説明

発電装置

【課題】磁石発電機からレギュレータを通してバッテリに充電電流を供給する発電装置において、発電機のロータに発生する機械的振動を抑制する。
【解決手段】磁石発電機1とレギュレータ3との間に挿入されたオンオフ制御が可能な電源スイッチSu〜Swと、電機子反作用により磁石発電機1に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、磁石発電機のロータ101の回転速度が制御領から外れているときに電源スイッチSu〜Swをオン状態にし、ロータ101の回転速度が制御領域にあるときに電源スイッチSu〜Swをオフ状態にするように電源スイッチを制御する振動抑制時電源スイッチ制御手段10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石発電機を電源としてバッテリ等の負荷に電流を供給する発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンにより駆動されてバッテリを充電する発電機として、外転型の磁石発電機が多く用いられている。外転型の磁石発電機は、カップ状に形成されたロータヨークと該ロータヨークの周壁部の内周に固定された永久磁石とを備えて、永久磁石により界磁を構成したロータと、ロータの内側に配置されるステータとにより構成される。ステータは、ロータの磁極に対向する磁極部を有する電機子鉄心と、該電機子鉄心のスロットに巻回された電機子コイルとを有して、ロータの回転に伴って電機子コイルに交流電圧を誘起する。
【0003】
この種の磁石発電機においては、発電時に電機子反作用により生じる起磁力により、ロータの磁石とステータの磁極部との間に斥力が発生し、この斥力により、ロータが楕円形に変形して振動が生じる。特にステータに三相の電機子コイルが設けられていて、ロータの磁極p及びステータの磁極sの数の組み合わせが、4p−6s,8p−6s,16p−18s,20p−18s等である場合のように、ステータに設ける同相のコイルが互いに180°離れた対向位置に巻回される場合には、電機子反作用により、ロータの磁石とステータの磁極部との間に大きな斥力が発生するため、ロータに大きな振動が発生する。
【0004】
180°離れた位置にある一対の同相のコイルとロータの永久磁石との間に作用する斥力によりロータに生じる振動のモードは、円筒体の二次の円環振動のモードに一致し、ロータが1回転する間に2サイクルの振動が発生する。ロータの振動周波数はロータの回転速度(rpm)の上昇に伴って高くなっていく。ロータの振動周波数がロータの固有振動周波数に近づくと、ロータの振動の振幅が急激に増大し、振動周波数が固有振動周波数に一致したときに、共振状態になってロータの振動の振幅がピークに達する。このような共振現象が生じると、大きな騒音(磁気音と呼ばれる。)が発生し、周囲の人に不快感を与えることになる。
【0005】
ロータの極対数を増やし、ステータの極数を増やすと、ロータに生じる円環振動の次数が増加する。そこで、電機子反作用により大きな磁気音が発生するのを防ぐため、ロータの極対数を増やし、ステータの極数を増やして、ロータに生じる円環振動の次数を増やすことにより、ロータの共振が生じる回転速度を、磁石発電機の運転時の回転速度領域から外すことが考えられる。しかしながら、ステータの極数を増やすと、コイルを巻回するスペースが少なくなり、発電機の出力が制限されるという問題が生じる。
【0006】
磁石発電機が発生する磁気音を低減させるため、特許文献1に示されているように、ロータヨークと永久磁石との間に弾性部材を介在させることにより、発生した振動を減衰させ、共振倍率を低く抑えることが提案されている。
【0007】
また特許文献2には、永久磁石をロータヨークに直接固定することなく、樹脂製の磁石ホルダと非磁性金属板からなる磁石カバーとにより永久磁石をロータヨークに押さえつける構造が提案されている。このような構造を採用すると、ロータの見かけの剛性が下がるため、ロータの共振周波数を低下させて、ロータの共振が生じる回転速度を、磁石発電機の運転時の回転速度領域から外すことができる。
【0008】
また特許文献3には、出力回路に工夫をすることで電機子反作用をキャンセルして、磁気音の低減を図った磁石発電機が開示されている。特許文献3に示された磁石発電機においては、ステータに、誘起電圧の位相が異なる第1及び第2の三相電機子コイルを設けるとともに、第1の三相電機子コイルと負荷との間及び第2の三相電機子コイルと負荷との間にそれぞれダイオードとスイッチ素子との混合ブリッジ回路からなる第1のレギュレータ回路及び第2のレギュレータ回路を設けて、第1及び第2の三相電機子コイルをそれぞれ流れる電流により生じる電機子反作用をキャンセルするように、第1及び第2のレギュレータ回路のスイッチ素子を制御することにより、磁気音を低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−70190号公報
【特許文献2】特開2001−333554号公報
【特許文献3】特開2002−10596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に示されているように、ロータヨークと永久磁石との間に弾性部材を介在させたり、特許文献2に示されているように、永久磁石を樹脂製のホルダを介して支持する構造にしたりすると、ロータの振動エネルギーが弾性部材や樹脂に吸収される際に熱に変換されるため、ロータで発熱が生じ、ロータの温度が上昇するという問題が生じる。
