説明

画像形成装置およびトナー供給装置

【課題】
本発明は、画像形成装置およびトナー供給装置に関し、トナー容器を取り外す際のトナーの零れによる装置汚れを抑える。
【解決手段】
トナー容器が、容器開口部672を有する容器筐体と、弾性シール部材676と、容器開口部を塞ぐ閉塞位置と装着方向前端の少なくとも一部がシール部材と重なった状態にある開放位置との間でスライド自在であって、未装着の状態では閉塞位置にあり、装着時に開放位置に移動し、取外し時に閉塞位置に移動するシャッタ部材673とを有し、容器支持部材が、容器開口部672から送り出されたトナーをトナー被供給体に向けて通過させる支持部材開口部291を有し、さらに、開放位置にあるシャッタ部材673の装着方向(矢印K方向)前端部がシール部材676により押されることに起因するシャッタ部材673の装着方向後端部の浮き上がりを防止する浮上り防止機構を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびトナー供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーで現像するタイプの画像形成装置では、着脱自在なトナー容器を装着し、トナーの消費に応じた量のトナーを補給する構成となっている。トナー容器は空になったときやメンテナンス時には引き出される。その引出しの際にトナーが零れないように開口部を塞ぐシャッタが設けられている。それでもなおシャッタを閉じる際にトナーが零れて装置汚れを引きおこすおそれがある。
【0003】
特許文献1には、ホッパにトナーを補給するトナー補給容器であって、下面全面に広がる開口とその開口を塞ぐシャッタを有するトナー補給容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−107871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、トナー容器を取り外す際のトナーの零れによる装置汚れを抑えた画像形成装置およびトナー供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1は、
潜像の形成を受けさらにトナーによる現像を受けてトナー像を保持する像保持体と、
内部にトナーを収容し前記像保持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像器と、
補給用トナーを収容し装着方向へのスライド操作および装着方向とは逆向きの取外し方向へのスライド操作によりそれぞれ装着されおよび取外されるトナー容器と、
装着方向へのスライド操作により装着されたトナー容器を支持する容器支持部材と、
容器支持部材に支持された前記トナー容器内のトナーを、現像器内のトナーの消費に応じて現像器に供給するトナー供給器と、
像保持体由来のトナー像を記録媒体上に転写する転写器と、
記録媒体上に転写されたトナー像を記録媒体上に定着する定着器とを備え、
上記トナー容器が、そのトナー容器内のトナーを送り出す容器開口部を有する容器筐体と、その容器開口部と連通する穴を有し、容器筐体の、容器開口部を取り巻く領域に貼着された、弾性を有するシール部材と、容器開口部を塞ぐ閉塞位置と閉塞位置からのスライドにより容器開口部を開放し、かつ装着方向前端の少なくとも一部がシール部材と重なった状態にある開放位置との間でスライド自在であって、容器支持部材に未装着の状態では閉塞位置にあり、装着時に開放位置に移動し、取外し時に閉塞位置に移動するシャッタ部材とを有し、
容器支持部材が、装着された状態のトナー容器の容器開口部と連通する位置に形成された、容器開口部から送り出されたトナーをトナー供給器に向けて通過させる支持部材開口部を有し、さらに、
開放位置にあるシャッタ部材の装着方向前端部がシール部材により押されることに起因するシャッタ部材の装着方向後端部の浮き上がりを防止する浮上り防止機構を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項2は、請求項1記載の画像形成装置において、容器支持部材が、トナー容器の装着方向へのスライドにより支持部材開口部に近づいてきたシャッタ部材の装着方向前端の突き当てを受けてシャッタ部材の装着方向への更なるスライドを阻止することによりシャッタ部材を容器筐体に対し相対的に閉塞位置から開放位置にスライドさせる突当て部を有し、シャッタ部材が、シール部材と接する側の面であって装着方向前端部に、シール部材から離間した離間部を有し、上記突当て部が上記シール部材とシャッタ部材の離間部との隙間に入り込んだ形状を有し、突当て部とシャッタ部材の離間部の形状とにより上記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3は、請求項2記載の画像形成装置において、容器支持部材がさらに、トナー容器の装着方向へのスライドにより支持部材開口部に近づいてきたシャッタ部材の干渉を受けてシャッタ部材により弾性的に押し退けられシャッタ部材が装着方向に更に進んでシャッタ部材との干渉が解除されるとシャッタ部材の装着方向後端に回り込んでシャッタ部材の取外し方向へのスライドを阻止する係止爪を有し、その係止爪がシャッタ部材の装着方向後端部に重なって後端部の浮き上がりを抑えるものであって、上記突当て部とシャッタ部材の上記離間部の形状とに加え、さらに、係止爪とシャッタ部材の装着方向後端部の形状とにより、上記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4は、請求項1記載の画像形成装置において、容器支持部材が、トナー容器の前記装着方向へのスライドにより支持部材開口部に近づいてきたシャッタ部材の干渉を受けてシャッタ部材により弾性的に押し退けられ、シャッタ部材が装着方向に更に進むとシャッタ部材との干渉が解除されシャッタ部材の装着方向後端に回り込んでシャッタ部材の取外し方向へのスライドを阻止する係止爪を有し、その係止爪がシャッタ部材の装着方向後端部に重なることによって後端部の浮き上がりを抑えるものであって、係止爪とシャッタ部材の装着方向後端部の形状とにより上記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5は、
補給用トナーを収容し装着方向へのスライド操作および装着方向とは逆向きの取外し方向へのスライド操作によりそれぞれ装着されおよび取外されるトナー容器と、
装着方向へのスライド操作により装着されたトナー容器を支持する容器支持部材と、
容器支持部材に支持された前記トナー容器内のトナーを、トナーの供給を受けるトナー被供給体に供給するトナー供給器とを備え、
