説明

画像形成装置

【課題】 シートが反転される場合に、シートが定着手段に突入する現象を抑制し、ジャム処理の負担を低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成部2と、定着装置21と、画像形成部2及び定着装置21を経由して延びた主搬送路20と、定着装置21を経たシートSの搬送方向を反転させる反転ローラ対24と、主搬送路20から分岐部で分岐し、反転されたシートSを搬送させる再給送搬送路41と、定着装置21と分岐部との間で搬送されるシートSを検知可能な排送センサ51と、主搬送路20の中で反転ローラ対24から定着装置21へ向かって搬送されるシートSを排送センサ51が検知すると、排送センサ51の検知結果に基づいて反転ローラ対24の駆動を停止するコントローラ70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの第1面を印刷するための主搬送路、及び、シートの第2面を印刷するための副搬送路を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート反転機構を備えて、シートの第1面に印刷した後にシート反転機構の作動によりシートの第2面に印刷する画像形成装置が知られる。このような画像形成装置においては、シートの第1面を印刷する場合には、シートは主搬送路を経由して搬送され、シートの第1面の印刷後にシートの第2面を印刷する場合には、シートは副搬送路を経由して搬送される。このように、シートを搬送する主搬送路及び副搬送路を備える画像形成装置に関する発明として特許文献1に記載の発明が開示される。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、シートの搬送経路を主搬送路及び副搬送路の間で切替え可能とする搬送路切替機構を備える画像形成装置に関するものである。この画像形成装置では、シートの第1面が印刷された後に、搬送路切替機構の内部の主搬送路及び副搬送路の分岐点に配置されるフラッパが切替えられる。このフラッパは、正逆搬送ローラが反転することによって逆方向に搬送されるシートの搬送経路を主搬送路から副搬送路へと切替える。そして、シートは副搬送路を経由して搬送された後に再び主搬送路を経由して画像形成装置の外部へと排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−119236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、シートが主搬送路を経由して正逆反転ローラまで向かった後に、正逆反転ローラの反転によってシートが副搬送路へと向かう過程で、以下のようにジャムが発生する場合がある。シートの第1面が印刷された後に正方向回転している正逆反転ローラによって搬送されているシートの後端がフラッパの位置を超える前に正逆反転ローラが逆転してシートの搬送方向が切り替わる。すると、本来副搬送路へと誘導されるべきシートが主搬送路へと誘導される。主搬送路へシートが誘導されると、シートが定着手段に突入してしまう事態が生じて、ジャムが発生し得る。
【0006】
この要因としては、例えば、反転ローラの磨耗によって、正方向回転している正逆反転ローラとシートとが滑ってしまうことが挙げられる。また、例えば、正方向回転している正逆反転ローラによって搬送されているシートの一部が装置外へ飛び出すような構成であった場合を想定する。こうした構成の場合には、装置外へ飛び出したシートをユーザが触ってしまうことで搬送負荷がかかり、正方向回転している正逆反転ローラとシートとの滑りを発生してしまうことが挙げられる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑み、シートが反転される場合に、シートが定着手段に突入する現象を抑制し、ジャム処理の負担を低減することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本出願に係る発明は、シートに画像を形成する画像形成手段と、シートに画像を定着させる定着手段と、前記画像形成手段及び前記定着手段を経由して延びた主搬送路と、前記定着手段によって画像が定着されたシートを、第1の方向に搬送した後にシートの搬送方向を反転させて前記第1の方向と反対の第2の方向にシートを搬送する反転手段と、前記主搬送路から分岐部で分岐し、前記反転手段によって搬送方向が反転されたシートを搬送させる副搬送路と、前記主搬送路における前記定着手段と前記分岐部との間で、搬送されるシートを検知するシート検知手段と、前記反転手段によって前記定着手段へ向かって搬送されるシートを前記シート検知手段が検知すると、前記シート検知手段の検知結果に基づいて前記反転手段の駆動を停止するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、シートが反転手段から副搬送路へと搬送されるはずが、誤ってシートが反転手段から主搬送路へと搬送される場合には、シート検知手段が逸早く主搬送路を逆方向に進むシートを検知し、コントローラが反転手段の駆動を停止させる。その結果、シートが反転される場合に、シートが定着手段に突入する現象を抑制し、ジャム処理の負担が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】両面反転フラッパの近傍を示す一部拡大断面図である。
【図3】ローラを駆動する駆動装置及びセンサに対するコントローラの接続状態を示す概略図である。
