説明

画像形成装置

【課題】簡易な構成で回収部材のトナーを現像装置内に混入させることなく、回収部材のクリーニングを実施すると共に、回収部材のクリーニング動作に伴うスループットの低下を軽減する。
【解決手段】感光ドラム2及びクリーニングローラ7の間に、クリーニングローラ7に回収されたトナーを感光ドラム2に転移させる電位勾配を形成させ、感光ドラム2及び転写ローラ10の間に、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移したトナーを搬送ベルト11に転移させる電位勾配を形成させることで、クリーニングローラ7に回収されたトナーを、感光ドラム2を介して搬送ベルト11に転移させクリーニング装置15で回収するクリーニング動作を実行する制御手段を備え、制御手段は、クリーニング動作時に、感光ドラム2の表面部分のうち少なくとも、クリーニングローラ7からトナーが転移した表面部分を、現像装置9によりトナーで現像させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート等の記録材上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置のカラー化が進みカラー画像形成装置として4色それぞれが感光ドラム、帯電装置、現像装置、クリーニング装置を有するステーションを有し、1パスで順次、記録材搬送部材上の記録材又は中間転写体上に転写工程を行う方式が提案されている。この方式(タンデム方式)は、高速のカラー記録に対応できる利点を有している反面、4つのステーションが存在するために装置の小型化には限界があった。一般的なクリーニング装置として、クリーニング部材を感光ドラムに押し当てて転写残トナーをせき止め、廃トナー容器に掻き落として捕集させる装置があり、このような装置ではブレード型のクリーニング部材が用いられている。しかし、クリーニング部材を感光ドラムに当接させる場合、転写残トナーの捕集性には優れるが、廃トナー容器を各ステーションに具備しなければならないため、装置が必然的に大きくなってしまうことが懸念されていた。特に、複数のステーションを有するタンデム式の画像形成装置においては、さらなる装置の小型化が望まれていた。
【0003】
このような点に鑑み、各ステーションに廃トナー容器を設けることを不要にした画像形成装置が提案されている。それは例えば、感光ドラム上に形成されたトナー像の転写工程後に感光ドラム表面に残留付着する転写残トナー及び再転写トナーを保持部材に静電的に一時的に付着させ、非画像形成時に保持したトナーを感光ドラムに転移し、現像装置で回収する装置である。しかし、カラーの画像形成装置の場合、保持部材には、転写残トナーだけでなく、他のステーションのトナーである再転写トナーも回収されている。このような混色した保持部材のトナーを感光ドラム上に転移して、現像装置で回収すれば、現像装置内のトナーが混色してしまい色味が変動してしまうことが懸念された。
【0004】
そのため、保持部材に付着したトナーを現像装置以外の場所に回収する方法が提案されている。例えば特許文献1では、保持部材のトナーを直接記録材搬送部材に転移し、記録材搬送部材のクリーニング装置に廃棄することで現像装置内の混色の発生を防止し、良質の画像を得られるような画像形成装置が提案されている。特許文献1の保持部材は、感光ドラムと記録材搬送部材双方に当接離間可能に設けられており、転写工程後に感光ドラムに残留したトナーを一旦保持し、画像形成動作終了後に、感光ドラムから離間して記録材搬送部材に当接する構成をとっている。
【0005】
また、保持部材のトナーを現像装置以外の場所に回収する別の方法として、例えば特許文献2、3では、保持部材に付着したトナーを感光ドラムに転移し、更に感光ドラムから中間転写体に転移し、中間転写体のクリーニング装置に廃棄している。その際に、感光ドラムに転移したトナーが現像装置内に混入するのを防止するために、現像装置を退避している。
一方、特許文献4のように、現像性を維持するために、劣化したトナーを現像装置から吐き出すトナー排出動作を行う装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−030163号公報
【特許文献2】特開2004−020700号公報
【特許文献3】特開2000−029365号公報
【特許文献4】特開2009−042493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のように、保持部材が感光ドラムと記録材搬送部材双方に当接離間可能な構成にすると、部品点数が増えてコストが高くなってしまうことが懸念される。一方、特許文献2、3のように保持部材のクリーニング動作に、現像装置を退避する方法は、現像装置のポジションの退避と復帰に時間を要するため、保持部材のクリーニング動作に要する時間が長くなり、スループットが低下することが懸念される。さらに、現像装置の退避機構が必要であるためコスト上昇を生じてしまうことが懸念される。
また、特許文献1乃至3のように保持部材に付着したトナーのクリーニング動作ではなく、感光ドラムに接触する帯電ローラのトナーのクリーニング動作を行う装置もある。
保持部材や帯電ローラ等の感光ドラムに接触する接触部材のクリーニング動作の他に、特許文献4のように、現像装置からのトナー排出動作を行う場合もある。この場合、接触部材のクリーニングと、現像装置からのトナー排出動作とをそれぞれ行うことになる。そのため、画像形成が中断する時間が増えてしまう。そのため、画像形成のスループットが低下することが懸念される。
【0008】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で接触部材のトナーを現像装置内に混入するのを抑制し、接触部材のクリーニング動作と現像装置のトナー排出動作によるスループットの低下を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明にあっては、回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記像担持体の回転方向に対し前記転写位置よりも下流側、かつ、前記帯電位置よりも上流側で前記像担持体に接触するように配置され、電圧を印加されて現像剤を保持する保持部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材、前記保持部材、前記現像手段及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記保持部材に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記保持部材に保持された現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記制御手段は、前記現像手段と前記帯電手段に印加される電圧の少なくとも一つを制御して、前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記保持部材から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部に対して、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構成で接触部材のトナーを現像装置内に混入するのを抑制し、接触部材のクリーニング動作と現像装置のトナー排出動作によるスループットの低下を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用可能な画像形成装置の概略構成を示す断面図
【図2】画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図
【図3】プリント動作及びクリーニングシーケンスのタイミングチャート
【図4】感光ドラム上のトナー量と露光後の感光ドラムの電位の関係を示したグラフ
【図5】プリント動作及び帯電ローラクリーニングシーケンスのタイミングチャート
【図6】CPUとの関係を示したブロック図
【図7】感光ドラムとクリーニングローラのニップ部の関係を示した図
【図8】実施例3の画像形成装置におけるプリント動作及びクリーニングシーケンスのタイミングチャート