上記トナー容器が、そのトナー容器内のトナーを送り出す容器開口部を有する容器筐体と、その容器開口部と連通する穴を有し、容器筐体の、容器開口部を取り巻く領域に貼着された、弾性を有するシール部材と、容器開口部を塞ぐ閉塞位置と閉塞位置からのスライドにより容器開口部を開放し、かつ装着方向前端の少なくとも一部がシール部材と重なった状態にある開放位置との間でスライド自在であって、容器支持部材に未装着の状態では閉塞位置にあり、装着時に該開放位置に移動し、取外し時に該閉塞位置に移動するシャッタ部材とを有し、
容器支持部材が、装着された状態のトナー容器の容器開口部と連通する位置に形成された、容器開口部から送り出されたトナーをトナー被供給体に向けて通過させる支持部材開口部を有し、さらに、
開放位置にあるシャッタ部材の前記装着方向前端部がシール部材により押されることに起因するシャッタ部材の装着方向後端部の浮き上がりを防止する浮上り防止機構を有することを特徴とするトナー供給装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の画像形成装置および請求項5のトナー供給装置によれば、トナー容器の取外しの際のトナーによる装置汚れが抑えられる。
【0012】
請求項2の画像形成装置によれば、トナー容器取外しの際に、シャッタ部材が開放位置から閉塞位置に確実に移動する。
【0013】
請求項3の画像形成装置によれば、トナー容器の取外しの際に、シャッタ部材が閉塞位置にさらに確実に移動する。
【0014】
請求項4の画像形成装置によれば、トナー容器の取外しの際に、シャッタ部材が閉塞位置に確実に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成装置の一例としての複写機の外観斜視図である。
【図2】図1に外観を示す複写機の内部構成図である。
【図3】トナー容器から現像器へのトナー供給経路を示した模式図である。
【図4】トナー容器が容器支持部材上を装着方向にスライドされて、そのトナー容器の容器開口部が容器支持部材の支持部材開口部に近づいてきた状態を示した図である。
【図5】図4と比べトナー容器が装着方向にさらに移動した状態における、図4と同様な図である。
【図6】図5と比べトナー容器が装着方向にさらに移動して最終の装着状態に達した状態における、図4(A)と同様な図である。
【図7】図6と同じ最終の装着状態におけるトナー容器を下から(容器支持部材側から)眺めたときの平面図である。
【図8】互いに重なった状態にある支持部材開口部および容器開口部とシャッタ部材の、比較例を示す模式断面図である。
【図9】シャッタ部材の前端部に特徴を有する実施形態(第2実施形態)における図8に示す比較例と同様の図である。
【図10】シャッタ部材の前端部に特徴を有する第3実施形態における、図8,図9と同様の図である。
【図11】シャッタ部材の後端部に特徴を有する第4実施形態における、図8〜図10と同様の図である。
【図12】シャッタ部材の後端部に特徴を有する第5実施形態における、図8〜図11と同様の図である。
【図13】シャッタ部材の前端部と後端部の双方に特徴を有する第1実施形態における、図8〜図12と同様の図である。
【図14】シャッタ部材の前端部と後端部との双方に特徴を有する第6実施形態における、図8〜図13と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は、画像形成装置の一例としての複写機の外観斜視図である。
【0018】
この複写機1は、原稿読取部1Aと画像形成部1Bとを有する。
【0019】
原稿読取部1Aには、原稿が重ねられた状態に置かれる原稿給紙台11が備えられている。この原稿給紙台11上に置かれた原稿は1枚ずつ送り出され、その原稿に記録されている文字や画像が読み取られて原稿排紙台12上に排出される。
【0020】
また、この原稿読取部1Aは、奥側を左右に延びるヒンジを有し、そのヒンジを回転中心として、原稿給紙台11および原稿排紙台12を一体的に持ち上げることができ、その下には、透明ガラス製の原稿読取板13(図2参照)が広がっている。この原稿読取部1Aでは、原稿給紙台11に原稿を置くことに代えて原稿読取板13上に原稿を1枚だけ下向きに置き、その原稿読取板13上の原稿から文字や画像を読み取ることもできる。
【0021】
この原稿読取板13の前側には、ユーザに向けて様々なメッセージを表示し、また、様々な操作ボタンを表示して、ユーザからの、原稿読取りや画像形成の指示等の操作を受ける表示操作部14が備えられている。
【0022】
この原稿読取部1Aは、その全体が支持フレーム15により支持されている。
【0023】
また、画像形成部1Bは、その上面に画像が形成された用紙が排出される排紙台21が設けられている。またこの画像形成部1Bの前面には、内部の、トナー容器等の部品の交換や搬送中に詰まった用紙の除去のために開けられる前カバー22を備えている。また、その下には、画像形成前の用紙が積み重ねられた状態に収容される引き出し型の3台の給紙台23_1,23_2,23_3が収容されている。
【0024】
また、この画像形成部1Bの左側面には、搬送中に詰まった用紙を取り除くときに開かれる横カバー24が設けられている。
【0025】
さらに、この画像形成部1Bの底面には、この画像形成部1Bを移動可能とする車輪251が取り付けられている。
【0026】
図2は、図1に外観を示す複写機の内部構成図である。
【0027】
透明ガラス製の原稿読取板13の下には、原稿読取光学系30が配備されている。この原稿読取光学系30は、ランプ311とミラー312とを有する第1ブロック31と、2枚のミラー321,322を有する第2ブロック32と、画像を表わす光を読み取って画像信号を生成する光電センサ33とを有する。
【0028】
第1ブロック31と第2ブロック32は、原稿読取板13に沿って矢印A−A’方向に移動可能であり、初期状態では、図2に示す左寄りの位置にある。
【0029】
原稿給紙台11上に置かれた原稿Sは、1枚ずつ送り込まれ、搬送ローラ16により原稿読取板13に接する搬送経路17上を搬送される。原稿Sは、原稿読取板13に接して搬送される際にランプ311により照射され、原稿Sからの反射光がミラー312,321,322で反射されて光電センサ33で読み取られ、その原稿Sに記録されていた文字や画像を表わす画像信号が生成される。ランプ311による照射を受けた原稿Sはさらに搬送されて原稿排紙台12上に送り出される。
【0030】