【図4】コントローラが制御する制御工程を示すフローチャートである。
【図5】実施例2に係る画像形成装置のコントローラの制御工程を示すフローチャートである。
【図6】シートが主搬送路に搬送された後に副搬送路に搬送される工程を示す断面図である。
【図7】実施例3に係る画像形成装置が有する排送センサの構成を示す斜視図である。
【図8】排送センサの構成を示す斜視図である。
【図9】排送センサの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対位置等は、本発明が適用される機構の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置1の構成を示す断面図である。画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを利用した両面印刷機能を有する画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置1は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)1Aを有し、この装置本体1Aの内部には、シートに画像を形成する『画像形成手段』である画像形成部2が設けられる。画像形成部2は、『像担持体』である感光体ドラム3を備える。また、画像形成部2は、トナーを貯蔵可能な図示しない現像装置、その他、図示しない一次帯電装置、クリーニング装置等を含む。
【0013】
また、感光体ドラム3の表面には、図示しない画像データ入力部より画像情報に基づき、これに対応したレーザを露光するレーザスキャナ装置4が配置される。レーザスキャナ装置4から感光体ドラム3に対してレーザが照射されると、一次帯電装置によって帯電された感光体ドラム3の表面には、静電像が形成される。静電像が形成された感光体ドラム3の表面には、現像装置のトナーが現像される。
【0014】
一方、装置本体1Aの下部には、『シート積載部』であるシート積載カセット10が配置される。また、感光体ドラム3に対向する位置には転写部16が配置される。転写部16は、感光体ドラム3上に形成されたトナー画像を『記録媒体』であるシートSに転写する。
【0015】
装置本体1Aの内部には、『定着手段』である定着装置21が配置される。定着装置21は加熱ローラ及び加圧ローラを備え、加熱ローラによってシートSの表面のトナー画像はシートSに定着される。また、装置本体1Aの内部には、画像形成部2及び定着装置21を経由して延び、シートSを第1の方向である第1方向P(後述するが排出方向)に搬送させる主搬送路20が設けられる。また、装置本体1Aの内部には、定着装置21よりも第1方向Pの側に配置されてシートSの搬送方向を反転させる反転ローラ対24が設けられる。さらに、装置本体1Aの内部には、反転されたシートSを反転ローラ対24から第1方向Pとは別の(反対の)第2の方向である第2方向Q(第1面及び第2面を反転させる搬送方向)に搬送させる『副搬送路』である再給送搬送路41が設けられる。
【0016】
シート積載カセット10が有するシート積載台10aの端部側の近傍には、給送ローラ11及び分離ローラ12が配置される。給送ローラ11及び分離ローラ12は対向して配置される。排出トレイ30の近傍には、排出ローラ対23が配置される。主搬送路20は、この給送ローラ11及び分離ローラ12から排出ローラ対23までの間に確保されるシート搬送用の搬送経路をいう。したがって、主搬送路20は、給送ローラ11及び分離ローラ12の近傍、搬送ローラ対13、レジストローラ対15、感光体ドラム3及び転写部16、定着装置21、排出ローラ対23を経由して延びる。ここで、シートSが主搬送路20を正方向に進む方向を第1方向Pとする。なお、レジストローラ対15は、シートSの斜行を補正し、シートS上へ画像を形成する転写部16へ安定してシートSを送り込む機能を有する。また、排出トレイ30は装置本体1Aの最上部に設けられる。さらに、主搬送路20は、両面反転フラッパ22よりも第1方向Pの側に排出搬送路20aを有する。
【0017】
定着装置21よりも第1方向Pの側では、前述の排出ローラ対23へと延びる排出搬送路20aとは別に、反転搬送路31が分岐して延びる。そして、この反転搬送路31に分岐して直ぐの位置に『反転手段』である反転ローラ対24が配置される。この反転ローラ対24は、シートSの搬送方向を反転させる機能を有する。したがって、主搬送路20は、下流側で排出搬送路20aと反転搬送路31とに分岐する。つまり、主搬送路20としては、給送ローラ11及び分離ローラ12の近傍、搬送ローラ対13、レジストローラ対15、感光体ドラム3及び転写部16、定着装置21、反転搬送路31(反転ローラ対24)に至るようにも延びている。
【0018】
反転されたシートSを反転ローラ対24から第1方向Pとは別の第2方向に搬送させる再給送搬送路41が主搬送路20から分岐して延びる。再給送搬送路41は、第2方向Qの上流側から順に両面搬送ローラ対25、再給送ローラ対14を備える。また、再給送搬送路41は前述の主搬送路20と共に、断面視で環状に形成される。シートが再給送搬送路41を通過すると、シートSの第1面及び第2面は反転されて搬送される。こうしてシートSの第1面に画像形成されたシートSは再給送搬送路41を通過し、再び主搬送路20を通過することでシートSの第2面に画像が形成されていく。
【0019】
