説明

発電システム

【課題】パワーコンディショナに汎用性を持たせつつ、燃料電池の劣化を防止し得る発電システムを提供する。
【解決手段】燃料電池装置2を備えた発電システム1において、パワーコンディショナ4には昇圧用のコンバータを設けずに、燃料電池装置2に昇圧用のコンバータ6を設ける。そして、燃料電池装置2に、系統Aから供給される交流電力を直流電力に変換してコンバータの出力部に電力を印加するAC/DCコンバータ7を設け、コンバータ6の出力電圧が所定電圧以下であるときには、AC/DCコンバータ7を動作させてコンバータ6の出力部の電圧を目標電圧まで昇圧させてから、AC/DCコンバータ7の出力を低下させつつコンバータ6の出力を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は発電システムに関し、より詳細には、発電部として燃料電池を備えた燃料電池装置に出力電圧を昇圧するコンバータを搭載した発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、家庭用の発電システムにおいて、燃料電池による発電(燃料電池発電)と太陽電池による発電(太陽光発電)とを組み合わせて使用する発電システムが提供されている。
【0003】
この種の発電システムでは、燃料電池や太陽電池で発電される直流電力を家庭の電力負荷で使用できるようにするために、直流電力を交流電力に変換するインバータ装置であるパワーコンディショナを備えているが、従来の発電システムでは、図5に示すように、太陽電池aと燃料電池bのそれぞれにパワーコンディショナcを接続していたことから、各パワーコンディショナc、cにはほぼ同様の機能を有するインバータeや表示部fなどが重複して設けられるという無駄が生じていた。
【0004】
また、その一方で、太陽電池aや燃料電池bが接続されるコンバータdはこれら発電設備の出力特性に応じて選定されるのが望ましいところ、最近では太陽電池aや燃料電池b以外にも様々な出力特性を持った発電設備が提供されるに至っており、そのような各種発電設備をパワーコンディショナcに接続できるようにする(換言すれば、インバータ装置に汎用性を持たせる)には、パワーコンディショナcから昇圧用のコンバータdを分離する構成を採用することが要請される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−50191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図6は、このような要請に応じてパワーコンディショナcからコンバータdを分離した構成を図示しており、この図6に示す発電システムでは、太陽電池aと燃料電池bのそれぞれについて昇圧用のコンバータdをパワーコンディショナcから分離するとともに、インバータeや表示部fを太陽電池aと燃料電池bとで共用するようにして、インバータなどの重複を解消している。
【0007】
しかしながら、このような図6の構成には以下のような問題があり、その改善が必要であった。
【0008】
すなわち、燃料電池bは発電量以上の電流を出力すると劣化することから、図5に示す従来の発電システムでは、コンバータdの起動時に過電流が流れないように突入電流を防止する制御として、インバータeを逆動作させてコンバータdの出力側の電圧を上げてからコンバータdを動作させているところ(たとえば、特許文献1参照)、図6に示すように、パワーコンディショナcに汎用性を持たせてインバータeとコンバータdとを分離する構成を採用すると、コンバータdとインバータeには通信手段がないため、インバータeを逆動作させて突入電流を防止するという方法が採用できない。つまり、燃料電池bについてコンバータ起動時の突入電流を防止することができず、燃料電池bを劣化させるおそれがある。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、パワーコンディショナに汎用性を持たせつつ、燃料電池の劣化を防止し得る発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発電システムは、発電部として燃料電池を備えた燃料電池装置と、この燃料電池装置から出力される直流電力を系統に連系させるインバータを備えたインバータ装置とを有する発電システムであって、上記燃料電池装置は、発電部で発電された直流電力を昇圧するコンバータと、上記系統から供給される交流電力を直流電力に変換して上記コンバータの出力部に電力を印加するAC/DCコンバータと、これらを制御する制御部とを備えてなり、上記制御部は、上記コンバータの出力電圧が所定電圧以下であるときには、上記AC/DCコンバータを動作させて上記コンバータの出力部の電圧を所定の目標電圧まで昇圧させた後、上記AC/DCコンバータの出力を低下させながら上記コンバータの出力を上昇させる制御を行うことを特徴とする。
