画像形成装置
【課題】感光体ドラムに制振部材を挿入せず、他の音波発生装置も用いず、複数ドラムの帯電周波数を適切な位相差にすることで、帯電音を静音化する画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数の感光体ドラム16とそれぞれ対をなして設けられた帯電部材17に電圧を印加することによって、前記感光体ドラム16の表面を帯電させる画像形成手段3を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラム16を帯電させる帯電手段19には交流電圧位相制御手段36によって交流電圧が印加され、この交流電圧を隣接する画像形成手段3に対し、相対的に60〜120°位相をずらすように制御する。
【解決手段】複数の感光体ドラム16とそれぞれ対をなして設けられた帯電部材17に電圧を印加することによって、前記感光体ドラム16の表面を帯電させる画像形成手段3を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラム16を帯電させる帯電手段19には交流電圧位相制御手段36によって交流電圧が印加され、この交流電圧を隣接する画像形成手段3に対し、相対的に60〜120°位相をずらすように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OA機器全般、印刷機、家電機器等の静音化、特に、帯電装置及び像担持体から放射する放射音を静音化する静音化機構を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはその複合機などとして構成される画像形成装置においては、表面にトナー像が形成される像担持ドラムが用いられている。この像担持ドラムは、現像装置によって表面にトナー像が形成される感光体ドラムとして構成される。このような感光体ドラムは、これに加えられる外振力によって振動するため、その感光体ドラムから騒音が発生する。
例えば、感光体ドラムには、その外周面に帯電装置が当接しているが、その帯電装置に印加される交流電圧の影響で該帯電装置が振動するため、これらの振動が感光体ドラムに伝えられ、感光体ドラムが振動してこれが純音を発し、ユーザに不快感を与えるおそれがある。
かかる純音は単一周波数の急峻なピークを持ち、耳障り感が大きい。そこで従来から、感光体ドラム内部に色々物を挿入し、振動を抑えてドラムから放射する音を低減しようとする試みが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
特許文献1には、ドラム内にテーパ状の穴を設けた弾性体の制振部材を挿入してその制振部材によって像担持ドラムの振動を抑え、ドラムから発生する音を低減する技術が開示されている。
特許文献2には、ドラムから発生する帯電音に対して、帯電音と同一の周波数と大きさでかつ逆位相の音波を発生させる音波発生装置により、帯電音を静音化する技術が開示されている。
特許文献3には、複数の帯電装置とそれを含む画像形成ユニットを複数有し、そのうちの1つのドラムに印加される振動電圧と他のドラムに印加される振動電圧とが逆位相になるようにして帯電音を打ち消して静音化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−109882公報
【特許文献2】特開2002−162814公報
【特許文献3】特開2001−194870公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、ドラム内にテーパ状の穴を設けた弾性体の制振部材を挿入してドラムの振動を抑えているため、制振効果は大きいが、部材を挿入するために製造工程が増加したり、制振部材の分だけコストアップするという不具合がある。
また、特許文献2はドラムから発生する帯電音に対して、帯電音と同一の周波数と大きさでかつ逆位相の音波を発生させる音波発生装置により、帯電音を静音化しているため、音波発生装置を新たに設けなければならず、コストアップしてしまうという不具合がある。
また特許文献3は、複数ドラムに逆位相の振動電圧を掛けるようにしているが、実験では逆位相の振動電圧を掛けるとかえって帯電音が大きくなることがわかった。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、感光体ドラムに制振部材を挿入せず、他の音波発生装置も用いず、複数ドラムの帯電周波数を適切な位相差にすることで、帯電音を静音化する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、前記交流電圧の位相を相対的に90°ずらすように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
【0006】
また請求項3に記載の発明は、複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、騒音を検出する騒音検出手段と、操作手段と、を備え、前記騒音検出手段により隣接する画像形成手段から検出した騒音レベルから、前記操作手段によって位相差を設定可能とする画像形成装置を特徴とする。
【0007】
また請求項4に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、前記隣接する画像形成手段に対し、前記騒音検出結果から自動的に最適な位相差を設定する制御を行う請求項3記載の画像形成装置を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、位相差の初期設定を90°に設定する請求項3又は4の記載の画像形成装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、位相調整は1対の画像形成手段ごとに順次行う請求項3又は4の記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば感光体ドラムから発生する帯電音に関して、隣り合う1対の感光体ドラムの帯電電圧の位相を相対的に60〜120°位相をずらすことにより、感光体ドラムが1つの場合に発生する帯電音の騒音レベルよりも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は電子写真方式を採用したデジタルカラープリンタとして画像形成装置を示す概略図である。図1において、画像形成装置Aは光学ユニット1、感光体ユニット(像担持体)3、現像ユニット4、転写ユニット5、定着ユニット11、給紙部12を備えている。
画像形成時には、画像形成装置Aの最下部に配置された給紙トレイ9、10を含んでいる給紙部12に収容された画像形成対象シート(印刷用紙やOHPシート等も含むが、以下、単に、用紙とする)が図の右下側から左斜め上側へ上がる所定の搬送経路に沿って搬送させられる。
【0010】
このように搬送される用紙は、給紙部12から繰り出されて、給紙部12の上方側に図の右下から左上側への斜め方向の搬送経路に沿って搬送される。この間、用紙は同様に搬送経路に沿って並んで配置される4つの感光体ユニット3及び現像ユニット4と転写ユニット5との間を通過させられ、所定の画像が転写される。