【0011】
また特許文献1や特許文献2に示された磁石発電機では、ロータの振動エネルギーを弾性部材などに吸収させることができるが、ロータの振動自体は発生するため、発電機に与えられた駆動エネルギの一部がロータを振動させるために使われて、発電効率が低下するのを避けられない。発電効率を向上させるためには、ロータの振動そのものを抑制する必要がある。
【0012】
更に、特許文献3に示された構成による場合には、レギュレータ回路を二組設ける必要があるため、磁石発電機と負荷との間の回路の構成が複雑になって、コストが上昇するのを避けられない。
【0013】
本発明の目的は、ロータの温度上昇を招いたり、発電効率の低下を招いたり、回路構成を複雑にしたりすることなく、磁気音の低減を図ることができるようにした発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、永久磁石により界磁が構成されたロータと、ロータの回転に伴って交流電圧を誘起する電機子コイルを有するステータとを備えて蓄電デバイスを充電するための電力を発生する磁石発電機と、スイッチ素子を含む整流回路を備えてスイッチ素子がオン状態にあるときに電機子コイルの出力を整流して得た電流を蓄電デバイスに充電電流として供給し、スイッチ素子がオフ状態にされたときに蓄電デバイスへの充電電流の供給を停止するように構成されたレギュレータと、レギュレータのスイッチ素子を制御するレギュレータ制御手段とを備えた発電装置を対象とする。
【0015】
本発明に係わる発電装置においては、磁石発電機のロータの回転速度(rpm)を検出する回転速度検出手段と、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときに磁石発電機の出力を停止させるかまたは制限する制御を行なう振動抑制時発電出力制御手段とを備えた。
【0016】
磁石発電機の電機子反作用によりロータに抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域は、磁石発電機を実際に運転してそのロータの振動または磁石発電機が発生する騒音を計測する実験を行うことにより容易に定めることができる。
【0017】
磁石発電機の出力を停止または制限している間は、蓄電デバイスの充電が停止するかまたは充電電流が制限されるが、その間は蓄電デバイスに蓄積されているエネルギで負荷を駆動することができるため、負荷の駆動には支障を来さない。
【0018】
本発明の好ましい態様では、上記制御領域が、磁石発電機に電機子反作用が生じているときにロータに共振が生じる速度領域を含むように設定される。
【0019】
上記のように構成すると、電機子反作用によりロータに生じる振動のレベルが、騒音を防止するために抑制すべきレベルに達する回転速度でロータが回転しているときに、発電機を無負荷状態にして電機子反作用が発生しないようにすることができるため、電機子反作用によりロータに生じていた振動を消滅させて、磁気音の発生を停止させることができ、磁石発電機が発生する騒音を低減させて、周囲の人に不快感を与えるのを防ぐことができる。
【0020】
本発明の好ましい態様では、振動抑制時発電出力制御手段が、磁石発電機とレギュレータとの間に挿入されたオンオフ制御が可能な電源スイッチと、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときに電源スイッチをオン状態にし、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときに電源スイッチをオフ状態にするように電源スイッチを制御する振動抑制時電源スイッチ制御手段とを備えている。
【0021】
本発明の他の好ましい態様では、振動抑制時発電出力制御手段が、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータ制御手段がレギュレータのスイッチ素子を制御するのを許容し、ロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータ制御手段がレギュレータのスイッチ素子を制御するのを禁止してレギュレータのスイッチ素子をオフ状態に保持することにより磁石発電機の出力を停止させるように構成される。
【0022】
上記のように構成すると、ロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータに設けられているスイッチ素子を利用して発電出力を停止する制御を行なわせることができるため、発電装置の構成を複雑にすることなく、騒音の低減を図ることができる。
【0023】
本発明の他の好ましい態様では、振動抑制時発電出力制御手段が、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータ制御手段がレギュレータのスイッチ素子を制御するのを許容し、ロータの回転速度が制御領域にあるときにはレギュレータ制御手段がレギュレータのスイッチ素子を制御するのを禁止してレギュレータのスイッチ素子をPWM制御することにより磁石発電機の出力を制限するように構成されている。
【0024】
