説明

画像制御装置、画像形成装置、画像形成システムおよび処理プログラム

【課題】原稿が記録媒体により的確に収まるように画像形成を行うことのできる画像制御装置を提供する。
【解決手段】読取手段(原稿読取装置200)によって読み取った原稿のサイズを検知する第1の検知手段(原稿サイズ検知センサS1〜S4)によって検出された原稿のサイズと、使用者によって予め設定された倍率の範囲とに基づいて、画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段(印刷用紙決定部500)と、決定手段で決定された記録媒体のサイズに基づいて、画像情報について拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理をする処理手段(画像処理部400)と、処理手段で処理した画像情報を出力する出力手段(画像形成部600)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像制御装置、画像形成装置、画像形成システムおよび処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から複写機などの画像形成装置の中には、画像の読み取り対象となる原稿のサイズと、使用者が指定した印刷用紙のサイズ(画像の形成対象となる印刷用紙のサイズ)とに基づいて、複写倍率を決定する所謂「自動倍率設定モード」を備えているものがある。
【0003】
例えば、原稿サイズがA3、用紙サイズがA4の場合は、複写倍率を71%と決定し、原稿サイズがA4、用紙サイズがB5の場合は、複写倍率を87%と決定している。
【0004】
また、原稿サイズと用紙サイズが同一サイズの場合は、複写倍率を100%(等倍)と決定している。
【0005】
また、原稿サイズがB5、用紙サイズがA4の場合は、複写倍率を115%と決定し、原稿サイズがA4、用紙サイズがA3の場合は、複写倍率を141%と決定している。
【0006】
ところで、原稿サイズおよび印刷用紙のサイズとしては、JIS−P0138規格に準拠するA系列(A0〜A12)、B系列(B0〜B12)、欧米のレターサイズ、リーガルサイズ等の多岐の規格が適用されている。
【0007】
また、上記の規格に属さない所謂非定型サイズも種々使用されている。
【0008】
このため、上述のような自動倍率設定モードにおいて通常の倍率設定を適用した場合に、読み取った原稿の画像が印刷用紙にうまく収まらずに、原稿の一部が印刷されなかったり、あるいは無駄な余白を生じる場合があった。
【0009】
また、自動的に印刷用紙を選択する機能(自動用紙選択機能)を備える場合にも同様の状況を生じる場合がある。
【0010】
例えば、原稿サイズが297×230(mm)のような非定型サイズであった場合に、当該原稿のサイズに近似するサイズとしてA3タテ(A3SEF(Short Edge Feed))とセンサによって検知されて、A3タテの印刷用紙が選択されると、画像の倍率が100%の場合には原稿の画像サイズに比して印刷用紙のサイズの方がかなり大きいため無駄な余白を生じ、使用者等に違和感を抱かせることがある。
【0011】
画像形成装置における用紙選択に関する技術は種々提案されている。
【0012】
例えば、特開平05−22580号公報には、受信した画像情報のサイズが印刷可能なサイズより大きい場合に、予め設定された縮小率で画像情報を縮小して印刷するファクシミリ装置において、縮小率を各種に変更可能とすると共に、縮小率の種類の増加や電子回路の小容量化などを実現する技術が開示されている。
【0013】
また、特開2001−86326号公報には、定型外の原稿であっても、原稿と用紙を走査してそれぞれサイズを読み取って拡大縮小し、また、原稿イメージと同サイズ以上の用紙を選択する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平05−22580号公報
【特許文献2】特開2001−86326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、使用者が許容する範囲内で画像処理を行いつつ、記録媒体における余白の部分を減少させる画像制御装置、画像形成装置、画像形成システムおよび処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像制御装置は、読取手段によって読み取った原稿のサイズを検知する第1の検知手段によって検出された前記原稿のサイズと、使用者によって予め設定された倍率の範囲とに基づいて、画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、前記決定手段で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報について拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理をする処理手段と、前記処理手段で処理した画像情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明に係る画像制御装置は、請求項1に記載の発明について、前記決定手段で決定されたサイズの記録媒体が複数のサイズ毎に記録媒体を収容する収容手段の何れかに存在するか否かを判定する判定手段と、該判定手段で前記サイズの記録媒体が存在しないと判定された場合には前記第1の検知手段で検知されたサイズの記録媒体が収容された収容手段を選択するように制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明に係る画像制御装置は、請求項1または請求項2の何れかに記載の発明について、前記決定手段は、前記設定された倍率の範囲内において前記原稿が収まる最小サイズの記録媒体を決定することを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明に係る画像形成装置は、設定された読取倍率で原稿の画像情報を読み取る読取手段と、前記原稿を読み取る際に当該原稿のサイズを検知する第2の検知手段と、該第2の検知手段で検知されたサイズ及び使用者によって予め設定された倍率の範囲に基づいて、前記画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、該決定手段で決定されたサイズに基づいて、前記画像情報に対して設定された範囲内で拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