かかる画像転写がなされた用紙は、感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5のさらに左斜め上側に配置される定着ベルト13及び加圧ローラ14を含んでいる定着ユニット11へ搬送され、この定着ユニット11によって転写画像が定着させられる。この転写画像が定着させられた用紙は最終的に排紙トレイ10に排出される。
【0011】
この画像形成装置Aにおける感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5の構成について説明する。図1に示すように、この画像形成装置Aは、4連ドラムのタンデム作像方式を採用した装置である。この方式を採用することによってフルカラー印刷モード及びモノクロ印刷モードの印刷速度を向上させている。
また、上述したように感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5を斜めに配置することによって設置スペースを小さくし、これにより装置全体を小型にしている。
【0012】
感光体ユニット3及び現像ユニット4は、それぞれ各色で独立したユニットとなっている。つまり、マゼンダ(M)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、シアン(C)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、イエロー(Y)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、ブラック(Bk)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4がある。
これらの感光体ユニット3及び現像ユニット4は図1の右下側から左上側に上記順序で並んで配置されている。なお、Bk用を除いたM用、C用、Y用の感光体ユニット3は全く同一の構成であるため、新しいユニットであればどの色用(M、C、Y)に用いるようにしてもよい。
【0013】
転写ユニット5は、上述した順序で斜め方向に配置される感光体ユニット3及び現像ユニット4の下方側に斜め方向に沿って延在しかつ配置されている。転写ユニット5は、複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられたエンドレスの転写ベルト15とを有している。
図示してないモータによってローラが回転させられることにより転写ベルト15は図中半時計回りに回転させられ、給紙部12から送り出された用紙はかかる転写ベルト15に載って図の右下側から左上側に搬送させられる。
また、転写ユニット5の搬送方向の下流側(図の左上側)には、Pセンサ6が配置されており、かかるPセンサ6が転写ベルト15上に形成されたPセンサパターンの濃度を検知し、検知結果が制御に利用される。
【0014】
図2は或る色に対応する感光体ユニット及び現像ユニットを示す概略断面図である。同図に示すように、感光体ユニット3は感光体ドラム16(例えば、φ30)を有している。感光体ドラム16はアルミの中空円柱状であり、肉厚はφ30の場合には0.75mm程度としている。また、感光体ドラム16は図示していない駆動機構によって図中時計回りに回転させられるようになっている。
感光体ドラム16の上方側には帯電手段19の帯電ローラ17(例えば、φ11)が配置されている。帯電ローラ17は、その表面が感光体ドラム16の表面から0.05mm程度離間した位置に配置されている。そして、帯電ローラ17は、感光体ドラム16と逆方向、つまり、図中反時計周りに回転させられ、感光体ドラム16の面上に均一な電荷を印加している。
【0015】
また、帯電ローラ17の上方側には帯電手段19を構成する帯電ローラ用クリーニングブラシ18が配置されている。感光体ドラム16の左斜め上側にはクリーニングブラシ20及びカウンターブレード21が配置され、これらによって感光体ドラム16のクリーニングがなされる。
また、クリーニングブラシ20の左側には、廃トナー回収コイル22が配置されており、かかる廃トナー回収コイル22によって回収された廃トナーは、図1に示す廃トナーボルト16に搬送されるようになっている。
【0016】
次に、現像ユニット4は、乾式2成分磁気ブラシ現像方式を採用したものであり、現像ローラ24と、現像ドクタ25と、左搬送スクリュー26と、右搬送スクリュー27と、トナー濃度センサ28と、現像剤カートリッジ29とを含んでいる。符号15は転写ベルトを示している。
帯電ローラ17による帯電バイアスは、通常、直流電圧と交流電圧の重畳された構成になっている。感光体ドラム16と帯電部材(帯電ローラ)17との間に電位差が生じると、その電界強度に応じたマクスウェル(Maxwell)応力が発生し、そのマクスウェル応力によって帯電ローラ17などの帯電部材の変形が生じる。
AC(交流電圧)重畳のバイアスの場合、時間とともに印加される電圧が周期的に変動するため、マクスウェル応力も時間応答で変化し、その結果、ACの周波数に応じて帯電部材17の変形(振動)が発生して騒音となる。特に帯電ローラ17はゴムで構成され、感光体ドラム16に対してばね荷重等で加圧固定されていることが多く、マクスウェル応力の変動によって感光体ドラム16への当接条件が変わり、騒音が発生し易い。
【0017】
前述のように、感光体ドラム16は肉厚0.75mm程度の薄肉で中空円筒のため、非常に音が響き易い構成になっている。よって、帯電部材17の振動が感光体ドラム16に加振力として与えられ、感光体ドラム16で振動が増幅されて音響放射すると考えられる。
また、帯電に作用する力は、交流成分の波形の1周期のうち、ピーク値で最大となり、交流電圧波形が振動の中心値(直流成分の値)の時に最小となる。つまり、1周期の間には最大ピークと最小ピークがあり2回振動する。
つまり、帯電周波数の2倍の周波数で帯電音が発生する。実際に帯電音の測定を行って周波数分布を調べると、帯電周波数の音も発生している。しかし、帯電周波数の2倍の周波数の音の発生が圧倒的に多く、耳障りに聞こえるのも2倍の周波数の方であることがわかった。
【0018】
図3は感光体ドラムに帯電ローラによって1.2kHzの電圧を印加した場合の音響パワーレベルの1/3オクターブ分析を行った結果グラフで示す図である。図3に示すように、帯電周波数×2の中心周波数2.5kHzバンドの音響パワーレベルが卓越しており、AP(オールパス:周波数バンド別ではなく、音響パワーレベルの全パワーを表示した値)の値とほぼ同値である。つまり、実際に聞こえる帯電音としては2.5kHzの音が大部分ということになる。
【0019】
図4は非接触近接帯電方式を用いた場合の実施形態を示す概略図である。
本実施の形態では、帯電ローラ17は近接帯電部材としての中抵抗帯電ローラである。本実施の形態の帯電ローラ17は、芯金上に硬度JIS−Aで50度のゴム層を設け、軸とローラ表面間の抵抗が、10×107Ω・cmのローラを使用した。
ローラ表面は、放電により発生した生成物がローラ表面に付着しにくくなるようにフッ素で表層処理してフッ素コートを施している。一般的にローラ形状の帯電部材では、感光体ドラムの回転に連れ回りさせ、駆動を取ることで回転させてローラ表面にクリーニング部材を当てることができ、そして帯電部材の清掃が容易なため安定した放電状態を作ることができるという利点がある。
