説明

画像形成装置における現像装置

【課題】画像形成装置本体に着脱可能に構成され、本体からバイアス電源が供給される現像装置における、現像ローラや磁気ローラ(供給ローラ)、及び現像剤層厚規制部材などに電源を確実に供給できるようにする。
【解決手段】導電性弾性部材により形成され、一側に蚊取り線香状に形成した平面状接点部と、該平面状接点部を画像形成装置本体に設けられた接点方向に押圧する押圧部と、他側に現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部と、さらに、例えば磁気ローラと現像剤層厚規制部材を同一電位にする場合は、これら平面状接点部とコイル状部との間、または端部に、現像剤層厚規制部材に設けられた端子に嵌め込むコイル状部とを、同一の導電性弾性部材により形成して給電できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、画像形成装置本体から取り外し可能に構成し、簡単な構成のバイアス電源供給部材を備えた画像形成装置における現像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置においては、感光体上に形成された潜像を現像するため現像装置が用いられる。この現像装置は、現像剤を担持して感光体に対面する現像ローラや、内部に固定磁石を有した磁気ローラ、現像剤層厚を規制する層厚規制部材、現像槽に溜めた現像剤を攪拌する攪拌部材などで構成され、現像剤を移動させるため、種々のバイアス電源がこれら現像ローラや磁気ローラ、層厚規制部材などに供給される。
【0003】
こういった現像装置は、カートリッジ式にして画像形成装置本体に着脱可能にしたものも多く、このように着脱可能とした場合、バイアス電源供給のために画像形成装置本体とカートリッジ式現像装置に接点部材を用意し、画像形成装置本体に現像装置を装着した際、画像形成装置本体側からバイアス電源を供給できるようにしている。
【0004】
そして、現像装置に設けた接点から、現像ローラや磁気ローラ(供給ローラ)、及びブレードなどに電源を供給する場合、ピアノ線状のバネ材用ステンレス鋼線、リン青銅線等からなるバイアス電極の一端をコイルスプリング状にする方法があるが、この方法は現像装置への取付が難しい。また、電極板に圧接したり、現像剤担持体の長手方向両端部にコイルバネを用いてバイアス電源を給電する方法では、コイルバネを差し込む構造が必要となって使用可能な場所が限られ、また、板バネによる電極構造は、板金加工が必要となることからその分コストアップとなる。
【0005】
そのため、例えば特許文献1には、装置本体側から1つの接点で、現像ローラとトナー層厚規制部材とのそれぞれに異なる電圧を供給するため、画像形成装置本体側に設けられた接点に接触するコイルバネを設け、該コイルバネと現像ローラとを線材で結んで現像ローラには直接電源を印加し、トナー層厚規制部材には、線材により、途中にツェナーダイオードを介してコイルバネとトナー層厚規制部材を結び、ツェナーダイオードにより電源電圧を降下させて、トナー層厚規制部材に適した電圧を印加できるようにした画像形成装置が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、現像器の側面に取り付けられたカバー部材に、現像ローラの回転軸に電気的接続された第一接点部材、供給ローラの回転軸に電気的接続された第二接点部材、ブレードの支持板に電気的に接続された第三接点部材を線材で形成して固定し、それぞれの線材を折り曲げ、画像形成装置本体に対する接点部を形成した現像器が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−248767号公報
【特許文献2】特開2005−70402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら特許文献1に開示された画像形成装置は、コイルバネで形成した1つの接点で、現像ローラとトナー層厚規制部材とのそれぞれに異なる電圧を供給するためのものであり、コイルバネに現像ローラとトナー層厚規制部材へ繋げる線材を別々に接続する必要があり、その分、配線や接続のための工数が必要となる。
【0009】
また、特許文献2に開示されている現像器では、単に現像ローラ、供給ローラ、ブレードのそれぞれに、線材で作った接点を接触させると共に、それぞれの線材を折り曲げ、画像形成装置本体に対する接点部を形成しているだけで、部品点数がそれだけ増えてそれぞれの線材を加工する工数が増え、また、接点不良の発生率もそれだけ増えてしまう。
【0010】
