番組再生装置および番組同期方法
【課題】同期のための時間が限られている場合であっても利用者が好む録画番組を多く同期し、空き時間に効率よく視聴できる番組再生装置を提供する。
【解決手段】番組が録画されている録画装置103から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部201と、通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部208と、算出部208で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき通信部201で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部209を備えている。
【解決手段】番組が録画されている録画装置103から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部201と、通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部208と、算出部208で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき通信部201で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部209を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、録画番組を同期して再生を行う番組再生装置および番組同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量の記憶媒体を備えた録画再生装置の普及により、利用者の好みに合致すると思われる多数の番組を手動または自動で録画できるようになった。利用者は、録画再生装置に録画された多数の番組の中から、自分が本当に好きな番組を探して空き時間に視聴することができる。
【0003】
このように、多数の番組の録画が可能になったことにより、利用者が、限られた空き時間に自分の好みの録画番組を多く探し出して視聴する方法、換言すれば、空き時間に録画番組を効率よく視聴する方法の提示が望まれている。録画番組を効率よく視聴する方法として、特許文献1は、利用者の好み、視聴可能時間および録画番組の過去の再生時間から推薦視聴番組を決定し利用者に提示する技術を開示している。また、特許文献2は、大量の録画番組を整理して録画番組の効率よい視聴を助けるために、利用者の好みと録画番組のデータサイズから視聴優先度の低い番組を決定し、他の装置の記憶媒体へ移動する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−165728号公報
【特許文献2】特開2007−300439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、録画番組を視聴する空き時間として、移動中または就寝前などのように、利用者が録画再生装置の前にいることができない時間が存在する。このような空き時間に番組を視聴するためには、録画再生装置とは別に、持ち運び可能な番組再生装置を用意し、これら録画再生装置と番組再生装置との間で番組を同期し、番組再生装置で番組を再生できるようにする必要がある。また、録画再生装置と番組再生装置との間で番組を同期できる時間は、番組再生装置の電源が投入されている時間または番組再生装置が録画再生装置に接続されている時間などのように短い時間に制限されることが多い。
【0006】
しかしながら、従来は、利用者が録画再生装置の前で視聴することが前提となっており、同期についての考慮、特に同期のための時間が限られていることに対する考慮がなされていない。そのために、利用者が好む番組を一定時間内になるべく多く同期し、空き時間に効率よく視聴することが難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、同期のための時間が限られている場合であっても利用者が好む録画番組を多く同期し、空き時間に効率よく視聴できる番組再生装置および番組同期方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る番組再生装置は、上記課題を解決するために、番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部と、通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部と、算出部で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき通信部で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、同期のための時間が限られている場合であっても利用者が好む録画番組を多く同期し、空き時間に効率よく視聴できる番組再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が適用された録画再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置との接続を検出して同期する動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置との接続断を検出して同期を中止する動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される同期可能時間帯データおよび同期速度データの例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置において行われる録画番組を同期する処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される録画番組メタデータのリストの例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される履歴データの例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置において行われる再生推奨度を算出する処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される再生推奨度と同期推奨度を含むリストを示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置から同期すべき録画番組データを取得する処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される算出基準名詞と算出基準ポイントの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る番組再生装置101が適用された録画再生システムの構成を示す図である。この録画再生システムは、番組再生装置101、録画装置103およびこれらを接続するネットワーク102を備えている。ネットワーク102としては、例えば、イーサネットケーブル(イーサネット;登録商標、以下省略)または無線によって形成されるLAN(Local Area Network)を用いることができる。なお、この発明の番組同期方法は、番組再生装置の「〜部」で示される構成要素を、「〜部」の機能を実現するための処理ステップに置き換えることにより把握される。
【0012】
番組再生装置101は、番組を同期して再生する。この番組再生装置101の詳細については後述する。録画装置103は、ネットワーク102を介して番組再生装置101と接続され、番組を同期するために使用される。この録画装置103は、番組を録画して番組メタデータおよび番組データ(これらのデータの詳細は後述する)を記憶する機能と、番組再生装置101がネットワーク102を介して接続されていることが検出された場合に、該番組再生装置101に番組メタデータおよび番組データを送信する機能を有する。番組再生装置101が接続されていることの検出および番組再生装置101への番組メタデータおよび番組データの送信は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)のガイドラインに従って行うように構成できる。
【0013】
なお、ここでいう番組は、放送番組に限らず、例えばインターネットにより入手できる動画コンテンツ、静止画または音楽などであってもよい。放送番組でない場合は、番組メタデータに相当する情報がインターネットから入手され、その情報が録画装置103に記憶される。
【0014】
また、図1では、ネットワーク102上に1つの録画装置103が存在する場合の例を示しているが、録画装置103の数は1つに限らず、複数であってもよい。ここでは、録画装置103がネットワーク102上に1つだけ存在する場合について説明し、複数存在する場合については後に説明する。
【0015】
図2は、実施の形態1に係る番組再生装置101の詳細な構成を示すブロック図である。この番組再生装置101は、通信部201、入力部202、制御ユニット203、記憶部204および出力部205を備えている。
【0016】
通信部201は、ネットワーク102を介して録画装置103と通信することにより、該録画装置103からデータを取得して制御ユニット203に送る。この通信部201は、例えばイーサネットポートまたは無線LANカードのように、ローカルエリアネットワークを介して録画装置103との間で通信を行うインタフェースから構成することができる。
【0017】
入力部202は、利用者が所望のデータを入力するために使用される。この入力部202の操作によって入力されたデータは、制御ユニット203に送られる。この入力部202は、例えばリモコン装置からのリモコン信号を受信する受信装置から構成することができる。また、キーボードとマウスおよびGUI(Graphical User Interface)から構成することもできる。さらに、番組再生装置101に直接に設けられたボタンまたはそれに類する入力装置から構成することもできる。
【0018】
制御ユニット203は、通信部201から送られてきたデータおよび入力部202から入力されたデータを処理することにより番組を同期して記憶部204に格納する。この制御ユニット203は、例えばCPU(Central Processing Unit)、制御プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)および制御プログラムの実行時に一時メモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)を用いて動作するソフトウェアから構成できる。また、制御ユニット203は、専用のハードウェアから構成することもできる。さらに、上述した2つを組み合わせて構成することもできる。この制御ユニット203の詳細は後述する。
【0019】
記憶部204は、制御ユニット203から送られてきた種々のデータを記憶する。この記憶部204に記憶されているデータは、制御ユニット203によって読み出される。この記憶部204は、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成することができるし、不揮発性の半導体メモリで構成することもできる。
【0020】
出力部205は、記憶部204から制御ユニット203を経由して送られてきた番組データを、利用者が利用できる形態で出力する。この出力部205は、例えば番組の映像および利用者へ入力を促す画面を表示するためのモニタ装置と、番組の音声を出力するためのスピーカ装置とを組み合わせて構成することができる。
【0021】
次に、制御ユニット203の詳細を説明する。制御ユニット203は、接続状態監視部206、番組格納部207、算出部208および制御部209を備えている。これらの各構成要素は、例えばCPU上で実行される制御プログラム、専用のハードウェア、または、これらの組み合わせで構成することができる。
【0022】
接続状態監視部206は、当該番組再生装置101と録画装置103との接続状態を監視して同期可能時間帯および同期速度を計測し、それぞれ同期可能時間帯データおよび同期速度データとして記憶部204に格納する。これら同期可能時間帯データおよび同期速度データの詳細は後述する。番組格納部207は、ネットワーク102を介して接続された録画装置103から番組メタデータを取得して記憶部204に格納するとともに、制御部209によって同期することが決定された番組の番組データを取得して記憶部204に格納する。
