説明

画像形成装置

【課題】簡易な構成で現像部材の表面に残留する現像剤を剥離する。
【解決手段】現像ロール68は、最後に供給された現像剤をスリーブ102の回転と低磁力部110とによって剥離する。ただし、図6(B)にも示すように、現像ロール68の磁極(ピックオフ極)108周辺には、現像剤が残留している。制御部62は、図6(C)にも示すように、掻き取り部材302を低磁力部110の近傍で現像ロール68に接触させた後、磁石100を例えば約1回転させることにより、スリーブ102に残留する現像剤を掻き取り部材302によって掻き取らせる。ただし、掻き取り部材302が掻き取った現像剤は、磁石100の磁力によって掻き取り部材302に付着したままである。制御部62は、図6(D)にも示すように、磁石100をさらに回転させることにより、掻き取り部材302から現像剤を落下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、現像ローラの両端部に、現像スリーブ表面に当接するスクレーパ部材を備え、そのスクレーパ部材をマグネットロールの複数の磁極の中で一番磁力の低い部分で当接させる現像装置を開示する。また、特許文献2は、スリーブ上の現像剤剥ぎ取り方式として、剤搬送案内剥離板を設け、剥離板直下に第2のマグネットロールを配置したマグロール回転系現像装置(スリーブ固定)を開示する。また、特許文献3は、現像剤除去ロールの回転方向における現像剤の離脱位置から磁気吸着位置に達するまでの範囲内に、当該現像剤除去ロールの長手方向における周面一部と接触または近接する空間遮蔽部材を設けた現像装置を開示する。また、特許文献4は、現像剤担持体上の現像処理済みの現像剤を剥ぎ取り手段により剥ぎ取り、剥ぎ取られた現像剤を回収して現像剤供給部の非画像形成領域の下流部に搬送する現像装置を開示する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−109750号公報
【特許文献2】特開2004−219819号公報
【特許文献3】特開2003−167435号公報
【特許文献4】特開2002−148921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、簡易な構成で現像部材の表面に残留する現像剤を剥離することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、像保持体と、この像保持体に現像剤を供給する現像部材と、前記現像部材を予め定められた方向に回転駆動させる駆動手段と、前記現像部材に対して接離自在に設けられた掻取手段と、異なる色の現像剤を前記現像部材に供給する複数の現像剤供給部と、前記駆動手段、前記掻取手段及び前記複数の現像剤供給部を制御する制御手段と、を有し、前記現像部材は、磁石と、この磁石を内部に収容するスリーブと、を備え、前記磁石は、N極及びS極を含む複数の磁極からなり、同極の磁極が連続する同極部を有し、前記制御手段は、前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記掻取手段を前記現像部材に接触させるとともに、前記磁石を回転駆動させるよう制御する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記制御手段は、前記磁石が少なくとも2回転以上するよう制御する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記制御手段は、前記掻取手段が掻き取る現像剤と同じ色の現像剤を供給した前記現像剤供給部が掻き取られた現像剤を受け入れるように、前記複数の現像剤供給部を制御する請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給することを遮断する遮断手段をさらに有し、前記制御手段は、前記遮断手段が現像剤の供給を遮断するか否かを制御する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記制御手段は、前記複数の現像剤供給部と前記現像部材との距離を制御することにより、前記遮断手段が現像剤の供給を遮断するか否かを制御する請求項4記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記制御手段は、前記複数の現像剤供給部のいずれかと前記現像部材との間を遮る遮断部材を制御することにより、前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給することを遮断する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、簡易な構成で現像部材の表面に残留する現像剤を剥離することができる。
【0012】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、本構成を有しない場合に比較して、短時間で確実に現像剤を剥離することができる。
【0013】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明の効果に加えて、現像剤を再利用することができる。
【0014】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、現像剤を効率的に剥離することができる。
【0015】
