説明

画像形成装置及び除電装置

【課題】光源の数を少なくすることができる画像形成装置及び除電装置を提供する。
【解決手段】除電装置は、複数の感光体40に対向して配置された光照射部材64を有する。これらの光照射部材64は、第1の光接続体70及び第2の光接続体72を介して光源74に接続されている。光源74から発した光は第1の光接続体70及び第2の光接続体72を介して光照射部材64から感光体40に向けて照射される。各光照射部材64に対して光源74が共通接続されているので、光源74の数を少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置、及びこれに用いる除電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置として、感光体を帯電装置により一様に帯電させ、露光装置により潜像を形成し、現像装置により潜像をトナーで可視像化し、転写装置により用紙にトナー像を転写し、定着装置によりトナーを用紙に定着させるものがゼログラフィー方式として周知である。このような画像形成装置において、帯電工程前の感光体表面電位の乱れにより画像にゴースト等が発生する場合がある。このため、転写工程後、帯電工程前に除電装置を設け、感光体を除電することが知られている。
【0003】
従来の除電装置として、感光体にそれぞれ対向して棒状の光照射部材を設け、この光照射部材を例えばLED等の光源に接続したものが知られている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−66797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は1つの光照射部材には1つの光源が接続されているので、複数の感光体を有するカラー画像形成装置であれば、感光体の数と同じ数の光源及び接続部を必要とし、複数の光源を配置するためにスペースが大きくなってマシンサイズが大きくなり、コストも高くなるという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、光源の数を少なくすることができる画像形成装置及び除電装置を提供するこにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴とするところは、 複数の感光体と、該複数の感光体を除電する除電手段とを有し、前記除電手段は、前記複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置にある。したがって、複数の光照射部材に光源を共通接続するようにしたので、光源の数を少なくし、マシンサイズを小さくし、コストも削減することができる。
【0008】
好適には、前記光源は、少なくとも2つの光照射部材と並列又は直列に接続されている。
【0009】
また、好適には、前記感光体は、4つであり、前記光照射部材は4つの感光体のそれぞれに対向して設けられている。さらに好適には、前記光源は、前記4つの光照射部材の内の少なくとも2つに共通接続されている。さらに好適には、前記光導波路の少なくとも一部は光ファイバーから構成されている。
【0010】
本発明の第2の特徴とするところは、画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に着脱自在に装着される感光体ユニットとを有し、この感光体ユニットは、複数の感光体と、該複数の感光体を除電する除電手段を有し、前記除電手段は、前記複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置にある。
【0011】
好適には、前記光源は、前記画像形成装置本体又は前記感光体ユニットに固定されている。
【0012】
本発明の第3の特徴とするところは、複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置の除電装置にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。この画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12の下部には、給紙装置14が配置されていると共に、画像形成装置本体12の上部には排紙部16が形成されている。
【0014】
給紙装置14は、用紙トレイ18を有し、この用紙トレイ18に多数の用紙が積層される。この用紙トレイ18の一端上部には、フイードロール20が配置されていると共に、このフィードロール20に対向して捌きロール22が設けられている。用紙トレイ18の最上位にある用紙がフィードロール20によりピックアップされ、フィードロール20と裁きロール22との協働により用紙が捌かれて搬送される。
【0015】
用紙トレイ18から搬送された用紙は、レジストローラ24により一時停止され、所定のタイミングにより後述する感光体ユニット26と転写ユニット28との間及び定着装置30を通って排紙ローラ32により排紙部16へ排出される。
【0016】
画像形成装置本体12内には、感光体ユニット26、転写ユニット28、電源ユニット34及び制御部36が配置されている。感光体ユニット26は、図2にも示すように、感光体ユニット本体38に例えば4つの感光体40が回転自在に支持されている。各感光体40の周囲には、感光体40を一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電手段としての帯電装置42と、各感光体40に書き込まれた潜像を現像剤(トナー)で現像する現像手段としての現像装置44と、転写後の感光体40を除電する除電装置46と、転写がなされた後に感光体40に残留する現像剤を除去する現像剤除去手段としてのクリーニング装置48とを有する。感光体ユニット26は、4つの感光体40、帯電装置42、現像装置44、除電装置46及びクリーニング装置48を一体化したものであり、画像形成装置本体12に対して着脱自在になっている。
