画像投影装置
【構成】プロジェクタ46は、スクリーンの前方からスクリーンに再生画像を投影する。撮像装置16は、スクリーンが外れるように設定された視野を有し、この視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する。CPU36は、人差し指を伸ばした左手の左右方向への動きを撮像装置16から出力された画像に基づいて探索し、プロジェクタ46によって投影すべき再生画像をこのような動きの探知に応答して更新する。
【効果】操作性の向上とディジタルカメラの小型化が図られる。
【効果】操作性の向上とディジタルカメラの小型化が図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像投影装置に関し、特に投影面の前方から投影面に画像を投影する、画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、プロジェクタは、ユーザの後方上部に設けられ、ユーザの前方に設けられたガラスなどの透明または半透明のスクリーンに画像を投影する。また、撮像装置は、スクリーンの反対側に設けられ、スクリーンに投影された画像に向かってジェスチャを行うユーザの姿を撮影する。プロジェクタによって投影される画像は、ユーザのジェスチャに応じて変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−70416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、プロジェクタおよび撮像装置が分離しているため、小型化に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、小型化できかつ操作性を高めることができる、画像投影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像投影装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索手段(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索手段の探知に応答して更新する更新手段(S83~S85, S35~S43)を備える。
【0007】
好ましくは、投影手段および撮像手段は互いに並列して処理を実行し、投影手段および撮像手段から並列して出力される2つの画像は互いに相違する。
【0008】
好ましくは、内蔵画面(30)に画像を表示する表示手段(28)、投影手段および表示手段を選択的に起動する起動手段(S45~S49, S55)、および起動手段による表示手段の起動に対応して探索手段を停止する停止手段(S59)がさらに備えられる。
【0009】
さらに好ましくは、内蔵画面は投影手段の投影方向に面し、撮像手段の撮像方向は投影手段の投影方向と逆の方向に相当する。
【0010】
好ましくは、投影手段に対する姿勢が可変となるように撮像手段を支持する支持手段(SH1)がさらに備えられる。
【0011】
好ましくは、撮像手段の撮像方向は投影手段の投影方向に相当し、撮像手段に向けて光を反射させる反射手段(ML1)を着脱自在に保持する保持手段(HL1)がさらに備えられる。
【0012】
好ましくは、特定物体は人物の手に相当し、探索手段は、手を表す画像の代表点を検出する検出手段(S65~S75)、および検出手段によって検出された代表点の動きを既定条件と照合する照合手段(S77)を含む。
【0013】
この発明に従う投影制御プログラムは、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、および投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)を備える画像投影装置(10)のプロセッサ(36)に、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を実行させるための、投影制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う投影制御方法は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、および投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)を備える画像投影装置(10)によって実行される投影制御方法であって、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、およびメモリ(38)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える画像投影装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う画像投影装置(10)は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(48)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(38)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える画像投影装置であって、外部制御プログラムは、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、投影すべき画像は、装置に触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像手段と前面投射型の投影手段との位置関係は撮像手段の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像手段と投影手段とを互いに近接させることができる。これによって装置の小型化が図られる。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は記録画像の一例を示す図解図であり、(B)は記録画像の他の一例を示す図解図であり、(C)は記録画像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は記録画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図5】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図6】図2実施例で参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】(A)は辞書画像の一例を示す図解図であり、(B)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(C)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(E)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(F)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(G)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(H)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(I)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(J)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(K)は辞書画像の他の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】この発明の他の実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図14】この発明のその他の実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図15】この発明のさらにその他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0021】
図1を参照して、この実施例の画像投影装置は、基本的に次のように構成される。投影手段1は、投影面の前方から投影面に画像を投影する。撮像手段2は、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する。探索手段3は、撮像手段2から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する。更新手段4は、投影手段1によって投影すべき画像を探索手段3の探知に応答して更新する。