理を行う処理手段と、前記決定手段で決定されたサイズの記録媒体に対して、前記処理手段で処理された画像情報または前記読取手段で読み取られた画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明に係る画像制御装置は、読取手段によって読み取った原稿のサイズを検知する第1の検知手段によって検出された前記原稿のサイズと、収容手段に収容されている記録媒体に収まるよう算出された画像サイズとに基づいて、画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、前記決定手段で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報について拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理をする処理手段と、前記処理手段で処理した画像情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明に係る画像制御装置は、請求項5に記載の発明について、前記処理手段は、前記算出された画像サイズに基づいて、前記拡大処理または前記縮小処理を実行することを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明に係る画像制御装置は、請求項5または請求項6の何れかに記載の発明について、前記決定手段は、設定された範囲内において前記原稿が収まる最小サイズの記録媒体を決定することを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明に係る画像形成装置は、原稿の読み取りに先立って前記原稿のサイズを検知する第1の検知手段と、設定された読取倍率で前記原稿の画像情報を読み取る読取手段と、前記原稿の読み取り時に当該原稿のサイズを検知する第2の検知手段と、サイズ毎に記録媒体を収容する複数の収容手段と、前記読取手段で読み取った画像情報について、前記収容手段に収容されている記録媒体に収まる画像サイズを算出する算出手段と、前記第2の検知手段で検知された前記原稿のサイズと前記算出手段で算出された画像サイズとを比較する比較手段と、該比較手段による比較結果により、前記画像情報に基づいて画像形成を行う記録媒体を決定する決定手段と、該決定手段で決定されたサイズの記録媒体が前記複数の収容手段の何れかに存在するか否かを判定する判定手段と、該判定手段で当該サイズの記録媒体が存在すると判定された場合には当該サイズの記録媒体を収容した収容手段を選択し、前記サイズの記録媒体が存在しないと判定された場合には前記第1の検知手段で検知されたサイズの記録媒体が収容された収容手段を選択するように制御する制御手段と、前記画像情報に対して画像処理を行う処理手段と、前記制御手段による制御で選択された収容手段に収容されている記録媒体に対して、前記処理手段で画像処理が行われた画像情報または前記読取手段で読み取られた画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項9の発明に係る画像形成システムは、請求項4または請求項8の何れかに記載の少なくとも1の画像形成装置と、通信手段を介して前記画像形成装置と接続される少なくとも1の情報処理装置と、から構成されることを特徴とする。
【0025】
請求項10の発明に係る処理プログラムは、読み取った原稿のサイズを検知し、検出された前記原稿のサイズと、使用者によって予め設定された倍率の範囲とに基づいて、前記画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定過程と、前記決定過程で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報を拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理する処理過程と、を演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0027】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者が許容する範囲内で画像処理を行いつつ、記録媒体における余白の部分を減少させる画像制御装置を提供することができる。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、より適したサイズの記録媒体に原稿が収まるように画像形成を行う画像制御装置を提供することができる。
【0029】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、装置が備える記録媒体の中に決定されたサイズの記録媒体がなくても、画像形成を継続することができる画像制御装置を提供することができる。
【0030】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者が許容する範囲内において原稿が収まる最小サイズの記録媒体用いて画像形成を行う画像形成装置を提供することができる。
【0031】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、使用者が許容する範囲内で画像処理を行いつつ、記録媒体における余白の部分を減少させる画像制御装置を提供することができる。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、前記算出された画像サイズに基づいて、前記拡大処理または前記縮小処理を実行して原稿が記録媒体により的確に収まるように画像形成を行う画像制御装置を提供することができる。
【0033】
請求項7に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、設定された範囲内において原稿が収まる最小サイズの記録媒体を決定して違和感を極力緩和する画像制御装置を提供することができる。
【0034】
請求項8に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、装置が備える記録媒体の中に決定されたサイズの記録媒体がなくても、画像形成を継続することができる画像制御装置を提供することができる。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理された画像情報が収まるサイズの記録媒体を決定し、原稿が記録媒体により的確に収まるように画像形成を行う画像形成システムを提供することができる。
