説明

発光装置及び照明器具

【課題】発光面の光の均一性を確保し得る発光装置及びこの発光装置を備えた照明器具を提供すること。
【解決手段】本発明は、同形状の複数の単位基板21aが組み合わされて構成された基板21と、この基板21の略中央部を中心とする略円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に並べられて実装された複数の発光色の発光素子22とを備え、前記単位基板21aには、複数の発光色のうち1色あたり同じ個数ずつ発光素子22が実装されており、前記単位基板21aの合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、異なる発光色の発光素子22が配置されているとともに、これら相互の発光素子22間の離間距離は、単位基板21aにおける隣接する相互の発光素子22間の離間距離と等しいことを特徴とする発光装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、LED等の発光素子を光源とする発光装置及びこの発光装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。この照明器具は、LEDを基板に複数実装して所定の明るさを得るようにしたもので、例えば、天井面等に直接的に取付けられる、いわゆる直付けタイプのベース照明として用いられている。
【0003】
一方、生活様式の多様化に伴って、これら照明器具に求められる機能としては、単に、周囲を明るく照らすのみではなく、周囲の環境や光が生体に与える影響等を考慮して、使用者の快適性を充足することが望まれている。
【0004】
このため、例えば、発光色の異なる複数のLEDを光源として、この複数の光源の発光強度をそれぞれ調整し、これらの光を混色して色温度を変化させるようにした照明器具が提案されている。このような照明器具において、LEDが複数実装された基板を複数に分割し、これら分割された基板を組み合わせて全体として一つの発光面を構成する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−117080号公報
【特許文献2】特開2009−26672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この場合、LEDの点灯状態において、分割された基板の合わせ目の部分で不自然な見え方を呈し、発光面全体として光の均一性が劣るという問題が発生する可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、発光面の光の均一性を確保し得る発光装置及びこの発光装置を備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による発光装置は、同形状の複数の単位基板が組み合わされて構成された基板と、この基板の略中央部を中心とする略円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に並べられて実装された複数の発光色の発光素子とを備えている。
【0008】
また、前記単位基板には、複数の発光色のうち1色あたり同じ個数ずつ発光素子が実装されており、前記単位基板の合わせ目を境として隣接する単位基板における隣接する発光素子は、異なる発光色の発光素子が配置されているとともに、これら相互の発光素子間の離間距離は、単位基板における隣接する相互の発光素子間の離間距離と等しいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、発光面の光の均一性を確保し得る発光装置及びこの発光装置を備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を示す前面側の分解斜視図である。
【図3】同照明器具を示す背面側の分解斜視図である。
【図4】同照明器具において、セード及び光源部カバーを取外して示す平面図である。
【図5】同照明器具を示す背面側の斜視図である。
【図6】同照明器具を示す背面側の平面図である。
【図7】同照明器具を示す縦断面図である。
【図8】同照明器具において、主光源部(発光装置)を模式的に示す平面図である。
【図9】同じく、照明器具において、主光源部(発光装置)を模式的に示す平面図である。
【図10】同照明器具を天井面に取付けた状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る主光源部(発光装置)を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図10を参照して説明する。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
【0013】
照明器具は、器具本体1と、主光源部2と、点灯装置3と、センター部材4とを備えている。さらに、照明器具は、アダプタガイド5と、光センサ6と、セード7と、カバー部材8と、間接光光源部9と、弾性部材10とを備えている。また、器具取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタAを備えている(図10参照)。このような照明器具は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。これらの構成要素について順次説明する。
【0014】
図2乃至図7に示すように、本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成されたシャーシであり、略中央部に、後述するアダプタガイド5が配置される円形状の開口11が形成されている。この開口11は、円形状の一部が外方に突出してアダプタガイド5の外形と略等しい形状に形成されている。
【0015】
開口11の外周側には、四角形状で角部がR形状をなし、背面側へ突出した突出部12が形成されている。また、この突出部12の外周側には、前面側へ突出した円形環状の突出部13が形成されている。さらに、この突出部13の外周側には、突出部13と半径方向に連続するように背面側に突出、換言すれば、前面側に凹部を形成する円形環状の突出部14が形成されている。