【0020】
帯電ローラ17の両端部には、厚さが60μmの絶縁性であるフッ素樹脂製(例えば、四フッ化エチレン(PTFE)(テフロン(登録商標)とも言う))のテープ(以下、この部材をギャップ材とする)30が巻いてある。
帯電ローラ17の両端部の軸31には、ばね32により片側それぞれ4N(両側合わせて8N)の一定の加重を掛けて、帯電ローラ17の両端部のギャップ材30を感光体ドラム16に接触させた。この状態では、図4に示すように、帯電ローラ17の両端部のギャップ材30の間に挟まれた領域(有効画像領域)では、帯電ローラ17表面と感光体ドラム16表面とでは間隙が0.05mmで非接触対向している。
なお、帯電ローラ17の端部に巻き付けるテープ(ギャップ材)30は、フッ素樹脂に限らず絶縁性の材質であれば特に問わない。但し、帯電ローラの軸方向に対するギャップ材30の間の距離は、感光体ドラム16上の有効画像領域よりも長くする必要がある。その理由は、ギャップ材30が絶縁性であるため、その箇所では感光体ドラム16への帯電ができないからである。
【0021】
帯電ローラ17を感光体ドラム16と非接触とすることのメリットは、以下の通りである。
先ず、感光体ドラム16のクリーニング残トナーなどが帯電ローラ17に付着しにくく、帯電ローラ17が汚れにくく、クリーニング装置(図2の帯電ローラ用クリーニングブラシ18)などを省くことが可能である。また帯電ローラ17表面が汚れにくいため、経時で帯電が安定する。
更に、感光体ドラム16と帯電ローラ17が常時接触していると、感光体ドラム16側の接触していた部分に帯電不良が起きて画像に現れたりするが、それを防止できる。更にまた、常時接触で停止していた時間が長い場合、帯電ローラ17が変形して帯電不良を起こすことがあるがそれを防止できる。
以上のようにメリットが多いため、帯電ローラ17を感光体ドラム16と非接触とする方法が近年盛んに研究されている。
【0022】
次に帯電バイアスの印加方法について説明する。
帯電バイアスは直流電圧に交流電圧を重畳して使用しており、同一の周波数発生装置によって発振した交流電圧波形を、位相をずらしたもの2種を発生させ、各々を増幅して各帯電装置に供給している。
動作モードには2種類有り、図1に示したような実施形態の機種では、4色フルカラーモードと単色モードでは線速が異なり、帯電で使用する交流の周波数も異なっている。例えば、フルカラーモードの場合はAC周波数900Hz、振幅はピーク間で2kV、DC(直流)成分は−750V印加し、また、モノクロモードではAC周波数1350Hz、振幅はピーク間で2kV、DC成分は−750V印加するというように、最適な周波数(帯電ムラが起こらないように等の理由)で帯電を行う。
帯電音は前述のように帯電周波数の2倍の周波数が主成分であり、その周波数を低減すれば帯電音が下がり、ユーザの耳障り感も低減される。隣接する感光体ユニットの帯電周波数の位相をずらすことにより、発生する音波の位相をずらし、音を打ち消すことができれば、帯電音を画像形成装置の外部に漏らすことを防げる。帯電音は定常的に発生する綺麗な純音なので位相をずらして打ち消すことが可能である。これに対して、非定常に変動する音に対しては打ち消し合うことは困難である。
【0023】
図5は2つの感光体ユニットに対して、帯電電圧の位相を0〜180°ずらして音響パワーレベルの変化を観察した結果をグラフで示す図である。
結果的には位相差0°と180°で最も音響パワーレベルが大きく、位相差90°で最も小さくなった。つまり、帯電周波数を基本にして逆位相にずらすと、音を打ち消し合うどころか、強調し合うことになる。
また、帯電周波数は0〜180°の半周期(0から逆位相になるまで)ずらしたにもかかわらず、音響パワーレベルは極大→極小→極大と、レベルが1周期分変化した。これについて考えてみると、帯電音は帯電周波数の2倍の周波数が主成分のため、帯電周波数の位相を180°ずらすと騒音の位相は2倍の360°ずれるということである。よって、帯電電圧の位相をαずらした場合は、帯電音の合成振幅は、sin(θ)+sin(θ+α)ではなく、sin(2θ)+sin(2(θ+α))の合成で考える必要がある。
【0024】
図6は帯電電圧の位相差を、0°、30°、60°、90°として、振幅量が減少していく様子を示す図である。図7は位相差を0°から10°おきに、180°まで変化させた様子を示す図である。
図6及び図7には2つのsin波の音波の合成により、合成波の振幅量が位相差によって変化していく様子を示している。最も振幅量が高くなるのは位相差0°と180°の場合であり、元の振幅の2倍となる。
【0025】
先ず、位相0°から10°ずつずらしていくと、合成波の振幅量も徐々に減少し、位相差60°で元の振幅量の1になる。また、理想的には位相差90°で振幅量は0になり、完全に打ち消し合うことになる。さらに、位相がずれていくと再び振幅量が増加し、位相差120°で振幅量は1に戻る。さらにまた、位相をずらしていくと位相差180°で振幅量は2になる。
さらに位相をずらしていくと、この変化のサイクルを繰り返すことになる。なお、図7のグラフで位相差60°〜80°を太線で、位相差100°〜120°を太字破線で示している。これより、帯電電圧の位相差を、60°より大きく、120°未満の範囲に設定すれば、少なくとも元の振幅量以下に騒音を抑えることができる。最も効果的なのは帯電電圧の位相差90°に設定することである。
【0026】
図8は本発明による帯電制御方法を実施するための帯電手段を説明する概略回路図である。
図8の帯電手段19には帯電パワーパック33による各帯電ローラ17への電圧印加回路の一例を示している。
図8に示す帯電パワーパック(帯電用電源回路)33は、発振器34と4個の高圧アンプ35の他に、位相シフト回路36を備えている。そして、発振器34が出力する発振信号を、例えばBk、C用感光体ドラム用高圧アンプ35には直接に入力させ、Y、M用感光体ドラム用高圧アンプ35にはπ/4位相シフト回路36を通してπ/4(90°)位相をずらして入力させる。なお、位相シフトはπ/4(90°)に限らず、公知技術で自由に設定が可能である。
【0027】
図9は本実施形態の制御系を説明するブロック図である。
図9には本発明に直接関係ある部分のみ書いてある。CPU(中央演算処理部)37には、画像形成装置A(図1)の画像形成に係る各種センサ(図示せず)及び騒音検出手段38(後述)からの信号が入力される。
CPU37は、転写紙搬送用の給紙装置12(図1)と各種負荷や帯電手段19を動作させるためのタイミング制御を行うと共に、操作コントローラ39から入力する入力データによるモード制御を実行し、各コントローラとのシリアル通信により画像形成装置A全体の制御を行う。
操作コントローラ39は、操作表示手段40から入力されるデータをCPU37へ送信するとともに、入力するデータモードに基づいて、操作表示手段40にモード表示を行う。操作表示手段40は液晶タッチパネルやキー操作ボタンからなる。
【0028】
