説明

画像形成装置及び液体現像剤の凝集度判定方法

【課題】
画像形成装置で使用する液体現像剤(トナー粒子)の凝集度を簡易な構成で判定する。また、判定された凝集度に応じて液体現像剤を分散させ、高品質な画像の提供を図る。
【解決手段】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を搬送する搬送部37、721と、搬送された液体現像剤を貯留する貯留槽78、及び貯留槽78に貯留された液体現像剤の液位を検知する液位検出部材76を有する貯留部と、液位検知部材76で検知された液体現像剤の液位に基づいて貯留槽78に貯留される液体現像剤の液位の変動を算出するとともに、算出された液位の変動に基づいて貯留槽78に貯留された液体現像剤の凝集度を判定する判定部100と、を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナー及びキャリア液からなる液体現像剤によって現像し、現像された像を記録紙などの記録材に転写することで画像形成する画像形成装置、及び、画像形成装置で使用される液体現像剤の凝集度を判定する凝集度判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナーを分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
このような液体現像剤を用いた画像形成装置では、静電潜像の可視化に寄与しなかった液体現像剤を再度利用することで、液体現像剤を効率的に利用する各種試みが実施されている。
【0004】
特許文献1には、現像剤回収補給部から現像剤容器内の供給部に液体現像剤を供給し、供給部から仕切を介して溢れた液体現像剤を回収部にて回収し、回収された液体現像剤を現像剤回収補給部に戻すことで、液体現像剤を循環させる画像形成装置について開示されている。
【0005】
特許文献2には、現像タンク、液体トナータンク、液体トナー供給手段、液体トナー回収手段のうち少なくとも1以上の箇所に超音波振動子を備えた液体現像装置が記載されている。超音波振動子で液体現像剤に超音波振動を与えることで、液体現像剤中にトナー凝集物が生成されても、現像工程において再使用可能なトナー粒子にまで分散させ、トナーを無駄なく利用するとともに、トナー凝集物による現像画像の品質低下を防止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−75552号公報
【特許文献2】特開2000−330385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示されるように、液体トナーの循環系に超音波振動子を配置することで、液体トナーの凝集を解消することは可能とはなるものの、この液体現像装置では超音波振動子を一律に駆動することが開示される程度である。液体トナー(液体現像剤)の状態は、画像形成における各種プロセス条件によって変化するものであって、このように一律に超音波振動子を駆動した場合には、液体現像剤の状態に対応することはできない。
【0008】
液体現像剤の凝集状態を判定することが出来れば、その後、凝集状態解消のため適切な処理を行うことも可能となるが、液体現像剤の凝集状態を判定するための構成は見当たらず、特に、簡易な構成で液体現像剤の凝集状態を判定することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を搬送する搬送部と、前記搬送部で搬送された液体現像剤を貯留する貯留槽、及び前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位を検知する液位検出部材を有する貯留部と、前記液位検知部材で検知された液体現像剤の液位に基づいて前記貯留槽に貯留される液体現像剤の液位の変動を算出するとともに、算出された液位の変動に基づいて前記貯留槽に貯留された液体現像剤の凝集度を判定する判定部と、を有することを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部、前記液体現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を供給する供給部材、及び前記供給部材により供給された液体現像剤を担持する現像剤担持体、及び前記現像剤担持体をクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部材を有する現像部を有し、前記搬送部は、前記クリーニング部材で回収された液体現像剤を搬送することとしている。
【0011】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記貯留部は、前記貯留槽に配設されて駆動する分散手段を有し、前記判定部で判定された前記凝集度に応じて、前記分散手段を駆動させる制御部を有することとしている。
【0012】
さらに、本発明に係る画像形成装置において、前記制御部は、前記判定部で判定された前記貯留槽に貯留された液体現像剤が第1の凝集度である場合、前記分散手段を第1の出力で駆動させ、前記測定部で判定された前記貯留槽に貯留された液体現像剤が前記第1の凝集度よりも高い第2の凝集度である場合、前記分散手段を前記第1の出力よりも大きい第2の出力で駆動させることとしている。
【0013】
さらに、本発明に係る画像形成装置において、前記分散手段は、超音波振動子としている。
【0014】
さらに、本発明に係る画像形成装置において、前記分散手段は、攪拌部材であることとしている。
【0015】
