説明

監視カメラ装置

【課題】設置面の傾斜に対応して撮像画像を反転させる際のチルト角度を任意に設定できる監視カメラ装置を提供する。
【解決手段】マイコン8は、リモコン9を操作して監視カメラ2をチルト動作させたときに検出されるチルト角度と、選択設定された反転チルト角度とを比較する。この比較により、検出されたチルト角度が設定された反転チルト角度以上と判断した場合は、画像処理チップ6に対して画像反転処理信号を出力する。画像処理チップ6は、画像反転処理信号に基づいて画像メモリ7からの画像信号の読み出し方法を変えて、モニタに撮像画像を上下左右反転させて表示する。監視カメラ2が回動されてチルト角度が反転チルト角度未満になった場合は、上下左右反転させることなくモニタに撮像画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用カメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パン/チルト制御される監視カメラは、パン方向には360度のエンドレスの回転が可能であり、チルト方向には、0〜180度の回転が可能となっている。チルト角度が90度以上になると撮像画像が上下左右反転するため、チルト角度が水平位置から例えば135度になると、該画像メモリに記憶した撮像画像の読み出し方法を変えて反転しない正しい撮像画像をモニタに表示していた。
【0003】
しかしながら、上記撮像画像を反転させるチルト角度は、監視カメラが天井等の水平な設置面に設置されることを想定して設定されていた。このため、監視カメラの設置面が水平でなく傾斜している場合には、モニタに表示される監視画像が本来反転すべきタイミングでないときに反転したり、反転しなければならないタイミングで反転しなかったりする問題点がある。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたもので、設置面の傾斜に対応して撮像画像を反転させる際のチルト角度を設定できる監視カメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の監視カメラ装置は、パン/チルト制御される監視カメラの撮像画像をモニタに表示し、チルト角度が基準位置から所定の反転チルト角度以上の場合は、撮像画像を上下左右反転させる監視カメラ装置において、図1に示すように前記監視カメラのチルト角度検出手段と、前記反転チルト角度を複数個記憶させる反転チルト角度記憶手段と、記憶された複数個の反転チルト角度の何れか1個を選択して設定する反転チルト角度設定手段と、前記チルト角度検出手段が検出するチルト角度と、前記反転チルト角度設定手段により設定された反転チルト角度を比較するチルト角度比較手段と、該チルト角度比較手段の比較によりチルト角度が反転チルト角度以上の場合は、前記監視カメラの撮像画像を上下左右反転処理させる画像反転処理手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の監視カメラ装置によれば、チルト角度検出手段が検出するチルト角度と、反転チルト角度設定手段により反転チルト角度記憶手段に記憶された複数個の中から設定された反転チルト角度をチルト角度比較手段により比較して、チルト角度が反転チルト角度以上の場合は、画像反転処理手段により監視カメラの撮像画像を上下左右反転処理させる。従って、監視カメラが傾斜姿勢で設置された場合でも、その傾斜角度に応じて撮像画像を反転表示させる反転チルト角度を、記憶した複数の反転チルト角度の中から選択して設定できるから、モニタに表示される監視画像が本来反転すべきタイミングでないときに反転したり、反転しなければならないタイミングで反転しなかったりする問題点を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
設置面の傾斜に対応して撮像画像を反転させる際のチルト角度を設定できる監視カメラ装置を提供するという目的を、監視カメラ装置に監視カメラのチルト角度検出手段と、反転チルト角度を複数個記憶させる反転チルト角度記憶手段と、記憶された複数個の反転チルト角度の何れかを選択して設定する反転チルト角度設定手段と、チルト角度検出手段が検出するチルト角度と、反転チルト角度設定手段により設定された反転チルト角度を比較するチルト角度比較手段と、該チルト角度比較手段の比較によりチルト角度が反転チルト角度以上の場合は、監視カメラの撮像画像を上下左右反転処理させる画像反転処理手段とを備えたことにより実現した。
【実施例】
