画像担持体クリーニング装置及び画像形成装置
【課題】 感光体表面から確実に現像剤を除去して液リングの発生を抑える。
【解決手段】 クリーニングローラ272は、回転軸274と、回転軸274を円筒形状に取り巻く中央部吸収部材275と、中央部吸収部材275の軸方向両端に隣接して回転軸274を円筒形状に取り巻く端部吸収部材276とで形成されている。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、クリーニングブレード271より感光体2の回転方向上流で回転しながら、感光体2の表面に残留する現像剤を吸収する。中央部吸収部材275は感光体2のトナー像が形成される領域に接触し、端部吸収部材276は、感光体2上でクリーニングブレード271の両端部が接触する領域、すなわち、液リングが発生しやすい領域に接触している。端部吸収部材276が保持する現像剤の量は、中央部吸収部材275が保持できる現像剤の量に比較して少ない。
【解決手段】 クリーニングローラ272は、回転軸274と、回転軸274を円筒形状に取り巻く中央部吸収部材275と、中央部吸収部材275の軸方向両端に隣接して回転軸274を円筒形状に取り巻く端部吸収部材276とで形成されている。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、クリーニングブレード271より感光体2の回転方向上流で回転しながら、感光体2の表面に残留する現像剤を吸収する。中央部吸収部材275は感光体2のトナー像が形成される領域に接触し、端部吸収部材276は、感光体2上でクリーニングブレード271の両端部が接触する領域、すなわち、液リングが発生しやすい領域に接触している。端部吸収部材276が保持する現像剤の量は、中央部吸収部材275が保持できる現像剤の量に比較して少ない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置及び該画像担持体クリーニング装置を備える複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像担持体である感光体上に形成された静電潜像から液体現像剤を用いてトナー像を顕像化する画像形成装置では、絶縁性液体中にトナーを分散した液体現像剤が現像に使用され、帯電したトナーが絶縁性液体中を静電気の力によって移動することにより静電潜像が現像される。現像効率を向上させるには帯電したトナーの移動距離を短くするほどよいため、現像剤担持体に液体現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、薄層化された液体現像剤を像担持体に接触させて現像することが望ましく、特に100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤が用いられる傾向がある。高画質な画像を形成するためには、トナー像を中間転写体等に転写した後に感光体に残留する現像剤を除去する必要がある。
【0003】
感光体に残留する現像剤の除去には、例えば図11の斜視図に示すように感光体301に当接するクリーニングブレード302が使用される。感光体301に残留する現像剤は、感光体301の軸方向に沿って接触するクリーニンングブレード302により塞き止められ、クリーニングブレード302の接触部に液溜まり303を形成する。現像剤の一部は、回転する感光体301に押されて液溜まり303からクリーニングブレード302上に移動して感光体2上から除去される一方、現像剤の一部は、クリーニングブレード302の中央部から端部方向に移動する。クリーニングブレード302の端部に移動した現像剤は、端部から流出して感光体301を一周して付着することにより環状の液リング304を形成する。
【0004】
液リング304は、感光体301停止時に重力により下方に移動して液ダレとなって、機内の汚染等を発生させたり、クリーニングブレード302の裏面と感光体301との間に毛細管現象によって回り込み、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を発生させる。
【0005】
特許文献1には、感光体ドラムの有効像形成領域の側方に残留現像剤を排出するクリーニングブレードと、排出された残留現像剤を受け取る回収経路とを備え、回収経路が感光体ドラムの端面を通るクリーニング装置が提案されている。特許文献1では、回収経路を備えるため構成が複雑になるとともに、感光体の側面を流れる現像剤が感光体表面に戻るおそれがある。
【0006】
特許文献2には、クリーニングブレードの感光体との接触部近傍に、感光体の回転方向上流側を向く複数の突起を設け、突起に接触した現像剤をトラップして凸状のメニスカスを形成することにより、現像剤の稜線方向への移動を防ぐ画像形成装置が提案されている。特許文献2では、高速印刷の要求により、感光体が高速に回転し、時間当たりに除去する必要のある現像剤の量が増加すると、クリーニングブレードの端部から流出するおそれがある。
【特許文献1】特開平08−030157号公報
【特許文献2】特開2000−352915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、感光体等の画像担持体表面から確実に現像剤を除去して液リングの発生を抑え、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を防止できる簡易で小型な画像担持体クリーニング装置及び該画像担持体クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像担持体クリーニング装置は、画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置であって、クリーニングブレードとクリーニングローラと絞り部材とを備え、クリーニングブレードは、画像担持体のトナー像を担持する領域に接触して、移動する画像担持体表面の現像剤を塞き止めて除去し、画像担持体表面の移動方向に対してクリーニングブレードより上流に位置するクリーニングローラは、中央部吸収部材と2つの端部吸収部材とを有し、中央部吸収部材は画像担持体上のトナー像が形成される領域に接触して現像剤を吸収し、中央部吸収部材の軸方向両端に隣接する各端部吸収部材は、中央部吸収部材よりも保持できる現像剤の量が少なく、クリーニングブレードの両端部が通過する画像担持体上の各領域に接触して現像剤を吸収し、絞り部材は中央部吸収部材及び端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す。
【0009】
2つの端部吸収部材は保持できる現像剤の量が同じであるとよい。中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材は1つの回転軸に接着され、中央部吸収部材と各端部吸収部材とは接着されていないとよい。
【0010】
クリーニングローラは、現像剤を浸透しない変形防止部材を端部吸収部材の軸方向外側に有するとよく、さらに、変形防止部材は、絞り部材が中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつとよい。クリーニングローラは、現像剤を浸透しない遮蔽部材を中央部吸収部材と端部吸収部材との間に有するとよく、さらに、遮蔽部材は、絞り部材が中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつとよい。
【0011】
クリーニングローラは、中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材の周囲を網目状に締め付ける締付部材を有するとよい。中央部吸収部材は表面に切り込みをもち、切り込みは、回転時において、軸方向の端部が先に画像担持体に接触し、軸方向の中央部が後に画像担持体に接触するとよい。端部吸収部材の軸方向外側の面に接触し、端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す端部絞り部材を備えるとよく、さらに、端部絞り部材は、クリーニングローラが画像担持体から離れるときに、端部吸収部材から離れるとよい。
【0012】