さらに、本発明に係る画像形成装置は、前記液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度の液体現像剤を貯留し、前記貯留槽へ供給するにトナー貯留部と、前記キャリア液を貯留し、前記貯留槽に前記キャリア液を供給するするキャリア液貯留部と、前記貯留槽に配設されて前記貯留槽に貯留された液体現像剤のトナー濃度を検知する濃度検知部材を有し、前記制御部は、前記液位検知部材で検知された前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位と、前記濃度検知部材で検知された液体現像剤のトナー濃度に基づいて、前記トナー貯留部から前記貯留槽への前記液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度の液体現像剤の供給、もしくは、前記キャリア液貯留部から前記貯留槽への前記キャリア液の供給を制御することとしている。
【0016】
さらに、本発明に係る画像形成方法は、トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を貯留槽に搬送し、前記液体現像剤が搬送された前記貯留槽に、貯留された液体現像剤の液位を検知し、検知された液体現像剤の液位に基づいて、前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位の変動を算出し、算出された液体現像剤の液位の変動により、前記貯留槽に貯留された液体現像剤の凝集度を判定することを特徴としている。
【0017】
以上、本発明の画像形成装置および凝集度判定方法によれば、貯留槽内に液位検出部材を設けるという簡易な構成で、液体現像剤の凝集度を判定することが可能となる。
【0018】
さらに、判定した凝集度に基づいて分散手段を制御する構成を採用することで、凝集度に応じた適切な分散処理を行うことも可能となり、凝集の少ない液体現像剤で画像形成することで高品質な画像を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の主要構成を示す図。
【図2】画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図。
【図3】画像形成部、現像部の側面図、及び、現像剤供給部の断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る液位変動の様子を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係る超音波振動子駆動の様子を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御の様子を示す図。
【図8】画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態に係る液位変動の様子(低凝集時)を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態に係る液位変動の様子(高集時)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示した図である。本実施形態の画像形成装置は、転写ベルト40と、感光体10Y、10M、10C、10Kを主要構成とする4つの画像形成部と、各感光体10Y、10M、10C、10K(本発明でいう「潜像担持体」)に対応して配設された4つの現像装置30Y、30M、30C、30Kと、図中、転写ベルト40の右側に配設されている2次転写部と、図中、転写ベルト40の左側に配設されているクリーニング部などによって構成されている。
【0021】
以下、画像形成部及び現像装置30Y、30M、30C、30Kについては、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるため、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0022】
現像部30Yは、液体現像剤により感光体10Y上に形成された潜像を現像する装置であって、現像ローラー20Yと、現像ローラー20Yに液体現像剤を供給する供給部材としての中間ローラー32Y、アニロックスローラー33Yなどと、液体現像剤を貯蔵する液体現像剤容器31Yと、現像ローラー20Y上のトナーを帯電させるトナー帯電器22Yを主な構成要素としている。
【0023】
現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、中間ローラー32Y、トナー帯電器22Yが配されている。中間ローラー32Yは、その表面を現像ローラー20Yと供給ローラー33Yに当接させており、その外周には中間ローラークリーニングブレード34Yが配設されている。
【0024】
アニロックスローラー33Yには、現像剤貯留部311Yから汲み上げた液体現像剤の量を調整する規制部材35Yが当接している。なお、本実施形態の現像装置のように中間ローラー32Yを用いた3ローラー方式では、中間ローラー32Yが供給ローラー33Yに当接することで液体現像剤の量を調整することが可能であるため、この規制部材35Yを配設しない構成とすることも可能である。
【0025】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、
常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0026】
アニロックスローラー33Yは、中間ローラー32Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能する。このアニロックスローラー33Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー33Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図に示すように供給ローラー33Yは時計回りに回転して、中間ローラー32Yに液体現像剤を塗布する。