一方、特許文献2にも記されているように、ピアノ線状のバネ材用ステンレス鋼線、リン青銅線等からなるバイアス電極の一端をコイルスプリング状にする方法では取付方法が難しく、電極板に圧接したり、現像剤担持体の長手方向両端部にコイルバネを用いてバイアス電源を給電する方法では、コイルバネを差し込む構造が必要となって使用可能な場所が限られ、また、板バネによる電極構造は、型を作ったり板金加工する必要があって、その分コストアップとなる。
【0011】
そのため本発明においては、画像形成装置本体の接点に確実に接触し、現像ローラや磁気ローラ(供給ローラ)、及び現像剤層厚規制部材などに電源を供給すると共に、例えば磁気ローラや現像剤層厚規制部材などに同一電圧を供給するような場合でも、部品点数を増やすことなく簡単な構成で、確実に電源を供給できるようにした画像形成装置における現像装置を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明になる画像形成装置における現像装置は、
画像形成装置本体に着脱可能に構成された現像装置であって、
該現像装置は、電子写真方式で潜像が形成される感光体に対面し、現像剤を担持する現像ローラと、該現像ローラと対面し、固定マグネットを内包した回転スリーブを有して前記現像ローラに現像剤を供給する磁気ローラと、該磁気ローラにおける前記現像ローラとの対向位置の回転方向上流側に、磁気ローラと所定間隔を有して軸方向に延在された現像剤層厚規制部材とを有し、前記磁気ローラと現像剤層厚規制部材、及び現像ローラに、前記画像形成装置本体からバイアス電源が供給される画像形成装置における現像装置において、
導電性弾性部材における一側に、前記画像形成装置本体の接点に接する平面状接点部と、該平面状接点部を画像形成装置本体に設けられた接点方向に押圧する押圧部とを形成し、他側に前記現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部を形成して、画像形成装置本体から、前記平面状接点部を介してバイアス電源を供給することを特徴とする。
【0013】
このように、画像形成装置本体から現像装置にバイアス電源を供給するため、例えば蚊取り線香状に形成した平面状接点部と該平面状接点部を押圧する押圧部と、現像ローラまたは磁気ローラのシャフトに嵌合させるコイル状部とを形成して給電することで、画像形成装置本体側接点には、平面状接点部が押圧部で押圧されているから確実に接点に接触させることができ、また、現像ローラや磁気ローラに対してはコイル状部がシャフトに嵌合されるから、これも確実にシャフトへの給電をおこなうことができる。なお、導電性弾性部材を線状バネ部材とすると、板バネのように金型や板金加工の必要がなく、簡単に加工してコイル状部や平面状接点部を形成でき、また、例えば板金構成とした場合は板金の幅として一般的に3mm以上必要となるが、線状バネ部材の場合、0.3mm〜0.5mm程度で良く、スペース的にも自由度を高くすることができてシャフトへの嵌合も確実に行える接点とすることかできる。
【0014】
また、前記導電性弾性部材に、前記現像剤層厚規制部材に設けられた端子部に嵌め込み、前記端子部径より小さい内径としたコイル状部を形成することで、例えば磁気ローラと現像剤層厚規制部材を同電位としながら給電する場合、現像剤層厚規制部材用に特別に接点を設ける必要がなく、現像装置の組立なども簡単になって、それだけコスト上昇を抑えることができる。
【0015】
さらに、前記平面状接点部を押圧する押圧部はコイル状に形成され、該押圧部は、前記現像装置に設けられて前記押圧部を囲繞して嵌合させる保持部で保持するようにしたり、前記現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部は前記シャフト径より小さい内径とし、該コイル状部を覆う保護カバーが設けられていることで、押圧部を現像装置に確実に取り付けることができ、また、コイル状部に誤って触って感電するなどの事故を未然に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、導電性弾性部材の一側に形成した平面状接点部が押圧部により画像形成装置本体側接点に押圧され、現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトには他側に形成したコイル状部がしっかり嵌合するから、画像形成装置本体からの給電を確実に現像ローラまたは磁気ローラに対して行うことができる。
【0017】
