説明

画像形成装置、方法およびプログラム

【課題】トナーの転写位置ずれの検出精度を向上させる画像形成装置、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明は、感光体を露光してパターンを形成する光走査手段と、当該パターンを転写ベルトに転写する4の感光体と、転写ベルトに転写したパターンを検出するパターン検出手段とを備え、上下層で色が異なる2層構造を有しており、かつ上層部分が4色で構成されるパターンを形成して検出する画像形成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、トナーの転写位置のずれを検出する画像形成装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンデム方式の画像形成装置は、複数色のトナーを重ね合わせてカラー印刷を実現する。具体的には、タンデム方式の画像形成装置は、シアン、マゼンダ、黄色、黒色の画像を形成する4の感光体ドラムを備えており、各感光体ドラムを露光して形成された静電画像に各色のトナーを付着して単色の画像を形成し、各色の画像を用紙に重畳転写してカラー画像を形成する。
【0003】
このようにタンデム方式の画像形成装置は、個別の感光体ドラムを用いて単色画像を形成するため、各画像を転写する際に生じるトナーの転写位置のずれによって画像品質が低下することがあり、この転写位置のずれを正確に検出して補正することが、画像品質を高める上で非常に重要である。
【0004】
このような転写位置を検出する技術として、特許文献1は、トナーを重畳転写して形成されたパターンを用いて、トナーの転写位置のずれを検出するタンデム方式の画像形成装置を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示する画像形成装置は、図7に示すように、転写ベルト上に黒色のトナーを転写し、その上にシアン、マゼンダおよび黄色の3色のトナーを重ね合わせてパターンを形成するため、4色総ての感光体ドラムを同じタイミングで露光してパターンを形成することができない。このため、総ての感光体ドラムを同じタイミングで露光して得られるパターンを検出して、トナーの転写位置のずれを補正することができず、位置ずれの検出精度が低いという問題があった。
【0006】
さらに、特許文献1が開示するような従来の画像形成装置では、黒色のトナーと同程度の光量を反射する色の転写ベルトを使用する場合、黒色のトナーが形成するパターンを正確に検出することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、トナーの転写位置ずれの検出精度を向上させる画像形成装置、方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、感光体を露光してパターンを形成する光走査手段と、当該パターンを転写ベルトに転写する4の感光体と、転写ベルトに転写したパターンを検出するパターン検出手段とを備え、上下層で色が異なる2層構造を有し、かつ上層部分が4色で構成されるパターンを形成して検出する画像形成装置を提供する。また、本発明は、4の感光体を露光して、上下層で色が異なる2層構造を有し、かつ上層部分が4色で構成されるパターンを形成し、検出する方法およびプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置は、上記構成を採用することにより、総ての感光体ドラムを同じタイミングで露光して得られるパターンを利用してトナーの転写位置のずれを検出することができ、その検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の画像形成装置のハードウェア構成を示す図。
【図2】本発明の画像形成装置が備えるパターン検出装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】本発明の画像形成装置の機能構成を示す図。
【図4】本発明の画像形成装置が形成するパターンの一実施形態を示す図。
【図5】図4に示すパターンの断面と、当該パターンを検出した場合に得られる反射光の光量と検出時間との関係を示す図。
【図6】本発明の画像形成装置がパターンを形成して検出する処理を示すフローチャート。
【図7】特許文献1に開示された従来技術が採用するパターンの断面図。
【図8】本発明の画像形成装置が形成するパターンの別の実施形態を示す図。
【図9】図8に示すパターンの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【0012】
