説明

異種組成物の単一熱可塑性カバー層を具備するゴルフボール

【課題】2またはそれ以上の異なる樹脂材料のブレンドを有する単一のカバー層を具備するゴルフボールを提供する。
【解決手段】1またはそれ以上の層を有するコアの回りに予め準備された半球カバーカップが配され、カバーカップが加熱され圧縮されて、カバーカップ中の樹脂材料が相互に混交して材料の不分明なブレンドを有する単一カバー層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は全般的にはゴルフボールに関し、より具体的には、2またはそれ以上の異なる樹脂材料のブレンドを有する単一のカバー層を具備するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールは典型的にはコアを緊密に包囲するカバーを伴って構築されることが良く知られている。ゴルフボールコアは典型的にはソリッド構造または糸巻構造であり、これらコアを製造する方法は周知である。伝統的には、ゴルフボールカバーはポリマー材料から製造される。例えば、ゴルフボールは伝統的にはバラタゴムで製造されたカバーを組み入れ、これは天然バラタ、合成バラタ、天然および合成バラタのブレンドであってよい。
【0003】
他のゴルフボールは、ポリオレフィンのような合成ポリマー材料、とくに、ポリエチレン、ポリウレタン、およびオレフィンのイオン性コポリマーから製造されるカバーを組み込んできた。後述したオレフィンのイオン性コポリマーは1960年代の中頃にデラウェア州、ウィルミントンのE.I.DuPont de Nemours & Co.(DuPont)が商業的に導入して「SURLYN」の商標で販売した。SURLYNカバーを組み込んだゴルフボールは全般的には米国特許第3,454,280号に説明されている。SURLYN樹脂に基礎を置くカバー組成物は、製造されるカバーがバラタカバーに較べて剪断および摩耗耐性があるという点で有利である。SURLYN樹脂カバーを組み込んだゴルフボールがバラタカバーボールに較べてより剪断耐性があることはプレーヤに広く知られているけれども、これらは、バラタカバーボールに較べて、伝統的にはゴルフボールに加えられるスピンが減少し、また、所望の「フィーリング」が生じにくい。
【0004】
DuPont社から販売されるSURLYN樹脂は、典型的には、亜鉛、リチウム、マグネシウム、またはナトリウムのイオンを含む。種々の物理特性の多くのSURLYNがDuPont社から販売されている。これら樹脂の物理特性は、DuPont社から容易に入手可能な技術冊子に説明されている。カバーストック材料としての種々のSURLYN樹脂の混合物も同様に有益である。カバー材料として使用して好適な混合物は米国特許第3,819,768号に説明されている。
【0005】
ゴルファーは、制御の目的で、ボールにバックスピンがかかるようにゴルフボールを打撃する。ゴルフボールの飛行やボール着地後の挙動を制御する目的でゴルファーがゴルフボールにバックスピンを掛けられるようにすることが望まれる。例えば、大きなバックスピンがあると、ボールが地表に落ちた瞬間に前方に転がるのではなく停止する。ゴルフボールにスピンを加える能力は、ゴルフボールカバーがゴルフクラブで打撃されたときのカバーの変形に関連する。一般的には、カバーが変形すればするほど、ボールにスピンを加えやすくなる。これは短いまたはウェッジショットの場合に的を得ている。
【0006】
したがって、SURLYNカバーのゴルフクラブの特性をバラタカバーのゴルフクラブの特性と組み合わせることが望まれる。例えば、ドライブ時にはスピンを小さくしてボールが「低スピン起動」をとるようにすることが望まれる。この結果として、典型的な高スピンレートのようにボールが高く上がってしまうことがなく、着地後にボールのロールが大きくなり最大距離を実現する。他方、アプローチショット、すなわちグリーンへの短いショットでは、スピンはボールの着地時の制御の上で不可欠である。スピンレートが大きいと、ボールがグリーンに当たったときに停止すなわち「すわる」ようになる。そのため、高スピンレートでは、ボールを直接にターゲットに当てることができる。低スピンレートでは、ボールがしばしば弾んでグリーンからはずれ、グリーンから「走り出る」ことになる。したがって、グリーンへのアプローチショットでは高スピンレートであることが好ましい。
【0007】
さらに、SURLYNカバーボールの耐久性をバラタカバーボールに組み合わせることが好ましい。
【0008】
典型的には、ゴルフボールカバー層は2つのプロセスのうちの1つで製造される。第1のプロセスは、半球の圧縮成型を含む。半球はつぎにコアの周りに配置されて、コアの周りで溶けるように圧縮成型され、ここでディンプルがカバーに付与される。カバーは、この後、仕上げ処理され、いずれの目視できる成型線や残留物が除去される。第2のプロセスは、後退可能ピン射出成型プロセスと呼ばれ、ピン上に位置決めされたコアの周りに直接にカバーを射出成型すること、カバー材料がコアを包囲したら直ちにピンを取り除くこと、被覆されたコアを取り出すこと、これを仕上げ処理して完成されたゴルフボールを形成することを含む。両方のカバー形成プロセスにおいて、カバーの射出成型はこの業界では知られた複数の技術を含む。これら技術は、一般的には、溶けた材料を強制的に金型の満たしてその形状をなすようにすること、これによって、カバーまたは半球を形成することを含む。金型の形状を実質的に保持するのに十分なほど材料を十分に冷やしたとき、金型から排出される。