上記のように構成すると、ロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータに設けられているスイッチ素子を利用して発電出力を制限する制御を行なわせることができるため、発電装置の構成を複雑にすることなく、騒音の低減を図ることができる。
【0025】
本発明の好ましい態様では、ロータの回転に同期してパルスを発生するパルス発生器が設けられ、回転速度検出手段は、パルスの発生周期からロータの回転速度を検出するように構成されている。
【0026】
本発明の好ましい態様では、上記回転速度検出手段が、電機子コイルに誘起する交流電圧の周波数からロータの回転速度を検出するように構成される。
【0027】
上記蓄電デバイスはバッテリでもよく、電気二重層キャパシタのような蓄電量が多いキャパシタでもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、ロータの回転速度が制御領域にあるときに磁石発電機の出力を停止させるかまたは制限する制御を行なう振動抑制時発電出力制御手段を設けたので、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じる状態になったときに電機子反作用を停止させるかまたは抑制して振動を抑えることができ、磁気音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態のハードウェアの構成を示した回路図である。
【図2】本発明の他の実施形態のハードウェアの構成を示した回路図である。
【図3】図2の実施形態の制御部の構成例を示したブロック図である。
【図4】図1の実施形態でマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図5】図2の実施形態でマイクロプロセッサに実行させる処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図6】図2の実施形態でマイクロプロセッサに実行させる処理の他のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】(A)は磁石発電機のロータに生じる機械的振動の姿態を説明するための説明図、(B)は磁石発電機において発電量を変化させた際にロータの共振特性が変化する様子を示した共振特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の一実施形態のハードウェアの構成を示したもので、同図において、1は永久磁石により界磁が構成されたロータ101と、ロータ101の内側に配置されてロータ101の回転に伴って交流電圧を発生するステータ102とからなる磁石発電機である。
【0031】
ロータ101は、カップ状に形成された鉄製のロータヨーク(フライホイール)1aの内周に永久磁石1bを取り付けて、ロータヨークの周方向に所定の極数の磁極が並ぶように磁石1bを着磁して界磁を構成した周知のものである。
【0032】
本実施形態では、ロータヨーク1aの外周に円弧状の突起からなるリラクタ(誘導子)rが形成され、ロータ101の外周の近傍に、リラクタrの回転方向の前端エッジ及び後端エッジをそれぞれ検出してパルスを発生するパルス発生器2が配置されている。
【0033】
ステータ102は、ロータ101の磁極部に対向する磁極部(歯部)を有する電機子鉄心と、電機子鉄心のスロットに巻回されたコイルとを備えていて、電機子鉄心のスロットに巻回されたコイルが三相結線されることにより、三相の電機子コイルLu,Lv及びLwが構成されている。図示の例では電機子コイルLuないしLwがスター結線され、電機子コイルLuないしLwの中性点と反対側の端子から磁石発電機の三相の出力端子1u,1v及び1wが引き出されている。なお磁石発電機の構成は周知であるので、その構造の詳細な図示は省略されている。ロータ101は、風車やエンジン等の駆動源の回転軸に取り付けられ、ステータ102及びパルス発生器2は、駆動源のケースやフレームなどの固定された部材に設けられた取付部に固定される。
【0034】
図1において、3は磁石発電機1の出力が入力されたレギュレータ、4はレギュレータ3の出力が印加された蓄電デバイスとしての二次バッテリ、5はレギュレータ3を制御する制御部である。図示の例では、バッテリ4の両端の電圧が、スイッチ6を通して制御部5に入力されるとともに、スイッチ6とスイッチ7とを通して負荷8に印加されている。
【0035】
レギュレータ3は、スイッチ素子を含む整流回路を備えていて、スイッチ素子がオン状態にあるときに電機子コイルLu〜Lwから得られる三相交流出力を整流して得た電流をバッテリ4に充電電流として供給し、スイッチ素子がオフ状態にされたときに蓄電デバイスへの充電電流の供給を停止するように構成されている。図示の例では、レギュレータのスイッチ素子としてサイリスタが用いられ、カソードが共通接続されたサイリスタThu,Thv及びThwと、サイリスタThu,Thv及びThwのアノードにそれぞれカソードが接続され、アノードが共通接続されたダイオードDu,Dv及びDwとからなる制御整流回路によりレギュレータ3が構成されている。このレギュレータにおいては、サイリスタThu,Thv及びThwのアノードとダイオードDuないしDwのカソードとの接続点から交流入力端子3u,3v及び3wが引き出され、サイリスタThuないしThwのカソードの共通接続点及びダイオードDuないしDwのアノードの共通接続点からそれぞれプラス側及びマイナス側の直流出力端子3a及び3bが引き出されている。レギュレータ3の交流入力端子3uないし3wは、電源スイッチSuないしSwを通して磁石発電機1の三相の出力端子1uないし1wに接続され、プラス側及びマイナス側の直流出力端子3a及び3bはそれぞれバッテリ4の正極端子及び負極端子に接続されている。