【0022】
投影すべき画像は、装置に触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像手段2と前面投射型の投影手段1との位置関係は撮像手段2の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像手段2と投影手段1とを互いに近接させることができる。これによって装置の小型化が図られる。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞り機構14を含む。フォーカスレンズ12および絞り機構14を経た光学像は、撮像装置16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、撮像面で捉えられたシーンを表す電荷が生成される。
【0024】
キー入力装置40に設けられたモード切り換えスイッチ40mdによってカメラモードが選択されると、CPU36は、撮像タスクの下で動画取り込み処理および動画表示処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令し、LCDドライバ28に表示動作の繰り返しを命令する。
【0025】
ドライバ18cは、SG20から出力された垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
信号処理回路22は、撮像装置16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって作成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の動画像エリア26aに書き込む。
【0027】
LCDドライバ28は、動画像エリア26aに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
撮像面の中央には図示しない評価エリアが割り当てられる。輝度評価回路32は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアに属するYデータを、垂直同期信号Vsyncに応答して積分する。積分値は、輝度評価値として輝度評価回路32から出力される。また、AF評価回路34は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアに属するYデータの高域周波数成分を、垂直同期信号Vsyncに応答して積分する。積分値は、AF評価値としてAF評価回路34から出力される。
【0029】
キー入力装置40に設けられたシャッタボタン40shが非操作状態のとき、CPU36は、輝度評価回路32から出力された輝度評価値に基づいて適正EV値を算出するべく、簡易AE処理を繰り返し実行する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0030】
シャッタボタン40shが操作されると、CPU36は、輝度評価回路32から出力された輝度評価値に基づいて最適EV値を算出するべく、厳格AE処理を実行する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。これによって、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の明るさが厳格に調整される。
【0031】
CPU36は続いて、AF処理を実行する。フォーカスレンズ12は光軸方向に移動され、AF評価回路34から出力されたAF評価値はフォーカスレンズ12の移動処理と並列して繰り返し取り込まれる。合焦点は取り込まれたAF評価値に基づいて探索され、フォーカスレンズ12は発見された合焦点に配置される。これによって、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0032】
AF処理が完了すると、CPU36は、静止画取り込み処理を実行し、かつ記録処理の実行をメモリI/F42に命令する。静止画取り込み処理の結果、AF処理が完了した時点のシーンを表す画像データが、動画像エリア26aから静止画像エリア26bに退避される。記録処理の実行を命令されたメモリI/F42は、静止画像エリア26bに退避された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。
【0033】
モード切り換えスイッチ40mdによって再生モードが選択されると、CPU36は、再生タスクの下で以下の処理を実行する。CPU36はまず、記録媒体44に記録された最新の画像ファイルを指定し、指定された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F42に命令する。
【0034】
メモリI/F42は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体44から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の静止画像エリア26bに書き込む。
【0035】
現時点の表示モード(=前回の再生タスクの終了時に選択されていた表示モード)がモニタモードであれば、CPU36は、LCDドライバ28を再生デバイスとして選択する。LCDドライバ28は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。
【0036】
キー入力装置40に設けられた送り/戻しボタン40frによって送り操作が行われると、CPU36は、記録媒体44に記録された次の画像ファイルを指定する。また、送り/戻しボタン40frによって戻し操作が行われると、CPU36は、記録媒体44に記録された前の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ30に表示された画像が別の画像に更新される。
【0037】
したがって、図3(A)〜図3(D)に示す4フレームの画像R_1〜R_4が記録されており、かつ現時点で画像R1が再生されている場合、再生画像は、送り操作が行われる毎に画像R_2→画像R_3→画像R_4→画像R_1→…の順で更新され、戻し操作が行われる毎に画像R_4→画像R_3→画像R_2→画像R_1→…の順で更新される。
【0038】
これに対して、現時点の表示モードがプロジェクションモードであれば、CPU36は、プロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、動画取り込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、そして指検出タスク(後述)を起動する。プロジェクタ46は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを光学像に変換し、そして変換された光学像を投影レンズ46Lを通して投影する。
【0039】
なお、動画取り込み処理によって繰り返し取得される画像データは、起動された指検出タスクの下で参照される。
【0040】
図4を参照して、フォーカスレンズ12はカメラ筐体CB1の前面に設けられ、LCDモニタ30および投影レンズ46Lはカメラ筐体CB1の背面に設けられる。シャッタボタン40shは、カメラ筐体CB1の上面に設けられる。
【0041】
また、プロジェクションモードでは、ディジタルカメラ10は、図5に示すように三脚50で支持される。図5によれば、ディジタルカメラ10の背面がスクリーンSCR1を向き、投影レンズ46Lから投射された光学像はスクリーンSCR1に映し出される。カメラ操作者OP1は、少なくとも左手が撮像面の視野に収まる位置に立つ。
【0042】
指検出タスクは、図6に示すレジスタRGST1と図7(A)〜図7(K)に示す辞書画像D_1〜D_11を収めてフラッシュメモリ38に設けられた辞書DICとを利用して、以下に述べる要領で実行される。
【0043】
まず、レジスタRGST1がクリアされ、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に変数Kが“1”〜“11”の各々に設定される。続いて、辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11の中からK番目の辞書画像D_Kが指定され、指定された辞書画像D_Kに符合する画像が表示画像エリア26aに格納された最新フレームの画像データから探索される。
【0044】
辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D11はいずれも、人差し指だけを伸ばした左手を表す画像である。したがって、人差し指だけを伸ばした左手が撮像面で捉えられると、探索結果は“探知”を示す。辞書画像D_1〜D_11のいずれか1つに符合する画像が探知されると、探知された画像の代表点(代表点:左手の人差し指の先端)が検出され、検出された代表点の座標がレジスタRGST1に登録される。