【図9】実施例4の画像形成装置におけるプリント動作及びクリーニングシーケンスのタイミングチャート
【図10】実施例3の画像形成装置画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図
【図11】本発明を適用可能な画像形成装置の概略構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明を適用可能な画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。まず、図1を用いて画像形成装置100の全体構成を説明する。ここで、以下の説明の長手方向は、記録材の画像形成面のうち記録材搬送方向に直交する記録材幅方向であり、回転可能な像担持体としてのドラム形状の感光体である感光ドラム2の回転軸方向である。
【0014】
<画像形成装置の全体構成>
画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色専用の画像形成部PY,PM,PC,PBkを並列的に配置してなるタンデム型のフルカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、現像剤としてのトナーで形成された4色のトナー像(現像剤像)からなるフルカラー画像をプリントすることができるほか、単色の画像をプリントすることもできるものである。画像形成装置100によるフルカラー画像のプリントは概略以下のようにして行われる。まず、各画像形成部PY,PM,PC,PBkにより、色毎の画像情報に応じたトナー像を所定のタイミングで像担持体としての感光ドラム2上(像担持体上)に形成する。各感光ドラム2上のトナー像は、記録材搬送体としての搬送ベルト11によって搬送される記録材Pに順次転写され、4色のトナー像が記録材Pに重ね合わせられる。4色のトナー像が転写された記録材Pは、定着装置14を経由して排出トレーに排出される。
【0015】
<画像形成部の説明>
次に、図2を用いて各画像形成部について説明する。図2は、画像形成装置100に着脱可能なプロセスカートリッジ1の概略構成を示す断面図である。感光ドラム2は、直径24mmのアルミシリンダの外周面に長手方向の幅250mmにわたって、OPC(有機光半導体)感光層が塗布された回転体である。感光ドラム2は、駆動手段(不図示)によって100mm/secのプロセススピード(周速度)で回転駆動される。帯電手段としての帯電ローラ3(帯電部材)は、直径が12mmのローラ状の部材であり、有効帯電幅は235mmである。帯電ローラ3の芯金には、基層としてウレタンゴム層、表層としてフッ素系樹脂層が積層されている。帯電ローラ3は、帯電位置において所定の当接圧で感光ドラム2表面に押圧されて感光ドラム2との間に帯電ニップ部を構成している。帯電ロ
ーラ3の芯金には、帯電バイアスとしてのDC電圧が印加され、帯電ニップ部の近傍の微小間隙で放電を発生させることにより感光ドラム2の周面を帯電させるようになっている。
【0016】
次に、帯電された感光ドラム2表面には露光手段としての露光装置8によって静電潜像が形成される。入力信号に対応した画像信号に応じて、半導体レーザが発光し、そのレーザ光が高速回転しているポリゴンミラー(不図示)で反射し、結像レンズ群(不図示)を通って、感光ドラム2に照射されるようになっている。ここで、露光装置8による主走査方向の有効露光幅は230mmとなっており、後述するトナー塗布幅及び記録材Pの最大通紙幅(搬送方向に対して直交する方向)よりも広くなっている。レーザ光照射によって、感光ドラム2上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置9によって可視化される。
【0017】
次に、現像装置9について説明する。本実施例では、現像方式として非磁性一成分接触現像方式を採用している。現像装置9は、現像位置において露光された部分に現像剤を転移させる反転現像方式で潜像の現像を行っている。現像装置9内には、非磁性一成分トナーが150g充填されている。図の矢印B方向に回転するトナー供給ローラ5は、芯金の周囲にウレタンフォームを設けたスポンジローラである。このトナー供給ローラ5と現像剤担持体としての現像ローラ4とが接触配置されているため、現像ローラ4上にトナーを供給することができる。現像ローラ4は、直径が16mmのローラ状の部材であり、現像ローラ4の芯金には、基層としてシリコーンゴム層、表層にカーボンを混ぜたウレタンゴム層が積層されている。現像ローラ4は、駆動手段(不図示)によって図の矢印C方向に150mm/secの周速度(表面速度)で回転駆動される。
【0018】
そして、トナー供給ローラ5から供給された現像ローラ4上のトナーは、現像ブレード6により、トナー塗布幅215mmにわたって、均一な層厚に規制されると共に、マイナス極性に帯電される。本実施例の現像ブレード6は、ステンレス板の先端の形状がL字型形状のものを採用している。現像ローラ4の芯金には、−400Vの直流の現像バイアスが印加されている。現像ローラ4と感光ドラム2が接触している現像ニップ部において、現像ローラ4上のトナーが感光ドラム2の静電潜像に付着されて、トナー像が形成される。感光ドラム2上に形成されたトナー像は、転写部材としての転写ローラ10に対して、DC電圧が印加されることにより、搬送ベルト11に担持搬送された記録材Pに転写される。転写を行う位置を転写位置とする。
【0019】
転写工程後(転写動作後)に感光ドラム2表面に付着しているトナーを回収して一時的に保持しておくために、保持部材としてのクリーニングローラ7が設けられている。クリーニングローラ7は、転写位置より下流側で帯電位置よりも上流側に配置され、転写動作後に感光ドラム2に付着しているトナーを一時保持するための保持部材でもある。クリーニングローラ7は、直径が12mmのローラ状の回転体であり、芯金の周囲に半導電性の発泡ウレタンスポンジ層が一定の厚さに被覆形成されている。発泡ウレタンスポンジ層の長手方向の幅は、トナー塗布幅と同じ215mmにしている。その発泡ウレタンスポンジ層が感光ドラム2の表面部分に当接し、感光ドラム2に対して等速度で、すなわち感光ドラム2の表面に当接しながら図の矢印D方向に回転するようにギア駆動されている。
【0020】
図6は、制御手段であるCPU17と、制御先の関係を表すブロック図である。CPU17は、帯電バイアス制御部、現像バイアス制御部、転写バイアス制御部、クリーニングローラバイアス制御部を備え、それぞれ、帯電ローラ3、現像ローラ4、転写ローラ10、クリーニングローラ7に印加される電圧の制御を行う。なお、電圧の制御とは、電圧の値を制御する他、電圧をオフすることも含む。また、CPU17は、露光制御部を備え、露光装置8の露光の制御を行う。露光制御部では、露光装置の露光のタイミング、露光の
光量の制御を行っている。
【0021】
クリーニングローラ7が感光ドラム2の表面と接触することにより、転写工程後の感光ドラム2上に付着しているトナーを除去し、帯電ローラ3の表面にトナーが付着するのを防止している。プリントジョブ実行中(画像形成時)は、転写工程後に感光ドラム2上に付着しているトナーをクリーニングローラ7に一時的に蓄積している。クリーニングローラ7に蓄積されたトナーは、非画像形成時にクリーニングシーケンス(クリーニング動作)が実行されることで、感光ドラム2及び搬送ベルト11を介して、回収部材としてのクリーニング装置15によって回収(廃棄)される。クリーニングシーケンスは、画像形成装置100に設けられた制御手段により実行される。クリーニングシーケンスでは、クリーニングローラ7と感光ドラム2と転写ローラ10間に電位勾配が形成されることで、クリーニングローラ7に蓄積したトナーは、感光ドラム2を介して、搬送ベルト11のクリーニング装置15に廃棄される。感光ドラム2とクリーニングローラ7の間に電位勾配を形成するために、クリーニングローラ7の芯金に、電圧印加手段としての可変電源を接続してDC成分からなるバイアスを印加できるようになっている。
【0022】