【0027】
規制部材35Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー33Yの表面に当設し、アニロックスローラー33Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0028】
中間ローラー32Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように、現像ローラー20Yと同様、反時計回りに回転し、現像ローラー20Yに対しカウンター当接する。中間ローラー32Yは現像ローラー20Yと同様に、金属製の内心の外周部に弾性層を設けて構成される。
【0029】
中間ローラー32Yと現像ローラー20Yとの当接位置下流には、中間ローラークリーニングブレード34Yが当接して配設され、現像ローラー20Yに供給されなかった液体現像剤を掻き取って現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに回収する。
【0030】
現像ローラー20Yは、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように反時計回りに回転する。現像ローラー20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。
【0031】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配設され、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去する。現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下して再利用される。
【0032】
トナー帯電器22Y(バイアス印加部)は、現像ローラー20Yの表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、現像ローラー20Yによって搬送される液体現像剤は、このトナー帯電器22Yと近接する位置でコロナ放電による電界が印加され帯電される。
【0033】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って順に配設された、2基のコロナ帯電器11Y、11Y’、露光ユニット12Y、感光体スクイーズ装置、1次転写部50Y、感光体クリーニングブレード18Yなどによって構成される。この画像形成部は感光体10Yの外周上、露光ユニット12Yと第1スクイーズローラー13Yとの間において現像部30Yの現像ローラー20Yと当接する。
【0034】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0035】
2基のコロナ帯電器11Y、11Y’は、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側において、コロナ帯電器11Y、11Y’によって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。
【0036】
1次転写部50Yの上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置されている。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材からなる第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’、感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’にて構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア液及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、カブリトナーを感光体スクイーズローラー13Y、13Y’側に誘引するためバイアス電圧が印加されている。
【0037】
感光体スクイーズローラークリーニングブレード14Y、14Y’は、各感光体スクイーズローラー13Y、13Y’に当接して設けられ、回収されたキャリア液やカブリトナーを含んだ液体現像剤を掻き落として、現像剤容器31Y内の回収液貯留部312Yに滴下する。
【0038】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。この1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写バックアップローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部50Yにおいては、1次転写バックアップローラー51Yに印加される転写バイアスの作用によって、感光体10Y上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0039】
1次転写部50Yの下流側において、感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上のキャリア成分リッチな液体現像剤をクリーニングする。
【0040】
転写ベルト40(転写部材)は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。この転写ベルト40は、ベルト駆動ローラー41、テンションローラー42にて張架され、PFA表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。本実施形態の画像形成装置では、転写させるための部材として、転写ベルト40を用いているが、ベルトに限らず、ローラー、ドラムなど各種の転写部材を採用することも可能である。
