説明

画像形成装置、用紙搬送装置、およびプログラム

【課題】用紙収容容器からの用紙の送り出しを安定させ、用紙の搬送性能を向上させる。
【解決手段】中間転写ベルトによるトナー像の転写位置への搬送に対応させて、用紙を転写位置に向けて搬出するレジストロール55と、用紙収容容器50からレジストロール55に向けて用紙を送り出すフィードロール52と、レジストロール55とフィードロール52との間の用紙搬送経路に配置され、フィードロール52から送り出された用紙先端の通過タイミングを検知する用紙検知センサ80とを備えており、主制御部30は、フィードロール52が用紙収容容器50から用紙の送り出しを開始してからの経過時間と、用紙検知センサ80にて検知される用紙先端の通過タイミングとの双方により、フィードロール52による用紙の送り出しを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、用紙搬送装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置では、用紙収容容器から用紙を送り出す際の用紙送り出し動作は、従来より、用紙の送り出し開始からの経過時間に基づいて制御されている。
例えば特許文献1には、厚紙等の特殊用紙が給送される場合に、用紙が繰り出されて後段のグリップ搬送部を通過するまでの時間を計測し、移動時間が所定時間を超えた場合に、普通紙等を対象とした時間により回転停止される給送ローラの回転を継続した状態で後続の用紙の給送を行い、後段のグリップ搬送部で発生する搬送力低下による搬送速度の低下を給送ローラの搬送速度で補助しながら用紙の給送を行うシート搬送装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−30937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、用紙収容容器からの用紙の送り出しを安定させ、用紙の搬送性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段にて形成された前記トナー像を保持しながら当該トナー像を転写位置に搬送し、保持している当該トナー像が当該転写位置にて用紙に転写されるトナー像保持部材と、前記トナー像保持部材による前記トナー像の前記転写位置への移動に対応させて前記用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と、前記用紙を収容する用紙収容容器から前記用紙搬出部材に向けて当該用紙を送り出す用紙送出し部材と、前記用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の用紙搬送経路に配置され、当該用紙送出し部材から送り出された前記用紙先端の通過タイミングを検知する用紙検知手段と、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してからの経過時間と、前記用紙検知手段にて検知される前記用紙先端の通過タイミングとの双方により、当該用紙送出し部材による前記用紙の送り出しを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間に到達することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させるとともに、当該経過時間への到達前に前記用紙検知手段が前記用紙先端の通過を検知することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記用紙送出し部材は、前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから前記経過時間に到達するまでに、当該用紙の先端が当該用紙収容容器から前記用紙搬出部材に至る用紙搬送経路に他の用紙搬送経路が合流する位置よりも下流側に位置するまで当該用紙を送り出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記用紙送出し部材と前記用紙検知手段との間に配置され、当該用紙送出し部材とともに前記用紙を前記用紙搬出部材に向けて送り出す第2の用紙送出し部材をさらに備え、前記第2の用紙送出し部材は、前記経過時間に到達した後にても前記用紙の先端が前記用紙搬出部材に到達するように当該用紙に対する当該用紙搬出部材に向けた送出しを継続させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、トナー像を保持しながら搬送するトナー像保持部材による当該トナー像の転写位置への搬送に対応させて、用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と、前記用紙を収容する用紙収容容器から前記用紙搬出部材に向けて当該用紙を送り出す用紙送出し部材と、前記用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の用紙搬送経路に配置され、当該用紙送出し部材から送り出された前記用紙先端の通過タイミングを検知する用紙検知手段と、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送り出しを開始してからの経過時間と、前記用紙検知手段にて検知される前記用紙先端の通過タイミングとの双方により、当該用紙送出し部材による前記用紙の送り出しを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする用紙搬送装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間に到達することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