【0036】
請求項10に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、画像処理された画像情報が収まるサイズの記録媒体を決定し、原稿が記録媒体により的確に収まるように画像形成を行う処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置M1(M2)の概略構成を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置M1(M2)における原稿サイズ検知装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置M1(M2)における原稿サイズ検知センサS1〜S4の配置例を示す説明図である。
【図4】実施の形態に係る画像形成装置M1(M2)における原稿サイズの検知例を示す説明図である。
【図5】実施の形態に係る画像形成装置M1(M2)の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態に係る画像形成装置M1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図7】第1の実施の形態に係る画像形成装置M1で実行される複写処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【図8】原稿サイズおよび許容範囲で拡大または縮小される画像情報の例を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態に係る画像形成装置M2の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図10】第2の実施の形態に係る画像形成装置M2で実行される複写処理の処理手順について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0039】
(第1の実施の形態)
【0040】
図1から図8を参照して、本発明についての第1の実施の形態に係る画像形成装置M1について説明する。
【0041】
なお、説明中における「定型サイズ」とは、例えばJIS規格に則ったA列(A3、A4等)、B列(B3、B4等)や米国規格のリーガルサイズ等に準拠した原稿のサイズをいう。
【0042】
例えば、A4は210mm×297mm、B4は257mm×364mm、A5は148mm×210mm、B5は182mm×257mm等である。
【0043】
また、説明中における「原稿実サイズ」とは、後述する原稿実サイズ検知部300によって、画像情報あるいは主走査長、副走査長等に基づいて検知される原稿の実際のサイズをいう。
【0044】
また、説明中における「LEF(Long Edge Feedの略)」とは、用紙の長辺が用紙搬送方向に対して垂直に位置している状態を指し、いわゆる「横送り」をいう。
【0045】
さらに、説明中における「SEF(Short Edge Feedの略)」とは、用紙の長辺が用紙搬送方向に対して垂直に位置している状態を指し、いわゆる「縦送り」をいう。
【0046】
また、説明中においてA4タテ等とは、搬送方向側に用紙の長手がある場合を、A4ヨコ等とは、搬送方向と交差する側に用紙の長手がある場合をいうものとする。
【0047】
図1に、原稿サイズ検知装置を備える複写機等として構成される画像形成装置M1を示す。
【0048】
画像形成装置M1には、原稿台4としてのプラテンガラス(以降、プラテンガラス4とも記す)上に置かれる原稿6を読み取る原稿読取装置(スキャナ装置)200が設けられている。
【0049】
また、原稿読取装置200で読み取られた原稿6の画像情報を蓄積するハードディスク装置等で構成される画像蓄積部150と、画像蓄積部150に蓄積された画像情報に基づいて拡大、縮小、回転等の画像処理を行う画像処理部400(図5、図6参照)と、この画像処理部400で画像処理された画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部600とが設けられている。
【0050】
画像形成部600は、像保持体としての感光体ドラム2を備える。この感光体ドラム2の表面は、図示しない一次帯電器によって、予め設定された電位に帯電された後、露光手段3によって露光されて、静電潜像が形成されるようになっている。
【0051】
露光手段3は、レーザビームを出射する光源7と、レーザビームを感光体ドラム2上へと導く複数枚のミラー9〜11で構成される光学系と、画像を感光体ドラム2上に結像する結像レンズ12とから構成されている。この露光手段3によって画像が露光され、静電潜像が形成された感光体ドラム2の表面は、図示しない現像装置によって現像され、トナー像となる。
【0052】
なお、感光体ドラム2上に形成されたトナー像は、感光体ドラム2の回転と同期して複数の収容部T1、T2(収容手段の一例))の何れかから選択的に搬送される印刷用紙15(記録媒体の一例)上に、転写帯電器16の帯電によって転写される。その後、この印刷用紙15が、分離帯電器17の帯電によって感光体ドラム2上から分離されるようになっている。
【0053】
但し、収容部の数は、2つに限られず、収容部を1つのみ設ける場合や、3つ以上設ける場合であってもよい。
【0054】
感光体ドラム2の表面から分離された印刷用紙15は、定着装置18へと搬送され、定着装置18によりトナー像が熱および圧力によって定着されて、装置M1外の排出部19上に排出されるようになっている。
【0055】
なお、上記構成に加えて、複数枚の原稿を自動的に送給する自動紙送り装置を備えるようにしてもよい。
【0056】
また、画像形成装置M1が備える原稿サイズ検知装置100は、原稿台4に開閉自在に設けられた原稿カバー5と、原稿台4上に置かれた原稿6の原稿サイズを検知するセンサ(以下「原稿サイズ検知センサ」という。)S1〜S4(第1の検知手段の一例)とから構成されている。
【0057】
原稿サイズ検知装置100は、図2に示すように、原稿台4としてのプラテンガラス上の複数の位置における原稿6の有無を検知する原稿サイズ検知センサS1〜S4を備えている。
【0058】
この原稿サイズ検知センサS1〜S4は、プラテンガラス4の下方に配置された4つの光センサで構成されている。
【0059】
なお、原稿サイズ検知センサの数は、4つに限定されず、検知したい原稿サイズ等に応じて増減するようにしてもよい。
【0060】