画像形成装置100は、カラー印刷が可能なタンデム方式の画像形成装置である。画像形成装置100は、光走査装置110と、感光体ドラム112a,112b,112c,112dと、帯電装置114a,114b,114c,114dと、現像装置116a,116b,116c,116dと、クリーナ118a,118b,118c,118dと、転写ローラ120a,120b,120c,120dと、転写ベルト122とを含んで構成される。
【0013】
光走査装置110は、ポリゴンミラーと、レーザダイオード(LD)等の光源(図示せず)と、複数のミラーとを備えており、光源が照射する光線をポリゴンミラーおよびミラーで反射して感光体ドラム112a,112b,112c,112dを露光する。
【0014】
感光体ドラム112a,112b,112c,112dは、光走査装置110からの光線が露光して画像を形成する感光体である。感光体ドラム112a,112b,112c,112dは、それぞれ帯電装置114a,114b,114c,114dによって帯電された後、光走査装置110からの光線が照射され、これらの感光体ドラムに静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム112a,112b,112c,112dは、現像装置116a,116b,116c,116dによりCMYK色のトナーが付着され、それぞれ単色の画像が形成される。
【0015】
図1に示す実施形態では、感光体ドラム112a,112b,112c,112dには、それぞれシアン(Cy)、マゼンダ(Ma)、イエロー(Ye)およびブラック(Bk)の画像が形成されるが、他の実施形態では、感光体ドラム112a,112b,112c,112dの色の割り当てを変更して構成してもよい。
【0016】
転写ベルト122は、感光体ドラム112a,112b,112c,112dに形成された画像を転写するベルトである。感光体ドラム112a,112b,112c,112dに形成された各色の画像は、転写ローラ120a,120b,120c,120dが転写ベルト122を各感光体ドラムに押圧することにより、転写ベルト122に転写される。
【0017】
クリーナ118a,118b,118c,118dは、感光体ドラムの静電気およびトナーを除去する装置である。クリーナ118a,118b,118c,118dは、転写ベルト122への画像の転写後に、感光体ドラム112a,112b,112c,112dの静電気を除去し、感光体ドラム上に残っているトナーを取り除く。
【0018】
また、画像形成装置100は、駆動ローラ124と、従動ローラ126と、パターン検出装置128と、除去装置130とを含んで構成される。
【0019】
駆動ローラ124は、後述する画像形成装置100のコントローラの制御下で回転または停止する回転部材である。駆動ローラ124は、従動ローラ126と協働して転写ベルト122を一定方向に周回移動させる。
【0020】
パターン検出装置128は、転写ベルト122に転写された図形や模様などパターンを検出する手段である。パターン検出装置128は、図2に示すように、発光装置210と、受光装置212とを備えており、発光装置210が転写ベルト122またはパターン214に対して光を照射し、受光装置212がその反射光を受光する。パターン検出装置128は、反射光を受光すると、その光量に応じた出力電流を画像形成装置100のコントローラに供給する。
【0021】
除去装置130は、画像形成装置100のコントローラの制御下で転写ベルト122に付着したトナーを除去する装置である。転写ベルト122からトナーを除去する場合、除去装置130が転写ベルト122に接触し、その状態で転写ベルト122が周回移動することにより、転写ベルト122に付着したトナーが除去される。一方、転写ベルト122からトナーを除去しない場合、除去装置130は転写ベルト122に接触せず、付着したトナーは除去されない。
【0022】
さらに、画像形成装置100は、給紙トレイ132と、給紙装置136と、転写装置138と、定着装置140と、排紙装置142とを含んで構成される。
【0023】
給紙装置136は、画像を印刷すべき用紙を供給する装置である。給紙装置136は、給紙トレイ132に収容された用紙134を把持し、転写装置138に供給する。
【0024】
転写装置138は、画像を用紙134に転写する装置である。転写装置138は、画像が形成された転写ベルト122を、用紙134に押圧接触させて当該用紙上にトナーを付着させて画像を形成する。
【0025】
定着装置140は、用紙に付着したトナーを定着させる装置である。定着装置140は、印刷時に転写装置138からトナーを付着した用紙が供給されると、当該用紙に熱および圧力を加えてトナーを定着する。トナーが定着した用紙は、排紙装置142によって排紙トレイ(図示せず)に出力される。
【0026】