【0023】
算出部208は、録画装置103から取得した番組メタデータと、記憶部204に格納されている番組メタデータおよび履歴データから、後述する再生推奨度および同期推奨度を算出する。制御部209は、接続状態監視部206、番組格納部207および算出部208を制御して同期を実現するとともに、履歴データの格納の制御、入力部202の制御および出力部205の制御を行う。
【0024】
次に、記憶部204に記憶されるデータについて説明する。記憶部204は、番組データ210、番組メタデータ211、履歴データ212、同期可能時間帯データ213および同期速度データ214を記憶する。
【0025】
番組データ210は、番組の映像データ本体と識別用の番組IDとを一組とするデータから構成されている。番組メタデータ211は、番組の特徴的事項(番組ID、再生日時、番組名および番組内容など)から構成されている。履歴データ212は、番組に対する利用者の操作(再生、停止または削除など)、操作された番組の番組メタデータおよび操作に付随する情報(操作した日時など)から構成されている。同期可能時間帯データ213は、接続状態監視部206により計測される同期可能時間帯、つまり録画装置103との間で通信可能であった時間帯を示すデータから構成されている。同期速度データ214は、接続状態監視部206により計測される同期速度、つまり録画装置103と番組再生装置101との通信速度を示すデータから構成されている。
【0026】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る番組再生装置101の動作を、図3および図4に示す同期動作の概略を示すフローチャートを参照しながら説明する。図3は、番組再生装置101が録画装置103との接続を検出して同期する動作を示すフローチャートであり、図4は、番組再生装置101が録画装置103との接続断を検出して同期を中止する動作を示すループである。なお、図4のフローチャートに示す動作は、図3に示すフローチャートのステップST302までの動作が行われた後の任意の時点で開始される。
【0027】
まず、番組再生装置101が録画装置103との接続を検出して同期する動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。同期する動作が開始されると、まず、録画装置103との接続が検出される(ステップST301)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103との接続状態を検出する。この際、録画装置103を識別するために、該録画装置103に付された名前(録画装置名)が取得される。接続状態の検出は、例えばDLNAのガイドラインに従った方法で行うことができる。
【0028】
次いで、同期可能時間帯および同期速度が計測され、記録される(ステップST302)。すなわち、制御部209は、接続状態監視部206によって録画装置103との接続が検出された時刻を、本日の同期可能時間帯の1つの開始時刻として、記憶部204に設けられている同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する。また、制御部209は、接続状態監視部206によって計測された録画装置103との通信速度を、同期速度として、記憶部204に設けられている同期速度データ214の記憶領域に格納する。なお、同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する時刻は厳密である必要はなく、所定の時間間隔(例えば、10分間隔)を単位とする大まかな時刻とすることができる。この実施の形態1では、図5に示すように、10分間隔の大まかな時刻が格納されるものとする。同期速度は、例えば一定サイズのデータを録画装置103との間で送受信し、この送受信に要した時間を計測することにより求めることができる。なお、同期速度の格納時に、以前の同期速度データが既に格納されている場合は、上書きするように構成できるが、以前の同期速度データとの平均値を算出した後に、新たな同期速度データとして格納するように構成することもできる。
【0029】
次いで、自動同期が設定されているかどうかが調べられる(ステップST303)。すなわち、制御部209は、利用者によって事前に自動同期が設定されているかどうかを調べる。自動同期の設定は、例えば利用者が入力部202を操作することによって出力部205に表示された設定画面上で設定し、また、変更できるように構成できる。このステップST303において、自動同期が設定されていないことが判断されると、動作は終了する。
【0030】
一方、ステップST303において、自動同期が設定されていることが判断されると、次いで、録画番組の同期が行われる(ステップST304)。すなわち、制御部209は、録画番組を同期する処理を実行する。この録画番組の同期処理については、後に図6を参照して詳細に説明する。その後、動作は終了する。
【0031】
次に、番組再生装置101が録画装置103との接続断を検出して同期を中止する動作を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図4のフローチャートに示す動作は、上述したように、図3に示すフローチャートのステップST302以降の任意の時点で開始される。
【0032】
同期を中止する動作が開始されると、まず、録画装置103との接続断が検出される(ステップST401)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103との接続断状態を検出する。接続断状態の検出は、例えば、DLNAのガイドラインに従った方法で行うことができる。
【0033】
次いで、同期可能時間帯が記録される(ステップST402)。すなわち、制御部209は、接続状態監視部206によって録画装置103との接続が切断されたことを検出した時刻を、本日の同期可能時間帯の1つの終了時刻として、記憶部204に設けられている同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する。このステップST402の処理と図3に示すフローチャートのステップST302の処理とが一対になって、1つの同期可能時間帯データが生成される。
【0034】
次いで、同期中かどうかが調べられる(ステップST403)。すなわち、制御部209は、番組再生装置101が図3に示すフローチャートのステップST304の処理を実行中であるかどうか、つまり同期動作中であるかどうかを調べる。このステップST403において、同期中でないことが判断されると、動作を終了する。
【0035】
一方、ステップST403において、同期中でないことが判断されると、同期が中止される(ステップST404)。すなわち、制御部209は、実行中の同期動作を中止する。したがって、このステップST404の処理と同時に、図3に示すフローチャートのステップST304の処理は終了する。同期を中止する場合に同期中である番組の扱いなど、具体的な動作については、後に図6を参照して詳細に説明する。
【0036】
図5は、図3に示すフローチャートのステップST302の処理および図4に示すフローチャートのステップST402の処理によって記憶部204に格納される同期可能時間帯データおよび同期速度データの例を示す図である。ここでは、例として、2011年1月29日(土)の11:53に、録画装置名501として「レコーダ01」が付与された録画装置103の接続が検出されたものとして説明する。
【0037】
同期可能時間帯503、504、・・・、510および同期速度502は、録画装置103毎に格納されるデータであり、図5は、録画装置名「レコーダ01」のデータを示している。
【0038】
録画装置名501の欄には、ステップST301において取得された録画装置名が格納される。同期速度502の欄には、ステップST302において得られた同期速度が格納される。同期可能時間帯503、504、・・・、510の各欄には、当日までの所定期間(ここでは、一週間とする)の各日に、ステップST302の処理およびステップST402の処理によって得られる同期可能時間帯が格納される。同期可能時間帯が日付をまたぐ場合は、前日を24:00まで、当日を0:00からとして格納される。図5に示す例では、符号503で示す欄には7日前の2011年1月22日(土)に得られた同期可能時間帯が格納されており、「01:20〜09:30」は、その日の1:20に図3に示すフローチャートのステップST301およびステップST302が実行されたこと、すなわち、録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続が検出されたことを示している。また、「01:20〜09:30」は、9:30に図4に示すフローチャートのステップST401およびステップST402が実行されたことを、すなわち、録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続断が検出されたことを示している。また、「23:40〜24:00」は、符号504で示される欄の「00:00〜08:00」と合わせて、2011年1月22日(土)の23:40に録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続が検出され、翌日2011年1月23日(日)の8:00に録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続断が検出されたことを示している。符号503および504と同様に、符号505から符号509に示される欄には、5日前から1日前までの同期可能時間帯の履歴がそれぞれ格納されている。
【0039】
また、本日の欄510には、動作当日の同期可能時間帯が格納される。ここでは、11:53に接続が検出されたため、10分単位に切り上げられた時刻12:00が当日の同期可能時間帯データの開始時刻として、図5に示す本日の欄510に格納されている。また、この時点では、接続断が検出されていないため、同期可能時間帯の終了時刻は格納されていない。
【0040】
符号504から符号510で示される欄のデータは、日付が変わった時点で対応する欄へ移動される。そして、符号503で示される欄のデータは、日付が変わった時点で破棄される。
【0041】
図6は、図3に示すフローチャートのステップST304で実行される録画番組を同期する処理を示すフローチャートである。この録画番組を同期する処理では、まず、録画番組メタデータのリストが取得される(ステップST601)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103から録画番組メタデータのリストを取得する。図7は、録画番組メタデータのリストの例を示す図である。
【0042】
次いで、不要な録画番組メタデータがリストから除外される(ステップST602)。すなわち、制御部209は、リスト中に存在する同期が不要な録画番組メタデータをリストから除外する。ここで、同期が不要な録画番組とは、記憶部204に格納されている番組メタデータ211のリスト内に録画番組メタデータと同じ番組メタデータが存在する録画番組、または、以前に削除された番組メタデータのリスト内に録画番組メタデータと同じ番組メタデータが存在する録画番組である。ここで、「同じ番組メタデータ」とは、番組メタデータの複数の項目のうち、年月日703、時間704および番組名705が同じものをいう。また、以前に削除された番組メタデータのリストは、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、利用者の操作が「削除」となっているデータの番組メタデータを抽出することにより生成される。履歴データについては、後に図8を参照して詳細に説明する。
【0043】
次いで、再生推奨度が算出される(ステップST603)。すなわち、算出部208は、リスト内の各番組メタデータに対する再生推奨度を算出する。再生推奨度は、番組メタデータが示す番組に対する利用者の好みを表す値であり、利用者が好むと考えられる番組ほど高い値となる。再生推奨度は、後述する図9に示す処理によって算出されるが、利用者が手動で入力してもよいし、利用者が好むと考えられる番組ほど高い値が得られる種々の方法を用いて算出することができる。図7に示す録画番組メタデータに対して図9に示す処理により再生推奨度を算出すると、例えば、図10の符号1002で示す値が得られる。
【0044】