また、例えば磁気ローラと現像剤層厚規制部材とを同電位としながら給電する場合でも、平面状接点部とコイル状部とを形成した導電性弾性部材に、現像剤層厚規制部材に形成した端子部に嵌合させるコイル状部を形成することで、現像剤層厚規制部材用に特別に接点を設ける必要がなく給電することが可能となり、現像装置の組立なども簡単になって、それだけコスト上昇を抑えることができる。
【0018】
さらに、押圧部とコイル状部に対して保持部や保護カバーを設けることで、現像装置への接点部の取り付けを確実に行ったり、誤って触って感電するなどの事故を未然に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0020】
最初に本発明の概略を簡単に説明する。本発明における現像装置は、現像ローラや磁気ローラ(供給ローラ)、現像剤層厚規制部材や現像剤を攪拌する攪拌部材などを有して構成され、画像形成装置本体に着脱可能で、画像形成装置本体から、現像ローラや磁気ローラ、現像剤層厚規制部材にバイアス電源を供給するようになっている。
【0021】
そして、この着脱可能とした現像装置の現像ローラや磁気ローラ、現像剤層厚規制部材に確実にバイアスを供給するため、線状の導電性バネ部材(導電性弾性部材)を用い、一端に蚊取り線香状に形成した平面状接点部と、この平面状接点部を画像形成装置本体の接点方向に押圧するコイル状の押圧部とを形成する。また、他端部、またはその途中に、現像ローラや磁気ローラのシャフト径より多少小さめの内径としたコイル状部を形成し、それによって画像形成装置本体の接点への接触と現像ローラや磁気ローラへの給電を行うようにした。
【0022】
また、磁気ローラと現像剤層厚規制部材に同電位のバイアスを給電する場合は、磁気ローラに給電するための導電性バネ部材(導電性弾性部材)に、現像剤層厚規制部材に設けた端子径より多少小さめの径としたコイル状部を形成し、それによって現像剤層厚規制部材にも給電できるようにした。
【0023】
さらに、コイル状の押圧部に対しては現像装置に、押圧部を囲繞して嵌合させる保持部を設け、現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部に対しては、コイル状部に嵌合して覆う保護カバーを設けて、押圧部を現像装置に確実に取り付けることができると共に、コイル状部に誤って触って感電するなどの事故を未然に防ぐことができるようにした。
【0024】
このように接点を、線状の導電性バネ部材で形成することで、例えば板金構成とした場合は板金の幅として一般的に3mm以上必要となるが、線状の導電性バネ部材の場合、0.3mm〜0.5mm程度で良く、スペース的にも自由度を高くすることができるというメリットもある。
【0025】
以上が本発明になる画像形成装置における現像装置の概略であるが、以下、図面に従って本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の説明では本発明を、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤を用い、電子写真方式で潜像が形成される感光体に対面した現像ローラと、該現像ローラに現像剤を供給する磁気ローラ、及び攪拌部材を筐体に回転可能に配し、さらに現像剤層厚規制部材を設けた現像装置を例に説明するが、本発明は上記形式の現像装置だけでなく、種々の形態の現像装置に適用できることはあきらかである。
【0026】
まず図6を用い、画像形成装置を構成する感光体と現像装置の概略を説明する。この図6に示された現像装置は、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤を用い、感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像する現像装置の一例概略を示す図である。図示の画像形成装置は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラム17を備えており、感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10、転写器(転写ローラ)19及びクリーニング装置21等が配置されている。
【0027】
感光体ドラム17の表面を帯電器16で均一に帯電した後、感光体ドラム17の表面を露光装置18で画像データに応じて露光することで、感光体ドラム17上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置10によって現像されてトナー像となり、転写ローラ19と感光体ドラム17とのニップ部に搬送された用紙22上に転写される。そして用紙22が定着装置(図示せず)に搬送され、ここでトナー像が用紙22上に定着された後、例えば、排紙トレイに排紙される。なお、感光体ドラム17上に残ったトナーは、クリーニング装置21によって除去される。