これまでの説明で、予め対になる感光体ドラムの帯電電圧の位相をずらすことによって帯電音の静音化を行うことができる。しかし、図9の騒音検出手段38と操作表示手段40を用いて帯電電圧の位相をずらした時の騒音レベルを操作表示手段40に表示し、騒音レベルが最小になるように操作表示手段40をユーザまたはサービスマンが操作して設定すれば、さらに効果的である。
理想的には帯電電圧の位相差90°で振幅量は0になり、完全に打ち消し合うことになるが、感光体ドラムの位置関係や、装置内部の音の反射や回折等で最適な位相差が90°にならない可能性がある。
このため、実際に騒音レベルを計測しながら最適な位相差を設定してやると効果的ということになる。この時は初期設定が帯電電圧の位相差90°(理想状態)に設定されていると短時間で設定が終了する。
【0029】
図10は感光体ドラム近傍に配置している騒音検出手段を示す概略回路図である。騒音検出手段38は1つ以上配置することが望ましい。図10では、騒音を検出するために騒音検出手段38−1及び騒音検出手段38−2を配置している。
騒音検出手段38を複数設けた場合は、例えば、Bk感光体ドラムとY感光体ドラムの帯電電圧位相差をずらした場合の騒音の検出は騒音検出手段38−1のみで行ない、C感光体ドラムとM感光体ドラムの帯電電圧位相差をずらした場合の騒音の検出は騒音検出手段38−2のみで行うというように、場合分けした方が望ましい。
【0030】
図11は騒音検出手段を説明するブロック回路図である。
図11において、騒音検出手段38はマイクロホン41で音をキャッチして電気信号に変換する。これは交流信号である。その微細な電気信号をプリアンプ42によって或るレベルまで増幅してインピーダンス変換を行う。
周波数補正43は聴感補正のA特性を掛けるものである。この信号が実効値レベル化回路44に行き、この実効値レベル化回路44の実効値検波回路45で直流信号に変換し、対数変換回路46でdB値に変換を行う。
【0031】
図3に示したように帯電音は帯電周波数×2の成分が卓越しており、AP(オールパス:周波数バンド別ではなく、音響パワーレベルの全パワーを表示した値)の値とほぼ同値である。つまり帯電周波数×2の成分が下がれば、APの値も同様に下がるので、APの表示でよい。つまり、周波数分析は行う必要がない。
よって、操作表示手段40(図9)で帯電音調整モードを設定し、最も低い騒音レベルになるように1対の感光体ドラムの位相調整を行うことで帯電音の静音化が可能である。図1の実施の形態のように4本の感光体ドラムがある場合は、1対ずつ、合計2回の調整を行う。
なお、位相差の初期設定を図10の位相シフト回路53で90°(π/4)に設定しておくと、短時間で調整できる。また、初期値が同位相だと、騒音レベルが高く、調整を行う人間に不快感を与えることになるので初期設定は同位相ではないことが望ましい。また、位相のマニュアル調整は、画像形成時以外に行うものである。また、最適位相差の設定をマニュアル操作ではなく、自動で行うとさらに便利である。
【0032】
図12は帯電電圧の位相及び騒音制御に関連する動作を説明するフローチャートである。図12のフローチャートは感光体ドラムと帯電ローラの組み合わせが4つ(1〜4ch)、騒音検出手段が2つある場合の例を説明している。
帯電位相制御処理が開始されると(S1)、先ず、騒音検出手段38−1がオンになる(S2)。その後、1ch、2chと帯電手段がオンとなり(S3)、(S4)、帯電音を発生する。発生した帯電音は騒音検出手段38−1で検出され、最適位相差(最も騒音レベルが小さくなる位相)を決定するまで位相をずらす、すなわち、2ch位相を変化する(S5)。
【0033】
最適位相差が決定されると(S6)、1ch、2chと帯電手段がオフとなり(S7)、(S8)、騒音検出手段38−1もオフされる(S9)。その後、騒音検出手段38−2がオンされ(S10)、3ch、4chと帯電手段がオンとなり(S11)、(S12)、帯電音を発生する。
発生した帯電音は騒音検出手段38−2で検出され、最適位相差(最も騒音レベルが小さくなる位相)を決定するまで位相をずらす、すなわち、4ch位相を変化する(S13)。最適位相差が決定されると(S14)、3ch、4chと帯電手段がオフとなり(S15)、(S16)、騒音検出手段38−2もオフされて(S17)処理が終了する。
なお、マニュアル操作時と同様に、位相差の初期設定を図10の位相シフト回路36で90°(π/4)に設定しておくと、短時間で調整できる。帯電位相制御処理は専用の帯電位相制御処理モードを設けて画像形成装置が稼動していない時に行う。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】電子写真方式を採用したデジタルカラープリンタとして画像形成装置を示す概略図である。
【図2】或る色に対応する感光体ユニット及び現像ユニットを示す概略断面図である。
【図3】感光体ドラムに帯電ローラによって1.2kHzの電圧を印加した場合の音響パワーレベルの1/3オクターブ分析を行った結果をグラフで示す図である。
【図4】非接触近接帯電方式を用いた場合の実施の形態を示す概略図である。
【図5】2つの感光体ユニットに対して、帯電電圧の位相を0〜180°ずらして音響パワーレベルの変化を観察した結果をグラフで示す図である。
【図6】帯電電圧の位相差を、0°、30°、60°、90°として、振幅量が減少していく様子を示す図である。
【図7】位相差を0°から10°おきに、180°まで変化させた様子を示す図である。
【図8】本発明による帯電制御方法を実施するための帯電手段を説明する概略回路図である。
【図9】本実施の形態の制御系を説明するブロック図である。
【図10】感光体ドラム近傍に配置している騒音検出手段を示す概略回路図である。
【図11】騒音検出手段を説明するブロック回路図である。
【図12】帯電電圧の位相及び騒音制御に関連する動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
A 画像形成装置、3 画像形成手段(感光体ユニット)、4 現像ユニット、16 感光体ドラム、17 帯電部材(帯電ローラ)、19 帯電手段、36 位相シフト回路(交流電圧位相制御手段)、37 CPU(中央演算処理部)、38 騒音検出手段、38−1 38−2 騒音検出手段、39 操作コントローラ、40 操作・表示手段(騒音レベル表示手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、OA機器全般、印刷機、家電機器等の静音化、特に、帯電装置及び像担持体から放射する放射音を静音化する静音化機構を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはその複合機などとして構成される画像形成装置においては、表面にトナー像が形成される像担持ドラムが用いられている。この像担持ドラムは、現像装置によって表面にトナー像が形成される感光体ドラムとして構成される。このような感光体ドラムは、これに加えられる外振力によって振動するため、その感光体ドラムから騒音が発生する。
例えば、感光体ドラムには、その外周面に帯電装置が当接しているが、その帯電装置に印加される交流電圧の影響で該帯電装置が振動するため、これらの振動が感光体ドラムに伝えられ、感光体ドラムが振動してこれが純音を発し、ユーザに不快感を与えるおそれがある。