排出搬送路20a及び反転搬送路31の分岐点には、両面反転フラッパ22が取付けられる。この両面反転フラッパ22が支軸22aを中心に回動すると、主搬送路20から排出搬送路20aへと通じる搬送経路が開かれたり、反転搬送路31から再給送搬送路41へと通じる搬送経路が開かれたりする。本実施形態では、両面反転フラッパ22が設けられている箇所は、主搬送路20と再給送搬送路41との分岐部でもある。
【0020】
定着装置21の近傍には、『シート検知手段』である排送センサ51が配置される。この排送センサ51は、定着装置21よりも第1方向Pの側に配置され、主搬送路20の中で搬送されるシートSを検知可能に構成される。この排送センサ51は、主搬送路20の中で第1方向Pへと搬送されるシートSを検知すると共に、主搬送路20の中で第1方向Pとは逆方向に搬送されるシートSを検知するように構成される。
【0021】
また、装置本体1Aの内部には、装置本体1Aの内部に設けられた各々の駆動機構を制御するコントローラ70が設けられる。特に、この画像形成装置1では、コントローラ70は、主搬送路20の中で第1方向Pとは逆方向に搬送されるシートSを排送センサ51が検知すると、排送センサ51の検知結果に基づいて反転ローラ対24の駆動を停止するようになっている。ここで、シートSが第1方向Pへと搬送されときにシートSの第1方向Pの側となる先端部を第1端部Saとし、シートSの第1方向Pと逆方向(反対)の側となる後端部を第2端部Sbとする(図2(a)及び図2(b)参照)。この場合に、排送センサ51が主搬送路20を第1方向Pに通過するシートSの第2端部Sbを検知した後の所定時間内に再びシートSの第2端部Sbを検知した場合には、コントローラ70は反転ローラ対24の駆動を停止するようになっている。そして、コントローラ70は、排送センサ51が所定時間内に再びシートSの第2端部Sbを検知した場合には、装置本体1Aの内部に残留するシートSの残留情報を発信する。
【0022】
図2は、両面反転フラッパ22の近傍を示す一部拡大断面図である。図2(a)は、シートSが第1方向Pに搬送される場合に、排出ローラ対23及び両面反転フラッパ22の動作を示す一部拡大断面図である。図2(b)は、シートSが第2方向Qに搬送される前段階として、両面反転フラッパ22及び反転ローラ対24の動作を示す一部拡大断面図である。まず、図1及び図2(a)を参照して、シートSの搬送状況を説明する。図1に示されるように、シート積載台10a上のシートSは、給送ローラ11で引出され、分離ローラ12によって一枚ずつ分離されて主搬送路20へと搬送される。このシートSは、搬送ローラ対13、レジストローラ対15により順次搬送される。レジストローラ対15より搬送されたシートSには、画像形成部2及び転写部16の間のニップ部を通過する際に、画像形成部2で画像形成されたトナー像が転写され、シートSには画像が形成される。図2(a)及び図2(b)に示されるように、トナー画像が転写されたシートSは、その後、加熱ローラ21b及び加圧ローラ21aを有する定着装置21を通過するときに、加熱ローラ21bにより画像が定着される。
【0023】
シートSの第1面を印刷するだけの場合には、コントローラ70は、図2(a)に示されるように、両面反転フラッパ22の図示しない駆動機構を制御して両面反転フラッパ22を第1位置Xへと回動させる。このように第1位置Xに配置された両面反転フラッパ22は、シートSが反転搬送路31及び再給送搬送路41への搬送経路を遮断して、シートSを排出搬送路20aへと誘導する。シートSは、両面反転フラッパ22にガイドされ、排出ローラ対23を経て、排出トレイ30(図1参照)へ排出される。
【0024】
シートSの第1面を印刷後に第2面を印刷する場合には、コントローラ70は、図示しないソレノイドの信号を受け、図2(b)に示されるように、両面反転フラッパ22の図示しない駆動機構を制御して両面反転フラッパ22を第2位置Yへと回動させる。このように第2位置Yに配置された両面反転フラッパ22は、排出搬送路20aへの搬送経路を遮断して、シートSを反転搬送路31へと誘導する。定着装置21で第1面が画像定着されたシートSが、第2位置Yに配置された両面反転フラッパ22にガイドされ、反転ローラ対24へと搬送される。
【0025】
図2(b)に示されるように、加熱ローラ21b及び加圧ローラ21a並びに反転ローラ対24が正方向回転することにより、シートの第2端部Sbが定着装置21を通過してシートSが反転搬送路31へと搬送される。そして、シートSが反転ローラ対24を抜け切る前に反転ローラ対24は反転する。そうすると、今度は、反転ローラ対24が逆方向回転することにより、シートの第2端部Sbを先端としてシートSが再給送搬送路41に搬送される。
【0026】
再給送搬送路41の内部に進入したシートSは、両面搬送ローラ対25によって再給送ローラ対14(図1参照)へ搬送されて主搬送路20との合流地点にて主搬送路20の内部に進入する。そして、シートSは、再びレジストローラ対15を経て、シートSへの画像転写部である転写部16へ搬送され、第2面に画像が形成される。その後、シートSの第2面には再び定着装置21で画像が定着され、シートSは排出ローラ対23によって排出トレイ30上に排出され、両面印刷は完了する。
【0027】