【0045】
撮像面で捉えられた左手の人差し指の動き(=カメラ操作者OP1のジャスチャ)は、レジスタRGST1に登録された座標の変化に基づいて判別される。判別された動きが撮像面に向かって左方向への人差し指の移動に相当すれば、既定条件の1つが満足されたとみなされ、送り指示が再生タスクに向けて発行される。一方、判別された動きが撮像面に向かって右方向への人差し指の移動に相当すれば、既定条件の他の1つが満足されたとみなされ、戻し指示が再生タスクに向けて発行される。
【0046】
指検出タスクから送り指示が発行されると、CPU36は、記録媒体44に記録された次の画像ファイルを再生タスクの下で指定する。また、指検出タスクから戻し指示が発行されると、CPU36は、記録媒体44に記録された前の画像ファイルを再生タスクの下で指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、プロジェクタ46によって投影された画像が別の画像に更新される。
【0047】
したがって、図3(A)〜図3(D)を参照した上述の例では、再生画像は、送り指示が発行される毎に画像R_2→画像R_3→画像R_4→画像R_1→…の順で更新され、戻し指示が発行される毎に画像R_4→画像R_3→画像R_2→画像R_1→…の順で更新される。
【0048】
なお、表示モードは、キー入力装置40に設けられた再生デバイス切換ボタン40swによって再生デバイス切換操作が操作される毎に、モニタモードとプロジェクションモードとの間で切換えられる。
【0049】
CPU36は、カメラモードが選択されたとき図8に示す撮像タスクを実行し、再生モードが選択されたとき図9〜図10に示す再生タスクおよび図11〜図12に示す指検出タスクを実行する。なお、CPU36は、μITRONのようなマルチタスクOSの上で複数のタスクを並列的に実行するCPUである。また、CPU36によって実行されるタスクに相当する制御プログラムはフラッシュメモリ38に記憶される。
【0050】
図8を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を開始し、ステップS3では動画表示処理を開始する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表す画像データが信号処理回路22から繰り返し出力され、出力された画像データに基づくスルー画像がLCDモニタ30に表示される。ステップS5ではシャッタボタン40shが操作されたか否かを判別し、判別結果がNOである限りステップS7の簡易AE処理を繰り返し実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0051】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS9で厳格AE処理を実行し、ステップS11でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。AF処理が完了すると、ステップS13で静止画取り込み処理を実行し、ステップS15で記録処理の実行をメモリI/F42に命令する。AF処理が完了した時点のシーンを表す画像データは、静止画取り込み処理によって表示画像エリア26aから記録画像エリア26bに退避される。退避された画像データは、メモリI/F42によって読み出され、ファイル形式で記録媒体44に記録される。ステップS15の処理が完了すると、ステップS5に戻る。
【0052】
図9を参照して、ステップS21では記録媒体44に記録された最新の画像ファイルを指定し、ステップS23では指定された画像ファイルの再生をメモリI/F42に命令する。メモリI/F42は、指定された画像ファイルに収められた画像データを記録媒体44から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の静止画像エリア26bに書き込む。
【0053】
ステップS25では、現時点の表示モード(=前回の再生タスクの終了時に選択されていた表示モード)がプロジェクションモードおよびモニタモードのいずれであるかを判別する。判別結果が“プロジェクションモード”であれば、ステップS27でプロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、ステップS29で動画取り込み処理を開始し、そしてステップS31で指検出タスクを起動する。これに対して、表示モードがモニタモードであれば、ステップS33でLCDドライバ28を再生デバイスとして選択する。
【0054】
ステップS27の処理によってプロジェクタ46が再生デバイスとして選択された場合、選択されたプロジェクタ46は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを光学像に変換し、そして変換された光学像を投影レンズ46Lを通して投影する。
【0055】
これに対して、ステップS33の処理によってLCDドライバ28が再生デバイスとして選択された場合、選択されたLCDドライバ28は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。
【0056】
なお、ステップS29の処理によって繰り返し取得される画像データは、ステップS31で起動された指検出タスクの下で参照される。
【0057】
ステップS35では、送り操作が行われるか或いは送り指示が発行されるという論理和条件が満足されたか否かを判別する。また、ステップS37では、戻し操作が行われるか或いは戻し指示が発行されるという論理和条件が満足されたか否かを判別する。さらに、ステップS45では、再生デバイス切り換え操作が行われたか否かを判別する。
【0058】
ステップS35の判別結果がYESであれば、記録媒体44に記録された次の画像ファイルをステップS39で指定する。ステップS37の判別結果がYESであれば、記録媒体44に記録された前の画像ファイルをステップS41で指定する。ステップS43では、ステップS39またはS41で指定された画像ファイルの再生をメモリI/F42に命令する。この結果、プロジェクタ46によって投影された画像またはLCDモニタ30に表示された画像が別の画像に更新される。ステップS43の処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0059】
ステップS45の判別結果がYESであれば、現時点の表示モードがプロジェクションモードおよびモニタモードのいずれであるかを判別する。判別結果が“プロジェクションモード”であれば、ステップS49でプロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、ステップS51で動画取り込み処理を開始し、そしてステップS53で指検出タスクを起動する。これに対して、表示モードがモニタモードであれば、ステップS55でLCDドライバ28を再生デバイスとして選択し、ステップS57で動画取り込み処理を停止し、そしてステップS59で指検出タスクを停止する。ステップS53またはS59の処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0060】
なお、ステップS35の判別結果,ステップS37の判別結果,およびステップS45の判別結果のいずれもがNOであれば、そのままステップS35に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS61ではレジスタRGST1をクリアし、ステップS63では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS65で変数Kを“1”に設定する。ステップS67では、辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11の中からK番目の辞書画像D_Kを指定し、指定された辞書画像D_Kに符合する画像を表示画像エリア26aに格納された最新フレームの画像データから探索する。
【0062】
ステップS69では、辞書画像D_Kに符合する画像が探知されたか否かを判別する。辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11はいずれも、人差し指だけを伸ばした左手を表す画像である。したがって、ステップS69の判別結果は、人差し指だけを伸ばした左手が撮像面で捉えられたときにYESを示す。判別結果がYESであればステップS71に進み、判別結果がNOであればステップS73に進む。