かかる純音は単一周波数の急峻なピークを持ち、耳障り感が大きい。そこで従来から、感光体ドラム内部に色々物を挿入し、振動を抑えてドラムから放射する音を低減しようとする試みが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
特許文献1には、ドラム内にテーパ状の穴を設けた弾性体の制振部材を挿入してその制振部材によって像担持ドラムの振動を抑え、ドラムから発生する音を低減する技術が開示されている。
特許文献2には、ドラムから発生する帯電音に対して、帯電音と同一の周波数と大きさでかつ逆位相の音波を発生させる音波発生装置により、帯電音を静音化する技術が開示されている。
特許文献3には、複数の帯電装置とそれを含む画像形成ユニットを複数有し、そのうちの1つのドラムに印加される振動電圧と他のドラムに印加される振動電圧とが逆位相になるようにして帯電音を打ち消して静音化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−109882公報
【特許文献2】特開2002−162814公報
【特許文献3】特開2001−194870公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、ドラム内にテーパ状の穴を設けた弾性体の制振部材を挿入してドラムの振動を抑えているため、制振効果は大きいが、部材を挿入するために製造工程が増加したり、制振部材の分だけコストアップするという不具合がある。
また、特許文献2はドラムから発生する帯電音に対して、帯電音と同一の周波数と大きさでかつ逆位相の音波を発生させる音波発生装置により、帯電音を静音化しているため、音波発生装置を新たに設けなければならず、コストアップしてしまうという不具合がある。
また特許文献3は、複数ドラムに逆位相の振動電圧を掛けるようにしているが、実験では逆位相の振動電圧を掛けるとかえって帯電音が大きくなることがわかった。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、感光体ドラムに制振部材を挿入せず、他の音波発生装置も用いず、複数ドラムの帯電周波数を適切な位相差にすることで、帯電音を静音化する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、前記交流電圧の位相を相対的に90°ずらすように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
【0006】
また請求項3に記載の発明は、複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、騒音を検出する騒音検出手段と、操作手段と、を備え、前記騒音検出手段により隣接する画像形成手段から検出した騒音レベルから、前記操作手段によって位相差を設定可能とする画像形成装置を特徴とする。
【0007】
また請求項4に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、前記隣接する画像形成手段に対し、前記騒音検出結果から自動的に最適な位相差を設定する制御を行う請求項3記載の画像形成装置を特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、前記交流電圧位相制御手段は、位相差の初期設定を90°に設定する請求項3又は4の記載の画像形成装置を特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、位相調整は1対の画像形成手段ごとに順次行う請求項3又は4の記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば感光体ドラムから発生する帯電音に関して、隣り合う1対の感光体ドラムの帯電電圧の位相を相対的に60〜120°位相をずらすことにより、感光体ドラムが1つの場合に発生する帯電音の騒音レベルよりも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は電子写真方式を採用したデジタルカラープリンタとして画像形成装置を示す概略図である。図1において、画像形成装置Aは光学ユニット1、感光体ユニット(像担持体)3、現像ユニット4、転写ユニット5、定着ユニット11、給紙部12を備えている。
画像形成時には、画像形成装置Aの最下部に配置された給紙トレイ9、10を含んでいる給紙部12に収容された画像形成対象シート(印刷用紙やOHPシート等も含むが、以下、単に、用紙とする)が図の右下側から左斜め上側へ上がる所定の搬送経路に沿って搬送させられる。
【0010】
このように搬送される用紙は、給紙部12から繰り出されて、給紙部12の上方側に図の右下から左上側への斜め方向の搬送経路に沿って搬送される。この間、用紙は同様に搬送経路に沿って並んで配置される4つの感光体ユニット3及び現像ユニット4と転写ユニット5との間を通過させられ、所定の画像が転写される。
かかる画像転写がなされた用紙は、感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5のさらに左斜め上側に配置される定着ベルト13及び加圧ローラ14を含んでいる定着ユニット11へ搬送され、この定着ユニット11によって転写画像が定着させられる。この転写画像が定着させられた用紙は最終的に排紙トレイ10に排出される。
【0011】
この画像形成装置Aにおける感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5の構成について説明する。図1に示すように、この画像形成装置Aは、4連ドラムのタンデム作像方式を採用した装置である。この方式を採用することによってフルカラー印刷モード及びモノクロ印刷モードの印刷速度を向上させている。
また、上述したように感光体ユニット3、現像ユニット4及び転写ユニット5を斜めに配置することによって設置スペースを小さくし、これにより装置全体を小型にしている。
【0012】
感光体ユニット3及び現像ユニット4は、それぞれ各色で独立したユニットとなっている。つまり、マゼンダ(M)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、シアン(C)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、イエロー(Y)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4、ブラック(Bk)用の感光体ユニット3及び現像ユニット4がある。
これらの感光体ユニット3及び現像ユニット4は図1の右下側から左上側に上記順序で並んで配置されている。なお、Bk用を除いたM用、C用、Y用の感光体ユニット3は全く同一の構成であるため、新しいユニットであればどの色用(M、C、Y)に用いるようにしてもよい。
【0013】
転写ユニット5は、上述した順序で斜め方向に配置される感光体ユニット3及び現像ユニット4の下方側に斜め方向に沿って延在しかつ配置されている。転写ユニット5は、複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられたエンドレスの転写ベルト15とを有している。