【0011】
すなわち、この請求項1に係る発電システムでは、燃料電池で発電された直流電力を昇圧するコンバータは、系統連系用のインバータ装置(パワーコンディショナ)から分離されて燃料電池装置に設けられている。そして、燃料電池装置には、系統から供給される交流電力を直流電力に変換してコンバータの出力部に電力を印加するAC/DCコンバータが備えられており、コンバータの出力電圧が所定電圧以下であるとき、つまり、燃料電池が発電しておらずコンバータの出力部に電荷がたまっていない状態のときには、AC/DCコンバータを動作させてコンバータの出力部の電圧を所定の目標電圧まで昇圧させてから、AC/DCコンバータの出力を低下させつつコンバータの出力を上昇させる。そのため、コンバータの動作に伴って燃料電池から出力される電流は緩やかに上昇することとなり、燃料電池から出力される電流が急激に増大することが回避され、過電流によって燃料電池が劣化することが防止される。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の発電システムは、請求項1に係る発電システムにおいて、上記制御部は、上記発電部の発電量が所定値以上になったことを条件に上記AC/DCコンバータの動作を停止させる制御構成を備えていることを特徴とする。
【0013】
すなわち、この請求項2に係る発電システムでは、AC/DCコンバータは、発電部の発電量が所定値以上になったときにその動作を停止するので、発電部が正常に発電を開始した場合には、コンバータの出力部にAC/DCコンバータから電圧が印加されなくなる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の発電システムは、請求項1または2に記載の発電システムにおいて、上記燃料電池装置と上記インバータ装置とは別体に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、燃料電池で発電された直流電力を昇圧するコンバータは、系統連系用のインバータ装置(パワーコンディショナ)から分離されて燃料電池装置に備えられるので、インバータ装置に汎用性を持たせることができる。
【0016】
しかも、燃料電池装置には系統から供給される交流電力を直流電力に変換してコンバータの出力部に電力を印加するAC/DCコンバータが備えられており、コンバータの出力電圧が所定電圧以下であるときには、AC/DCコンバータを動作させてコンバータの出力部の電圧を所定の目標電圧まで昇圧させた後に、AC/DCコンバータの出力を低下させながらコンバータの出力を上昇させるようになっているので、燃料電池から出力される電流が急激に増大することが回避され、過電流によって燃料電池が劣化することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る発電システムの概略構成の一例を示す回路ブロック図である。
【図2】同発電システムにおける燃料電池装置のコンバータの起動手順を示すフローチャートである。
【図3】同コンバータの起動手順においてコンバータの出力部に対して電力を印加する手順を示すフローチャートである。
【図4】同コンバータ起動時におけるコンバータの出力部の電圧変化の一例を示す説明図である。
【図5】従来の発電システムの概略構成を示す回路ブロック図である。
【図6】図5に示す発電システムの改変例を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した発電システムの概略構成を示している。この発電システム1は、発電部で発電された直流電力を商用電源などの交流電源で構成される系統と連系して運用する家庭用の発電システムであって、図1に示すように、燃料電池装置2と、太陽電池パネル3と、パワーコンディショナ(インバータ装置)4とを主要部として備えている。
【0019】
燃料電池装置2は、発電部で発電された直流電力を昇圧するコンバータを備えた発電設備であって、発電部5と、この発電部5で発電された直流電力を所望の電圧に昇圧するコンバータ(DC/DCコンバータ)6と、系統Aから供給される交流電力(たとえば、AC200V)を直流電力に変換するAC/DCコンバータ7と、燃料電池装置2の各部を制御するFC制御部8を主要部として構成されている。なお、FC制御部の「FC」は、「燃料電池(Fuel Cell)」を略称したものである。
