状となっている。また、一方の脚部206には、腕部212が設けられている。腕部212は、脚部206から支軸208の軸方向外側に張り出した状態で設けられており、腕部212には段付きの貫通孔214が形成されている。なお、貫通孔214は、側板106に形成された図示しないネジ孔と連通してネジ止めされ、ハンドル200が固定されるようになっている。
【0056】
一方、図8(A)に示すように、筐体102の底壁102Eにおいて、上方に側板106が配置される部位は開口部102Aよりも矢印Z方向手前側に張り出されており、この張り出し部分にクランク形状の曲げ加工によって、てこ機構部の一例としての凹部216が形成されている。凹部216は、支軸208の軸方向と同じ方向を長手方向として上方が開口された形状となっており、矢印Z方向の奥側に立設された側壁216Aと手前側に立設された側壁216Bとを有している。ここで、ハンドル200を矢印+R方向に倒した状態で画像処理基板104を筐体102内に挿入すると、接触部210が側壁216Aと接触するようになっている。このため、画像処理基板104を筐体102から引抜くときは、ハンドル200を矢印+R方向に倒すことで接触部210が側壁216Aと接触して画像処理基板104に引抜き力が作用する。
【0057】
また、図8(B)に示すように、接触部210が凹部216内に位置する状態でハンドル200を矢印−R方向に立てると、接触部210が側壁216Bと接触して、画像処理基板104を矢印Z方向に付勢するようになっている。即ち、ハンドル200、支持部材202、及び凹部216は、画像処理基板104を第1コネクタ112、114(図4(C)参照)に接続させるとき、使用者による操作力がてこの原理で増幅するようになっており、且つ増幅された操作力が側板106を介して拡張基板108の第2コネクタ116への接続の力として作用するようになっている。
【0058】
次に、画像処理基板104と拡張基板108の接続方向(矢印Z方向)における長さについて説明する。
【0059】
図9(A)には、画像処理基板104及び拡張基板108の長さを模式的に示す断面図が示されており、図9(B)には、画像処理基板104及び拡張基板108を中継基板110に接続した状態を模式的に示す断面図が示されている。なお、拡張基板108は、実際は図5(B)に示すように、第1アップグレード基板154に隣接する位置で且つ第1アップグレード基板154よりも僅かに低い位置に設けられているが、図9(A)、(B)では、画像処理基板104、第1アップグレード基板154、及び拡張基板108の長さ関係が明確になるように、高さ方向の拡張基板108と画像処理基板104との距離を広げて表示している。
【0060】
図9(A)に示すように、画像処理装置100では、第2コネクタ116への拡張基板108の接続方向が、第1コネクタ112、114への画像処理基板104の接続方向と同方向(矢印Z方向)とされている。また、画像処理基板104の矢印Z方向の長さをL1、拡張基板108の矢印Z方向の長さをL2とすると、ここでは一例として、L1>L2となるように各基板の長さが設定されている。なお、側板106の内側(拡張基板108の側板165と対向する側)には、導電性を有する押圧部材107が設けられている。押圧部材107は、側板106の一部を構成しており、一例として、金属製の板バネが用いられる。
【0061】
ここで、画像処理装置100では、コネクタ164を第2コネクタ116に接続して拡張基板108を中継基板110に電気的に接続し、コネクタ136、138を第1コネクタ112、114に接続して画像処理基板104を中継基板110に電気的に接続したときに、側板106(押圧部材107含む)が拡張基板108の側板165と接触するようになっている。また、拡張基板108は、画像処理基板104が中継基板110に接続されることで、コネクタ166の取り付け位置が決まるようになっている。
【0062】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0063】
図5(B)に示すように、画像処理装置100では、拡張基板108が画像処理基板104、第1アップグレード基板154、中継基板110、及び側板106(図5(A)参照)で囲まれた空き領域(空間)に配置されるので、拡張基板108専用の設置場所を別途設ける必要がなくなり、画像処理装置100全体の大型化が抑制される。
【0064】
また、図8(A)に示すように、画像処理装置100では、中継基板110(図5(B)参照)に画像処理基板104を接続するとき、使用者がハンドル200を片手で握りながら画像処理基板104全体を矢印Z方向に押し込むことになる。ここで、中継基板110の第1コネクタ112、114(図9(A)参照)に画像処理基板104のコネクタ136、138が接続される前に、ハンドル200の接触部210が凹部216の側壁216Aに接触する。
【0065】