図3は、ローラを駆動する駆動装置及びセンサに対するコントローラ70の接続状態を示す概略図である。図3に示されるように、コントローラ70は、メインモータM1、定着駆動モータM2及び反転モータM3に接続され、これらのモータの回転を制御する。『駆動装置』であるメインモータM1は、図示しない給送クラッチを介した給送ローラ11、搬送ローラ対13、レジストローラ対15、再給送ローラ対14、感光体ドラム3及び転写部16を回転駆動するモータである。『駆動装置』である定着駆動モータM2は、定着装置21の加圧ローラ21aと排出ローラ対23、両面搬送ローラ対25を回転駆動するモータである。『駆動装置』である反転モータM3は、反転ローラ対24を回転駆動し、正逆転可能なモータである。なお、反転ローラ対24でシートSを搬送する搬送方向に関しては、シートSを反転搬送路31へと搬送する方向を正方向回転とし、シートSを再給送搬送路41へと搬送する方向を逆方向回転とする。
【0028】
また、図3に示されるように、コントローラ70は、トップセンサ60、ループセンサ61及び排送センサ51に接続され、これらのセンサの検知情報に基づいて前述の各々のモータの駆動を制御可能となっている。トップセンサ60は、レジストローラ対15よりも第1方向Pの側すなわちレジストローラ対15の下流側に設けられる。トップセンサ60は、感光体ドラム3上に形成されるトナー画像、及び、シートSの先端のタイミングを合わせる目的で設けられる。ループセンサ61は、転写部16よりも第1方向Pの側すなわち転写部16の下流側に設けられる。ループセンサ61は、転写部16及び定着装置21の搬送速度を同じスピードに合わせる目的で設けられる。排送センサ51は、定着装置21よりも第1方向Pの側すなわち定着装置21の下流側、かつ、両面反転フラッパ22よりも第1方向Pの逆方向の側すなわち両面反転フラッパ22の上流側に設けられる。排送センサ51は、定着装置21により画像定着されたシートSを検知し、定着装置21でシートSが滞留しているか検知する目的で設けられる。
【0029】
また、排送センサ51は遮光センサである。排送センサ51は、シートSを検知するとONになるように設定される。排送センサ51は、シートSが反転搬送路31より主搬送路20へ逆流してきた際にも、シートSを検知可能な構成としている。また、両面反転フラッパ22を切り替える際の信号としても使用される。また、それぞれ3つのセンサは、コントローラ70へシート検知信号ON/OFFを出力する。
【0030】
図4は、反転ローラ対24がシートSを反転させ、シートSが逆方向に搬送される際に、コントローラ70が制御する制御工程を示すフローチャートである。図4に示されるように、コントローラ70は、両面搬送逆流検知タスクを開始する(ステップ100、これ以後「ステップ」を「S」と省略する。S100)。コントローラ70は、定着装置21より搬送されたシートSを排送センサ51が検知したか否かを判定する(S101)。
【0031】
YESの場合(排送センサ51がONになった場合)には、コントローラ70は、図示しないソレノイドをON(オン)の状態にし、両面反転フラッパ22を第1位置Xから第2位置Yまで動作させる(S102)。そうすると、シートSが反転搬送路31に導かれる。コントローラ70は、反転ローラ対24を正方向回転させる(S103)。そうすると、シートSが反転搬送路31を進んでいく。NOの場合(排送センサ51がOFFになっている場合)には、コントローラ70は、再びシートSを排送センサ51が検知したか否かを判定する(S101)。
【0032】
反転ローラ対24を正方向回転させた(S103)後に、コントローラ70は、シートSの第2端部Sbが排送センサ51を通過したか否か(排送センサ51がOFFになったか否か)を判定する(S104)。YESの場合(シートSが第1方向Pへと向かって第2端部Sbが排送センサ51を通過し、排送センサ51がOFFになった場合)には、コントローラ70は、タイマT1を起動させる(S105)。タイマT1は、シートSが移動する定着装置21の加熱ローラ21bから反転ローラ対24までの距離を反転ローラ対24の搬送速度で除算した時間で設定されている(S106)。
【0033】
NOの場合(第2端部Sbが排送センサ51を通過せず、排送センサ51がOFFにならない場合)には、コントローラ70は、再びシートSの第2端部Sbが排送センサ51を通過したか否か(排送センサ51がOFFになったか否か)を判定する(S104)。
【0034】
タイマT1の起動後(S105)に、コントローラ70は、排送センサ51がOFFに切替えられてから一定時間t1経過後に、図示しないソレノイドをOFFにする。そうすると、両面反転フラッパ22は、図示しないねじりコイルバネの付勢力で第2位置から第1位置へと戻る(S106)。このタイマT1に設定される一定時間t1は、シートSの第2端部Sbが排送センサ51を抜けてから、再給送搬送路41と反転搬送路31との分岐点40を完全に抜けきり、かつ、反転ローラ対24のニップに到達する時間未満の時間に設定される。コントローラ70は、反転モータM3の逆方向回転を開始して反転ローラ対24を逆方向回転させ、再給送搬送路41へとシートSを搬送する。
【0035】
コントローラ70は、タイマT1がタイムアップしたか否かを判定する(S108)。YESの場合(タイマT1がタイムアップした場合)には、コントローラ70は両面搬送逆流検知タスクを終了する(S112)。
【0036】