させるとともに、当該経過時間への到達前に前記用紙検知手段が前記用紙先端の通過を検知することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させることを特徴とする請求項5記載の用紙搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記用紙送出し部材は、前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから前記経過時間を経過するまでに、当該用紙の先端が当該用紙収容容器から前記用紙搬出部材に至る用紙搬送経路に他の用紙搬送経路が合流する位置よりも下流側に位置するまで当該用紙を送り出すことを特徴とする請求項6記載の用紙搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、前記用紙送出し部材と前記用紙検知手段との間に配置され、当該用紙送出し部材とともに前記用紙を前記用紙搬出部材に向けて送り出す第2の用紙送出し部材をさらに備え、前記第2の用紙送出し部材は、前記経過時間を経過した後にても前記用紙の先端が前記用紙搬出部材に到達するように当該用紙に対する当該用紙搬出部材に向けた送出しを継続させることを特徴とする請求項6記載の用紙搬送装置である。
【0009】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、用紙を収容する用紙収容容器から当該用紙を送り出す用紙送出し部材による当該用紙の送出しが開始されてからの経過時間を認識する機能と、トナー像を保持しながら搬送するトナー像保持部材による当該トナー像の転写位置への搬送に対応させて前記用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の予め定められた位置にて、当該用紙送出し部材から送り出された用紙の先端の通過を認識する機能と、前記用紙送出し部材から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間の到達を認識することにより前記用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させる機能と、前記予め定められた経過時間に到達する前に前記予め定められた位置にて前記用紙の先端の通過を認識することにより前記用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させる機能とを実現させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙収容容器からの用紙の送り出しを安定させ、用紙の搬送性能を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙を用紙収容容器から用紙搬出部材まで搬出する確実性を高めるとともに、用紙の座屈や紙詰まりの発生を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、異なる剛性を持った用紙が使用された場合であっても用紙を用紙搬出部材までより確実に搬出することができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙を用紙収容容器から用紙搬出部材まで搬出する確実性を高めるとともに、用紙収容容器からの用紙の送り出しに際して消費される電力を低減することができる。
【0011】
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙収容容器からの用紙の送り出しを安定させ、用紙の搬送性能を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙を用紙収容容器から用紙搬出部材まで搬出する確実性を高めるとともに、用紙の座屈や紙詰まりの発生を抑制することができる。
請求項7の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、異なる剛性を持った用紙が使用された場合であっても用紙を用紙搬出部材までより確実に搬出することができる。
請求項8の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙を用紙収容容器から用紙搬出部材まで搬出する確実性を高めるとともに、用紙収容容器からの用紙の送り出しに際して消費される電力を低減することができる。
請求項9の発明によれば、本発明を採用しない場合に比較して、用紙収容容器からの用紙の送り出しを安定させ、用紙の搬送性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態の画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】二次転写領域に至るまでの用紙搬送系を説明する図である。
【図3】フィードロールの駆動を制御するための構成を示した図である。
【図4】主制御部のTimerに設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を普通紙における送り出し量を基準に設定した場合に、用紙収容容器に収容された厚紙を送り出す場合を例示した図である。
【図5】主制御部のTimerに設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を厚紙における送り出し量を基準に設定した場合に、用紙収容容器に収容された普通紙を繰り出す場合を例示した図である。
【図6】主制御部がモータ駆動部からフィードモータに出力される駆動電力を制御する際の処理の内容を示したフローチャートである。
【図7】厚紙の先端が到達する目標位置の一例を示した図である。