【0036】
制御部5は、スイッチ6を通して入力されるバッテリ4の電圧を電源として、バッテリ4の両端の電圧を設定値付近に保つように、レギュレータ3のスイッチ素子(図示の例ではサイリスタThu,Thv及びThw)を制御する制御動作を行う部分である。制御部5は、例えば、バッテリ4の両端の電圧(バッテリ電圧)を検出する電圧検出手段と、バッテリ電圧検出手段により検出されるバッテリ電圧が設定値以下のときにサイリスタThu,Thv及びThwのゲートにトリガ信号を与えて、これらのサイリスタをオン状態にし、バッテリ電圧検出手段により検出されるバッテリ電圧が設定値を超えた時にサイリスタThu,Thv及びThwへのトリガ信号の供給を停止させて、これらのサイリスタをオフ状態にするように、サイリスタThu,Thv及びThwへのトリガ信号の供給を制御するレギュレータ制御手段とにより構成することができる。サイリスタThuないしThwは、トリガ信号が与えられた時にそれぞれのアノードカソード間に順方向電圧が印加される期間オン状態になり、トリガ信号の供給が停止されると、それぞれのアノード電流が保持電流以下になったときにオフ状態になる。サイリスタThu,Thv及びThwへのトリガ信号の供給を制御するレギュレータ制御手段は、マイクロプロセッサを用いて構成してもよく、オペアンプ等からなる比較器を用いて構成してもよい。
【0037】
電源スイッチSuないしSwは、電磁スイッチ(リレー)や半導体スイッチのようにオンオフ制御が可能なスイッチからなっていて、ロータ101の回転速度(rpm)が設定された制御領域から外れているときにオン状態になり、ロータの回転速度が制御領域にあるときにオフ状態になるように制御される。
【0038】
図1の発電装置を運転する際には、スイッチ6をオン状態にしてバッテリ4の電圧を制御部5に入力し、電源スイッチSuないしSwをオン状態にした後、磁石発電機1のロータ101を風車やエンジン等の原動機により回転させて磁石発電機1に発電を行なわせ、バッテリ4の充電を行なわせる。また負荷8を動作させる場合には、スイッチ7をオン状態にしてバッテリ4の電圧を負荷8に印加する。
【0039】
磁石発電機1の出力をレギュレータ3を通してバッテリ4に供給してバッテリ4の充電を開始すると、電機子反作用により生じる起磁力によりロータの永久磁石とステータの磁極部との間に発生する斥力によりロータ101が振動して騒音を発生する。本実施形態においては、ロータ101の回転速度が、電機子反作用により、抑制する必要があるほどに大きいレベルの振動がロータに生じる速度領域にあるときに、電源スイッチSuないしSwをオフ状態にして、磁石発電機1を無負荷状態にすることにより電機子反作用をなくして騒音の低減を図る。
【0040】
電源スイッチSuないしSwを制御するため、回転速度検出手段9と、振動抑制時電源スイッチ制御手段10とが設けられている。回転速度検出手段9は、パルス発生器2が発生するパルスの発生間隔(または周波数)からロータ101の回転速度を検出する手段である。回転速度検出手段9は例えば,パルス発生器2がリラクタrの前端側エッジを検出してパルスを発生するタイミングから、パルス発生器2がリラクタrの前端側エッジを再度検出してパルスを発生するタイミングまでの時間(ロータ101が1回転するのに要した時間)を計測して、この時間からロータの回転速度を検出するように構成される。
【0041】
また振動抑制時電源スイッチ制御手段10は、電機子反作用によりロータに抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、回転速度検出手段9により検出されたロータの回転速度が上記制御領域から外れているときに電源スイッチSuないしSwをオン状態にし、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が上記制御領域にあるときに電源スイッチSuないしSwをオフ状態にするように、電源スイッチSuないしSwを制御する。
【0042】
磁石発電機1において、電機子反作用が生じておらず、ロータに円環振動が生じていない状態では、図7(A)に符号aで示したように、ロータの輪郭形状が円形を呈している。これに対し、電機子反作用が生じ、180°離れた位置にある一対の同相のコイルとロータの永久磁石との間に斥力が発生すると、図7(A)のbまたはcのようにロータが楕円形に変形し、ロータが回転して斥力が消滅するとロータが元の形状に戻ろうとするため、ロータが機械的に振動する。ロータの振動周波数は、ロータの回転速度の上昇に伴って高くなっていく。図7(A)のbは電機子反作用が弱い場合を示し、cはbに比べて電機子反作用が強い場合を示している。電機子反作用が大きく、ロータに作用する斥力が大きければ大きいほどロータの共振周波数が高くなる。
【0043】
図7(B)は、ロータの振動周波数と振幅との関係を示す振動特性曲線を示している。同図の曲線bは電機子反作用が小さい場合の振動特性を示し、曲線cは、曲線bの場合よりも電機子反作用が大きい場合の振動特性を示している。図7(B)において、foはロータの固有振動周波数を示し、f1は、電機子反作用が小さく、ロータが曲線bの振動特性を示すときのロータの共振周波数を示している。またf2は、電機子反作用が大きく、ロータが曲線cの振動特性を示すときの共振周波数を示している。
