説明

発光装置及び照明装置

【課題】発光素子相互の接続の簡素化が可能となるとともに、混色が良好で均一性の向上を図ることができる発光装置及びこの発光装置を備えた照明装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、基板21と、基板21に実装され、複数の発光色であって、その発光色ごとに半径の異なる略同心円又は大きさの異なる中心を略同じくする多角形の周上に複数の列をなして並べられ、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置された各発光色同数の発光素子22とを備える発光装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光ダイオード(以下、LEDと称する。)等の発光素子を光源とする発光装置及びこの発光装置を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明装置が開発されている。この照明装置は、LEDを基板に複数実装して所定の明るさを得るようにしたもので、例えば、天井面等に取付けられるベース照明として用いられている。
【0003】
一方、生活様式の多様化に伴って、これら照明装置に求められる機能としては、単に、周囲を明るく照らすのみではなく、周囲の環境や光が生体に与える影響等を考慮して、使用者の快適性を充足する等、生活シーンに合わせた光空間を演出することが望まれている。
このため、例えば、基板に複数の発光色のLEDを円周上に順次並べて、これらの光色を混色して演出性を向上させるという試みがなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】LEDシーリングライト「EVERLEDS」シリーズを発売|プレスリリース|ニュース|パナソニック企業情報|panasonic[平成23年9月5日インターネット検索](http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn110126-2/jn110126-2.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような場合、基板において複数の発光色のLED相互を接続するための配線パターンが複雑化する可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、発光素子相互の接続の簡素化が可能となるとともに、混色が良好で均一性の向上を図ることができる発光装置及びこの発光装置を備えた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による発光装置は、基板と、基板に実装され、複数の発光色であって、その発光色ごとに半径の異なる略同心円又は大きさの異なる中心を略同じくする多角形の周上に複数の列をなして並べられ、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置された各発光色同数の発光素子とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、発光素子相互の接続の簡素化が可能となるとともに、混色が良好で均一性の向上を図ることができる発光装置及びこの発光装置を備えた照明装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図2】同照明装置を示す前面側の分解斜視図である。
【図3】同照明装置を示す背面側の分解斜視図である。
【図4】同照明装置において、セード及び光源部カバーを取外して示す平面図である。
【図5】同照明装置を示す背面側の斜視図である。
【図6】同照明装置を天井面に取付けた状態を示す断面図である。
【図7】光源部における1枚の基板を示す平面図である。
【図8】同基板の配線パターン層の一部を示す平面図である。
【図9】発光素子の接続状態を示す結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図1乃至図9を参照して説明する。図1乃至図6は、照明装置を示し、図7及び図8は、光源部の一部を示している。また、図9は、光源部の結線状態を示している。各図においてリード線等による配線接続関係は省略して示している。なお、同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
本実施形態の照明装置は、装置取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される一般住宅用のものであり、基板に実装された複数の発光素子を有する光源部から放射される光によって室内の照明を行うものである。
【0012】
照明装置は、装置本体1と、光源部2と、点灯装置3と、センター部材4と、取付部5とを備えている。さらに、照明装置は、光センサ6と、セード7と、カバー部材8と、間接光光源部9と、補助部品ユニット10とを備えている。また、装置取付面としての天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタA(図6参照)と赤外線リモコン送信器Rcとを備えている。このような照明装置は、丸形の円形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。これらの構成要素について順次説明する。