【0063】
ステップS71では、探知された画像の代表点(代表点:左手の人差し指の先端)を検出し、検出された代表点の座標をレジスタRGST1に登録する。登録が完了すると、ステップS77に進む。一方、ステップS73では変数Kをインクリメントし、ステップS75ではインクリメント後の変数Kが“11”を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS67に戻り、判別結果がYESであればステップS77に進む。
【0064】
ステップS77では、撮像面で捉えられた左手の人差し指の動き(=カメラ操作者OP1のジャスチャ)を、レジスタRGST1に登録された座標の変化に基づいて判別する。判別された動きが撮像面に向かって左方向への人差し指の移動に相当すれば、ステップS79からステップS83に進み、送り指示を再生タスクに向けて発行する。一方、判別された動きが撮像面に向かって右方向への人差し指の移動に相当すれば、ステップS81からステップS85に進み、戻し指示を再生タスクに向けて発行する。
【0065】
ステップS81またはS85の処理が完了すると、ステップS87でレジスタRGST1をクリアし、その後にステップS63に戻る。なお、左方向または右方向への人差し指の移動を表す判別結果が得られなければ、ステップS83〜S87の処理を実行することなくステップS63に戻る。
【0066】
以上の説明からわかるように、プロジェクタ46は、スクリーンSCR1(投影面)の前方からスクリーンSCR1に再生画像を投影する。撮像装置16は、スクリーンSCR1が外れるように設定された視野を有し、この視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する。CPU36は、人差し指を伸ばした左手の左右方向への動きを撮像装置16から出力された画像に基づいて探索し(S61~S81, S87)、プロジェクタ46によって投影すべき再生画像をこのような動きの探知に応答して更新する(S83~S85, S35~S43)。
【0067】
このように、プロジェクタ46によって投影される画像は、ディジタルカメラ10に手を触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像装置16と前面投射型のプロジェクタ46との位置関係は撮像装置16の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像装置16とプロジェクタ46とを互いに近接させることができる。これによってディジタルカメラ10の小型化が図られる。
【0068】
なお、この実施例では、図4に示すように、カメラ筐体CB1の前面にフォーカスレンズ12を設ける一方、カメラ筐体CB1の背面にLCDモニタ30および投影レンズ46Lを設けるようにしている。この場合、LCDモニタ30の画面はプロジェクタ46の投影方向に面し、撮像装置16は、プロジェクタ46の投影方向と逆の方向のシーンを捉える。
【0069】
しかし、図13に示すように、投影レンズ46LおよびLCDモニタ30をカメラ筐体CB2の前面および背面にそれぞれ設け、カメラ筐体CB3の前面にフォーカスレンズ12を設け、そしてカメラ筐体CB3がシャフトSH1の回り方向に回転できるようにカメラ筐体CB2およびCB3をシャフトSH1によって結合するようにしてもよい。この場合、好ましくは、プロジェクションモードは、撮像面の視野がプロジェクタ46による投影画像から外れるようにカメラ筐体CB3が回転した状態で起動される。
【0070】
また、図14に示すように、撮像方向および投影方向がほぼ一致するようにカメラ筐体CB1の前面にフォーカスレンズ12および投影レンズ46Lを設ける一方、カメラ筐体CB1の背面にLCDモニタ30を設け、さらにカメラ筐体CB1の後方のシーンを表す光を撮像装置16に向けて反射させるミラーML1を着脱自在に支持する支持部HL1をカメラ筐体CB1に設けるようにしてもよい。この場合、好ましくは、プロジェクションモードは、ミラーML1が支持部HL1に装着されたときに起動される。
【0071】
さらに、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、図15に示すように通信I/F48をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ38に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0072】
また、この実施例では、CPU36によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 …ディジタルカメラ
16 …撮像装置
30 …LCDモニタ
36 …CPU
44 …記録媒体
46 …プロジェクタ
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像投影装置に関し、特に投影面の前方から投影面に画像を投影する、画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、プロジェクタは、ユーザの後方上部に設けられ、ユーザの前方に設けられたガラスなどの透明または半透明のスクリーンに画像を投影する。また、撮像装置は、スクリーンの反対側に設けられ、スクリーンに投影された画像に向かってジェスチャを行うユーザの姿を撮影する。プロジェクタによって投影される画像は、ユーザのジェスチャに応じて変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−70416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、プロジェクタおよび撮像装置が分離しているため、小型化に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、小型化できかつ操作性を高めることができる、画像投影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像投影装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索手段(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索手段の探知に応答して更新する更新手段(S83~S85, S35~S43)を備える。
【0007】
好ましくは、投影手段および撮像手段は互いに並列して処理を実行し、投影手段および撮像手段から並列して出力される2つの画像は互いに相違する。
【0008】
好ましくは、内蔵画面(30)に画像を表示する表示手段(28)、投影手段および表示手段を選択的に起動する起動手段(S45~S49, S55)、および起動手段による表示手段の起動に対応して探索手段を停止する停止手段(S59)がさらに備えられる。
【0009】
さらに好ましくは、内蔵画面は投影手段の投影方向に面し、撮像手段の撮像方向は投影手段の投影方向と逆の方向に相当する。
【0010】
好ましくは、投影手段に対する姿勢が可変となるように撮像手段を支持する支持手段(SH1)がさらに備えられる。
【0011】
好ましくは、撮像手段の撮像方向は投影手段の投影方向に相当し、撮像手段に向けて光を反射させる反射手段(ML1)を着脱自在に保持する保持手段(HL1)がさらに備えられる。
【0012】
好ましくは、特定物体は人物の手に相当し、探索手段は、手を表す画像の代表点を検出する検出手段(S65~S75)、および検出手段によって検出された代表点の動きを既定条件と照合する照合手段(S77)を含む。
【0013】
この発明に従う投影制御プログラムは、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、および投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)を備える画像投影装置(10)のプロセッサ(36)に、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を実行させるための、投影制御プログラムである。
【0014】