【0041】
感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写バックアップローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置することで形成される1次転写部50Y、50M、50C、50Kでは、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、転写ベルト40上にフルカラーのトナー
像を形成する。
【0042】
2次転写ユニット60は、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト駆動ローラー41と対向配置され、両者によって2次転写部(ニップ部)を形成する。この2次転写部では、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像が転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写される。さらに、シート材搬送経路Lの下流には、図示しない定着ユニットが配設され、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像に熱や圧力を加えて定着させる。
【0043】
2次転写ユニットに対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101’によって転写材を2次転写部まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色あるいはフルカラーのトナー像を転写材に転写する。
【0044】
テンションローラー42は、駆動ローラー41と共に中間転写体40を張架しており、中間転写体40のテンションローラー42に張架されている箇所にて、転写ベルト40をクリーニングするクリーニングブレード46が当接して配設される。
【0045】
このような画像形成装置において、各色毎の画像形成部、現像部に対し液体現像剤を供給する現像剤供給部について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係る画像形成部、現像部の側面図、及び、現像剤供給部の断面図である。
【0046】
図2に示されるように現像部30Yにおける現像剤容器31Y内には、現像ローラー20Yに対して供給する液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部311Yと、回収した液体現像剤を貯留する回収液貯留部312Yが配設されている。また、これら液体現像剤貯留部311Yと回収液貯留部312Yは、仕切板313Yにて仕切られている。
【0047】
図3には、回収液貯留部312Y側からみた現像部30Yの側面図が示されている。この図に示されるよう、仕切板313Yは、その両端部が一部切り欠かれた形状となっており、両端部での高さが一段低くなっている。この切り欠き部で、現像剤貯留部311から回収液貯留部側に液体現像剤を溢れさせる(オーバーフロー)ことで、現像剤貯留部311内での液位を一定に保ち、アニロックスローラー33Yに安定して液体現像剤を供給することが可能となっている。また、回収した回収液貯留部312Y内の現像剤が現像剤貯留部311Yに混入することがなく、現像剤貯留部311Yの調整された液体現像剤の濃度が乱されることがない。
【0048】
このように回収液貯留部312Yには、現像剤貯留部311Yから溢れた液体現像剤の他、現像ローラークリーニングブレード21Yなど、各種ブレードで掻き取られた液体現像剤が貯留される。特に、現像ローラー20Y上から回収される回収液は、トナー帯電器22Yによってバイアスが印加され、現像ローラー20Yと感光体10Yとの間で圧縮されることで、トナー粒子同士が結合した凝集物を多く含んだものとなっている。
【0049】
回収液貯留部312Yに貯留された回収液は、現像剤供給部にて濃度調整された後、再び、現像剤貯留部311に供給され再利用される。このように液体現像剤の再利用を図る現像剤供給部の構成について説明する。
【0050】
本実施形態では、現像剤供給部の主な構成として、高濃度現像剤タンク80Y、キャリア液タンク81Y、濃度調整タンク71Y、回収液貯留部312Yと濃度調整タンク71
Yを接続する第1搬送部、濃度調整タンク71Yと現像剤貯留部311Yを接続する第2搬送部などを有している。
【0051】
濃度調整タンク71Yは、その内部に液体現像剤を貯留するとともに、その濃度調整を行うための供給現像剤貯留部711Yが形成されている。この供給現像剤貯留部711Yには、高濃度現像剤タンク80Y(トナー貯留部)から移送経路725Yを介して高濃度現像剤を、また、キャリア液タンク81Y(キャリア液貯留部)から移送経路724Yを介してキャリア液を供給することが可能となっている。本実施形態では、各移送経路725Y、724Yにポンプ735Y、734Yを配設して積極的に供給することとしているが、流動性が高い場合には、ポンプに代えてバルブを採用し、自重により供給することとしてもよい。
【0052】
供給現像剤貯留部711Y内には、液体現像剤の濃度を検知するための濃度センサー73Y、液量を検知するための液位センサー74Y、貯留する液体現像剤を攪拌するための攪拌部材77Yが配設される。濃度センサー73Y、液位センサー74Yの出力に基づいてポンプ735Y、734Yを駆動し、攪拌部材77Yにて攪拌することで、供給現像剤貯留部711Yに貯留する液体現像剤の濃度(固形分濃度25%)、液量を一定の値に調整することが可能となっている。なお、攪拌部材は、凝集した液体現像剤を分散させる分散手段として機能する。