【0013】
図2乃至図6に示すように、装置本体1は、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成された熱伝導性を有するシャーシであり、略中央部に、後述する取付部5が配置される円形状の開口11が形成されている。この開口11は、円形状の一部が外方に突出して取付部5の外形と略等しい形状に形成されている。
【0014】
開口11の外周側には、四角形状で角部がR形状をなし、背面側へ突出した突出部12が形成されている。また、装置本体1の外周側には、背面側に突出、換言すれば、前面側に凹部を形成する円形環状の突出部13が形成されている。
【0015】
突出部13によって形成される凹部には、セード7が着脱可能に取付けられるセード受金具75が配置されている。これら突出部12、13は、主としてシャーシに取付けられる部材の取付部として機能し、また、シャーシの強度を補強する機能や放熱面積を増加する機能を有している。
【0016】
なお、装置本体1は、本実施形態においては、シャーシが該当するが、ケース、反射板やベースと指称されるものであってもよい。一般的には、光源部2が直接的又は間接的に配設される部材や部分を意味しており、格別限定的に解釈されるものではない。
【0017】
光源部2は、図2、図4及び図6に示すように、基板21と、この基板21に実装された複数の発光素子22とを備えて発光装置を構成している。なお、図2においては、発光素子22の図示を省略している。基板21は、所定の幅寸法を有した略円弧状の概略扇形状であって、同形状の複数、具体的には、4枚の基板21が繋ぎ合わされるように配設されて全体として略サークル状に形成されている。つまり、全体として略サークル状に形成された基板21は、4枚の分割された基板21から構成されている。
【0018】
このように分割された基板21を用いることにより、基板21の分割部で熱的収縮を吸収して基板21の変形を抑制することができる。また、基板部材の材料取りが効率的に行え、コスト的に有利であるとともに、部材が小形化されるので取扱いが容易となる。さらに、分割された基板21は、部品として共通化が可能となる。
なお、複数に分割された基板21を用いることが好ましいが、略サークル状に一体的に形成された一枚の基板を用いるようにしてもよい。
【0019】
基板21は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR−4)の平板からなり、表面側には銅箔によって配線パターン層が形成されている。発光素子22は、この配線パターン層に電気的に接続されるようになっている。また、配線パターン層の上、つまり、基板21の表面には反射層として作用する白色のレジスト層が形成されている。
【0020】
なお、基板21の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用できる。
【0021】
発光素子22は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが複数個サークル状の基板21の周方向に沿って、複数列、本実施形態では、半径の異なる略同心円の周上に3列に亘って実装されている。つまり、内周側の列、外周側の列及び、これら内周側の列と外周側の列との中間の列に亘って実装されている。
【0022】
LEDパッケージは、概略的にはセラミックスや合成樹脂で形成されたキャビティに配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0023】
内周側の列及び外周側の列に実装されているLEDパッケージには、発光色が電球色(L)のものと昼光色(D)のものとが用いられて、いわゆる白色のものが用いられており、これらが略同心円の周上に略等間隔を空けて交互に並べられて配設されている。LEDチップは、青色光を発光するLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、電球色(L)、昼光色(D)の白色系の光を出射できるようにするために、主として青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体や赤み成分を補うため赤色蛍光体が用いられている。なお、前記いわゆる白色には、昼光色(D)、昼白色(N)、白色(W)や電球色(L)等が含まれる。
【0024】
中間の列に実装されているLEDパッケージには、複数の発光色、具体的には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するものが用いられている。したがって、LEDチップは、それぞれ赤色、緑色、青色の光に発光するLEDチップであり、これらLEDチップがモールド用の透光性樹脂によって封止されている。
【0025】