ここで、プリントジョブ実行中にクリーニングローラ7に蓄積されたトナーが、現像装置9に混入すると、現像装置9のトナーが混色するため、プリント画像の色味変動が発生することが懸念される。そのため本実施例では、クリーニングシーケンスにおいて、クリーニングローラ7に蓄積されたトナーが、感光ドラム2と現像ローラ4の当接ニップ部を通過する際に、現像ローラ4へ転移するのを防止するため、次のような動作を実施している。すなわち、クリーニングシーケンスにおいて、現像ローラ4上のトナーを感光ドラム2に現像(供給)するトナー排出動作(現像剤排出動作)を実施している。トナー排出動作によって、現像ローラ4から感光ドラム2にトナーを現像すると、そのトナーの流れに逆らって、感光ドラム2から現像ローラ4へトナーが移動することが困難になるため、混色トナーの現像装置9への混入を抑制できる。
【0023】
<トナー排出動作について>
次に、上述したクリーニングシーケンス時に実行するトナー排出動作について詳細を説明する。電子写真方式の画像形成装置では、トナーの粒径、トナーの表面状態、トナーの帯電性等のバラツキにより、トナー毎に現像特性に差が生じる。静電潜像にトナー像を形成する際に、現像ローラ4に付着したトナーのうち、現像性の高いトナーが優先的に現像に使用される傾向がある。
【0024】
そのため、プリント動作を行うにつれて、現像ローラ4の近傍には、現像性の低いトナーの比率が多くなる。現像性の低いトナーは、現像ブレード6やトナー供給ローラ5と摺擦される機会が多いため、トナー表面に付着している外添剤の遊離や、外添剤のトナー表面への埋め込み等のトナー劣化が発生する。劣化したトナーは、帯電性や流動性が低下するため、カブリの悪化、転写効率の低下、再転写の悪化、現像ローラ4や現像ブレード6への融着等の問題を引き起こす可能性がある。
【0025】
上記問題点の対策として、本実施例では、現像ローラ4上に付着している現像性の低いトナーを強制的に感光ドラム2上に消費させることを目的としたトナー排出動作を実行している。このトナー排出動作をクリーニングシーケンスと同時に実行することで、現像ローラ4と感光ドラム2を離間すること無く、クリーニングローラ7のトナーが現像装置9に混入するのを防止することができる。さらに、クリーニングシーケンスとトナー排出動作を同時に実行できるので、シーケンスの頻度を軽減できる利点もある。
【0026】
<クリーニングシーケンスとトナー排出動作>
本実施例では、クリーニングシーケンスを実行するタイミングとして、転写残トナーが
最も多いべた黒画像のみをプリントしても、クリーニングローラ7によるトナーの回収不良が生じないように設定している。クリーニングシーケンスを実行するタイミングは、最後のクリーニングシーケンスを実行してからの積算プリント枚数(画像形成枚数)が100枚目の画像形成動作が終了した後に実行している。
【0027】
100枚目の画像形成動作と、その後に実行されるクリーニングシーケンスのフローについて、図3を用いて説明する。画像形成中は、帯電ローラ3の芯金に帯電バイアスとして−1200Vを印加することで、感光ドラム2の表面電位を−700V程度に帯電している。現像ローラ4の芯金に現像用電圧として−400Vを印加することで、感光ドラム2上の静電潜像にトナー像を現像している。感光ドラム2のトナー像を記録材Pに転写するために、転写ローラ10の芯金には転写バイアスとして、+1000Vが印加されている。転写工程後に感光ドラム2に付着しているトナーのうちマイナス極性のトナーをクリーニングローラ7に一時的に蓄積するため、クリーニングローラ7の芯金には、+400Vが印加されている。
【0028】
100枚目の画像形成動作終了後にクリーニングシーケンスを実行する。クリーニングシーケンスでは、帯電ローラ3、現像ローラ4、転写ローラ10に印加する電圧は画像形成時と同じ電圧値を印加し続け、クリーニングローラ7に印加する電圧のみを変更する。クリーニングローラ7に印加する電圧を+400Vから−1000V(以下、このバイアスをクリーニングバイアスという)に変更して電位勾配を形成する。感光ドラム2の電位は、帯電ローラ3により、画像形成時と同じく−700Vに帯電された後、転写バイアスを受けて、再びクリーニングローラ7の位置に来た時に0V〜−100V程度となっている。したがって感光ドラム2とクリーニングローラ7との間の電位勾配を設けることでクリーニングローラ7に蓄積されたマイナス極性のトナーを感光ドラム2上に転移させている。
【0029】
ここで、二つの部材の間のトナーの転移について説明する。二つの部材の間に電位勾配が設けられると、電界の力によりトナーは一方の部材にひきつけられる。ひきつけられる方向としては、トナーの帯電極性と逆極性側に電位が大きい部材の方向である。上記例では、トナーの極性がマイナスで、感光ドラム2の電位が0Vで、クリーニングローラに印加する電圧は−1000Vである。したがって、感光ドラム2の方が、トナーの帯電極性の逆極性側(即ちプラス側)に電位が大きい。そのため、クリーニングローラ7に蓄積されたマイナス極性のトナーは感光ドラム2に移動する。当然、クリーニングバイアスを印加する時間が長いほどクリーニングローラ7に付着しているトナーの量は減少するが、本実施例ではクリーニングローラ7が1周する時間に設定すれば、クリーニングローラを充分清掃できることが確認できた。そのため、本実施例では、クリーニングバイアスを印加する時間を、クリーニングローラ7が1周する時間に設定している。ここで、クリーニングローラ7が1周する時間は、クリーニングローラ7の外周面全体が感光ドラム2に接触するのに要する時間である。クリーニングバイアスをクリーニングローラ7が1周する時間だけ印加したあと、クリーニングローラに印加するバイアスを+400Vに復帰させる。感光ドラム表面の中で、クリーニングバイアスによってクリーニングローラ7のトナーが転移される領域は、215mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラム2の回転方向)の範囲になる。その理由は、クリーニングローラ7の発泡ウレタンスポンジ層は、長手方向の幅が215mmであり、クリーニングローラ7(φ12mm)の1周(外周)が37.7mmであるためである。
【0030】
クリーニングシーケンスにおいては、露光装置8により、クリーニングローラ7のトナーが転移している可能性がある215mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラムの回転方向)の領域を全て露光させる。感光ドラム2の上記領域は、露光により表面電位が−700Vから−100V〜−400Vに変化しているので、現像ローラ4から感光ドラム
2にトナーが現像される。その結果、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移したトナーが感光ドラム2から現像ローラ4に転移するのを防止する事ができる。露光後の感光ドラム2の表面電位は、感光ドラム上のトナー量に影響される。それについて次に説明する。
クリーニングシーケンスでは、画像形成中と異なり、感光ドラム2上にトナーが多数存在する状態で、感光ドラム2を露光するため、トナーの遮蔽効果及びトナーの電荷の影響等により、露光後の感光ドラム電位が影響される。トナー遮蔽効果とは、感光ドラム2上にトナーが付着している場合、感光ドラム2上のトナーが露光装置8から発光されたレーザ光を遮蔽するために、露光による感光ドラム上の電位の絶対値の低下が小さくなる現象である。トナーの電荷の影響とは、トナーの電荷により感光ドラム2の電位の絶対値が上昇する現象である。なお、トナーの電荷の影響は、感光ドラム2に転移するトナーの極性により感光ドラム2の電位の絶対値が上がる場合と下がる場合がある。本実施例では、クリーニングシーケンスにより負帯電の感光ドラム2の上に負帯電のトナーが転移するため、感光ドラム2の電位の絶対値が上昇する。
【0031】
図4は、感光ドラム2上のトナー量と露光後の感光ドラム2の電位を示したグラフである。
図4の具体的な検討方法は、−700Vに帯電した感光ドラム2上にトナーを転移させ、トナーが転移している部分を画像形成時と同じ露光量で露光する。そして、露光後の感光ドラム2の表面電位を測定したものである(感光ドラム2に転移させるトナー量はクリーニングローラ7に印加するバイアスで変更している。)。
図4によると、感光ドラム2上のトナー量が多いほど、トナーの遮蔽効果が大きくなり、露光後の感光ドラム2の電位は、小さくなっている。特にブラックは、色トナー(シアン、マゼンタ、イエロー)よりも遮蔽効果が大きいため、露光後の感光ドラム2の電位が小さくなっている。
【0032】