図3は、本発明の画像形成装置の機能構成を示す図である。以下、図3を参照して、画像形成装置100の機能構成について説明する。
【0027】
画像形成装置100は、画像形成装置100が実行する処理の全体制御を行うCPUやMPU等のプロセッサを搭載し、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、WINDOWS(登録商標)OS、ITRON、VxWORKs、QNX、EneaOSEなどのOSの管理下で、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本実施形態のプログラムを実行する。
【0028】
また、画像形成装置100は、プログラムを実行するための実行空間を提供するRAM、プログラムやデータなどを持続的に保持するための記憶装置などを含んでおり、図3に示す各機能手段をプログラムの実行により、当該画像形成装置上に実現する。本発明のプログラムは、インターネット等のネットワークを介して提供することができ、また、CD−ROM、フラッシュメモリ、HDD、MO、フレキシブルディスクなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0029】
画像形成装置100は、検出制御部300と、コントローラ310と、光源321と、ポリゴンミラー322と、反射ミラー323と、光検出装置324と、感光体ドラム112a,112b,112c,112dと、パターン検出装置128とを含んで構成される。
【0030】
検出制御部300は、画像形成装置100が転写ベルト122上にパターンを形成して、その転写位置のずれを検出する処理の全体制御を行う機能手段である。検出制御部300は、コントローラ310を介して画像形成装置100が備える種々のハードウェア装置を制御し、転写ベルト122上にパターンを形成してその転写位置のずれを検出する。
【0031】
コントローラ310は、検出制御部300の制御下で画像形成装置100が備える種々のハードウェア装置を制御する機能手段であり、画像生成部311と、記憶装置312と、タイミング制御部313と、データ選択部314と、光源制御部315とを含んで構成される。本実施形態では、コントローラ310に含まれる各機能手段は、半導体集積回路によって実装するが、他の実施形態では、画像形成装置100の動作時に起動するプログラムによって実装してもよい。
【0032】
画像生成部311は、感光体ドラム112a,112b,112c,112dに形成すべき画像を生成する機能手段である。パターンの検出処理を行う場合、画像生成部311は、記憶装置312から画像データであるパターンを形成するパターン形成情報を取得し、CMYK色の各色で構成されるパターンをデータ選択部314に提供する。印刷出力を行う場合には、画像生成部311は、PC等の情報処理装置(図示せず)から受信した印刷データから画像データを形成し、CMYK色の各色の画像データをデータ選択部314に提供する。
【0033】
タイミング制御部313は、光走査のタイミングを制御する機能手段である。タイミング制御部313は、ポリゴンミラー322および反射ミラー323が偏光した光源321の光線を受光する光検出装置324から当該光線の受光に同期した出力電流を受信し、感光体ドラム112a,112b,112c,112dに光走査タイミングを制御する同期信号を生成する。タイミング制御部313は、生成した同期信号をデータ選択部314および光源制御部315に供給する。
【0034】
データ選択部314は、CMYK色の各色の画像データを光源制御部315に提供する機能手段である。データ選択部314は、タイミング制御部313が提供する同期信号に同期して、1走査ライン分の各色の画像データを光源制御部315に順次供給する。
【0035】
光源制御部315は、光源321による光走査を制御する機能手段である。光源制御部315は、各色の画像データを感光体ドラム112a,112b,112c,112dに形成する変調信号を光源321に供給して、光走査を行う。本実施形態の光源321は、複数のLDを備えるLDアレイで構成されており、各LDは、光源制御部315から受信した変調信号に基づいて、それぞれ感光体ドラム112a,112b,112c,112dを走査する。
【0036】
また、コントローラ310は、駆動ローラ制御部316と、除去装置制御部317と、給紙装置制御部318と、検出装置制御部319と、記憶装置320とを含んで構成される。
【0037】
駆動ローラ制御部316は、駆動ローラ124を制御する機能手段である。駆動ローラ制御部316は、検出制御部300から駆動指示を受信すると、駆動ローラ124を回転させ、転写ベルト122を周回移動させる。また、駆動ローラ制御部316は、検出制御部300から停止指示を受信すると、駆動ローラ124の回転を停止し、転写ベルト122を停止させる。