【図8】用紙が停止する目標位置の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の全体構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、各色の画像データに基づき画像を形成する画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する主制御部30、ユーザからの指示入力の受付やユーザへの各種情報の表示を行うユーザインタフェース(UI)部31、画像形成装置1の各構成部を制御するためのオペレーティングシステム、オペレーティングシステムと協働して各構成部の特定の機能を実現するアプリケーションソフト等の各種のプログラムや、画像データ等の各種データが記憶される外部記憶部32を備えている。
【0014】
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する構成部であって、並列して配置されるトナー像形成手段の一例としての4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成されてその後にトナー像が形成される感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16で構成されている。
【0015】
さらに、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写されるトナー像保持部材の一例としての中間転写ベルト17、各画像形成ユニット11による各色トナー像を中間転写ベルト17に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール18、中間転写ベルト17上に転写された合成トナー像を記録材(用紙)に一括転写(二次転写)させる二次転写ロール56、二次転写された画像を用紙上に定着させる定着器20を備えている。
【0016】
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール18により中間転写ベルト17上に順に静電転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。中間転写ベルト17上の合成トナー像は、中間転写ベルト17の移動(実線矢印方向)に伴って二次転写ロール56が配置された二次転写領域Tr(転写位置)に搬送され、用紙収容容器50等から供給(破線矢印方向)される用紙上に一括して静電転写される。その後、用紙上に静電転写された合成トナー像は、定着器20によって定着処理を受けて用紙上に定着される。
【0017】
<画像形成装置における用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10には、用紙収容容器50等に収容された用紙を二次転写領域Trや定着器20を経て排紙口Q1,Q2に向けて搬送する用紙搬送系(用紙搬送装置)が構成されている。
図2は、二次転写領域Trに至るまでの用紙搬送系を説明する図である。図2(図1も参照)に示したように、用紙搬送系は、用紙を収容する用紙収容容器50に収容された用紙を繰り出す繰出ロール51、繰出ロール51により繰り出された用紙をさらに下流側まで送り出す用紙送出し部材の一例としてのフィードロール52、繰出ロール51により繰り出された用紙を1枚ずつに捌くリタードロール53を備えている。さらに、用紙搬送系は、一枚ずつに捌かれた用紙を搬送経路R1に沿って下流側(二次転写領域Tr側)に向けて搬送する一対からなる第2の用紙送出し部材の一例としてのテイクアウェイロール54、用紙を一時的に停止させた後に、中間転写ベルト17に保持されながら搬送される合成トナー像が二次転写領域Trに到達するタイミングに合わせて用紙を二次転写領域Trに向けて搬出する用紙搬出部材の一例としてのレジストロール55を備えている。
また、レジストロール55の上流側には、用紙の先端が通過したことを検知して、通過した用紙をレジストロール55に突き当たった状態で一時的に停止させるタイミングを設定するための用紙検知手段の一例としての用紙検知センサ80が配置されている。
【0018】
画像形成部10には、用紙収容容器50に収容された用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する搬送経路R1の他に、他の搬送経路として、用紙への両面印刷時に使用される両面搬送経路R2や用紙を手差しする際に使用される手差し用用紙収容部60からの手差し搬送経路R3が設けられている。
これらの搬送経路R1、両面搬送経路R2、および手差し搬送経路R3は、合流点Gで合流する。そして、合流点Gの下流側では、用紙は同一の搬送経路R4を通って二次転写領域Trに向けて搬送される。上記した用紙検知センサ80は、搬送経路R1、両面搬送経路R2、および手差し搬送経路R3各々から搬送された用紙の通過を検知するために、合流点Gとレジストロール55との間の領域に配置されている。
【0019】
レジストロール55から送り出され、搬送経路R4に沿って搬送される用紙は、二次転写領域Trにて合成トナー像が静電転写される。そして、その後、さらに搬送経路R4に沿って定着器20に向けて搬送される。定着器20では、用紙が定着器20を通過することにより、合成トナー像が用紙に定着される。そして定着画像が形成された用紙は、片面印刷される場合には、搬送ロール71および搬送ロール72により排紙口Q1から外部に排出されるか、または、搬送ロール71および搬送ロール73により排紙口Q2から外部に排出される。