この発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、端部吸収部材が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、中央部吸収部材ではトナー像を担持する領域における現像剤を十分に吸収し、画像担持体の液リングの発生を抑制できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、画像担持体の両端部に発生する液リングを均一に吸収してムラの発生を防止できる。請求項3の発明によれば、中央部吸収部材と端部吸収部材とを境界で互いに接着しないことにより容易に製造できるとともに、硬度の高い接着剤によって画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、中央部吸収部材及び端部吸収部材内に現像剤を封じ込めることができ、中央部吸収部材及び端部吸収部材に吸収された現像剤が端部吸収部材の軸方向外側から染み出して液リングを発生させることを防止できる。請求項5の発明によれば、変形防止部材が画像担持体に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0016】
請求項6の発明によれば、保持できる現像剤の量が大きい中央部吸収部材に吸収された現像剤が、保持できる現像剤の量が少ない端部吸収部材へ移動することを防止できる。請求項7の発明によれば、遮蔽部材が画像担持体に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0017】
請求項8の発明によれば、締付部材により端部吸収部材の外側への変形が抑えられるため、端部吸収部材の軸方向外側における液リングの発生を抑制できる。請求項9の発明によれば、中央部に現像液が集められ、端部吸収部材に現像剤が移動することを防止し、端部吸収部材の軸方向外側から液リングを発生させることを防止できる。
【0018】
請求項10の発明によれば、保持された現像剤が少ない状態で端部吸収部材を画像担持体に接触させることができ、端部吸収部材から現像液が流れ出て画像担持体に液リングを発生させることを防止できる。請求項11の発明によれば、端部絞り部材が端部吸収部材に長時間固定して接触することが防止され、端部吸収部材の変形を防止でき、長期間安定して現像剤の吸収効果を得られる。
【0019】
請求項12の発明によれば、端部吸収部材が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、中央部吸収部材ではトナー像を担持する領域における現像剤を十分に吸収し、画像担持体の液リングの発生を抑制できる画像形成装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第1の実施形態に係る画像形成装置1は、図1の構成図に示すように、感光体2の周りに順に、帯電器21と露光装置22と現像装置23と感光体スイープ装置24と中間転写体25と除電ランプ26と第1の画像担持体クリーニング装置27とを配置され、中間転写体25の周りに、中間転写体スイープ装置251と二次転写ローラ252と第2の画像担持体クリーニング装置253とを配置され、給紙部3と定着装置4と排紙部5とを備える。
【0021】
反転現像により画像を形成する画像担持体としての感光体2はa−Si、OPC等の材質で形成され、画像形成時に、モータ等の駆動手段によって一定速度で矢印方向に回転駆動される。帯電器21はローラやチャージャ等により感光体2の表面を暗中にて一様に帯電する。露光装置22は、LEDやレーザー走査光学系等により、帯電された感光体2の表面に原稿光像を照射結像して静電潜像を形成する。
【0022】
現像装置23は、現像剤収容タンク231と攪拌・搬送スクリュー232と塗布ローラ233と異物除去ブレード234と中間ローラ235とクリーニングブレード236と現像ローラ237とを有する。
【0023】
現像剤収容タンク231の内部には液体の現像剤が収容され、攪拌・搬送スクリュー232によって攪拌及び搬送される。現像剤には、粘度が50〜10000mPa・S、濃度が5%から40%まで程度の高粘性高濃度の液体現像剤を使用することが好ましく、揮発性または不揮発性のものを目的に合わせて選択し、トナーの粒径としてサブミクロンから6μm程度までのものを目的に合わせて選択する。キャリア液は、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。
【0024】
塗布ローラ233は、表面に均一なパターンの彫刻がなされた塗布部材であり、現像剤収容タンク231から現像剤を汲み上げる。異物除去ブレード234は、塗布ローラ233の表面に近接して配置されて、汲み上げられた現像剤から異物を除去する。
【0025】
中間ローラ235は、塗布ローラ233から塗布された現像剤を、現像ローラ237の表面に塗布する中間塗布部材として機能するとともに、塗布ローラ233の表面の余分な現像剤を除去することにより塗布ローラ233の表面に担持される現像剤の量を規制するドクタローラとして機能する。中間ローラ235は、回転軸の外周面にウレタンゴム等の弾性体からなる弾性層をもち、弾性層の外周面に滑性層をもつ。弾性層の材質は、キャリア液及び現像剤で膨潤したり溶解したりしなければ他の材質であってもよい。
【0026】
クリーニングブレード236は、金属ブレードまたはゴムブレードで形成され、中間ローラ235に接触して、中間ローラ235から現像ローラ237に現像剤を塗布した後に中間ローラ235に残留する現像剤を除去する。クリーニングブレードに代えてローラ式のクリーニング部材を用いてもよい。現像ローラ237は、現像剤収容タンク231内で回転自在に配設され、中間ローラ235から塗布された現像剤により、通過する感光体2の表面の静電潜像を現像して可視像化してトナー像を形成する。
【0027】
感光体スイープ装置24は、感光体上に当接したスイープローラ241により、トナー像を形成した後の感光体2の表面から余剰な現像剤を除去する。スイープローラ241には、非画像部のトナーを除去するとともに画像部のトナーを感光体2に圧縮する電界が発生するバイアスが印加されている。なお、スイープローラ241を複数用いてもよい。
【0028】
中間転写体25は、転写バイアスが印加されており感光体2と接触しながら連動して回転する。感光体2に形成されたトナー像は、中間転写体25との接触部分で中間転写体25に一次転写される。除電ランプ26は、一次転写後に感光体2に残留した残留電位を除去する。第1の画像担持体クリーニング装置27は、一次転写後に感光体2に残留した現像剤を除去する。
【0029】
中間転写体スイープ装置251は、中間転写体25に当接したスイープローラ254により、トナー像が一次転写された中間転写体25の表面から余剰な現像剤を除去する。スイープローラ254には、中間転写体25上のトナー像を剥がさない電界を形成する電位が付与されている。中間転写体25に対向して配置された二次転写ローラ252は、中間転写体25との間に転写材を挟んで搬送しながら、中間転写体25に形成されたトナー像を転写材上に二次転写する。第2の画像担持体クリーニング装置253は、二次転写後に中間転写体25に残留した残留トナーを除去する。なお、二次転写はコロナ放電による方法、粘着転写法、熱転写法等を用いてもよい。
【0030】
給紙部3は、給紙トレー31に積載されたコピー用紙やOHPシート等の転写材を給紙ローラ32により送り出し、レジストローラ33で一時停止させて中間転写体25のトナー像の位置とタイミングを合わせて、二次転写ローラ252と中間転写体25との接触部分に送り出す。定着装置4は、トナー像が二次転写された転写材を加熱及び加圧して、トナー像を転写材に定着させて排紙部5に排出する。定着装置4には、熱転写方式、溶剤定着、UV定着、加圧定着等を用いてもよい。
【0031】
第1の画像担持体クリーニング装置27は、クリーニングブレード271とクリーニングローラ272と絞り部材273とを備える。クリーニングブレード271は、感光体2の軸方向に沿って感光体2に接触し、画像が形成される幅より広い幅をもち、中間転写体25に転写されずに感光体2上に残留した現像剤を回収する。
【0032】
クリーニングローラ272は、図2のクリーニングローラ付近の正面図に示すように、回転軸274と、回転軸274を円筒形状に取り巻く中央部吸収部材275と、中央部吸収部材275の軸方向両端に隣接して回転軸274を円筒形状に取り巻く端部吸収部材276とで形成されている。弾性をもつ発泡体で形成される中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、それぞれ回転軸にのみ接着され、互いの境界では接着されていない。境界で互いに接着しないことにより容易に製造できるとともに、硬度の高い接着剤によって感光体2を傷つけることを防止できる。