【0038】
除去装置制御部317は、除去装置130を制御する機能手段である。除去装置制御部317は、検出制御部300からのトナーの除去指示を受信すると、除去装置130を転写ベルト122に接触させてトナーを除去する。また、除去装置制御部317は、検出制御部300からトナー除去の停止指示を受信すると、除去装置130を転写ベルト122から離す。
【0039】
給紙装置制御部318は、給紙装置136を制御する手段である。給紙装置制御部318は、検出制御部300から給紙指示を受信した場合に、給紙装置136を駆動して用紙を転写装置138に供給する。給紙装置制御部318は、印刷出力を行う場合にのみ用紙を供給し、パターン検出を行う場合には、用紙を供給しない。
【0040】
検出装置制御部319は、パターン検出装置128を制御する手段である。検出装置制御部319は、検出制御部300からパターン検出指示を受信すると、パターン検出装置128に光線を照射させる。検出装置制御部319は、パターン検出装置128から検出情報を取得し、各感光体ドラムに対する光走査タイミングを補正する補正値を算出し、記憶装置320に保存する。
【0041】
上記補正値は、各感光体ドラムから転写ベルトに転写した各色のトナーの位置ずれを補正する値である。検出装置制御部319は、検出情報である光量を使用して光を反射したパターンを識別し、各反射光を受光した時間から各パターンの相対検出時間を特定する。そして、検出装置制御部319は、当該相対検出時間と、各パターンの転写位置にずれが生じていない場合に得られる相対検出時間とを比較することにより、パターンの転写位置にずれが生じているか判断する。パターンの転写位置にずれが生じている場合には、位置ずれが生じている相対検出時間、感光体ドラムの回転速度および転写ベルトの移動速度を用いて、補正値を算出する。
【0042】
光制御制御部315は、当該補正値を用いて補正した光走査タイミングで光源321を発光させて、感光体ドラム112a,112b,112c,112dを走査することができる。
【0043】
図3に示す実施形態では、検出装置制御部319が上記補正値を算出するが、他の実施形態では、補正値を算出する専用の機能手段を備えてもよく、また、補正値を算出するアプリケーションプログラムをRAMに展開し、プロセッサが当該アプリケーションプログラムを実行することによって、補正値を算出してもよい。
【0044】
図4は、本発明の画像形成装置が形成するパターンの一実施形態を示す図である。本実施形態の画像形成装置は、3のパターン検出装置128を備えており、転写ベルト122には、これらのパターン検出装置128に対応して、3列のパターン410,420,412,422,414,424が形成されている。本発明の画像形成装置が採用するパターン検出装置の数は、これに限定するものではなく、任意の数のパターン検出装置を採用することができ、パターン検出装置の数に応じてパターンを形成することができる。
【0045】
図5は、図4に示すパターン412の断面図を示すと共に、パターン412を検出した場合に得られる反射光の光量と検出時間との関係を示す図である。
【0046】
図5に示す実施形態では、黒色の転写ベルト122にパターン412が形成される。パターン412は、黒色のトナーが形成する第1層上にシアン、マゼンダおよび黄色のトナーが形成する第2層を有し、黄色のトナーが形成する第1層上に黒色のトナーが形成する第2層を有する2層構造をしている。
【0047】
パターン412は、4のパターン510,512,514,516を含んで構成されている。パターン510,512,514,516は、それぞれ感光体ドラム112a,112b,112c,120dによるトナーの転写位置のずれを検出するパターンである。これらのパターンは、付着したトナーの高さおよび幅が同一、すなわち、断面形状が同一であるため、第2層を形成する各トナーのエッジで反射する反射光を検出する期間520,522,524,526が同一となる。これにより、断面形状が異なるパターンと比較して、トナー転写位置のずれの検出精度を向上させることができる。
【0048】
また、パターン516は、黄色のトナーが第1層を形成し、その上に黒色のトナーが第2層を形成するため、画像形成装置100が、黒色のトナーと同程度の光量を反射する色の転写ベルト122を使用する場合でも、黒色のトナーによる反射光の検出が容易となり、黒色のトナーが形成するパターンの検出精度を向上させることができる。
【0049】
本実施形態では、第1層による反射光の光量と第2層による反射光の光量との差が最も大きくなるように、パターン516の第1層を黄色のトナーで形成し、第2層を黒色のトナーで形成するが、他の実施形態では、パターン516の第1層をシアンまたはマゼンダのトナーで形成してもよい。