一方、両面印刷される場合には、用紙は例えば搬送ロール71,72により反転(スイッチバック)され、両面搬送経路R2を通って合流点Gから搬送経路R4に進入する。そして、用紙はレジストロール55から送り出されて、再度、二次転写領域Trに向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での片面または両面に対する画像形成は、UI部31等により指定された枚数分だけ繰り返して実行される。
【0020】
<フィードロールの駆動制御系の説明>
次の図3は、フィードロール52の駆動を制御するための構成を示した図である。図3に示したように、フィードロール52は、フィードモータ62に接続され、フィードモータ62からの回転駆動力により回転する。また、このフィードモータ62は、モータ駆動部61が主制御部30により制御された駆動電力をフィードモータ62に出力することにより回転動作する。
【0021】
主制御部30は、フィードロール52の駆動を制御するための制御手段の一例として機能する内部構成として、予め定められた制御プログラムに従って演算処理を実行するCPU301、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM302、CPU301での演算処理に使用される各種設定値等が格納されるROM303、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる、電池によりバックアップされたフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ(NVM)304、予め設定された時間(以下、「タイムアウト時間」)までの残り時間を計測するタイマ(Timer)305、例えば用紙検知センサ80やモータ駆動部61との信号の入出力を制御するインターフェース(I/F)部306を備えている。
そして、CPU301が、制御プログラムを外部記憶部32(図1参照)からRAM302に読み込み、読み込んだ制御プログラムに基づいてフィードロール52の駆動を制御する。
【0022】
なお、この制御プログラムに関するその他の提供形態としては、予めROM303に格納された状態にて提供され、RAM302にロードされる形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROM303を備えている場合には、CPU301がセッティングされた後に、制御プログラムだけがROM303にインストールされ、RAM302にロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介して主制御部30にプログラムが伝送され、主制御部30のROM303にインストールされ、RAM302にロードされる形態がある。さらにまた、DVD−ROMやフラッシュメモリ等の外部記録媒体からRAM302にロードされる形態がある。
【0023】
主制御部30は、モータ駆動部61がフィードモータ62に出力する駆動電力を制御するに際して、Timer305による計測時間が予め定められたタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)に達することで、モータ駆動部61に対しフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信する。
また、主制御部30は、Timer305による計測時間が予め定められたタイムアウト時間(経過時間)に達する(タイムアウトする)前に、用紙検知センサ80から用紙の先端の通過を検知する検知信号(以下、「用紙通過検知信号」)を受信した場合には、第1のタイムアウト時間に達する前であっても、用紙通過検知信号の受信に対応させてモータ駆動部61に対しフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信する。
【0024】
用紙収容容器50に収容された用紙の送り出しは、繰出ロール51と、Timer305に設定されたタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)内で回転動作するフィードロール52と、フィードロール52に設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を超えても回転動作するテイクアウェイロール54とにより、用紙収容容器50に収容された用紙の先端がレジストロール55に突き当たる位置まで搬送されるように実行される。
ところが、用紙収容容器50内での用紙の設置位置(用紙の送り出し方向での位置)が用紙毎にばらついている場合がある。また、フィードロール52やテイクアウェイロール54の用紙に対する搬送力が用紙の表面状態の違いにより異なる場合がある。例えば、コート紙等の表面摩擦係数は普通紙等に比べて小さいため、コート紙等に対する搬送力が普通紙等に比べて低下し易い。さらには、画像形成装置1の設置面積を小さくするために、用紙収容容器50から合流点Gに至る搬送経路R1は、急峻に屈曲して形成されている。そのために、特に厚紙が用紙収容容器50から繰り出されて搬送経路R1を通過する際には、厚紙自身の剛性(所謂「紙のコシ」)により厚紙の先端部が搬送経路R1の側部壁(不図示)に対して角度を持って接触しながら搬送されることから、普通紙等に比べて搬送抵抗が増加し易い。
【0025】
このようなことが要因となって、使用する用紙等(特に用紙の剛性の違い)によって、フィードロール52およびテイクアウェイロール54が用紙をレジストロール55に向けて送り出す際の送り出し量が不安定となる場合がある。例えば、主制御部30に備えられたTimer305に設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を、例えば普通紙における送り出し量を基準に設定したとすると、剛性が普通紙に比較して高い厚紙においてレジストロール55に突き当たる位置まで到達しないという事態が発生する場合がある。その一方で、Timer305に設定されるタイムアウト時間を、例えば厚紙における送り出し量を基準に設定したとすると、剛性が厚紙に比較して低い普通紙においてフィードロール52およびテイクアウェイロール54がレジストロール55に突き当たる位置に到達してもなおまだ用紙を搬送しようとする。そのために、レジストロール55に突き当たる位置において用紙に座屈が生じるという事態が発生する場合がある。さらには、用紙に生じた座屈が原因となって紙詰まりが発生する場合もある。