【0033】
中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、クリーニングブレード271より感光体2の回転方向上流で、全体としてクリーニングブレード271より軸方向に広い幅をもって感光体2に接触し、表面の移動方向が感光体2の表面の移動方向と逆方向となるように回転しながら、感光体2の表面に残留する現像剤を吸収する。中央部吸収部材275は感光体2のトナー像が形成される領域に接触し、端部吸収部材276は、感光体2上でクリーニングブレード271の両端部が接触する領域、すなわち、液リングが発生しやすい領域に接触している。
【0034】
端部吸収部材276が保持する現像剤の量は、中央部吸収部材275が保持できる現像剤の量に比較して少なくする。端部吸収部材276が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材276により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、液リングを形成する現像剤を強制的に回収できる。端部吸収部材276は、同じ量の現像剤を保持するように形成することが望ましく、感光体2の両端部に発生する液リングを、端部吸収部材276で均一に吸収できるため、ムラの発生を防止できる。
【0035】
中央部吸収部材275及び端部吸収部材276を個別に製造し、1つの回転軸274に順に嵌め込んでクリーニングローラ272を形成することにより、1つの吸収部材の両端部のみに現像剤の保持量の異なる領域を形成する場合よりも容易かつ安価に製造できる。
【0036】
絞り部材273は、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276の全幅より広い幅のローラ形状をもち、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276を押し潰すように接触し、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276に含浸された現像剤を絞り出して除去する。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276から現像剤が絞り出されて保持量の少ない状態が保たれるため、感光体2の液リングの発生を防止できる。なお、絞り部材273は、ローラ形状のほか板状等の他の形状であってもよい。
【0037】
第1の画像担持体クリーニング装置27は、画像形成プロセス中等の感光体2をクリーニングする必要の有る場合はクリーニングローラ272を感光体2に接触させており、画像形成を行わない間等の感光体2をクリーニングする必要の無い場合は、図3に示すようにクリーニングローラ272を感光体2から遠ざけるように移動する。
【0038】
第2の画像担持体クリーニング装置253は、現像剤を除去する画像担持体が感光体2ではなく中間転写体25である点を除いて、第1の画像担持体クリーニング装置27と同様の構造及び動作をする。第1の画像担持体クリーニング装置27は、静電潜像で現像されたトナー像や転写されたトナー像等、画像形成プロセスにおいて現像されたトナー像を担持する各種の画像担持体から現像剤を除去できる。画像形成装置1は、画像形成プロセスにおいて画像担持体を用いれば、中間転写体を介さず感光体から直接転写材にトナー像を転写するもの等、各種の画像形成装置であってよい。
【0039】
この画像形成装置1によれば、画像担持体である感光体2及び中間転写体25における液リングの発生及び成長を抑制して、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を防止できる。
【0040】
第2の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ6は、図4(a)の平面図及び図4(b)のクリーニングローラの側面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、端部吸収部材276の外側にさらに変形防止部材61を有している。変形防止部材61は、現像剤が浸透できない弾性部材で円形に形成され、図5のクリーニングローラ及び絞り部材の側面図に示すように、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が絞り部材273により最も押し潰された際の径d1よりも僅かに小さい径d2をもつ。
【0041】
感光体2に接触した端部吸収部材276は、中央部吸収部材275によって中央側への変形を抑制され、反対側では変形防止部材61によって外側への変形を抑制されている。変形防止部材61によって外側への変形が抑制されることにより、機械停止時等において同じ場所が継続的に変形した状態で維持されることを防止でき、耐久性が増す。変形防止部材61は、現像剤を含浸しないため、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276内に現像剤を封じ込めることができ、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276に吸収された現像剤が端部吸収部材276の軸方向外側から染み出すことを抑制して、液リングを発生させることを防止できる。
【0042】
変形防止部材61の径を中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が最も押し潰される際の径よりも小さくすることにより、変形防止部材61が感光体2に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。変形防止部材61を弾性部材で構成することにより、変形による食い込み追従性をもたせることができ、部品精度や組立精度を緩和できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。
【0043】
第3の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ7は、図6の平面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、中央部吸収部材275と端部吸収部材276との間に遮蔽部材71を有している。遮蔽部材71は、現像剤が浸透できない弾性部材で円形に形成され、径は中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が絞り部材273により最も押し潰される際の径よりも僅かに小さい。
【0044】
中央部吸収部材275と端部吸収部材276との間に遮断部材71を設置することにより、保持できる現像剤の量が大きい中央部吸収部材275から、端部吸収部材276へ吸収した現像剤が移動することを防止できる。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が押し潰された際の径よりも、遮蔽部材71の径を小さくすることにより、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が感光体2に接触する際に大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。なお、遮蔽部材71を弾性部材で構成することにより、変形による食い込み追従性をもたせることができ、部品精度や組立精度を緩和できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。さらに、第2の実施形態の変形防止部材61を備えてもよい。
【0045】
第4の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ8は、図7(a)の平面図及び図7(b)のクリーニングローラの側面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、中央部吸収部材275と端部吸収部材276とを締め付けるように覆う締付部材81を備える。締付部材81は弾性をもち、現像剤を通す網目形状をもつ。締付部材81により端部吸収部材276の外側への変形が抑えられるため、端部吸収部材276の両端部付近の感光体2における液リングの発生を防止できる。さらに、第2の実施形態の変形防止部材61を備えてもよく、変形防止部材61によりさらに端部吸収部材の変形が押さえられる。また、第3の実施形態の遮蔽部材71を設けてもよい。