中間の列に実装されている赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、略円周上に順次、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)と連続的に略等間隔を空けて配置されている。これら赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、各発光色が同数で用いられていて、分割された1枚の基板21あたり、各発光色のLEDパッケージが11個実装されている。したがって、全体としては、44個ずつの各発光色のLEDパッケージが用いられている。
【0026】
詳しくは、図7及び図8の参照を加えて示すように、これら発光色の異なる赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、発光色ごとに半径の異なる略同心円の周上に複数の列(3列)をなして並べられ、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置されている。
【0027】
図7は、分割された基板21の1枚を示し、図8は、同基板21の配線パターン層12aの一部を示している。また、図8においては、配線パターン層12aと発光素子22との位置関係を示すため、説明上、発光素子22の一部を破線で示している。
【0028】
図7に示すように、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、発光色ごとに半径の異なる略同心円の周上、すなわち、赤色(R)に発光するLEDパッケージは半径r1、緑色(G)に発光するLEDパッケージは半径r2、青色(B)に発光するLEDパッケージは半径r3の略同心円の周上にそれぞれ略等間隔を空けて配置されている。そして、これら赤色(R)に発光するLEDパッケージの列、緑色(G)に発光するLEDパッケージの列及び青色(B)に発光するLEDパッケージ列の相互における発光素子22は、周方向の位置をずらせて(図示上、dで示す。)配置されている。
【0029】
なお、LEDパッケージは、外形的には、略直方体形状をなしていて、一方の短辺側にアノード側の電極Aeが設けられており、他方の短辺側にカソード側の電極Ceが設けられている。なお、説明上、カソード側の電極Ce側の短辺を太線で示している。
【0030】
図8に示すように、基板21は、絶縁性を有する表面上に配線パターン層21aが積層され、さらに、その上に反射層21bが積層されて形成されている。そして、基板21には、発光素子22である表面実装型のLEDパッケージが複数個実装されている。
【0031】
配線パターン層21aは、銅箔のパターンがエッチングによって形成されていて、基板21の表面上を略全面に亘って覆うように形成されている。配線パターン層21aは、発光素子22の実装個数に対応して複数のブロックに線状の絶縁領域iによって区画されていて、発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceがブロック間の比較的狭い線状の絶縁領域iを跨って接続されるようになっている。
【0032】
配線パターン層21aは、発光素子22に電力を供給する電気的導通路であるとともに、発光素子22から発生する熱を拡散するヒートスプレッダとしての機能を有している。したがって、配線パターン層21aを広い面積で確保することにより放熱性を向上することが可能となる。
【0033】
反射層21bは、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタCnが接続される部分を除いて略全面に亘って形成されている。つまり、各発光素子22が実装され電極Ae、Ceが接続される部分やコネクタが接続される部分は、配線パターン層21aが表面上に露出する状態となっていて、発光素子22やコネクタが接続されるようになる。
反射層21bは、具体的には、白色のフォトソルダータイプのレジストインキ材料を用いて形成したものであり、光の反射率が良好な白色のレジスト層である。
【0034】
各発光素子22は、線状の絶縁領域iによって区画された複数のブロック間において、比較的狭い線状の絶縁領域iを跨って発光素子22のアノード側の電極Ae及びカソード側の電極Ceが配線パターン層21aに半田付けされて接続されている。
【0035】
より詳しくは、発光素子22のアノード側の電極Aeが接続される配線パターン層21a側の領域Saよりカソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scの方の面積が広くなるように形成されている。つまり、Sa<Scの関係になるように形成されている。
【0036】
この種、発光素子22は、発光時、主としてカソード側に熱が発生し、カソード側の電極Ceの温度が高くなる。このため、カソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scを広くすることにより、発生した熱を広い面積で効果的に拡散し、放熱させて発光素子22の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0037】