【0026】
<用紙がレジストロールに突き当たる位置まで搬送されない場合の説明>
ここで図4は、主制御部30のTimer305(図3参照)に設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を普通紙における送り出し量を基準に設定した場合に、用紙収容容器50に収容された厚紙P1を送り出す場合を例示した図である。ここで、用紙収容容器50に収容された厚紙P1は、繰出ロール51よって用紙収容容器50から繰り出される。そして、厚紙P1は、Timer305によるタイムアウト時間まではフィードロール52とテイクアウェイロール54との双方により搬送経路R1を搬送される。また、タイムアウト時間を超えた後にはフィードロール52による搬送は停止され、テイクアウェイロール54のみによってレジストロール55に向けて搬送されることとなる。
【0027】
上記したように、急峻に屈曲して形成されている搬送経路R1では、厚紙P1自身の剛性が要因となって厚紙P1に対する搬送経路R1の側部壁からの搬送抵抗が大きくなる。そのため、図4に示したように、Timer305によるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)が厚紙P1にとって充分な時間でなければ、フィードロール52とテイクアウェイロール54との双方による合算した搬送力によっても、タイムアウト時間内に厚紙P1の先端P1tが搬送経路R1の終端である例えば合流点Gよりも下流側まで搬送されていないという事態が発生する場合がある。Timer305によるタイムアウト時間を経過すると、フィードロール52による搬送は停止し、テイクアウェイロール54単体だけで厚紙P1を搬送することとなる。そのために、タイムアウト時間を経過した後には厚紙P1に対する搬送力が低下することから、厚紙P1の先端P1tが未だ搬送経路R1内にある状態では、搬送経路R1での搬送抵抗に対抗しながら厚紙P1の先端P1tをレジストロール55に突き当たる位置まで搬送することが困難となる場合が生じる。
それにより、用紙収容容器50に収容された厚紙P1をレジストロール55に突き当たる位置までより確実に搬送するという観点からは、主制御部30のTimer305に設定されるタイムアウト時間を、厚紙P1における送り出し量を基準に設定する必要が生じる。
【0028】
<用紙がレジストロールに突き当たって座屈が生じる場合の説明>
次の図5は、主制御部30のTimer305(図3参照)に設定されるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を厚紙P1における送り出し量を基準に設定した場合に、用紙収容容器50に収容された普通紙P2を繰り出す場合を例示した図である。
この場合には、急峻に屈曲して形成されている搬送経路R1にあっても、普通紙P2の剛性は厚紙P1ほど大きくはないので、普通紙P2に対する搬送経路R1の側部壁からの搬送抵抗は厚紙P1の場合よりは小さい。そのため、厚紙P1における送り出し量を基準にTimer305に設定されたタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)までの間において、フィードロール52とテイクアウェイロール54との双方による合算した搬送力によって普通紙P2を搬送するとした場合には、図5に示したように、普通紙P2の先端P2tに座屈が発生する場合が生じる。すなわち、Timer305によるタイムアウト時間を経過する前に普通紙P2の先端P2tがレジストロール55に到達することから、普通紙P2の先端P2tがレジストロール55に突き当たった後も、普通紙P2はフィードロール52とテイクアウェイロール54との双方から搬送力を受ける。それにより、普通紙P2の先端P2tに座屈が発生することとなる。
そのため、用紙収容容器50に収容された厚紙P1をレジストロール55に突き当たる位置までより確実に搬送するという観点で、Timer305のタイムアウト時間を厚紙P1における送り出し量を基準に設定したとすると、普通紙P2を使用した場合に座屈が発生する場合が生じる。加えて、座屈した普通紙P2が搬送経路R4内で紙詰まりを起こす場合もある。
【0029】
<主制御部によるフィードモータの動作制御の説明>
そこで、本実施の形態の主制御部30は、モータ駆動部61からフィードモータ62に出力される駆動電力を制御するに際して、Timer305に設定するタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を厚紙P1における送り出し量を基準として定める。そして、この第1のタイムアウト時間(経過時間)に達することにより、モータ駆動部61に対してフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信する。
それに加えて、主制御部30は、Timer305による計測時間が第1のタイムアウト時間に達する(タイムアウトする)前に、用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信した場合には、第1のタイムアウト時間に達する前であっても、モータ駆動部61に対してフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信する。すなわち、第1のタイムアウト時間に達する前に用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信した場合には、主制御部30は、用紙通過検知信号の受信により用紙先端の通過タイミングを認識し、認識した用紙先端の通過タイミングに応じて、モータ駆動部61に対してフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信する。