【0020】
発電部5は、天然ガスなどの水素を含む燃料ガスと、空気などの酸素を含む酸化剤ガスとを供給し、水素と酸素を化学反応させて直流電力を得る燃料電池で構成されている。この発電部5としては、たとえば、固体酸化物形燃料電池(SOFC)や固体高分子形燃料電池(PEFC)などが採用される。
【0021】
コンバータ6は、発電部5で発電された直流電力を、パワーコンディショナ4が系統Aに連系可能な電圧(たとえば、AC200V)の交流電力に変換できるように昇圧するDC−DCコンバータで構成されており、このコンバータ6で昇圧された直流電力がパワーコンディショナ4に入力されるようになっている。ここで、このコンバータ6の具体的な構成・制御は、発電部5の出力特性に応じて決定される。具体的には、このコンバータ6には燃料電池が接続されるので、燃料電池に適したコンバータ、たとえば、絶縁型で、かつ、入力電流制御のコンバータが用いられる。
【0022】
AC/DCコンバータ7は、上述したように、系統Aから供給される交流電力を直流電力に変換するものであって、その入力部が電源線9を介して系統A(具体的には系統Aから交流電力の供給を受ける図示しない配電盤など)に接続されるとともに、その出力部が上記コンバータ6の出力部に接続されている。つまり、このAC/DCコンバータ7は、系統Aから供給される交流電力を直流電力に変換してコンバータ6の出力部に電力を印加できるように構成されている。
【0023】
FC制御部8は、燃料電池装置2の各部の動作を制御する制御装置であって、図示しないマイコンを制御中枢として備えており、上記発電部5の発電制御を行うほか、上記コンバータ6およびAC/DCコンバータ7の動作制御を行うように構成されている(詳細は後述する)。
【0024】
上記太陽電池パネル3は、発電部として複数の太陽電池(図示せず)を備え、これら太陽電池をパネル状に接続配列してなる発電設備であって、太陽光のエネルギを直流電力に変換するように構成されている。
【0025】
そして、この太陽電池パネル3には、太陽電池パネル3で発電された直流電力を昇圧するコンバータ(DC/DCコンバータ)10が付属されており、太陽電池パネル3で発電された直流電力はこのコンバータ10を介してパワーコンディショナ4に入力されるようになっている。ここで、このコンバータ10の具体的な構成・制御も上述した燃料電池装置2のコンバータ6と同様に発電部の出力特性に応じて決定される。発電部として太陽電池が用いられているコンバータ10には、たとえば、非絶縁型または絶縁型で、かつ、最大電力点追従制御(MPPT制御)のコンバータが用いられている。
【0026】
パワーコンディショナ4は、上記燃料電池装置2および太陽電池パネル3で発電される直流電力を系統Aに連系可能な交流電力に変換するインバータ装置であって、図1に示すように、本実施形態では、インバータ11と、パワーコンディショナ4の各部を制御するPC制御部12を主要部として備えている。なお、PC制御部の「PC」は、パワーコンディショナ(Power Conditioner)を略称したものである。
【0027】
上記インバータ11は、上記コンバータ6およびコンバータ10で昇圧された直流電力を系統Aに連系可能な電圧・周波数の交流電力(たとえば、単相三線式200V)に変換するDC/ACインバータで構成されている。このインバータ11の入力部を構成するDCリンク部(図示せず)には、上記コンバータ6およびコンバータ10の出力部が接続されており、各コンバータ6,10で昇圧された直流電力がインバータ11のDCリンク部に供給されるようになっている。
【0028】
上記PC制御部12は、パワーコンディショナ4の各部の動作を制御する制御装置であって、図示しないマイコンを制御中枢として備えている。そして、このPC制御部12は、インバータ11の入力電圧が一定値以上となった場合には、入力電圧が一定になるようにインバータ11の出力を制御するように構成されている。
【0029】
このように、本実施形態に示すパワーコンディショナ4は、燃料電池装置2や太陽電池パネル3から供給される直流電力を昇圧するDC/DCコンバータは備えられておらず、専ら燃料電池装置2や太陽電池パネル3から供給される直流電力を交流電力に変換することだけを行うようになっている。つまり、このパワーコンディショナ4は、所望の電圧に昇圧した直流電力を入力するようになっており、発電部の出力特性に応じて選択されるコンバータを備えていないことから、発電部の出力特性に影響されることなく様々な発電部を接続することができる汎用性のあるインバータ装置となっている。