【0008】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本実施例に係る監視カメラ装置1の概略構成を示したブロック図である。監視カメラ装置1は、監視カメラ2、監視カメラ2をステッピングモータによりパン動作させるパン機構3、同じく監視カメラ2をステッピングモータによりチルト動作させるチルト機構4を備えている。パン機構3によりパン方向には、360度のエンドレスの回転が可能であり、チルト機構4によりチルト方向には、−15度〜+195度程度の回転が可能となっている。監視カメラ2は、撮像素子であるCCD5、画像処理チップ6、画像メモリ7、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)8等から構成されている。そして、CCD5からの画像信号は画像処理チップ6により画像処理され、画像メモリ7に記憶されるとともに、NTSC等のコンポジットのビデオ信号に変換されてモニタ(図示しない)に表示される。
【0009】
上記マイコン8、インストールされた制御プログラムを実行して監視カメラ2を制御するもので、リモートコントローラ(以下、リモコンという。)9から入力されるパン/チルトコマンドに基づいて、パン機構3及びチルト機構4に対する制御信号を出力するとともに、基準位置からのパン角度及び基準位置からのチルト角度をステッピングモータのステップ角により検出して、監視カメラ2の現在位置を把握している。さらに、画像処理チップ6に対して画像処理制御信号を出力し、画像信号の画像メモリ7に対する書き込み及び読み出しを制御している。
【0010】
また、マイコン8には、予め撮像画像を上下左右反転させて表示する反転チルト角度を内部データとして記憶させている。その反転チルト角度は、例えば水平位置を0度とした場合、60度から10度置きに140度までの角度である。この反転チルト角度の選択は、リモコン9により選択して設定する。
【0011】
そして、マイコン8は、リモコン9を操作して監視カメラ2をチルト動作させたときに検出されるチルト角度と、選択設定された反転チルト角度とを比較する。この比較により、検出されたチルト角度が設定された反転チルト角度以上と判断した場合は、画像処理チップ6に対して画像反転処理信号を出力する。画像処理チップ6は、画像反転処理信号に基づいて画像メモリ7からの画像信号の読み出し方法を変えて、モニタに撮像画像を上下左右反転させて表示する。監視カメラ2が回動されてチルト角度が反転チルト角度未満になった場合は、上下左右反転させることなくモニタに撮像画像を表示する。
【0012】
上記実施例の監視カメラ装置1は、監視カメラ2が傾斜姿勢で設置された場合でも、その傾斜角度に応じて撮像画像を反転表示させる反転チルト角度を、水平位置を0度とした場合、60度から10度置きに140度までの角度の中から任意に設定できるから、モニタに表示される監視画像が本来反転すべきタイミングでないときに反転したり、反転しなければならないタイミングで反転しなかったりする不都合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】クレームに対応したブロック図である。
【図2】監視カメラ装置の概略の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0014】
1 監視カメラ装置
2 監視カメラ
3 パン機構
4 チルト機構
5 CCD
6 画像処理チップ
7 画像メモリ
8 マイコン
9 リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン/チルト制御される監視カメラの撮像画像をモニタに表示し、チルト角度が基準位置から所定の反転チルト角度以上の場合は、撮像画像を上下左右反転させる監視カメラ装置において、
前記監視カメラのチルト角度検出手段と、
前記反転チルト角度を複数個記憶させる反転チルト角度記憶手段と、
記憶された複数個の反転チルト角度の何れか1個を選択して設定する反転チルト角度設定手段と、
前記チルト角度検出手段が検出するチルト角度と、前記反転チルト角度設定手段により設定された反転チルト角度を比較するチルト角度比較手段と、
該チルト角度比較手段の比較によりチルト角度が反転チルト角度以上の場合は、前記監視カメラの撮像画像を上下左右反転処理させる画像反転処理手段と
を備えたことを特徴とする監視カメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−86713(P2006−86713A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268362(P2004−268362)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】