この発明に従う投影制御方法は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、および投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)を備える画像投影装置(10)によって実行される投影制御方法であって、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、およびメモリ(38)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える画像投影装置(10)に供給される外部制御プログラムであって、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う画像投影装置(10)は、投影面の前方から投影面に画像を投影する投影手段(46)、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段(16)、外部制御プログラムを取り込む取り込み手段(48)、および取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリ(38)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(36)を備える画像投影装置であって、外部制御プログラムは、撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ(S61~S81, S87)、および投影手段によって投影すべき画像を探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップ(S83~S85, S35~S43)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、投影すべき画像は、装置に触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像手段と前面投射型の投影手段との位置関係は撮像手段の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像手段と投影手段とを互いに近接させることができる。これによって装置の小型化が図られる。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は記録画像の一例を示す図解図であり、(B)は記録画像の他の一例を示す図解図であり、(C)は記録画像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は記録画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図4】図2実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図5】図2実施例の動作の一部を示す図解図である。
【図6】図2実施例で参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図7】(A)は辞書画像の一例を示す図解図であり、(B)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(C)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(D)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(E)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(F)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(G)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(H)は辞書画像の他の一例を示す図解図であり、(I)は辞書画像のその他の一例を示す図解図であり、(J)は辞書画像のさらにその他の一例を示す図解図であり、(K)は辞書画像の他の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】この発明の他の実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図14】この発明のその他の実施例を上方から眺めた状態を表す図解図である。
【図15】この発明のさらにその他の実施例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0021】
図1を参照して、この実施例の画像投影装置は、基本的に次のように構成される。投影手段1は、投影面の前方から投影面に画像を投影する。撮像手段2は、投影面が外れるように設定された視野を有し、視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する。探索手段3は、撮像手段2から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する。更新手段4は、投影手段1によって投影すべき画像を探索手段3の探知に応答して更新する。
【0022】
投影すべき画像は、装置に触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像手段2と前面投射型の投影手段1との位置関係は撮像手段2の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像手段2と投影手段1とを互いに近接させることができる。これによって装置の小型化が図られる。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞り機構14を含む。フォーカスレンズ12および絞り機構14を経た光学像は、撮像装置16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、撮像面で捉えられたシーンを表す電荷が生成される。
【0024】
キー入力装置40に設けられたモード切り換えスイッチ40mdによってカメラモードが選択されると、CPU36は、撮像タスクの下で動画取り込み処理および動画表示処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令し、LCDドライバ28に表示動作の繰り返しを命令する。
【0025】
ドライバ18cは、SG20から出力された垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
信号処理回路22は、撮像装置16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって作成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の動画像エリア26aに書き込む。
【0027】
LCDドライバ28は、動画像エリア26aに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0028】
撮像面の中央には図示しない評価エリアが割り当てられる。輝度評価回路32は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアに属するYデータを、垂直同期信号Vsyncに応答して積分する。積分値は、輝度評価値として輝度評価回路32から出力される。また、AF評価回路34は、信号処理回路22から出力されたYデータのうち評価エリアに属するYデータの高域周波数成分を、垂直同期信号Vsyncに応答して積分する。積分値は、AF評価値としてAF評価回路34から出力される。
【0029】
キー入力装置40に設けられたシャッタボタン40shが非操作状態のとき、CPU36は、輝度評価回路32から出力された輝度評価値に基づいて適正EV値を算出するべく、簡易AE処理を繰り返し実行する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の明るさが適度に調整される。
【0030】
シャッタボタン40shが操作されると、CPU36は、輝度評価回路32から出力された輝度評価値に基づいて最適EV値を算出するべく、厳格AE処理を実行する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。これによって、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の明るさが厳格に調整される。
【0031】
CPU36は続いて、AF処理を実行する。フォーカスレンズ12は光軸方向に移動され、AF評価回路34から出力されたAF評価値はフォーカスレンズ12の移動処理と並列して繰り返し取り込まれる。合焦点は取り込まれたAF評価値に基づいて探索され、フォーカスレンズ12は発見された合焦点に配置される。これによって、LCDモニタ30に表示されるスルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0032】