【0016】
突出部14によって形成される凹部には、セード7が着脱可能に取付けられるセード受金具75が配置されている。これら突出部12、13、14は、主としてシャーシに取付けられる部材の取付部として機能し、また、シャーシの強度を補強する機能や放熱面積を増加する機能を有している。
【0017】
なお、本体1は、本実施形態においては、シャーシが該当するが、ケース、反射板やベースと指称されるものであってもよい。一般的には、主光源部2が直接的又は間接的に配設される部材や部分を意味しており、格別限定的に解釈されるものではない。
【0018】
主光源部2は、図2、図4及び図7に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えて発光装置を構成している。基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状であって同形状の複数、具体的には4枚の単位基板21aが90度の回転対称で繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、略扇形形状であって複数の分割された同形状の単位基板21aが組み合わされて構成されている。
【0019】
このように分割された単位基板21aを用いることにより、単位基板21aにおける相互の合わせ目(分割部)Dで熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。また、基板部材の材料取りが効率的に行え、コスト的に有利であるとともに、部材が小形化されるので取扱いが容易となる。
【0020】
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターンが形成されている。発光素子22は、この配線パターンに電気的に接続されるようになっている。また、配線パターンの上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。
【0021】
なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
【0022】
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、複数列、本実施形態では、基板21の略中央部を中心とする半径の異なる略同心円の周上に3列に亘って実装されている。つまり、内周側の列、外周側の列及び、これら内周側の列と外周側の列との中間の列に亘って実装されている。
【0023】
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成されたキャビティに配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0024】
内周側の列及び外周側の列に実装されているLEDパッケージには、発光色が電球色(L)のものと白色(W)のものとが用いられており、これらが円周上に一定の順序で略等間隔を空けて交互に、例えば、電球色(L)のものと白色(W)のものとが順に時計方向に並べられて配設されている。具体的には、単位基板21aにおいて、内周側の列には、発光色が電球色(L)のものが10個、白色(W)のものが10個で合計20個のLEDパッケージが実装され、外周側の列には、発光色が電球色(L)のものが14個、白色(W)のものが14個で合計28個のLEDパッケージが実装されている。
【0025】
LEDチップは、青色光を発光するLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、電球色(L)、白色(W)の白色系の光を出射できるようにするために、主として青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
【0026】
中間の列に実装されているLEDパッケージには、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するものが用いられている。したがって、LEDチップは、それぞれ赤色、緑色、青色の光に発光するLEDチップであり、これらLEDチップがモールド用の透光性樹脂によって封止されている。
【0027】
これら赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、円周上に順次、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と一定の順序で交互に繰り返して略等間隔を空けて例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の順に時計方向に並べられて配置されている。具体的には、単位基板21aにおいて、発光色が赤色(R)のものが12個、緑色(G)のものが12個、青色(B)のものが12個で合計36個LEDパッケージが実装されている。
【0028】
なお、LEDパッケージにおける赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の配列は、一定の順序であれば、特定されず、例えば、緑色(G)、赤色(R)、青色(B)の順に配列してもよい。
【0029】
このように半径の異なる略同心円の周上に列をなして電球色(L)、白色(W)に発光する複数の発光素子22が配設され、前記円と略中心を同じくする円の周上であって、前記電球色(L)、白色(W)に発光する発光素子22の列間に列をなして赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する複数の発光素子22が配設されている。
【0030】