次いで、同期推奨度が算出される(ステップST604)。すなわち、算出部208は、リスト内の各番組メタデータに対して同期推奨度を算出する。同期推奨度は、番組メタデータが示す番組に対する録画装置103から番組再生装置101への同期の推奨度合いを表す値であり、利用者が好むと考えられ、かつ同期に要する時間が短いほど高い値となる。同期に要する時間は番組データサイズが小さいほど短いため、同期推奨度は、利用者の好みを示す値である再生推奨度をpとし、番組データサイズをdとすると、pが高いほど大きい値が得られ、かつdが小さいほど大きい値が得られる関数F(p、d)によって算出される。この実施の形態1では、関数F(p、d)=p/dとする。図10に示す再生推奨度1002に対して同期推奨度を算出すると、図10の符号1004で示す値が得られる。
【0045】
次いで、録画番組データが取得される(ステップST605)。すなわち、制御部209は、上記ステップST603およびステップST604でそれぞれ算出された再生推奨度および同期推奨度をもとに、番組格納部207を介して録画装置103から同期すべき録画番組データを取得し、記憶部204に設けられた番組データ210の記憶領域に格納する。このステップST605で行われる処理については、後に、図11を用いて詳細に説明する。その後、録画番組を同期する処理は終了する。
【0046】
ここで、図6に示すフローチャートのステップST601からステップST604までのいずれかが実行されているとき、ステップST404において同期動作が中止されると、録画装置103から取得された録画番組メタデータのリストが破棄されて、動作は中止される。この場合、同期が中止されたことを、出力部205を介して利用者に通知するように構成できる。図6に示すフローチャートのステップST605の処理が実行されているとき、同期動作が中止される場合については、後に図11を参照して詳細に説明する。
【0047】
図7は、図6に示すフローチャートのステップST601で取得される録画番組メタデータのリストの例を示している。録画番組メタデータは、少なくとも、番組データを識別するための番組ID、録画装置名および番組データサイズを含む。これらのうち、録画装置名は、取得時に必ずしも含まれている必要はないが、その場合は、取得と同時に図3に示したフローチャートのステップST301で得られた録画装置名が使用される。また、番組を録画した年月日と時刻、番組名および番組内容を含むこともできる。
【0048】
この実施の形態1では、録画番組メタデータは、図7に示すように、番組ID701、録画装置名702、年月日703、時間704、番組名705、番組内容706および番組データサイズ707を含むものとする。また、記憶部204に記憶される番組メタデータ211も図7に示す形式と同じ形式を有するものとする。
【0049】
図8は、図6に示したフローチャートのステップST602で用いられる、記憶部204に格納されている履歴データ212の例を示している。履歴データは、少なくとも、再生または削除のどちらが行われたかを示す操作と、操作された番組の番組メタデータを含む。なお、操作に関する上記以外の操作(例えば、停止など)を含むこともできる。また、操作された日時または操作時の番組の再生位置など、操作に付随する情報を含むように構成することもできる。
【0050】
この実施の形態1では、履歴データは、図8に示すように、操作日時801、操作802および操作番組803を含むものとする。操作日時801は、操作が行われた日時である。操作802は、行われた操作の種別である。ここでは、再生、削除および停止の3種類を含むものとする。操作番組803は、操作された番組の番組メタデータである。番組メタデータの形式は、図7に示すものと同じである。
【0051】
履歴データの記憶部204への格納は、次のようにして行われる。すなわち、上述した同期動作とは別に、利用者が入力部202の操作によって制御部209へ指示することにより、番組の再生または削除などの際に、その操作の履歴データが、制御部209によって記憶部204に格納される。
【0052】
図10は、図7に示した各番組メタデータに対して、図6に示したフローチャートのステップST603およびステップST604でそれぞれ算出された再生推奨度と同期推奨度をリスト形式で示したものである。符号1001は、図7に示した番組ID701と同じ番組IDであり、番組IDによって示される番組に対して再生推奨度と同期推奨度が算出されたことを表している。
【0053】
符号1002は、ステップST603で算出された再生推奨度である。符号1003は、図7に示した番組データサイズ707と同じ番組データサイズであり、再生推奨度1002とともに同期推奨度1004を算出する際の変数値として用いられる。符号1004は、ステップST604により算出された同期推奨度である。
【0054】
図9は、図6に示したフローチャートのステップST603で実行される、録画番組メタデータのリスト内にある各録画番組メタデータに対して再生推奨度を算出する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0055】
再生推奨度を算出する処理では、まず、再生履歴のある番組メタデータから算出基準ポイントが作成される(ステップST901)。すなわち、算出部208は、以前に再生された番組メタデータのリストから名詞を抽出して算出基準名詞とし、各算出基準名詞の出現回数を算出基準ポイントとして算出する。以前に再生された番組メタデータのリストは、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、この履歴データ212のうち、利用者の操作が「再生」となっているデータを抽出することにより生成される。また、名詞の抽出は、例えば番組メタデータの番組名および番組内容に対して形態素解析を用いて行うことができる。ここでは、例として図12に示すような、算出基準名詞と算出基準ポイント(抜粋)が算出されたものとする。
【0056】
次いで、リスト内に存在する全ての録画番組メタデータに対して、ステップST901とステップST905とで囲まれた範囲、つまりステップST903からステップST904までの繰り返し実行により、再生推奨度が算出される。
【0057】
この繰り返し実行では、まず、録画番組メタデータから名詞が抽出される(ステップST903)。このステップST903においては、名詞の抽出は、ステップST901と同様の方法によって行われる。図7に示す例では、番組IDが「001」の録画番組の番組メタデータに対して、「ニュース」、「山田一男」および「今日」などといった名詞が抽出される。
【0058】
次いで、算出基準ポイントに基づいて再生推奨度が算出される(ステップST904)。このステップST904においては、ステップST903で抽出された名詞の中に算出基準名詞があれば、その算出基準名詞に対応する算出基準ポイントを全て足し合わせた値が、その録画番組の再生推奨度とされる。ステップST903で抽出された名詞の中に算出基準名詞がなければ、その録画番組の再生推奨度は「0」とされる。図7に示す例では、例えば番組IDが「001」の録画番組の番組メタデータに対して、ステップST903で「ニュース」および「山田一男」という2つの名詞が抽出され、これらの名詞の算出基準ポイント(「ニュース」で15ポイント、「山田一男」で10ポイント)を足し合わせて再生推奨度「25」が算出される。
【0059】
ここでは、図10の符号1002で示すような再生推奨度が算出されたものとする。算出された再生推奨度と番組データサイズ1003から、図6に示すフローチャートのステップST604で説明したような関数Fによって同期推奨度1004が算出される。
【0060】
図11は、図6に示すフローチャートのステップST605で行われる処理、つまり録画装置103から同期すべき録画番組データを取得する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0061】
この処理では、まず、現在日時と対応する同期可能時間帯データがあるかどうかが調べられる(ステップST1101)。すなわち、制御部209は、現在日時と対応する同期可能時間帯データが記憶部204に存在するかどうかを調べる。ここで、現在日時と対応する同期可能時間帯データとは、現在の日付の一定期間前(ここでは、一週間前)の日に存在し、かつ、現在時刻と同じ時刻を有する同期可能時間帯データをいう。なお、現在の時刻との差が所定時間(ここでは、20分とする)内の開始時刻を持つ同期可能時間帯のデータが存在する場合は、対応する同期可能時間帯データがあると判断するように構成できる。図5に示す例では、現在日時2011年1月29日(土)11:53に対し、対応する7日前の同期可能時間帯503には「12:10〜12:50」が格納されている。11:53と12:10の差が20分以内であることから、この場合は、現在日時と対応する同期可能時間帯データが存在すると判断される。
【0062】
このステップST1101において、現在日時と対応する同期可能時間帯データがあると判断されると、次いで、残り同期可能時間が算出される(ステップST1102)。すなわち、現在時刻から、現在日時と対応する同期可能時間帯データの終了時刻までの時間が、残り同期可能時間として算出される。上述した例では、7日前の同期可能時間帯503にある「〜12:50」と現在時刻11:53より、残り同期可能時間は57分と算出される。このように、一定期間前の同期可能時間帯の終了時刻と現在時刻とから残り同期可能時間を算出することにより、一定の周期(ここでは、一週間)でほぼ同じスケジュールに従って行動すると予想される多くの利用者にとって精度の高い残り時間を得ることができる。このステップST1102の処理が終了すると、シーケンスはステップST1104へ進む。
【0063】
上記ステップST1101において、現在日時と対応する同期可能時間帯データがないと判断されると、次いで、所定の時間(例えば、0分)が残り同期可能時間とされる(ステップST1103)。その後、シーケンスはステップST1104へ進む。
【0064】
ステップST1104においては、最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータが選択され、同期時間が推定される。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリストの中から最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータを1つだけ選択し、選択した録画番組の同期に要する時間を算出する。同期に要する時間は、録画番組メタデータの番組データサイズを、記憶部204の同期速度データで除算することにより算出できる。図10に示す例では、最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータとして、番組ID「003」の再生推奨度が選択され、番組データサイズ1003と図5に示す同期速度502から、同期時間として30分が算出される。
【0065】
次いで、同期時間内に同期できるかどうかが調べられる(ステップST1105)。すなわち、制御部209は、ステップST1104で算出した同期時間と、ステップST1102またはステップST1103で算出した残り同期可能時間とを比較し、残り同期可能時間内に同期できるかどうかを調べる。このステップST1105において、同期時間内に同期できることが判断されると、シーケンスはステップST1107へ進む。上述した例では、残り同期可能時間が57分に対して同期時間は30分であるので、同期できると判断される。
【0066】
一方、上記ステップST1105において、同期時間内に同期できないことが判断されると、最高の同期推奨度を持つ録画番組メタデータが選択される(ステップST1106)。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリスト中から最高の同期推奨度を持つ録画番組メタデータを1つだけ選択する。その後、シーケンスはステップST1107へ進む。上述した例で、仮に残り同期可能時間が30分に満たなかった場合は、図10に示すリストから最高の同期推奨度を持つ番組ID「001」または番組ID「002」の録画番組メタデータが選択される。
【0067】
ステップST1107においては、同期に十分な容量があるかどうかが調べられる。すなわち、制御部209は、選択された録画番組メタデータの番組データサイズと記憶部204の空き容量とを比較し、空き容量のほうが大きいかどうか、すなわち、番組を同期するのに充分な空き容量があるかどうかを調べる。このステップST1107において、同期に十分な容量がないことが判断されると、より小さな番組データサイズの番組ならば同期できる可能性があるため、シーケンスはステップST1110へ進む。現在選択されている録画番組メタデータは次以降のステップでは選択されない。