NOの場合(タイマT1がタイムアップしていない場合)には、コントローラ70は、排送センサ51がONか否かを判定する(S109)。YESの場合(排送センサ51がONの場合)には、コントローラ70は、反転モータM3の駆動を停止し、その他のメインモータM1及び定着駆動モータM2の駆動を停止する(S110)。このS109の判定の結果、排送センサ51がONになる場合とは、反転ローラ対24が逆方向回転されてもシートSが再給送搬送路41に搬送されず、主搬送路20の側に逆流する場合のことである。このときに、逆流したシートSが再び排送センサ51で検知されて、排送センサ51がONの状態となる。その後、コントローラ70は、装置本体1Aの表示部に、装置本体1Aの内部でシートSのジャムが生じていることを表示する(S111)。これにより、ユーザには排送センサ51の近傍にシートSが残留している旨が通知され、コントローラ70は本タスクを終了する(S112)。これにより、シートSが主搬送路20へ逆流した場合に、ユーザは装置本体1Aの内部でジャムが発生したことを知ることができる。排送センサ51がONか否かを判定した(S109)の結果、NOの場合(排送センサ51がOFFの場合)には、再びS108に戻って判定が繰り返される。
【0037】
なお、上記実施例1ではS102にて排送センサ51がシートSを検知した際に図示しないソレノイドがONとなり、両面反転フラッパ22が第1位置Xから第2位置Yへ動作するが、この実施例に限定されない。すなわち、トップセンサ60がシートSを検知すると、設定時間後に図示しないソレノイドがONとなるようにし、両面反転フラッパ22を第2位置Yへ動作させることも可能である。
【実施例2】
【0038】
図5は、実施例2に係る画像形成装置に設けられるコントローラ70が制御する制御工程を示すフローチャートである。実施例2の画像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置1と同一の構成(特に、図1及び図3参照)及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の画像形成装置が実施例1の画像形成装置1と異なる点は、実施例2の画像形成装置のコントローラ70が、装置本体1Aの内部でシートSのジャムが生じた場合に、ジャム処理のための制御が追加されているという点である。
【0039】
実施例2の画像形成装置では、再給送搬送路41には、反転ローラ対24より先側に第2方向Qとは逆方向に反転搬送路31が連続して延びる(図6参照)。コントローラ70は、シートSのジャム処理後又は電源投入後の初期動作時に、再給送搬送路41の中で第2方向QへとシートSを搬送する方向に、即ち逆方向に回転するように反転ローラ対24を駆動する。そして、コントローラ70は、主搬送路20の中の分岐部よりも上流では第1方向PへとシートSを搬送し、シートSを装置本体1Aの外部へと排出するように複数の搬送ローラの駆動を制御する(S206)。
【0040】
図1の画像形成装置1において、シートSを検出するためのセンサは、トップセンサ60、ループセンサ61、排送センサ51である。トップセンサ60、ループセンサ61、排送センサ51は、図3に示されるように、ON/OFFのシート検知信号をコントローラ70へ信号を出力する。
【0041】
次に、実施例2の画像形成装置においてジャムが発生した場合について説明する。上記3つのセンサがシートSを所定時間より長い間検知してONになっている場合や、両面印刷の際に排送センサ51がOFFになった時間から、トップセンサ60がONになるまでの時間が、所定の時間よりも長い場合を想定する。このような場合であるとコントローラ70が判定すると、コントローラ70はジャムと判断し不図示の表示部へジャムが発生したことを表示させる。表示部へはセンサが検知している場所に応じて、ジャムの発生場所を通知する。
【0042】
ところで、図1の画像形成装置1には、反転搬送路31や再給送搬送路41にセンサが設けられていない。センサが設けられてない反転搬送路31や再給送搬送路41の内部にシートSが残留するケースが考えられるが、このような場合に、ユーザに的確なジャム位置を通知することができない。ユーザはジャム処理の表示がないために、シートが装置本体1Aの内部に残っていないと考え、ジャム処理を終了することがある。
【0043】
図6は、シートSが主搬送路20に搬送された後に再給送搬送路41に搬送される工程を示す断面図である。図6(a)は、シートSが定着装置21へと接近する工程を示す断面図である。図6(b)は、シートSが第1方向Pに搬送される工程を示す断面図である。図6(c)は、シートが第2方向Qに搬送される工程を示す断面図である。図6(a)に示されるように、反転搬送路31から見ると主搬送路20から再給送搬送路41は分岐する形となり、この分岐点40を以下で考慮する。シートSが排送センサ51及び分岐点40の間で残留した場合には、図3の3つのトップセンサ60、ループセンサ61、及び、排送センサ51では、シートSが検知されない。この状態において、反転モータM3を逆転させてシートSを再給送搬送路41の側へ搬送しようとすると、シートSは定着装置21へ逆流し、処理の困難なジャムを引き起こす可能性がある。このようなジャムが生じた場合に、実施例2の画像形成装置は、ユーザがジャム処理動作後に自動排出タスクを実行可能な構成となっている。このタスクについて図5のフローチャート及び図6の工程図を参照して説明する。
【0044】
図5に示されるように、コントローラ70は、ジャム発生後の自動排出タスクを開始する(S200)。コントローラ70は、メインモータM1、定着駆動モータM2、反転モータM3を停止させて、表示部にジャムを表示する(S201)。こうして、ユーザにジャムが発生したことを伝える。コントローラ70は、ユーザがジャム処理を行ったか否かを判定する(S202)。このユーザによるジャム処理の判定手段としては、図示しないジャム処理用ドアに取付けられる図示しないフォトインタラプタが挙げられる。ジャム処理用ドアを開ける動作をするとフォトインタラプタがOFFになり、ジャム処理用のドアを閉じるとONとなる。このフォトインタラプタのOFF/ONをコントローラ70が検知すると、ジャム処理が完了したと判定する。