【0017】
4つのトナーボックス50は、感光体ユニット26の裏面側側方に接続されている。各トナーボックス50は、マゼンダ、イエロー、シアン及び黒用であり、トナー供給部52とトナー回収部54とが一体になって構成されている。トナー供給部52は現像装置44に接続されて各色のトナーを現像装置44に供給し、トナー回収部54はクリーニング装置48に接続されて各色のトナーを回収する。
【0018】
光書込み装置56は、それぞれレーザー露光装置からなり、感光体ユニット26の背面側にあって各感光体40に対応した位置に配置され、一様に帯電された感光体40に対してレーザを照射して潜像を形成するようになっている。
【0019】
転写ユニット28は、感光体ユニット26の表側にあって感光体ユニット26に対向して縦方向に配置されている。この転写ユニット28は、上下方向に設けられてた二つの支持ロール58に搬送ベルト60が掛けられている。また、各感光体40に搬送ベルト60を挟んで対向して転写ロール62が設けられている。
【0020】
したがって、各感光体40は、帯電装置42により一様に帯電され、光書込み装置56により潜像が形成され、現像装置44により潜像がトナーにより可視像化される。各感光体40に形成されたトナー像は、下方から順番に転送ユニット28の転写ロール62により、搬送される用紙に転写され、定着装置30により用紙に定着される。
【0021】
図3及び図4において、前述した除電装置46の詳細が示されている。除電装置46は、棒状の光照射部材64を有する。この光照射部材64は、感光体40と互いの軸が平行であるように軸方向に所定距離隔てて対向して配置されている。この光照射部材64は、透光性が優れた材料、例えばアクリル、ポリカーボネイト、ポリスチレン等の樹脂又はガラスから構成されている。また、この光照射部材64の上面には、レンズ部66が形成されており、このレンズ部66は、連続的に形成された溝68から構成されている。該溝68は、一定の頂角を有し、光照射部材64の一端から入射した光の一部を反射させて感光体40に向けて光を一様に照射する。該溝68は、図4に示すように、入射側に比べて出射側の方が徐々にピッチPが大きくなり、また深さDが深くなるように形成されている。したがって、光照射部材64の軸方向を通過する光は、レンズ部66により感光体40に出力して徐々に光量が小さくなるが、溝68のピッチPが大きく、深さDが深くなるので、感光体40へ出力する光量の割合が通過する光量に比べて徐々に大きくなり、結果として感光体40に出力する光量は感光体40の軸方向で一定とすることができる。
【0022】
各光照射部材64の光入射側端は、光導波路を構成する第1の光接続体70に接続されている。第1の光接続体70は、感光体40の軸方向とは直交する方向に配置されている。さらにこの第1の光接続部70は、4つの光照射部材64の中心付近で第2の光接続体72に接続されている。第2の光接続体72は感光体40の軸方向に配置されている。第1の光接続体70及び第2の光接続体72は、光照射部材64と同様に、透光性が優れた材料、例えばアクリル、ポリカーボネイト、ポリスチレン等の樹脂又はガラスから構成されている。光照射部材64と第1の光接続体70、及び第1の光接続体70と第2の光接続体72との接続部分には、光の方向を変えるためにミラーやハーフミラーを設けることができる。
【0023】
光源74は例えばLEDから構成されており、第2の光接続体72の一端に接続され、感光体40の軸方向から第2の光接続体72に光を発するようになっている。したがって、前述した4つの光照射部材64は、第1の光接続体70及び第2の光接続体72が構成する光導波路を介して光源74に共通して並列に接続されており、この光源74で発した光が4つの光照射部材64に伝達される。この光源74の波長は、500nm〜850nmが好ましく、さらに600nm〜850nmであると、除電効率を良くすることができる。
【0024】
光源74は、画像形成装置本体12(図1に示す)に固定してもよいし、感光体ユニット本体38(図2に示す)に固定してもよい。画像形成装置本体12に接続する場合は、光ソケット等の接続部品が必要となるが、感光体ユニット26の構成を簡略化することができる。一方、感光体ユニット本体38に光源74を固定した場合は、感光体ユニット26と共に取り出すことができ、光源74の交換等の作業を容易に行うことができる。
【0025】
図5において、本発明に係る第2の実施形態が示されている。この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態と比較すると、第2の光接続体72を省略し、光源74を第1の接続体70の一端に接続するようにしたものであり、構成を簡略化している。光源74は、感光体40の軸方向とは直交する方向から第1の接続体70に光を発する。第1の実施形態と同様に、光照射部材64と第1の光接続体70との接続部分には、光の方向を変えるためにミラーやハーフミラーを設けることができる。
【0026】