【0068】
一方、上記ステップST1107において、同期に十分な容量があることが判断されると、選択された録画番組のデータが取得される(ステップST1108)。すなわち、制御部209は、番組格納部207へ録画番組のデータの取得を指示する。番組格納部207は、この指示に応答して、制御部209で選択された録画番組メタデータが示す番組データを録画装置103から通信部201を介して取得し、記憶部204に設けられた番組データ210の記憶領域に格納する。このとき、格納された番組データを識別するための新たな番組IDが付与される。
【0069】
次いで、選択された録画番組メタデータが格納される(ステップST1109)。すなわち、制御部209は、上記と同様に、番組格納部207へ録画番組メタデータの取得を指示する。番組格納部207は、この指示に応答して、制御部209で選択された録画番組メタデータを、記憶部204に設けられた番組メタデータ211の記憶領域に格納する。このとき、番組IDは、ステップST1108で格納された番組データを指すように変更される。その後、シーケンスはステップST1110へ進む。
【0070】
ステップST1110においては、処理していない録画番組メタデータがあるかどうかが調べられる。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリスト中に、未だ選択していない番組の録画番組メタデータが存在するかどうかを調べる。このステップST1110において、処理していない録画番組メタデータがあることが判断されると、シーケンスはステップST1101へ戻り、上述した処理が繰り返される。
【0071】
一方、上記ステップST1110において、処理していない録画番組メタデータがないことが判断されると、全ての録画番組が同期した旨が認識され、動作は終了する。上述した例では、図10に示すリストの中の番組ID「003」以外の番組は未だ選択されていないので、シーケンスはステップST1101へ戻る。
【0072】
ここで、図11に示すフローチャートのステップST1108が実行されているときに、上記ステップST404において同期動作の中止が行われた場合は、番組再生装置101が途中まで取得した録画番組データが破棄されるとともに、取得した録画番組メタデータのリストも破棄される。図11に示すフローチャートの上記以外のステップが実行されているときに同期動作の中止が行われた場合は、動作が中止され、取得した録画番組メタデータのリストが破棄される。この場合、同期が中止されたこと、および、中止までに同期した録画番組についての情報を、出力部205を介して利用者に通知するように構成できる。
【0073】
上述した例において、続けて同期を行った場合、図10に示すリストにある番組は、番組ID「003」、「001」、「002」および「004」の番組という順で同期され、7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合であって、番組データサイズが大きい番組ID「004」の番組を除き、番組ID「003」、「001」および「002」といった3つの番組を同期できる。
【0074】
これに対し、再生推奨度の順に番組を同期すると、番組ID「003」、「004」、「001」および「002」の番組という順で同期され、上記と同様に7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合は、番組データサイズが大きい番組ID「004」の番組以下の番組は同期できず、番組ID「003」の1つの番組しか同期することができない。
【0075】
また、同期推奨度の順に番組を同期すると、番組ID「001」、「002」、「003」および「004」の番組という順で同期され、上記と同様に7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合は、番組ID「003」、「001」および「002」といった3つの番組を同期できるが、仮に、より短い時間しか同期できなかった場合、利用者がより好む番組ID「003」の番組を同期できなくなることがある。
【0076】
以上は、録画再生システムに録画装置103を1つだけ設けた場合の構成および動作であるが、複数の録画装置103を設けることもできる。その場合、番組再生装置101は、接続される複数の録画装置103の各々について、図3に示す動作と図4に示す動作とを実行する。このとき、複数の録画装置103との接続が同時に検出された場合はステップST304において録画番組メタデータのリストをまとめて取得し、1つのリストにまとめてその後の動作を行うように構成できる。
【0077】
以上説明したように、この実施の形態1では、利用者の好みを表す再生推奨度が高いほど、かつ番組データサイズが小さいほど大きくなるような関数により算出される同期推奨度、すなわち、利用者が好みかつ素早く同期できる度合いを示す同期推奨度を用いた順序で録画番組を同期する。そのため、利用者は、短い時間でも利用者が好むより多くの番組を番組再生装置101に同期し、移動中などの空き時間により多くの番組を効率よく視聴できるという利点がある。
【0078】
また、この実施の形態1では、録画装置103との同期可能時間帯および同期速度を計測し、その情報から推定される残り同期可能時間が長い場合は再生推奨度の順に、短い場合は同期推奨度の順に録画番組を同期する。そのため、利用者は、比較的長時間同期が可能である場合は利用者がより好む番組を番組再生装置101に同期し、番組データサイズの大きい番組、すなわち再生時間が長い番組または高画質の番組を視聴できるという利点がある。
【0079】
なお、上述した実施の形態1では、図11に示すフローチャートのステップST1107において、選択した番組に対して記憶部204に充分な空き容量がない場合は同期しないように構成したが、記憶部204に格納されている番組データ210のうち利用者にとって価値の低い番組データ(例えば、古いもの、視聴済みのものなど)を順次選択して削除することにより同期に充分な空き容量を確保できたなら同期するように構成することもできる。この場合、例えば記憶部204に格納されている番組メタデータ211から、年月日が最も古いものの番組データを選択して削除するように構成できる。また、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、利用者の操作が「再生」となっているデータの番組のうち、操作日時が最も古いものの番組データを選択して削除するように構成することもできる。また、自動的に削除してもよい番組を利用者があらかじめ手動で選択しておいて、それら番組のうちから選択して削除するように構成することもできる。
【0080】
この構成によれば、記憶部204の空き容量が充分でない場合、利用者にとって価値の低い番組を自動的に削除して新たな番組を同期するので、利用者が手動で番組を削除する手間を軽減することができる。
【0081】
また、上述した実施の形態1では、図6に示すフローチャートのステップST601において、録画装置103が持つ録画番組メタデータのリストを取得するように構成したが、録画装置103が記憶部204に格納されている履歴データ212と同じ形式の履歴データを持っている場合は、その履歴データも同時に取得し、録画装置103で既に再生済みである番組の番組メタデータを録画番組メタデータのリストから除外するように構成することもできる。録画装置103で既に再生済みである番組の番組メタデータは、録画装置103から取得した履歴データを参照し、利用者の操作が「再生」となっているものを抽出することにより得ることができる。
【0082】
この構成によれば、録画装置103で既に再生済みである番組は同期しないので、利用者は未だ視聴していない番組のみを同期させることができる。
【0083】
また、上述した実施の形態1では、図6に示すフローチャートのステップST603およびステップST604において算出した再生推奨度および同期推奨度を、同期する番組の選択基準としているが、利用者が特に同期したい番組を直接的に指定して新たな選択基準とするように構成することもできる。
【0084】
利用者が直接的に番組を指定する方法としては、次の方法を用いることができる。すなわち、ステップST304の終了時に、取得していた録画番組メタデータのリストのうち、同期できなかった番組のものを抽出したリストを記憶部204の番組メタデータ211とは別に記憶しておき、利用者に出力部205を介して表示する。利用者は、表示されたリストから次回の同期時に特に同期したい番組を、入力部202を介して選択して指定する。
【0085】
この構成によれば、上記リストに、その指定情報が付加され、図11に示すフローチャートのステップST1104において最高の再生推奨度を持つ番組メタデータを1つだけ選択する代わりに、上記リストを参照して利用者の指定に合致する番組メタデータを1つ選択する。これにより、利用者は、録画装置103に録画されている番組のうち、特に同期したい番組を指定するだけで、番組再生装置101に優先的に同期させることができる。
【0086】
さらに、上述した実施の形態1では、利用者が特に同期しておきたい番組を直接的に指定するように構成したが、例えば、ある番組シリーズは優先的に自動同期しておきたい、など間接的に番組を指定して新たな選択基準とすることもできる。
【0087】
利用者が間接的に番組を指定する方法として、例えば利用者が上記番組シリーズのシリーズ名を直接入力して指定する方法を用いることができる。また、利用者が記憶部204の番組メタデータ211を参照し、優先的に自動同期しておきたい番組シリーズに属する番組を、入力部202を介して選択することにより、選択された番組の番組名をシリーズ名として指定する方法を用いることもできる。さらに、上記の2つの方法を組み合わせ、後者の方法により選択された番組の番組名を利用者が加工し、所望のシリーズ名として指定する方法を用いることもできる。
【0088】
この構成によれば、上記指定されたシリーズ名が記憶部204に新たな指定情報として記憶され、図11に示すフローチャートのステップST1104において最高の再生推奨度を持つ番組メタデータを1つ選択する代わりに、上記指定されたシリーズ名を含むような番組名を持つ番組メタデータを1つだけ選択するので、利用者が録画装置103に録画されている番組のうち優先的に同期しておきたい番組シリーズを指定しておけば、指定した番組シリーズに属する番組を優先的に同期させることができる。
【0089】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0090】
101 番組再生装置、102 ネットワーク、103 録画装置、201 通信部、202 入力部、203 制御ユニット、204 記憶部、205 出力部、206 接続状態監視部、207 番組格納部、208 算出部、209 制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、録画番組を同期して再生を行う番組再生装置および番組同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量の記憶媒体を備えた録画再生装置の普及により、利用者の好みに合致すると思われる多数の番組を手動または自動で録画できるようになった。利用者は、録画再生装置に録画された多数の番組の中から、自分が本当に好きな番組を探して空き時間に視聴することができる。
【0003】
このように、多数の番組の録画が可能になったことにより、利用者が、限られた空き時間に自分の好みの録画番組を多く探し出して視聴する方法、換言すれば、空き時間に録画番組を効率よく視聴する方法の提示が望まれている。録画番組を効率よく視聴する方法として、特許文献1は、利用者の好み、視聴可能時間および録画番組の過去の再生時間から推薦視聴番組を決定し利用者に提示する技術を開示している。また、特許文献2は、大量の録画番組を整理して録画番組の効率よい視聴を助けるために、利用者の好みと録画番組のデータサイズから視聴優先度の低い番組を決定し、他の装置の記憶媒体へ移動する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−165728号公報