【0044】
ロータがある一定の回転速度で回転していて、電機子反作用が大きくなって、図7(B)の曲線cのような振動特性を示す状態になったとすると、振動周波数がf2であるときにロータが共振状態になって、その振幅がピーク値Apに達する。このとき、ロータの回転速度を変化させずに、電機子コイルに流す電流を減少させて電機子反作用を小さくすると、ロータが曲線bのような振動特性を示す状態にすることができ、ロータを共振状態から離脱させて、その振動の振幅をA1まで低下させることができる。即ち、ロータの回転速度を変化させなくても、電機子コイルに流す電流を制限して電機子反作用を抑制することにより、ロータの振動の振幅をΔA(=Ap−A1)だけ減少させて、磁気音の低減を図ることができる。また電機子コイルに流す電流をゼロにして電機子反作用をなくすことにより、電機子反作用に起因するロータの振動をなくして磁気音を消滅させることができる。
【0045】
従って、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として定めておいて、ロータの回転速度が制御領域にあるときに磁石発電機の出力を停止させるかまたは制限する制御を行なうと、ロータの回転速度を低下させなくても、磁石発電機が発生する騒音の低減を図ることができる。
【0046】
本実施形態においては、電機子反作用により磁石発電機1に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として設定しておいて、回転速度検出手段9により検出されたロータ101の回転速度が制御領域にあるときに電源スイッチSuないしSwをオフ状態にすることにより、磁石発電機1の出力を停止させて電機子反作用を停止させる。上記制御領域は、磁石発電機1に電機子反作用が生じているときにロータに共振が生じる回転速度領域を含むように設定される。
【0047】
上記の制御領域は、ロータの回転速度を変化させながら磁石発電機が発生する騒音を測定する実験を行なうことにより決定することができる。例えば、バッテリ4の充電電流に相当する電流を電機子コイルに流した状態で、磁石発電機1が発生する騒音を測定しながら、磁石発電機のロータ101の回転速度を変化させて、磁石発電機から抑制すべきレベルの騒音が発生する回転速度の範囲を求める実験を、電機子コイルに流す電流を種々変化させながら繰り返し行なうことにより、上記制御領域を定めることができる。発生している騒音が電機子反作用に起因するものであるか否かは、電機子コイルに流す電流をゼロにしたときにその騒音のレベルが低下するか否かを見ることにより確認することができる。
【0048】
回転速度検出手段9及び振動抑制時電源スイッチ制御手段10は、マイクロプロセッサに所定の処理を行なわせることにより構成することができる。振動抑制時スイッチ制御手段10を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるタスク処理のアルゴリズムの一例を示すフローチャートを図4に示した。このタスク処理は、所定の時間間隔で処理のタイミングが到来する毎に実行される。図4のタスク処理が開始されると、先ずステップS101で、別のタスク処理で求められているロータ101の回転速度が設定された制御領域にあるか否かを判定する。その結果、ロータの回転速度が制御領域から外れていると判定された時には、ステップS102に進んで電源スイッチSuないしSwをオン状態にしてこの処理を終了する。電源スイッチSuないしSwは、図4の処理が再び実行されるまでの間、オン状態を保持する。ステップS101で、ロータの回転速度が制御領域内にあると判定されたときには,ステップS103に進んで、電源スイッチSuないしSwをオフ状態にして磁石発電機を無負荷状態にした後、この処理を終了する。この場合電源スイッチSuないしSwは、図4の処理が再び実行されるまでの間、オフ状態を保持する。
【0049】
本実施形態では、電源スイッチSuないしSwと、振動抑制時スイッチ制御手段10とにより、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、回転速度検出手段9により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときに磁石発電機の出力を停止させる制御を行なう振動抑制時発電出力制御手段が構成される。
【0050】
上記のように、磁石発電機1とレギュレータ3との間にオンオフ制御が可能な電源スイッチを挿入して、ロータの回転速度が制御領域から外れているときに電源スイッチをオン状態にし、ロータの回転速度が制御領域にあるときに電源スイッチをオフ状態にするように電源スイッチを制御すると、電機子反作用によりロータに生じる振動のレベルが、騒音を防止するために抑制すべきレベルに達する回転速度でロータが回転しているときに、発電機を無負荷状態にして電機子反作用が発生しないようにすることができるため、電機子反作用によりロータに生じていた振動を消滅させて、磁気音の発生を停止させることができ、磁石発電機が発生する騒音の低減を図ることができる。
【0051】