図6において、本発明に係る第3の実施形態が示されている。前述した第1及び第2の実施形態と比較すると、前述した第1及び第2の実施形態においては、4つの光照射部材64を光源74に対して並列に接続したのに対し、この第3の実施形態においては、4つの光照射部材64を光源74に対して直列に接続している。即ち、最上部の光照射部材64の一端と2番目の光照射部材64の一端とは第1の光接続体70により接続し、2番目の光照射部材64の他端と3番目の光照射部材64の一端とは第2の光接続体72により接続し、3番目の光照射体64の他端と4番目(最下位)の光照射部材64の一端とは第3の光接続体76により接続し、4番目の光照射部材64の他端と光源74とは第4の光接続体78により接続している。この第3の実施形態においては、下から上に向かって徐々に光量が低下していくが、図4に示したように、レンズ部66の溝68のピッチや深さを調整することにより、各光照射部材64においては、均一な光量で感光体40に向けて光を照射することができる。
【0027】
図7において、本発明に係る第4の実施形態が示されている。この第4の実施形態においては、第2の光接続体72に光ファイバ80を接続し、この光ファイバ80を介して図示しない光源に4つの光照射部材64を接続してある。したがって、光源は、画像形成装置の中のスペースが開いている部分に設けることができ、画像形成装置本体内のスペースをさらに有効利用することができる。
【0028】
図8において、本発明に係る第5の実施形態が示されている。この第5の実施形態においては、2つの光照射部材64をそれぞれを第1の接続体70及び第2の接続体72を介して光源74に接続したものである。
【0029】
なお、上記実施形態以外に、例えば3つの光照射部材を1つの光源に共通接続したり、光照射部材の一部を並列に他部を直列に接続したり等、本発明には種々の変形例が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上述べたように、本発明は、光による除電を行う画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いた感光体ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いた除電装置を示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いた光照射部材を拡大して示す側面図である。。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置に用いた除電装置を示す側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置に用いた除電装置を示す側面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置に用いた除電装置を示す側面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置に用いた除電装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
26 感光体ユニット
28 転写ユニット
40 感光体
46 除電装置
64 光照射部材
74 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感光体と、該複数の感光体を除電する除電手段とを有し、
前記除電手段は、前記複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記光源は、少なくとも2つの光照射部材と並列に接続されている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記光源は、少なくとも2つの光照射部材と直列に接続されている請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記感光体は、4つであり、前記光照射部材は4つの感光体のそれぞれに対向して設けられている請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記光源は、前記4つの光照射部材の内の少なくとも2つに共通接続されている請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光導波路の少なくとも一部は光ファイバーから構成されている請求項1乃至5いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に着脱自在に装着される感光体ユニットとを有し、この感光体ユニットは、複数の感光体と、該複数の感光体を除電する除電手段を有し、
前記除電手段は、前記複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置。
【請求項8】
前記光源は、前記画像形成装置本体に固定されている請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光源は、前記感光体ユニットに固定されている請求項6記載の画像形成装置。
【請求項10】
複数の感光体にそれぞれ対向して設けられ、感光体に光を照射する複数の光照射部材と、該複数の光照射部材を接続する光導波路と、この光導波路を介して前記複数の光照射部材に共通接続された光源と、を有する画像形成装置の除電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−219250(P2007−219250A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40735(P2006−40735)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】