【特許文献2】特開2007−300439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、録画番組を視聴する空き時間として、移動中または就寝前などのように、利用者が録画再生装置の前にいることができない時間が存在する。このような空き時間に番組を視聴するためには、録画再生装置とは別に、持ち運び可能な番組再生装置を用意し、これら録画再生装置と番組再生装置との間で番組を同期し、番組再生装置で番組を再生できるようにする必要がある。また、録画再生装置と番組再生装置との間で番組を同期できる時間は、番組再生装置の電源が投入されている時間または番組再生装置が録画再生装置に接続されている時間などのように短い時間に制限されることが多い。
【0006】
しかしながら、従来は、利用者が録画再生装置の前で視聴することが前提となっており、同期についての考慮、特に同期のための時間が限られていることに対する考慮がなされていない。そのために、利用者が好む番組を一定時間内になるべく多く同期し、空き時間に効率よく視聴することが難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、同期のための時間が限られている場合であっても利用者が好む録画番組を多く同期し、空き時間に効率よく視聴できる番組再生装置および番組同期方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る番組再生装置は、上記課題を解決するために、番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部と、通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部と、算出部で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき通信部で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、同期のための時間が限られている場合であっても利用者が好む録画番組を多く同期し、空き時間に効率よく視聴できる番組再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が適用された録画再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置との接続を検出して同期する動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置との接続断を検出して同期を中止する動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される同期可能時間帯データおよび同期速度データの例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置において行われる録画番組を同期する処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される録画番組メタデータのリストの例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される履歴データの例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置において行われる再生推奨度を算出する処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される再生推奨度と同期推奨度を含むリストを示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置が録画装置から同期すべき録画番組データを取得する処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1に係る番組再生装置で使用される算出基準名詞と算出基準ポイントの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る番組再生装置101が適用された録画再生システムの構成を示す図である。この録画再生システムは、番組再生装置101、録画装置103およびこれらを接続するネットワーク102を備えている。ネットワーク102としては、例えば、イーサネットケーブル(イーサネット;登録商標、以下省略)または無線によって形成されるLAN(Local Area Network)を用いることができる。なお、この発明の番組同期方法は、番組再生装置の「〜部」で示される構成要素を、「〜部」の機能を実現するための処理ステップに置き換えることにより把握される。
【0012】
番組再生装置101は、番組を同期して再生する。この番組再生装置101の詳細については後述する。録画装置103は、ネットワーク102を介して番組再生装置101と接続され、番組を同期するために使用される。この録画装置103は、番組を録画して番組メタデータおよび番組データ(これらのデータの詳細は後述する)を記憶する機能と、番組再生装置101がネットワーク102を介して接続されていることが検出された場合に、該番組再生装置101に番組メタデータおよび番組データを送信する機能を有する。番組再生装置101が接続されていることの検出および番組再生装置101への番組メタデータおよび番組データの送信は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)のガイドラインに従って行うように構成できる。
【0013】
なお、ここでいう番組は、放送番組に限らず、例えばインターネットにより入手できる動画コンテンツ、静止画または音楽などであってもよい。放送番組でない場合は、番組メタデータに相当する情報がインターネットから入手され、その情報が録画装置103に記憶される。
【0014】
また、図1では、ネットワーク102上に1つの録画装置103が存在する場合の例を示しているが、録画装置103の数は1つに限らず、複数であってもよい。ここでは、録画装置103がネットワーク102上に1つだけ存在する場合について説明し、複数存在する場合については後に説明する。
【0015】
図2は、実施の形態1に係る番組再生装置101の詳細な構成を示すブロック図である。この番組再生装置101は、通信部201、入力部202、制御ユニット203、記憶部204および出力部205を備えている。
【0016】
通信部201は、ネットワーク102を介して録画装置103と通信することにより、該録画装置103からデータを取得して制御ユニット203に送る。この通信部201は、例えばイーサネットポートまたは無線LANカードのように、ローカルエリアネットワークを介して録画装置103との間で通信を行うインタフェースから構成することができる。
【0017】
入力部202は、利用者が所望のデータを入力するために使用される。この入力部202の操作によって入力されたデータは、制御ユニット203に送られる。この入力部202は、例えばリモコン装置からのリモコン信号を受信する受信装置から構成することができる。また、キーボードとマウスおよびGUI(Graphical User Interface)から構成することもできる。さらに、番組再生装置101に直接に設けられたボタンまたはそれに類する入力装置から構成することもできる。
【0018】
制御ユニット203は、通信部201から送られてきたデータおよび入力部202から入力されたデータを処理することにより番組を同期して記憶部204に格納する。この制御ユニット203は、例えばCPU(Central Processing Unit)、制御プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)および制御プログラムの実行時に一時メモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)を用いて動作するソフトウェアから構成できる。また、制御ユニット203は、専用のハードウェアから構成することもできる。さらに、上述した2つを組み合わせて構成することもできる。この制御ユニット203の詳細は後述する。
【0019】
記憶部204は、制御ユニット203から送られてきた種々のデータを記憶する。この記憶部204に記憶されているデータは、制御ユニット203によって読み出される。この記憶部204は、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成することができるし、不揮発性の半導体メモリで構成することもできる。
【0020】
出力部205は、記憶部204から制御ユニット203を経由して送られてきた番組データを、利用者が利用できる形態で出力する。この出力部205は、例えば番組の映像および利用者へ入力を促す画面を表示するためのモニタ装置と、番組の音声を出力するためのスピーカ装置とを組み合わせて構成することができる。
【0021】
次に、制御ユニット203の詳細を説明する。制御ユニット203は、接続状態監視部206、番組格納部207、算出部208および制御部209を備えている。これらの各構成要素は、例えばCPU上で実行される制御プログラム、専用のハードウェア、または、これらの組み合わせで構成することができる。
【0022】
接続状態監視部206は、当該番組再生装置101と録画装置103との接続状態を監視して同期可能時間帯および同期速度を計測し、それぞれ同期可能時間帯データおよび同期速度データとして記憶部204に格納する。これら同期可能時間帯データおよび同期速度データの詳細は後述する。番組格納部207は、ネットワーク102を介して接続された録画装置103から番組メタデータを取得して記憶部204に格納するとともに、制御部209によって同期することが決定された番組の番組データを取得して記憶部204に格納する。
【0023】
算出部208は、録画装置103から取得した番組メタデータと、記憶部204に格納されている番組メタデータおよび履歴データから、後述する再生推奨度および同期推奨度を算出する。制御部209は、接続状態監視部206、番組格納部207および算出部208を制御して同期を実現するとともに、履歴データの格納の制御、入力部202の制御および出力部205の制御を行う。
【0024】
次に、記憶部204に記憶されるデータについて説明する。記憶部204は、番組データ210、番組メタデータ211、履歴データ212、同期可能時間帯データ213および同期速度データ214を記憶する。
【0025】
番組データ210は、番組の映像データ本体と識別用の番組IDとを一組とするデータから構成されている。番組メタデータ211は、番組の特徴的事項(番組ID、再生日時、番組名および番組内容など)から構成されている。履歴データ212は、番組に対する利用者の操作(再生、停止または削除など)、操作された番組の番組メタデータおよび操作に付随する情報(操作した日時など)から構成されている。同期可能時間帯データ213は、接続状態監視部206により計測される同期可能時間帯、つまり録画装置103との間で通信可能であった時間帯を示すデータから構成されている。同期速度データ214は、接続状態監視部206により計測される同期速度、つまり録画装置103と番組再生装置101との通信速度を示すデータから構成されている。
【0026】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る番組再生装置101の動作を、図3および図4に示す同期動作の概略を示すフローチャートを参照しながら説明する。図3は、番組再生装置101が録画装置103との接続を検出して同期する動作を示すフローチャートであり、図4は、番組再生装置101が録画装置103との接続断を検出して同期を中止する動作を示すループである。なお、図4のフローチャートに示す動作は、図3に示すフローチャートのステップST302までの動作が行われた後の任意の時点で開始される。
【0027】
まず、番組再生装置101が録画装置103との接続を検出して同期する動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。同期する動作が開始されると、まず、録画装置103との接続が検出される(ステップST301)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103との接続状態を検出する。この際、録画装置103を識別するために、該録画装置103に付された名前(録画装置名)が取得される。接続状態の検出は、例えばDLNAのガイドラインに従った方法で行うことができる。
【0028】