図示してないモータによってローラが回転させられることにより転写ベルト15は図中半時計回りに回転させられ、給紙部12から送り出された用紙はかかる転写ベルト15に載って図の右下側から左上側に搬送させられる。
また、転写ユニット5の搬送方向の下流側(図の左上側)には、Pセンサ6が配置されており、かかるPセンサ6が転写ベルト15上に形成されたPセンサパターンの濃度を検知し、検知結果が制御に利用される。
【0014】
図2は或る色に対応する感光体ユニット及び現像ユニットを示す概略断面図である。同図に示すように、感光体ユニット3は感光体ドラム16(例えば、φ30)を有している。感光体ドラム16はアルミの中空円柱状であり、肉厚はφ30の場合には0.75mm程度としている。また、感光体ドラム16は図示していない駆動機構によって図中時計回りに回転させられるようになっている。
感光体ドラム16の上方側には帯電手段19の帯電ローラ17(例えば、φ11)が配置されている。帯電ローラ17は、その表面が感光体ドラム16の表面から0.05mm程度離間した位置に配置されている。そして、帯電ローラ17は、感光体ドラム16と逆方向、つまり、図中反時計周りに回転させられ、感光体ドラム16の面上に均一な電荷を印加している。
【0015】
また、帯電ローラ17の上方側には帯電手段19を構成する帯電ローラ用クリーニングブラシ18が配置されている。感光体ドラム16の左斜め上側にはクリーニングブラシ20及びカウンターブレード21が配置され、これらによって感光体ドラム16のクリーニングがなされる。
また、クリーニングブラシ20の左側には、廃トナー回収コイル22が配置されており、かかる廃トナー回収コイル22によって回収された廃トナーは、図1に示す廃トナーボルト16に搬送されるようになっている。
【0016】
次に、現像ユニット4は、乾式2成分磁気ブラシ現像方式を採用したものであり、現像ローラ24と、現像ドクタ25と、左搬送スクリュー26と、右搬送スクリュー27と、トナー濃度センサ28と、現像剤カートリッジ29とを含んでいる。符号15は転写ベルトを示している。
帯電ローラ17による帯電バイアスは、通常、直流電圧と交流電圧の重畳された構成になっている。感光体ドラム16と帯電部材(帯電ローラ)17との間に電位差が生じると、その電界強度に応じたマクスウェル(Maxwell)応力が発生し、そのマクスウェル応力によって帯電ローラ17などの帯電部材の変形が生じる。
AC(交流電圧)重畳のバイアスの場合、時間とともに印加される電圧が周期的に変動するため、マクスウェル応力も時間応答で変化し、その結果、ACの周波数に応じて帯電部材17の変形(振動)が発生して騒音となる。特に帯電ローラ17はゴムで構成され、感光体ドラム16に対してばね荷重等で加圧固定されていることが多く、マクスウェル応力の変動によって感光体ドラム16への当接条件が変わり、騒音が発生し易い。
【0017】
前述のように、感光体ドラム16は肉厚0.75mm程度の薄肉で中空円筒のため、非常に音が響き易い構成になっている。よって、帯電部材17の振動が感光体ドラム16に加振力として与えられ、感光体ドラム16で振動が増幅されて音響放射すると考えられる。
また、帯電に作用する力は、交流成分の波形の1周期のうち、ピーク値で最大となり、交流電圧波形が振動の中心値(直流成分の値)の時に最小となる。つまり、1周期の間には最大ピークと最小ピークがあり2回振動する。
つまり、帯電周波数の2倍の周波数で帯電音が発生する。実際に帯電音の測定を行って周波数分布を調べると、帯電周波数の音も発生している。しかし、帯電周波数の2倍の周波数の音の発生が圧倒的に多く、耳障りに聞こえるのも2倍の周波数の方であることがわかった。
【0018】
図3は感光体ドラムに帯電ローラによって1.2kHzの電圧を印加した場合の音響パワーレベルの1/3オクターブ分析を行った結果グラフで示す図である。図3に示すように、帯電周波数×2の中心周波数2.5kHzバンドの音響パワーレベルが卓越しており、AP(オールパス:周波数バンド別ではなく、音響パワーレベルの全パワーを表示した値)の値とほぼ同値である。つまり、実際に聞こえる帯電音としては2.5kHzの音が大部分ということになる。
【0019】
図4は非接触近接帯電方式を用いた場合の実施形態を示す概略図である。
本実施の形態では、帯電ローラ17は近接帯電部材としての中抵抗帯電ローラである。本実施の形態の帯電ローラ17は、芯金上に硬度JIS−Aで50度のゴム層を設け、軸とローラ表面間の抵抗が、10×107Ω・cmのローラを使用した。
ローラ表面は、放電により発生した生成物がローラ表面に付着しにくくなるようにフッ素で表層処理してフッ素コートを施している。一般的にローラ形状の帯電部材では、感光体ドラムの回転に連れ回りさせ、駆動を取ることで回転させてローラ表面にクリーニング部材を当てることができ、そして帯電部材の清掃が容易なため安定した放電状態を作ることができるという利点がある。
【0020】
帯電ローラ17の両端部には、厚さが60μmの絶縁性であるフッ素樹脂製(例えば、四フッ化エチレン(PTFE)(テフロン(登録商標)とも言う))のテープ(以下、この部材をギャップ材とする)30が巻いてある。
帯電ローラ17の両端部の軸31には、ばね32により片側それぞれ4N(両側合わせて8N)の一定の加重を掛けて、帯電ローラ17の両端部のギャップ材30を感光体ドラム16に接触させた。この状態では、図4に示すように、帯電ローラ17の両端部のギャップ材30の間に挟まれた領域(有効画像領域)では、帯電ローラ17表面と感光体ドラム16表面とでは間隙が0.05mmで非接触対向している。
なお、帯電ローラ17の端部に巻き付けるテープ(ギャップ材)30は、フッ素樹脂に限らず絶縁性の材質であれば特に問わない。但し、帯電ローラの軸方向に対するギャップ材30の間の距離は、感光体ドラム16上の有効画像領域よりも長くする必要がある。その理由は、ギャップ材30が絶縁性であるため、その箇所では感光体ドラム16への帯電ができないからである。
【0021】
帯電ローラ17を感光体ドラム16と非接触とすることのメリットは、以下の通りである。
先ず、感光体ドラム16のクリーニング残トナーなどが帯電ローラ17に付着しにくく、帯電ローラ17が汚れにくく、クリーニング装置(図2の帯電ローラ用クリーニングブラシ18)などを省くことが可能である。また帯電ローラ17表面が汚れにくいため、経時で帯電が安定する。
更に、感光体ドラム16と帯電ローラ17が常時接触していると、感光体ドラム16側の接触していた部分に帯電不良が起きて画像に現れたりするが、それを防止できる。更にまた、常時接触で停止していた時間が長い場合、帯電ローラ17が変形して帯電不良を起こすことがあるがそれを防止できる。
以上のようにメリットが多いため、帯電ローラ17を感光体ドラム16と非接触とする方法が近年盛んに研究されている。
【0022】
次に帯電バイアスの印加方法について説明する。
帯電バイアスは直流電圧に交流電圧を重畳して使用しており、同一の周波数発生装置によって発振した交流電圧波形を、位相をずらしたもの2種を発生させ、各々を増幅して各帯電装置に供給している。