【0050】
図6は、本発明の画像形成装置がパターンを形成して検出する処理を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、画像形成装置100が実行するパターンの形成処理および検出処理について説明する。
【0051】
図6の処理は、ステップS600から開始し、ステップS601では、画像形成装置100の検出制御部300は、コントローラ310を介して駆動ローラ124を回転させ、転写ベルト122を周回移動させる。ステップS602では、検出制御部300は、コントローラ310を介して除去装置130を転写ベルト122から離す。
【0052】
ステップS603では、検出制御部300は、待機時間(T)が経過したか否か判断し、待機時間(T)が経過していない場合には(no)、ステップS603の処理を反復する。本実施形態では、除去装置130が転写ベルト122から離れる際に生じる振動を考慮して、その振動が収まるまで待機する。
【0053】
一方、待機時間(T)が経過した場合には(yes)、処理をステップS604に分岐する。ステップS604では、検出制御部300は、コントローラ310を介して、黄色のトナーを転写ベルト122に転写し、黄色のトナーから成るパターンの第1層を形成する。
【0054】
ステップS605では、検出制御部300は、待機時間(T)が経過したか否か判断し、待機時間(T)が経過していない場合には(no)、ステップS605の処理を反復する。本実施形態では、転写ベルト122上でパターンが形成される部分のうち黒色のトナーから成る別のパターンの第1層を形成すべき部分が、黒色のトナーを転写する感光体ドラム112dと転写ローラ120dとの間に来るまで待機する。
【0055】
一方、待機時間(T)が経過した場合には(yes)、処理をステップS606に分岐する。ステップS606では、検出制御部300は、コントローラ310を介して黒色のトナーを転写ベルト122に転写し、黒色のトナーから成る別のパターンの第1層を形成する。
【0056】
ステップS607では、検出制御部300は、待機時間(T)が経過したか否か判断し、待機時間(T)が経過していない場合には(no)、ステップS607の処理を反復する。本実施形態では、転写ベルト122が周回移動して、既に転写ベルト122上に形成された黄色または黒色から成るパターンの第1層上の黒色、黄色、マゼンダ、シアンから成るパターンの第2層を形成すべき部分が、それぞれ感光体ドラム112d,112c,112b,112aと転写ローラ120d,120c,120b,120aとの間に来るまで待機する。
【0057】
一方、待機時間(T)が経過した場合には(yes)、処理をステップS608に分岐する。ステップS608では、検出制御部300は、コントローラ310を介して、感光体ドラム112a,112b,112c,112dを同じタイミングで走査し、各感光体ドラムが黒色、黄色、マゼンダ、シアンのトナーを転写ベルト122に転写することにより、各パターンの第2層を転写ベルト122上に形成する。
【0058】
ステップS609では、検出制御部300は、待機時間(T)が経過したか否か判断し、待機時間(T)が経過していない場合には(no)、ステップS609の処理を反復する。本実施形態では、転写ベルト122が周回移動して、検出すべき最初のパターンが、パターン検出装置128が検出可能な位置に来るまで待機する。
【0059】
一方、待機時間(T)が経過した場合には(yes)、処理をステップS610に分岐する。ステップS610では、検出制御部300は、コントローラ310を介してパターン検出装置128に総てのパターンを検出させ、検出装置制御部319に検出情報から補正値を算出させる。
【0060】
ステップS611では、検出制御部300は、コントローラ310を介して除去装置130を転写ベルト122に接触させる。ステップS612では、検出制御部300は、待機時間(T)が経過したか否か判断し、待機時間(T)が経過していない場合には(no)、ステップS612の処理を反復する。本実施形態では、除去装置130が転写ベルト122に接触する際に生じる振動を考慮して、その振動が収まるまで待機する。
【0061】
一方、待機時間(T)が経過した場合には(yes)、処理をステップS613に分岐する。ステップS613では、検出制御部300は、コントローラ310を介して再び駆動ローラ124を回転させて転写ベルト122を周回移動させ、転写ベルト122に付着したトナーを除去し、ステップS614で処理が終了する。
【0062】
他の実施形態では、画像形成装置100が、残存するトナー量をカウントするカウンタ手段と、上述したパターンによって消費量されるトナー量を示す閾値を保持する記憶装置とを備え、図6の処理を開始する際に、残存するトナー量と、上記閾値とを比較し、残存するトナー量が閾値以下である場合には、図8および図9に示すようなパターンを形成して検出するように構成してもよい。