【0046】
第5の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ9は、図8(a)の平面図及び図8(b)のA1-A2断面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ9において、中央部吸収部材275は表面にスリットや溝等の切り込み91をもつ。切り込み91は端部から中央部にむけて傾けて設け、クリーニングローラ9の回転時に先に両端部が感光体2に接触し、後から中央部が感光体2に接触するように設ける。切り込み91により、中央部に現像液が集められ、端部吸収部材276に現像剤が移動することを防止し、端部吸収部材276の軸方向外側から液リングを発生させることを防止できる。切り込み91は、例えば図に示すように軸方向に対照的なスパイラル状に形成する。スパイラル状に形成することにより、クリーニングローラ9の回転時に切れ間なく現像剤を案内でき、感光体2に対するクリーニングローラ9の回転比率を上げればより連続的に案内できる。切り込み91は中央部付近において交わってもよく、途中で途切れていてもよい。さらに、第4の実施形態の網目部材81を備えることにより、中央部吸収部材275の耐久性を高められる。
【0047】
第6の実施形態の画像形成装置が備える第1の画像担持体クリーニング装置10は、図9(a)の側面図に示すように、端部絞り部材101と端部ブレード102とを端部吸収部材276付近に備え、第1の画像担持体クリーニング装置10のケースに対して固定されている。端部絞り部材101は、クリーニングローラ272の回転軸方向と交差する方向の回転軸をもつローラで、端部吸収部材276の各側面の外周端と外周端近傍の平面部分を押さえるように接触しながら回転し、端部吸収部材276に吸収された現像剤を絞り出す。端部ブレード102は、端部吸収部材276から絞り出され、端部絞り部材101の表面に付着した現像剤を除去する。
【0048】
端部絞り部材101により端部吸収部材276に保持された現像剤を絞り出すことにより、保持された現像剤が少ない状態で端部吸収部材276を感光体2に接触させることができ、端部吸収部材276から現像液が流れ出て感光体2に液リングを発生させることを防止できる。図10(a)に示すように画像形成プロセス中には、感光体2に接触するように配置されたクリーニングローラ272の端部吸収部材276に端部絞り部材101が接触しており、図10(b)に示すように画像形成プロセスの停止時等には、クリーニングローラ272が感光体2から離れることにより、第1の画像担持体クリーニング装置10に対して固定されている端部絞り部材101は、端部吸収部材276から離され、端部吸収部材276に長時間固定して接触することが防止され、端部吸収部材276の変形を防止でき、長期間安定して現像剤の吸収効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】画像形成装置の構成図である。
【図2】クリーニングローラ付近の正面図である
【図3】クリーニングローラの移動前後の配置を示す図である。
【図4】変形防止部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図5】クリーニングローラと絞り部材との位置関係を示す図である。
【図6】遮蔽部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図7】締付部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図8】切り込みを有するクリーニングローラの構成図である。
【図9】端部絞り部材及び端部ブレードの配置を示す図である。
【図10】クリーニングローラと端部絞り部材との位置関係を示す図である。
【図11】従来のクリーニング装置の構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1;画像形成装置、2;感光体、3;給紙部、4;定着装置、5;排紙部、
6;クリーニングローラ、7;クリーニングローラ、8;クリーニングローラ、
9;クリーニングローラ、10;第1の画像担持体クリーニング装置、21;帯電器、
22;露光装置、23;現像装置、24;感光体スイープ装置、25;中間転写体、
26;除電ランプ、27;第1の画像担持体クリーニング装置、31;給紙トレー、
32;給紙ローラ、33;レジストローラ、61;変形防止部材、71;遮蔽部材、
81;締付部材、91;切り込み、101;端部絞り部材、102;端部ブレード、
231;現像剤収容タンク、232;攪拌・搬送スクリュー、233;塗布ローラ、
234;異物除去ブレード、235;中間ローラ、236;クリーニングブレード、
237;現像ローラ、241;スイープローラ、251;中間転写体スイープ装置、
252;二次転写ローラ、253;第2の画像担持体クリーニング装置、
254;スイープローラ、271;クリーニングブレード、
272;クリーニングローラ、273;絞り部材、274;回転軸、
275;中央部吸収部材、276;端部吸収部材。
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置及び該画像担持体クリーニング装置を備える複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像担持体である感光体上に形成された静電潜像から液体現像剤を用いてトナー像を顕像化する画像形成装置では、絶縁性液体中にトナーを分散した液体現像剤が現像に使用され、帯電したトナーが絶縁性液体中を静電気の力によって移動することにより静電潜像が現像される。現像効率を向上させるには帯電したトナーの移動距離を短くするほどよいため、現像剤担持体に液体現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、薄層化された液体現像剤を像担持体に接触させて現像することが望ましく、特に100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤が用いられる傾向がある。高画質な画像を形成するためには、トナー像を中間転写体等に転写した後に感光体に残留する現像剤を除去する必要がある。
【0003】
感光体に残留する現像剤の除去には、例えば図11の斜視図に示すように感光体301に当接するクリーニングブレード302が使用される。感光体301に残留する現像剤は、感光体301の軸方向に沿って接触するクリーニンングブレード302により塞き止められ、クリーニングブレード302の接触部に液溜まり303を形成する。現像剤の一部は、回転する感光体301に押されて液溜まり303からクリーニングブレード302上に移動して感光体2上から除去される一方、現像剤の一部は、クリーニングブレード302の中央部から端部方向に移動する。クリーニングブレード302の端部に移動した現像剤は、端部から流出して感光体301を一周して付着することにより環状の液リング304を形成する。
【0004】
液リング304は、感光体301停止時に重力により下方に移動して液ダレとなって、機内の汚染等を発生させたり、クリーニングブレード302の裏面と感光体301との間に毛細管現象によって回り込み、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を発生させる。
【0005】
特許文献1には、感光体ドラムの有効像形成領域の側方に残留現像剤を排出するクリーニングブレードと、排出された残留現像剤を受け取る回収経路とを備え、回収経路が感光体ドラムの端面を通るクリーニング装置が提案されている。特許文献1では、回収経路を備えるため構成が複雑になるとともに、感光体の側面を流れる現像剤が感光体表面に戻るおそれがある。
【0006】
特許文献2には、クリーニングブレードの感光体との接触部近傍に、感光体の回転方向上流側を向く複数の突起を設け、突起に接触した現像剤をトラップして凸状のメニスカスを形成することにより、現像剤の稜線方向への移動を防ぐ画像形成装置が提案されている。特許文献2では、高速印刷の要求により、感光体が高速に回転し、時間当たりに除去する必要のある現像剤の量が増加すると、クリーニングブレードの端部から流出するおそれがある。