続いて、図8(B)に示すように、使用者がさらに画像処理基板104を矢印Z方向に押し込もうとすると、ハンドル200は支軸208を中心に矢印−R方向に回転する。そして、接触部210が側壁216Bに接触して、この接触部がてこの原理の作用点となると共に支軸208が支点となり、ハンドル200を大きく移動させない状態であっても、画像処理基板104を矢印Z方向に押し込む力が発生する。これにより、図9(A)において、第1コネクタ112、114とコネクタ136、138との接続が行われ、接続不良が抑制される。
【0066】
さらに、図9(B)に示すように、画像処理装置100では、拡張基板108を筐体102内に挿入してから画像処理基板104を挿入する構成となっており、画像処理基板104を矢印Z方向に押し込んだときに側板106が押圧部材107を介して拡張基板108の側板165と接触して拡張基板108を矢印Z方向に付勢する。即ち、一例として、側板106を矢印Z方向に力F1で付勢して押し込むと、側板165が力F1に対応した大きさの力F2で付勢され、コネクタ136、138には付勢力F3、コネクタ164には付勢力F4が作用する。これにより、コネクタ164と第2コネクタ116との接続が行われ、接続不良が抑制される。
【0067】
このようにして、画像処理装置100における接続不良が抑制されるため、図1に示す画像形成装置10では、原稿読取部16からの画像情報に基づいて画像形成ユニット50で画像形成が行われる。
【0068】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0069】
第1アップグレード基板154及び第2アップグレード基板152は無くてもよい。この場合、設けられたアップグレード基板と画像処理基板104とで形成される空き領域に拡張基板108を設ければよい。また、側板106に押圧部材107を設けずに、側板106と側板165とを直接接触させてもよい。さらに、各コネクタの配置方向及び各基板の配置方向は、水平方向に配置するものに限らず、鉛直方向に配置するものであってもよい。
【0070】
また、画像処理基板104及び拡張基板108を中継基板110に接続した後で、側板106及びハンドル200を背面カバーで覆って隠してもよい。さらに、画像形成ユニット50は、電子写真方式のものに限らず、インクジェット方式のものであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 画像形成装置
50 画像形成ユニット(画像形成手段)
100 画像処理装置
102 筐体(装置本体)
102E 底壁(底面)
104 画像処理基板
106 側板
108 拡張基板
112 第1コネクタ(第1接続部)
114 第1コネクタ(第1接続部)
116 第2コネクタ(第2接続部)
154 第1アップグレード基板(機能基板)
200 ハンドル(てこ機構部)
202 支持部材(てこ機構部)
216 凹部(てこ機構部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内部に設けられた第1接続部に電気的に接続され画像処理を行う画像処理基板と、
前記画像処理基板の一方側で該画像処理基板の一部を覆うように配置され少なくとも1つの機能を有する機能基板と、
前記画像処理基板の前記第1接続部とは反対側に取り付けられ前記装置本体の側面を構成する側板と、
前記画像処理基板に対する前記機能基板と同じ側で該画像処理基板の他の一部を覆うように配置され、前記装置本体内部に設けられた第2接続部に電気的に接続されると共に前記画像処理基板に対して独立して着脱される拡張基板と、
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記第2接続部への前記拡張基板の接続方向は、前記第1接続部への前記画像処理基板の接続方向と同方向とされ、
前記拡張基板を前記第2接続部へ接続し、前記画像処理基板を前記第1接続部に接続したときに、前記側板が前記拡張基板に接触する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理基板を前記第1接続部に接続させるときに操作力を増幅するてこ機構部が設けられ、該てこ機構部で増幅された操作力が前記側板を介して前記拡張基板の前記第2接続部への接続の力として作用する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段に画像処理後の画像情報を伝達する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−40751(P2012−40751A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183338(P2010−183338)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】