したがって、発光色の異なる複数の発光素子22、すなわち、電球色(L)、白色(W)、(L)赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22が配設されているので、これらが混光されることにより表現可能な光色の範囲が広く、発光素子22の出力を調整することにより光色を適宜調色することが可能となる。
【0031】
以上のように単位基板21aにおける内周側の列、中間の列及び外周側の列には、複数の発光色のうち1色あたり同じ個数ずつ発光素子22が実装されている。また、単位基板21aの合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、異なる発光色の発光素子22が実装されているとともに、これら相互の発光素子22間の離間距離S1は、単位基板における隣接する相互の発光素子間の離間距離S2と等しくなるように構成されている。
【0032】
つまり、単位基板21aの合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、電球色(L)、白色(W)又は赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と一定の順序で交互に並べられている結果、内周側の列及び外周側の列については、異なる発光色の発光素子22として電球色(L)発光の発光素子22と白色(W)発光の発光素子22とが隣接されるようになる。また、中間の列については、青色(B)発光の発光素子22と赤色(R)発光の発光素子22とが隣接されるようになる。
【0033】
したがって、このように構成された単位基板21aは、いずれの単位基板21aを組み合わせたとしても、合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、異なる発光色の発光素子22が配置されるようになる。このため、単位基板21aの合わせ目Dの部分において、光が不自然に見えてしまうことを回避でき、発光面全体として均一性を確保することができる。
【0034】
仮に、単位基板21aに実装される発光素子22において、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、赤色(R)と配置された場合には、合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、赤色(R)、赤色(R)と同色のものが重複して隣接して並ぶこととなり、光の見え方が不自然な部分が生じ、発光面全体としての均一性の確保が困難となる。
【0035】
これを図8及び図9を参照して具体的に説明する。図8及び図9は、説明上、光源部2、すなわち、基板21と、この基板21に実装された発光素子22とを簡略化して模式的に示している。
【0036】
図8において、全体として略サークル状に形成された基板21は、略扇形形状であって複数の分割された同形状の単位基板21aが組み合わされて構成されている。また、基板21の略中央部を中心とする円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に複数の発光色の発光素子、すなわち、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)発光の発光素子22が並べられて実装されている。
【0037】
ここで、単位基板21aの数をk、基板21の中心Oから発光素子22までの距離をr、単位基板21a間の合わせ目Dにおける距離をc、発光素子22の発光色数をm、複数の発光色のうち1色あたりの発光素子22の個数をnとした場合、複数の発光色のうち1色あたり単位基板21aには、n/k個(n/kは整数)の発光素子22が実装される関係にある。
【0038】
また、単位基板21aの端部に実装された発光素子22を起点として円周上におけるj色目(j=1〜m、一定の順序で並べられた発光色数のうちの順番)であって、同発光色のうちi個目(i=1〜n/k、同じ発光色のうちの順番)の発光素子22は、単位基板21aの端部から円周上における距離をLとすると、距離Lは、以下の式1から算出することができる。
【0039】
【数1】

【0040】
この式1に従って、単位基板21aに発光素子22を配置するように設計し、この単位基板21aを組み合わせることにより、単位基板21aの合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、異なる発光色の発光素子22が配置されるとともに、これら相互の発光素子22間の離間距離S1は、単位基板における隣接する相互の発光素子間の離間距離S2と等しくすることができる。
このため、単位基板21aの合わせ目Dの部分において、光が不自然に見えてしまうことを回避でき、発光面全体として均一性を確保することができる。
【0041】
次に、この式1に従って、図8に示す例えば、左上の単位基板21aにおける右端部の青色(B)発光の発光素子22Bについて距離Lを算出してみる。複数の発光色のうち1色あたりの発光素子22の個数nは、単位基板21aにおいての1色あたりの個数は2個であり、単位基板21aの数kは4であるから2×4=8個となる。発光素子22の発光色数mは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)発光の3色の発光素子22が並べられているので3である。
【0042】
また、同発光色のうちi個目は、青色(B)発光の発光素子22Bは、単位基板21aの端部に実装された発光素子22を起点とすると、青色(B)としては、2個目となるため、iは2となる。j色目は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と並べられた発光素子22のうち、青色(B)は3色目となるため、jは3となる。
したがって、以下のように青色(B)発光の発光素子22Bについて距離Lが算出でき配置を規定することができる。
【0043】
【数2】

このように各発光素子22の距離Lを算出することができ配置を規定することが可能となる。
【0044】