請求項5に係る本発明によれば、請求項4に係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、簡易な構成で現像剤を効率的に剥離することができる。
【0016】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明の効果に加えて、本構成を有していない場合に比較して、現像剤を確実且つ効率的に剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の背面側(図1において右側)に例えば1段の給紙ユニット14が配置されている。
【0018】
給紙ユニット14は、用紙が収容される給紙カセット16を有する。給紙カセット16の上部には、給紙カセット16から用紙を取り出す取り出しロール18が配置され、この取り出しロール18の前方に供給ロール20及び捌きロール22が配置されている。
【0019】
供給ロール20は、図示しない駆動部によって駆動され、用紙を後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。捌きロール22は、供給ロール20に対して圧接され、供給ロール20の回転に応じて回転可能にされており、供給ロール20とともに用紙を1枚ずつ後述する搬送路24に向けて供給するように回転する。
【0020】
搬送路24は、供給ロール20から排出口26までの用紙通路であり、この搬送路24は、画像形成装置本体12の上部にあって、給紙ユニット14から排出口26まで略水平に形成されている。この搬送路24の定着装置28の上流側に後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とが配置され、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54の上流側にレジストロール30が配置されている。また、搬送路24の排出口26の近傍には排出ロール32が配置されている。
【0021】
したがって、給紙ユニット14の給紙カセット16から取り出しロール18により取り出された用紙は、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一時停止され、タイミングをとって後述する二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間を通って現像剤像が転写され、この転写された現像剤像が定着装置28により定着され、排出ロール32により排出口26から排出される。
【0022】
画像形成装置本体12には、例えば略中央部に現像装置34が配置されている。現像装置34は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色の現像剤により、後述する像保持体36が保持する静電潜像を可視化する。
【0023】
現像装置34には、例えば感光体からなる像保持体36が画像形成装置10の正面側上方から当接するように配置されている。像保持体36は、時計回り(図1において右回り)に回転するようにされている。像保持体36の背面側には、該像保持体36を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置38が設けられている。つまり像保持体36には、現像バイアスがかけられている。また、像保持体36には、該像保持体36の回転方向の帯電装置38よりも上流側に像保持体用クリーナ40が当接している。像保持体用クリーナ40は、例えば一次転写後に像保持体36に残留する現像剤を掻き取る。
【0024】
現像装置34の上方には、帯電装置38により帯電された像保持体36に、レーザ光などの光線により潜像を書き込む露光装置42が配置されている。また、像保持体36の正面側には、現像装置34によって可視化された現像剤像を一次転写位置で一次転写され、後述する二次転写位置まで搬送する中間転写装置44が設けられている。
【0025】
中間転写装置44は、例えば中間転写ベルトなどの中間転写体46、一次転写ロール48、支持ロール50,52、二次転写バックアップロール54、テンションロール56,58から構成される。中間転写体46は、一次転写ロール48の上流に配置された支持ロール50と、一次転写ロール48の下流に配置された支持ロール52との間で像保持体36にラップ状に当接する一次転写部を有し、像保持体36に所定の範囲だけ巻きついて、像保持体36の回転に従って回転する。テンションロール56,58は、中間転写体46に所定の張力を与えている。そして、中間転写体46は、一次転写ロール48によって像保持体36上の現像剤像を例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写された現像剤像を後述する二次転写ロール60に向けて搬送する。
【0026】
中間転写装置44の二次転写バックアップロール54には、搬送路24を挟んで二次転写ロール60が配置されている。つまり、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間が二次転写位置となっており、二次転写ロール60は、二次転写バックアップロール54の補助により、中間転写体46に一次転写された現像剤像を二次転写位置で用紙に二次転写する。ここで、二次転写ロール60は、中間転写体46が3回転する間、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの3色の現像剤像を搬送する間は中間転写体46から離間しており、黒の現像剤像が転写されると中間転写体46に当接するようにされている。なお、二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間には、所定の電位差が生じるようにされており、例えば二次転写ロール60を高電圧にした場合には、二次転写バックアップロール54はグランド(GND)などに接続される。