【特許文献1】特開平08−030157号公報
【特許文献2】特開2000−352915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、感光体等の画像担持体表面から確実に現像剤を除去して液リングの発生を抑え、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を防止できる簡易で小型な画像担持体クリーニング装置及び該画像担持体クリーニング装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像担持体クリーニング装置は、画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置であって、クリーニングブレードとクリーニングローラと絞り部材とを備え、クリーニングブレードは、画像担持体のトナー像を担持する領域に接触して、移動する画像担持体表面の現像剤を塞き止めて除去し、画像担持体表面の移動方向に対してクリーニングブレードより上流に位置するクリーニングローラは、中央部吸収部材と2つの端部吸収部材とを有し、中央部吸収部材は画像担持体上のトナー像が形成される領域に接触して現像剤を吸収し、中央部吸収部材の軸方向両端に隣接する各端部吸収部材は、中央部吸収部材よりも保持できる現像剤の量が少なく、クリーニングブレードの両端部が通過する画像担持体上の各領域に接触して現像剤を吸収し、絞り部材は中央部吸収部材及び端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す。
【0009】
2つの端部吸収部材は保持できる現像剤の量が同じであるとよい。中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材は1つの回転軸に接着され、中央部吸収部材と各端部吸収部材とは接着されていないとよい。
【0010】
クリーニングローラは、現像剤を浸透しない変形防止部材を端部吸収部材の軸方向外側に有するとよく、さらに、変形防止部材は、絞り部材が中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつとよい。クリーニングローラは、現像剤を浸透しない遮蔽部材を中央部吸収部材と端部吸収部材との間に有するとよく、さらに、遮蔽部材は、絞り部材が中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつとよい。
【0011】
クリーニングローラは、中央部吸収部材及び2つの端部吸収部材の周囲を網目状に締め付ける締付部材を有するとよい。中央部吸収部材は表面に切り込みをもち、切り込みは、回転時において、軸方向の端部が先に画像担持体に接触し、軸方向の中央部が後に画像担持体に接触するとよい。端部吸収部材の軸方向外側の面に接触し、端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す端部絞り部材を備えるとよく、さらに、端部絞り部材は、クリーニングローラが画像担持体から離れるときに、端部吸収部材から離れるとよい。
【0012】
この発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、端部吸収部材が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、中央部吸収部材ではトナー像を担持する領域における現像剤を十分に吸収し、画像担持体の液リングの発生を抑制できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、画像担持体の両端部に発生する液リングを均一に吸収してムラの発生を防止できる。請求項3の発明によれば、中央部吸収部材と端部吸収部材とを境界で互いに接着しないことにより容易に製造できるとともに、硬度の高い接着剤によって画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、中央部吸収部材及び端部吸収部材内に現像剤を封じ込めることができ、中央部吸収部材及び端部吸収部材に吸収された現像剤が端部吸収部材の軸方向外側から染み出して液リングを発生させることを防止できる。請求項5の発明によれば、変形防止部材が画像担持体に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0016】
請求項6の発明によれば、保持できる現像剤の量が大きい中央部吸収部材に吸収された現像剤が、保持できる現像剤の量が少ない端部吸収部材へ移動することを防止できる。請求項7の発明によれば、遮蔽部材が画像担持体に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、画像担持体を傷つけることを防止できる。
【0017】
請求項8の発明によれば、締付部材により端部吸収部材の外側への変形が抑えられるため、端部吸収部材の軸方向外側における液リングの発生を抑制できる。請求項9の発明によれば、中央部に現像液が集められ、端部吸収部材に現像剤が移動することを防止し、端部吸収部材の軸方向外側から液リングを発生させることを防止できる。
【0018】
請求項10の発明によれば、保持された現像剤が少ない状態で端部吸収部材を画像担持体に接触させることができ、端部吸収部材から現像液が流れ出て画像担持体に液リングを発生させることを防止できる。請求項11の発明によれば、端部絞り部材が端部吸収部材に長時間固定して接触することが防止され、端部吸収部材の変形を防止でき、長期間安定して現像剤の吸収効果を得られる。
【0019】
請求項12の発明によれば、端部吸収部材が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、中央部吸収部材ではトナー像を担持する領域における現像剤を十分に吸収し、画像担持体の液リングの発生を抑制できる画像形成装置を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第1の実施形態に係る画像形成装置1は、図1の構成図に示すように、感光体2の周りに順に、帯電器21と露光装置22と現像装置23と感光体スイープ装置24と中間転写体25と除電ランプ26と第1の画像担持体クリーニング装置27とを配置され、中間転写体25の周りに、中間転写体スイープ装置251と二次転写ローラ252と第2の画像担持体クリーニング装置253とを配置され、給紙部3と定着装置4と排紙部5とを備える。
【0021】
反転現像により画像を形成する画像担持体としての感光体2はa−Si、OPC等の材質で形成され、画像形成時に、モータ等の駆動手段によって一定速度で矢印方向に回転駆動される。帯電器21はローラやチャージャ等により感光体2の表面を暗中にて一様に帯電する。露光装置22は、LEDやレーザー走査光学系等により、帯電された感光体2の表面に原稿光像を照射結像して静電潜像を形成する。
【0022】
現像装置23は、現像剤収容タンク231と攪拌・搬送スクリュー232と塗布ローラ233と異物除去ブレード234と中間ローラ235とクリーニングブレード236と現像ローラ237とを有する。
【0023】
現像剤収容タンク231の内部には液体の現像剤が収容され、攪拌・搬送スクリュー232によって攪拌及び搬送される。現像剤には、粘度が50〜10000mPa・S、濃度が5%から40%まで程度の高粘性高濃度の液体現像剤を使用することが好ましく、揮発性または不揮発性のものを目的に合わせて選択し、トナーの粒径としてサブミクロンから6μm程度までのものを目的に合わせて選択する。キャリア液は、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。
【0024】
塗布ローラ233は、表面に均一なパターンの彫刻がなされた塗布部材であり、現像剤収容タンク231から現像剤を汲み上げる。異物除去ブレード234は、塗布ローラ233の表面に近接して配置されて、汲み上げられた現像剤から異物を除去する。
【0025】
中間ローラ235は、塗布ローラ233から塗布された現像剤を、現像ローラ237の表面に塗布する中間塗布部材として機能するとともに、塗布ローラ233の表面の余分な現像剤を除去することにより塗布ローラ233の表面に担持される現像剤の量を規制するドクタローラとして機能する。中間ローラ235は、回転軸の外周面にウレタンゴム等の弾性体からなる弾性層をもち、弾性層の外周面に滑性層をもつ。弾性層の材質は、キャリア液及び現像剤で膨潤したり溶解したりしなければ他の材質であってもよい。