上記の実施形態では、磁石発電機1とレギュレータ3との間に電源スイッチSuないしSwを挿入して、電機子反作用により抑制すべき磁気音が発生する回転速度でロータが回転しているときに、磁石発電機1とレギュレータ3との間に設けた電源スイッチをオフ状態にして電機子反作用を停止させることにより、騒音の低減を図るようにしたが、本発明は上記のように構成する場合に限定されない。
【0052】
図2は、本発明の他の実施形態を示したものである。本実施形態においては、電機子反作用により磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータ3のスイッチ素子をオフ状態に保持することにより発電機の出力を停止させる制御を行なう振動抑制時発電出力制御手段が制御部5に設けられる。
【0053】
本実施形態では、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータ3のスイッチ素子をオフ状態に保持することにより発電機の出力を停止させるので、基本的には、磁石発電機とレギュレータとの間に電源スイッチを設けることを必要としない。そのため、図2に示した例では、図1の実施形態で設けられていた電源スイッチSuないしSwが省略されて、磁石発電機の三相の電機子コイルLuないしLwの出力端子1u,1v及び1wがそれぞれレギュレータ3の入力端子3uないし3wに直結されている。なお本実施形態においても、特に必要がある場合には、磁石発電機の電機子コイルとレギュレータ3との間に電源スイッチを挿入することができる。
【0054】
本実施形態では、レギュレータ3を制御する制御部5がマイクロプロセッサを備えていて、該マイクロプロセッサに所定の処理を実行させることにより、図3に示されているように、制御部5内に、バッテリ電圧検出手段501と、レギュレータ制御手段502と、回転速度検出手段503と、振動抑制時発電出力制御手段504とを構成する。
【0055】
バッテリ電圧検出手段501は、バッテリ4の両端に接続された分圧回路などからなる電圧検出回路の出力を読み込んで、バッテリ4の両端の電圧(バッテリ電圧)を検出する。
【0056】
レギュレータ制御手段502は、バッテリ電圧を設定値付近に保つために、バッテリ4の両端の電圧に応じてレギュレータ3のサイリスタを制御する手段で、バッテリ電圧検出手段501により検出されたバッテリ電圧を設定値と比較して、検出されたバッテリ電圧が設定値以下のときにレギュレータ3のサイリスタThuないしThwのゲートにトリガ信号を与え、バッテリ電圧検出手段501により検出されるバッテリ電圧が設定値を超えたときにサイリスタThu,Thv及びThwへのトリガ信号の供給を停止するように、バッテリ電圧に応じてサイリスタThuないしThwへのトリガ信号の供給を制御する。
【0057】
回転速度検出手段503は、ロータ101の回転速度(rpm)を検出する手段で、この手段は例えば、パルス発生器2が特定のパルスを発生する間隔(ロータ101が1回転するのに要する時間)から、ロータ101の回転速度を検出する。
【0058】
振動抑制時発電出力制御手段504は、回転速度検出手段503により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子(図示の例ではサイリスタ)を制御するのを許容し、ロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子を制御するのを禁止してレギュレータ3のスイッチ素子をオフ状態に保持することにより磁石発電機の出力を停止させる制御を行なうように構成されている。
【0059】
図3のレギュレータ制御手段504と、振動抑制時発電出力制御手段504とを構成するためにマイクロプロセッサに実行させるタスク処理のアルゴリズムを示すフローチャートを図5に示した。図5に示したタスク処理においては、先ずステップS201でバッテリ電圧検出手段501により検出されたバッテリ電圧を設定値と比較して、検出されたバッテリ電圧が設定値を超えているか否かを判定する。その結果、バッテリ電圧が設定値以下である場合には、ステップS202に進んで、回転速度検出手段により検出された回転速度が制御領域にあるか否かを判定する。その結果、回転速度が制御領域から外れていると判定されたときには、ステップS203に進んでサイリスタThuないしThwにトリガ信号を与えて、これらのサイリスタをオン状態にし、バッテリ4の充電を行わせる。ステップS201でバッテリ電圧が設定値を超えていると判定された場合には、ステップS204に進んでサイリスタThuないしThwへのトリガ信号の供給を停止させてサイリスタThuないしThwをオフ状態にし、バッテリの充電を停止させる。ステップS202でロータの回転速度が制御領域にあると判定されたときにも、ステップS204に進んでサイリスタThuないしThwへのトリガ信号の供給を停止させてサイリスタThuないしThwをオフ状態にし、バッテリの充電を停止させる。
【0060】
図5に示したアルゴリズムによる場合には、ステップS201とステップS203及び204とにより、レギュレータ制御手段502が構成され、ステップS202とステップS203及びS204とにより、振動抑制時発電出力制御手段504が構成される。
【0061】