したがって、内周側の列に実装された発光色が電球色(L)と昼光色(D)のLEDパッケージにおいては、交互に電極の向きを変えてカソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scを広く確保するようにしている。
【0038】
一方、外周側の列に実装された発光色が電球色(L)と昼光色(D)のLEDパッケージにおいては、カソード側の電極Ceが外側へ向けられて配置されている。内側に比較して外側の方が放熱効果が高い傾向にあり、このためカソード側の電極Ceを外側へ向けることにより放熱性の向上が期待できるものとなる。
【0039】
次に、中間の列に実装されている赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージは、前記のように半径の異なる略同心円の周上に配置され、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置されている。このため、本実施形態のように発光色が同色のLEDパッケージを直列に接続する場合には、その接続、具体的には、電極間を接続する配線パターン層21aの簡素化が可能となる。
【0040】
仮に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光するLEDパッケージを同一円周上に配置する場合には、隣接するLEDパッケージを避けるように屈曲させて配線することが必須となり、入り組んだ配線パターン層の形成となる。
【0041】
しかしながら、本実施形態のように各発光色のLEDパッケージを半径の異なる略同心円の周上で、周方向の位置をずらせて配置することにより、基本的には、同色のLEDパッケージ間を円周上に沿って、すなわち、円弧状(略直線状)に接続することが可能となり、このため、その接続の簡素化が可能で、スペース的に制約のある領域に所定の余裕をもって、例えば、ヒートスプレッダとして機能する配線パターン層21aの面積を広く確保しつつ接続することが可能となる。
【0042】
加えて、全体的には、各発光色のLEDパッケージは、半径方向に所定の幅を有して並べられ、周方向に連続するように並べられるので、混色が良好で均一性を向上することが可能となる。また、半径方向に関しては、内周側の列及び外周側の列に実装されている白色に発光するLEDパッケージに近づくような配置になるので、これらとの混光が良好となる効果が期待できる。
【0043】
さらに、各発光色のLEDパッケージと内周側の列及び外周側の列に実装されているLEDパッケージとの間には、半径方向にスペースが確保される領域が生じることとなり、この領域部分にコネクタCn等の部品を配置してスペースを有効に活用することが可能となる。
【0044】
なお、発光素子22のアノード側の電極Aeが接続される配線パターン層21a側の領域Saと、カソード側の電極Ceが接続される配線パターン層21a側の領域Scとは、領域Scが広くなるように形成できれば、その形状等は格別限定されるものではない。
【0045】
図9は、1枚の基板21における各発光素子22の結線状態を示している。具体的には、内周側の列及び外周側の列に実装されている発光素子22は、6個の発光素子22が直列に接続された直列回路が4個接続された2つのラインから構成されている。したがって、1つのラインには合計24個の発光素子22が接続されている。また、これらの直列回路は、発光色が電球色(L)の発光素子群と昼光色(D)の発光素子群とに分けられて接続されている。つまり、一つの直列回路に電球色(L)と昼光色(D)の発光素子22が混在することはない。
【0046】
一方、中間の列に実装されている赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22は、それぞれ11個が直列に接続されている。また、同様に、これらの直列回路に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光素子22が混在することはない。
このような接続回路の端部は、コネクタCnに接続されていて、隣接する基板21のコネクタ又は電源側のコネクタに接続できるようになっている。
【0047】
以上のように光源部2には、発光色の異なる複数の発光素子22、すなわち、電球色(L)、昼光色(D)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する発光素子22が配設されているので、これらが混光されることにより表現可能な光色の範囲が広く、発光素子22の光出力を調整することにより光色を調色することが可能となる。
【0048】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板21に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0049】
このように構成された光源部2は、図4及び図6に代表して示すように、基板21が装置本体1の前面側であって開口11の周囲に位置して、発光素子22の実装面が前面側、すなわち、下方の照射方向に向けられて配設されている。また、基板21の裏面側が装置本体1の内面側に密着するように例えば、ねじ等の固定手段によって取付けられている。したがって、基板21は、装置本体1と熱的に結合され、基板21からの熱が裏面側から装置本体1に伝導され放熱されるようになっている。