光センサの構成は特には限定されず、例えばLED等の発光素子からプラテンガラス4上の位置に向けて光を照射し、原稿6から反射される光をフォトトランジスタ等の受光素子によって受光することにより、プラテンガラス4上の複数の位置における原稿6の有無を検知するようにしてもよい。
【0061】
プラテンガラス4は、図3に示すように、画像形成装置M1の本体の奥側の端縁部4aと左側の端縁部4bを基準として、原稿6を載置するいわゆるコーナーレジ方式のものである。
【0062】
4つの原稿サイズ検知センサS1〜S4のうち、第1の原稿サイズ検知センサS1は、プラテンガラス4の左側の端縁4bの内側に横長のA4サイズの原稿6(A4SEF(Short Edge Feed):A4タテ)の外側であって、かつ横長のB4サイズの原稿6(B4SEF(B4タテ))の内側に配置されていると共に、第2の原稿サイズ検知センサS2は、プラテンガラス4の左側の端縁部4bの内側に横長のB4サイズの原稿6(B4SEF(B4タテ))の外側であって、かつ横長のA3サイズの原稿6(A3SEF(A3タテ))の内側に配置されている。
【0063】
また、第3の原稿サイズ検知センサS3は、プラテンガラス4の奥側の端縁部4aの内側に横長のA5サイズの原稿6(A5SEF(A5タテ))の外側であって、かつ横長のB5サイズの原稿6(B5SEF(B5タテ))の内側に配置されていると共に、第4の原稿サイズ検知センサS4は、プラテンガラス4の奥側の端縁部4aの内側に横長のB5サイズの原稿6(B5SEF(B5タテ))の外側であって、かつ横長のA4サイズの原稿6(A4SEF(A4タテ))の内側に配置されている。
【0064】
そして、原稿サイズ検知センサS1〜S4は、図4に示すように、各センサS1〜S4が原稿6を検知したか否かによって出力が変化(原稿6を検知した場合には「1」、検知しない場合には「0」)し、マイクロコンピュータ等で構成される制御部800(図5、図6参照)は、各センサS1〜S4の出力(0、1)の組み合わせに基づいて、原稿6のサイズを判定するようになっている。
【0065】
また、全ての原稿サイズ検知センサS1〜S4が原稿6を検知しない場合には、予め設定してあるサイズ、例えばA5サイズ等の原稿サイズと判定するようになっている。
【0066】
すなわち、図4に示す例では、検知センサ(S1、S2、S3、S4)の出力が(0、0、0、0)の場合には原稿なし、(1、0、0、0)の場合にはB5LEF(Long Edge Feed:B5ヨコ)、(1、1、0、0)の場合にはA4LEF(A4ヨコ)、(0、0、1、0)の場合にはB5SEF(B5タテ)、(0、0、1、0)の場合にはA4SEF(A4タテ)、(1、0、1、0)の場合にはB4SEF(B4タテ)、(1、1、1、1)の場合にはA3SEF(A3タテ)と判定するようになっている。
【0067】
これにより、原稿6の読み取りに先立って原稿6のサイズが検知される。
【0068】
なお、原稿サイズ検知装置は上記構成に限定されず様々な形態のものが採用される。
【0069】
例えば、CCDイメージセンサ (Charge Coupled Device Image Sensor)によって縦方向の画素数を取得し、横方向に設けられる光センサとの組合せによって、原稿サイズを判定するようにしてもよい(特開平9−191370号公報等参照)。
【0070】
また、自動紙送り装置を備える場合には、原稿6の読み取りを実行する前に、主走査、副走査のセンサ情報から原稿サイズを検知するようにしてもよい。
【0071】
次に、図5のブロック図を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置M1の概略構成について説明する。
【0072】
画像形成装置M1は、例えばマイクロコンピュータ等で構成されて画像形成装置M1の全体の制御処理(より具体的には、検知した原稿サイズに基づいて原稿読み取り装置200への読取指示や画像形成部600へ出力指示を出したり、原稿サイズ検知処理の切り替え等の制御処理)を行う制御部800を備える。
【0073】
また、読み取りに先立って原稿6のサイズを検知する原稿サイズ検知センサS1〜S4と、読み取った原稿の主走査長や副走査長を検出したり、読み取った画像情報に基づくなどして原稿6の実際のサイズを検知する原稿実サイズ検知部300と、画像情報に対して拡大、縮小、回転の少なくとも何れかの画像処理を行う画像処理部400と、原稿6を設定された解像度で読み取る原稿読取装置200と、読み取られた画像情報を蓄積するハードディスク装置等で構成される画像蓄積部150を備える。
【0074】
さらに、原稿の読み取りを行うための原稿搬送を行う自動紙送り装置153と、画像形成装置M1を操作する各種の操作キーおよび表示器等で構成される操作部/表示部151と、システムデータ、各種設定情報を記憶するメモリ部としてのRAM152等を備える。
【0075】
また、後述する印刷用紙決定部500、判定部700および印刷用紙15に画像形成を行う画像形成部600を備える。
【0076】
なお、自動紙送り装置153は、原稿の位置情報や各種センサの情報を制御部800や原稿実サイズ検知部300等へ通知するようにしてもよい。
【0077】
次に、図6の機能ブロック図を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置M1の機能構成について説明する。
【0078】
画像形成装置M1は、原稿6の読み取りに先立って原稿6のサイズを検知する原稿サイズ検知センサS1〜S4(第1の検知手段の一例)と、設定された読取倍率で原稿6の画像情報を読み取る原稿読取装置200(読取手段の一例)と、原稿6の実際のサイズを検知する原稿実サイズ検知部300(第2の検知手段の一例)とを備える。
【0079】
また、原稿サイズ検知センサS1〜S4で検知されたサイズまたは原稿実サイズ検知部300で検知された実際のサイズの何れかに基づいて、画像情報に対して画像処理を行う画像処理部400(処理手段の一例)を備える。
【0080】
また、画像処理部400で画像処理された画像情報が収まるサイズの記録媒体15を決定する印刷用紙決定部500(決定手段の一例)と、印刷用紙決定部500で決定された印刷用紙15に対して、画像処理部400で画像処理された画像情報に基づいて画像形成(印刷処理)を行う感光体ドラム2や現像装置等で構成される画像形成部600(画像形成手段の一例)を備える。
【0081】
さらに、サイズ毎に記録媒体を収容する複数(本実施の形態では2つ)の収容部T1、T2(収容手段の一例)を備え、印刷用紙決定部500(決定手段の一例)は、決定された印刷用紙15に応じて収容部T1、T2の何れかを選択するようになっている。