因みに、式1において、2πr/nmは、各発光素子22の離間距離S1、S2を示している。そして、第1項の1/2((2πr/nm)−c)は、単位基板21aの端部から最初の発光素子22までの距離aを示している。したがって、第2項の(2πr/nm)×(m×(i−1)+j−1)は、残余の距離bを示しており、この距離aと距離bとの和が特定の発光素子22の円周上における距離Lとなり位置となる。
【0045】
次に、図9においては、図4に示す形態と同様に、内周側の列及び外周側の列には、発光色が電球色(L)と白色(W)の発光素子22が用いられており、これらが円周上に一定の順序で略等間隔を空けて交互に配設されている。また、中間の列には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22が用いられており、これらが円周上に一定の順序で略等間隔を空けて交互に配設されている。
【0046】
図9に示す例えば、左上の単位基板21aにおける外周側の列の端部から6個目の発光素子22Wについて距離Lを算出してみる。複数の発光色のうち1色あたりの発光素子22の個数nは、単位基板21aにおいての1色あたりの個数は4個であり、単位基板21aの数kは4であるから4×4=16個となる。発光素子22の発光色数mは、電球色(L)、白色(W)発光の2色の発光素子22が並べられているので2である。
【0047】
また、同発光色のうちi個目は、白色(W)としては、3個目となるため、iは3となる。j色目は、電球色(L)、白色(W)と並べられた発光素子22のうち、白色(W)は2色目となるため、jは2となる。
したがって、以下のように白色(W)発光の発光素子22Wについて距離Lが算出でき配置を規定することができる。
【0048】
【数3】

【0049】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0050】
このように構成された主光源部2は、図7に代表して示すように、基板21が本体1の開口11の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が本体1の内面側に密着するように例えば、ねじ等の固定手段によって取付けられている。したがって、基板21は、本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から本体1に伝導され放熱されるようになっている。
【0051】
なお、基板21は、本体1に直接的に取付けられて配設される場合であっても、他の部材を介して間接的に取付けられて配設される場合であってもよく、その配設態様が格別限定されるものではない。
【0052】
図2及び図7に示すように、主光源部2の前面側には、光源部カバー25が配設されている。光源部カバー25は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
【0053】
したがって、発光素子22から出射される光は、光源部カバー25を透過するようになる。また、基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が光源部カバー25によって覆われ絶縁性が確保される。
【0054】
点灯装置3は、図3及び図7に代表して示すように、回路基板31と、この回路基板31に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品32とを備えている。回路基板31は、中央部の周囲を囲むように板状に形成されていて、その表面側に回路部品32が実装されている。
【0055】
回路基板32には、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
【0056】
このような点灯装置3は、点灯装置カバー35に取付けられ覆われて、本体1の背面側に配置されるようになる。この場合、回路基板31は、回路部品32が前面側(図示上、下方側)に向けられて取付けられる。
【0057】
点灯装置カバー35は、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略四角形の短筒状に形成され、側壁35aは、前面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、背面壁35bの中央部には、開口35cが形成されている。
この点灯装置カバー35は、図3、図5乃至図7に示すように、前面側のフランジがシャーシの突出部12に載置され、ねじ止めされて取付けられる。
【0058】
センター部材4は、図2、図4及び図7に示すように、PBT樹脂等の合成樹脂材料で作られ、略短円筒状に形成されており、中央部に引掛けシーリングボディCbに対向する開口41を有している。また、開口41の周囲には、環状の空間部42が形成されていて、この空間部42には、後述する光センサ6が配設されるようになっている。さらに、センター部材4の前面壁には、光センサ6の受光部と対向する受光窓43が形成されている。
【0059】
このように構成されたセンター部材4は、主として図7に示すように、背面側のフランジが光源部カバー25を介してシャーシにねじ止めされて取付けられている。なお、センター部材4は、シャーシに直接的又は間接的に取付けることができ、その具体的な取付構成が限定されるものではない。
【0060】
アダプタガイド5は、アダプタAが挿通し係合する部材である。アダプタガイド5は、図3及び図7に示すように、略円筒状に形成され、中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられている。このアダプタガイド5は、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。
【0061】
光センサ6は、図7に示すように、照度センサであり、フォトダイオード等のセンサ素子からなっていて、周囲の明るさを検知して検出信号を出力するように動作する。これにより、周囲が明るい場合には、主光源部2、すなわち、発光素子22を調光(減光)して点灯するように制御する。
【0062】