【0050】
図2及び図6に示すように、光源部2の前面側には、光源部カバー25が配設されている。光源部カバー25は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の絶縁性を有する透明合成樹脂からなり、前記発光素子22の配置に沿って略サークル状に一体的に形成されていて、発光素子22を含めて基板21の全面を覆うように配設されている。
【0051】
したがって、発光素子22から出射される光は、光源部カバー25を透過するようになる。また、基板21の全面を覆うようになっているので、充電部が光源部カバー25によって覆われ絶縁性が確保される。
【0052】
点灯装置3は、図3及び図6に示すように、回路基板と、この回路基板に実装された制御用IC、トランス、コンデンサ等の回路部品とを備えている。回路基板は、中央部の周囲を囲むように板状に形成されていて、その表面側に回路部品が実装されている。
【0053】
回路基板には、アダプタA側が電気的に接続されて、アダプタAを介して商用交流電源に接続される。したがって、点灯装置3は、この交流電源を受けて直流出力を生成し、リード線を介してその直流出力を発光素子22に供給し、発光素子22を点灯制御するようになっている。
【0054】
このような点灯装置3は、図5の参照を加えて示すように、点灯装置カバー35に取付けられ覆われて、装置本体1の背面側に配置されるようになる。この場合、回路基板は、回路部品が前面側(図示上、下方側)に向けられて取付けられる。
【0055】
点灯装置カバー35は、冷間圧延鋼板等の金属材料によって略四角形の短筒状に形成され、側壁35aは、前面側に向かって拡開するように傾斜状をなしており、背面壁35bの中央部には、開口35cが形成されている。
この点灯装置カバー35は、図5及び図6に示すように、前面側のフランジがシャーシの突出部12に載置され、ねじ止めされて取付けられる。
【0056】
また、点灯装置カバー35の背面側には、弾性部材36が取付けられている。弾性部材36は、前記複数の各間接光光源部9の取付位置に対応して、その近傍に取付けられている。また、この弾性部材36は、先端側が中央部方向に向けられて取付けられている。
【0057】
弾性部材36は、照明装置が装置取付面としての天井面Cに取付けられた状態において、天井面Cとの間に弾性変形を伴って介在するように配設される部材であり、照明装置を天井面Cに確実に保持する作用をなしている。
【0058】
センター部材4は、図2、図4及び図6に示すように、PBT樹脂等の合成樹脂材料で作られ、略短円筒状に形成されており、中央部に引掛けシーリングボディCbに対向する開口41を有している。また、開口41の周囲には、環状の空間部42が形成されていて、この空間部42には、後述する光センサ6が配設されるようになっている。さらに、センター部材4の前面壁には、光センサ6の受光部と対向する受光窓43が形成されている。
【0059】
このように構成されたセンター部材4は、主として図6に示すように、背面側のフランジが光源部カバー25を介してシャーシにねじ止めされて取付けられている。なお、センター部材4は、シャーシに直接的又は間接的に取付けることができ、その具体的な取付構成が限定されるものではない。
【0060】
取付部5は、アダプタガイドであり、アダプタAが挿通し係合する部材であり、照明装置を天井面Cに取付けるための部材である。アダプタガイドは、図3及び図6に示すように、略円筒状に形成され、中央部には、アダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられている。このアダプタガイドは、本体1の中央部に形成された開口11に対応して配設されている。
【0061】
なお、取付部5は、必ずしもアダプタガイド等と指称される部材である必要はない。例えば、装置本体1等に形成される開口であってもよく、要は、配線器具としての引掛けシーリングボディCbに対向し、アダプタAが係合される部材や部分を意味している。
【0062】
光センサ6は、図6に示すように、基板61に実装され、その受光部が受光窓43に対向するようにセンター部材4の空間部42内に配設され取付けられている。光センサ6は、照度センサであり、フォトダイオード等のセンサ素子からなっていて、周囲の明るさを検知して検出信号を出力するように動作する。これにより、周囲が明るい場合には、光源部2、すなわち、発光素子22を調光(減光)して点灯するように制御する。
【0063】
セード7は、アクリル樹脂等の透光性を有し、乳白色を呈する拡散性を備えた材料から略円形状に形成されており、中央部には円形状の開口71が形成されている。また、セード7の外周部には、セード化粧枠7aが取付けられていて、このセード化粧枠7aは、アクリル樹脂等からなる透明材料から形成されている。
【0064】
そして、セード7は、光源部2を含めた本体1の前面側を覆うように本体1の外周縁部に着脱可能に取付けられるようになっている。具体的には、セード7を回動することによって、セード7に設けられたセード取付金具74を、装置本体1の突出部13によって形成された凹部に設けられたセード受金具75に係合することにより取付けられる。