動作モードには2種類有り、図1に示したような実施形態の機種では、4色フルカラーモードと単色モードでは線速が異なり、帯電で使用する交流の周波数も異なっている。例えば、フルカラーモードの場合はAC周波数900Hz、振幅はピーク間で2kV、DC(直流)成分は−750V印加し、また、モノクロモードではAC周波数1350Hz、振幅はピーク間で2kV、DC成分は−750V印加するというように、最適な周波数(帯電ムラが起こらないように等の理由)で帯電を行う。
帯電音は前述のように帯電周波数の2倍の周波数が主成分であり、その周波数を低減すれば帯電音が下がり、ユーザの耳障り感も低減される。隣接する感光体ユニットの帯電周波数の位相をずらすことにより、発生する音波の位相をずらし、音を打ち消すことができれば、帯電音を画像形成装置の外部に漏らすことを防げる。帯電音は定常的に発生する綺麗な純音なので位相をずらして打ち消すことが可能である。これに対して、非定常に変動する音に対しては打ち消し合うことは困難である。
【0023】
図5は2つの感光体ユニットに対して、帯電電圧の位相を0〜180°ずらして音響パワーレベルの変化を観察した結果をグラフで示す図である。
結果的には位相差0°と180°で最も音響パワーレベルが大きく、位相差90°で最も小さくなった。つまり、帯電周波数を基本にして逆位相にずらすと、音を打ち消し合うどころか、強調し合うことになる。
また、帯電周波数は0〜180°の半周期(0から逆位相になるまで)ずらしたにもかかわらず、音響パワーレベルは極大→極小→極大と、レベルが1周期分変化した。これについて考えてみると、帯電音は帯電周波数の2倍の周波数が主成分のため、帯電周波数の位相を180°ずらすと騒音の位相は2倍の360°ずれるということである。よって、帯電電圧の位相をαずらした場合は、帯電音の合成振幅は、sin(θ)+sin(θ+α)ではなく、sin(2θ)+sin(2(θ+α))の合成で考える必要がある。
【0024】
図6は帯電電圧の位相差を、0°、30°、60°、90°として、振幅量が減少していく様子を示す図である。図7は位相差を0°から10°おきに、180°まで変化させた様子を示す図である。
図6及び図7には2つのsin波の音波の合成により、合成波の振幅量が位相差によって変化していく様子を示している。最も振幅量が高くなるのは位相差0°と180°の場合であり、元の振幅の2倍となる。
【0025】
先ず、位相0°から10°ずつずらしていくと、合成波の振幅量も徐々に減少し、位相差60°で元の振幅量の1になる。また、理想的には位相差90°で振幅量は0になり、完全に打ち消し合うことになる。さらに、位相がずれていくと再び振幅量が増加し、位相差120°で振幅量は1に戻る。さらにまた、位相をずらしていくと位相差180°で振幅量は2になる。
さらに位相をずらしていくと、この変化のサイクルを繰り返すことになる。なお、図7のグラフで位相差60°〜80°を太線で、位相差100°〜120°を太字破線で示している。これより、帯電電圧の位相差を、60°より大きく、120°未満の範囲に設定すれば、少なくとも元の振幅量以下に騒音を抑えることができる。最も効果的なのは帯電電圧の位相差90°に設定することである。
【0026】
図8は本発明による帯電制御方法を実施するための帯電手段を説明する概略回路図である。
図8の帯電手段19には帯電パワーパック33による各帯電ローラ17への電圧印加回路の一例を示している。
図8に示す帯電パワーパック(帯電用電源回路)33は、発振器34と4個の高圧アンプ35の他に、位相シフト回路36を備えている。そして、発振器34が出力する発振信号を、例えばBk、C用感光体ドラム用高圧アンプ35には直接に入力させ、Y、M用感光体ドラム用高圧アンプ35にはπ/4位相シフト回路36を通してπ/4(90°)位相をずらして入力させる。なお、位相シフトはπ/4(90°)に限らず、公知技術で自由に設定が可能である。
【0027】
図9は本実施形態の制御系を説明するブロック図である。
図9には本発明に直接関係ある部分のみ書いてある。CPU(中央演算処理部)37には、画像形成装置A(図1)の画像形成に係る各種センサ(図示せず)及び騒音検出手段38(後述)からの信号が入力される。
CPU37は、転写紙搬送用の給紙装置12(図1)と各種負荷や帯電手段19を動作させるためのタイミング制御を行うと共に、操作コントローラ39から入力する入力データによるモード制御を実行し、各コントローラとのシリアル通信により画像形成装置A全体の制御を行う。
操作コントローラ39は、操作表示手段40から入力されるデータをCPU37へ送信するとともに、入力するデータモードに基づいて、操作表示手段40にモード表示を行う。操作表示手段40は液晶タッチパネルやキー操作ボタンからなる。
【0028】
これまでの説明で、予め対になる感光体ドラムの帯電電圧の位相をずらすことによって帯電音の静音化を行うことができる。しかし、図9の騒音検出手段38と操作表示手段40を用いて帯電電圧の位相をずらした時の騒音レベルを操作表示手段40に表示し、騒音レベルが最小になるように操作表示手段40をユーザまたはサービスマンが操作して設定すれば、さらに効果的である。
理想的には帯電電圧の位相差90°で振幅量は0になり、完全に打ち消し合うことになるが、感光体ドラムの位置関係や、装置内部の音の反射や回折等で最適な位相差が90°にならない可能性がある。
このため、実際に騒音レベルを計測しながら最適な位相差を設定してやると効果的ということになる。この時は初期設定が帯電電圧の位相差90°(理想状態)に設定されていると短時間で設定が終了する。
【0029】
図10は感光体ドラム近傍に配置している騒音検出手段を示す概略回路図である。騒音検出手段38は1つ以上配置することが望ましい。図10では、騒音を検出するために騒音検出手段38−1及び騒音検出手段38−2を配置している。
騒音検出手段38を複数設けた場合は、例えば、Bk感光体ドラムとY感光体ドラムの帯電電圧位相差をずらした場合の騒音の検出は騒音検出手段38−1のみで行ない、C感光体ドラムとM感光体ドラムの帯電電圧位相差をずらした場合の騒音の検出は騒音検出手段38−2のみで行うというように、場合分けした方が望ましい。
【0030】
図11は騒音検出手段を説明するブロック回路図である。
図11において、騒音検出手段38はマイクロホン41で音をキャッチして電気信号に変換する。これは交流信号である。その微細な電気信号をプリアンプ42によって或るレベルまで増幅してインピーダンス変換を行う。
周波数補正43は聴感補正のA特性を掛けるものである。この信号が実効値レベル化回路44に行き、この実効値レベル化回路44の実効値検波回路45で直流信号に変換し、対数変換回路46でdB値に変換を行う。
【0031】
図3に示したように帯電音は帯電周波数×2の成分が卓越しており、AP(オールパス:周波数バンド別ではなく、音響パワーレベルの全パワーを表示した値)の値とほぼ同値である。つまり帯電周波数×2の成分が下がれば、APの値も同様に下がるので、APの表示でよい。つまり、周波数分析は行う必要がない。