【0082】
また、印刷用紙決定部500で決定されたサイズの印刷用紙15が収容部T1、T2の何れかに存在するか否かを判定する判定部700(判定手段の一例)と、判定部700で当該サイズの印刷用紙15が存在すると判定された場合には当該サイズの印刷用紙15を収容した収容部を選択し、前記サイズの印刷用紙15が存在しないと判定された場合には原稿サイズ検知センサS1〜S4で検知されたサイズに該当する印刷用紙15が収容された収容部を選択するように制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御部800(制御手段の一例)とを備える。
【0083】
また、画像処理部400は、画像情報に対して、拡大処理、縮小処理を行う画像拡大・縮小処理部401、および画像を例えば90度回転させるなどの回転処理を行う画像回転処理部402を備える。
【0084】
この画像処理部400は、タッチパネル等で構成される許容範囲設定部403を備えており、当該許容範囲設定部403で設定された範囲(許容範囲)内(例えば、70〜90%、101〜110%など)で、拡大処理または縮小処理における拡大倍率または縮小倍率を変更する。
【0085】
なお、前記許容範囲は、許容範囲設定部403で設定する以外に、工場出荷時等に予め設定するようにしてもよい。
【0086】
また、印刷用紙決定部500は、前記許容範囲内において原稿6が収まる最小サイズの印刷用紙を決定するようにしてもよい。
【0087】
次に、図7のフローチャートを参照して、画像形成装置M1で実行される複写処理の処理手順について説明する。
【0088】
この処理が開始されると、まず、ステップS10で原稿サイズ検知センサS1〜S4によって原稿6の原稿サイズの検知を行ってステップS11に移行する。
【0089】
ステップS11では、原稿読取装置200により、設定された倍率で原稿の読み取りを行ってからステップS12に移行する。
【0090】
ステップS12では、原稿実サイズ検知部300により、読み取った画像情報に基づいて原稿6の実際のサイズを検知してステップS13に移行する。
【0091】
ステップS13では、画像処理部400により、設定された許容倍率(許容範囲:例えば縮小の場合には70〜90%、拡大の場合には101〜110%など)での縮小または拡大のイメージサイズを計算してステップS14に移行する。
【0092】
ステップS14では、算出されたイメージサイズに基づいて、当該イメージサイズが収まる定型サイズの印刷用紙を決定してステップS15に移行する。
【0093】
ステップS15では、判定部700により、該当する定型サイズがあるか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS16に移行する。
【0094】
ステップS16では、選択された定型サイズの印刷用紙を収容した収容部はあるか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS17に移行し、収容部を確定してステップS18に移行する。
【0095】
ステップS18では、イメージデータ(画像情報)の縮小処理、拡大処理、回転処理の内容(縮小率、拡大率、回転を行うか否か等)を確定してステップS19に移行する。
【0096】
ステップS19では、画像処理部400により、画像情報を決定した倍率で縮小処理または拡大処理、また回転処理を行う場合には回転処理を実行してステップS20に移行する。
【0097】
ステップS20では、画像処理された画像情報に基づいて、画像形成部600により印刷用紙への画像形成を実行して処理を終了する。
【0098】
一方、ステップS15またはステップS16において「No」と判定された場合、すなわち該当する定型サイズの印刷用紙は無い、または選択したサイズの収容部は無いと判定された場合には、ステップS21に移行する。
【0099】
ステップS21では、ステップS10で検知された原稿サイズに該当する収容部を選択してステップS20に移行し、ステップS11で読み取られた画像情報に基づいて、画像形成部600により印刷用紙への画像形成を実行して処理を終了する。
【0100】
ここで、図8の説明図を参照して、図7のフローチャートに示す複写処理の具体的な実行例について説明する。
【0101】
なお、この実行例では、原稿6のサイズは非定型の297mm×230mmであるものとし、倍率100%で読み取り、自動倍率制限(許容範囲)は90〜110%と設定されているものとする。
【0102】
そして、ステップS10では、原稿サイズとして297mm×420mmのA3SEF(A3タテ)と検知される。
【0103】
すなわち、前出の図4によれば、原稿6を検知した際に、原稿サイズ検知センサS1〜S4の全てから「1」が出力され、(1、1、1、1)としてA3SEF(A3タテ)と判定される。
【0104】
このように、この実行例において、原稿6は、実際の原稿サイズ(297mm×230mm)よりも大き目のA3SEF(A3タテ)として検知される。
【0105】
ステップS11では、設定倍率100%で原稿6の読み取りを行う。
【0106】
次いで、ステップS12では、読み取った画像情報に基づいて、原稿6の実際のサイズ(297mm×230mm)が検知される。
【0107】
ステップS13では、自動倍率制限(許容範囲)である90〜110%で演算処理が行われ、267.3mm×207mm(90%)〜326.7mm×253mm(110%)の範囲、もしくは画像回転を考慮し、207mm×267.3mm(90%)〜253mm×326.7mm(110%)の範囲であることが判明する。
【0108】
ステップS14では、図8に示すように、A4LEF(297×210)が選択(倍率91.3%、画像サイズ271.1mm×210mm)される。
【0109】
なお、A4SEF(A4タテ)(210×297)も同時に存在した場合には、画像回転を行なわない印刷用紙を優先するようにしてもよい。
【0110】
また、回転を含めて、拡大、縮小の両ケースともに候補がある場合には、縮小を優先するようにしてもよい。
【0111】
さらに、回転の有無、優先させたい収容部、優先させたい縮小処理、拡大処理を使用者等が設定するようにしてもよい。
【0112】
そして、ステップS15〜20については、例えば、画像形成装置M1の収容部T1、T2の何れかにA4LEF(A4ヨコ)の印刷用紙が収容されている場合には、(倍率91.3%、画像サイズ271.1mm×210mm)の縮小処理を行った画像情報に基づいてA4LEF(A4ヨコ)の印刷用紙に対して印刷処理が行われる。