【0045】
YESの場合には、コントローラ70は、排送センサ51、トップセンサ60、ループセンサ61がシートSを検知してONの状態になっているか否かを判定する(S203)。この3つのセンサのうち一つでもシートSを検知しONである場合、表示部にジャムの表示を行って(S204)、ユーザに伝える。
【0046】
一方、コントローラ70は、3つのセンサのいずれもがシートSを検知せずOFF(オフ)の状態の場合は、図示しないソレノイドをON(オン)の状態にさせて、両面反転フラッパ22を第2位置へ動作させる(S205)。これは、図6(a)に示されるように、残留したシートSが排送センサ51及び分岐点40の間で停止するときには、図示しないソレノイドがOFFの状態になっていれば、両面反転フラッパ22がシートSを挟み込んでしまい、シートSが搬送できなくなる。したがって、こうした事態を防ぐためである。
【0047】
コントローラ70は、反転モータM3を逆回転させ、反転ローラ対24が再給送搬送路41にシートSを搬送させるように回転し、メインモータM1と定着駆動モータM2は排出トレイ30の方向へシートSを排出するように回転する(S206)。
【0048】
コントローラ70はタイマT2を起動させる(S207)。タイマT2は、シートSが反転ローラ対24から主搬送路20へ逆流した場合の反転ローラ対24から定着装置21までの距離を、反転ローラ対24の搬送速度で除算した時間に設定される。
【0049】
コントローラ70は、タイマT2がタイムアップしたか否かを判定する(S208)。YESの場合(タイマT2がタイムアップした場合)は、コントローラ70は、図示しないソレノイドをOFFとして両面反転フラッパ22を第1位置に動作させる(S209)。コントローラ70は、メインモータM1、定着駆動モータM2、反転モータM3を駆動させ続け、排出トレイ30へシートSを排出させるまで回転させ(S210)、本タスクを終了させる(S216)。
【0050】
一方、タイマT2がタイムアップしたか否かをコントローラ70が判定した結果(S208)、NOの場合(タイマT2がタイムアップしていない場合)は、コントローラ70は、S211にて排送センサ51が検知しているかを判定する。排送センサ51が検知した場合とは、以下の状態である。即ち、シートSが残留し、反転ローラ対24がシートSを再給送搬送路41側へ搬送するように逆回転し(S205)、シートSが主搬送路20を逆流して定着装置21へ搬送され、シートSが排送センサ51に検知されてシート検出信号がONになった状態である。
【0051】
次に、コントローラ70は、反転モータM3、メインモータM1、定着駆動モータM2の駆動を停止し(S212)、全てのシート搬送手段の搬送動作が停止する。次に、図6(b)に示されるように反転モータM3のみ一定時間t2正回転させ(S213)、シートSを反転搬送路31の側へと搬送するように反転ローラ対24を正回転させる。一定時間t2とは、反転ローラ対24の速度で反転搬送路31側へシートSを搬送させた際に、排送センサ51を通過してから分岐点40を通過するまでの時間である。
【0052】
次に、コントローラ70は、図示しないソレノイドをOFFとして両面反転フラッパ22を第1位置Xへ動作させ(S214)、再給送搬送路41へシートSをガイドするようにする。次に、図6(c)の示すように反転モータM3を逆回転させ、反転ローラ対24はシートSを再給送搬送路41側へ搬送するように回転する(S215)。また、メインモータM1と定着駆動モータM2も回転を開始させ(S215)、シートSを完全に排出させるまで、各モータを回転させて本タスクを終了する(S216)。
【0053】
ここで、タイマT2を設定しなくても自動排出は完了される。ただし、タイマT2を設定しないと、装置本体1Aの内部に残留したシートSが主搬送路20を画像形成時と同じように通過してきた際に、排送センサ51が検知し、S209〜S212を繰り返し、通常動作に復帰するまでに時間がかかる。このためタイマT2を設定し、短い時間で通常状態へ復帰が可能なようにしている。
【0054】
このように、トップセンサ60、ループセンサ61、排送センサ51がシートSを検知しない位置にシートSが残留した場合で、上記の自動で排出処理して、残留したシートSを装置本体1Aの外部へ排出させるため、次の画像形成ジョブに影響を与えることが無い。
【0055】
実施例2では、シートSがジャムした場合の自動処理について説明したが、これに限定されない。すなわち、画像形成装置のシートSの搬送時に、電源が瞬時にOFFにされ、電源を入れた後に自動排出シーケンスを開始し、図5のS201の処理、S202の判定を飛ばし、S203の処理から開始しても良い。こうすれば、装置本体1Aの内部にシートSが残留してシートSが主搬送路20を逆流してしまった場合においても、排送センサ51が逆流を検知し、自動排出を行うことが可能となる。
【0056】
また、実施例2では、シートSを排出トレイ30まで自動排出するように制御を行っているが、これに限定されない。途中まで実施例2と同様、排送センサ51がシートSの逆流を検知後に(S211)、反転モータM3を一定時間t2で正回転後(S212)、反転モータM3とその他モータを一定時間回転させてユーザの視認できる場所までシートSを搬送させる(S213)。ここから実施例2に替えて、S213の後に、シートSをトップセンサ60まで搬送させて、トップセンサ60がシートSを検知したらコントローラが全モータの駆動を停止するようにしても良い。この場合に、装置本体1Aの内部に残留紙があることをユーザに伝えるようにしても良い。