【0027】
搬送路24の二次転写位置の下流には、定着装置28が配置されている。定着装置28は、加熱ロールと加圧ロールとを有し、二次転写ロール60及び二次転写バックアップロール54により用紙に二次転写された現像剤像を用紙に定着させ、排出ロール32に向けて搬送する。
【0028】
また、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御部62が設けられている。
【0029】
次に、現像装置34について説明する。
図2は、現像装置34を示す側面図である。図2に示すように、現像装置34は、回転体66、現像ロール68、層厚規制部材70、現像ロール収容壁74及び現像剤供給部80a〜80dを有する。
以下、現像剤供給部80a〜80dなど複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「現像剤供給部80」などと略記することがある。
【0030】
回転体66は、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の現像剤を現像ロール68に順次に供給する現像剤供給部80a〜80dが着脱自在に設けられており、回転軸82を中心として駆動部83の駆動力により例えば反時計回り(図2において左回り)に回転させられて、現像剤供給部80a〜80dが現像ロール68に対向する位置(現像剤供給位置)へ移動するようにされている。
なお、現像剤供給部80a〜80dが収容している現像剤は、例えば非磁性のトナー及び磁性のキャリアを有する2成分現像剤である。
【0031】
現像剤供給部80は、供給器本体94を有し、この供給器本体94内に第1の攪拌搬送部材96及び第2の攪拌搬送部材98が設けられている。第1の攪拌搬送部材96は、現像剤を攪拌しつつ第2の攪拌搬送部材98へ向けて搬送する。第2の攪拌搬送部材98は、現像剤を攪拌するとともに現像ロール68に供給する。また、現像剤供給部80には、現像剤の流出を防止するための開閉部材300と、現像ロール68に残留する現像剤を現像ロール68に接触することによって掻き取る掻き取り部材302とが設けられている。掻き取り部材302は、例えば非磁性体からなる。
【0032】
現像ロール68と掻き取り部材302とが接触する位置の近傍(回転体66の回転方向上流側)には、掻き取り部材302が現像ロール68を傷つけないように、現像ロール68に対して掻き取り部材302が所定の方向から接触するよう掻き取り部材302を案内する案内部材303が設けられている。
【0033】
図3は、現像ロール68が像保持体36に現像剤を供給する場合(現像時)における現像ロール68及びその周辺を示す拡大図である。
現像ロール68は、軸方向に延びてN極及びS極(磁極部)を外面に複数備えた略円柱状の磁石100と、この磁石100を内部に収容して例えば反時計回り(図3において左回り)に回転し、該磁石100の磁力に応じて現像剤を周方向に搬送する円筒状のスリーブ102とを有する。磁石100は、像保持体36に対向して配置されて現像ロール68上の現像剤を像保持体36へ供給する磁極104(現像極:主極)と、現像剤収容器80側上部に配置されて現像剤収容器80から現像剤を引き付ける磁極105(引付極:ピックアップ極)と、磁極105と磁極104との間で現像剤を搬送するための磁極(搬送極:トリミング極)106と、現像剤収容器80側下部に配置される磁極108(剥離極:ピックオフ極)と、磁極104と磁極108との間で現像剤を搬送するための磁極(搬送極)109と、軸方向に延びて略磁力を備えない低磁力部(無磁力部:ダミー極)110などが、像保持体36に現像剤を供給する場合に図3に示すように位置させている。ここで、低磁力部110は、例えば隣接する2つのS極の間に形成(同極部に形成)されており、第2の攪拌搬送部材98に略対向するように配置されている。
磁石100は、例えば磁極104,105,108がS極にされ、磁極106,109がN極にされて、低磁力部110の磁力が略0にされているが、磁極104,105,108がN極にされ、磁極106,109がS極にされて、低磁力部110の磁力が略0にされてもよい。
なお、磁石100は、現像ロール68が像保持体36に現像剤を供給しない場合(非現像時、現像剤回収時など)には、スリーブ102の回転方向と同じ方向に回転可能にされている(図4を用いて後述)。
また、現像ロール68は、像保持体36に対向する部分が露出するように開口された現像ロール収容壁74内に収容されている。
【0034】
掻き取り部材302は、表面が現像剤の付着を防止する被覆層により被覆(表面処理)されている。例えば、掻き取り部材302の被覆層は、テトラへデラルアモルファスカーボン膜(ta−C膜)、ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)、立方晶窒化ホウ素膜(C−BN膜)、炭化珪素膜(SiC膜)、窒化クロム膜(CrN膜)、タングステンカーボン膜(W−C膜)又はその他の金属蒸着膜(Ti等)などからなる。
【0035】