【0063】
図8および図9に示すように、パターン910,912,914は、感光体ドラム112a,112b,112cによるトナーの転写位置のずれを検出する一層構造のパターンであり、パターン916は、感光体ドラム112dによるトナーの転写位置のずれを検出する凹構造のパターンである。これらのパターンは、図4および図5に示すパターンと比較してトナーの消費量が少ない。
【0064】
当該他の実施形態では、トナーの残量に応じて、形成すべきパターンを切り替えることができる。すなわち、トナーの残量が多い場合には、本発明が提案する2層構造のパターンを形成することができ、一方、トナーの残量が少ない場合には、これよりもトナー消費量の少ないパターンを形成することができる。なお、本実施形態では、転写ベルト122を2回転させることなくパターン910,912,914,916を形成することができるため、除去装置130を転写ベルト122から離す必要はない。
【0065】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素を他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
100…画像形成装置、110…光走査装置、112a,112b,112c,112d…感光体ドラム、114a,114b,114c,114d…帯電装置、116a,116b,116c,116d…現像装置、118a,118b,118c,118d…クリーナ、120a,120b,120c,120d…転写ローラ、122…転写ベルト、124…駆動ローラ、126…従動ローラ、128…パターン検出装置、130…除去装置、132…給紙トレイ、134…用紙、136…給紙装置、138…転写装置、140…定着装置、142…排紙装置、210…発光装置、212…受光装置、214…パターン、321…光源、322…ポリゴンミラー、323…反射ミラー、324…光検出装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2008−225163号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成装置であって、前記画像形成装置は、
感光体を露光してパターンを形成する光走査手段と、
前記パターンを転写ベルトに転写する4の感光体と、
前記転写ベルトに転写したパターンを検出するパターン検出手段と
を備え、
前記転写ベルトに転写したパターンは、上下層で色が異なる2層構造を有しており、上層部分が4色で構成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記光走査手段は、
前記4の感光体を同じタイミングで露光して、前記パターンの上層部分を形成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写ベルトに転写したパターンは、前記4の感光体による転写位置を検出する4のパターンで構成されており、
前記4のパターンは断面形状が同一である、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像を形成する画像形成装置が実行する方法であって、前記方法は、前記画像形成装置が、
4の感光体を露光してパターンを形成するステップと、
前記パターンを転写ベルトに転写するステップと、
前記転写ベルトに転写したパターンを検出するステップと
を含み、
前記転写ベルトに転写したパターンは、上下層で色が異なる2層構造を有しており、上層部分が4色で構成される、方法。
【請求項5】
前記パターンを形成するステップは、
前記4の感光体を同じタイミングで露光して、前記パターンの上層部分を形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記転写ベルトに転写したパターンは、前記4の感光体による転写位置を検出する4のパターンで構成されており、
前記4のパターンは断面形状が同一である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の各ステップを画像形成装置が実行するためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−61529(P2013−61529A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200518(P2011−200518)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】