その一方で、テイクアウェイロール54に関しては、用紙検知センサ80が用紙先端の通過を検知した後においても動作を継続させる。すなわち、主制御部30が用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信することで、再度Timer305による時間計測を開始し、予め定められたタイムアウト時間(第2のタイムアウト時間)に達した時点で、テイクアウェイロール54の動作を停止させる。ここでの「第2のタイムアウト時間」は、用紙の先端が用紙検知センサ80を通過してからレジストロール55に到達するまでに要する時間としてTimer305に設定するものである。
【0030】
<フィードモータの動作制御の内容の説明>
次の図6は、本実施の形態の主制御部30がモータ駆動部61からフィードモータ62に出力される駆動電力を制御する際の処理の内容を示したフローチャートである。
図6に示したように、例えばUI部31にてユーザから画像形成指示の入力を受け付けると(ステップ101)、主制御部30は、モータ駆動部61に対しフィードモータ62に駆動電力を出力させるための制御信号を送信し、フィードモータ62を起動させる(ステップ102)。それとともに、主制御部30は、Timer305に厚紙P1に関する送り出し量を基準として設定したタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)をセットし、時間計測を開始させる(ステップ103)。
【0031】
その後、主制御部30は、Timer305が第1のタイムアウト時間を計測するのを監視する(ステップ104)。そして、主制御部30は、Timer305が第1のタイムアウト時間を計測(タイムアウト)すると(ステップ104でYes)、モータ駆動部61に対してフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信し、フィードモータ62を停止させる(ステップ106)。
【0032】
一方、主制御部30は、Timer305がタイムアウト時間を計測(タイムアウト)する以前においては(ステップ104でNo)、用紙検知センサ80からの用紙通過検知信号の受信を監視する(ステップ105でNo)。そして、タイムアウトする以前に用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信すると(ステップ104でNo、ステップ105でYes)、主制御部30は、モータ駆動部61に対してフィードモータ62への駆動電力を停止させる制御信号を送信し、フィードモータ62を停止させる(ステップ106)。
【0033】
<第1のタイムアウト時間についての説明>
上記図6のステップ103にてTimer305にセットされるタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)について説明する。
上記したように、第1のタイムアウト時間は、厚紙P1における送り出し量を基準に設定される。ここでの「厚紙」は、画像形成装置1にて使用される比較的坪量の大きい用紙の中から選択される。例えば、画像形成装置1にて使用が保証される用紙において、相対的に坪量の大きい用紙(厚紙)の中のユーザの使用頻度の高い厚紙や、画像形成装置1にて使用を保証している最も坪量の大きい厚紙等が選択される。なお、一般的には「厚紙」とはいえない用紙であっても、画像形成装置1にて使用が保証される用紙の中で相対的に坪量の大きい用紙は、ここでの「厚紙」に含まれるものとする。
そして、第1のタイムアウト時間は、このような厚紙をフィードロール52とテイクアウェイロール54との双方による合算した搬送力によって搬送した場合に、厚紙P1の先端が急峻に屈曲して形成されている搬送経路R1を通過し、搬送経路R1の終端である例えば合流点Gよりも下流側まで搬送されるのに充分な時間として設定される。
【0034】
ここで図7は、第1のタイムアウト時間内でのフィードロール52とテイクアウェイロール54との双方による搬送により、厚紙P1の先端P1tが到達する目標位置の一例を示した図である。
図7に示したように、搬送経路R1の合流点Gの下流側である搬送経路R4は、搬送経路R1に比較して平坦な経路で形成される。それにより、合流点Gの下流側では厚紙P1の先端P1tが搬送経路R4の側部壁と角度を持って接触することが少なくなることから、厚紙P1の先端P1tが搬送経路R1中に位置する状態に比べ、厚紙P1に対する搬送経路R1および搬送経路R4の側部壁からの搬送抵抗は大きくはなくなる。そのため、第1のタイムアウト時間内でのフィードロール52とテイクアウェイロール54との双方による搬送により、厚紙P1の先端P1tが搬送経路R1を通過して例えば合流点Gよりも下流側まで搬送されていれば、テイクアウェイロール54単体だけで厚紙P1の先端P1tをレジストロール55に突き当たる位置まで搬送することが可能となる。
そこで、本実施の形態では、第1のタイムアウト時間として、フィードロール52とテイクアウェイロール54との双方により、厚紙P1の先端P1tが合流点Gの下流側であってレジストロール55の上流側である領域内に搬送される時間を設定している。なおその際に、厚紙P1の先端P1tが用紙検知センサ80を通過した位置まで搬送された場合には、フィードロール52は停止されることとなる。
【0035】
<第2のタイムアウト時間についての説明>