【0053】
濃度調整された液体現像剤は、第2搬送部を介して現像部30Yの現像剤貯留部311Yに搬送され画像形成に使用される。本実施形態における第2搬送部は、搬送経路723Y、ポンプ733Yにて構成されている。
【0054】
一方、本実施形態において、回収液貯留部312Yから供給現像剤貯留部711Yに回収液を搬送する第1搬送部は、搬送経路721Y、分散容器78Y、超音波振動子79Y、液位センサー76Y、移送経路722Y、ポンプ732Yを主な構成要素としている。
【0055】
回収液貯留部312Y内の回収液は、回収オーガ37Yにて積極的に排出され、移送経路721Yを介して分散容器78Yに一旦貯留される。回収オーガ37Yは、例えば回転軸上にスクリュー部材が形成され、回転することで回収液の搬送を可能とする部材である。本実施形態では、図3に記載されるように回収液貯留部312Y内の回収液を左方向へ搬送し、移送経路721Yに導く。
【0056】
移送経路721Yに導かれた回収液は、自重によって分散容器78Yへと落下する。本実施形態では、回収液を搬送する第1搬送部に分散容器78Yが配設されており、回収液を一時的に貯留することで、回収液の分散、すなわち、トナー粒子の凝集の解消を効率的に行うことを可能としている。なお、本実施形態では、この分散容器78Y内部にて液体現像剤を貯留する部分が本発明における貯留槽に相当している。
【0057】
この分散容器78Yには、超音波振動子79Y(振動付与部材)が配設されており、超音波振動子79Yが振動により発生するキャビテーションにより回収液(液体現像剤)の分散を図ることが可能となっている。なお、この超音波振動子も79Yも攪拌部材77Yと同様、液体現像剤を分散させる分散手段として機能することとなる。
【0058】
分散容器78Yには、ポンプ732Yを備えた移送経路722Yが接続されており、分散容器78Y内の回収液を供給現像剤貯留部711Yへと搬送する。ポンプ732Yは、単位時間あたり一定量の回収液の搬送を行う。なお、ポンプ732Yを配設することに代え、回収液の自重で供給現像剤貯留部711Yへと搬送されることとしてもよい。この場合においても、回収液がある程度の粘性を有するため、単位時間略一定量の回収液が供給
現像剤貯留部711Yへと搬送される。
【0059】
液位センサー76Y(液位検知部材)は、分散容器78Yに貯留された回収液の液位を検出するセンサーであり、分散容器78Y内の回収液面にて浮上するフロートや、回収液面に光や音波を照射し、その反射を補足することなどで実現可能である。本実施形態では、この液位センサー76Yを利用し、回収された液体現像剤(回収液)の凝集度を判定することとしている。
【0060】
以上、図2、図3を用いて現像剤供給部の構成について説明したが、このような現像剤供給により、液体現像剤を濃度調整して再利用を図ることが可能となる。特に、本実施形態では、回収液貯留部312Yから供給現像剤貯留部711Yに回収液を搬送する際、超音波振動子79Yを利用した振動付与を行うことで、凝集物を含んだ回収液を分散させることが可能となっている。
【0061】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図である。本実施形態では、制御部100の制御により、(1)供給現像剤貯留部711Yの液体現像剤の濃度・液量調整、(2)分散容器78Y内に配設された液位センサー76Yによる液体現像剤の凝集度判定、(3)液体現像剤の分散処理が実行される。
【0062】
(1)液体現像剤の濃度・液量調整は、供給現像剤貯留部711Yに配設された濃度センサー73Yが出力する検出濃度信号、液位センサー74Yが出力する検出液量信号を入力として実行される。これらの信号に基づいて、高濃度現像剤の供給量を制御するポンプ735Y、キャリア液の供給量を制御するポンプ734Yを駆動することで、供給現像剤貯留部711Y内に貯留する液体現像剤の濃度、液量を一定に保つことが可能となる。
【0063】
(2)液体現像剤の凝集度判定は、分散容器78Y内に配設された液位センサー76Yが出力する検出液位信号を入力として実行される。現像ローラークリーニングブレード21Yなどで回収された液体現像剤は、非画像部では感光体の帯電バイアスと現像バイアスの差による逆コントラスト電位によって、または、トナー帯電器22Yによるバイアス印加によってトナー凝集が発生する。その凝集度は、印刷画占率やトナー帯電器22Yの印加バイアスなど各種条件によって変動する。
【0064】
凝集したトナーは、現像ローラークリーニングブレード21Yで掻き取られるが、高粘度のために一部はブレード上に堆積する。堆積したトナーは不定期に回収液貯留部312Yに落下して回収オーガ37Yにより搬送される。凝集トナーは、粘性が高められた状態となっているため、回収オーガ37Yによる搬送速度が低下し、一時的に分散容器78Yへの回収量が低下することとなる。これにより、分散容器37Yにおいて現像剤の液面高さ、すなわち、液位が変動する。本実施形態では、この液位の変動を利用して液体現像剤の凝集度を判定することとしている。具体的には、液位の変動が大きくなった場合には、凝集度が高くなったと判定することとしている。
【0065】
本実施形態では、回収オーガ37Yによる単位時間当たりの搬送量を2g/secとし、分散容器78Yから供給現像剤貯留部711Yへの単位時間当たりの搬送量も2g/secとしている。凝集度が低い場合には、回収オーガ37Yによる回収量は、略一定であって、分散容器78Yの液位変動量も、略0mmと液位は安定状態となっている(図5−A領域)。