【0026】
クリーニングブレード236は、金属ブレードまたはゴムブレードで形成され、中間ローラ235に接触して、中間ローラ235から現像ローラ237に現像剤を塗布した後に中間ローラ235に残留する現像剤を除去する。クリーニングブレードに代えてローラ式のクリーニング部材を用いてもよい。現像ローラ237は、現像剤収容タンク231内で回転自在に配設され、中間ローラ235から塗布された現像剤により、通過する感光体2の表面の静電潜像を現像して可視像化してトナー像を形成する。
【0027】
感光体スイープ装置24は、感光体上に当接したスイープローラ241により、トナー像を形成した後の感光体2の表面から余剰な現像剤を除去する。スイープローラ241には、非画像部のトナーを除去するとともに画像部のトナーを感光体2に圧縮する電界が発生するバイアスが印加されている。なお、スイープローラ241を複数用いてもよい。
【0028】
中間転写体25は、転写バイアスが印加されており感光体2と接触しながら連動して回転する。感光体2に形成されたトナー像は、中間転写体25との接触部分で中間転写体25に一次転写される。除電ランプ26は、一次転写後に感光体2に残留した残留電位を除去する。第1の画像担持体クリーニング装置27は、一次転写後に感光体2に残留した現像剤を除去する。
【0029】
中間転写体スイープ装置251は、中間転写体25に当接したスイープローラ254により、トナー像が一次転写された中間転写体25の表面から余剰な現像剤を除去する。スイープローラ254には、中間転写体25上のトナー像を剥がさない電界を形成する電位が付与されている。中間転写体25に対向して配置された二次転写ローラ252は、中間転写体25との間に転写材を挟んで搬送しながら、中間転写体25に形成されたトナー像を転写材上に二次転写する。第2の画像担持体クリーニング装置253は、二次転写後に中間転写体25に残留した残留トナーを除去する。なお、二次転写はコロナ放電による方法、粘着転写法、熱転写法等を用いてもよい。
【0030】
給紙部3は、給紙トレー31に積載されたコピー用紙やOHPシート等の転写材を給紙ローラ32により送り出し、レジストローラ33で一時停止させて中間転写体25のトナー像の位置とタイミングを合わせて、二次転写ローラ252と中間転写体25との接触部分に送り出す。定着装置4は、トナー像が二次転写された転写材を加熱及び加圧して、トナー像を転写材に定着させて排紙部5に排出する。定着装置4には、熱転写方式、溶剤定着、UV定着、加圧定着等を用いてもよい。
【0031】
第1の画像担持体クリーニング装置27は、クリーニングブレード271とクリーニングローラ272と絞り部材273とを備える。クリーニングブレード271は、感光体2の軸方向に沿って感光体2に接触し、画像が形成される幅より広い幅をもち、中間転写体25に転写されずに感光体2上に残留した現像剤を回収する。
【0032】
クリーニングローラ272は、図2のクリーニングローラ付近の正面図に示すように、回転軸274と、回転軸274を円筒形状に取り巻く中央部吸収部材275と、中央部吸収部材275の軸方向両端に隣接して回転軸274を円筒形状に取り巻く端部吸収部材276とで形成されている。弾性をもつ発泡体で形成される中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、それぞれ回転軸にのみ接着され、互いの境界では接着されていない。境界で互いに接着しないことにより容易に製造できるとともに、硬度の高い接着剤によって感光体2を傷つけることを防止できる。
【0033】
中央部吸収部材275及び端部吸収部材276は、クリーニングブレード271より感光体2の回転方向上流で、全体としてクリーニングブレード271より軸方向に広い幅をもって感光体2に接触し、表面の移動方向が感光体2の表面の移動方向と逆方向となるように回転しながら、感光体2の表面に残留する現像剤を吸収する。中央部吸収部材275は感光体2のトナー像が形成される領域に接触し、端部吸収部材276は、感光体2上でクリーニングブレード271の両端部が接触する領域、すなわち、液リングが発生しやすい領域に接触している。
【0034】
端部吸収部材276が保持する現像剤の量は、中央部吸収部材275が保持できる現像剤の量に比較して少なくする。端部吸収部材276が保持できる現像剤の量を少なくすることにより、端部吸収部材276により吸収された現像剤が液リングを成長させることを防止するとともに、液リングを形成する現像剤を強制的に回収できる。端部吸収部材276は、同じ量の現像剤を保持するように形成することが望ましく、感光体2の両端部に発生する液リングを、端部吸収部材276で均一に吸収できるため、ムラの発生を防止できる。
【0035】
中央部吸収部材275及び端部吸収部材276を個別に製造し、1つの回転軸274に順に嵌め込んでクリーニングローラ272を形成することにより、1つの吸収部材の両端部のみに現像剤の保持量の異なる領域を形成する場合よりも容易かつ安価に製造できる。
【0036】
絞り部材273は、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276の全幅より広い幅のローラ形状をもち、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276を押し潰すように接触し、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276に含浸された現像剤を絞り出して除去する。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276から現像剤が絞り出されて保持量の少ない状態が保たれるため、感光体2の液リングの発生を防止できる。なお、絞り部材273は、ローラ形状のほか板状等の他の形状であってもよい。
【0037】
第1の画像担持体クリーニング装置27は、画像形成プロセス中等の感光体2をクリーニングする必要の有る場合はクリーニングローラ272を感光体2に接触させており、画像形成を行わない間等の感光体2をクリーニングする必要の無い場合は、図3に示すようにクリーニングローラ272を感光体2から遠ざけるように移動する。
【0038】
第2の画像担持体クリーニング装置253は、現像剤を除去する画像担持体が感光体2ではなく中間転写体25である点を除いて、第1の画像担持体クリーニング装置27と同様の構造及び動作をする。第1の画像担持体クリーニング装置27は、静電潜像で現像されたトナー像や転写されたトナー像等、画像形成プロセスにおいて現像されたトナー像を担持する各種の画像担持体から現像剤を除去できる。画像形成装置1は、画像形成プロセスにおいて画像担持体を用いれば、中間転写体を介さず感光体から直接転写材にトナー像を転写するもの等、各種の画像形成装置であってよい。
【0039】
この画像形成装置1によれば、画像担持体である感光体2及び中間転写体25における液リングの発生及び成長を抑制して、かぶり、機内の汚れ、多色機における混色等を防止できる。
【0040】
第2の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ6は、図4(a)の平面図及び図4(b)のクリーニングローラの側面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、端部吸収部材276の外側にさらに変形防止部材61を有している。変形防止部材61は、現像剤が浸透できない弾性部材で円形に形成され、図5のクリーニングローラ及び絞り部材の側面図に示すように、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が絞り部材273により最も押し潰された際の径d1よりも僅かに小さい径d2をもつ。
【0041】
感光体2に接触した端部吸収部材276は、中央部吸収部材275によって中央側への変形を抑制され、反対側では変形防止部材61によって外側への変形を抑制されている。変形防止部材61によって外側への変形が抑制されることにより、機械停止時等において同じ場所が継続的に変形した状態で維持されることを防止でき、耐久性が増す。変形防止部材61は、現像剤を含浸しないため、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276内に現像剤を封じ込めることができ、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276に吸収された現像剤が端部吸収部材276の軸方向外側から染み出すことを抑制して、液リングを発生させることを防止できる。