層厚規制部材70は、現像ロール68の表面に付着した(現像ロール68が保持した)現像剤の層厚を規制する。
【0036】
現像剤収容器80は、現像装置本体66の回転に応じて現像ロール68に対向する現像剤供給位置に移動すると、開閉部材300が変位することにより、上部に位置する開口部が開かれるようにされている。
また、現像剤収容器80が現像剤供給位置に移動した場合に、現像剤の上面までの距離が、現像剤を引き付けるように引付極の磁力が作用する距離以下になり、現像剤収容器80内の現像剤が引付極の磁力によってスリーブ102の表面に付着する。つまり、現像剤収容器80に収容された現像剤が現像ロール68に供給される。
【0037】
現像ロール68に供給された現像剤は、上述した磁石100の現像極の作用によって像保持体36へ供給される。また、スリーブ102の表面に残留する現像剤は、上述した磁石100の剥離極の作用(図5等を用いて詳述)によって剥離され、現像剤収容器80に回収される。このように、現像剤供給部80は、現像剤を供給した後に現像ロール68に残留する現像剤を回収して再利用できるようにされている。
【0038】
図4は、磁石100及びスリーブ102をそれぞれ独立に回転駆動する回転駆動部112,114の構成を示す模式図である。
図4に示すように、回転駆動部112は、モータ116及びギア118から構成される。ギア118は、モータ116の駆動力によって回転し、スリーブ102の端部に設けられたギア120に駆動力を伝達することにより、スリーブ102を予め定められた方向に回転させる。回転駆動部112は、制御部62の制御に応じて、現像ロール68が像保持体36に現像剤を供給する場合(現像時)にスリーブ102を回転させる。
【0039】
回転駆動部114は、モータ122及びギア124から構成され、現像ロール68の反回転駆動部112側に設けられている。ギア124は、モータ122の駆動力によって回転し、磁石100の端部に設けられたギア126に駆動力を伝達することにより、磁石100をスリーブ102の回転方向と同じ方向に回転させる。回転駆動部114は、制御部62の制御に応じて、現像ロール68が像保持体36に現像剤を供給しない場合(非現像時、現像剤回収時など)に磁石100を回転させる。なお、回転駆動部114が磁石100を回転させる場合に、回転駆動部112もスリーブ102を回転させるようにされてもよい。
【0040】
次に、現像装置34が1色の現像剤像を可視化した後に、現像装置34が現像ロール68の表面に残留する現像剤を剥離する動作について説明する。
図5は、現像装置34が現像ロール68の表面に残留する現像剤を剥離する動作(S10)を示すフローチャートである。
図6は、図5に示した動作(S10)時における現像ロール68及びその周辺を示す拡大図である。
図5に示すように、ステップ100(S100)において、制御部62は、図6(A)にも示すように、例えば回転体66を回転させることによって掻き取り部材302を磁極105(引付極)の下方へ移動させることにより、現像ロール68への現像剤の供給を遮断する。なお、制御部62は、磁極105の磁力が現像剤収容器80内の現像剤に作用しない位置まで現像剤収容器80を移動させることにより、現像ロール68への現像剤の供給を遮断するようにしてもよい。
【0041】
ステップ102(S102)において、現像ロール68は、最後に供給された現像剤をスリーブ102の回転と低磁力部110とによって剥離する。ただし、図6(B)にも示すように、磁極(ピックオフ極)108周辺には、現像剤が残留している。
【0042】
ステップ104(S104)において、制御部62は、図6(C)にも示すように、掻き取り部材302を低磁力部110の近傍で現像ロール68に接触させた後、磁石100を例えば約1回転させる(磁極105が到達した時点で)ことにより、S102の処理後に残留する残留現像剤を掻き取り部材302によって掻き取らせる(掻き取り部材302上に載せる)。つまり、磁石100の回転と掻き取り部材302により残留現像剤を剥離する。ただし、掻き取り部材302が掻き取った現像剤は、磁石100の磁力によって掻き取り部材302に付着したままである。
【0043】
ステップ106(S106)において、制御部62は、図6(D)にも示すように、磁石100をさらに回転(低磁力部110が通過した後に約1回転)させることにより、掻き取り部材302から現像剤を落下させる。つまり、掻き取り部材302が掻き取った残留現像剤は、低磁力部110が近づくことにより磁石100からの磁力を受けなくなり、落下する。
ここで、低磁力部110は、図6(D)に示したように、図6(A)に示した低磁力部110の位置(図3に示した現像時の低磁力部110の位置)と同じ位置に戻されている。
【0044】
次に本発明の実施形態の作用について説明する。
画像形成信号が送られると、像保持体36が帯電装置38により一様に帯電され、この帯電された像保持体36には、画像信号に基づいて露光装置42から光線が出射される。露光装置42からの光線は、像保持体36の表面を露光し、静電潜像が形成される。
【0045】
像保持体36に保持された静電潜像は、現像剤の色ごとに現像装置34により現像され、中間転写体46に一次転写される。そして、中間転写体46上で各色の現像剤像が重ね合わされて、カラー画像が形成される。