【0066】
凝集度が高くなると液体現像剤の粘度が高くなることで、回収オーガ37Yによる現像剤の搬送速度が低減し、それに伴って分散容器78Yへの搬送量が低減し、分散容器78Yの液位が下がる(図5−B領域)。本実施形態では、分散容器78Y内の液位が定常状
態から所定の割合低減したことで、凝集度が高くなったことを判定している。
【0067】
凝集判定基準は、単位時間(30sec)あたりの回収オーガ37Yによる現像剤回収量が、定常状態(凝集が少ない場合:2g/sec)に対して20%以上減少した場合、つまり分散容器78Yの現像剤量が0.4g/sec以上減少した場合に、凝集が増加したと判定する。これは下記の(1)式により、分散容器78Yの液位センサー76Yでの液位変動量に換算できる。
【0068】
y=−m*30/ρ/A1 ・・・(1)
ただし、
y:液位変動量 [mm]
m:分散容器の現像剤減少量 [g/sec]
A1:分散容器の断面積 [mm2]
ρ;現像剤密度 [g/mm3]
本実施形態では、m=0.4、ρ=1*10-3、A1=2000としており、凝集判定基準となる液位変動量y=−6[mm]となる。これより、分散容器78Yの液位センサー76Yでの検出値が、単位時間(30sec)あたり、6mm以上減少した場合に凝集が増加したと判定する。
【0069】
凝集度が高くなった後、一定時間経過することで、溜まっていた現像剤がまとまって搬送されるため液位は上昇する(図5−C領域)。このような液位の上昇を検出することで、凝集度が元の状態に戻った、即ち、凝集度が低下したと判定することとしている。
【0070】
(3)凝集度が変化した場合は、適宜箇所に配設された各種分散手段により液体現像剤の分散処理を制御する。本実施形態では、分散容器78Yに配設された超音波振動子76Yの稼働率を制御することで、分散機能を高めることとしている。なお、分散手段は超音波振動子76Yに限らず、攪拌翼75Yを制御するなど適宜形態を採用することが可能であるとともに、複数の分散手段を組み合わせて制御することとしても構わない。
【0071】
図6は、本発明の実施形態に係る超音波振動子79Yの稼働率について説明するための図である。図6(a)は、超音波振動子79Yの発振周期であって、0.6秒間の発振期間と、0.4秒間の発振停止期間を交互に設けることで60パーセントの稼働率を実現している。これに対し、図6(b)は、0.8秒間の発振期間と、0.2秒間の発振停止期間を交互に設けることで80パーセントの稼働率を実現している。その他の稼働率についても発振期間と発振停止期間を適宜調整することで、任意のものに調整することが可能である。
【0072】
このように本実施形態では、超音波振動子79Yの稼働率を制御することで、回収液に付与する振動のパワーを制御することとしているが、振動のパワー制御は付与する振動の振幅値、超音波周波数を変更するなど各種形態を採用することができる。
【0073】
図7は、本発明の実施形態に係る画像制御装置の制御の様子(タイムチャート)を示した図である。トナー凝集が低いと判定された場合は、超音波振動子79Yの稼働率は60%に設定される。一方、トナー凝集が高いと判定された場合には、超音波振動子79Yの稼働率を80パーセントに引き上げられる。
【0074】
タイムチャート上、時刻Aにてトナー凝集が高くなったと判定された場合、稼働率を80%に変更する。実際には、制御の都合上、発振期間・発振停止期間には稼働率を変更することが出来ないため、次の発振停止期間である時刻A’から稼働率が変更される。一方、時刻Bにてトナー凝集が低くなったと判定された場合、稼働率を60%に変更する。こ
の場合も次の発振停止期間である時刻B’から稼働率が変更される。
【0075】
以上、本実施形態によれば、分散容器78Yに液位センサー76Yを配設するという簡易な構成にて、回収液の凝集度を判定することが可能となる。また、判定した凝集度に基づいて、超音波振動子79Yや攪拌部材77Yといった分散手段を制御することで、凝集度に応じた分散処理を実行することが可能となり、凝集を効果的に解消するとともに、過度の分散による液体現像剤の温度上昇を招くこともなく、高品質な画像を提供することが可能となる。また、分散手段での消費電力も抑えることが可能となる。
【0076】
では、次に画像形成装置の制御に関する第2の実施形態について図8〜図11を用いて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図であり、図9は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図であり、図10は、本発明の第2の実施形態に係る液位変動の様子(非凝集時)を示す図であり、図11は、本発明の他の実施形態に係る液位変動の様子(凝集時)を示す図である。
【0077】
では、次に画像形成装置の制御に関する第2の実施形態について図8〜図11を用いて説明する。図8は、第2の実施形態に係る画像形成部、現像部、現像剤供給部の主要構成を示す断面図であり、図9は、第2の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図であり、図10は、第2の実施形態に係る液位変動の様子(低凝集時)を示す図であり、図11は、第2の実施形態に係る液位変動の様子(高凝集時)を示す図である。
【0078】
図8に示されるように、本実施形態では、回収液貯留部312Yに回収された回収液を搬送経路721Yを介して供給用現像剤貯留部711Yに回収している点、並びに、分散手段として攪拌手段77Yのみを用いている点で異なった構成となっている。回収オーガ37Yで回収された回収液は、搬送経路721Yを介し、自重にて濃度調整タンク71Y内の供給現像剤貯留部711Yに回収される。なお、本実施形態では、供給現像剤貯留部711Yが、本発明でいう貯留槽に相当している。