光センサ6は、基板に実装され、その受光部が受光窓43に対向するようにセンター部材4の空間部42内に配設され取付けられている。より詳しくは、基板がセンター部材4のボスにねじ止めされ、光センサ6が案内筒に収容され、その受光部が受光窓43に対向するように配設される。
【0063】
セード7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には円形状の開口71が形成されている。また、セード7の外周部には、セード化粧枠7aが取付けられていて、このセード化粧枠7aは、アクリル樹脂等からなる透明材料から形成されている。
【0064】
そして、セード7は、主光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、セード7を回動することによって、セード7に設けられたセード取付金具74を、本体1の突出部14によって形成された凹部に設けられたセード受金具75に係合することにより取付けられる。
【0065】
また、セード7を取外す場合には、セード7を取付時とは反対方向に回動して、セード取付金具74とセード受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
【0066】
なお、セード7は、本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるように構成することが好ましいが、本体1にねじ等の固定手段によって固定するように構成してもよい。光源として発光素子22を用いて長寿命化が期待できる照明器具にあっては、メンテナンスのために光源を交換したり、内部を掃除したりする必要性が少ないためである。
【0067】
カバー部材8は、図2及び図7に示すように、透明のアクリル樹脂等の材料から円形状に形成されている。このカバー部材8は、セード7の開口71に対応し、センター部材4の前面壁に取付けられて、センター部材4の開口41を覆って閉塞するように配設される。また、カバー部材8には、光センサ6の受光窓43と対向する円形状の透過部81が形成されている。
なお、カバー部材8の前面側には、少なくとも透過部81を残して不透光性のフィルム材等を貼着することが望ましい。
【0068】
間接光光源部9は、本体1の背面側に配設されていて、主として天井面を明るく照らす機能を有している。図3、図5乃至図7に示すように、間接光光源部9は、アダプタガイド5の周囲、換言すれば、本体1における開口11の周囲に位置して複数個配設されており、基板91と、この基板91に実装された複数の発光素子92とを備えている。
この発光素子92が実装された基板91が前記点灯装置カバー35の側壁35aにおける4箇所に取付けられている。
さらに、各間接光光源部9は、箱状の透光性のカバー93に覆われるようになっている。
【0069】
発光素子92は、前記主光源部2と同様に、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。そして、発光素子92は、点灯装置3に接続されて点灯制御されるようになっている。
【0070】
弾性部材10は、前記複数の各間接光光源部9の取付位置に対応して、その近傍に取付けられている。弾性部材10は、照明器具が器具取付面としての天井面Cに取付けられた状態において、天井面Cとの間に介在するように配設される部材である(図10参照)。
【0071】
具体的には、弾性部材10は、ステンレス鋼等の材料からなる金属製のばね部材であり、点灯装置カバー35の背面側に各間接光光源部9の取付位置に対応して取付けられている。
【0072】
アダプタAは、図10に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置3へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置3とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0073】
次に、照明器具の天井面Cへの取付状態について図10を参照して説明する。まず、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。照明器具のカバー部材8を取外した状態において、アダプタガイドの係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口51に確実に係合するまで器具本体1を弾性部材10の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
次いで、カバー部材8を取付け、引掛けシーリングボディCbに対向するセンター部材4の中央部の開口41を覆って閉塞する。
【0074】
この状態においては、弾性部材10が弾性変形して、天井面Cに弾性的に当接している。 したがって、弾性部材10が器具本体1の背面側である点灯装置カバー35の背面側と天井面Cとの間に、圧縮方向の弾性変形を伴って介在され、照明器具本体1は、弾性部材10のばね作用によって天井面Cに確実に保持されて取付けられた状態となる。
【0075】
また、照明器具を取外す場合には、カバー部材8を取外し、センター部材4の開口41を通じてアダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0076】
照明器具の天井面Cへの取付状態において、点灯装置3に電力が供給されると、主光源部2における基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から前面側へ出射された光は、光源部カバー25を透過し、セード7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、所定の配光範囲で下方が照明されるようになる。
【0077】
この場合、単位基板21aの合わせ目Dを境として隣接する単位基板21aにおける隣接する発光素子22は、発光色が重なることなく、異なる発光色の発光素子22が配置されている。また、これら相互の発光素子22間の離間距離S1は、単位基板における隣接する相互の発光素子間の離間距離S2と等しくなるように構成されている。