次いで、同期可能時間帯および同期速度が計測され、記録される(ステップST302)。すなわち、制御部209は、接続状態監視部206によって録画装置103との接続が検出された時刻を、本日の同期可能時間帯の1つの開始時刻として、記憶部204に設けられている同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する。また、制御部209は、接続状態監視部206によって計測された録画装置103との通信速度を、同期速度として、記憶部204に設けられている同期速度データ214の記憶領域に格納する。なお、同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する時刻は厳密である必要はなく、所定の時間間隔(例えば、10分間隔)を単位とする大まかな時刻とすることができる。この実施の形態1では、図5に示すように、10分間隔の大まかな時刻が格納されるものとする。同期速度は、例えば一定サイズのデータを録画装置103との間で送受信し、この送受信に要した時間を計測することにより求めることができる。なお、同期速度の格納時に、以前の同期速度データが既に格納されている場合は、上書きするように構成できるが、以前の同期速度データとの平均値を算出した後に、新たな同期速度データとして格納するように構成することもできる。
【0029】
次いで、自動同期が設定されているかどうかが調べられる(ステップST303)。すなわち、制御部209は、利用者によって事前に自動同期が設定されているかどうかを調べる。自動同期の設定は、例えば利用者が入力部202を操作することによって出力部205に表示された設定画面上で設定し、また、変更できるように構成できる。このステップST303において、自動同期が設定されていないことが判断されると、動作は終了する。
【0030】
一方、ステップST303において、自動同期が設定されていることが判断されると、次いで、録画番組の同期が行われる(ステップST304)。すなわち、制御部209は、録画番組を同期する処理を実行する。この録画番組の同期処理については、後に図6を参照して詳細に説明する。その後、動作は終了する。
【0031】
次に、番組再生装置101が録画装置103との接続断を検出して同期を中止する動作を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図4のフローチャートに示す動作は、上述したように、図3に示すフローチャートのステップST302以降の任意の時点で開始される。
【0032】
同期を中止する動作が開始されると、まず、録画装置103との接続断が検出される(ステップST401)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103との接続断状態を検出する。接続断状態の検出は、例えば、DLNAのガイドラインに従った方法で行うことができる。
【0033】
次いで、同期可能時間帯が記録される(ステップST402)。すなわち、制御部209は、接続状態監視部206によって録画装置103との接続が切断されたことを検出した時刻を、本日の同期可能時間帯の1つの終了時刻として、記憶部204に設けられている同期可能時間帯データ213の記憶領域に格納する。このステップST402の処理と図3に示すフローチャートのステップST302の処理とが一対になって、1つの同期可能時間帯データが生成される。
【0034】
次いで、同期中かどうかが調べられる(ステップST403)。すなわち、制御部209は、番組再生装置101が図3に示すフローチャートのステップST304の処理を実行中であるかどうか、つまり同期動作中であるかどうかを調べる。このステップST403において、同期中でないことが判断されると、動作を終了する。
【0035】
一方、ステップST403において、同期中でないことが判断されると、同期が中止される(ステップST404)。すなわち、制御部209は、実行中の同期動作を中止する。したがって、このステップST404の処理と同時に、図3に示すフローチャートのステップST304の処理は終了する。同期を中止する場合に同期中である番組の扱いなど、具体的な動作については、後に図6を参照して詳細に説明する。
【0036】
図5は、図3に示すフローチャートのステップST302の処理および図4に示すフローチャートのステップST402の処理によって記憶部204に格納される同期可能時間帯データおよび同期速度データの例を示す図である。ここでは、例として、2011年1月29日(土)の11:53に、録画装置名501として「レコーダ01」が付与された録画装置103の接続が検出されたものとして説明する。
【0037】
同期可能時間帯503、504、・・・、510および同期速度502は、録画装置103毎に格納されるデータであり、図5は、録画装置名「レコーダ01」のデータを示している。
【0038】
録画装置名501の欄には、ステップST301において取得された録画装置名が格納される。同期速度502の欄には、ステップST302において得られた同期速度が格納される。同期可能時間帯503、504、・・・、510の各欄には、当日までの所定期間(ここでは、一週間とする)の各日に、ステップST302の処理およびステップST402の処理によって得られる同期可能時間帯が格納される。同期可能時間帯が日付をまたぐ場合は、前日を24:00まで、当日を0:00からとして格納される。図5に示す例では、符号503で示す欄には7日前の2011年1月22日(土)に得られた同期可能時間帯が格納されており、「01:20〜09:30」は、その日の1:20に図3に示すフローチャートのステップST301およびステップST302が実行されたこと、すなわち、録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続が検出されたことを示している。また、「01:20〜09:30」は、9:30に図4に示すフローチャートのステップST401およびステップST402が実行されたことを、すなわち、録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続断が検出されたことを示している。また、「23:40〜24:00」は、符号504で示される欄の「00:00〜08:00」と合わせて、2011年1月22日(土)の23:40に録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続が検出され、翌日2011年1月23日(日)の8:00に録画装置名「レコーダ01」を有する録画装置103との接続断が検出されたことを示している。符号503および504と同様に、符号505から符号509に示される欄には、5日前から1日前までの同期可能時間帯の履歴がそれぞれ格納されている。
【0039】
また、本日の欄510には、動作当日の同期可能時間帯が格納される。ここでは、11:53に接続が検出されたため、10分単位に切り上げられた時刻12:00が当日の同期可能時間帯データの開始時刻として、図5に示す本日の欄510に格納されている。また、この時点では、接続断が検出されていないため、同期可能時間帯の終了時刻は格納されていない。
【0040】
符号504から符号510で示される欄のデータは、日付が変わった時点で対応する欄へ移動される。そして、符号503で示される欄のデータは、日付が変わった時点で破棄される。
【0041】
図6は、図3に示すフローチャートのステップST304で実行される録画番組を同期する処理を示すフローチャートである。この録画番組を同期する処理では、まず、録画番組メタデータのリストが取得される(ステップST601)。すなわち、接続状態監視部206は、通信部201を介して録画装置103から録画番組メタデータのリストを取得する。図7は、録画番組メタデータのリストの例を示す図である。
【0042】
次いで、不要な録画番組メタデータがリストから除外される(ステップST602)。すなわち、制御部209は、リスト中に存在する同期が不要な録画番組メタデータをリストから除外する。ここで、同期が不要な録画番組とは、記憶部204に格納されている番組メタデータ211のリスト内に録画番組メタデータと同じ番組メタデータが存在する録画番組、または、以前に削除された番組メタデータのリスト内に録画番組メタデータと同じ番組メタデータが存在する録画番組である。ここで、「同じ番組メタデータ」とは、番組メタデータの複数の項目のうち、年月日703、時間704および番組名705が同じものをいう。また、以前に削除された番組メタデータのリストは、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、利用者の操作が「削除」となっているデータの番組メタデータを抽出することにより生成される。履歴データについては、後に図8を参照して詳細に説明する。
【0043】
次いで、再生推奨度が算出される(ステップST603)。すなわち、算出部208は、リスト内の各番組メタデータに対する再生推奨度を算出する。再生推奨度は、番組メタデータが示す番組に対する利用者の好みを表す値であり、利用者が好むと考えられる番組ほど高い値となる。再生推奨度は、後述する図9に示す処理によって算出されるが、利用者が手動で入力してもよいし、利用者が好むと考えられる番組ほど高い値が得られる種々の方法を用いて算出することができる。図7に示す録画番組メタデータに対して図9に示す処理により再生推奨度を算出すると、例えば、図10の符号1002で示す値が得られる。
【0044】
次いで、同期推奨度が算出される(ステップST604)。すなわち、算出部208は、リスト内の各番組メタデータに対して同期推奨度を算出する。同期推奨度は、番組メタデータが示す番組に対する録画装置103から番組再生装置101への同期の推奨度合いを表す値であり、利用者が好むと考えられ、かつ同期に要する時間が短いほど高い値となる。同期に要する時間は番組データサイズが小さいほど短いため、同期推奨度は、利用者の好みを示す値である再生推奨度をpとし、番組データサイズをdとすると、pが高いほど大きい値が得られ、かつdが小さいほど大きい値が得られる関数F(p、d)によって算出される。この実施の形態1では、関数F(p、d)=p/dとする。図10に示す再生推奨度1002に対して同期推奨度を算出すると、図10の符号1004で示す値が得られる。
【0045】
次いで、録画番組データが取得される(ステップST605)。すなわち、制御部209は、上記ステップST603およびステップST604でそれぞれ算出された再生推奨度および同期推奨度をもとに、番組格納部207を介して録画装置103から同期すべき録画番組データを取得し、記憶部204に設けられた番組データ210の記憶領域に格納する。このステップST605で行われる処理については、後に、図11を用いて詳細に説明する。その後、録画番組を同期する処理は終了する。
【0046】
ここで、図6に示すフローチャートのステップST601からステップST604までのいずれかが実行されているとき、ステップST404において同期動作が中止されると、録画装置103から取得された録画番組メタデータのリストが破棄されて、動作は中止される。この場合、同期が中止されたことを、出力部205を介して利用者に通知するように構成できる。図6に示すフローチャートのステップST605の処理が実行されているとき、同期動作が中止される場合については、後に図11を参照して詳細に説明する。
【0047】
図7は、図6に示すフローチャートのステップST601で取得される録画番組メタデータのリストの例を示している。録画番組メタデータは、少なくとも、番組データを識別するための番組ID、録画装置名および番組データサイズを含む。これらのうち、録画装置名は、取得時に必ずしも含まれている必要はないが、その場合は、取得と同時に図3に示したフローチャートのステップST301で得られた録画装置名が使用される。また、番組を録画した年月日と時刻、番組名および番組内容を含むこともできる。
【0048】
この実施の形態1では、録画番組メタデータは、図7に示すように、番組ID701、録画装置名702、年月日703、時間704、番組名705、番組内容706および番組データサイズ707を含むものとする。また、記憶部204に記憶される番組メタデータ211も図7に示す形式と同じ形式を有するものとする。
【0049】
図8は、図6に示したフローチャートのステップST602で用いられる、記憶部204に格納されている履歴データ212の例を示している。履歴データは、少なくとも、再生または削除のどちらが行われたかを示す操作と、操作された番組の番組メタデータを含む。なお、操作に関する上記以外の操作(例えば、停止など)を含むこともできる。また、操作された日時または操作時の番組の再生位置など、操作に付随する情報を含むように構成することもできる。