【0042】
変形防止部材61の径を中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が最も押し潰される際の径よりも小さくすることにより、変形防止部材61が感光体2に接触して大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。変形防止部材61を弾性部材で構成することにより、変形による食い込み追従性をもたせることができ、部品精度や組立精度を緩和できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。
【0043】
第3の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ7は、図6の平面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、中央部吸収部材275と端部吸収部材276との間に遮蔽部材71を有している。遮蔽部材71は、現像剤が浸透できない弾性部材で円形に形成され、径は中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が絞り部材273により最も押し潰される際の径よりも僅かに小さい。
【0044】
中央部吸収部材275と端部吸収部材276との間に遮断部材71を設置することにより、保持できる現像剤の量が大きい中央部吸収部材275から、端部吸収部材276へ吸収した現像剤が移動することを防止できる。中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が押し潰された際の径よりも、遮蔽部材71の径を小さくすることにより、中央部吸収部材275及び端部吸収部材276が感光体2に接触する際に大きく変形することを防止して初期機能を長期間継続できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。なお、遮蔽部材71を弾性部材で構成することにより、変形による食い込み追従性をもたせることができ、部品精度や組立精度を緩和できるとともに、感光体2を傷つけることを防止できる。さらに、第2の実施形態の変形防止部材61を備えてもよい。
【0045】
第4の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ8は、図7(a)の平面図及び図7(b)のクリーニングローラの側面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ272において、中央部吸収部材275と端部吸収部材276とを締め付けるように覆う締付部材81を備える。締付部材81は弾性をもち、現像剤を通す網目形状をもつ。締付部材81により端部吸収部材276の外側への変形が抑えられるため、端部吸収部材276の両端部付近の感光体2における液リングの発生を防止できる。さらに、第2の実施形態の変形防止部材61を備えてもよく、変形防止部材61によりさらに端部吸収部材の変形が押さえられる。また、第3の実施形態の遮蔽部材71を設けてもよい。
【0046】
第5の実施形態の画像形成装置が備える感光体クリーニング装置のクリーニングローラ9は、図8(a)の平面図及び図8(b)のA1-A2断面図に示すように、第1の実施形態のクリーニングローラ9において、中央部吸収部材275は表面にスリットや溝等の切り込み91をもつ。切り込み91は端部から中央部にむけて傾けて設け、クリーニングローラ9の回転時に先に両端部が感光体2に接触し、後から中央部が感光体2に接触するように設ける。切り込み91により、中央部に現像液が集められ、端部吸収部材276に現像剤が移動することを防止し、端部吸収部材276の軸方向外側から液リングを発生させることを防止できる。切り込み91は、例えば図に示すように軸方向に対照的なスパイラル状に形成する。スパイラル状に形成することにより、クリーニングローラ9の回転時に切れ間なく現像剤を案内でき、感光体2に対するクリーニングローラ9の回転比率を上げればより連続的に案内できる。切り込み91は中央部付近において交わってもよく、途中で途切れていてもよい。さらに、第4の実施形態の網目部材81を備えることにより、中央部吸収部材275の耐久性を高められる。
【0047】
第6の実施形態の画像形成装置が備える第1の画像担持体クリーニング装置10は、図9(a)の側面図に示すように、端部絞り部材101と端部ブレード102とを端部吸収部材276付近に備え、第1の画像担持体クリーニング装置10のケースに対して固定されている。端部絞り部材101は、クリーニングローラ272の回転軸方向と交差する方向の回転軸をもつローラで、端部吸収部材276の各側面の外周端と外周端近傍の平面部分を押さえるように接触しながら回転し、端部吸収部材276に吸収された現像剤を絞り出す。端部ブレード102は、端部吸収部材276から絞り出され、端部絞り部材101の表面に付着した現像剤を除去する。
【0048】
端部絞り部材101により端部吸収部材276に保持された現像剤を絞り出すことにより、保持された現像剤が少ない状態で端部吸収部材276を感光体2に接触させることができ、端部吸収部材276から現像液が流れ出て感光体2に液リングを発生させることを防止できる。図10(a)に示すように画像形成プロセス中には、感光体2に接触するように配置されたクリーニングローラ272の端部吸収部材276に端部絞り部材101が接触しており、図10(b)に示すように画像形成プロセスの停止時等には、クリーニングローラ272が感光体2から離れることにより、第1の画像担持体クリーニング装置10に対して固定されている端部絞り部材101は、端部吸収部材276から離され、端部吸収部材276に長時間固定して接触することが防止され、端部吸収部材276の変形を防止でき、長期間安定して現像剤の吸収効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】画像形成装置の構成図である。
【図2】クリーニングローラ付近の正面図である
【図3】クリーニングローラの移動前後の配置を示す図である。
【図4】変形防止部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図5】クリーニングローラと絞り部材との位置関係を示す図である。
【図6】遮蔽部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図7】締付部材を有するクリーニングローラの構成図である。
【図8】切り込みを有するクリーニングローラの構成図である。
【図9】端部絞り部材及び端部ブレードの配置を示す図である。
【図10】クリーニングローラと端部絞り部材との位置関係を示す図である。
【図11】従来のクリーニング装置の構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1;画像形成装置、2;感光体、3;給紙部、4;定着装置、5;排紙部、
6;クリーニングローラ、7;クリーニングローラ、8;クリーニングローラ、
9;クリーニングローラ、10;第1の画像担持体クリーニング装置、21;帯電器、
22;露光装置、23;現像装置、24;感光体スイープ装置、25;中間転写体、
26;除電ランプ、27;第1の画像担持体クリーニング装置、31;給紙トレー、
32;給紙ローラ、33;レジストローラ、61;変形防止部材、71;遮蔽部材、
81;締付部材、91;切り込み、101;端部絞り部材、102;端部ブレード、
231;現像剤収容タンク、232;攪拌・搬送スクリュー、233;塗布ローラ、
234;異物除去ブレード、235;中間ローラ、236;クリーニングブレード、
237;現像ローラ、241;スイープローラ、251;中間転写体スイープ装置、
252;二次転写ローラ、253;第2の画像担持体クリーニング装置、
254;スイープローラ、271;クリーニングブレード、
272;クリーニングローラ、273;絞り部材、274;回転軸、
275;中央部吸収部材、276;端部吸収部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置であって、