【0009】
複数のカバー層を具備するゴルフボールに向けられた多くの特許もある。例えば、米国特許第4,431,193号は、多層カバーを具備するゴルフボールであって、内側層が硬く高曲げ弾性率のアイオノマー樹脂であり、外側層が柔らかい、低曲げ弾性率のアイオノマー樹脂であり、双方の層が発泡性アイオノマー樹脂を有してよいものに関する。
【0010】
米国特許第5,314,187号は、多層カバーを具備するゴルフボールであって、外側層が内側層の上に成型され、バラタおよびエラストマーのブレンドを有し、内側層はアイオノマー樹脂であるものに関する。
【0011】
米国特許第4,919,434号は、内側層および外側層を有し、各々が熱可塑性樹脂である、カバーを具備する、ゴルフボールに向けられている、
【0012】
米国特許第5,783,293号は、共射出成型プロセスによって形成される多層カバーを具備するゴルフボールを開示し、このゴルフボールカバーは、第1の材料の内側カバー層および外側カバー層と、それらの層の間の、第2の材料の中間層とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,431,193号明細書
【特許文献2】米国特許第5,314,187号明細書
【特許文献3】米国特許第4,919,434号明細書
【特許文献4】米国特許第5,783,293号明細書
【発明の開示】
【0014】
ゴルフボールはコアおよびカバーを有する。カバーは内側表面および外側表面を有し、第1の材料および第2の材料の混合物から製造され、第1の材料および第2の材料は、2またはそれ以上の熱可塑性材料のブレンドであり、外側表面の第1の材料の第1のパーセンテージが外側表面の第2の材料の第2のパーセンテージより大きい。
【0015】
この発明の1実施例では、カバーの外側表面はその表面で測定した第1の硬度を有し、内側表面はその表面で測定した第2の硬度を有し、これは第1の硬度と異なっており、また、カバーは、外側表面近くの第1の厚さと、カバー内において外側表面から50/50のブレンド点までとして測定される第2の厚さとを有し、第1の厚さに対する第2の厚さの比は、第1の材料のメルトフローに比例する。カバーの特性は第1の材料および第2の材料のメルトフローを可変させて変えることができる。
【0016】
ゴルフボールのカバー用に選択される材料は、つぎのグループから選択された1または複数のポリマーからなり、グループは、部分的にまたは十分に中和された熱可塑性アイオノマー、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能性スチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステル、メタローセンポリマー、熱可塑性ポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレンまたはプロピレンをベースにしたポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリルブタジエンポリマー、アクリル酸スチレン−アクリロニトリルポリマー、テレフタレートポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、強化ポリマー、尿素またはハイブリッド、シリコーンおよびシリコーンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、およびこれらのブレンドからなる。
【0017】
この発明の1つの実施例は、コアおよびカバーの間に中間層を提供し、これは、内側表面および外側表面を有し、第1の材料および第2の材料の混合物から製造され、外側表面の第1の材料の第1のパーセンテージが外側表面の第2の材料の第2のパーセンテージより大きい。
【0018】
ゴルフボールの実施例は、異種組成物の単一カバー層を具備するゴルフボールを製造する方法を提供する。この発明の1実施例は、1つの方法を説明し、ここでは、コアは1または複数の層を有し、このコアはその周りに予め成型された半球のカバーカップを配置し、各カバーカップは異なる樹脂材料の少なくとも2つの層を具備し、カバーカップが加熱され圧縮されて、それらカバーカップ中の樹脂材料が相互に混ざって材料に区別できないブレンドからなる単一のカバー層を形成するようになす。
【0019】
他の実施例においては、加熱および圧縮は通常のワンステップのゴルフボール圧縮成型プロセスにより実施され、これは約300°Fから600°Fの間の温度で加熱する。カップの混交は超音波エネルギー、電磁エネルギー、または赤外線放射の印加によって助長して良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】コアが2つの層でカバーされ、各層が相互に異なる特性を有する、この発明のゴルフボールを示す。
【図2】相対的に同一のメルトフローレートを具備する2つの層から形成されたゴルフボールカバー層の断面図である。
【図3】異なるメルトフローレートを具備する2またはそれ以上の層から形成されたゴルフボールカバーの断面図である。