クリーニングシーケンス時に、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移するトナー量は、状況によって大きく変動する。本実施例では、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移される単位面積あたりのトナー量は、0〜1.0(mg/cm)の範囲で変動する。
図4から、色トナー(シアン、マゼンタ、イエロー)の場合、感光ドラムに0〜1.0(mg/cm)の範囲のトナーが転移されても、露光後の感光ドラム2の表面電位は、現像ローラ4(−400V)よりもプラス極性側である。そのため、露光部に対して、現像ローラ4から感光ドラム2へトナーを転移させることができる。
そのため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像形成部では、トナー排出動作を実行することが可能なためクリーニングローラ7から感光ドラム2に転移したトナーが、現像ローラ4に転移するのを防止することが可能となる。
【0033】
一方、ブラックトナーの場合、図4に示すように、感光ドラム2上に0.5(mg/cm)よりも多いトナーが存在する場合、露光後の感光ドラム2の表面電位は、現像バイアス(−400V)よりもマイナス極性側である。そのため、感光ドラム2を露光しても、トナー排出動作を行うことができない。
ブラック(BK)の画像形成部PBkでトナー排出動作を可能にするためには、現像バイアスを−400Vよりも小さくする(例えば現像バイアスを−800Vに変更する)必要がある。または、クリーニングシーケンス時のトナー排出動作をするための露光量を画像形成時の露光量よりも大きくする等が必要になる。しかし、ブラック(BK)の画像形成部PBkは、混色の画像への影響が小さいので、本実施例では、ブラックの画像形成部PBkのみクリーニングシーケンスにおいてトナー排出動作を実施しない。
【0034】
以上の動作を実行させて印字テストを行ったところ、次のようなことが確認できた。す
なわち、クリーニングローラ7のトナーを現像装置9内に混入させることなく、クリーニングローラ7のクリーニング動作を実施できる。また、クリーニングローラ7のクリーニング動作と、現像装置9からのトナー排出動作を同時に行うことで、スループットの低下を軽減できることが確認できた。
【0035】
本実施例では、トナー排出動作を現像性の低いトナーを現像装置9から排出する事を目的として実行しているが、これに限定されるものでなく、再転写によって現像装置9内に混入した混色トナーを排出する目的でトナー排出動作を実行しても構わない。
また、本実施例では、クリーニング動作時にクリーニングバイアスを印加する時間として、クリーニングローラ7が1周する時間に設定しているが、1周する時間よりも若干短くしても構わない。その理由としては、クリーニングローラ7の表面全体を清掃するには、クリーニングバイアスが印加されている期間中に、クリーニングローラ7の表面全体を、感光ドラムと接触させればよいからである。
図7は、クリーニングローラ7と感光ドラム2のニップ部の模式図である。本実施例では、クリーニングローラ7と感光ドラム2とのニップ幅が3mm程度あるため、クリーニングローラ7を完全に1周させなくても、クリーニングローラ7の表面全体を感光ドラム2に接触させる事が可能となる。本実施例では、クリーニングローラ7と感光ドラム2のニップ部は、クリーニングローラ7の回転中心に対し5°程度の角度を有している。そのため、クリーニングバイアスを印加する時間として、クリーニングローラ7が355°回転(0.987回転)する時間に設定しても十分クリーニングローラ7を清掃することが可能である。
【0036】
また本実施例のクリーニングシーケンスでは、クリーニングローラ7のトナーが転移している感光ドラム2の表面部分にトナーを現像した。しかしながら、トナー排出動作に伴うトナーの消費を抑制するため、トナーを現像する領域を混色に問題が無い範囲で小さくしても構わない。本実施例では、感光ドラム2の表面において、感光ドラム2の回転方向37.7mmの領域に、クリーニングローラ7のトナーが転移している可能性がある。例えば、この37.7mmの領域のうち、約半分の18.9mmの領域だけ現像装置からトナーを現像するようにしてもよい。
逆に、現像装置9内の現像性の低いトナーや上流ステーションから混入した混色トナーを充分排出したい場合には、クリーニングローラ7のトナーが転移している感光ドラム2表面部分よりも、大きい領域に対してトナー排出動作を行っても構わない。例えば、クリーニングローラ7のトナーが転移している可能性がある37.7mmの領域のうち、2倍の75.4mmの領域に現像装置からトナーを現像するようにしてもよい。
本実施例では、トナー排出動作を行うのに露光装置8で感光ドラム2の表面部分を露光することによって実行したがこれに限定されるものではない。例えば、露光装置8は露光を行わず、現像バイアスの絶対値を感光ドラム2の表面電位の絶対値よりも大きくすることでトナー排出動作を実行しても構わない。
【0037】
また、クリーニングシーケンス時の現像バイアスは、画像形成中と同じ電圧を印加したが、これに限定されるものではなく、変更しても構わない。例えば、トナー排出動作によるトナーの消費を軽減したい場合には、現像バイアスの絶対値を小さくしてもよい。逆に、トナー排出動作によって、現像装置9内の現像性の低いトナーや上流ステーションから混入した混色トナーを充分に排出したい場合には、現像バイアスの絶対値を大きくしても構わない。また、本実施例では、クリーニングシーケンス時に、感光ドラム2に対しマイナス極性のクリーニングバイアスを印加しているが、これに限定されるものではない。クリーニングローラに付着している両極性のトナーを感光ドラム2に転移させたい場合には、感光ドラム2の表面電位に対し両極性のクリーニングバイアスを印加しても構わない。プラス極性のトナーをクリーニングローラ7から感光ドラム2に転移させた場合、プラス極性のトナーが電界により帯電ローラ3に付着される事が懸念される。しかし、感光ドラ
ム2上のプラス極性のトナーは、帯電ローラ3と感光ドラム2のニップ部近傍で発生している放電領域を通過する際に、放電による電荷付与が行われるためマイナス極性に反転されるため、帯電ローラ3に付着されない。帯電バイアスの絶対値が大きいほど放電による電荷付与が行われるので、クリーニングシーケンス時の帯電バイアスの絶対値を大きくしても構わない。
【0038】
ここで、本実施例のクリーニングシーケンスでは、最後(前回)のクリーニングシーケンスを実行してからの積算プリント枚数が100枚目の画像形成動作が終了した後に実行している。クリーニングシーケンスにおいては、計測手段によりプリント枚数を計測させ、プリント枚数が予め設定された100枚(設定値)に達した場合にクリーニング動作を実行し、クリーニング動作終了後、計測手段の計測値を初期値(0枚)に戻すとよい。このようにしてクリーニングシーケンスを100枚プリント毎に実行するとよい。
【0039】
また、本実施例では、クリーニングシーケンスを100枚プリント毎に実行しているが、これに限るものではない。例えばクリーニングシーケンス実行後に形成した画像の積算ピクセルカウント値から、クリーニングローラ7に付着したトナー量を推定して、クリーニングシーケンスを実行するタイミングを決定しても構わない。これには、1枚の記録材に形成される画像のピクセル数を導出する導出手段を備え、制御手段において、導出手段により導出されたピクセル数を積算し、積算したピクセル数が予め設定された設定値に達した場合にクリーニング動作を実行するとよい。そして、クリーニング動作終了後、積算したピクセル数を初期値(数値0)に戻すとよい。導出手段としては、画像情報に基づいて記録材に形成される画像のピクセル数を導出するとよい。また、露光装置8が感光ドラム2を照射する照射時間に基づいてピクセル数を導出(推定)してもよい。
また、本実施例は、クリーニングローラに付着したトナーをクリーニングする際に、クリーニングローラのトナーが現像装置に混入するのを防止したものであるが、これに限定されるものではない。クリーニングローラに付着したトナーをクリーニングする以外にも、帯電ローラ3に付着したトナーをクリーニングする帯電ローラクリーニングシーケンスにも適用可能である。
【実施例2】