したがって、光が不自然に見えてしまうことを回避でき、発光面全体として均一性を確保することができる。
【0078】
また、これと同時に、間接光光源部9に通電されると、各発光素子92が点灯し、発光素子92から斜め上方に出射された光は、透光性のカバー93を透過し、アダプタガイド5の周囲から放射されるように、主として天井面に照射される。したがって、天井面が明るくなり、空間の明るさ感を向上させることができる。
さらに、これら主光源部2及び間接光光源部9は、周囲の明るさを検知して検出信号を出力する光センサ6によって、その点灯状態が制御される。
【0079】
一方、発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が本体1と熱的に結合しているため、本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。また、本体1には、突出部12、13、14が形成されているため、放熱面積を増大させることができ、一層放熱効果を高めることが可能となる。
【0080】
加えて、本体1の突出部12には、点灯装置カバー35が載置され取付けられているので、本体1から点灯装置カバー35に熱が伝導され放熱が促進される。また、間接光光源部9の発光素子92から発生する熱は、基板91の裏面側から点灯装置カバー35の側壁35aに伝導され、さらに、弾性部材10へも伝わり、放熱される。
以上のように本実施形態によれば、発光面の光の均一性を確保し得る発光装置及び照明器具を提供することができる。
【0081】
次に、第2の実施形態について図11を参照して説明する。図11は、主光源部2としての発光装置を示している。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0082】
主光源部2は、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えている。第1の実施形態においては、基板21は、所定の幅寸法を有した円弧状に形成されたものについて説明したが、本実施形態では、外周側を角形に形成し、全体として多角形、具体的には、略四角形状に形成されている。
【0083】
このような形状の基板21の場合においても、同形状の複数の単位基板21aを組み合わせて構成することができる。この場合、複数の発光色の発光素子22を四角形状の基板21の略中央部を中心とする円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に並べて実装することができ、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0084】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、複数の発光素子は、基板の略中央部を中心とする略円周上に実装されるが、この場合、円周における多少の内周側又は外周側、つまり、半径方向の位置ずれ等は許容されるものである。また、上記実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【符号の説明】
【0085】
1・・・器具本体、2・・・主光源部(発光装置)、
3・・・点灯装置、4・・・センター部材、
5・・・アダプタガイド、6・・・光センサ、
7・・・セード、8・・・カバー部材、
9・・・間接光光源部、10・・・弾性部材、
21・・・基板、21a・・・単位基板、
22・・・発光素子(LED)、25・・・光源部カバー、
35・・・点灯装置カバー、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
D・・・単位基板の合わせ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同形状の複数の単位基板が組み合わされて構成された基板と、この基板の略中央部を中心とする略円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に並べられて実装された複数の発光色の発光素子とを備え、
前記単位基板には、複数の発光色のうち1色あたり同じ個数ずつ発光素子が実装されており、前記単位基板の合わせ目を境として隣接する単位基板における隣接する発光素子は、異なる発光色の発光素子が配置されているとともに、これら相互の発光素子間の離間距離は、単位基板における隣接する相互の発光素子間の離間距離と等しいことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
同形状の複数の単位基板が組み合わされて構成された基板と、この基板の略中央部を中心とする略円周上に一定の順序で交互に、かつ等間隔に並べられて実装された複数の発光色の発光素子とを備え、
前記単位基板の数をk、前記基板の中心から発光素子までの距離をr、単位基板間の距離をc、発光素子の発光色数をm、複数の発光色のうち1色あたりの発光素子の個数をnとした場合、複数の発光色のうち1色あたり単位基板には、n/k個(n/kは整数)の発光素子が実装される関係にあり、前記単位基板の端部に実装された発光素子を起点として円周上におけるj色目(j=1〜m)であって、同発光色のうちi個目(i=1〜n/k)の発光素子は、前記単位基板の端部から円周上における距離をLとすると、以下の式1を満足することを特徴とする発光装置。
【数1】

【請求項3】
前記請求項1又は請求項2に記載の発光装置と;
この発光装置における発光素子を点灯制御する点灯装置と;
を具備することを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−30426(P2013−30426A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167143(P2011−167143)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】