【図4】外側カバーが共射出成型プロセスにより形成された3つの薄い層からなる、図1に従うゴルフボールを示す。
【図5】種々の密度および硬度の単一カバー中に混入可能とされる種々のフローレートの2つの材料を有する外側カバーの形成済み断面図である。
【図6】二重カバーで、共射出成型プロセスにより生成された2つの材料の3つの薄い層を有する内側カバーを呈する、この発明の1実施例に従うゴルフボールを示す。
【図7】内側カバーおよび外側カバーの双方が2つの異なる材料の3つの薄い層を有し、共射出成型により形成される、ゴルフボールを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
慣用的なゴルフボール構造においては、1またはそれ以上の異なる層の材料(同質的にブレンドされても純粋なものでもよい)が、ゴルフボールコアの周りに成型され、または鋳造されゴルフボールの部品層を形成する。複数のステップを採用して新しい1または異なる材料の複数の層を成型して多層構造が形成される。これらの層はそれらの間に明瞭な寸法上の境界を伴い、均質な実態として働き、相互にメッシュ状になったりブレンドされることがないように意図されている。しかしながら、この発明では、ゴルフボールのサブコンポーネントが、所定温度で相互にブレンドを受容可能な2または複数の熱可塑性材料層からなるように製造される。そして、このサブアッセンブリ部分(ゴルフ製造業界では「カップ」として知られる)は、現在、当業界で均質なカップが採用されるのと同様に、慣用的なゴルフボール圧力成型プロセスに組み込むことができる。
【0022】
図1を参照すると、ゴルフボール10は、図示のとおり、コア11と、一対の内側カップ12と、一対の外側カップ13とを具備しており、これらは当業界で周知の手段で提供されて良い。2つの層は異なる物理特性を有するけれども同一のメルトフロー数を有し、これにより、熱および圧力が加えられるときにこれら材料が混合可能になる。生成されたカバーは、選択された材料の寸法上未分明なブレンドからなる単一の熱可塑性カバー層であり、これらはその溶融特性に起因して一緒に流れ、これは図2に示す通りである。図2は形成された均質なカバー14が実質的に均質な混合物15からなることを示す。
【0023】
この発明の新規な側面は図3に示され、図3において、ここで形成されるカバー16は、異なるメルトフローを伴う内側カップ層および外側カップ層を採用した結果物である。この実施例において、カバー16は、その表面で測定された第1の硬度を伴う外側表面17とその表面で測定され第1の硬度と異なる第2の硬度を伴う内側表面18をもたらし、また、形成されたカバー16は、外側表面に近い第1の厚さt1と、外側表面からカバー16内の50/50ブレンド点までとして測定される第2の厚さt2を有し、第2の厚さt2の第1の厚さt1に対する比は第1の材料のメルトフローに比例する。カバー16の特性は第1の材料および第2の材料のメルトフローを変化させて変更できる。カバー16は、内側表面および外側表面を有し、2またはそれ以上の熱可塑性材料のブレンドである第1の材料および第2の材料の混合物から形成され、外側表面の第1の材料の第1のパーセンテージは、外側表面の第2の材料の第2のパーセンテージより大きいので、外側表面17の近くの密度は内側表面18の近くの密度と異なり、これは図3にも示される。通常、多くのゴルフボール応用では、外側表面17は好ましくは内側表面18より柔らかい。
【0024】
この発明の考え方および範囲内において適用可能な多数の層の組み合わせがある。例えば、先に説明したカバー層は中間層であってよく、カバー層がその周りに配置される。この発明の層を形成する多くの他の組み合わせや方法が以下に説明される。
【0025】
図4を参照すると、ゴルフボール20は図示のとおりコア21、外側カバー23、および内側カバー22を具備し、コア21は二重コアであってもよい。外側カバー23は3つの薄い層、すなわち、内側層27、中間層28、および外側層29からなり、これらは米国特許第5,783,293号明細書に説明される共射出成型マシーンおよびプロセスにより形成され、これはサンドイッチ射出成型マシーンを用い明瞭な2材料を生成する。
【0026】
外側カバー23のゴルフボール半球30は図5に示される。多層カバーは、他の手法、例えば、ラミネート、回転成型、ブロー成型、その他を組み入れて準備しても良い。層27、28、および29は0.005インチ程度の厚さで良い。この実施例において、層27および29は1つの材料から形成され、他方、層28はお互いに異なる特性を具備する他の材料から形成され、層の間の相互作用部分の量は2つの材料のフローレートに左右される。この発明の発明性のある考え方は、形成されたゴルフボール20は、その後に慣用的なワンステップゴルフボール圧縮成型プロセスにさらされるカバー半球23を有し、層27、28、および29が、圧縮成型プロセスにおいて温度および圧力が加えられるときに、流れて相互に入り込むことが可能になるという点である。これによって、選択された材料の寸法上不分明なブレンドを有する単一の熱可塑性カバー層が形成され、これら材料は、幾分、それらの溶融特性の結果として一体に流れたものである。所望の材料がより多く集中しているのはボールの表面および内側部分へ向かった部分であり、2つの間の中間の境界は2つのブレンドされた材料の異種の漸次的変化を有する。この実施例は、1つの材料の内側および外側層27、29が中間層28の周りをサンドイッチするゴルフボールを示すけれども、3つの層はそれぞれ3つの異なる物理特性の異なる材料であっても良い。