原稿が原稿読取板13上に置かれたときは、第1ブロック31および第2ブロック32が、原稿読取板13上の原稿の読取位置と光電センサ33との間の光学的な距離を常に同一に保つように矢印A方向に移動する。そして、その間、ランプ311が原稿を照射し、光電センサ33でその原稿上の文字や画像が読み取られて画像信号に変換される。
【0031】
光電センサ33で得られた画像信号は画像処理部34に入力される。光電センサ33で得られた画像信号はR(レッド)、G(グリーン)、およびB(ブルー)の各色を表わす画像信号であり、画像処理部34は、このRGBの画像信号をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の4色分からなる画像データに変換して一時的に記憶する。そして、後述する潜像形成のための露光の時期に合わせて露光制御部41に送信される。
【0032】
この画像形成部1Bには露光器42が備えられており、潜像形成にあたっては、露光制御部41から露光器42にY、M,C,Kの画像データが送り込まれ、露光器42から、各Y,M,C,Kの各画像データにより変調された各露光光421Y,421M,421C,421Kが発せられる。
【0033】
また、この図2には、露光制御部41に隣接した位置に主制御部40が示されている。この主制御部40は、マイクロコンピュータと、そのマイクロコンピュータで実行されるプログラムとで構成されていて、露光制御部41、表示操作部14(図1参照)、画像処理部34、その他図示しない各種電源回路や駆動回路等に接続され、この複写機1の全体の制御を担っている。
【0034】
画像形成部1Bの下部には、前述した3台の給紙台23_1,23_2,23_3が左右の案内レール24_1,24_2,24_3に支持されて収容されている。各給紙台23_1,23_2,23_3には、用紙Pが積み重なった状態に収容されている。各給紙台23_1,23_2,23_3は、用紙Pの補給のために、案内レール24_1,24_2,24_3に案内されて引出し自在に構成されている。
【0035】
それら3台の給紙台23_1,23_2,23_3のうちの、表示操作部14(図1参照)の操作等により指定された給紙台(ここでは一例として給紙台23_1とする)からは、用紙Pがピックアップロール25により送り出され、さばきロール26により1枚ずつに分離され、その1枚の用紙Pが搬送ロール27により上方に搬送され、待機ロール28によりそれ以降の搬送のタイミングが調整されて、さらに上方に搬送される。この待機ロール28以降の用紙の搬送については後述する。
【0036】
この画像形成部1Bの中央部分には、Y,M,C,Kの各色のトナーによるトナー像を形成する4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kが配置されている。これら4つの像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kは、使用するトナーの色が異なることを除き、互いに同一の構成を有するため、ここでは像形成ユニット50Yを取り挙げてその構成を説明する。
【0037】
この像形成ユニット50Yは、図2に矢印Bで示す向きに回転する感光体51を有し、その感光体51の周囲に、帯電器52、現像器53、およびクリーナ55が配置されている。また、後述する中間転写ベルト61を感光体51との間に挟んだ位置には、転写器54が置かれている。
【0038】
感光体51はロール形状を有し、帯電により電荷を保持し露光によりその電荷を放出してその表面に静電潜像を保持する。
【0039】
帯電器52は、感光体51の表面をある帯電電位に帯電する。
【0040】
また、この画像形成部1Bは、前述した露光器42を有する。この露光器42には、露光制御部41から画像信号が入力され、その入力された画像信号に応じて変調された露光光421Y,421M,421C,421Kを出力する。像形成ユニット50Yを構成する感光体51は、帯電器52による帯電を受けた後、露光器42からの露光光421Yの照射を受け、感光体51の表面に静電潜像が形成される。
【0041】
感光体51は、露光光421Yの照射を受けて表面に静電潜像が形成された後、現像器53により現像され、その感光体51の表面にトナー像(この像形成ユニット50Yではイエロー(Y)のトナーによるトナー像)が形成される。
【0042】
現像器53は、内部にトナーとキャリアとからなる現像剤を収容したケース531内に、現像剤を攪拌する2本のオーガ532_1,532_2と、現像剤を感光体51に対向した位置に運ぶ現像ロール533とを有する。感光体51上に形成された静電潜像の現像にあたっては、現像ロール533にバイアス電圧が印加され、そのバイアス電圧の作用により、現像剤中のトナーが、感光体51上に形成された静電潜像に従って感光体51上に付着し、トナー像が形成される。
【0043】
現像器53による現像により感光体51上に形成されたトナー像は、転写器54の作用により中間転写ベルト61上に転写される。
【0044】
この転写後に感光体51上に残存するトナーは、クリーナ55によって感光体51上から取り除かれる。
【0045】
中間転写ベルト61は、複数のロール62に架け回された、無端の、矢印C方向に循環移動するベルトである。
【0046】
像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kのそれぞれで形成された各色トナーによるトナー像は、順次重なるように中間転写ベルト61上に転写され、転写器63が配置された二次転写位置に搬送される。これと同期して、待機ロール28にまで搬送されてきていた用紙が二次転写位置に搬送され、転写器63の作用により、中間転写ベルト61上のトナー像が、搬送されてきた用紙上に転写される。このトナー像の転写を受けた用紙は、さらに搬送され、定着器64による加圧および加熱により用紙上のトナー像がその用紙上に定着され、定着されたトナー像からなる画像が用紙上に形成される。画像が形成された用紙はさらに搬送され、排出ローラ65により、排紙台21上に排出される。
【0047】
転写器63によりトナー像を用紙上に転写した後の中間転写ベルト61はさらに循環移動し、その表面に残存するトナーがクリーナ66によって中間転写ベルト61上から取り除かれる。
【0048】