【0030】
なお、このことに関連して、屋外に設置されることが多い上記燃料電池装置2や太陽電池パネル3とパワーコンディショナ4とはいずれも別体に構成されており、また、燃料電池装置2のFC制御部8とパワーコンディショナ4のPC制御部12は通信接続されていない。つまり、燃料電池装置2、太陽電池パネル3およびパワーコンディショナ4はいずれも独立して機能するようになっている。
【0031】
そのため、この発電システム1では、燃料電池装置2または太陽電池パネル3の少なくともいずれか一方が発電を開始すると、PC制御部12は、パワーコンディショナ4の入力電圧(DCリンク部の電圧)から燃料電池装置2または太陽電池パネル3の少なくとも一方が発電していると判断し、上記PC制御部12は、インバータ11を動作させて、供給される直流電力を交流電力に変換して、系統Aに連系させるようになっている。
【0032】
次に、この発電システム1における燃料電池装置2での発電部5の保護(過電流防止)について図2ないし4を用いて詳細に説明する。
【0033】
上述したように構成された発電システム1では、燃料電池装置2(発電部5)および太陽電池パネル3の双方ともが発電を停止している状態、つまり、燃料電池装置2のコンバータ6の出力部に電荷がたまっていない状態で燃料電池装置2の発電部5が発電を開始させると、発電部5から急激に電流が流れ(過電流となって)発電部5を劣化させるおそれがあるため、本発明の発電システム1ではそのような過電流を防止するため、燃料電池装置2のFC制御部8は以下のような制御を行うように構成されている。
【0034】
すなわち、FC制御部8は、発電部5で発電を開始するときにコンバータ6を動作させるが、このコンバータ6について動作要求があると(図2ステップS1でYes)、コンバータ6の出力電圧(換言すれば、出力端の電位)が一定値(閾値X)以下であるか否かを判断する(図2ステップS2参照)。ここで、たとえば、太陽電池パネル3が発電しているような場合には、コンバータ6の出力部には電荷がたまっているので出力電圧は上記閾値Xよりも高くなるが、発電部5および太陽電池パネル3の双方ともに発電をしていなければコンバータ6の出力電圧は上記閾値X以下となり、図2ステップS2の判断は肯定的となって、FC制御部8は図2ステップS3に移行する。
【0035】
そして、コンバータ6の出力電圧が上記閾値X以下である場合、FC制御部8は、コンバータ6の出力部の電圧を所定の目標電圧Yまで昇圧させる処理(コンバータ6の出力部のチャージ)を開始する(図2ステップS3参照)。
【0036】
ここで、このコンバータ6の出力部のチャージは、図3に示す手順で行われる。すなわち、コンバータ6の出力部のチャージを開始するにあたり、FC制御部8は、AC/DCコンバータ7を動作させて、系統Aから供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をコンバータ6の出力部に印加する。これにより、コンバータ6の出力部の電圧が上昇する(図3ステップS1参照)。
【0037】
そこで、FC制御部8は、コンバータ6の出力電圧が上記所定の目標電圧Y以上になったか否かを判断し(図3ステップS2参照)、コンバータ6の出力電圧が目標電圧Y以上になると、コンバータ6の動作を開始させる(図3ステップS3参照)。このとき、FC制御部8は、コンバータ6での昇圧動作を急激に行うのではなく、コンバータ6による昇圧がゆっくりと行われるようにコンバータ6を制御する。つまり、コンバータ6の出力を徐々に上昇させるようにコンバータ6を制御する。
【0038】
そして、このコンバータ6の動作と並行して、FC制御部8は、AC/DCコンバータ7によるコンバータ6の出力部に対する出力をゆっくりと低下させる(図3ステップS4参照)。つまり、FC制御部8は、コンバータ6の出力を徐々に上昇させる一方で、AC/DCコンバータ7のAC/DCコンバータの出力を徐々に低下させていく。
【0039】
そして、FC制御部8は、発電部5での発電量が所定値Z以上になった場合(つまり、発電部5が正常に発電を開始した場合)には、上記AC/DCコンバータ7の動作を停止させる(図3ステップS5参照)。つまり、AC/DCコンバータ7によるコンバータ6の出力部への電力の印加を停止させる。
【0040】