【0027】
図6は、図4で示したカバーの特徴を外側カバー層23でなく内側カバー層22に採用したボール30を示し、内側カバー層22は、内側層24、中間層25、および外側層26から成る。
【0028】
先に述べたように、この発明はいくつかの異なる材料層でカップを製造するけれども、複数の材料が、後続の成型プロセスに露出されたとたん、一緒に流れて、相互に良好に作用する複数の材料の異種の漸次的変化を形成することを意図している。例えば、より柔らかい材料はボールの外側表面に適用され、ショートゲームのスピンレート性能を向上させるけれども、この層は、ほとんど直ちに、より硬い材料へと変化し始め、これがドライバーのスキン抑制に寄与する。それら層の間には視覚可能な相違はなく、寸法上も、「柔らかい層」または「硬い層」は実際に存在せず、そらは、完全に、カバー全体に渡って、それら材料の間の可変的な異種ブレンドである。
【0029】
材料の遷移点および相互混合の程度は、選択された材料のメルトフローインデックスおよび化学組成に左右され、異なる材料のブレンドはこの態様で制御されて良い。しかしながら、意図するところは、これら材料が、寸法上、不分明な態様で、流体的に、また容易に、一緒にブレンドされるという点である。このブレンド作業は、予め形成しておいたカップ、または複数層を有するラミネートを、カップまたはラミネートを有する材料の混交を助長する高い温度で、圧縮成型することにより実現される。カップまたはラミネートは少なくとも2つの層、好ましくは少なくとも3つの層を有する。ポリマー鎖(先に説明した異種組成物を形成するため)の少なくとも部分的な混合および/または混交を助長するための、熱および圧力の印加に加えて、超音波エネルギー、電磁エネルギー、IRまたは任意の分子励起手段を用いて混合および/または混交を助長してよい。
【0030】
図4のボールを形成する圧縮方法は、3つまたはそれ以上の異なる層を具備する共射出成型のハーフシェルまたはカップによって「異種層」を形成することにより達成され、ここでは、最も内側の層および最も外側の層が同一の材料であり、中間層または第2の材料をサンドイッチする。つぎにコアが上側および下側の3層カップの中に位置づけられ、熱い金型(約300°Fから600°F)内に配置される。この金型は、2つの雌型の球形のハーフシェル(最終的にボールのディンプルを形成する突起があってもなくてもよい)からなり、この金型は閉じられる。これは所望の時間、温度等は、混合または混交の度合いによる。時間が長ければ長いほど、また温度が高ければ高いほど、一般に混交が助長される。
【0031】
材料の混交は、所望のゴルフボール特性を生成するために時間や温度を増加させて単一のステップまたは複数のステップでなされてよい。目的は、組成について漸次的な変化を具備し、もって硬度および弾性率の漸次的な変化を具備する単一層を形成することである。アイオノマー性の材料を使用するときには、カチオン、メルトフロー、中和の程度、およびイオン性可塑剤(使用するとき)のタイプおよびレベルが重要なファクターになることに留意されたい。例えば、リチウムのようなより小さなカチオンを使用すると、大きな移動度すなわち1つのポリマーから他のポリマーへの「イオンホッピング」が助長され、これによってより大きな混交性が助長されると考えられる。さらに、金属カチオンに加えて、またはそれに替えて、より移動度が大きなカチオン、例えばアミンを採用すると、より大きな混交性が助長される。脂肪酸、脂肪酸塩、または他の可塑剤は、1つのポリマーから他のポリマーへ「移動」する能力がより大きく、とくに、現存の利用可能なカチオンより過剰にこれを利用するときに顕著である。
【0032】
図7を参照すると、この発明の他の実施例が示され、この図において、完成されたゴルフボールが示される。この実施例は、2つのセットのカップにより包囲されたコア21を採用し、これらは、ボール赤道60の双方のサイドでコア21の上に配置される3つの層半球を有する内側セット22と、内側セットの上に配置される3つの層半球を有する外側セット23とである。内側セット22の各々は、第1の材料である内側層24および外側層26を有し、これらの層は中間層25を挟み込み、この中間層25は第1の材料と物理特性の点で異なる第2の材料から成る。カップの外側セット23の各々は、3つの層半球を具備し、これらは、第3の材料からなる内側層27および外側層29を有し、これらの層は中間層28を挟み込み、中間層28は第1の材料と物理特性の点で異なる第4の材料からなる。第1の材料と第2の材料とは同一であっても異なっていても良い。また、第2の材料と第4の材料とも同一であっても異なっても良い。
【0033】