【0050】
この実施の形態1では、履歴データは、図8に示すように、操作日時801、操作802および操作番組803を含むものとする。操作日時801は、操作が行われた日時である。操作802は、行われた操作の種別である。ここでは、再生、削除および停止の3種類を含むものとする。操作番組803は、操作された番組の番組メタデータである。番組メタデータの形式は、図7に示すものと同じである。
【0051】
履歴データの記憶部204への格納は、次のようにして行われる。すなわち、上述した同期動作とは別に、利用者が入力部202の操作によって制御部209へ指示することにより、番組の再生または削除などの際に、その操作の履歴データが、制御部209によって記憶部204に格納される。
【0052】
図10は、図7に示した各番組メタデータに対して、図6に示したフローチャートのステップST603およびステップST604でそれぞれ算出された再生推奨度と同期推奨度をリスト形式で示したものである。符号1001は、図7に示した番組ID701と同じ番組IDであり、番組IDによって示される番組に対して再生推奨度と同期推奨度が算出されたことを表している。
【0053】
符号1002は、ステップST603で算出された再生推奨度である。符号1003は、図7に示した番組データサイズ707と同じ番組データサイズであり、再生推奨度1002とともに同期推奨度1004を算出する際の変数値として用いられる。符号1004は、ステップST604により算出された同期推奨度である。
【0054】
図9は、図6に示したフローチャートのステップST603で実行される、録画番組メタデータのリスト内にある各録画番組メタデータに対して再生推奨度を算出する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0055】
再生推奨度を算出する処理では、まず、再生履歴のある番組メタデータから算出基準ポイントが作成される(ステップST901)。すなわち、算出部208は、以前に再生された番組メタデータのリストから名詞を抽出して算出基準名詞とし、各算出基準名詞の出現回数を算出基準ポイントとして算出する。以前に再生された番組メタデータのリストは、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、この履歴データ212のうち、利用者の操作が「再生」となっているデータを抽出することにより生成される。また、名詞の抽出は、例えば番組メタデータの番組名および番組内容に対して形態素解析を用いて行うことができる。ここでは、例として図12に示すような、算出基準名詞と算出基準ポイント(抜粋)が算出されたものとする。
【0056】
次いで、リスト内に存在する全ての録画番組メタデータに対して、ステップST901とステップST905とで囲まれた範囲、つまりステップST903からステップST904までの繰り返し実行により、再生推奨度が算出される。
【0057】
この繰り返し実行では、まず、録画番組メタデータから名詞が抽出される(ステップST903)。このステップST903においては、名詞の抽出は、ステップST901と同様の方法によって行われる。図7に示す例では、番組IDが「001」の録画番組の番組メタデータに対して、「ニュース」、「山田一男」および「今日」などといった名詞が抽出される。
【0058】
次いで、算出基準ポイントに基づいて再生推奨度が算出される(ステップST904)。このステップST904においては、ステップST903で抽出された名詞の中に算出基準名詞があれば、その算出基準名詞に対応する算出基準ポイントを全て足し合わせた値が、その録画番組の再生推奨度とされる。ステップST903で抽出された名詞の中に算出基準名詞がなければ、その録画番組の再生推奨度は「0」とされる。図7に示す例では、例えば番組IDが「001」の録画番組の番組メタデータに対して、ステップST903で「ニュース」および「山田一男」という2つの名詞が抽出され、これらの名詞の算出基準ポイント(「ニュース」で15ポイント、「山田一男」で10ポイント)を足し合わせて再生推奨度「25」が算出される。
【0059】
ここでは、図10の符号1002で示すような再生推奨度が算出されたものとする。算出された再生推奨度と番組データサイズ1003から、図6に示すフローチャートのステップST604で説明したような関数Fによって同期推奨度1004が算出される。
【0060】
図11は、図6に示すフローチャートのステップST605で行われる処理、つまり録画装置103から同期すべき録画番組データを取得する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0061】
この処理では、まず、現在日時と対応する同期可能時間帯データがあるかどうかが調べられる(ステップST1101)。すなわち、制御部209は、現在日時と対応する同期可能時間帯データが記憶部204に存在するかどうかを調べる。ここで、現在日時と対応する同期可能時間帯データとは、現在の日付の一定期間前(ここでは、一週間前)の日に存在し、かつ、現在時刻と同じ時刻を有する同期可能時間帯データをいう。なお、現在の時刻との差が所定時間(ここでは、20分とする)内の開始時刻を持つ同期可能時間帯のデータが存在する場合は、対応する同期可能時間帯データがあると判断するように構成できる。図5に示す例では、現在日時2011年1月29日(土)11:53に対し、対応する7日前の同期可能時間帯503には「12:10〜12:50」が格納されている。11:53と12:10の差が20分以内であることから、この場合は、現在日時と対応する同期可能時間帯データが存在すると判断される。
【0062】
このステップST1101において、現在日時と対応する同期可能時間帯データがあると判断されると、次いで、残り同期可能時間が算出される(ステップST1102)。すなわち、現在時刻から、現在日時と対応する同期可能時間帯データの終了時刻までの時間が、残り同期可能時間として算出される。上述した例では、7日前の同期可能時間帯503にある「〜12:50」と現在時刻11:53より、残り同期可能時間は57分と算出される。このように、一定期間前の同期可能時間帯の終了時刻と現在時刻とから残り同期可能時間を算出することにより、一定の周期(ここでは、一週間)でほぼ同じスケジュールに従って行動すると予想される多くの利用者にとって精度の高い残り時間を得ることができる。このステップST1102の処理が終了すると、シーケンスはステップST1104へ進む。
【0063】
上記ステップST1101において、現在日時と対応する同期可能時間帯データがないと判断されると、次いで、所定の時間(例えば、0分)が残り同期可能時間とされる(ステップST1103)。その後、シーケンスはステップST1104へ進む。
【0064】
ステップST1104においては、最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータが選択され、同期時間が推定される。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリストの中から最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータを1つだけ選択し、選択した録画番組の同期に要する時間を算出する。同期に要する時間は、録画番組メタデータの番組データサイズを、記憶部204の同期速度データで除算することにより算出できる。図10に示す例では、最高の再生推奨度を持つ録画番組メタデータとして、番組ID「003」の再生推奨度が選択され、番組データサイズ1003と図5に示す同期速度502から、同期時間として30分が算出される。
【0065】
次いで、同期時間内に同期できるかどうかが調べられる(ステップST1105)。すなわち、制御部209は、ステップST1104で算出した同期時間と、ステップST1102またはステップST1103で算出した残り同期可能時間とを比較し、残り同期可能時間内に同期できるかどうかを調べる。このステップST1105において、同期時間内に同期できることが判断されると、シーケンスはステップST1107へ進む。上述した例では、残り同期可能時間が57分に対して同期時間は30分であるので、同期できると判断される。
【0066】
一方、上記ステップST1105において、同期時間内に同期できないことが判断されると、最高の同期推奨度を持つ録画番組メタデータが選択される(ステップST1106)。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリスト中から最高の同期推奨度を持つ録画番組メタデータを1つだけ選択する。その後、シーケンスはステップST1107へ進む。上述した例で、仮に残り同期可能時間が30分に満たなかった場合は、図10に示すリストから最高の同期推奨度を持つ番組ID「001」または番組ID「002」の録画番組メタデータが選択される。
【0067】
ステップST1107においては、同期に十分な容量があるかどうかが調べられる。すなわち、制御部209は、選択された録画番組メタデータの番組データサイズと記憶部204の空き容量とを比較し、空き容量のほうが大きいかどうか、すなわち、番組を同期するのに充分な空き容量があるかどうかを調べる。このステップST1107において、同期に十分な容量がないことが判断されると、より小さな番組データサイズの番組ならば同期できる可能性があるため、シーケンスはステップST1110へ進む。現在選択されている録画番組メタデータは次以降のステップでは選択されない。
【0068】
一方、上記ステップST1107において、同期に十分な容量があることが判断されると、選択された録画番組のデータが取得される(ステップST1108)。すなわち、制御部209は、番組格納部207へ録画番組のデータの取得を指示する。番組格納部207は、この指示に応答して、制御部209で選択された録画番組メタデータが示す番組データを録画装置103から通信部201を介して取得し、記憶部204に設けられた番組データ210の記憶領域に格納する。このとき、格納された番組データを識別するための新たな番組IDが付与される。
【0069】
次いで、選択された録画番組メタデータが格納される(ステップST1109)。すなわち、制御部209は、上記と同様に、番組格納部207へ録画番組メタデータの取得を指示する。番組格納部207は、この指示に応答して、制御部209で選択された録画番組メタデータを、記憶部204に設けられた番組メタデータ211の記憶領域に格納する。このとき、番組IDは、ステップST1108で格納された番組データを指すように変更される。その後、シーケンスはステップST1110へ進む。
【0070】
ステップST1110においては、処理していない録画番組メタデータがあるかどうかが調べられる。すなわち、制御部209は、録画番組メタデータのリスト中に、未だ選択していない番組の録画番組メタデータが存在するかどうかを調べる。このステップST1110において、処理していない録画番組メタデータがあることが判断されると、シーケンスはステップST1101へ戻り、上述した処理が繰り返される。
【0071】
一方、上記ステップST1110において、処理していない録画番組メタデータがないことが判断されると、全ての録画番組が同期した旨が認識され、動作は終了する。上述した例では、図10に示すリストの中の番組ID「003」以外の番組は未だ選択されていないので、シーケンスはステップST1101へ戻る。
【0072】
ここで、図11に示すフローチャートのステップST1108が実行されているときに、上記ステップST404において同期動作の中止が行われた場合は、番組再生装置101が途中まで取得した録画番組データが破棄されるとともに、取得した録画番組メタデータのリストも破棄される。図11に示すフローチャートの上記以外のステップが実行されているときに同期動作の中止が行われた場合は、動作が中止され、取得した録画番組メタデータのリストが破棄される。この場合、同期が中止されたこと、および、中止までに同期した録画番組についての情報を、出力部205を介して利用者に通知するように構成できる。
【0073】
上述した例において、続けて同期を行った場合、図10に示すリストにある番組は、番組ID「003」、「001」、「002」および「004」の番組という順で同期され、7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合であって、番組データサイズが大きい番組ID「004」の番組を除き、番組ID「003」、「001」および「002」といった3つの番組を同期できる。