上記の実施形態では、回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータのスイッチ素子をオフ状態にして磁石発電機の出力を停止させるように、振動抑制時発電出力制御手段504を構成したが、ロータの回転速度が制御領域にあるときにレギュレータ3のスイッチ素子をPWM制御してレギュレータ3からバッテリ4に与える充電電流を制限することにより電機子反作用を抑制するように振動抑制時発電出力制御手段504を構成することもできる。
【0062】
この場合、振動抑制時発電出力制御手段504は、回転速度検出手段503により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子を制御するのを許容し、ロータの回転速度が制御領域にあるときにはレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子を制御するのを禁止してレギュレータ3のスイッチ素子をPWM制御することにより磁石発電機の出力を制限するように構成される。
【0063】
レギュレータ3のスイッチ素子をPWM制御する場合には、レギュレータ3のスイッチ素子に与える駆動信号を所定のデューティ比で断続する波形(PWM変調された波形)として、レギュレータ3のスイッチ素子を所定のデューティ比でオンオフさせる。従ってこの場合には、レギュレータ3のスイッチ素子として、図2に示されたサイリスタに代えて、MOSFETやバイポーラトランジスタのような、駆動信号が与えられている間だけオン状態になるスイッチ素子(自己保持機能を持たないスイッチ素子)を用いる。
【0064】
上記のように、回転速度検出手段503により検出されたロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子を制御するのを許容し、ロータの回転速度が制御領域にあるときにはレギュレータ制御手段502がレギュレータ3のスイッチ素子を制御するのを禁止してレギュレータ3のスイッチ素子をPWM制御するように制御部5を構成する場合にマイクロプロセッサに実行させるタスク処理のアルゴリズムを示すフローチャートを、図6に示した。
【0065】
図6に示されたタスク処理においては、先ずステップS301でバッテリ電圧検出手段501により検出されたバッテリ電圧を設定値と比較して、検出されたバッテリ電圧が設定値を超えているか否かを判定する。その結果、バッテリ電圧が設定値以下である場合には、ステップS302に進んで、回転速度検出手段503により検出された回転速度が制御領域にあるか否かを判定する。その結果、回転速度が制御領域から外れていると判定されたときには、ステップS303に進んでレギュレータ3のスイッチ素子をオン状態にした後この処理を終了する。ステップS302で回転速度が制御領域にあると判定されたときには、ステップS304に進んで、レギュレータ3のスイッチ素子にPWM変調された波形の駆動信号を与えて、レギュレータのスイッチ素子をPWM制御することによりバッテリ4に与える充電電流を制限した後、この処理を終了する。ステップS301でバッテリ電圧が設定値を超えていると判定されたときには、ステップS306に進んでレギュレータ3のスイッチ素子をオフ状態にしてバッテリ4への充電電流の供給を停止させた後、この処理を終了する。
【0066】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップS301とステップS303及び305とにより、バッテリ電圧に応じてレギュレータのスイッチ素子を制御するレギュレータ制御手段502が構成され、ステップS302とステップS304及びS305とにより、振動抑制時発電出力制御手段504が構成される。
【0067】
上記の実施形態では、磁石発電機が発生する電気エネルギを蓄積する蓄電デバイスとしてバッテリ4を用いたが、電気二重層キャパシタのような蓄電容量が十分に大きいキャパシタを蓄電デバイスとして用いる場合にも本発明を適用することができる。
【0068】
上記の実施形態では、ロータの回転速度が制御領域から外れているとき(ロータの回転速度が、抑制すべき騒音が発生しない領域にあるとき)に、レギュレータから蓄電デバイスに与える充電電流をオンオフ制御するとしたが、ロータの回転速度が制御領域から外れているときにレギュレータから蓄電デバイスに与える充電電流を位相制御またはPWM制御する場合にも本発明を適用することができる。
【0069】
本発明に係わる発電装置では、磁石発電機1の出力を停止または制限している間、蓄電デバイスの充電が停止するかまたは充電電流が制限されるが、その間は蓄電デバイスに蓄積されているエネルギで負荷を駆動することができるため、負荷の駆動には何ら支障を来さない。
【0070】
上記の実施形態では、ロータの回転に同期するパルス発生器として、ロータに設けたリラクタを検出して、ロータの所定の回転角度位置でパルスを発生するものを用いたが、ロータが微少角度回転する毎にパルスを発生するパルス発生器(エンコーダ)を用いることもできる。
【0071】
上記の実施形態では、ロータの回転に同期してパルスを発生するパルス発生器の出力からロータの回転速度を検出するとしたが、磁石発電機1の電機子コイルに誘起する交流電圧の周波数からロータの回転速度を検出するように、回転速度検出手段を構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係わる発電装置は、蓄電デバイスを充電する磁石発電機が発生するノイズを、負荷の駆動に支障を来すことなく低減することができるため、例えば風力発電装置のように、運転中に発電機が発生するノイズを低減して周囲環境との調和を図ることが必要とされる場合に特に有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 磁石発電機