内側半球はコアの上に圧縮成型され、圧縮成型は半球に圧力および熱を加え、これは当業界で知られている。コア21はソリッドポリブタジエンタイプのコア、または多層を具備するソリッドコア、または糸巻コアであると考えられる。第1の材料および第2の材料は各々1つ、またはそれ以上のポリマーを有すると考えられる。有益なポリマーは、熱可塑性アイオノマー、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能性スチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステル、メタローセンポリマー、熱可塑性ポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレンまたはプロピレンをベースにしたポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリルブタジエンポリマー、アクリル酸スチレン−アクリロニトリルポリマー、テレフタレートポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、強化ポリマー、またはこれらのブレンドを含む。上述したように、第1および第2の層は異なるポリマーであるべきであり、すなわち、異なる特性を有するポリマーであるべきである。
【0034】
最も好ましくは、第1の材料および第2の材料は、それぞれ、熱可塑性アイオノマーまたはバラタゴム、および、熱可塑性アイオノマーである。適切な熱可塑性アイオノマー樹脂は、任意数のオレフィンをベースにしたアイオノマーであり、これはそれぞれDuPont、およびExxonから商業的に入手可能なSURLYN(商標)およびIOTEK(商標)を含む。
【0035】
第1の材料、および/または第2の材料に関して好ましい材料は、モノオレフィンのポリマーに、炭素原子数が3から12の不飽和モノ−またはジ−カルボン酸およびそのエステルからなるグループから選択した1または複数の要素に関連して異種金属結合(cross metallic bond)を実現することにより取得される(ポリマーが不飽和モノ−またはジ−カルボン酸および/またはそのエステルの重量の1から50%を含む)アイオノマー樹脂である。より具体的には、この発明の、そのような酸含有エチレンコポリマーのアイオノマー要素は、E/X/Yコポリマーを含み、ここでEはエチレン、Xは、ポリマーの1−60(好ましくは、10−40、最も好ましくは10−25)重量パーセントの柔軟化コモノマー、例えばアクリレート、具体的には、エチレンアクリレート、イソブチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレート、Yはポリマーの5−35(好ましくは10−35、最も好ましくは10−21)重量パーセントのアクリル酸またはメタクリル酸であり、酸部分は1−90%(好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも約60%)がカチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、またはアルミニウム、またはそれらの組み合わせにより中和されてアイオノマーを製造する。リチウム、ナトリウム、マグネシウム、および/または、亜鉛が好ましい。具体的な酸含有エチレンコポリマは、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、およびエチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートを含む。好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、およびエチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
【0036】
アイオノマーを製造する態様は米国特許第3,262,272号に説明されるように当業界で周知である。そのようなアイオノマー樹脂はDuPont社からSURLYN(商標)の商標名の下で商業的に入手可能である。
【0037】
さらに、発泡ポリマー材料、具体的には、メタローセンをベースにした発泡樹脂は、この発明のカバー層に使用して好適である。
【0038】
さらに、第1又は第2の材料はバラタゴムまたは合成バラタであってよい。
【0039】
この発明において、第1の材料は、第2の材料と類似の融点すなわち反応熱(硬化)温度を有する。
【0040】
この発明で検討されるゴルフボールは圧縮成型方法を用いて構築された。しかしながら、このゴルフボールは後退可能ピン射出成型プロセスによって構築できることは当業者には明らかであり、これはピン上に位置決めされたコアの周りに直接にカバーを射出成型するものである。カバー材料がコアを包囲し、コアが動かない程度に固形化されると、ただちに、ピンは取り外される。このプロセスにおいては、圧縮成型シーム60は除去できる。カバー材料が硬くなった後、カバーを付されたコアが取り出され、仕上げ処理され、完成ゴルフボールが形成される。ここで説明したことに基づけば、標準的な後退可能ピン射出成型プロセスに加えられる修正は、当業者には明らかであろう。
【0041】
オプションとして、内側層の1またはそれ以上の層は湿気バリア層として働く材料であってよく、このバリア層は、コア21による蒸気取得によるCOR値の減少を阻止する。好ましくは、複数の中間層の1つが湿気バリア層として働いて良く、より好ましくは、中間層が湿気バリアとして働く。湿気バリア層の使用は、米国特許第6,632,147号に説明され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0042】