【0113】
一方、画像形成装置M1の収容部T1、T2の何れにもA4LEF(A4ヨコ)が収容されておらず、収容部T1、T2の何れかにA3SEF(A3タテ)の印刷用紙が収容されている場合には、ステップS21に移行して、(倍率100%、画像サイズ297mm×230mm)の画像情報に基づいてA3SEF(A3タテ)の印刷用紙に対して印刷処理が行われることとなる。
【0114】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置M1によれば、原稿6が印刷用紙により的確に収まるように複写が行われる。
【0115】
また、より適したサイズの印刷用紙に原稿6が収まるように複写が行われる。
【0116】
また、設定された範囲内で拡大処理または縮小処理における拡大倍率または縮小倍率を変更して、使用者等の違和感を極力緩和した複写が行われる。
【0117】
さらに、印刷用紙における余白部が広くなりすぎないようにして、使用者等の違和感を緩和した複写が行われる。
【0118】
(第2の実施の形態)
【0119】
次に、図9および図10を参照して、本発明についての第2の実施の形態に係る画像形成装置M2について説明する。
【0120】
なお、第1の実施の形態に係る画像形成装置M1と同様の構成については同一符号を付して詳細な説明は割愛する。
【0121】
画像形成装置M2の全体構成は、第1の実施の形態に係る画像形成装置M1と同様である(図1〜図5参照)。
【0122】
図9の機能ブロック図を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置M2の機能構成について説明する。
【0123】
画像形成装置M2は、原稿6の読み取りに先立って原稿6のサイズを検知する原稿サイズ検知センサS1〜S4(第1の検知手段の一例)と、露光手段3等で構成される原稿読取装置200(読取手段の一例)と、サイズ毎に印刷用紙(記録媒体の一例)を収容する複数(本実施の形態では、4つ設けられるものとする)の収容部T1〜T4(収容手段の一例)とを備える。
【0124】
また、原稿読取装置200で読み取った画像情報について、収容部T1〜T4に収容されている何れかの印刷用紙に収まる画像サイズを、設定された範囲(許容範囲:例えば、70〜90%、101〜110%など)内で算出する画像サイズ算出部900(算出手段の一例)と、原稿6の実際のサイズを検知する原稿実サイズ検知部300(第2の検知手段の一例)とを備える。
【0125】
さらに、原稿実サイズ検知部300で検知された原稿6の実際のサイズと画像サイズ算出部900で算出された画像サイズとを比較する比較部950(比較手段の一例)と、比較部950による比較結果に基づいて、画像情報が収まるサイズの印刷用紙を決定する印刷用紙決定部500(決定手段の一例)と、印刷用紙決定部500で決定されたサイズの印刷用紙が複数の収容部T1〜T4の何れかに存在するか否かを判定する判定部700(判定手段の一例)とを備える。
【0126】
また、判定部700で当該サイズの印刷用紙が存在すると判定された場合には当該サイズの印刷用紙を収容した収容部を選択し、前記サイズの印刷用紙が存在しないと判定された場合には原稿サイズ検知センサS1〜S4で検知されたサイズに該当する印刷用紙が収容された収容部を選択するように制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御部800(制御手段の一例)を備える。
【0127】
また、前記画像情報に対して画像処理を行う画像処理部400(処理手段の一例)と、制御部800による制御で選択された収容部T1〜T4に収容されている印刷用紙に対して、画像処理部400で画像処理が行われた画像情報または原稿読取装置200で読み取られた画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部600(画像形成手段の一例)とを備える。
【0128】
また、画像処理部400は、画像情報に対して、拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理を行う画像拡大・縮小処理部401および画像回転処理部402を備える。
【0129】
さらに、画像処理部400は、タッチパネル等で構成される許容範囲設定部403を備える。
【0130】
また、画像サイズ算出部900による算出結果に基づいて、拡大処理または縮小処理を実行する。
【0131】
なお、印刷用紙決定部500は、前記許容範囲内において原稿6が収まる最小サイズの印刷用紙を決定するようにしてもよい。
【0132】
また、本実施の形態では、収容部は4つ設けられるものとしたが、これに限らず少なくとも2つ以上であれば幾つであってもよい。
【0133】
次に、図10のフローチャートを参照して、画像形成装置M2で実行される複写処理の処理手順について説明する。
【0134】
この処理が開始されると、まず、ステップS30で原稿サイズ検知センサS1〜S4によって原稿6の原稿サイズの検知を行ってステップS31に移行する。
【0135】
ステップS31では、画像サイズ算出部900により、収容部T1〜T4に収容されている印刷用紙のサイズから、許容範囲(例えば、70〜90%、90〜110%など)内で取りうる原稿サイズ(例えば、原稿サイズの縦、横のサイズ)を算出してステップS32に移行する。
【0136】
なお、この際に、画像を回転させる場合も想定して、縦・横を入れ替えたサイズも算出してRAM152等に保持しておくようにしてもよい。
【0137】
ステップS32では、全ての収容部に対して前記原稿サイズを計算したか否かが判定され、「No」の場合には処理を繰り返し、「Yes」の場合にはステップS33に移行する。
【0138】
ステップS33では、設定倍率で原稿6の読み取りを行ってステップS34に移行する。
【0139】
ステップS34では、原稿実サイズ検知部300により、原稿6のサイズを検知してステップS35に移行する。
【0140】
ステップS35では、比較部95で、原稿サイズと表1に示すような「縦・横範囲テーブル」とを比較してステップS36に移行する。
【表1】

【0141】
なお、「縦・横範囲テーブル」は、RAM152や、別途設けられるフラッシュメモリ、EPROM等の不揮発性メモリに格納される。
【0142】
ステップS36では、イメージサイズが収まる収容部を決定してステップS37に移行する。
【0143】