【0040】
本発明の実施例2について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成は実施例1のものと同様である。従って、実施例1の画像形成装置と同一の機能、構成を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1で実行したクリーニングローラ7のクーニングシーケンスの他に、帯電ローラ3に付着したトナーを清掃する帯電ローラクリーニングシーケンスが追加されている点で異なっている。また、実施例1では、トナー排出動作を行う領域に対して露光手段で露光を行っているが、本実施例では、露光を行わず現像バイアスを制御することでトナー排出動作を行っている。本実施例において、帯電ローラ3は、転写位置よりも下流側で現像位置よりも上流側に配置され、電圧を印加されて感光ドラム2に接触する接触部材である。
【0041】
転写工程後の感光ドラム2上に存在する転写残トナーと再転写トナーは、クリーニングローラ7に転移する。しかし、転写残トナー等の中には、クリーニングローラ7と感光ドラム2のニップ部を通過するトナーが存在する。クリーニングローラ7と感光ドラム2のニップ部を通過したトナーの一部は、帯電ローラ3と感光ドラム2のニップ部で帯電ローラ3に付着する。帯電ローラ3に付着するトナー量は、プリント枚数の増加と共に増加する。帯電ローラ3に付着するトナー量が所定量以上になると、感光ドラム2の表面電位が不均一になる帯電ムラが顕著になり、画像不良が発生する。そこで、本実施例では、帯電ムラによる画像不良が発生する前に、帯電ローラ3に付着しているトナーのクリーニング工程を設けている。
具体的には、積算プリント枚数が75枚毎に、帯電ローラ3に付着したトナーを清掃するための帯電ローラクリーニングシーケンス(クリーニング動作)を実行している。以下で、本実施例で実施する帯電ローラクリーニングシーケンスについて説明する。なお、クリーニングローラ7のクリーニングシーケンスについては、実施例1と同様なので説明を割愛する。
【0042】
画像形成中は、帯電ローラ3の芯金に、帯電バイアスとして−1200Vを印加することで、感光ドラム2の表面電位を−700V程度に帯電している。帯電ローラ3は、感光ドラム2に対し、マイナスの電位を持っているため、帯電ローラ3には、プラス極性のトナーが付着しやすい傾向がある。
そのため、帯電ローラ3に付着しているトナーのうち、プラス極性のトナーを、感光ドラム2を介して搬送ベルト11のクリーニング装置15に回収するクリーニング動作を実行している。
帯電ローラクリーニングシーケンスにおいて、帯電ローラ3から感光ドラム2に転移した再転写トナーが、現像ローラ4に付着し、現像装置9に混入することで混色しないように、現像装置9から感光ドラム2に対してトナー排出動作を実施している。
【0043】
次に、75枚目の画像形成動作と、その後に実行する帯電ローラクリーニングシーケンスのフローについて、図5を用いて説明する。
図5は、帯電ローラクリーニングシーケンスのタイミングチャートを示している。
画像形成中は、帯電ローラ3の芯金に帯電バイアスとして−1200Vを印加することで、感光ドラム2の表面電位が−700V程度に帯電され、露光装置8によって静電潜像が形成される。また、現像ローラ4の芯金に、現像バイアスとして−400Vを印加することで、感光ドラム2上の静電潜像にトナー像が形成される。感光ドラム2に形成されたトナー像を転写材Pに転写するために、転写ローラ10の芯金には転写バイアスとして、+1000Vが印加されている。
クリーニングローラ7の芯金には、+400Vが印加されており、転写工程後に感光ドラム2に付着しているトナーのうちマイナス極性のトナーをクリーニングローラ7に捕集している。
【0044】
75枚目の画像形成動作終了後に帯電ローラクリーニングシーケンスを実行する。帯電ローラクリーニングシーケンスにおいて、現像ローラ4、転写ローラ10、クリーニングローラ7に印加する電圧は画像形成時と同じ電圧値を印加し続け、帯電ローラ3に印加する電圧のみ変更する。感光ドラム2の表面電位は、帯電ローラ3により−700Vに帯電された後、転写バイアスやクリーニングローラバイアスを受けて、再び帯電ローラ3の位置に来た時に0V〜−100Vとなっている。この、0V〜−100Vとなった感光ドラム2の表面に対して、帯電ローラ3に印加する電圧を−1200Vから+500V(以後、このバイアスを帯電ローラクリーニングバイアスと呼ぶ)に変更する。
このようにすることで、帯電ローラ3に付着したプラス極性のトナーを電位勾配によって感光ドラム2上に転移させている。当然、帯電ローラクリーニングバイアスを印加する時間が長いほど、帯電ローラ3に付着しているトナー量は減少する。しかし、帯電ローラクリーニングシーケンスを短縮するため、帯電ローラクリーニングバイアスを印加する時間は、帯電ローラ3の表面が帯電ムラに問題が無いレベルまでクリーニングできる時間に設定している。本実施例では、帯電ローラクリーニングバイアスを印加する時間として、帯電ローラ3が1回転する時間に設定している。帯電ローラクリーニングバイアスを帯電ローラ3の1周期分だけ印加したあと、帯電ローラ3に印加するバイアスを−1200Vに復帰する。
【0045】
帯電ローラ3は、長手方向の幅が235mmであり、帯電ローラ3(φ12mm)の外周は、37.7mmである。そのため、感光ドラム2表面のうち、帯電ローラクリーニン
グバイアスによって帯電ローラ3に付着したトナーが転移される領域は、235mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラム2の回転方向)の範囲になる。
帯電ローラ3に帯電ローラクリーニングバイアスを印加したことで、感光ドラム2の上記領域の表面電位は、0V程度に変化しているので、現像ローラ4から感光ドラム2にトナーが現像される。その結果、帯電ローラ3から感光ドラム2に転移したトナーが感光ドラム2から現像ローラ4に転移するのを防止する事ができる。このように、本実施例では、感光ドラムの電位に対して、トナーが転移するように現像バイアスを制御しておくことで、露光を行うことなくトナー排出動作を行うようにしている。
【0046】
以上説明した帯電ローラクリーニングシーケンスを実行させて印字テストを行ったところ、帯電ローラ3のトナーを現像装置内に混入させることなく、帯電ローラ3のクリーニングを行う事ができた。
【0047】
本実施例では、トナー排出動作時の現像バイアスを画像形成時と同じ電圧にしているが、トナー排出動作時のトナー量を調整したい場合には、現像バイアスを画像形成時と変更しても構わない。
また、本実施例では、帯電ローラクリーニングシーケンス時に、帯電ローラクリーニングバイアスとして+500Vを印加しているが、これに限定されるものではない。帯電ローラ3に付着しているプラス極性のトナーとマイナス極性のトナーの両方を感光ドラム2に転移させたい場合には、帯電ローラ3と感光ドラム2の間に電界方向が異なる複数の帯電ローラクリーニングバイアスを印加する。そして、露光装置8で感光ドラム2を露光してトナー排出動作を行うようにしても構わない。プラス極性とマイナス極性のトナー両方を吐き出した場合においても、現像装置からドラムにトナー排出動作を行えば、感光ドラム2から現像ローラ4へのトナーの移動が妨げられるため、現像装置9にはトナーの極性によらず現像装置9内にほとんど回収されない。
【0048】
また、本実施例では、帯電ローラクリーニングシーケンス時に帯電ローラクリーニングバイアスを印加する時間として、帯電ローラ3が1回転する時間に設定しているが、1回転する時間よりも若干短くしても構わない。その理由としては、帯電ローラ3の外周面に付着したトナーを清掃するには、帯電ローラクリーニングバイアスが印加されている期間中に、帯電ローラ3の円周面全体を、感光ドラム2と接触させればよいためである。
本実施例では、帯電ローラ3と感光ドラム2は、当接ニップ部を形成している。帯電ローラ3と感光ドラム2の当接ニップ部は、帯電ローラ3の中心に対し45°の角度を有しており、ニップ幅として4mm程度を有している。帯電ローラ3の円周面全体を感光ドラム2に接触させるためには、360°から当接ニップ部の45°を引いた315°回転させればよい。そのため、クリーニングバイアスを印加する時間として、帯電ローラ3が315°回転(0.875回転)する時間に設定しても充分帯電ローラ3を清掃することが可能である。帯電ローラクリーニングシーケンスにおいて、帯電ローラクリーニングバイアスの印加時間として、帯電ローラ3が1回転する時間よりも短くても可能であることを説明した。クリーニングローラ7のクリーニングの場合も同様に、クリーニングバイアスの印加時間をクリーニングローラ7が1回転する時間よりも短くすることも可能である。