また、画像形成部1Bの、中間転写ベルト61よりも上方には、容器支持部材29Y,29M,29C,29Kが設けられている。これらの容器支持部材29Y,29M,29C,29Kには、イエロー(Y)、マゼンタ(M),シアン(C)、および黒(K)の各色トナーを収容するトナー容器67Y,67M,67C,67Kが装着されている。トナー容器67Y,67M,67C,67Kを容器支持部材29Y,29M,29C,29Kに装着するにあたっては、操作者により、トナー容器67Y,67M,67C,67Kを装着方向(この図2の紙面の上から紙面を貫く方向)にスライドさせるスライド操作が行なわれ、このスライド操作により装着される。また、トナー容器67Y,67M,67C,67Kを容器支持部材29Y,29M,29C,29Kから取り外す際は、操作者により、装着方向とは逆向きの取外し方向へのスライド操作が行なわれて、そのスライド操作により取り外される。容器支持部材29Y,29M,29C,29Kに装着されたトナー容器67Y,67M,67C,67Kからは、それらのトナー容器67Y,67M,67C,67Kに収容されている各色トナーが、各現像器53に対応して備えられた各トナー供給器73(図3参照)を経由して、対応する各現像器53におけるトナー消費量に応じて各現像器に補給される。
【0049】
図3は、トナー容器から現像器へのトナー供給経路を示した模式図である。
【0050】
この図3、および後述する各図において、例えばトナー容器についてはトナー容器67として示すなど、使用するトナーの色に無関係の構成要素については、トナーの色を区別するためのY,M,C,Kの符号を省いて示している。
【0051】
この図3には、感光体51、露光器42、現像器53、トナー容器67、容器支持部材29、およびトナー供給器73が示されている。ここで、現像器53には、前述の通り、ケース531、2本のオーガ532_1,532_2、現像ロール533を備えている。さらにここには、ケース531に収容された現像剤80、2本のオーガ532_1,532_2が配置された部屋の、図3の紙面に垂直な方向の両隅を除く中央部分を仕切る仕切り壁534、現像ロール533上に形成される現像剤の層厚を規制する層厚規制部535が示されている。
【0052】
感光体51は、図示の矢印Bの向きに回転しながら帯電器52(図2参照)による帯電を受け露光器42からの露光光421の照射を受けて表面に静電潜像が形成され、さらに現像器53による現像により、その感光体51の表面にトナー像が形成される。
【0053】
現像器53のケース531内の現像剤80はトナーとキャリアを有し、2本のオーガ532_1,532_2により図3の紙面に垂直な向きに循環移動されながら撹拌されている。
【0054】
このケース531内の現像剤80は、矢印E方向に回転する現像ロール533の表面に付着し、層厚規制部材535により層厚の規制を受けて感光体51に対向した位置に搬送される。その対向した位置において、感光体51の表面に形成された静電潜像に応じて現像剤中のトナーが感光体51の表面に付着して感光体51上にトナー像が形成される。現像ロール533上の現像剤は、現像ロール533の回転に伴ってさらに搬送され、ケース531内で現像ロール533から離れ、オーガ532_1,532_2により撹拌される。このようにして、感光体51上の静電潜像の現像にトナーが使用されることによりケース531内の現像剤80を構成するトナーが消費されると、ケース531内の現像剤80はキャリアの比率が高まることになる。
【0055】
そこで、その現像器53のケース531内のトナーの減少を補うように、容器支持部材29上に支持されたトナー容器67内のトナー81が現像器53に供給される。トナー81が現像器53に供給されるにあたっては、トナー供給器73内で回転するトナー搬送部材731が現像器53内のトナーの消費に応じて回転し、このトナー搬送部材731によりトナーがトナー供給器73内を矢印Jで示す向きに搬送され、現像器53のケース531内に収容される。トナー容器67からトナー供給器73を経由して現像器53に収容されたトナーは、オーガ532_1,532_2により、現像器53のケース531内の現像剤80とともに撹拌される。
【0056】
ここで、トナー容器67は、トナー81を収容する容器筐体671を有し、その容器筐体671の、トナー容器67が容器支持部材29により下から支持された状態における下面には、容器開口部672が形成されている。この容器開口部672からは、トナー容器67に収容されていたトナー81がトナー供給器73に向けて送り出される。またこのトナー容器67はこの容器開口部672を塞ぐシャッタ部材673を備えている。このトナー容器67は、容器支持部材29上を、図2の紙面の上方から図2の紙面に垂直な方向(装着方向)にスライド操作されることにより容器支持部材29上に装着された状態に支持される。また、このトナー容器67は、逆方向(取外し方向)にスライド操作されることにより、容器支持部材29上から取り外される。ここで、このトナー容器67に設けられたシャッタ部材673は、容器開口部672を塞ぐ閉塞位置と容器開口部672を開放した開放位置との間でスライド自在であって、容器支持部材29への未装着の状態では閉塞位置にある。このシャッタ部材673は、トナー容器67が装着方向にスライドされて容器支持部材29に装着されると、装着方向へのスライドに伴って閉塞位置から開放位置に移動する。またこのシャッタ部材673は、トナー容器67が容器支持部材29上に装着されている状態から取外し方向にスライドされると、そのスライドにより開放位置から閉塞位置にスライドする。
【0057】
また、容器支持部材29は、装着された状態のトナー容器67の容器開口部672と連通する位置に、上方に開口した支持部材開口部291を有する。この支持部材開口部291は、トナー供給器73の入口であり、装着された状態のトナー容器67の容器開口部672から送り出されたトナー81をトナー供給器73に向けて通過させる。このようにして、トナー容器67内のトナー81は、容器開口部672および支持部材開口部291を通過してトナー供給器73に入る。
【0058】
トナー供給器73内のトナー搬送部材731は、上述した通り現像器53内のトナーの消費に応じて回転し、その消費に応じた分のトナーが現像器53に供給される。
【0059】
図4は、トナー容器が容器支持部材上を装着方向にスライドされて、そのトナー容器の容器開口部が容器支持部材の支持部材開口部に近づいてきた状態を示した図である。図4(A),(B)は、それぞれ、トナー容器の容器開口部近傍の断面図(A)と、シャッタ部材のみを残してトナー容器を取り去ったときの、上から(トナー容器側から)眺めた平面図(B)である。
【0060】
また、図5(A),(B)は、図4と比べトナー容器が装着方向にさらに移動した状態における、図4(A),(B)とそれぞれ同様な図である。
【0061】