クリーニングブレードとクリーニングローラと絞り部材とを備え、
前記クリーニングブレードは、前記画像担持体のトナー像を担持する領域に接触して、移動する前記画像担持体表面の現像剤を塞き止めて除去し、
前記画像担持体表面の移動方向に対して前記クリーニングブレードより上流に位置する前記クリーニングローラは、中央部吸収部材と2つの端部吸収部材とを有し、前記中央部吸収部材は前記画像担持体上のトナー像が形成される領域に接触して現像剤を吸収し、前記中央部吸収部材の軸方向両端に隣接する各前記端部吸収部材は、前記中央部吸収部材よりも保持できる現像剤の量が少なく、前記クリーニングブレードの両端部が通過する前記画像担持体上の各領域に接触して現像剤を吸収し、
前記絞り部材は前記中央部吸収部材及び前記端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出すことを特徴とする画像担持体クリーニング装置。
【請求項2】
2つの前記端部吸収部材は保持できる現像剤の量が同じである請求項1に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項3】
前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材は1つの回転軸に接着され、前記中央部吸収部材と各前記端部吸収部材とは接着されていない請求項1または請求項2に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項4】
前記クリーニングローラは、現像剤を浸透しない変形防止部材を前記端部吸収部材の軸方向外側に有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項5】
前記変形防止部材は、前記絞り部材が前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつ請求項4に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項6】
前記クリーニングローラは、現像剤を浸透しない遮蔽部材を前記中央部吸収部材と前記端部吸収部材との間に有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記絞り部材が前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつ請求項6に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項8】
前記クリーニングローラは、前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材の周囲を網目状に締め付ける締付部材を有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項9】
前記中央部吸収部材は表面に切り込みをもち、
前記切り込みは、回転時において、軸方向の端部が先に前記画像担持体に接触し、軸方向の中央部が後に前記画像担持体に接触する請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項10】
前記端部吸収部材の軸方向外側の面に接触し、前記端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す端部絞り部材を備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項11】
前記端部絞り部材は、前記クリーニングローラが前記画像担持体から離れるときに、前記端部吸収部材から離れる請求項10に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項12】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成プロセスにおいてトナー像を担持する画像担持体から現像剤を回収する画像担持体クリーニング装置であって、
クリーニングブレードとクリーニングローラと絞り部材とを備え、
前記クリーニングブレードは、前記画像担持体のトナー像を担持する領域に接触して、移動する前記画像担持体表面の現像剤を塞き止めて除去し、
前記画像担持体表面の移動方向に対して前記クリーニングブレードより上流に位置する前記クリーニングローラは、中央部吸収部材と2つの端部吸収部材とを有し、前記中央部吸収部材は前記画像担持体上のトナー像が形成される領域に接触して現像剤を吸収し、前記中央部吸収部材の軸方向両端に隣接する各前記端部吸収部材は、前記中央部吸収部材よりも保持できる現像剤の量が少なく、前記クリーニングブレードの両端部が通過する前記画像担持体上の各領域に接触して現像剤を吸収し、
前記絞り部材は前記中央部吸収部材及び前記端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出すことを特徴とする画像担持体クリーニング装置。
【請求項2】
2つの前記端部吸収部材は保持できる現像剤の量が同じである請求項1に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項3】
前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材は1つの回転軸に接着され、前記中央部吸収部材と各前記端部吸収部材とは接着されていない請求項1または請求項2に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項4】
前記クリーニングローラは、現像剤を浸透しない変形防止部材を前記端部吸収部材の軸方向外側に有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項5】
前記変形防止部材は、前記絞り部材が前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつ請求項4に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項6】
前記クリーニングローラは、現像剤を浸透しない遮蔽部材を前記中央部吸収部材と前記端部吸収部材との間に有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記絞り部材が前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材から現像剤を絞り出す際に接触しない大きさをもつ請求項6に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項8】
前記クリーニングローラは、前記中央部吸収部材及び2つの前記端部吸収部材の周囲を網目状に締め付ける締付部材を有する請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項9】
前記中央部吸収部材は表面に切り込みをもち、
前記切り込みは、回転時において、軸方向の端部が先に前記画像担持体に接触し、軸方向の中央部が後に前記画像担持体に接触する請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項10】
前記端部吸収部材の軸方向外側の面に接触し、前記端部吸収部材に吸収された現像剤を絞り出す端部絞り部材を備える請求項1から請求項9のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項11】
前記端部絞り部材は、前記クリーニングローラが前記画像担持体から離れるときに、前記端部吸収部材から離れる請求項10に記載の画像担持体クリーニング装置。
【請求項12】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の画像担持体クリーニング装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−79065(P2006−79065A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212119(P2005−212119)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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