【0028】
現像装置10は現像装置筐体20を備え、この現像装置筐体20には2成分現像剤が収納されている。また、現像装置筐体20内には、筐体底部近傍に長手方向を軸方向として並列に攪拌ローラ(ミキサー)11及び12が配され、2成分現像剤が攪拌、搬送されながら帯電される。攪拌ローラ11及び12の間の軸方向には、筐体底部から立設された仕切り壁201が設けられ、攪拌ローラ11の図上上側には、磁気ローラ14が配置されている。この磁気ローラ14には、現像ローラ(現像ローラ)15が対面して配置され、さらに現像ローラ15は、現像装置筐体20の開口側に面して感光体ドラム17と対面している。
【0029】
磁気ローラ14は、複数の磁極を有する固定マグネットローラ体14aを内包する非磁性の回転スリーブ14bを有しており、例えば、回転スリーブ14bは、図中実線矢印で示す方向に回転駆動される。そして現像ローラ15は、回転スリーブ15aを有しており、回転スリーブ15aは、磁気ローラ14との対面位置(対向位置)において回転スリーブ14bとその回転方向が逆向きとなっている(回転スリーブ15aの回転方向は図中実線矢印で示されている)。
【0030】
なお、現像装置筐体20には、磁気ローラ14における現像ローラ15との対向位置との上流側に、層現像剤層厚規制部材13が、回転スリーブ14bの長手方向(図6において紙面の表側から裏側に延びる方向)に沿って取り付けられている。そして、現像剤層厚規制部材13の先端部と回転スリーブ14bとの表面には、僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0031】
図6に示す現像装置10においては、攪拌ローラ11及び12によって2成分現像剤が攪拌されつつ現像装置筐体20内を循環し、トナーが帯電されると共に、攪拌ローラ11上の2成分現像剤が上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成し、その磁気ブラシが現像剤層厚規制部材13によって層厚規制され、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差で現像ローラ15上にトナー層を形成する。そして、現像ローラ15上のトナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0032】
こうして現像が行われた後、現像ローラ15上の現像に使われずに残ったトナー層は、前述の磁気ローラ14との対向位置において磁気ローラ14と最接近し、この対向位置で、2成分現像剤による磁気ブラシの機械的な力によって掻き取られるとともに、磁気ローラ14と現像ローラ15との間に形成される電位差(つまり、電界)に応じ、磁気ローラ14上の現像剤層からトナーが現像ローラ15側に供給されることになる。
【0033】
図5は、本発明になる画像形成装置における現像装置10の外観斜視図であり、図中15は以上説明してきた現像ローラ、141は磁気ローラ14のシャフトに電圧を印加する接点を保護するカバー、131は現像剤層厚規制部材13の端部に設けられ、磁気ローラ14と同電位とするための電圧印加用のフック状端子、111、112は攪拌ローラ(ミキサー)11、12を回転させるための歯車機構、23は現像装置筐体20への現像剤補給口であるが、図6に説明した他の部材は現像装置筐体20に覆われて隠されている。
【0034】
図1は、本発明になる画像形成装置における現像装置を構成する、ドクターブレード13、磁気ローラ14へのバイアス電源供給のため、線状の導電性バネ部材で構成した接点部材の接続状況を示す斜視図である。
【0035】
前記したように本発明になる現像装置におけるバイアス電源供給部材は、導電性の線状の導電性バネ部材(導電性弾性部材)30で構成され、画像形成装置本体の接点との接触部には、蚊取り線香状に形成した平面状接点部301と、この平面状接点部301を画像形成装置本体に設けられた接点方向に押圧するコイル状の押圧部302とが形成されている。また、この線状の導電性バネ部材30の他端部、またはその途中に、磁気ローラ14(現像ローラ15であっても良い)のシャフト径より多少小さな内径としたコイル状部304が形成され、そのコイル状部304がシャフトに嵌め込まれて磁気ローラ14(または現像ローラ15)への給電を行うようにしてある。
【0036】