【0049】
また、本実施例では、帯電ローラクリーニングシーケンスとクリーニングローラ7のクリーニングシーケンスを両方とも実施する例で説明したがこれに限られるものではない。例えば、帯電ローラクリーニングシーケンスのみを実施するような画像形成装置においても有効である。即ち、帯電ローラ3から転移したトナーを搬送ベルト11のクリーニング装置15に回収する時に、トナーが現像装置9に転移してしまわないようにする場合においても適用できる。
【実施例3】
【0050】
本発明の実施例3について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成は実施例1のものと同様である。従って、実施例1の画像形成装置と同一の機能、構成を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。しかし、実施例1では帯電手段として帯電ローラ3を用いたが、本実施例ではコロナ帯電器を採用している点が異なっている。図10に本実施例のプロセスカートリッジの概略構成を示す断面図である。
実施例1のクリーニングローラ7のクリーニングシーケンスと異なる点は、トナー排出動作を、露光装置8による露光ではなく、帯電バイアスと現像バイアスを変更することで行っている点である。本実施例でも、実施例1と同様、クリーニングシーケンスを実行するタイミングは、最後のクリーニングシーケンスを実行してからの積算プリント枚数(画像形成枚数)が100枚目の画像形成動作が終了した後に実行している。
【0051】
以下で、本実施例のクリーニングローラ7のクリーニングシーケンスとトナー排出動作について、図8を用いて説明する。図8は、100枚目の画像形成動作と、その後に実行されるクリーニングシーケンスのタイミングチャートである。
【0052】
画像形成中は、コロナ帯電器3eのコロナ放電ワイヤ3gとグリッド3hの芯金にDC電圧を印加している。具体的には、コロナ放電ワイヤに−4.5kVのDC電圧を印加し、グリッド3hに−700VのDC電圧を印加している。コロナ帯電器3eでは、グリッド3hに印加するグリッドバイアスとほぼ同じバイアスに感光ドラム2の表面電位は帯電することができる。そのため、画像形成中は、グリッド3hに−700VのDC電圧が印加することで、感光ドラム2の表面電位を−700Vに帯電している。
現像ローラ4の芯金に現像バイアスとして−400Vを印加することで、感光ドラム2上の静電潜像にトナー像を現像している。感光ドラム2のトナー像を記録材Pに転写するために、転写ローラ10の芯金には転写バイアスとして、+1000Vが印加されている。転写工程後に感光ドラム2に付着しているトナーのうちマイナス極性のトナーをクリーニングローラ7に一時的に蓄積するため、クリーニングローラ7の芯金には、+400Vが印加されている。
【0053】
100枚目の画像形成動作終了後にクリーニングシーケンスを実行する。クリーニングシーケンスでは、クリーニングローラ7に印加する電圧を+400Vから−1000Vに変更して電位勾配を形成することで、感光ドラム2にトナーを転移させる。クリーニングローラ7に−1000Vを印加する時間は、クリーニングローラ7が1回転する時間に設定している。
コロナ帯電器3eにより、感光ドラム2は、画像形成時と同じく−700Vに帯電された後、転写バイアスを受けて、再びクリーニングローラ7の位置に来た時に0V〜−100V程度になっている。したがって感光ドラム2とクリーニングローラ7との間の電位勾配によりクリーニングローラ7に蓄積されたマイナス極性のトナーを感光ドラム2上に転移させている。実施例1と同様、クリーニングバイアスを印加する時間を、クリーニングローラ7が1周する時間に設定している。クリーニングバイアスをクリーニングローラ7が1周する時間だけ印加したあと、クリーニングローラに印加するバイアスを+400Vに復帰させる。感光ドラム表面の中で、クリーニングバイアスによってクリーニングローラ7のトナーが転移される領域(転移領域)は、215mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラム2の回転方向)の範囲になる。その理由は、クリーニングローラ7の発泡ウレタンスポンジ層は、長手方向の幅が215mmであり、クリーニングローラ7(φ12mm)の1周(外周)が37.7mmであるためである。
【0054】
クリーニングシーケンスにおいて、クリーニングローラ7のトナーが転移している可能性がある転移領域がコロナ帯電器3eと感光ドラム2の放電領域を通過している期間だけグリッドバイアスを−700Vから−200Vに変更する。そして、上記転移領域がコロナ帯電器3eと感光ドラム2の放電領域を通過し終えたら、グリッドバイアスを再び−7
00Vに復帰させる。
ここで、感光ドラム2の転移領域は、グリッドバイアスを変更したことにより表面電位が−200Vに変化しているので、現像ローラ4から感光ドラム2にトナーが現像される。ここで、転移領域が現像ローラ4と感光ドラム2のニップ部を通過している期間だけ、現像バイアスを−400Vから−500Vに変更し、感光ドラム2と現像ローラ4の電位差を大きくすることでトナーを充分現像する。その結果、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移したトナーが感光ドラム2から現像ローラ4に転移するのを防止する事ができる。
【0055】
本実施例では、トナー排出動作を行うために感光ドラム2の表面電位を変更するのに、露光装置8を用いず、帯電バイアス(グリッドバイアス)を変更しておこなった。露光装置8の露光で感光ドラム2の表面電位を変更する場合には、実施例1で説明したように感光ドラム2に存在するトナー量が多い場合トナー遮蔽効果によって、感光ドラムの表面電位が安定しない場合がある。
本実施例では、帯電バイアスを変更することで感光ドラム2の表面電位を変更しているので、露光装置8のレーザ光がトナーによって遮蔽されることがないので、感光ドラムの電位が安定する効果がある。
本実施例では、トナー排出動作時に現像バイアスを変更しているが、現像バイアスを変更しなくても構わない。
【実施例4】
【0056】
本発明の実施例4について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成は実施例1のものと同様である。従って、実施例1の画像形成装置と同一の機能、構成を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。実施例1と異なる点は、正帯電トナーを用いて、正規現像方式により正規現像を行っている点である。
露光装置8によって、帯電ローラ3によってマイナス帯電した感光ドラム2の表面の中で、トナーを付着させない部分を露光することで静電潜像を形成している。形成された静電潜像に対し、現像装置9によって正帯電されたトナーを正規現像している。
次に、本実施例の画像形成部について説明する。
<画像形成部の説明>
帯電ローラ3の芯金には、帯電バイアスとして、−1200VのDC電圧が印加され、感光ドラム2の周面を−700Vに帯電している。次に、−700Vに帯電された感光ドラム2表面に対して、露光装置8でレーザ光を照射することで静電潜像を形成している。
実施例1と異なり、露光装置8は、感光ドラム2の表面でトナーを付着させない部分を露光し、トナーを付着させる部分は露光しないことで、静電潜像を形成している。そして、感光ドラム2上に形成された静電潜像は、現像装置9によって可視化される。
【0057】
次に、現像装置9について説明する。本実施例の現像装置9は、実施例1と同じ構成をとっているが、トナーとして、正帯電の非磁性一成分トナーを用いている点が異なっている。現像ローラ4の芯金には、現像バイアスとして、−400VのDC電圧が印加されている。感光ドラム2表面の露光装置8によって露光されていない部分は、電位が−700V程度に帯電されているため、現像ローラ4上の正帯電トナーが感光ドラム2に現像される。一方、露光装置8によって露光された部分は、電位が−100V程度に除電されているので現像装置9からほとんどトナーは転移しない。