ステップS37では、判定部700により、選択したサイズの収容部は画像形成装置M2に存在するか否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS38に移行する。
【0144】
ステップS38では、イメージ(画像情報)の縮小処理、拡大処理、回転処理の内容(縮小率、拡大率、回転を行うか否か等)を確定してステップS39に移行する。
【0145】
ステップS39では、画像処理部400により、画像情報を決定した倍率で縮小処理または拡大処理、回転処理を実行してステップS40に移行する。
【0146】
ステップS40では、画像処理された画像情報に基づいて、画像形成部600により印刷用紙への画像形成を実行して処理を終了する。
【0147】
一方、ステップS37において「No」と判定された場合、すなわち選択したサイズの収容部は無いと判定された場合には、ステップS41に移行する。
【0148】
ステップS41では、ステップS20で検知された原稿サイズに該当する収容部を選択してステップS40に移行し、ステップS31で読み取られた画像情報に基づいて、画像形成部600により印刷用紙への画像形成を実行して処理を終了する。
【0149】
ここで、前出の図8の説明図を参照して、図10のフローチャートに示す複写処理の具体的な実行例について説明する。
【0150】
なお、この実行例では、原稿6のサイズは非定型の297mm×230mmであるものとし、倍率100%で読み取り、自動倍率制限(許容範囲)は90〜110%と設定されているものとする。
【0151】
そして、ステップS30では、原稿サイズとして297mm×420mmのA3SEF(A3タテ)と検知される。
【0152】
すなわち、前出の図4によれば、原稿6を検知した際に、原稿サイズ検知センサS1〜S4の全てから「1」が出力され、(1、1、1、1)としてA3SEF(A3タテ)と判定される。
【0153】
このように、この実行例では、原稿6は、実際の原稿サイズ(297mm×230mm)よりも大き目のA3SEF(A3タテ)として検知される。
【0154】
次いで、ステップS31およびステップS32では、収容部T1〜T4に収容されている各サイズの印刷用紙について「縦・横」の範囲を算出する。
【0155】
すなわち、表1に示すように、収容部No.1に対応する収容部T1に297×210mm(A4LEF(A4ヨコ))の印刷用紙が収容されている場合には、縦方向範囲を267.3〜326.7mm、横方向範囲を189〜231mmと算出し、収容部No.2に対応する収容部T2に257×182mm(B5LEF(B5ヨコ))の印刷用紙が収容されている場合には、縦方向範囲を231.3〜282.7mm、横方向範囲を163.8〜200.2mmと算出し、収容部No.3に対応する収容部T3に297×420mm(A3SEF(A3タテ))の印刷用紙が収容されている場合には、縦方向範囲を267.3〜326.7mm、横方向範囲を378〜462mmと算出し、収容部No.4に対応する収容部T4に257×364mm(B4SEF(B4タテ))の印刷用紙が収容されている場合には、縦方向範囲を231.3〜282.7mm、横方向範囲を327.6〜400.4mmと算出する。
【0156】
ステップS33では、設定倍率100%で原稿6の読み取りを行う。
【0157】
次いで、ステップS34では、読み取った原稿の主走査長や副走査長あるいは読み取った画像情報に基づいて、原稿6の実際のサイズ(297mm×230mm)が検知される。
【0158】
ステップS35〜S36では、イメージが収まる収容部が複数候補として上がった場合に、回転を行なわないもの、倍率変化が小さいものを優先して収容部を選択する。
【0159】
表2では、収容部No.1に該当する収容部T1(297×210mm(A4LEF(A4ヨコ))の印刷用紙を収容:縦方向範囲267.3〜326.7mm、横方向範囲189〜231mm)を選択した場合を示す。
【表2】

【0160】
そして、ステップS37〜S40については、上記の例によれば、例えば(倍率91.3%、画像サイズ271.1mm×210mm)の縮小処理を行った画像情報に基づいて、収容部T1に収容されているA4LEF(A4ヨコ)の印刷用紙に対して印刷処理が行われる。
【0161】
一方、画像形成装置M1の収容部T1〜T4の何れにもA4LEF(A4ヨコ)が収容されておらず、収容部T1〜T4の何れかにA3SEF(A3タテ)の印刷用紙が収容されている場合には、ステップS41に移行して、(倍率100%、画像サイズ297mm×230mm)の画像情報に基づいてA3SEF(A3タテ)の印刷用紙に対して印刷処理が行われることとなる。
【0162】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置M2によれば、原稿6が印刷用紙により的確に収まるように複写が行われる。
【0163】
また、より適したサイズの印刷用紙に原稿6が収まるように複写が行われる。
【0164】
また、設定された範囲内で拡大処理または縮小処理における拡大倍率または縮小倍率を変更して、使用者等の違和感を極力緩和した複写が行われる。
【0165】
さらに、印刷用紙における余白部が広くなりすぎないようにして、使用者等の違和感を緩和した複写が行われる。
【0166】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載にしたがって解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0167】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0168】
すなわち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0169】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0170】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0171】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明による画像制御装置、画像形成装置、画像形成システムおよび処理プログラムは、複写機、複写機能を備えるプリンタ等に適用することができる。
【符号の説明】
【0173】
M1、M2 画像形成装置
2 感光体ドラム
3 露光手段
4 原稿台
5 原稿カバー
6 原稿
7 光源
8 光学系
12 結像レンズ
15 記録媒体
16 転写帯電器
17 分離帯電器
18 定着装置
19 排出部