【0065】
また、セード7を取外す場合には、セード7を取付時とは反対方向に回動して、セード取付金具74とセード受金具75との係合を解くことにより、取外すことができる。
【0066】
カバー部材8は、透明のアクリル樹脂等の材料から円形状に形成されている。このカバー部材8は、セード7の開口71に対応し、センター部材4の前面壁に取付けられて、センター部材4の開口41を覆って閉塞するように配設される。また、カバー部材8には、光センサ6の受光窓43と対向する透過部81が形成されている。
【0067】
間接光光源部9は、装置本体1の背面側に配設されていて、主として天井面を明るく照らす機能を有している。図3、図5及び図6に示すように、間接光光源部9は、取付部5の周囲に位置して複数個配設されており、基板91と、この基板91に実装された複数の発光素子92とを備えている。
基板91は、略長方形状の平板に形成されており、発光素子92は、この基板91の長手方向に沿って直線状に並べられて実装されている。
【0068】
この発光素子92が実装された基板91が前記点灯装置カバー35の側壁35aにおける4箇所に取付けられている。この場合、点灯装置カバー35は、略四角形に形成されており、基板91は、その側壁35aにおける直線状の平坦面に取付けられているので、取付けが安定的に行われることとなる。
【0069】
また、基板91の取付部をなす側壁35aは、前面側に向かって拡開する傾斜状に形成されているため、基板91は、斜め上方、つまり、天井面方向に向けられることとなり、発光素子92から出射される光は、天井面方向に向かって効果的に照射されるようになる。
【0070】
さらに、主として図6に示すように、各間接光光源部9は、断面が背面側へ向かって拡開するような傾斜状に形成された透光性のカバー93に覆われるようになっている。このため、照明装置が天井面C取付けられた状態において、下方から照明装置の側部を見た場合、点灯装置カバー35の背面側に取付けられた弾性部材36を視認しにくくすることが可能となる。
【0071】
また、このカバー93は、基板21の裏面側が対応する装置本体1の部分を外側から覆うことがないように傾斜状に形成され配設されている。したがって、装置本体1からの放熱作用を阻害するのを抑制することができる。
【0072】
発光素子92は、前記光源部2と同様に、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージであって、発光色が電球色(L)のものが用いられている。そして、発光素子92は、前記光源部2の電球色(L)の光を発光する発光素子22と同じ仕様のものが用いられている。この発光素子92は、点灯装置3に接続されて点灯制御されるようになっている。
【0073】
補助部品ユニット10は、図2乃至図4、図6に示すようにユニット基板101及びこの基板101に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。本実施形態における電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部102、常夜灯用の発光素子103やチャンネル設定スイッチ104等である。この補助部品ユニット10は、装置本体1の前面側であって光源部2の内側に配設されている。
【0074】
ところで、補助部品ユニット10のユニット基板101は、前述の光センサ6が実装された基板61とは別基板として、光センサ6が実装された基板61には、赤外線リモコン信号受信部102、常夜灯用の発光素子103等は実装されていない。その理由は、光センサ6は、周囲の明るさを検知して発光素子22の発光状態を自動的に制御する機能を有しているが、この機能を備えている照明装置と、この機能を備えていない照明装置との2つのタイプの照明装置の提供を実現しやすくするためである。
【0075】
つまり、発光状態を自動的に制御する機能を備えていない照明装置を展開する場合には、光センサ6やセンター部材4を容易に省略して実現することが可能となる。
【0076】
アダプタAは、図6に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置3へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置3とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0077】
赤外線リモコン送信器Rcは、例えば、周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、例えば、モード切替えボタン、全光点灯ボタン、調光点灯ボタン、常夜灯ボタンや消灯ボタン等が設けられている。このリモコン送信器Rcを補助部品ユニット10、すなわち、赤外線リモコン信号受信部102に向けて操作することによって光源部2及び間接光光源部9の照明状態を制御することができる。
【0078】