【0057】
さらに、実施例2に変えて、以下の構成としても良い。コントローラ70は、シートSのジャム処理後又は電源投入後の初期動作時に、排送センサ51によるシートSの検知に基づく反転ローラ対24の駆動の停止する(S212)。コントローラ70は、その停止後に、反転搬送路31に対してシートSを搬送してから再給送搬送路41の中で第2方向QへとシートSを搬送する(S213、S214)。ここまでは実施例2と同様である。実施例2に替えられるのは、この後で、コントローラ70は、主搬送路20の中で第1方向PへとシートSを搬送し、装置本体1Aの内部に残留するシートSの端部をユーザがアクセス可能な位置まで移動させるように複数の搬送ローラの駆動を制御しても良い。そして、コントローラ70が装置本体1AのシートSの残留情報を発信するようにしても良い。
【実施例3】
【0058】
図7〜図9は、実施例3に係る排送センサ51の構成を示す斜視図である。実施例3の像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置1と同一の構成(特に、図1〜図3参照)及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の画像形成装置が実施例1の画像形成装置1と異なる点は、実施例3の画像形成装置の排送センサ51の構成が明らかにされている点である。
【0059】
図7(a)は、シートSが排送されない場合の排送センサ51の構成を示す斜視図であり、図7(b)は、排送センサ51の一部拡大斜視図である。図7(a)に示されるように、排送センサ51は、一点鎖線を中心に回動可能な軸51Jを有する。軸51Jの一端部には、軸51Jに対して垂直方向に延びる『第1シート検知手段』である第1遮光部51a及び『第2シート検知手段』である第2遮光部51bが設けられる。この場合に、第1遮光部51a、主搬送路20の中で第1方向Pへと搬送されるシートSを検知し、第2遮光部51bは、主搬送路20の中で第1方向Pとは逆方向に搬送されるシートSを検知するように構成される。この第1遮光部51a及び第2遮光部51bと対向する位置に、フォトインタラプタ52が配置される。フォトインタラプタは光軸52aを形成可能であり、この光軸52aを第1遮光部51a及び第2遮光部51bの何れが遮光するか否かで、センサ信号のON/OFFをコントローラ70に出力する。
【0060】
排送センサ51は、軸51Jの他端部に、軸51Jを含む平面上に形成されるシート接触部材51cを有する。軸51Jには、ねじりコイルバネ53が嵌合される。ねじりコイルバネ53の一端が排送センサ側位置決めリブ51dに固定され、ねじりコイルバネ53の他端が定着装置21のフレームに取付けられるバネ支持部56aに固定される。排送センサ51の待機位置は、排送センサ側位置決めリブ51dと、図示しない定着フレーム側に配置される排送センサ突き当て部55が当接する位置で定まる。
【0061】
排送センサ突き当て部55は、圧縮バネ54の一端を保持しており、圧縮バネ54の他端は図示しない定着フレームの一部である圧縮バネ固定部56に保持される。図7(b)は排送センサ突き当て部55の周囲の拡大図である。排送センサ突き当て部55は直線状のガイドリブ55aを備え、圧縮バネ固定部56の直線状のガイドリブ溝56cに沿って、矢印C方向に移動可能なように移動する。排送センサ突き当て部55のガイドリブ55aは、圧縮バネ54の力によって圧縮バネ固定部56のガイドリブ溝56cの一端に当接した状態の位置に配置される。
【0062】
ところで、図7(b)に示されるように、圧縮バネ54の排送センサ突き当て部55を矢印D方向へ押圧する力は、ねじりコイルバネ53が排送センサ突き当て部55を矢印C方向へ押圧する力よりも大きい。よって排送センサ突き当て部55のガイドリブ55aが圧縮バネ固定部56のガイドリブ溝56cの一端に当接したときに、排送センサ側位置決めリブ51dが排送センサ突き当て部55に当接し、このときの位置が排送センサ51の待機位置となる。
【0063】
図8は、シートSが矢印E方向に搬送されてきたとき、排送センサ51の動きを示す斜視図である。図8に示されるように、シートSが搬送されてシート接触部材51cと接触すると、排送センサ51は軸51Jの回動中心軸を中心として矢印A方向へ回転する。このときに、第1遮光部51aが矢印A方向へ回転し、フォトインタラプタ52を遮光し、シート検出信号をONでコントローラ70へ出力する。シートSの第2端部Sbがシート接触部材51cを通過すると、排送センサ51は、ねじりコイルバネ53に排送センサ51がA方向に回転して発生する付勢力により、図7(a)の矢印B方向へ回転して待機位置に戻る。
【0064】
図9は、シートSが矢印F方向に搬送されてきたとき、排送センサ51の動きを示す斜視図である。図9に示されるように、シートSが主搬送路20を逆流してきた場合には、シートSの第2端部Sbがシート接触部材51cに接触すると、排送センサ51は矢印B方向へ回転しようとする。このとき、排送センサ側位置決めリブ51dは圧縮バネ54の付勢力に抗して、排送センサ突き当て部55を矢印C側へ押す。すると第2遮光部51bは矢印B方向へ回転し、フォトインタラプタ52を遮光し、シート検出信号をONの出力をする。
【0065】
ジャム処理や自動排出等で排送センサ51からシートSがなくなると、圧縮バネ54の付勢力により、排送センサ突き当て部55が排送センサ側位置決めリブ51dを押し、排送センサ51を初期の位置へ戻す。