【0079】
図9は、第2の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示す図である。本実施形態では、制御部100の制御により、第1の実施形態と同様、(1)供給現像剤貯留部711Yの液体現像剤の濃度・液量調整、(2)分散容器78Y内に配設された液位センサー76Yによる液体現像剤の凝集度判定、(3)液体現像剤の分散処理、の3つの処理が実行されることとなるが、本実施形態では液体現像剤(キャリア液、高濃度現像剤)の供給を行いつつ、凝集度の判定が行われるため、(1)と(2)の処理は同時に実行されることとなる。
【0080】
図9の構成では、供給現像剤貯留部711Yの液位センサー74Yによって液位変動を検知する。供給現像剤貯留部711Yでは、搬送経路723Yを介して現像部30Yへ液体現像剤を供給しており、このうち現像工程にて消費される液体現像剤分をキャリア液または高濃度現像剤を供給することで、液体現像剤の濃度・液量調整処理が行われる。
【0081】
図10は、凝集度が低い場合、すなわち、凝集による液位変動がほとんど無い場合の液位変動の様子を示した図である。供給現像剤貯留部711Yの濃度および液位制御は、目標液位:h0[mm]、現在液位:h[mm]とすると、h<h0では、hが1mm低下するごとにh0まで、濃度センサー73Yが出力する検出濃度信号に応じてキャリア液または高
濃度現像剤を供給し、濃度および液量の調整を行う。h>h0では目標液位h0になるまで供給を停止する。
【0082】
本実施形態では、供給による現像剤増加量:0.5g/sec、消費による現像剤低下
量:0.05g/sec、現像剤貯留部の断面積(A2)を4000mm2としており、
この場合、供給による液位上昇量は、0.125mm/sec、消費による液位低下量は、0.0125mm/secとなる。
【0083】
現像部30Yでの消費による液位低下1mmに相当する時間は、1/0.0125=80secである(図10−A領域)。また、供給による液位上昇1mmに相当する時間は、1/(0.125−0.0125)=8.9secとなっている(図10−B領域)。このように、液位低下量が0.0125mm/secである場合は、液位低下の要因は現像部30Yでの消費による純減のみであり、凝集は少ないと判定する。
【0084】
図11は、凝集度が高くなった場合を含む液位変動の様子を示した図である。トナー凝集増加によって液体現像剤の回収量が一時的に減少することによる液位低下、そして、溜まっていた液体現像剤がまとまって搬送されることによる液位上昇が生じる。
【0085】
本実施形態では、液位の減少率に基づいて凝集度を判定することとしており、A〜Eで示す各領域を以下のように判定している。
1.消費による液位低下(図11−A、D領域)
2.消費による液位低下+凝集度の高い回収液による液位低下(図11−B領域)
3.溜まっていた現像剤がまとまって搬送されることによる液位上昇(図11−C領域)4.供給による液位上昇(図11−E領域)
以下に定量的な凝集度判定を説明する。
【0086】
本実施形態では、液位低下の要因が、消費による純減だけでなく、回収液の減少が生じたと判定された場合、回収液の凝集度が高くなったと判定する。具体的には、液位低下量が、前述の消費による液位低下量0.0125mm/secよりも所定値以上となった場合、回収液の凝集度が高くなったと判定する。本実施形態では、判定のための所定値を0.1mm/secとしており、液位低下量が0.0125+0.1=0.1125[mm/sec]となった場合には、凝集が増加したと判定する。
【0087】
なお、業種が増加したと判定した場合は、仮に液位がh0−1[mm]以下であったとし
ても高濃度現像剤やキャリア液の供給は停止しておく(図11−B、C領域)。溜まっていた現像剤が搬送されて液位が回復した後、再び供給が必要かどうかの判定を行い、液位がh0−1[mm]より下がった場合に供給を再開する(図11−E領域)。
【0088】
凝集の増加が判定された場合は、供給現像剤貯留部711Yに備えられた攪拌部材77Yの回転速度を上げて分散性を向上させる。供給現像剤貯留部711に超音波振動子を配設し、第1の実施形態と同様、稼働率を増加させることとしてもよい。
【0089】
以上、本実施形態によれば、供給現像剤貯留部711Yに液位センサー74Yを配設するという簡易な構成にて、回収液の凝集度を判定することが可能となる。特に、本実施形態では、凝集度判定のための液位センサー74Yを、液体現像剤供給のための液量検出と兼用することが可能となり、部品点数を削減することも可能となる。
【0090】
さらに、判定した凝集度に基づいて、攪拌部材77Yなどの分散手段を制御することで、凝集度に応じた分散処理を実行することが可能となり、凝集を効果的に解消するとともに、過度の分散による液体現像剤の温度上昇を招くこともなく、高品質な画像を提供することが可能となる。また、分散手段での消費電力も抑えることが可能となる。
【0091】
このように本発明によれば、貯留槽内に液位検出部材を設けるという簡易な構成で、液体現像剤の凝集度を判定することが可能となる。本明細書では、貯留槽として、分散容器
78Y内の液体現像剤を貯留する部分、そして、供給現像剤貯留部711Yを実施例にとって説明したが、液体現像剤の凝集度の判定が必要となる箇所であれば、貯留槽はこれらに限ったものではなく適宜箇所にて判定してもよい。さらに、判定した凝集度に基づいて分散手段を制御する構成を採用することで、凝集度に応じた適切な分散処理を行うことも可能となり、凝集の少ない液体現像剤で画像形成することで高品質な画像を提供することが可能となる。
【0092】