図4は、これら一連の動作におけるコンバータ6の出力電圧(出力端の電位)の変化を示しており、この図に示すように、本発明の発電システム1では、燃料電池装置2のコンバータ6を起動させるときには、まず、AC/DCコンバータ7でコンバータ6の出力電圧を目標電圧Yまで上昇させた後、AC/DCコンバータ7の出力を低下させながらコンバータ6の出力を上昇させて、最終的には、AC/DCコンバータ7を停止させてコンバータ6のみで出力を行うようにしている。
【0041】
そのため、本発明の発電システム1では、コンバータ6の動作に伴って発電部5から出力される電流は緩やかに上昇することとなり、発電部5から出力される電流が急激に増大することが回避され、過電流によって発電部5が劣化するのが防止される。
【0042】
なお、本発明の発電システム1では、パワーコンディショナ4とコンバータ6(燃料電池装置2)は別体に構成され、かつ、これらの間に通信手段は設けられていないことから、コンバータ6側ではインバータ11の動作状態を把握することはできないが、AC/DCコンバータ7でコンバータ6の出力部の電圧を上昇させた後に、AC/DCコンバータ7を徐々に停止させているので、インバータ11の動作による変動を吸収することができる。
【0043】
これに対して、コンバータ6の動作要求があったときに、たとえば、太陽電池パネル3が発電しているなど、コンバータ6の出力電圧が上記閾値Xよりも高い場合(図2ステップS2がNoの場合)には、FC制御部8は上述したコンバータ6の出力部へのチャージは行わず、コンバータ6を通常通り動作させて、コンバータ6の入力電流制御を行う(図2ステップS4参照)。
【0044】
そして、発電部5での発電を停止する場合などコンバータ6の停止要求があった場合には(図2ステップS5参照)、FC制御部8は、コンバータ6の動作を停止させる(図2ステップS6参照)。
【0045】
このように、本発明に係る発電システム1では、パワーコンディショナ4から昇圧用のコンバータ6を分離した構成を採用しても、当該パワーコンディショナ4に接続される燃料電池装置2において発電部5に急激な電流が流れることが防止され、発電部5が劣化することが防止される。
【0046】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく発明の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0047】
たとえば、上述した実施形態では、パワーコンディショナ4に接続される発電設備として燃料電池装置2と太陽電池パネル3を用いた場合を示したが、本発明に係る発電システム1は、パワーコンディショナ4に接続される発電設備として太陽電池パネル3に代えてまたは太陽電池パネル3と併せて蓄電池のような直流電源(直流発電設備)を接続することも可能である。また、燃料電池装置2とパワーコンディショナ4だけで構成することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 発電システム
2 燃料電池装置
3 太陽電池パネル
4 パワーコンディショナ(インバータ装置)
5 発電部(燃料電池)
6 コンバータ
7 AC/DCコンバータ
8 FC制御部(燃料電池装置の制御部)
11 インバータ
12 PC制御部(パワーコンディショナの制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電部として燃料電池を備えた燃料電池装置と、この燃料電池装置から出力される直流電力を系統に連系させるインバータを備えたインバータ装置とを有する発電システムであって、
前記燃料電池装置は、発電部で発電された直流電力を昇圧するコンバータと、前記系統から供給される交流電力を直流電力に変換して前記コンバータの出力部に電力を印加するAC/DCコンバータと、これらを制御する制御部とを備えてなり、
前記制御部は、前記コンバータの出力電圧が所定電圧以下であるときには、前記AC/DCコンバータを動作させて前記コンバータの出力部の電圧を所定の目標電圧まで昇圧させた後、前記AC/DCコンバータの出力を低下させながら前記コンバータの出力を上昇させる制御を行うことを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記発電部の発電量が所定値以上になったことを条件に前記AC/DCコンバータの動作を停止させる制御構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記燃料電池装置と前記インバータ装置とは別体に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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