AF処理が完了すると、CPU36は、静止画取り込み処理を実行し、かつ記録処理の実行をメモリI/F42に命令する。静止画取り込み処理の結果、AF処理が完了した時点のシーンを表す画像データが、動画像エリア26aから静止画像エリア26bに退避される。記録処理の実行を命令されたメモリI/F42は、静止画像エリア26bに退避された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データをファイル形式で記録媒体44に記録する。
【0033】
モード切り換えスイッチ40mdによって再生モードが選択されると、CPU36は、再生タスクの下で以下の処理を実行する。CPU36はまず、記録媒体44に記録された最新の画像ファイルを指定し、指定された画像ファイルに注目した再生処理の実行をメモリI/F42に命令する。
【0034】
メモリI/F42は、指定された画像ファイルの画像データを記録媒体44から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の静止画像エリア26bに書き込む。
【0035】
現時点の表示モード(=前回の再生タスクの終了時に選択されていた表示モード)がモニタモードであれば、CPU36は、LCDドライバ28を再生デバイスとして選択する。LCDドライバ28は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。
【0036】
キー入力装置40に設けられた送り/戻しボタン40frによって送り操作が行われると、CPU36は、記録媒体44に記録された次の画像ファイルを指定する。また、送り/戻しボタン40frによって戻し操作が行われると、CPU36は、記録媒体44に記録された前の画像ファイルを指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、LCDモニタ30に表示された画像が別の画像に更新される。
【0037】
したがって、図3(A)〜図3(D)に示す4フレームの画像R_1〜R_4が記録されており、かつ現時点で画像R1が再生されている場合、再生画像は、送り操作が行われる毎に画像R_2→画像R_3→画像R_4→画像R_1→…の順で更新され、戻し操作が行われる毎に画像R_4→画像R_3→画像R_2→画像R_1→…の順で更新される。
【0038】
これに対して、現時点の表示モードがプロジェクションモードであれば、CPU36は、プロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、動画取り込み処理を開始するべく露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cに命令し、そして指検出タスク(後述)を起動する。プロジェクタ46は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを光学像に変換し、そして変換された光学像を投影レンズ46Lを通して投影する。
【0039】
なお、動画取り込み処理によって繰り返し取得される画像データは、起動された指検出タスクの下で参照される。
【0040】
図4を参照して、フォーカスレンズ12はカメラ筐体CB1の前面に設けられ、LCDモニタ30および投影レンズ46Lはカメラ筐体CB1の背面に設けられる。シャッタボタン40shは、カメラ筐体CB1の上面に設けられる。
【0041】
また、プロジェクションモードでは、ディジタルカメラ10は、図5に示すように三脚50で支持される。図5によれば、ディジタルカメラ10の背面がスクリーンSCR1を向き、投影レンズ46Lから投射された光学像はスクリーンSCR1に映し出される。カメラ操作者OP1は、少なくとも左手が撮像面の視野に収まる位置に立つ。
【0042】
指検出タスクは、図6に示すレジスタRGST1と図7(A)〜図7(K)に示す辞書画像D_1〜D_11を収めてフラッシュメモリ38に設けられた辞書DICとを利用して、以下に述べる要領で実行される。
【0043】
まず、レジスタRGST1がクリアされ、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に変数Kが“1”〜“11”の各々に設定される。続いて、辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11の中からK番目の辞書画像D_Kが指定され、指定された辞書画像D_Kに符合する画像が表示画像エリア26aに格納された最新フレームの画像データから探索される。
【0044】
辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D11はいずれも、人差し指だけを伸ばした左手を表す画像である。したがって、人差し指だけを伸ばした左手が撮像面で捉えられると、探索結果は“探知”を示す。辞書画像D_1〜D_11のいずれか1つに符合する画像が探知されると、探知された画像の代表点(代表点:左手の人差し指の先端)が検出され、検出された代表点の座標がレジスタRGST1に登録される。
【0045】
撮像面で捉えられた左手の人差し指の動き(=カメラ操作者OP1のジャスチャ)は、レジスタRGST1に登録された座標の変化に基づいて判別される。判別された動きが撮像面に向かって左方向への人差し指の移動に相当すれば、既定条件の1つが満足されたとみなされ、送り指示が再生タスクに向けて発行される。一方、判別された動きが撮像面に向かって右方向への人差し指の移動に相当すれば、既定条件の他の1つが満足されたとみなされ、戻し指示が再生タスクに向けて発行される。
【0046】
指検出タスクから送り指示が発行されると、CPU36は、記録媒体44に記録された次の画像ファイルを再生タスクの下で指定する。また、指検出タスクから戻し指示が発行されると、CPU36は、記録媒体44に記録された前の画像ファイルを再生タスクの下で指定する。指定された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、プロジェクタ46によって投影された画像が別の画像に更新される。
【0047】
したがって、図3(A)〜図3(D)を参照した上述の例では、再生画像は、送り指示が発行される毎に画像R_2→画像R_3→画像R_4→画像R_1→…の順で更新され、戻し指示が発行される毎に画像R_4→画像R_3→画像R_2→画像R_1→…の順で更新される。
【0048】
なお、表示モードは、キー入力装置40に設けられた再生デバイス切換ボタン40swによって再生デバイス切換操作が操作される毎に、モニタモードとプロジェクションモードとの間で切換えられる。
【0049】
CPU36は、カメラモードが選択されたとき図8に示す撮像タスクを実行し、再生モードが選択されたとき図9〜図10に示す再生タスクおよび図11〜図12に示す指検出タスクを実行する。なお、CPU36は、μITRONのようなマルチタスクOSの上で複数のタスクを並列的に実行するCPUである。また、CPU36によって実行されるタスクに相当する制御プログラムはフラッシュメモリ38に記憶される。
【0050】
図8を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を開始し、ステップS3では動画表示処理を開始する。この結果、撮像面で捉えられたシーンを表す画像データが信号処理回路22から繰り返し出力され、出力された画像データに基づくスルー画像がLCDモニタ30に表示される。ステップS5ではシャッタボタン40shが操作されたか否かを判別し、判別結果がNOである限りステップS7の簡易AE処理を繰り返し実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0051】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS9で厳格AE処理を実行し、ステップS11でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが厳格に調整され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。AF処理が完了すると、ステップS13で静止画取り込み処理を実行し、ステップS15で記録処理の実行をメモリI/F42に命令する。AF処理が完了した時点のシーンを表す画像データは、静止画取り込み処理によって表示画像エリア26aから記録画像エリア26bに退避される。退避された画像データは、メモリI/F42によって読み出され、ファイル形式で記録媒体44に記録される。ステップS15の処理が完了すると、ステップS5に戻る。
【0052】
図9を参照して、ステップS21では記録媒体44に記録された最新の画像ファイルを指定し、ステップS23では指定された画像ファイルの再生をメモリI/F42に命令する。メモリI/F42は、指定された画像ファイルに収められた画像データを記録媒体44から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26の静止画像エリア26bに書き込む。