感光ドラム2上に形成されたトナー像は、転写ローラ10にマイナスのDC電圧が印加されることにより、搬送ベルト11に担持搬送された記録材Pに転写される。転写を行う位置を転写位置とする。
【0058】
転写工程後(転写動作後)に感光ドラム2表面に付着しているトナーを回収して一時的に保持しておくために、クリーニングローラ7に−1100VのDC電圧が印加される。
クリーニングローラ7が感光ドラム2の表面と接触することにより、転写工程後の感光ドラム2上に付着しているプラス極性のトナーを除去し、帯電ローラ3の表面にトナーが付着するのを防止している。プリントジョブ実行中(画像形成時)は、転写工程後に感光ドラム2上に付着しているトナーをクリーニングローラ7に一時的に蓄積している。クリーニングローラ7に蓄積されたトナーは、非画像形成時にクリーニングシーケンス(クリーニング動作)が実行されることで、感光ドラム2及び搬送ベルト11を介して、クリーニング装置15によって回収(廃棄)される。クリーニングシーケンスは、画像形成装置100に設けられた制御手段により実行される。
実施例1と同様、クリーニングシーケンスにおいて、混色を防止するために現像ローラ4上のトナーを感光ドラム2に現像(供給)するトナー排出動作を実施している。
【0059】
<クリーニングシーケンスとトナー排出動作>
クリーニングシーケンスを実行するタイミングは、最後のクリーニングシーケンスを実行してからの積算プリント枚数(画像形成枚数)が100枚目の画像形成動作が終了した後に実行している。
100枚目の画像形成動作と、その後に実行されるクリーニングシーケンスのフローについて、図9を用いて説明する。画像形成中は、帯電ローラ3の芯金に帯電バイアスとして−1200Vを印加することで、感光ドラム2の表面電位を−700V程度に帯電している。現像ローラ4の芯金に現像バイアスとして−400Vを印加することで、感光ドラム2上の非露光部にトナー像を現像している。感光ドラム2のトナー像を記録材Pに転写するために、転写ローラ10の芯金には転写バイアスとして、−1700Vが印加されている。転写工程後に感光ドラム2に付着しているトナーのうちプラス極性のトナーをクリーニングローラ7に一時的に蓄積するため、クリーニングローラ7の芯金には、−1100Vが印加されている。
【0060】
100枚目の画像形成動作終了後にクリーニングシーケンスを実行する。クリーニングシーケンスでは、帯電ローラ3、現像ローラ4、転写ローラ10に印加する電圧は画像形成時と同じ電圧値を印加し続け、クリーニングローラ7に印加するクリーニングバイアスのみを変更する。クリーニングバイアスを−1100Vから+300Vに変更して電位勾配を形成する。感光ドラム2の電位は、帯電ローラ3により、画像形成時と同じく−700Vに帯電された後、転写バイアスを受けて、再びクリーニングローラ7の位置に来た時に0V〜−100Vとなっている。したがって感光ドラム2とクリーニングローラ7との間の電位勾配によりクリーニングローラ7に蓄積されたプラス極性のトナーを感光ドラム2上に転移させている。
【0061】
当然、クリーニングバイアスを印加する時間が長いほどクリーニングローラ7に付着しているトナーの量は減少するが、本実施例ではクリーニングローラ7が1周する時間に設定すれば、クリーニングローラを充分清掃できることが確認できた。そのため、本実施例では、クリーニングバイアスを印加する時間を、クリーニングローラ7が1周する時間に設定している。ここで、クリーニングローラ7が1周する時間は、クリーニングローラ7の外周面全体が感光ドラム2に接触するのに要する時間である。クリーニングバイアスをクリーニングローラ7が1周する時間だけ印加したあと、クリーニングローラに印加するバイアスを−1100Vに復帰させる。感光ドラム2表面の中で、クリーニングバイアスによってクリーニングローラ7のトナーが転移される領域は、215mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラム2の回転方向)の範囲になる。
【0062】
クリーニングシーケンスにおいては、クリーニングローラ7のトナーが転移している可能性がある215mm(長手方向)×37.7mm(感光ドラムの回転方向)の領域のみ露光装置8によって露光しない。上記領域以外は、感光ドラム2の表面をすべて露光する。クリーニングローラ7からトナーが転移された感光ドラム2の表面は、表面電位が−7
00Vのままなので、現像ローラ4から感光ドラム2に正帯電トナーが現像される。その結果、クリーニングローラ7から感光ドラム2に転移したトナーが感光ドラム2から現像ローラ4に転移するのを防止する事ができる。
【0063】
なお、本実施例では、クリーニングシーケンスとしてクリーニングローラ7に付着したトナーを感光ドラム2に転移させているが、これに限られるものではない。例えば、実施例2のように感光ドラム2に接触する帯電ローラ3に付着したトナーを感光ドラム2に転移させる帯電ローラクリーニングシーケンスの際にも適用可能である。例えば、実施例2と同様に帯電ローラクリーニングシーケンスとして、帯電ローラ3に印加する電圧を+500Vにして帯電ローラに付着しているトナーを感光ドラム2に転移させる。そして、転移したトナーが存在する領域に対して、現像手段から現像剤を転移させるようにしてもよい。
【0064】
上記実施例では、現像方式として非磁性一成分接触現像方式を採用したが、これに限定されるものではなく、2成分現像方式を採用しても構わない。また、上記実施例は、クリーニングローラに付着したトナーをクリーニングする際に、クリーニングローラのトナーが現像装置に混入するのを防止したものであるが、これに限定されるものではない。クリーニングブラシや固定型の保持部材に付着したトナーをクリーニングする場合に適用してもよい。
また、上記実施例では、転写工程において、搬送ベルト11に担持搬送された記録材Pに転写させる方式について説明したが、これに限るものではなく、図11に示したような中間転写方式の画像形成装置であっても本発明を好適に適用することができる。図11の画像形成装置では、転写ローラ10にDC電圧が印加されることで感光ドラム2上のトナー像を中間転写体20(中間転写ベルト20)に一次転写し、2次転写ローラ21にDC電圧が印加されることで中間転写ベルト20から記録材Pに2次転写を行う。図11に示す画像形成装置は、上記実施例に対して転写工程が異なるもので、上記実施例と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略している。図11の画像形成装置では、クリーニングローラ7に蓄積されたトナーは、非画像形成時にクリーニング動作が実行されることで、感光ドラム2及び中間転写ベルト20を介して、回収部材としてのクリーニング装置15によって回収(廃棄)される。
【0065】
以上説明したように上記実施例によれば、接触部材のクリーニング動作でトナーが転移した感光ドラム2の表面に対し、現像装置9からのトナーの転移を行わせるようにしている。このようにすることで、簡易な構成で感光ドラム2に接触する接触部材(帯電ローラ3やクリーニングローラ7等)から転移されたトナーが現像装置9内に混入するのを抑制することができる。この理由は、現像剤排出動作により現像ローラ4から感光ドラム2に対してトナーが転移するため、感光ドラム2から現像ローラ4へのトナーの移動が妨げられるためである。
また、接触部材のクリーニング動作と現像装置9のトナー排出動作を同時に行うことができるので、スループットの低下を軽減することが可能である。
本発明では、感光ドラムに接触する接触部材に保持されたトナーを感光ドラム2を介して、搬送ベルト11(又は中間転写体)のクリーニング装置15で回収するクリーニング動作を行う画像形成装置において有効である。
【符号の説明】
【0066】