次に、照明装置の天井面Cへの取付状態について図6を参照して説明する。まず、予め天井面Cに設置されている引掛けシーリングボディCbにアダプタAを電気的かつ機械的に接続する。照明装置のカバー部材8を取外した状態において、アダプタガイドの係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイドの係合口51に確実に係合するまで装置本体1を弾性部材36の弾性力に抗して下方から手で押し上げて取付け操作を行う。
次いで、カバー部材8を取付け、引掛けシーリングボディCbに対向するセンター部材4の中央部の開口41を覆って閉塞する。
【0079】
また、照明装置を取外す場合には、カバー部材8を取外し、センター部材4の開口41を通じてアダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0080】
照明装置の天井面Cへの取付状態において、点灯装置3に電力が供給されると、光源部2における基板21を介して発光素子22に通電され、各発光素子22が点灯する。発光素子22から前面側へ出射された光は、光源部カバー25を透過し、セード7によって拡散され透過して外方へ照射される。したがって、所定の配光範囲で下方が照明されるようになる。
【0081】
これと同時に、間接光光源部9に通電されると、各発光素子92が点灯し、発光素子92から斜め上方に出射された光は、透光性のカバー93を透過し、アダプタガイド5の周囲から放射されるように、主として天井面に照射される。したがって、天井面が明るくなり、空間の明るさ感を向上させることができる。
【0082】
発光素子22から発生する熱は、基板21の裏面側が装置本体1と熱的に結合しているため、装置本体1に効果的に伝導され、広い面積で放熱されるようになる。
【0083】
以上のように本実施形態によれば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する複数の発光色のLEDパッケージは、半径の異なる略同心円の周上に配置され、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置されている。このため、発光素子22相互の接続の簡素化が可能となるとともに、混色が良好で均一性の向上を図ることができる照明装置を提供することが可能となる。
【0084】
なお、上記実施形態においては、半径の異なる略同心円の周上に複数の列をなして赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に発光する複数の発光素子22を配設したものについて説明したが、大きさの異なる多角形、例えば、六角形の周上に複数の列をなして並べられ、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置されるものであってもよい。
【0085】
さらに、白色に発光する発光素子22を前記複数の発光色の発光素子22における列の外側及び内側であって、前記多角形と略中心を同じくする多角形の周上に列をなして並べて実装するようにしてもよい。このような形態の場合にも上記と同様な効果を奏することが可能となる。
【0086】
本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【符号の説明】
【0087】
1・・・装置本体(シャーシ)、2・・・光源部、
3・・・点灯装置、4・・・センター部材、
5・・・取付部(アダプタガイド)、6・・・光センサ、
7・・・セード、8・・・カバー部材、
9・・・間接光光源部、10・・・補助部品ユニット、
21・・・基板、22・・・発光素子(LED)、
25・・・光源部カバー、
A・・・アダプタ、C・・・装置取付面(天井面)、
Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)、Rc・・・赤外線リモコン送信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と;
基板に実装され、複数の発光色であって、その発光色ごとに半径の異なる略同心円又は大きさの異なる中心を略同じくする多角形の周上に複数の列をなして並べられ、これらの列相互において周方向の位置をずらせて配置された各発光色同数の発光素子と;
を具備することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の発光色の発光素子における列の外側及び内側であって、前記円又は多角形と略中心を同じくする円又は多角形の周上に列をなして並べられて実装された白色に発光する発光素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2に記載の発光装置と;
この発光装置における発光素子を点灯制御する点灯装置と;
を具備することを特徴とする照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−62108(P2013−62108A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199147(P2011−199147)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】