100 原稿サイズ検知装置
150 画像蓄積部
151 操作部/表示部
152 RAM
200 原稿読取装置
300 原稿実サイズ検知部
400 画像処理部
401 画像拡大・縮小処理部
402 画像回転処理部
403 許容範囲設定部
500 印刷用紙決定部
600 画像形成部
700 判定部
800 制御部
900 算出部
950 比較部
S1〜S4 原稿サイズ検知センサ
T1〜T4 収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取手段によって読み取った原稿のサイズを検知する第1の検知手段によって検出された前記原稿のサイズと、使用者によって予め設定された倍率の範囲とに基づいて、画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報について拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理をする処理手段と、
前記処理手段で処理した画像情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像制御装置。
【請求項2】
前記決定手段で決定されたサイズの記録媒体が複数のサイズ毎に記録媒体を収容する収容手段の何れかに存在するか否かを判定する判定手段と、
該判定手段で前記サイズの記録媒体が存在しないと判定された場合には前記第1の検知手段で検知されたサイズの記録媒体が収容された収容手段を選択するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像制御装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記設定された倍率の範囲内において前記原稿が収まる最小サイズの記録媒体を決定することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の画像制御装置。
【請求項4】
設定された読取倍率で原稿の画像情報を読み取る読取手段と、
前記原稿を読み取る際に当該原稿のサイズを検知する第2の検知手段と、
該第2の検知手段で検知されたサイズ及び使用者によって予め設定された倍率の範囲に基づいて、前記画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、
該決定手段で決定されたサイズに基づいて、前記画像情報に対して設定された範囲内で拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理を行う処理手段と、
前記決定手段で決定されたサイズの記録媒体に対して、前記処理手段で処理された画像情報または前記読取手段で読み取られた画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
読取手段によって読み取った原稿のサイズを検知する第1の検知手段によって検出された前記原稿のサイズと、収容手段に収容されている記録媒体に収まるよう算出された画像サイズとに基づいて、画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報について拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理をする処理手段と、
前記処理手段で処理した画像情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像制御装置。
【請求項6】
前記処理手段は、
前記算出された画像サイズに基づいて、前記拡大処理または前記縮小処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の画像制御装置。
【請求項7】
前記決定手段は、
設定された範囲内において前記原稿が収まる最小サイズの記録媒体を決定することを特徴とする請求項5または請求項6の何れかに記載の画像制御装置。
【請求項8】
原稿の読み取りに先立って前記原稿のサイズを検知する第1の検知手段と、
設定された読取倍率で前記原稿の画像情報を読み取る読取手段と、
前記原稿の読み取り時に当該原稿のサイズを検知する第2の検知手段と、
サイズ毎に記録媒体を収容する複数の収容手段と、
前記読取手段で読み取った画像情報について、前記収容手段に収容されている記録媒体に収まる画像サイズを算出する算出手段と、
前記第2の検知手段で検知された前記原稿のサイズと前記算出手段で算出された画像サイズとを比較する比較手段と、
該比較手段による比較結果により、前記画像情報に基づいて画像形成を行う記録媒体を決定する決定手段と、
該決定手段で決定されたサイズの記録媒体が前記複数の収容手段の何れかに存在するか否かを判定する判定手段と、
該判定手段で当該サイズの記録媒体が存在すると判定された場合には当該サイズの記録媒体を収容した収容手段を選択し、前記サイズの記録媒体が存在しないと判定された場合には前記第1の検知手段で検知されたサイズの記録媒体が収容された収容手段を選択するように制御する制御手段と、
前記画像情報に対して画像処理を行う処理手段と、
前記制御手段による制御で選択された収容手段に収容されている記録媒体に対して、前記処理手段で画像処理が行われた画像情報または前記読取手段で読み取られた画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4または請求項8の何れかに記載の少なくとも1の画像形成装置と、
通信手段を介して前記画像形成装置と接続される少なくとも1の情報処理装置と、
から構成されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
読み取った原稿のサイズを検知し、検出された前記原稿のサイズと、使用者によって予め設定された倍率の範囲とに基づいて、前記画像情報を出力する記録媒体のサイズを決定する決定過程と、
前記決定過程で決定された記録媒体のサイズに基づいて、前記画像情報を拡大処理、縮小処理または回転処理のうち少なくとも一つの処理する処理過程と、
を演算手段に実行させることを特徴とする処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−129874(P2012−129874A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280854(P2010−280854)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】