テイクアウェイロール54の動作を停止させる際にTimer305にセットされる第2のタイムアウト時間について説明する。
上記したように、主制御部30が用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信することで、フィードロール52は停止されるとともに、Timer305による時間計測が再度開始される。そして、予め定められたタイムアウト時間(第2のタイムアウト時間)に達した時点で、テイクアウェイロール54の動作は停止される。この「第2のタイムアウト時間」は、用紙の先端が用紙検知センサ80を通過してからレジストロール55に到達するまでに要する時間として設定される。具体的には、用紙の先端が用紙検知センサ80を通過してからレジストロール55に到達するまでに要する時間以上であって、レジストロール55の手前に用紙の座屈が生じない程度のカールを生じさせるような時間が、第2のタイムアウト時間として設定される。
【0036】
第2のタイムアウト時間において、紙の先端が用紙検知センサ80を通過してからレジストロール55に到達するまでに要する時間以上とするのは、レジストロール55が用紙を一時的に停止させた後に合成トナー像が二次転写領域Trに到達するタイミングに合わせて用紙を二次転写領域Trに向けて供給する機能を備えた部材であるため、確実に用紙の先端をレジストロール55まで搬送するためである。
また、第2のタイムアウト時間において、レジストロール55の手前に用紙の座屈が生じない程度のカールを生じさせるような時間とするのは、確実に用紙の先端をレジストロール55まで搬送することに加えて、用紙の先端をレジストロール55に押し付けながら待機させることで、レジストロール55の回転再開に同期させて用紙が二次転写領域Trに向けて搬送されるように設定するためである。
【0037】
ここで図8は、第2のタイムアウト時間内でのテイクアウェイロール54による搬送により、用紙P3が停止する目標位置の一例を示した図である。
図8に示したように、レジストロール55の手前において用紙に座屈が生じない程度のカールを生じさせるような位置に用紙P3が停止することで、確実に用紙P3の先端P3tがレジストロール55まで搬送されるとともに、用紙P3の先端P3tがレジストロール55に押し付けられながらレジストロール55の回転再開を待機することとなる。それにより、用紙P3は、レジストロール55の回転再開に同期して二次転写領域Trに向けて搬送されるので、用紙P3と合成トナー像との位置合わせ(レジストレーション)の精度が向上する。
【0038】
なお、本実施の形態の画像形成装置1においては、主制御部30が用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信することで、フィードモータ62を停止させるように設定した。このような設定の他に、主制御部30が用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信した後も搬送動作を継続し、例えばテイクアウェイロール54が動作を停止するまで、またはテイクアウェイロール54が動作を停止する以前の予め定められた経過時間まで、フィードモータ62の動作を継続させるように設定してもよい。すなわち、主制御部30が用紙検知センサ80から用紙通過検知信号を受信することにより、例えばテイクアウェイロール54が動作を停止するまでの時間、またはテイクアウェイロール54が動作を停止する以前の予め定められた経過時間をタイムアウト時間として新たにTimer305にセットする。そして、Timer305によるタイムアウトにより、フィードモータ62を停止させるように設定する。
【0039】
また、本実施の形態の画像形成装置1においては、1つの用紙収容容器50を備えた構成について述べた。しかし、複数の用紙収容容器を備えた構成において、レジストロール55側に位置する1または複数の用紙収容容器から用紙を送り出すフィードロール52に関しても、本実施の形態と同様に構成することができる。その場合に備えられる用紙収容容器は、画像形成装置1に対して付加的にオプションとして接続されるもの(所謂「外付け」されるもの)であってもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1では、用紙収容容器50からの用紙送り出し開始から予め定められたタイムアウト時間(第1のタイムアウト時間)を経過することにより、フィードロール52による搬送を停止させる。それに加えて、タイムアウト時間に達する前に用紙検知センサ80が用紙の先端の通過を検知した場合には、第1のタイムアウト時間に達する前であっても、フィードロール52による搬送を停止させる。それにより、用紙を用紙収容容器50からレジストロール55まで搬送する確実性を高めるとともに、用紙の座屈や紙詰まりの発生を抑制して、用紙の搬送性能を向上させている。また、フィードロール52による搬送時間をTimer305にセットしたタイムアウト時間までに限定することで、用紙収容容器50からの用紙の送り出しに要する消費電力の低減を図っている。
【符号の説明】
【0041】
1…画像形成装置、30…主制御部、51…繰出ロール、52…フィードロール、54…テイクアウェイロール、55…レジストロール、61…モータ駆動部、62…フィードモータ、80…用紙検知センサ、305…タイマ(Timer)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段にて形成された前記トナー像を保持しながら当該トナー像を転写位置に搬送し、保持している当該トナー像が当該転写位置にて用紙に転写されるトナー像保持部材と、
前記トナー像保持部材による前記トナー像の前記転写位置への移動に対応させて前記用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と、