さらに、図6は、図5と比べトナー容器が装着方向にさらに移動して最終の装着状態に達した状態における、図4(A)と同様な図である。
【0062】
さらに図7は、図6と同じ最終の装着状態におけるトナー容器を下から(容器支持部材側から)眺めたときの平面図である。
【0063】
図4(A)に示すように、トナー容器67の容器筐体671内には、回転により内部のトナー(図示せず)を撹拌する撹拌部材674が設けられている。この攪拌部材674は、その端部に設けられたカップリング部材675を介して画像形成部1B(図1,図2参照)の本体側からの回転駆動力を受けて回転し、内部のトナーを撹拌しながら容器開口部672に運ぶ役割りを担っている。
【0064】
また図4(A)の左下隅には、容器支持部材29に設けられた、支持部材開口部291が示されている。図示の矢印Kは、装着方向を示している。また、この容器支持部材29は、突当て部292を有する。この突当て部292は、図5に示すように、トナー容器67の装着方向(矢印K方向)へのスライドにより支持部材開口部291に近づいてきたシャッタ部材673の装着方向前端673aの突き当てを受ける壁部である。この突当て部292は、シャッタ部材673の装着方向前端673aの突き当てを受けて、シャッタ部材の装着方向への更なるスライドを阻止する。このため、トナー容器67の容器筐体671がさらに装着方向にスライドすると、突当て部292は、そのシャッタ部材673を、容器開口部672を塞いでいた閉塞位置(図4(A)、図5(A)参照)から容器開口部672を開放した開放位置(図6参照)に、容器筐体671に対し相対的にスライドさせる。
【0065】
また、容器支持部材29は、トナー容器67が装着方向(矢印K方向)に移動してきたときにシャッタ部材673の側面673bと干渉する位置に片持ち梁形状の係止爪293(図4(B)参照)が設けられている。トナー容器67が装着方向(矢印K方向)にスライドされてくると、係止爪293の先端部293aがシャッタ部材673と干渉して図4(B)に示すように押し退けられて係止爪293が弾性的に撓み、そのシャッタ部材673の側面673bがその係止爪293の先端部293aを擦るようにしてさらに装着方向に進む。そして、シャッタ部材673が、その前端673aが突当て部292に突き当てられる直前の位置まで進むと、係止爪293は、図5(B)に示すように、シャッタ部材673との干渉が解除されて係止爪293の先端部293aがシャッタ部材673の後端673cに回り込み、シャッタ部材673の、取外し方向(矢印Kとは逆の方向)へのスライドが阻止された状態となる。
【0066】
トナー容器67は、容器支持部材29への装着にあたり、シャッタ部材673の前端673aが突当て部292に突き当てられた後もさらに装着方向(矢印K方向)にスライドし、最終的に図6,図7に示す状態となる。すなわち、シャッタ部材673の前端673aが突当て部292に突き当てられた状態でトナー容器67がさらに装着方向(矢印K方向)にスライドした結果、シャッタ部材673は、容器筐体671に対し相対的に矢印K方向とは逆向きにスライドして、容器開口部672を開放した開放位置(図6,図7に示す位置)に移動する。そして容器開口部672が、支持部材開口部291と連通した位置で装着完了となる。
【0067】
図7に示すように、トナー容器67は、シール部材676を有する。このシール部材676には、容器開口部672と連通する穴676aが形成されており、容器筐体671の、容器開口部672を取り巻く領域に貼り付けられている。シャッタ部材673は、容器筐体671に対し相対的に、容器開口部672を塞いだ閉塞位置と、容器開口部672を開放した、図7に示す開放位置との間でスライドするが、そのスライドの際、シャッタ部材673は、そのシール部材676上をスライドする。
【0068】
このように、本実施形態では、容器開口部672を取り巻く領域にシール部材676が貼り付けられている。このため、シャッタ部材673が閉塞位置にあるときは、容器筐体671の容器開口部672の周りの領域とシャッタ部材673とでシール部材676を挟んだ状態となり、トナーの洩れが防止される。またシャッタ部材673が開放位置にあるときは、シール部材676は、図6に示すように、容器筐体671の容器開口部672の周りの領域と容器支持部材29の支持部材開口部291の周りの領域とに挟まれた状態となる。これにより、容器開口部672から送り出されたトナーが支持部材開口部291を通過せずに外部に漏れてしまうことが防止される。
【0069】
また、このシャッタ部材673は、図7に示すように、開放位置にあるときも、その前端673aはシール部材676と重なった位置にある。このように、開放位置にあるときもシャッタ部材673の一部をシール部材676と重ねた状態にしておくことにより、開放位置から閉塞位置にスライドする際にシャッタ部材673がシール部材676に突き当たってシール部材676を捲り上げてしまったり、シャッタ部材673が閉塞位置に移動しないことなどの事故が防止される。
【0070】
トナー容器67を容器支持部材29から取り外す際は、トナー容器67は、装着方向(矢印K方向)とは逆向きの取外し方向にスライドされる。シャッタ部材673は、図5(B)に示すように、装着方向後端(取外し方向前端)673cが係止爪293により係止されているため取外し方向に移動することはできない。このため、容器筐体671の取外し方向へのスライドにより、その容器筐体671に対し相対的に図5に示す開放位置から、容器開口部291を塞ぐ閉塞位置へとスライドする。シャッタ部材673が閉塞位置に移動したタイミングで容器筐体671に設けられた係止解除リブ679(図7参照)が
係止爪293(図5(B)参照)を横に押し退ける。すると、シャッタ部材673は、係止爪293による係止から解放され、容器開口部672を塞いだ閉塞位置にスライドした状態のまま、容器筐体671とともにトナー容器67の全体が取り外される。
【0071】
ここで、シャッタ部材673は、容器開口部672と向き合う側の面673dの、装着方向前端部に、装着方向前端673aに向かうほど容器開口部672から離れる向きに離間した斜面673eを有する。
【0072】
また、突当て部292は、シャッタ部材673の前端673aが突き当てられた際にそのシャッタ部材673の斜面673eと面接触するように斜面に形成されている。
【0073】
また、シャッタ部材673の装着方向(矢印K方向)の後端673cには、図4(B)に示すように、係止爪293側の隅に、装着方向後方に突出した突出部673iを有する。また、これに対応して、係止爪293の先端部293aには、シャッタ部材673の突出部673iに対応した部分が段状に窪んだ段部293bを有する。