また、磁気ローラ14と現像剤層厚規制部材13に同電位のバイアスを給電する場合は、磁気ローラ14に給電する線状の導電性バネ部材30に、現像剤層厚規制部材13に設けたフック状の端子131に嵌合するよう、端子131の最大幅より多少小さな内径とした密着コイル状部を形成し、それ端子131に嵌め込んで現像剤層厚規制部材13にも給電できるようにした。
【0037】
このようにすることで、コイル状部(押圧部)302により平面状接点部301が画像形成装置本体の接点方向に押圧され、平面状接点部301が画像形成装置本体の接点に確実に接触させることができる。また、現像ローラ15や磁気ローラ14に対しては、コイル状部304がローラのシャフトに嵌合されるから、コイル状部304によりシャフトが締め付けられて、確実な接点とすることができる。さらに、磁気ローラ14と現像剤層厚規制部材13に同電位のバイアスを給電する場合は、コイル状部303を現像剤層厚規制部材13のフック状端子131に嵌合させるから、現像剤層厚規制部材13への給電も確実に行うことができ、画像形成装置本体の接点から、現像ローラ15や磁気ローラ14、現像剤層厚規制部材13へ確実に給電することができる。
【0038】
図2は、以上説明してきた線状の導電性バネ部材で構成した接点部材の、コイル状に形成した部位を位置決めする、現像装置側部材を加えた状態を示した斜視図である。
【0039】
図1から明らかなように、平面状接点部301とコイル状の押圧部302とは、その周囲にこれらを保持する構造がないと、画像形成装置本体側接点との接触が確実にできない。また、コイル状部304もむき出しの状態では、人が誤って触れたりした場合、感電する可能性がある。
【0040】
図2は、こういったことを防止する構造を示したもので、平面状接点部301とコイル状の押圧部302とは、現像装置10の筐体20に設けられてコイル状の押圧部302を半ば囲繞し、嵌合させる保持部40に保持されるようになっている。すなわちこの保持部40は、コイル状の押圧部302を嵌め込む入り口がコイル状の押圧部302の外径より少し小さく形成され、内部のコイル状の押圧部302を保持する部位は、コイル状の押圧部302の外径と同径か少し小さく形成されている。
【0041】
そのためコイル状の押圧部302は、この保持部40に押し込むと容易に外れず、保持されて、平面状接点部301を図示していない画像形成装置本体の接点に押圧することができる。なお、この保持部40の隣に設けられた保持部41は、現像ローラ15へバイアス電源を供給する図示していないコイル状の押圧部を保持する保持部である。
【0042】
図3は、このコイル状の押圧部302を保持部40に固定した状態を、現像装置10の下部から見た斜視図である。この図3により判るように、平面巻き状部301は保持部40の下側に突出し、現像装置10を画像形成装置本体に装着したとき、画像形成装置本体側接点と確実に接触させることができ、かつ、その接触圧は、コイル状の押圧部302によって調節も可能であるから、好適な接点とすることができる。
【0043】
再度図2に戻って、磁気ローラ14のシャフトに嵌合させるコイル状部304は、そのコイル状部304から間をおき、カタカナの「コ」の字状に形成された保護部42で上下を囲繞されている。
【0044】
また、コイル状部304を覆う部材を装着した状態を図4に示したように、このコイル状部304を、コイル状部304の外径より多少小さい内径とした絶縁材の保護カバー141で覆うことで、人が誤って触れたりした場合の感電を防止するようにしている。
【0045】
なお、以上の説明では、現像剤層厚規制部材13への給電部であるコイル状部303を、平面巻き状部301に続くコイル状部(押圧部)302とコイル状部304との間に設けたが、この順序は最短で結ぶことができれば逆にしても良いことは勿論である。
【0046】
また、画像形成装置本体側接点については言及しなかったが、本体側接点は、切削ピンや板バネで形成しても良く、線状の導電性バネ部材でも構わない。ただし線状の導電性バネ部材の場合、平面巻き状部301に絡まらないよう、本体側接点も平面巻き等にするなどの工夫が必要である。
【0047】
以上種々述べてきたように本発明によれば、導電性弾性部材の一側に形成した平面状接点部が押圧部により画像形成装置本体側接点に押圧され、現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトには他側に形成したコイル状部がしっかり嵌合するから、画像形成装置本体からの給電を確実に現像ローラまたは磁気ローラに対して行うことができる。
【0048】
また、例えば磁気ローラと現像剤層厚規制部材とを同電位としながら給電する場合でも、平面状接点部とコイル状部とを形成した導電性弾性部材に、現像剤層厚規制部材に形成した端子部に嵌合させるコイル状部を形成することで、現像剤層厚規制部材用に特別に接点を設ける必要がなく給電することが可能となり、現像装置の組立なども簡単になって、それだけコスト上昇を抑えることができる。