前記用紙を収容する用紙収容容器から前記用紙搬出部材に向けて当該用紙を送り出す用紙送出し部材と、
前記用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の用紙搬送経路に配置され、当該用紙送出し部材から送り出された前記用紙先端の通過タイミングを検知する用紙検知手段と、
前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してからの経過時間と、前記用紙検知手段にて検知される前記用紙先端の通過タイミングとの双方により、当該用紙送出し部材による前記用紙の送り出しを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間に到達することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させるとともに、当該経過時間への到達前に前記用紙検知手段が前記用紙先端の通過を検知することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙送出し部材は、前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから前記経過時間に到達するまでに、当該用紙の先端が当該用紙収容容器から前記用紙搬出部材に至る用紙搬送経路に他の用紙搬送経路が合流する位置よりも下流側に位置するまで当該用紙を送り出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙送出し部材と前記用紙検知手段との間に配置され、当該用紙送出し部材とともに前記用紙を前記用紙搬出部材に向けて送り出す第2の用紙送出し部材をさらに備え、
前記第2の用紙送出し部材は、前記経過時間に到達した後にても前記用紙の先端が前記用紙搬出部材に到達するように当該用紙に対する当該用紙搬出部材に向けた送出しを継続させることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
トナー像を保持しながら搬送するトナー像保持部材による当該トナー像の転写位置への搬送に対応させて、用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と、
前記用紙を収容する用紙収容容器から前記用紙搬出部材に向けて当該用紙を送り出す用紙送出し部材と、
前記用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の用紙搬送経路に配置され、当該用紙送出し部材から送り出された前記用紙先端の通過タイミングを検知する用紙検知手段と、
前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送り出しを開始してからの経過時間と、前記用紙検知手段にて検知される前記用紙先端の通過タイミングとの双方により、当該用紙送出し部材による前記用紙の送り出しを制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記用紙送出し部材が前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間に到達することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させるとともに、当該経過時間への到達前に前記用紙検知手段が前記用紙先端の通過を検知することにより当該用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させることを特徴とする請求項5記載の用紙搬送装置。
【請求項7】
前記用紙送出し部材は、前記用紙収容容器から前記用紙の送出しを開始してから前記経過時間を経過するまでに、当該用紙の先端が当該用紙収容容器から前記用紙搬出部材に至る用紙搬送経路に他の用紙搬送経路が合流する位置よりも下流側に位置するまで当該用紙を送り出すことを特徴とする請求項6記載の用紙搬送装置。
【請求項8】
前記用紙送出し部材と前記用紙検知手段との間に配置され、当該用紙送出し部材とともに前記用紙を前記用紙搬出部材に向けて送り出す第2の用紙送出し部材をさらに備え、
前記第2の用紙送出し部材は、前記経過時間を経過した後にても前記用紙の先端が前記用紙搬出部材に到達するように当該用紙に対する当該用紙搬出部材に向けた送出しを継続させることを特徴とする請求項6記載の用紙搬送装置。
【請求項9】
コンピュータに、
用紙を収容する用紙収容容器から当該用紙を送り出す用紙送出し部材による当該用紙の送出しが開始されてからの経過時間を認識する機能と、
トナー像を保持しながら搬送するトナー像保持部材による当該トナー像の転写位置への搬送に対応させて前記用紙を当該転写位置に向けて搬出する用紙搬出部材と前記用紙送出し部材との間の予め定められた位置にて、当該用紙送出し部材から送り出された用紙の先端の通過を認識する機能と、
前記用紙送出し部材から前記用紙の送出しを開始してから予め定められた経過時間の到達を認識することにより前記用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させる機能と、
前記予め定められた経過時間に到達する前に前記予め定められた位置にて前記用紙の先端の通過を認識することにより前記用紙送出し部材による当該用紙の送出しを停止させる機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−105409(P2011−105409A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259543(P2009−259543)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】