【0053】
ステップS25では、現時点の表示モード(=前回の再生タスクの終了時に選択されていた表示モード)がプロジェクションモードおよびモニタモードのいずれであるかを判別する。判別結果が“プロジェクションモード”であれば、ステップS27でプロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、ステップS29で動画取り込み処理を開始し、そしてステップS31で指検出タスクを起動する。これに対して、表示モードがモニタモードであれば、ステップS33でLCDドライバ28を再生デバイスとして選択する。
【0054】
ステップS27の処理によってプロジェクタ46が再生デバイスとして選択された場合、選択されたプロジェクタ46は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを光学像に変換し、そして変換された光学像を投影レンズ46Lを通して投影する。
【0055】
これに対して、ステップS33の処理によってLCDドライバ28が再生デバイスとして選択された場合、選択されたLCDドライバ28は、SDRAM26の静止画像エリア26bに格納された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。
【0056】
なお、ステップS29の処理によって繰り返し取得される画像データは、ステップS31で起動された指検出タスクの下で参照される。
【0057】
ステップS35では、送り操作が行われるか或いは送り指示が発行されるという論理和条件が満足されたか否かを判別する。また、ステップS37では、戻し操作が行われるか或いは戻し指示が発行されるという論理和条件が満足されたか否かを判別する。さらに、ステップS45では、再生デバイス切り換え操作が行われたか否かを判別する。
【0058】
ステップS35の判別結果がYESであれば、記録媒体44に記録された次の画像ファイルをステップS39で指定する。ステップS37の判別結果がYESであれば、記録媒体44に記録された前の画像ファイルをステップS41で指定する。ステップS43では、ステップS39またはS41で指定された画像ファイルの再生をメモリI/F42に命令する。この結果、プロジェクタ46によって投影された画像またはLCDモニタ30に表示された画像が別の画像に更新される。ステップS43の処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0059】
ステップS45の判別結果がYESであれば、現時点の表示モードがプロジェクションモードおよびモニタモードのいずれであるかを判別する。判別結果が“プロジェクションモード”であれば、ステップS49でプロジェクタ46を再生デバイスとして選択し、ステップS51で動画取り込み処理を開始し、そしてステップS53で指検出タスクを起動する。これに対して、表示モードがモニタモードであれば、ステップS55でLCDドライバ28を再生デバイスとして選択し、ステップS57で動画取り込み処理を停止し、そしてステップS59で指検出タスクを停止する。ステップS53またはS59の処理が完了すると、ステップS35に戻る。
【0060】
なお、ステップS35の判別結果,ステップS37の判別結果,およびステップS45の判別結果のいずれもがNOであれば、そのままステップS35に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS61ではレジスタRGST1をクリアし、ステップS63では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS65で変数Kを“1”に設定する。ステップS67では、辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11の中からK番目の辞書画像D_Kを指定し、指定された辞書画像D_Kに符合する画像を表示画像エリア26aに格納された最新フレームの画像データから探索する。
【0062】
ステップS69では、辞書画像D_Kに符合する画像が探知されたか否かを判別する。辞書DICに収められた辞書画像D_1〜D_11はいずれも、人差し指だけを伸ばした左手を表す画像である。したがって、ステップS69の判別結果は、人差し指だけを伸ばした左手が撮像面で捉えられたときにYESを示す。判別結果がYESであればステップS71に進み、判別結果がNOであればステップS73に進む。
【0063】
ステップS71では、探知された画像の代表点(代表点:左手の人差し指の先端)を検出し、検出された代表点の座標をレジスタRGST1に登録する。登録が完了すると、ステップS77に進む。一方、ステップS73では変数Kをインクリメントし、ステップS75ではインクリメント後の変数Kが“11”を上回るか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS67に戻り、判別結果がYESであればステップS77に進む。
【0064】
ステップS77では、撮像面で捉えられた左手の人差し指の動き(=カメラ操作者OP1のジャスチャ)を、レジスタRGST1に登録された座標の変化に基づいて判別する。判別された動きが撮像面に向かって左方向への人差し指の移動に相当すれば、ステップS79からステップS83に進み、送り指示を再生タスクに向けて発行する。一方、判別された動きが撮像面に向かって右方向への人差し指の移動に相当すれば、ステップS81からステップS85に進み、戻し指示を再生タスクに向けて発行する。
【0065】
ステップS81またはS85の処理が完了すると、ステップS87でレジスタRGST1をクリアし、その後にステップS63に戻る。なお、左方向または右方向への人差し指の移動を表す判別結果が得られなければ、ステップS83〜S87の処理を実行することなくステップS63に戻る。
【0066】
以上の説明からわかるように、プロジェクタ46は、スクリーンSCR1(投影面)の前方からスクリーンSCR1に再生画像を投影する。撮像装置16は、スクリーンSCR1が外れるように設定された視野を有し、この視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する。CPU36は、人差し指を伸ばした左手の左右方向への動きを撮像装置16から出力された画像に基づいて探索し(S61~S81, S87)、プロジェクタ46によって投影すべき再生画像をこのような動きの探知に応答して更新する(S83~S85, S35~S43)。
【0067】
このように、プロジェクタ46によって投影される画像は、ディジタルカメラ10に手を触れることなく更新される。これによって、操作性の向上が図られる。また、撮像装置16と前面投射型のプロジェクタ46との位置関係は撮像装置16の視野が投影面から外れる関係を満足すればよいため、撮像装置16とプロジェクタ46とを互いに近接させることができる。これによってディジタルカメラ10の小型化が図られる。
【0068】
なお、この実施例では、図4に示すように、カメラ筐体CB1の前面にフォーカスレンズ12を設ける一方、カメラ筐体CB1の背面にLCDモニタ30および投影レンズ46Lを設けるようにしている。この場合、LCDモニタ30の画面はプロジェクタ46の投影方向に面し、撮像装置16は、プロジェクタ46の投影方向と逆の方向のシーンを捉える。
【0069】
しかし、図13に示すように、投影レンズ46LおよびLCDモニタ30をカメラ筐体CB2の前面および背面にそれぞれ設け、カメラ筐体CB3の前面にフォーカスレンズ12を設け、そしてカメラ筐体CB3がシャフトSH1の回り方向に回転できるようにカメラ筐体CB2およびCB3をシャフトSH1によって結合するようにしてもよい。この場合、好ましくは、プロジェクションモードは、撮像面の視野がプロジェクタ46による投影画像から外れるようにカメラ筐体CB3が回転した状態で起動される。
【0070】
また、図14に示すように、撮像方向および投影方向がほぼ一致するようにカメラ筐体CB1の前面にフォーカスレンズ12および投影レンズ46Lを設ける一方、カメラ筐体CB1の背面にLCDモニタ30を設け、さらにカメラ筐体CB1の後方のシーンを表す光を撮像装置16に向けて反射させるミラーML1を着脱自在に支持する支持部HL1をカメラ筐体CB1に設けるようにしてもよい。この場合、好ましくは、プロジェクションモードは、ミラーML1が支持部HL1に装着されたときに起動される。
【0071】