101 ロータ
102 ステータ
2 パルス発生器
3 レギュレータ
4 バッテリ(蓄電デバイス)
5 制御部
9 回転速度検出手段
10 振動抑制時電源スイッチ制御手段
501 バッテリ電圧検出手段
502 レギュレータ制御手段
503 回転速度検出手段
504 振動抑制時発電出力制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石により界磁が構成されたロータと、前記ロータの回転に伴って交流電圧を誘起する電機子コイルを有するステータとを備えて蓄電デバイスを充電するための電力を発生する磁石発電機と、スイッチ素子を含む整流回路を備えて前記スイッチ素子がオン状態にあるときに前記電機子コイルの出力を整流して得た電流を前記蓄電デバイスに充電電流として供給し、前記スイッチ素子がオフ状態にされたときに前記蓄電デバイスへの充電電流の供給を停止するように構成されたレギュレータと、前記レギュレータのスイッチ素子を制御するレギュレータ制御手段とを備えた発電装置において、
前記磁石発電機のロータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
電機子反作用により前記磁石発電機に抑制すべき機械的振動が生じるロータの回転速度領域を制御領域として、前記回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が前記制御領域にあるときに前記磁石発電機の出力を停止させるかまたは制限する制御を行なう振動抑制時発電出力制御手段と、
を具備したことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記制御領域は、前記磁石発電機に電機子反作用が生じているときに前記ロータに共振が生じる速度領域を含むように設定されている請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記振動抑制時発電出力制御手段は、前記磁石発電機とレギュレータとの間に挿入されたオンオフ制御が可能な電源スイッチと、前記回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が前記制御領域から外れているときに前記電源スイッチをオン状態にし、前記回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が前記制御領域にあるときに前記電源スイッチをオフ状態にするように前記電源スイッチを制御する振動抑制時電源スイッチ制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記振動抑制時発電出力制御手段は、前記回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が前記制御領域から外れているときに前記レギュレータ制御手段が前記レギュレータのスイッチ素子を制御するのを許容し、前記ロータの回転速度が前記制御領域にあるときに前記レギュレータ制御手段が前記レギュレータのスイッチ素子を制御するのを禁止して前記レギュレータのスイッチ素子をオフ状態に保持することにより前記磁石発電機の出力を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項5】
前記振動抑制時発電出力制御手段は、前記回転速度検出手段により検出されたロータの回転速度が前記制御領域から外れているときに前記レギュレータ制御手段が前記レギュレータのスイッチ素子を制御するのを許容し、前記ロータの回転速度が前記制御領域にあるときには前記レギュレータ制御手段が前記レギュレータのスイッチ素子を制御するのを禁止して前記レギュレータのスイッチ素子をPWM制御することにより前記磁石発電機の出力を制限するように構成されている請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項6】
前記ロータの回転に同期してパルスを発生するパルス発生器が設けられ、
前記回転速度検出手段は、前記パルスの発生周期から前記ロータの回転速度を検出するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の発電装置。
【請求項7】
前記回転速度検出手段は、前記電機子コイルに誘起する交流電圧の周波数から前記ロータの回転速度を検出するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の発電装置。
【請求項8】
前記蓄電デバイスはバッテリである請求項1ないし7のいずれかに記載の発電装置。
【請求項9】
前記蓄電デバイスはキャパシタである請求項1ないし7のいずれかに記載の発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−120408(P2012−120408A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270609(P2010−270609)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】