2 感光ドラム ; 7 クリーニングローラ ; 9 現像装置 ; 10 転写ローラ ; 11 搬送ベルト ; 15 クリーニング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体を露光して前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像のうち前記露光手段によって露光された部分に対して現像剤を転移させて現像を行う反転現像方式の現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記像担持体の回転方向に対し前記転写位置よりも下流側、かつ、前記帯電位置よりも上流側で前記像担持体に接触するように配置され、電圧を印加されて現像剤を保持する保持部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材及び前記保持部材に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記保持部材に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記保持部材に保持された現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記保持部材から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部を前記露光手段によって露光し、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記像担持体の回転方向に対し前記転写位置よりも下流側、かつ、前記帯電位置よりも上流側で前記像担持体に接触するように配置され、電圧を印加されて現像剤を保持する保持部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材、前記保持部材、前記現像手段及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記保持部材に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記保持部材に保持された現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記制御手段は、前記現像手段と前記帯電手段に印加される電圧の少なくとも一つを制御して、前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記保持部材から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部に対して、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体を露光して前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像のうち前記露光手段によって露光された部分に対して現像剤を転移させて現像を行う反転現像方式の現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記帯電手段に付着した現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記帯電手段から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部に対して、前記露光手段が露光することで、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材、前記帯電手段及び前記現像手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記帯電手段に付着した現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記制御手段は、前記現像手段に印加される電圧を制御して、前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記帯電手段から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部に対して、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体を露光して前記像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像のうち前記露光手段によって露光されていない部分に対して現像剤を転移させて現像する正規現像方式の現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記像担持体の回転方向に対し前記転写位置よりも下流側、かつ、前記帯電位置よりも上流側で前記像担持体に接触するように配置され、電圧を印加されて現像剤を保持する保持部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材、前記保持部材及び前記現像手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記保持部材に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記保持部材に保持された現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記保持部材から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部を前記露光手段によって露光しないことで、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
回転可能な像担持体と、
帯電位置において前記像担持体に接触して像担持体を帯電する帯電手段と、
前記像担持体を露光して前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記像担持体に形成された静電潜像のうち前記露光手段によって露光されていない部分に対して現像剤を転移させて現像する正規現像方式の現像手段と、
転写位置において、前記現像手段により現像された前記像担持体の上の現像剤像を、記録材搬送体に担持される記録材又は中間転写体に転写させる転写部材と、
前記記録材搬送体、又は前記中間転写体に付着している現像剤を回収する回収部材と、
前記転写部材、前記帯電手段及び前記現像手段に印加される電圧をそれぞれ制御する制御手段と、
を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、前記転写部材及び前記帯電手段に印加される電圧をそれぞれ制御して、前記帯電手段に付着した現像剤を前記像担持体を介して、前記記録材搬送体又は前記中間転写体に転移させ、前記回収部材により回収を行うクリーニング動作を実行し、
前記クリーニング動作の時に、前記像担持体の表面部分のうち、前記帯電手段から現像剤が転移した表面部分の少なくとも一部を前記露光手段によって露光しないことで、前記現像手段から現像剤を転移させる現像剤排出動作を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記保持部材は回転体であり、前記保持部材は前記像担持体の表面に当接しながら回転するように設けられ、
前記制御手段は、前記クリーニング動作時に、前記保持部材の外周面全体が前記像担持体に接触するのに要する時間の間、前記保持部材の現像剤を前記像担持体に転移させるための電位勾配を形成させることを特徴とする請求項1、2、5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記帯電手段は回転体であり、前記帯電手段は前記像担持体の表面に当接しながら回転するように設けられ、
前記制御手段は、前記クリーニング動作時に、前記帯電手段の外周面全体が前記像担持体に接触するのに要する時間の間、前記帯電手段の現像剤を前記像担持体に転移させるための電位勾配を形成させることを特徴とする請求項3、4、6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−262266(P2010−262266A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54867(P2010−54867)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】