なお、本明細書においては、種々の実施の形態について説明したが、それぞれの実施の形態の構成を適宜組み合わせて構成された実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0093】
10Y(以下、符号にYの付されているものは、M、C、K各色についても同様)…感光体(潜像担持体)、11Y…第1コロナ帯電器、11Y’…第2コロナ帯電器、12Y…露光ユニット、13Y…第1スクイーズローラー、13Y’…第2スクイーズローラー、14Y…第1スクイーズローラークリーニングブレード、14Y’…第2スクイーズローラークリーニングブレード、18Y…感光体クリーニングブレード、20Y…現像ローラー(現像剤担持体)、21Y…現像ローラークリーニングブレード、22Y…トナー帯電器(バイアス印加部)、30Y…現像部(現像装置)、31Y…現像剤容器、311Y…現像剤貯留部、312Y…回収液貯留部、313Y…仕切板、32Y…中間ローラー、33Y…アニロクスローラー、34Y…中間ローラークリーニングブレード、35Y…規制部材、36Y…攪拌オーガ、37Y…回収オーガ、40…転写ベルト、41…駆動ローラー、42…テンションローラー、50Y…1次転写部、51Y…1次転写バックアップローラー、60…2次転写ユニット、61…2次転写ローラー、62…2次転写ローラークリーニングブレード、63…2次転写ユニット回収貯留部、101、101’…ゲートローラー、102…転写材ガイド、71Y…濃度調整タンク、711Y…供給現像剤貯留部、73Y…濃度センサー、74Y…液位センサー、721Y〜725Y…移送経路、732Y〜735Y…ポンプ、74Y…液位センサー、76Y…液位センサー、77Y…攪拌部材、78Y…分散容器、79Y…超音波振動子、80Y…高濃度現像剤タンク、81Y…キャリア液タンク100…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送された液体現像剤を貯留する貯留槽、及び前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位を検知する液位検出部材を有する貯留部と、
前記液位検知部材で検知された液体現像剤の液位に基づいて前記貯留槽に貯留される液体現像剤の液位の変動を算出するとともに、算出された液位の変動に基づいて前記貯留槽に貯留された液体現像剤の凝集度を判定する判定部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
液体現像剤を貯留する液体現像剤貯留部、前記液体現像剤貯留部に貯留された液体現像剤を供給する供給部材、及び前記供給部材により供給された液体現像剤を担持する現像剤担持体、及び前記現像剤担持体をクリーニングして液体現像剤を回収するクリーニング部材を有する現像部を有し、
前記搬送部は、前記クリーニング部材で回収された液体現像剤を搬送する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記貯留部は、前記貯留槽に配設されて駆動する分散手段を有し、
前記判定部で判定された前記凝集度に応じて、前記分散手段を駆動させる制御部を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判定部で判定された前記貯留槽に貯留された液体現像剤が第1の凝集度である場合、前記分散手段を第1の出力で駆動させ、
前記測定部で判定された前記貯留槽に貯留された液体現像剤が前記第1の凝集度よりも高い第2の凝集度である場合、前記分散手段を前記第1の出力よりも大きい第2の出力で駆動させる請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記分散手段は、超音波振動子である請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記分散手段は、攪拌部材である請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度の液体現像剤を貯留し、前記貯留槽へ供給するにトナー貯留部と、
前記キャリア液を貯留し、前記貯留槽に前記キャリア液を供給するするキャリア液貯留部と、
前記貯留槽に配設されて前記貯留槽に貯留された液体現像剤のトナー濃度を検知する濃度検知部材を有し、
前記制御部は、前記液位検知部材で検知された前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位と、前記濃度検知部材で検知された液体現像剤のトナー濃度に基づいて、前記トナー貯留部から前記貯留槽への前記液体現像剤貯留部に貯留される液体現像剤のトナー濃度よりも高いトナー濃度の液体現像剤の供給、もしくは、前記キャリア液貯留部から前記貯留槽への前記キャリア液の供給を制御する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
トナー及びキャリア液を含む液体現像剤を貯留槽に搬送し、
前記液体現像剤が搬送された前記貯留槽に、貯留された液体現像剤の液位を検知し、
検知された液体現像剤の液位に基づいて、前記貯留槽に貯留された液体現像剤の液位の変動を算出し、算出された液体現像剤の液位の変動により、前記貯留槽に貯留された液体現像剤の凝集度を判定することを特徴とする液体現像剤の凝集度判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−180434(P2011−180434A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45490(P2010−45490)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】