湿気バリア層の水蒸気透過率は外側カバー層のそれよりも小さくなくてはならず、より好ましくは、Surlin(商標)のようなアイオノマー樹脂の水蒸気透過率より小さくなくてはならず、これは約0.45〜約.95グラム・パー・mm/m・パー日である。水蒸気透過率は、単位面積あたり、単位時間あたり、所定の厚さの材料に拡散する水蒸気の重量として定義される。水蒸気透過率を測定するための好ましい標準は、「Standard Test Method for Water Vapor Transmission Rate Through Plastic Film and Sheeting Using Modulated Infared Sensor」という表題のASTM F1249−90、および、「Standard Test Method for Water Vapor Transmission Rate of Flexible Barrier Materials Using anInfared Detection Technique」という表題のASTM F372−99、その他を含む。
【0043】
コアおよびカバー層の充填処理(または発泡その他の比重削減処理)を通じて慣性モーメントを操作することにより、距離およびスピンのさらなる改善が期待できる。低比重のコアおよび層は、低比重がゴルフボールの柔らかな圧縮や弾性に寄与するかぎり、多くの適切な材料から製造できる。この材料は、エポキシ、ウレタン、ポリエステルまたは他の適切な熱硬化性バインダのポリマーマトリックス中に中空の球状フィラーを含ませた熱硬化性シンタクチック発泡体からのものでよい。ここで、硬化した組成物の比重は1.1g/cc未満であり、好ましくは1.0g/cc未満である。さらに、任意の数の発泡性またはその他の比重削減用の熱可塑性または熱硬化性ポリマーまたは発泡剤、例えば、米国特許第5,824,746号および同第6,025,442号に説明されるメタローセン触媒ポリマーおよびそのブレンドを用いることもでき、その内容については参照してここに組み入れる。さらに、ニュークリーテッド反応射出成型または注型されたポリウレタンのような、比重が1.3g/cc未満の熱硬化性ポリウレタン組成物も採用できる。そのような組成物は気体充填またはセル状固化層をもたらしてよい。
【0044】
米国特許第5,971,870号に検討されるように、フィラーは典型的には、実際、細かな分割された形態であり、そのようなものであってよく、この内容は参照してここに組み入れる。例えば、ファイバやフロックを除いて、サイズは約20メッシュ未満(米国基準サイズ)、好ましくは約100メッシュ未満であり、ファイバやフロックは一般的に長く、そのサイズはプロセスを容易にするのに充分な程度に小さくなければならない。フィラーの粉末サイズは、所望の作用、コスト、添加の容易性、および散粉上の考慮に左右される。フィラーは、好ましくは、沈降水和シリカ、クレー、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタ珪酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、ケイ酸塩、炭化珪素、珪藻土、ポリ塩化ビニル、炭酸塩、金属、金属合金、炭化タングステン、金属酸化物、金属ステアリン酸塩、粒子炭素質材料、マイクロバルーン、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される。適切な非限定的なフィラーの例、密度、およびその好ましい使用は以下のとおりである。
【0045】
フィラータイプ/比重/用途
沈降水和シリカ/2.0/1および2
タルク/2.85/1および2
アスベスト/2.5/1および2
ガラス繊維/2.55/1および2
アラミド繊維(KEVLAR .RTM./1.44/1および2
マイカ/2.81/1および2
メタ珪酸カルシウム/2.9/1および2
硫酸バリウム/4.6/1および2
硫化亜鉛/4.1//1および2
リトポン/4.2−4.3/1および2
ケイ酸塩/2.1/1および2
炭化珪素パテレット/3.18/1および2
炭化珪素ウィスカー/3.21/1および2
炭化タングステン/15.6/1
酸化タングステン/5.8/1
珪藻土/2.3/1
ポリ塩化ビニル/1.41/1および2
炭酸カルシウム/2.71/1および2
炭酸マグネシウム/2.20/1および2
金属および合金(粉末)
チタン/4.51/1
タングステン/19.35/1
アルミニウム/2.70/1
ビスマス/9.78/1
ニッケル/8.90/1
モリブデン/10.2/1
鉄/7.86/1
スチール/7.8−7.9/1
鉛/11.4/1および2
銅/8.94/1
真鍮/8.2−8.4/1
ホウ素/2.34/1
炭酸ボロンウィスカー/2.52/1および2
青銅/8.70−8.74/1
コバルト/8.92/1
ベリリウム/1.84/1
亜鉛/7.14/1
錫/7.31/1
金属酸化物
酸化亜鉛/5.57/1および2
酸化鉄/5.1/1および2
酸化アルミニウム/4.0
酸化チタン/3.9−4.1/1および2
酸化マグネシウム/3.3−3.5/1および2
酸化ジルコン/5.73/1および2
金属ステアリン酸塩
亜鉛ステアリン酸塩/1.09/3および4
リチウムステアリン酸塩/1.01/3および4
マグネシウムステアリン酸塩/1.03/3および4
粒子炭素質材料
グラファイト/1.5−1.8/1および2
カーボンブラック/1.8/1および2
天然歴青/1.2−1.4/1および2