【0049】
さらに、押圧部とコイル状部に対して保持部や保護カバーを設けることで、現像装置への接点部の取り付けを確実に行ったり、誤って触って感電するなどの事故を未然に防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、画像形成装置本体に着脱できるようにした現像装置におけるバイアス電源供給を、部品点数を増やすことなく簡単な構成で、確実に行うことができ、画像形成装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明になる画像形成装置における現像装置を構成する、現像剤層厚規制部材13、磁気ローラ14へのバイアス電源供給のため、線状の導電性バネ部材で構成した接点部材の接続状況を示す斜視図である。
【図2】本発明になる現像装置における、線状の導電性バネ部材で形成した接点部材のコイル状に構成した部位を位置決めする、現像装置側部材を加えた状態を示した斜視図である。
【図3】本発明になる現像装置における、線状の導電性バネ部材で形成した接点部材の画像形成装置本体側接点との接続部を、現像装置下部から見た斜視図である。
【図4】本発明になる現像装置における、線状の導電性バネ部材で構成した接点部材を覆う部材を装着した現像装置端部の斜視図である。
【図5】本発明になる画像形成装置における現像装置の外観斜視図である。
【図6】画像形成装置を構成する感光体と現像装置の概略を説明するための図である。
【符号の説明】
【0052】
10 現像装置
13 現像剤層厚規制部材
131 フック状端子
14 磁気ローラ
141 保護カバー
15 現像ローラ
23 現像剤補給口
30 線状の導電性バネ部材
301 平面巻き状部
302 コイル状部(押圧部)
303 コイル状部
304 コイル状部
40、41 第1の接点部を構成するコイル状の押圧部302の保持部
42 第2の接点部を構成するコイル状部304の保護部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能に構成された現像装置であって、
該現像装置は、電子写真方式で潜像が形成される感光体に対面し、現像剤を担持する現像ローラと、該現像ローラと対面し、固定マグネットを内包した回転スリーブを有して前記現像ローラに現像剤を供給する磁気ローラと、該磁気ローラにおける前記現像ローラとの対向位置の回転方向上流側に、磁気ローラと所定間隔を有して軸方向に延在された現像剤層厚規制部材とを有し、前記磁気ローラと現像剤層厚規制部材、及び現像ローラに、前記画像形成装置本体からバイアス電源が供給される画像形成装置における現像装置において、
導電性弾性部材における一側に、前記画像形成装置本体の接点に接する平面状接点部と、該平面状接点部を画像形成装置本体に設けられた接点方向に押圧する押圧部とを形成し、他側に前記現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部を形成して、画像形成装置本体から、前記平面状接点部を介してバイアス電源を供給することを特徴とする画像形成装置における現像装置。
【請求項2】
前記導電性弾性部材に、前記現像剤層厚規制部材に設けられた端子部に嵌め込み、前記端子部径より小さい内径としたコイル状部を形成したことを特徴とする請求項1に記載した画像形成装置における現像装置。
【請求項3】
前記平面状接点部を押圧する押圧部はコイル状に形成され、該押圧部は、前記現像装置に設けられて前記押圧部を囲繞して嵌合させる保持部で保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載した画像形成装置における現像装置。
【請求項4】
前記現像ローラまたは磁気ローラにおけるシャフトに嵌合させるコイル状部は前記シャフト径より小さい内径とし、該コイル状部を覆う保護カバーが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した画像形成装置における現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−197588(P2008−197588A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35558(P2007−35558)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】