【0074】
トナー容器67が装着状態にあるときは、図6に示すように、シャッタ部材673の前端部の斜面673eが斜面に形成された突当て部292に突き当たり、かつ、シャッタ部材673の後端の突出部673iの上に係止爪293の先端部293aに設けられた段部293bが重なった状態となる。
【0075】
以下では、これまで説明してきた実施形態(第1実施形態と称する)とは一旦離れ、シャッタ部材673と突当て部292との相互作用、およびシャッタ部材673と係止爪293との相互作用について詳細に説明する。
【0076】
図8は、互いに重なった状態にある支持部材開口部および容器開口部とシャッタ部材の、比較例を示す模式断面図である。
【0077】
ここでは、分かり易さのため、例えばシャッタ部材については比較例であるかいずれの実施形態であるかを問わずに、形状の相違があっても符号‘673’を付して示すなど、同一の概念の要素には形状等の相違を超えて同一の符号を付して示している。
【0078】
上述の第1実施形態におけるシャッタ部材673(例えば図6や、後述する図12参照)の装着方向前端部には、容器開口部672と向き合う側面673dに、装着方向前端673aに向かうほど容器開口部672から離れる向きに離間した斜面673eを有する。これに対し、この図8に示す比較例としてのシャッタ部材673の前端部に形成されている斜面673eは、容器開口部672と向き合う側の面673dではなく、その面673dに対する裏面673kに形成されている。これに対応して、突当て部292も、第1実施形態における突当て部292(例えば図6,図12参照)とは逆斜め向きの斜面となっている。
【0079】
シャッタ部材673は、トナー容器の容器筐体に対し、ある程度の遊びをもって取り付けられている。トナー容器は人間によって装着方向、取外し方向にスライドされるが、トナー容器を容器支持部材上にスライドさせる際、容器支持部材に対するトナー容器の姿勢の自由度が小さいと操作性が極めて悪い。このためトナー容器の操作性を向上させるために容器支持部材に対しトナー容器が多少傾いた姿勢でスライド操作されてもそれを受け入れるようにガタを持たせている。この一貫としてシャッタ部材にもガタを持たせている。
【0080】
また、シャッタ部材673は、閉塞位置にあるときには、そのシール部材676を、容器筐体の、容器開口部672の周囲の部分との間に挟み込むことにより、容器開口部672からのトナーの洩れを防止するものであり、このためシール部材676は、上下方向(容器筐体との間にシール部材676を挟む方向)に関しシール部材676を少し押圧した位置にある。さらに、シャッタ部材673は、開放位置から閉塞位置へのスライドを円滑にするために、開放位置においても、そのシャッタ部材673の装着方向(矢印K方向)の前端部がシール部材676と重なった位置にある。このため、開放位置にあるシャッタ部材673の、シール部材676と重なった前端部は、その前端部で押し潰されたシール部材676により、図13に矢印Mで示す下方向に押される。
【0081】
この前端部が下方向に押されると、上述のガタを持たせていることから、何も対策を採らなかったときは、このシャッタ部材673の後端部が図8に矢印Nで示す上方向に回転し、シャッタ部材673は、図13に一点鎖線で示した状態となる。
【0082】
すると、トナー容器は容器支持部材に対しガタを持っているためトナー容器を容器支持部材から取り外す際のトナー容器の姿勢によっては、シャッタ部材673の後端673cに対する本来はその後端673cを係止している係止爪293による係止が、シャッタ部材673が閉塞位置に移動して容器開口部672を塞ぐ前に外れてしまい、容器開口部672がシャッタ部材673で完全には閉じられない状態のまま引き出され、トナー汚れが生じるおそれがある。
【0083】
図8に示す比較例の場合、シャッタ部材673の前端部に斜面673eが形成され、突当て部292の斜面と面接触することによりシャッタ部材673の前端部がシール部材676により矢印M方向に押されても突当て部292がシャッタ部材673の斜面673eに干渉してシャッタ部材673の回転が防止されるように一応は考えられる。しかしながら、シャッタ部材673は、その前後が突当て部292と係止爪293とに挟まれた状態にはあるものの、突当て部292に斜面673eが突き当てられた状態ではシャッタ部材673の後端673cと係止爪293との間には隙間がある。このため、トナー容器が取外し方向(矢印Kとは逆の方向)にスライドを開始すると、そのスライドの初期においてシャッタ部材673はその後端673cが係止爪293に突き当てられるまで容器筐体とともに取外し方向に移動する。このため、この取外し方向へのスライドの初期においてシャッタ部材673は突当て部292から離れ、その時にシール部材676からの矢印M方向への力が加わると、図8に一点鎖線で示した姿勢となり勝ちである。上述の通り、トナー容器は操作性向上のために容器装着部材に対しある程度の姿勢の自由度をもって操作することができるように構成されている。このため、取外し方向へのスライドの際のトナー容器の姿勢によっては、図8に一点鎖線で示したシャッタ部材673の姿勢も手伝って、シャッタ部材673の後端673cが係止爪293に正しく突き当たらずに外れてしまうことがある。シャッタ部材673の後端673cが係止爪293から外れると、トナー容器を取外し方向にさらにスライドさせたときに容器開口部672がシャッタ部材673で正しく塞がれることなくトナー容器が取り出されてしまい、そのトナー容器内に残存していたトナーが容器開口部672から洩れ出して装置汚れや操作者の衣服の汚れ等が生じるおそれがある。
【0084】
図9は、前述の第1実施形態とは異なるが、シャッタ部材673の前端部に特徴を有する実施形態(第2実施形態)における図8に示す比較例と同様の図である。
【0085】
この図9に示す第2実施形態の場合、シャッタ部材673の装着方向(矢印K方向)の前端部に、前述の第1実施形態(例えば図6,図12参照)と同様の斜面673eが形成されている。すなわち、この第2実施形態における斜面673eは、装着方向前端部であってシール部材676と接する側の面673dに、装着方向(矢印K方向)の前端673aに向かうほど容器開口部672から離れる向きに離間した形状の斜面である。またこれに対応して、突当て部292も、シャッタ部材673の斜面673eとシール部材676との隙間に入り込んだ形状の斜面に形成されている。このため、図8に示す比較例と比べると、このシャッタ部材673を、その前端673aから長い範囲dにわたってシール部材676と重ねることができる。すると、図8に示す比較例と比べ、シール部材676から押される力点がシャッタ部材673の後端673c側に寄った位置となる。このため、シール部材676から、図8に示す比較例の場合と同じ強さの力を受けた場合であっても、図8に一点鎖線で示したような、シャッタ部材676の後端673cの浮き上がりが生じにくい。したがって、トナー容器を取外し方向にスライドさせたとき、シャッタ部材673の後端673cが係止爪293に突き当たり、シャッタ部材673が容器開口部672を塞いだ閉塞位置に確実にスライドし、トナーによる汚れが防止される。