【0074】
これに対し、再生推奨度の順に番組を同期すると、番組ID「003」、「004」、「001」および「002」の番組という順で同期され、上記と同様に7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合は、番組データサイズが大きい番組ID「004」の番組以下の番組は同期できず、番組ID「003」の1つの番組しか同期することができない。
【0075】
また、同期推奨度の順に番組を同期すると、番組ID「001」、「002」、「003」および「004」の番組という順で同期され、上記と同様に7日前の同期可能時間帯どおり12:50に録画装置103との接続が切断された場合は、番組ID「003」、「001」および「002」といった3つの番組を同期できるが、仮に、より短い時間しか同期できなかった場合、利用者がより好む番組ID「003」の番組を同期できなくなることがある。
【0076】
以上は、録画再生システムに録画装置103を1つだけ設けた場合の構成および動作であるが、複数の録画装置103を設けることもできる。その場合、番組再生装置101は、接続される複数の録画装置103の各々について、図3に示す動作と図4に示す動作とを実行する。このとき、複数の録画装置103との接続が同時に検出された場合はステップST304において録画番組メタデータのリストをまとめて取得し、1つのリストにまとめてその後の動作を行うように構成できる。
【0077】
以上説明したように、この実施の形態1では、利用者の好みを表す再生推奨度が高いほど、かつ番組データサイズが小さいほど大きくなるような関数により算出される同期推奨度、すなわち、利用者が好みかつ素早く同期できる度合いを示す同期推奨度を用いた順序で録画番組を同期する。そのため、利用者は、短い時間でも利用者が好むより多くの番組を番組再生装置101に同期し、移動中などの空き時間により多くの番組を効率よく視聴できるという利点がある。
【0078】
また、この実施の形態1では、録画装置103との同期可能時間帯および同期速度を計測し、その情報から推定される残り同期可能時間が長い場合は再生推奨度の順に、短い場合は同期推奨度の順に録画番組を同期する。そのため、利用者は、比較的長時間同期が可能である場合は利用者がより好む番組を番組再生装置101に同期し、番組データサイズの大きい番組、すなわち再生時間が長い番組または高画質の番組を視聴できるという利点がある。
【0079】
なお、上述した実施の形態1では、図11に示すフローチャートのステップST1107において、選択した番組に対して記憶部204に充分な空き容量がない場合は同期しないように構成したが、記憶部204に格納されている番組データ210のうち利用者にとって価値の低い番組データ(例えば、古いもの、視聴済みのものなど)を順次選択して削除することにより同期に充分な空き容量を確保できたなら同期するように構成することもできる。この場合、例えば記憶部204に格納されている番組メタデータ211から、年月日が最も古いものの番組データを選択して削除するように構成できる。また、記憶部204に格納されている履歴データ212を参照し、利用者の操作が「再生」となっているデータの番組のうち、操作日時が最も古いものの番組データを選択して削除するように構成することもできる。また、自動的に削除してもよい番組を利用者があらかじめ手動で選択しておいて、それら番組のうちから選択して削除するように構成することもできる。
【0080】
この構成によれば、記憶部204の空き容量が充分でない場合、利用者にとって価値の低い番組を自動的に削除して新たな番組を同期するので、利用者が手動で番組を削除する手間を軽減することができる。
【0081】
また、上述した実施の形態1では、図6に示すフローチャートのステップST601において、録画装置103が持つ録画番組メタデータのリストを取得するように構成したが、録画装置103が記憶部204に格納されている履歴データ212と同じ形式の履歴データを持っている場合は、その履歴データも同時に取得し、録画装置103で既に再生済みである番組の番組メタデータを録画番組メタデータのリストから除外するように構成することもできる。録画装置103で既に再生済みである番組の番組メタデータは、録画装置103から取得した履歴データを参照し、利用者の操作が「再生」となっているものを抽出することにより得ることができる。
【0082】
この構成によれば、録画装置103で既に再生済みである番組は同期しないので、利用者は未だ視聴していない番組のみを同期させることができる。
【0083】
また、上述した実施の形態1では、図6に示すフローチャートのステップST603およびステップST604において算出した再生推奨度および同期推奨度を、同期する番組の選択基準としているが、利用者が特に同期したい番組を直接的に指定して新たな選択基準とするように構成することもできる。
【0084】
利用者が直接的に番組を指定する方法としては、次の方法を用いることができる。すなわち、ステップST304の終了時に、取得していた録画番組メタデータのリストのうち、同期できなかった番組のものを抽出したリストを記憶部204の番組メタデータ211とは別に記憶しておき、利用者に出力部205を介して表示する。利用者は、表示されたリストから次回の同期時に特に同期したい番組を、入力部202を介して選択して指定する。
【0085】
この構成によれば、上記リストに、その指定情報が付加され、図11に示すフローチャートのステップST1104において最高の再生推奨度を持つ番組メタデータを1つだけ選択する代わりに、上記リストを参照して利用者の指定に合致する番組メタデータを1つ選択する。これにより、利用者は、録画装置103に録画されている番組のうち、特に同期したい番組を指定するだけで、番組再生装置101に優先的に同期させることができる。
【0086】
さらに、上述した実施の形態1では、利用者が特に同期しておきたい番組を直接的に指定するように構成したが、例えば、ある番組シリーズは優先的に自動同期しておきたい、など間接的に番組を指定して新たな選択基準とすることもできる。
【0087】
利用者が間接的に番組を指定する方法として、例えば利用者が上記番組シリーズのシリーズ名を直接入力して指定する方法を用いることができる。また、利用者が記憶部204の番組メタデータ211を参照し、優先的に自動同期しておきたい番組シリーズに属する番組を、入力部202を介して選択することにより、選択された番組の番組名をシリーズ名として指定する方法を用いることもできる。さらに、上記の2つの方法を組み合わせ、後者の方法により選択された番組の番組名を利用者が加工し、所望のシリーズ名として指定する方法を用いることもできる。
【0088】
この構成によれば、上記指定されたシリーズ名が記憶部204に新たな指定情報として記憶され、図11に示すフローチャートのステップST1104において最高の再生推奨度を持つ番組メタデータを1つ選択する代わりに、上記指定されたシリーズ名を含むような番組名を持つ番組メタデータを1つだけ選択するので、利用者が録画装置103に録画されている番組のうち優先的に同期しておきたい番組シリーズを指定しておけば、指定した番組シリーズに属する番組を優先的に同期させることができる。
【0089】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0090】
101 番組再生装置、102 ネットワーク、103 録画装置、201 通信部、202 入力部、203 制御ユニット、204 記憶部、205 出力部、206 接続状態監視部、207 番組格納部、208 算出部、209 制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部と、
前記通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部と、
前記算出部で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき前記通信部で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部
とを備えた番組再生装置。
【請求項2】
録画装置との接続状態を監視して通信可能な時間帯を示す同期可能時間帯と通信速度を示す同期速度を計測する接続状態監視部を備え、
制御部は、番組データサイズを前記接続状態監視部で計測された同期速度で除算して得られる同期に要する時間が、該接続状態監視部によって一定期間前に計測された同期可能時間帯に含まれる場合は、再生推奨度の高い順に、そうでない場合は同期推奨度の高い順に録画番組データを同期するように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の番組再生装置。
【請求項3】
番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき前記受信された録画番組データを同期する制御を行う制御ステップ
とを備えた番組同期方法。
【請求項4】
録画装置との接続状態を監視して通信可能な時間帯を示す同期可能時間帯と通信速度を示す同期速度を計測する計測ステップを備え、
制御ステップでは、番組データサイズを前記計測ステップで計測された同期速度で除算して得られる同期に要する時間が、該計測ステップで一定期間前に計測された同期可能時間帯に含まれる場合は、再生推奨度の高い順に、そうでない場合は同期推奨度の高い順に録画番組データを同期するように制御する
ことを特徴とする請求項3記載の番組同期方法。
【請求項1】
番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する通信部と、
前記通信部で受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度とを算出する算出部と、
前記算出部で算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき前記通信部で受信された録画番組データを同期する制御を行う制御部
とを備えた番組再生装置。
【請求項2】
録画装置との接続状態を監視して通信可能な時間帯を示す同期可能時間帯と通信速度を示す同期速度を計測する接続状態監視部を備え、
制御部は、番組データサイズを前記接続状態監視部で計測された同期速度で除算して得られる同期に要する時間が、該接続状態監視部によって一定期間前に計測された同期可能時間帯に含まれる場合は、再生推奨度の高い順に、そうでない場合は同期推奨度の高い順に録画番組データを同期するように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の番組再生装置。
【請求項3】
番組が録画されている録画装置から番組データサイズを含む録画番組メタデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された録画番組メタデータから、録画番組に対する利用者の好みを表す再生推奨度と、該再生推奨度が高くかつ番組データサイズが小さいほど大きい値が得られる関数を用いて同期の推奨度合いを表す同期推奨度を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出された再生推奨度および同期推奨度に基づき前記受信された録画番組データを同期する制御を行う制御ステップ
とを備えた番組同期方法。
【請求項4】
録画装置との接続状態を監視して通信可能な時間帯を示す同期可能時間帯と通信速度を示す同期速度を計測する計測ステップを備え、
制御ステップでは、番組データサイズを前記計測ステップで計測された同期速度で除算して得られる同期に要する時間が、該計測ステップで一定期間前に計測された同期可能時間帯に含まれる場合は、再生推奨度の高い順に、そうでない場合は同期推奨度の高い順に録画番組データを同期するように制御する
ことを特徴とする請求項3記載の番組同期方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−5159(P2013−5159A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133278(P2011−133278)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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