コットンフロック/1.3−1.4/1および2
セルロースフロック/1.15−1.5/1および2
レザー繊維/1.2−1.4/1および2
マイクロバルーン
ガラス/0.15−1.1/1および2
セラミック/0.2−0.7/1および2
フライアッシュ/0.6−0.8/1および2
カップリング剤、接着助長剤
チタネート/0.95−1.11
ジルコネート/0.92−1.11
シラン/0.95−1.2
1は、内側カバー層の密度を調整するのに特に有益であり、2は内側カバー層の曲げ弾性率を調整するのに特に有益である。
【0046】
この発明では、4ないし6個のカバー層を有する多重カバーを可能にする。6つのカバー層は4つ程度の異なる材料組成物を含んでよい。広い範囲の基本となる材料に先の密度修正材料を加えて、広範囲の密度および硬度の勾配を広い範囲に渡って実現できる。
【0047】
ここで説明したこの発明の事例的な実施例が上述の目的を達成できることは明らかであるけれども、当業者が多数の修正や他の実施例を実現できることに留意されたい。すべてのそのような実施例は添付の特許請求の範囲によりカバーされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0048】
10 ゴルフボール
11 コア
12 内側カップ
13 外側カップ
14 カバー
15 混合物
16 カバー
17 外側表面
18 内側表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアおよびカバーを有するゴルフボールにおいて、カバーは内側表面および外側表面を具備し、第1の材料および第2の材料の混合物から形成され、かつ、上記外側表面の第1の材料のパーセンテージが上記外側表面の上記第2の材料の第2のパーセンテージより大きいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記第1の材料および上記第2の材料は2またはそれ以上の熱可塑性材料のブレンドである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記外側表面はその表面で測定された第1の硬度を有し、上記内側表面はその表面で測定された第2の硬度を有し、上記第2の硬度は上記第1の硬度と異なる請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記カバーは第1の厚さと、上記外側方面から上記カバー内の50/50ブレンド点まで伸びる第2の厚さとを有し、上記第2の厚さの上記第1の厚さに対する比が、上記第1の材料のメルトフローに比例する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記第2の材料のメルトフローは上記第1のメルトフローより大きい請求項4記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記第1の材料のメルトフローは上記第2の材料のメルトフローより大きく、上記第1の材料のメルトフローが上記第2の材料との関係で増大すると上記第2の厚さのブレンド厚さが減少する請求項4記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記カバーの材料は、部分的にまたは十分に中和された熱可塑性アイオノマー、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能性スチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステル、メタローセンポリマー、熱可塑性ポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレンまたはプロピレンをベースにしたポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリルブタジエンポリマー、アクリル酸スチレン−アクリロニトリルポリマー、テレフタレートポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、強化ポリマー、尿素またはハイブリッド、シリコーンおよびシリコーンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、およびこれらのブレンドからなるグループから選択される1またはそれ以上のポリマーを有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記コアは、1より多くの層を有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記コアは糸巻コアである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項10】
上記コアは二重コアである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項11】
jコアと、
熱硬化性ポリウレタンを有するカバーと、
上記コアおよび上記カバーの間の中間層とを有し、
上記中間層は、内側表面および外側表面を具備し、第1の材料および第2の材料の混合物から形成され、かつ、上記外側表面の第1の材料のパーセンテージが上記外側表面の上記第2の材料の第2のパーセンテージより大きいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項12】