【0086】
図10は、シャッタ部材673の前端部に特徴を有する第3実施形態における、図8,図9と同様の図である。
【0087】
この図10に示す第3実施形態のシャッタ部材673の装着方向(矢印K方向)の前端部には、シール部材676と接する側の面に、そのシール部材676から段状に離間した段部673gを有する。これに対応して突当て部292は、シャッタ部材673のシール部材676から離間した段部673gとシール部材676との隙間に入り込む段形状に形成されている。このような段構造によっても、図9に示す斜面の構造と同様、シール部材676から押される力点をシャッタ部材673の後端673c側に寄せることができ、これによりシャッタ部材673の後端673cの浮き上がりを防止ないし低減させることができる。したがって、トナー容器取外しの際にシャッタ部材を確実に閉塞位置に移動させ、トナーによる汚れの防止が図られる。
【0088】
図11は、今度はシャッタ部材の後端部に特徴を有する第4実施形態における、図8〜図10と同様の図である。
【0089】
この図11の第3実施形態のシャッタ部材673は、その後端に、後方に向かって突出した突出部673iが形成されている。尚、この突出部673iは、前述の第1実施形態における突出部673i(図4(A)参照)と同様、係止爪293側にのみ形成されているものであって、したがってこの図11は厳密な断面図からは外れるが、この図11においても、分かり易さのために模式的に示してある。以下に説明する各図についても同様である。
【0090】
また、この突出部673iに対応して、係止爪293には、段状に窪んだ段部293bが形成されている。シャッタ部材673が開放位置にあるときには、係止爪293の段部293bがシャッタ部材673の突出部673iの上に重なり、したがってシャッタ部材673の前端部がシール部材676から力を受けたとしてもシャッタ部材673の後端の浮き上がりが防止される。したがってトナー容器の取り外しの際、シャッタ部材673は容器開口部672を塞ぐ閉塞位置に確実に移動し、トナーによる汚れが防止される。
【0091】
図12は、図11に示す第4実施形態と同様にシャッタ部材の後端部に特徴を有する第5実施形態における、図8〜図11と同様の図である。
【0092】
この図12に示す第5実施形態のシャッタ部材673の後端部には、斜面673jが形成されており、係止爪293にもその斜面673jに向き合う斜面293cが形成されている。シャッタ部材673が開放位置にあるときには係止爪293の斜面293cがシャッタ部材の斜面673jの上に重なり、したがって、図11に示す第4実施形態の場合と同様、シャッタ部材673の前端部がシール部材676から力を受けてもシャッタ部材673の後端の浮き上がりが防止される。したがってトナー容器の取り外しの際、シャッタ部材673は容器開口部672を塞ぐ閉塞位置に確実に移動し,トナーによる汚れが防止される。
【0093】
図13は、前述の第1実施形態、すなわち、シャッタ部材の前端部と後端部の双方に特徴を有する第1実施形態における、図8〜図12と同様の図である。
【0094】
この図13における第1実施形態のシャッタ部材673の前端部の斜面673e、および斜面形状の突当て部292については図9に示す第2実施形態と同じであり、シール部材676から受ける力の力点をシャッタ部材673の後端寄りにずらすことによりシャッタ部材673の後端の浮き上がりを抑えている。また、この図13にに示す第1実施形態におけるシャッタ部材673の後端部の突出部673iと係止爪293の段部293bについては、図11に示す第4実施形態と同じであり、シャッタ部材673の突出部673iを係止爪293の段部293bで上から抑えることにより、シャッタ部材673の後端の浮き上がりを防止している。
【0095】
このように図13に示す第1実施形態の場合は、シャッタ部材673の後端の浮き上がりが一層確実に防止され、したがってトナーによる汚れも一層確実に防止される。
【0096】
図14は、図13に示す第1実施形態と同様、シャッタ部材の前端部と後端部との双方に特徴を有する第6実施形態における、図8〜図13と同様の図である。
【0097】
この図14における第6実施形態のシャッタ部材673の前端部の斜面673e、および斜面形状の突当て部292については図9に示す第2実施形態と同じであり、シール部材676から受ける力の力点をシャッタ部材673の後端寄りにずらすことによりシャッタ部材673の後端の浮き上がりを抑えている。また、この図14に示す第6実施形態におけるシャッタ部材673の後端部の斜面673iと係止爪293の斜面293cについては、図12に示す第5実施形態の場合と同じであり、シャッタ部材673の斜面673jを係止爪293の斜面293cで上から抑えることにより、シャッタ部材673の後端の浮き上がりを防止している。このようにこの図14に示す第6実施形態の場合、図13に示す第1実施形態の場合と同様、シャッタ部材673の後端の浮き上がりが一層確実に防止され、したがってトナーによる汚れも一層確実に防止される。
【0098】
尚、ここでは、図1,図2に示す複写機を例に挙げて説明したが、本発明は、複写機に限られるものではない。本発明は、トナーで現像するタイプの画像形成装置であればその形態の如何を問うものではなく、例えばプリンタやファクシミリなどにも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 複写機
1A 原稿読取部
1B 画像形成部
29,29Y,29M,29C,29K 容器支持部材
50Y,50M,50C,50K 像形成ユニット
51 感光体
52 帯電器
53 現像器
54 転写器
61 中間転写ベルト
63 転写器
64 定着器
65 排出ローラ
67,67Y,67M,67C,67K トナー容器
73 トナー供給器
80 現像剤
81 トナー
291 支持部材開口部
292 突当て部
293 係止爪
293a 先端部
293c,673e,673j 斜面
293b,673g 段部
671 容器筐体
672 容器開口部
673 シャッタ部材
673a 前端
673b 側面
673c 後端
673d 面
673i 突出部
673k 裏面
674 撹拌部材
675 カップリング部材
676 シール部材
676a 穴
679 係止解除リブ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像の形成を受けさらにトナーによる現像を受けてトナー像を保持する像保持体と、
内部にトナーを収容し前記像保持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像器と、
補給用トナーを収容し装着方向へのスライド操作および該装着方向とは逆向きの取外し方向へのスライド操作によりそれぞれ装着されおよび取外されるトナー容器と、
前記装着方向へのスライド操作により装着された前記トナー容器を支持する容器支持部材と、
前記容器支持部材に支持された前記トナー容器内のトナーを、前記現像器内のトナーの消費に応じて該現像器に供給するトナー供給器と、
前記像保持体由来のトナー像を記録媒体上に転写する転写器と、
前記記録媒体上に転写されたトナー像を該記録媒体上に定着する定着器とを備え、
前記トナー容器が、該トナー容器内のトナーを送り出す容器開口部を有する容器筐体と、該容器開口部と連通する穴を有し、該容器筐体の、該容器開口部を取り巻く領域に貼着された、弾性を有するシール部材と、該容器開口部を塞ぐ閉塞位置と該閉塞位置からのスライドにより該容器開口部を開放し、かつ前記装着方向前端の少なくとも一部が前記シール部材と重なった状態にある開放位置との間でスライド自在であって、該容器支持部材に未装着の状態では該閉塞位置にあり、装着時に該開放位置に移動し、取外し時に該閉塞位置に移動するシャッタ部材とを有し、
前記容器支持部材が、装着された状態の前記トナー容器の前記容器開口部と連通する位置に形成された、該容器開口部から送り出されたトナーを前記トナー供給器に向けて通過させる支持部材開口部を有し、さらに、
前記開放位置にある前記シャッタ部材の前記装着方向前端部が前記シール部材により押されることに起因する該シャッタ部材の前記装着方向後端部の浮き上がりを防止する浮上り防止機構を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記容器支持部材が、前記トナー容器の前記装着方向へのスライドにより該支持部材開口部に近づいてきた前記シャッタ部材の該装着方向前端の突き当てを受けて該シャッタ部材の該装着方向への更なるスライドを阻止することにより該シャッタ部材を前記容器筐体に対し相対的に前記閉塞位置から前記開放位置にスライドさせる突当て部を有し、
前記シャッタ部材が、前記シール部材と接する側の面であって前記装着方向前端部に、該シール部材から離間した離間部を有し、
前記突当て部が前記シール部材と前記シャッタ部材の前記離間部との隙間に入り込んだ形状を有し、該突当て部と該シャッタ部材の該離間部の形状とにより前記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記容器支持部材がさらに、前記トナー容器の前記装着方向へのスライドにより該支持部材開口部に近づいてきた前記シャッタ部材の干渉を受けて該シャッタ部材により弾性的に押し退けられ該シャッタ部材が該装着方向に更に進んで該シャッタ部材との干渉が解除されると該シャッタ部材の該装着方向後端に回り込んで該シャッタ部材の前記取外し方向へのスライドを阻止する係止爪を有し、前記係止爪が前記シャッタ部材の前記装着方向後端部に重なって該後端部の浮き上がりを抑えるものであって、前記突当て部と該シャッタ部材の前記離間部の形状とに加え、さらに、該係止爪と該シャッタ部材の前記装着方向後端部の形状とにより、前記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記容器支持部材が、前記トナー容器の前記装着方向へのスライドにより前記支持部材開口部に近づいてきた前記シャッタ部材の干渉を受けて該シャッタ部材により弾性的に押し退けられ、該シャッタ部材が該装着方向に更に進むと該シャッタ部材との干渉が解除され該シャッタ部材の該装着方向後端に回り込んで該シャッタ部材の前記取外し方向へのスライドを阻止する係止爪を有し、前記係止爪が前記シャッタ部材の前記装着方向後端部に重なることによって該後端部の浮き上がりを抑えるものであって、該係止爪と該シャッタ部材の該装着方向後端部の形状とにより前記浮上り防止機構が構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
補給用トナーを収容し装着方向へのスライド操作および該装着方向とは逆向きの取外し方向へのスライド操作によりそれぞれ装着されおよび取外されるトナー容器と、
前記装着方向へのスライド操作により装着された前記トナー容器を支持する容器支持部材と、
前記容器支持部材に支持された前記トナー容器内のトナーを、トナーの供給を受けるトナー被供給体に供給するトナー供給器とを備え、
前記トナー容器が、該トナー容器内のトナーを送り出す容器開口部を有する容器筐体と、該容器開口部と連通する穴を有し、該容器筐体の、該容器開口部を取り巻く領域に貼着された、弾性を有するシール部材と、該容器開口部を塞ぐ閉塞位置と該閉塞位置からのスライドにより該容器開口部を開放し、かつ前記装着方向前端の少なくとも一部が前記シール部材と重なった状態にある開放位置との間でスライド自在であって、該容器支持部材に未装着の状態では該閉塞位置にあり、装着時に該開放位置に移動し、取外し時に該閉塞位置に移動するシャッタ部材とを有し、
前記容器支持部材が、装着された状態の前記トナー容器の前記容器開口部と連通する位置に形成された、該容器開口部から送り出されたトナーを前記トナー被供給体に向けて通過させる支持部材開口部を有し、さらに、
前記開放位置にある前記シャッタ部材の前記装着方向前端部が前記シール部材により押されることに起因する該シャッタ部材の前記装着方向後端部の浮き上がりを防止する浮上り防止機構を有することを特徴とするトナー供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−97000(P2013−97000A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236375(P2011−236375)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】