ここで、現像ロール68には、現像剤供給部80a〜80dからイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の現像剤がそれぞれ供給される。そして、現像ロール68に過剰に供給された現像剤は、現像ロール68に次の色の現像剤が供給される前に同じ色の現像剤供給部80に回収される。一次転写において、像保持体36に残留する廃現像剤は、像保持体用クリーナ40によって掻き取られ、回収される。
【0046】
一方、給紙信号等により、給紙カセット16に収容された用紙は、取り出しロール18により取り出され、供給ロール20及び捌きロール22により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路24に導かれ、レジストロール30により一次停止され、タイミングをとって二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれる。用紙が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54との間に導かれると、中間転写体46に一次転写されている現像剤像が二次転写ロール60と二次転写バックアップロール54とによって用紙に二次転写される。
【0047】
現像剤像を転写された用紙は、定着装置28に導かれ、加熱ロールと加圧ロールとによって現像剤像を定着される。現像剤像が定着した用紙は、排出ロール32により排出口26から排出される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す側面図である。
【図2】現像装置を示す側面図である。
【図3】現像ロールが像保持体に現像剤を供給する場合(現像時)における現像ロール及びその周辺を示す拡大図である。
【図4】磁石及びスリーブをそれぞれ独立に回転駆動する回転駆動部の構成を示す模式図である。
【図5】現像装置が現像ロールの表面に残留する現像剤を剥離する動作(S10)を示すフローチャートである。
【図6】図5に示した動作(S10)時における現像ロール及びその周辺を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
10 画像形成装置
34 現像装置
36 像保持体
62 制御部
66 回転体
68 現像ロール
70 層厚規制部材
80a〜80d 現像剤供給部
82 回転軸
83 駆動部
94 収容器本体
96a〜96d 第1の攪拌搬送部材
98a〜98d 第2の攪拌搬送部材
100 磁石
102 スリーブ
104 磁極(現像極)
105 磁極(引付極)
106 磁極(搬送極)
108 磁極(剥離極)
109 磁極(搬送極)
110 低磁力部(無磁力部)
112,114 回転駆動部
120,126 ギア
300a〜300d 開閉部材
302a〜302d 掻き取り部材
303a〜303d 案内部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
この像保持体に現像剤を供給する現像部材と、
前記現像部材を予め定められた方向に回転駆動させる駆動手段と、
前記現像部材に対して接離自在に設けられた掻取手段と、
異なる色の現像剤を前記現像部材に供給する複数の現像剤供給部と、
前記駆動手段、前記掻取手段及び前記複数の現像剤供給部を制御する制御手段と、
を有し、
前記現像部材は、
磁石と、
この磁石を内部に収容するスリーブと、
を備え、
前記磁石は、
N極及びS極を含む複数の磁極からなり、同極の磁極が連続する同極部
を有し、
前記制御手段は、
前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記掻取手段を前記現像部材に接触させるとともに、前記磁石を回転駆動させるよう制御する
画像形成装置。
【請求項2】
前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記制御手段は、
前記磁石が少なくとも2回転以上するよう制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像部材の表面に残留する現像剤を除去する場合、前記制御手段は、
前記掻取手段が掻き取る現像剤と同じ色の現像剤を供給した前記現像剤供給部が掻き取られた現像剤を受け入れるように、前記複数の現像剤供給部を制御する
請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給することを遮断する遮断手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記遮断手段が現像剤の供給を遮断するか否かを制御する
請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記複数の現像剤供給部と前記現像部材との距離を制御することにより、前記遮断手段が現像剤の供給を遮断するか否かを制御する
請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記複数の現像剤供給部のいずれかと前記現像部材との間を遮る遮断部材を制御することにより、前記複数の現像剤供給部が前記現像部材に現像剤を供給することを遮断する
請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−102174(P2010−102174A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274260(P2008−274260)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】