よって、操作表示手段40(図9)で帯電音調整モードを設定し、最も低い騒音レベルになるように1対の感光体ドラムの位相調整を行うことで帯電音の静音化が可能である。図1の実施の形態のように4本の感光体ドラムがある場合は、1対ずつ、合計2回の調整を行う。
なお、位相差の初期設定を図10の位相シフト回路53で90°(π/4)に設定しておくと、短時間で調整できる。また、初期値が同位相だと、騒音レベルが高く、調整を行う人間に不快感を与えることになるので初期設定は同位相ではないことが望ましい。また、位相のマニュアル調整は、画像形成時以外に行うものである。また、最適位相差の設定をマニュアル操作ではなく、自動で行うとさらに便利である。
【0032】
図12は帯電電圧の位相及び騒音制御に関連する動作を説明するフローチャートである。図12のフローチャートは感光体ドラムと帯電ローラの組み合わせが4つ(1〜4ch)、騒音検出手段が2つある場合の例を説明している。
帯電位相制御処理が開始されると(S1)、先ず、騒音検出手段38−1がオンになる(S2)。その後、1ch、2chと帯電手段がオンとなり(S3)、(S4)、帯電音を発生する。発生した帯電音は騒音検出手段38−1で検出され、最適位相差(最も騒音レベルが小さくなる位相)を決定するまで位相をずらす、すなわち、2ch位相を変化する(S5)。
【0033】
最適位相差が決定されると(S6)、1ch、2chと帯電手段がオフとなり(S7)、(S8)、騒音検出手段38−1もオフされる(S9)。その後、騒音検出手段38−2がオンされ(S10)、3ch、4chと帯電手段がオンとなり(S11)、(S12)、帯電音を発生する。
発生した帯電音は騒音検出手段38−2で検出され、最適位相差(最も騒音レベルが小さくなる位相)を決定するまで位相をずらす、すなわち、4ch位相を変化する(S13)。最適位相差が決定されると(S14)、3ch、4chと帯電手段がオフとなり(S15)、(S16)、騒音検出手段38−2もオフされて(S17)処理が終了する。
なお、マニュアル操作時と同様に、位相差の初期設定を図10の位相シフト回路36で90°(π/4)に設定しておくと、短時間で調整できる。帯電位相制御処理は専用の帯電位相制御処理モードを設けて画像形成装置が稼動していない時に行う。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】電子写真方式を採用したデジタルカラープリンタとして画像形成装置を示す概略図である。
【図2】或る色に対応する感光体ユニット及び現像ユニットを示す概略断面図である。
【図3】感光体ドラムに帯電ローラによって1.2kHzの電圧を印加した場合の音響パワーレベルの1/3オクターブ分析を行った結果をグラフで示す図である。
【図4】非接触近接帯電方式を用いた場合の実施の形態を示す概略図である。
【図5】2つの感光体ユニットに対して、帯電電圧の位相を0〜180°ずらして音響パワーレベルの変化を観察した結果をグラフで示す図である。
【図6】帯電電圧の位相差を、0°、30°、60°、90°として、振幅量が減少していく様子を示す図である。
【図7】位相差を0°から10°おきに、180°まで変化させた様子を示す図である。
【図8】本発明による帯電制御方法を実施するための帯電手段を説明する概略回路図である。
【図9】本実施の形態の制御系を説明するブロック図である。
【図10】感光体ドラム近傍に配置している騒音検出手段を示す概略回路図である。
【図11】騒音検出手段を説明するブロック回路図である。
【図12】帯電電圧の位相及び騒音制御に関連する動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
A 画像形成装置、3 画像形成手段(感光体ユニット)、4 現像ユニット、16 感光体ドラム、17 帯電部材(帯電ローラ)、19 帯電手段、36 位相シフト回路(交流電圧位相制御手段)、37 CPU(中央演算処理部)、38 騒音検出手段、38−1 38−2 騒音検出手段、39 操作コントローラ、40 操作・表示手段(騒音レベル表示手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記交流電圧位相制御手段は、前記交流電圧の位相を相対的に90°ずらすように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、騒音を検出する騒音検出手段と、操作手段と、を備え、前記騒音検出手段により隣接する画像形成手段から検出した騒音レベルから、前記操作手段によって位相差を設定可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記交流電圧位相制御手段は、前記隣接する画像形成手段に対し、前記騒音検出結果から自動的に最適な位相差を設定する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記交流電圧位相制御手段は、位相差の初期設定を90°に設定することを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項6】
位相調整は1対の画像形成手段ごとに順次行うことを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記交流電圧位相制御手段は、前記交流電圧の位相を相対的に90°ずらすように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の感光体ドラムとそれぞれ対をなして設けられた帯電部材に電圧を印加することによって、前記感光体ドラムの表面を帯電させる画像形成手段を有する画像形成装置において、各々の感光体ドラムを帯電させる帯電手段と、該帯電手段に交流電圧を印加すると共に該交流電圧を隣接する画像形成手段に対し相対的に60〜120°位相をずらすように制御する交流電圧位相制御手段と、騒音を検出する騒音検出手段と、操作手段と、を備え、前記騒音検出手段により隣接する画像形成手段から検出した騒音レベルから、前記操作手段によって位相差を設定可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記交流電圧位相制御手段は、前記隣接する画像形成手段に対し、前記騒音検出結果から自動的に最適な位相差を設定する制御を行うことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記交流電圧位相制御手段は、位相差の初期設定を90°に設定することを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項6】
位相調整は1対の画像形成手段ごとに順次行うことを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−192872(P2007−192872A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8500(P2006−8500)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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