【0066】
このように、排送センサ51を構成することで、安価な構成でシートSの逆流検知を行うことが可能となる。なお、実施例3の排送センサ51の構成は実施例1又は実施例2に適用可能である。
【0067】
なお、前述した実施例1〜3では、『主搬送路』は、排出搬送路20aを有する主搬送路20を意味するとしたが、この実施例に限定されない。すなわち、排出搬送路20a及び反転搬送路31が1つの搬送路として形成される場合には、『主搬送路』は、主搬送路20のみならず、反転搬送路31を含む概念となる。
【0068】
以上説明したように、実施例1〜3の構成の場合でも、シートSが反転ローラ対24から再給送搬送路41へと搬送されるはずが、誤ってシートSが反転ローラ対24から主搬送路20へと搬送される場合が想定される。ところが、実施例1〜3の構成によれば、排送センサ51が逸早く主搬送路20を逆方向に進むシートSを検知し、コントローラ70が反転ローラ対24の駆動を停止させる。その結果、シートSが反転される場合に、シートSが定着装置21に突入する現象を抑制し、ジャム処理の負担が低減される。
【0069】
また、実施例2〜3の構成によれば、シートSが再給送搬送路41又は反転搬送路31で排送センサ51が検知できない位置に残留した場合でも、装置本体1Aの内部に残留するシートSを装置本体1Aの外部に自動的に排出することができる。また、この場合に、シートSが装置本体1Aの内部に残留するシートSの存在をユーザに知らせたりすることができる。
【符号の説明】
【0070】
2 画像形成部
20 主搬送路
21 定着手段
24 反転ローラ対(反転手段)
51 シート排送センサ
70 コントローラ
P 第1方向
Q 第2方向
S シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
シートに画像を定着させる定着手段と、
前記画像形成手段及び前記定着手段を経由して延びた主搬送路と、
前記定着手段によって画像が定着されたシートを、第1の方向に搬送した後にシートの搬送方向を反転させて前記第1の方向と反対の第2の方向にシートを搬送する反転手段と、
前記主搬送路から分岐部で分岐し、前記反転手段によって搬送方向が反転されたシートを搬送させる副搬送路と、
前記主搬送路における前記定着手段と前記分岐部との間で、搬送されるシートを検知するシート検知手段と、
前記反転手段によって前記定着手段へ向かって搬送されるシートを前記シート検知手段が検知すると、前記シート検知手段の検知結果に基づいて前記反転手段の駆動を停止するコントローラと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート検知手段は、前記主搬送路の中で前記定着手段から前記反転手段へ向かう方向へと搬送されるシートを検知する第1シート検知手段と、前記主搬送路の中で前記反転手段から前記定着手段へ向かう方向に搬送されるシートを検知する第2シート検知手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記定着手段から前記反転手段へ向かって搬送されるシートの先端部を第1端部として、前記定着手段から前記反転手段へ向かって搬送されるシートの先端部と反対の端部を第2端部とした場合に、前記シート検知手段が前記主搬送路を前記定着手段から前記反転手段へ向かって搬送されるシートの第2端部を検知した後の所定時間内に再びシートの前記第2端部を検知すると、前記コントローラは前記反転手段の駆動を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記シート検知手段が前記所定時間内に再びシートの前記第2端部を検知した場合には、装置本体の内部に残留するシートの残留情報を発信することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コントローラは、シートのジャム処理後又は電源投入後の初期動作時に、前記第2の方向へシートを搬送するように前記反転手段を駆動し、前記反転手段によって搬送させるシートを前記シート検知手段が検知すると、前記反転手段の駆動を停止させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記シート検知手段によるシートの検知に基づく前記反転手段の駆動の停止後に、前記第1の方向にシートを搬送してから前記副搬送路の中を搬送させるように前記第2の方向へとシートを搬送し、更に該シートを装置本体の外部へと排出するように前記反転手段および複数の搬送ローラの駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記シート検知手段によるシートの検知に基づく前記反転手段の駆動の停止後に、前記第1の方向にシートを搬送してから前記副搬送路の中を搬送させるように前記第2の方向へとシートを搬送するように前記反転手段を駆動してから、シートの搬送を停止させるとともに、装置本体のシートの残留情報を発信することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−132008(P2011−132008A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294011(P2009−294011)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】