さらに、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ42に予め記憶される。しかし、図15に示すように通信I/F48をディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ38に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0072】
また、この実施例では、CPU36によって実行される処理を上述の要領で複数のタスクに区分するようにしている。しかし、各々のタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、各々のタスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 …ディジタルカメラ
16 …撮像装置
30 …LCDモニタ
36 …CPU
44 …記録媒体
46 …プロジェクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索手段、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索手段の探知に応答して更新する更新手段を備える、画像投影装置。
【請求項2】
前記投影手段および前記撮像手段は互いに並列して処理を実行し、
前記投影手段および前記撮像手段から並列して出力される2つの画像は互いに相違する、請求項1記載の画像投影装置。
【請求項3】
内蔵画面に画像を表示する表示手段、
前記投影手段および前記表示手段を選択的に起動する起動手段、および
前記起動手段による前記表示手段の起動に対応して前記探索手段を停止する停止手段をさらに備える、請求項1または2記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記内蔵画面は前記投影手段の投影方向に面し、
前記撮像手段の撮像方向は前記投影手段の投影方向と逆の方向に相当する、請求項3記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記投影手段に対する姿勢が可変となるように前記撮像手段を支持する支持手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記撮像手段の撮像方向は前記投影手段の投影方向に相当し、
前記撮像手段に向けて光を反射させる反射手段を着脱自在に保持する保持手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項7】
前記特定物体は人物の手に相当し、
前記探索手段は、前記手を表す画像の代表点を検出する検出手段、および前記検出手段によって検出された代表点の動きを前記既定条件と照合する照合手段を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項8】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、および前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段を備える画像投影装置のプロセッサに、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを実行させるための、投影制御プログラム。
【請求項9】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、および前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段を備える画像投影装置によって実行される投影制御方法であって、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを備える、投影制御方法。
【請求項10】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像投影装置に供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像投影装置であって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像投影装置。
【請求項1】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索手段、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索手段の探知に応答して更新する更新手段を備える、画像投影装置。
【請求項2】
前記投影手段および前記撮像手段は互いに並列して処理を実行し、
前記投影手段および前記撮像手段から並列して出力される2つの画像は互いに相違する、請求項1記載の画像投影装置。
【請求項3】
内蔵画面に画像を表示する表示手段、
前記投影手段および前記表示手段を選択的に起動する起動手段、および
前記起動手段による前記表示手段の起動に対応して前記探索手段を停止する停止手段をさらに備える、請求項1または2記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記内蔵画面は前記投影手段の投影方向に面し、
前記撮像手段の撮像方向は前記投影手段の投影方向と逆の方向に相当する、請求項3記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記投影手段に対する姿勢が可変となるように前記撮像手段を支持する支持手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記撮像手段の撮像方向は前記投影手段の投影方向に相当し、
前記撮像手段に向けて光を反射させる反射手段を着脱自在に保持する保持手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項7】
前記特定物体は人物の手に相当し、
前記探索手段は、前記手を表す画像の代表点を検出する検出手段、および前記検出手段によって検出された代表点の動きを前記既定条件と照合する照合手段を含む、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像投影装置。
【請求項8】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、および前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段を備える画像投影装置のプロセッサに、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを実行させるための、投影制御プログラム。
【請求項9】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、および前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段を備える画像投影装置によって実行される投影制御方法であって、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを備える、投影制御方法。
【請求項10】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える画像投影装置に供給される外部制御プログラムであって、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項11】
投影面の前方から前記投影面に画像を投影する投影手段、
前記投影面が外れるように設定された視野を有し、前記視野で捉えられたシーンを表す画像を繰り返し出力する撮像手段、
外部制御プログラムを取り込む取り込み手段、および
前記取り込み手段によって取り込まれた外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える画像投影装置であって、
前記外部制御プログラムは、
前記撮像手段から出力された画像に基づいて既定条件を満足する特定物体の動きを探索する探索ステップ、および
前記投影手段によって投影すべき画像を前記探索ステップの探知に応答して更新する更新ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、画像投影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−85073(P2013−85073A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222863(P2011−222863)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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