上記第1の材料および上記第2の材料は2またはそれ以上の熱可塑性材料のブレンドである請求項11記載のゴルフボール。
【請求項13】
上記外側表面はその表面で測定された第1の硬度を有し、上記内側表面はその表面で測定された第2の硬度を有し、上記第2の硬度は上記第1の硬度と異なる請求項11記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記中間層は第1の厚さと、上記外側方面から上記中間層内の50/50ブレンド点まで伸びる第2の厚さとを有し、上記第2の厚さの上記第1の厚さに対する比が、上記第1の材料のメルトフローに比例する請求項11記載のゴルフボール。
【請求項15】
上記第2の材料のメルトフローは上記第1のメルトフローより大きい請求項14記載のゴルフボール。
【請求項16】
上記第1の材料のメルトフローは上記第2の材料のメルトフローより大きく、上記第1の材料のメルトフローが上記第2の材料との関係で増大すると上記第2の厚さのブレンド厚さが減少する請求項14記載のゴルフボール。
【請求項17】
上記中間層の材料は、部分的にまたは十分に中和された熱可塑性アイオノマー、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能性スチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステル、メタローセンポリマー、熱可塑性ポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレンまたはプロピレンをベースにしたポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリルブタジエンポリマー、アクリル酸スチレン−アクリロニトリルポリマー、テレフタレートポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、強化ポリマー、尿素またはハイブリッド、シリコーンおよびシリコーンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、およびこれらのブレンドからなるグループから選択される1またはそれ以上のポリマーを有する請求項11記載のゴルフボール。
【請求項18】
異種の組成物の単一カバー層を具備するゴルフボールを製造する方法において、
コアを準備するステップと、
係合する半球の予め成型された一対のカバーカップであって、それぞれが少なくとも2つの層を有し、各層が異なる樹脂材料から成る上記一対のカバーカップを、上記コアの回りに配するステップと、
上記カバーカップ中の上記樹脂材料が相互に混交して上記材料の不分明なブレンドを有する単一カバー層を形成するように上記カバーカップを加熱・圧縮するステップとを有することを特徴とする上記方法。
【請求項19】
上記加熱・圧縮は慣用的なワンステップゴルフ圧縮成型プロセスにより実行される請求項18記載の方法。
【請求項20】
上記加熱は約300°Fから約600°Fの間の温度で行われる請求項18記載の方法。
【請求項21】
上記カップの上記の混交は超音波エネルギ、電磁エネルギ、または赤外線エネルギの印可により助長される請求項18記載の方法。
【請求項22】
上記予め成型されたカバーカップはラミネーション、共射出成型、または回転成型により製造される請求項18記載の方法。
【請求項23】
上記層の上記材料は、部分的にまたは十分に中和された熱可塑性アイオノマー、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能性スチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステルエステル、メタローセンポリマー、熱可塑性ポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、エチレンまたはプロピレンをベースにしたポリマー、メチルアクリレート、メチルメタクリレートポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、アクリロニトリルブタジエンポリマー、アクリル酸スチレン−アクリロニトリルポリマー、テレフタレートポリマー、エチレン−ビニルアルコールポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、強化ポリマー、尿素またはハイブリッド、シリコーンおよびシリコーンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、およびこれらのブレンドからなるグループから選択される1またはそれ以上のポリマーを有する請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115641(P2012−115641A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−225484(P2011−225484)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY