直接描画装置用の画像表示装置、およびプログラム
【課題】RIPパラメータを設定する都度、当該RIPパラメータに基づくRIP展開によって生成された図形の描画に供される画像データを、描画処理の実行前に、容易に確認できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】画像処理装置2は、設計データD0が表す所定の処理領域RTを設定する処理領域設定部25と、指定パラメータPa1用いて、処理領域RTの表示倍率に応じた解像度で、処理領域に対応する設計データD0をRIP展開する表示用RIP展開部26とを備える。表示用RIP展開部26におけるRIP展開は、直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする。
【解決手段】画像処理装置2は、設計データD0が表す所定の処理領域RTを設定する処理領域設定部25と、指定パラメータPa1用いて、処理領域RTの表示倍率に応じた解像度で、処理領域に対応する設計データD0をRIP展開する表示用RIP展開部26とを備える。表示用RIP展開部26におけるRIP展開は、直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接描画装置で用いられる描画データを事前にディスプレイ上に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フォトマスクを用いずに、CAD(Computer Aided Design)などで設計されたベクトル形式の設計データから、半導体基板などの描画対象物に直接パターンを描画する方式(以下において、直接描画方式と称する)が導入されはじめている。
【0003】
直接描画方式によって、パターンを描画する装置(以下において、「直接描画装置」と称する。)では、ベクトル形式の設計データをRIP(Raster Image Processing)展開することで生成されるラスターデータを使用して描画が行われる。
【0004】
このような直接描画方式の場合、RIP展開が正しく実行されたか否かについてラスターデータ自体の検査を行う必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1では、ベクトル形式の設計データと、当該設計データ全体をRIP展開して得られるランレングスデータとのうち、少なくとも一方のデータに対して比較可能な変換処理を実行する。これによって、互いに比較可能なデータ形式に揃えられた両データが比較され、差異の有無を検出する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、ベクトル形式の設計データ全体を一旦RIP展開して、低解像度で全体のRIPデータを表示する。このうち、特に形状などを確認したい領域については高解像度で拡大して表示する技術が開示されている。オペレータは指定した領域のRIPデータを拡大し、目視でRIPデータを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−277730号公報
【特許文献2】特開2006−330184号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このようなRIP展開は、事前に設定された所定のRIPパラメータに基づいて行われる。しかしながら、オペレータは、例えばエッチング液の状態などのプロセス工程の条件、直接描画装置のスペックによる制約、または描画方針の変更などにより、描画処理が行われる直前に、RIPパラメータを変更しなければならない場合がある。この場合、新たに設定するRIPパラメータの設定ミスが生じる可能性などのため、オペレータは、新たに設定したRIPパラメータに基づくRIP展開後の画像データが表すパターンを速やかに確認する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、RIP展開に時間を要すること、又はRIPパラメータの設定に手間がかかることなどから、新たに設定したRIPパラメータに基づくRIP展開後の画像データを速やかに確認することができなかった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、RIPパラメータを設定する都度、当該RIPパラメータに基づくRIP展開によって生成された図形の描画に供される画像データを、描画処理の実行前に、容易に確認できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の画像表示装置であって、前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、前記指定画像を可視的に表示する表示部と、を備え、前記表示用RIP展開部におけるRIP展開は、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明に係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記指定パラメータの更新に応答して、前記表示用RIP展開がなされ、かつ前記表示部における表示が更新されることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記表示用RIP展開部は、前記処理領域が、前記パターンの部分領域に対応する場合には、第1の解像度で前記表示用RIP展開を行う一方で、前記処理領域が、前記パターンの全体領域に対応する場合には、第2の解像度で前記表示用RIP展開を行い、前記第2の解像度は前記第1の解像度よりも低いことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれか一つに係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、前記表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示部に表示されることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれか一つに係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記表示部上に前記パターンを表示させた状態で、前記処理領域は設定されることを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の表示画面を備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータが前記プログラムを読み取り、前記コンピュータのCPUがメモリを用いて前記プログラムを実行することにより、前記コンピュータを、前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、前記指定画像を前記表示画面上に可視的に表示する表示部と、を備え、前記表示用RIP展開部におけるRIP展開が、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする画像表示装置として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明から第6の発明によると、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開でRIP展開して表示させることにより、指定パラメータが設定される都度、速やかにRIP展開を行うことができる。
【0018】
特に、第2の発明によると、指定パラメータの更新に応答して、表示用RIP展開がなされて表示が更新されるため、RIP展開後の画像をより速やかに確認することができる。
【0019】
特に、第3の発明によると、処理領域が、パターンの部分領域に対応する場合には、第1解像度で表示用RIP展開が行われ、処理領域が、パターンの全体領域に対応する場合には、第1の解像度よりも低い第2の解像度で表示用RIP展開が行われる。このため、表示用RIP展開を速やかに実行することができる。
【0020】
特に、第4の発明によると、設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示手段に表示される。このため、設計データが表すパターンと指定パラメータで表示用RIP展開された画像との比較を容易に行うことができる。
【0021】
特に、第5の発明によると、表示用RIP展開の対象となる処理領域は、設計データに対応するパターンを表示部に表示させた状態で設定される。このため、オペレータは目視で確認しつつ処理領域を設定することができる。従って、誤って処理領域を設定することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態における直接描画装置用の画像表示装置が組み込まれた図形描画システムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置の操作GUIを示す概略図である。
【図4】画像処理装置の機能的構成を示す概略図である。
【図5】画像処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】処理領域がパターンの部分領域である場合の表示部における画像処理の様子を示す図である。
【図7】処理領域がパターンの全体領域である場合の表示部における画像処理の様子を示す図である。
【図8】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図9】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図10】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図11】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0024】
図1には、本発明の実施形態に係る直接描画装置用の画像表示装置が組み込まれた図形描画システム100が示されている。この図形描画システム100は、例えば半導体基板上のレジスト層を選択的に露光することにより、レジスト層に回路パターンに相当する図形を直接描画するシステムとして使用される。
【0025】
図形描画システム100は、設計データ作成装置1、画像処理装置2、および描画装置3を備える。これらの各装置1,2,3は、LANなどのネットワークNを介して相互に接続されている。
【0026】
設計データ作成装置1は、描画対象物に描画すべきパターン領域を記述したデータの作成及び編集を行う装置である。具体的にデータは、CADによってベクトル形式で記述された図形データとして作成される。以下において、このデータを設計データD0と称する。
【0027】
設計データ作成装置1で作成された設計データD0は、画像処理装置2と描画装置(直接描画装置)3との双方で受け取ることができる。画像処理装置2と描画装置3とはいずれもRIP展開機能を有するが、それらのRIP展開は異なる目的で実行される。すなわち、描画装置3のデータ処理部3aは設計データD0をRIP展開し、描画用のラスターデータとする機能(以下、「描画用RIP展開」と称する。)を有する。そのようにして得られたラスターデータに基づいて、描画制御部3bはレーザビームをON/OFF変調しつつ、描画対象物(基板)の2次元走査を行って選択的な露光を行う。
【0028】
一方、画像処理装置2は、描画用RIP展開を行うよりも前の段階で、設計データ作成装置1から設計データD0を取得し、当該取得した設計データD0を予備的にRIP展開して表示用のラスターデータとする機能(以下、「表示用RIP展開」と称する。)と、そのようにして得られたラスターデータに基づいてリアルタイムで可視的な表示を行う機能とを有する。換言すれば、画像処理装置2はパターン領域の画像のプレビュー機能を有する。プレビュー機能は全パターン領域の縮小表示と、部分パターン領域の拡大表示とのいずれをも含むことができる。本実施形態での画像処理装置2は、この発明における「直接描画装置用の画像表示装置」としての機能を有する。
【0029】
描画用RIP展開は、実際の描画に必要な解像度で描画パターン全体をRIP展開するものである。一方、表示用RIP展開は、ディスプレイ上での表示用に行われるものであり、描画用RIP展開と比較して低解像度で、あるいはパターン領域の全体ではなく部分的な領域だけをRIP展開するなど、描画用RIP展開よりも簡易な処理である。従って、RIP展開に要する処理時間も描画用RIP展開より短く、保持するデータ量も描画用RIP展開よりも少なくて済む。
【0030】
すなわち、画像処理装置2では、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開で設計データD0の該当部分をRIP展開して表示させることにより、画像のプレビュー表示のためのデータ処理を高速化し、パラメータ更新などに対する画像表示の更新のリアルタイム性を確保している。
【0031】
以下において、表示用RIP展開で得られたラスターデータを画像データD2と称する。
【0032】
なお、これらにおけるラスターデータ(ラスタイメージデータ)とは、周知のように、複数の画素を形成する2値画像データを主走査方向に配列したデータ(ラインデータ)を、主走査方向とは直交する副走査方向に多数配列したものに相当するデータである。
【0033】
描画用RIP展開では、ベクトル形式で記述された設計データD0をラスターデータに変換する。さらに、このラスターデータをランレングス符号化処理し、圧縮した描画用ランレングスデータは、描画装置3内に組み込まれた描画制御部3bに出力される。得られたランレングスデータは、設計データD0におけるパターン領域が、走査線ごとに各露光区間の長さを順次に配列した連鎖によって記述されたデータとなる。
【0034】
描画装置3は、データ処理部3aが設計データD0をRIP展開して得た描画用の画像データD1に基づいて、走査描画部3cが基板(描画対象物)上にパターン領域を直接露光する装置である。描画装置3の描画制御部3bは、画像処理装置2から描画用RIP展開に使用される指定パラメータPa1を取得し、指定パラメータPa1に従って設計データD0のRIP展開(描画用RIP展開)を行う。これによって描画用の画像データD1を生成し、走査描画部3cはその画像データD1に基づいてパターン領域の光ビーム走査による描画を実行する。これにより、図形パターンに相当する二次元画像が描画対象物に記録される。
【0035】
例えば走査描画部3cは、デジタルマイクロミラーデバイス等の空間光変調素子を用いて画像データD1に応じて変調した光ビームを半導体基板上のレジスト層(一般には感光層)に照射し、基板に配線パターンを描画する。
【0036】
なお、本実施形態では描画装置3内のデータ処理部3aで描画用RIP展開を行う場合について説明しているが、画像処理装置2と描画装置3との間に設けた専用のRIP装置で描画用RIP展開を行ってから、描画用画像データD1を描画装置3に送信する形態であってもよい。また、画像処理装置2において、指定パラメータPa1で設計データD0の描画用RIP展開が行われ、それによって生成された描画用の画像データD1が描画装置3に送信される形態であってもよい。これらの場合には、描画装置3のデータ処理部3aはRIP展開機能を備える必要はない。
【0037】
なお、画像処理装置2は、描画装置3の外部に設置される必要はなく、描画装置3と一体の構成であってもよい。また、画像処理装置2にCADが搭載されており、画像処理装置2に搭載されたCADで直接設計データD0が作成される構成であってもよい。
【0038】
図2には、コンピュータによって構成された画像処理装置2のハードウェア構成がブロック図で示されている。
【0039】
画像処理装置2は、CPU91、ROM92、メモリ93、メディアドライブ94、表示部95、操作部96等で構成されている。これらのハードウェアは、それぞれバスライン97によって電気的に接続された構成となっている。
【0040】
CPU91は、ROM92に記憶されたプログラム(または、メディアドライブによって読み込まれたプログラム)Pに基づいて、上記ハードウェア各部を制御し、画像処理装置2の機能を実現する。
【0041】
ROM92は、画像処理装置2の制御に必要なプログラムPやデータを予め格納した読み出し専用の記憶装置である。
【0042】
メモリ93は、読み出しと書き込みとが可能な記憶装置であり、CPU91による演算処理の際に発生するデータなどを一時的に記憶する。メモリ93は、SRAM、DRAMなどで構成される。
【0043】
メディアドライブ94は、記録媒体(より具体的には、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスクなどの可搬性記録媒体)Mからその中に記憶されている情報を読み出す機能部である。
【0044】
操作部96は、キーボード及びマウスによって構成される入力デバイスであり、コマンドや各種データの入力といったユーザ操作を受け付ける。操作部96が受けたユーザ操作は信号としてCPU91に入力される。
【0045】
表示部95は、カラーLCDのようなディスプレイ等を備え、各種のデータや動作状態を可変表示する。この表示部95では、図3に示される操作GUI(Graphic User Interface)80が表示される。
【0046】
ここで、図3を参照しつつ、操作GUI80について説明する。操作GUI80は、例えば図3に示されるように、設計データD0で規定されるパターン領域の一部を表示用RIP展開後の画像データD2に基づいて表示する処理領域表示画面81と、指定パラメータPa1の設定入力が行われる入力欄を表示するパラメータ設定画面82と、を備える。操作GUI80では、これらの処理領域表示画面81とパラメータ設定画面82とが並列的に表示されている。
【0047】
指定パラメータPa1には、例えばレイヤの番号、ピッチの大きさ、線幅のサイジング(拡大や縮小)、ネガポジ指定、処理領域などの各項目が挙げられる。
【0048】
例えば、図3に示されるパラメータ設定画面82の「レイヤ」201では、レイヤの番号が設定される。ここで設定されたレイヤが処理領域表示画面81に表示される。また、「ピッチ」202では、1画素のサイズが設定される。ここで設定されたサイズにRIP展開後の画像データD2の1画素は設定される。「太らせ」203では、画像データD2が表現するパターンの線幅の調整量が設定される。パターンの線幅は、この「太らせ」203に正の値が入力された場合には、設定前の線幅から設定値ほど太くなり、「太らせ」203に負の値が入力された場合には、設定前の線幅から設定値ほど細くなる。また、「ネガ指定」204では、所定領域をネガ領域として表示させるか、それともポジ領域として表示させるかについて設定される。つまり、この「ネガ指定」204が「有効」であれば、所定の領域はネガ領域として表示され、「ネガ指定」204が「無効」であれば、当該所定領域は、ポジ領域として表示される。「指定領域」205では、描画装置3に設けられた走査描画部3cの露光ヘッドが設定される。これによって、パターン領域のうち、当該露光ヘッドが描画を担当する部分的な領域が指定され、処理領域表示画面81に表示される。なお、これらは、あくまでも指定パラメータPa1の一例であり、これに限られるものではない。
【0049】
これらの指定パラメータPa1は、指定パラメータPa1のセットとして、後述する指定パラメータ保存部23に保存される。
【0050】
指定パラメータPa1を用いた表示用RIP展開は、これらの指定パラメータPa1が、操作GUI80のパラメータ設定画面82に入力された後で、操作GUI80上の「適用」キー215がクリックされることにより実行される。なお、指定パラメータPa1が操作GUI80に入力される都度、表示用RIP展開が行われる形態であってもよい。
【0051】
指定パラメータPa1が最初に設定されるまでは、RIP展開される設計データD0に対応するパターン領域だけが初期画像として処理領域表示画面81に表示されている。指定パラメータPa1が設定され、その指定パラメータPa1に基づくRIP展開がなされた後には、表示用RIP展開した画像(以下において、指定画像D21と称する。)と、初期画像として表示されていた設計データD0が表現するパターン領域(以下において、設計画像D22と称する。)とが重ね合わされた状態で処理領域表示画面81に表示される。なお、設計画像D22は、ベクトル形式に記載された設計データD0を事前に設定されている初期パラメータでRIP展開した画像である。初期パラメータは、サイジングや階調反転などの調整処理を行わずに、設計データD0に忠実にRIP展開するためのRIPパラメータであり、初期表示用としてあらかじめ装置内に設定されている。
【0052】
表示用RIP展開は、パターン領域のうちオペレータが処理領域表示画面81に表示させることを意図した部分(以下「表示対象部分」)に対応する設計データD0の部分についてのみリアルタイムで実行される。具体的には、ユーザ操作によって、パターン領域の表示対象部分が設定されると、当該表示対象部分に相当する2次元座標範囲が特定される。そして、特定された2次元座標範囲に対応する設計データD0のみが、指定パラメータPa1に従ってRIP展開される。このようにして、処理領域表示画面81内に表示対象部分の指定画像D21が、その部分に相当する設計画像D22とともに表示される。
【0053】
上記のような表示対象部分の設定は、処理領域表示画面81の側方に設けられたスクロールバー220によって処理領域表示画面81に表示されているパターン領域をX方向又はY方向に移動させること、またはマウスのダブルクリックなどによりパターン領域の表示倍率を調節することなどによって行われる。なお、処理領域表示画面81上でマウスをドラッグアンドドロップすることによりパターン領域を移動させる態様であってもよい。
【0054】
図4には、画像処理装置2の機能的構成を表すブロック図が示されている。
【0055】
画像処理装置2は、設計データ取得部20、設計データ保存部21、指定パラメータ設定部22、指定パラメータ保存部23、処理領域設定部25、表示用RIP展開部26、および送信部30を備える。これらの各部の機能は、ROM92に予め格納されたプログラムP、あるいはメディアドライブ94によって記録媒体Mに記録されているプログラムPが読み出され、CPU91において実行されることによって実現する。
【0056】
設計データ取得部20は、設計データ作成装置1からネットワークNを介して描画すべきパターン領域が記述された設計データD0を取得する。なお、ネットワークNに限らず、例えば可搬型の記憶媒体を介して、設計データD0が取得されてもよい。
【0057】
設計データ保存部21は、設計データ取得部20で取得された設計データD0を保存する。保存された設計データD0は適宜読み出され、表示用RIP展開に使用される。
【0058】
指定パラメータ設定部22は、設計データD0がRIP展開されるときの指定パラメータPa1を設定する。具体的に、オペレータが、パラメータ設定画面82に操作部96を介して指定パラメータPa1の値を入力することによって、当該指定パラメータPa1が指定パラメータ設定部22に設定される。
【0059】
指定パラメータ保存部23は、指定パラメータ設定部22で設定された指定パラメータPa1を保存する。保存された指定パラメータPa1は、描画用RIP展開に使用されるRIPパラメータに設定されるなどのため、適宜読み出される。
【0060】
処理領域設定部25は、処理領域表示画面81に表示されている設計データD0、又は画像データD2のパターン領域から処理領域RTを設定する。具体的には、処理領域表示画面81に表示されているパターン領域に対して、スクロール、ズームイン、又はズームアウトなどのユーザ操作が操作部96を介して行われる。これによって、オペレータが目視で確認したいパターン領域の部分またはパターン領域全体が処理領域表示画面81に表示される。このようにして、処理領域RTが設定される。つまり、処理領域RTは、処理領域表示画面81に表示されているパターン領域の部分または全体であり、上述の表示対象部分に相当する。
【0061】
一般に、オペレータはパターン領域全体の各部を平等に確認することはなく、オペレータが特に確認したい部分は限定される。それは主として、描画工程やプロセス上でエラーが生じ易い特定の幾何学的特徴を有する部分である。例えば、パターン領域の曲線部分、鋭角部分、細線部分、頂点部分などの部分領域が処理領域RT(表示対象部分)として設定される。これによって、表示用RIP展開後の指定画像D21で、量子化の結果、又はハーフトーン形成の様子などが確認される。
【0062】
また、パターン領域の画像全体(全体領域)が処理領域RTとして設定される場合には、表示用RIP展開後の指定画像D21で、複数のチップの配置具合、エッジの処理具合、などが確認される。
【0063】
表示用RIP展開部26は、指定パラメータ設定部22で設定された指定パラメータPa1に基づいて、処理領域RT(表示対象部分)に対応する設計データD0をRIP展開(表示用RIP展開)する。これによって、設計データD0のうち処理領域RTに対応する部分が、指定パラメータPa1に対応した画像データD2に変換される。表示用RIP展開は、例えば、指定パラメータPa1の入力完了のタイミング、又は操作GUI80上の「適用」キー215のクリックを契機に開始され、即時実行される。
【0064】
ここで、図5に示されるフローチャートに従って、画像処理装置2における処理の流れについて説明する。また、図6には、設計画像D22のパターンの部分領域が処理領域RTとして設定され、表示用RIP展開される様子が示されている。また、図7には、設計画像D22のパターンの全体領域が処理領域RTとして設定され、表示用RIP展開される様子が示されている。
【0065】
はじめに、設計データ取得部20が、設計データ作成装置1で作成された設計データD0を、ネットワークNを介して取得する(ステップS1)。取得した設計データD0は設計データ保存部21に保存される。
【0066】
オペレータは、操作GUI80を介して設計データ保存部21に保存されている各種の設計データD0の中から所望の設計データD0を選択する。これによって選択された設計データD0を表現する設計画像D22が操作GUI80の処理領域表示画面81に表示される。なお、設計データ取得部20が取得した設計データD0を直接に操作GUI80の処理領域表示画面81に設計画像D22として表示させる形態であってもよい。
【0067】
続いて、オペレータは、操作部96を介して、処理領域RTを設定する(ステップS2)。具体的には、オペレータは、処理領域表示画面81に表示されている設計画像D22を見ながら操作を行い、確認したい領域を処理領域表示画面81に表示させる。
【0068】
例えば、処理領域RTがパターン領域の部分領域である場合には、図6に示されるように、設計画像D22(ST21)のうち、オペレータが確認したい部分領域を拡大表示させ(ST22)、線幅、又は形状を細かく確認することができるように表示させる。なお、図6のST22で示される設計画像D22の梨地領域が、表示用RIP展開されるデータ領域に相当する。
【0069】
また、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域である場合には、図7に示されるように、設計画像D22を縮小表示させて、パターン領域の全体を処理領域表示画面81に表示させる(ST31)。つまり、この場合には、処理領域RTがパターン領域Rに相当する。なお、図7のST31で示される設計画像D22の梨地領域が、表示用RIP展開されるデータ領域に相当する。
【0070】
続いて、オペレータが操作GUI80のRIPパラメータ設定画面82に指定パラメータPa1を入力し、指定パラメータPa1が設定される(ステップS3)。操作GUI80への指定パラメータPa1の入力が完了した段階で、当該指定パラメータPa1のセットが指定パラメータ保存部23に保存される。
【0071】
指定パラメータPa1が入力された段階で、操作GUI80の「適用」キー215がオペレータによってクリックされる。これを契機に表示用RIP展開が即時実行される(ステップS4)。
【0072】
このとき、処理領域表示画面81における処理領域RTの表示倍率に応じた解像度で表示用RIP展開は実行される。具体的に、表示倍率が大きくなる場合、すなわち処理領域RTが、パターン領域の部分領域であって、当該部分領域が処理領域表示画面81に拡大表示されている場合には、比較的高解像度で表示用RIP展開が行われる。これによって、図6に示されるように指定画像D21が設計画像D22とともに表示される(ST23)。
【0073】
また、表示倍率が小さくなる場合、すなわち処理領域RTが、パターン領域Rの全体領域であって、当該全体領域が処理領域表示画面81に縮小表示されている場合には、比較的低解像度で表示用RIP展開が行われる。具体的には、処理領域表示画面81の1画素の大きさが表示用RIP展開された画像の画素ピッチに相当する。例えば300ミリメートルの基板を1000画素に表示する場合には、画素ピッチは上記1画素の大きさである300マイクロメートルに相当する。従って、処理領域RTにおける300マイクロメートル以下の小さな図形は、表示用RIP展開されると塗り潰された状態で表示される。つまり、RIP展開は粗く行われる。
【0074】
従って、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域であるときの表示用RIP展開の解像度は、処理領域RTがパターン領域Rの部分領域であるときの表示用RIP展開の解像度よりも低くなる。このようにして、図7に示されるように指定画像D21が設計画像D22とともに表示される(ST32)。
【0075】
処理領域RTがパターン領域Rの部分領域に対応する場合には、表示用RIP展開は設計データD0の一部分に対して限定的に行われるため、また処理領域RTがパターン領域Rの全体領域に対応する場合には、表示用RIP展開は粗く行われるため、表示用RIP展開は、描画用RIP展開よりもデータ処理量が抑制されたRIP展開となる。
【0076】
このように、処理領域の表示倍率に応じた解像度で、指定パラメータPa1に基づく表示用RIP展開が行われ、生成された指定画像D21が、設計画像D22とともに処理領域表示画面81に表示される(ステップS5)。
【0077】
指定画像D21の表示処理が行われると、オペレータは処理領域表示画面81に表示されている指定画像D21を確認する。そして、処理領域RTを再設定して再度表示用RIP展開を実施するか否かが判断される(ステップS6)。処理領域RTが新たに設定される(ステップS7)と、表示用RIP展開及び指定画像D21の表示処理は新たに実行される。
【0078】
また、指定画像D21の表示処理が行われると、指定パラメータPa1を再設定して表示用RIP展開を再度実施するか否かが判断される(ステップS8)。描画装置3が描画処理を行う際に、指定画像D21の形状が品質上問題であると判断される場合には、指定パラメータPa1が更新され、表示用RIP展開、及び指定画像D21の表示処理は新たに実行される。
【0079】
なお、ステップS6とステップS8とは逆の順序に行われても構わない。
【0080】
オペレータは、指定パラメータPa1または処理領域RTを様々に更新し、表示画像を更新させつつ、これらの表示画像を目視で確認する。そして、最適な表示画像が得られる指定パラメータPa1の値が、描画用RIP展開に使用されるRIPパラメータに決定される。決定された指定パラメータPa1は、指定パラメータ保存部23から読み出され、送信部30によって描画装置3に送信される。
【0081】
このように、表示用RIP展開、及び指定画像D21の表示処理は、指定パラメータPa1が更新されたとき、又は処理領域RTが更新されたときに、その都度リアルタイムで実施される。
【0082】
ここで、図8から図11を参照しつつ、指定パラメータPa1の項目毎に、指定パラメータPa1更新の前後における指定画像D21について説明する。図8から図10には、処理領域RTがパターン領域の部分領域に対応する場合が示されている。また、図11には、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域に対応する場合が示されている。
【0083】
図8には、パラメータ設定画面82でネガ指定が有効のときの指定画像D21(ST41)とネガ指定が無効のときの指定画像D21(ST42)とが示されている。このように、ネガ指定が有効な場合の指定画像D21(ST41)とネガ指定が無効な場合の指定画像D21(ST42)とでは、表示用RIP展開された指定画像D21のパターンの領域と背景を表す白地領域HWとが切り替わって表示される。つまり、指定パラメータPa1のネガ指定が有効であるか否かに応じて、指定画像D21のネガポジが反転して表示される。
【0084】
また、図9には、斜め線をスムーズに表すためにハーフトーンHTが設定されていない場合の指定画像D21(ST51)と、ハーフトーンHTが設定されている場合の指定画像D21(ST52)とが示されている。なお、図9に示されるST51とST52とはいずれも白地領域LWがパターンの領域を、白地領域RWが背景を表している。斜め線で表される設計画像D22のパターンがRIP展開されると、当該部分に対応する指定画像D21は階段状に表示される(ST51)。この階段状に表示された指定画像D21の部分をハーフトーンで表示することによって、指定画像D21における当該部分は視覚的に滑らかに表示される。
【0085】
また、図10には、太らせ幅が設定された場合の指定画像D21(ST61)と、細らせ幅が設定された場合の指定画像D21(ST62)とが示されている。ST61の指定画像D21が表すパターンの端部は設計画像D22のパターンよりも太らせ幅の設定値だけ外側に形成されている。また、ST61の指定画像D21が表すパターンの端部は設計画像D22のパターンよりも細らせ幅の設定値だけ内側に形成されている。このように、設計画像D22が指定画像D21とともに表示されているため、設計画像D22を目安にしながら指定画像D21のパターンの線幅の調節を行うことができる。
【0086】
また、図11には、エッジ露光が形成されていない指定画像D21(ST71)と、エッジ露光が形成されている指定画像D21(ST72)とが示されている。エッジ露光とは、基板に形成されたチップの外側を円形に囲むようにして形成される露光領域のことである。このように、指定パラメータPa1として、エッジ露光のON/OFFが設定されることにより、エッジ露光領域ELが設定された指定画像D21が確認される(ST72)。なお、ST71及びST72のいずれの指定画像D21においても、指定パラメータPa1として指定領域が設定されており、パターン領域R全体の左半分の領域が表示されている。
【0087】
このような指定パラメータPa1更新あるいは処理領域RTの更新に応答して表示用RIP展開が再度なされ、かつ処理領域表示画面81における表示がリアルタイムで更新されることにより、実質的に画像の変化を動的にモニタしつつ指定パラメータPa1などの調整が可能となる。ただし、ここで言うリアルタイムとは、指定パラメータPa1の更新、あるいは処理領域RTの更新に応答する場合のみならず、指定パラメータPa1更新後、あるいは処理領域RTの更新後、オペレータが更新指令を与えることによって表示用RIP展開が行われ、表示が更新される場合も含んでいる。換言すれば、描画用RIP展開にかかる時間を要することなくパラメータ更新とその結果の確認が可能という意味において、本実施形態の装置はリアルタイム性を有する。
【0088】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置2では、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開が行われ、指定画像D21が表示される。このため、指定パラメータPa1が設定される都度、速やかにRIP展開を行うことができる。
【0089】
また、指定パラメータPa1の更新に応答して、表示用RIP展開がなされて表示が更新されるため、RIP展開後の指定画像D21をより速やかに確認することができる。
【0090】
また、処理領域RTが、パターン領域Rの部分領域に対応する場合には、比較的高解像度で表示用RIP展開が行われ、処理領域RTが、パターン領域Rの全体領域に対応する場合には、比較的低解像度で表示用RIP展開が行われる。このため、表示用RIP展開を速やかに実行することができる。
【0091】
また、設計画像D22と位置合わせをした状態で、表示用RIP展開によって得られる指定画像D21が処理領域表示画面81に表示される。このため、設計データD0が表すパターン(設計画像D22)と指定パラメータPa1で表示用RIP展開された画像データD2が表すパターン(指定画像D21)との比較を容易に行うことができる。つまり、設計画像D22を目安にして、指定パラメータPa1の更新に伴って指定画像D21が更新される都度、指定画像D21を設計画像D22と比較することができる。
【0092】
また、表示用RIP展開の対象となる処理領域RT(表示対象部分)は、設計画像D22、又は指定画像D21を処理領域表示画面81に表示させた状態で設定される。このため、オペレータは目視で確認しつつ処理領域RTを設定することができる。従って、誤って処理領域RTを設定することを抑制できる。
【0093】
また、上記の実施形態の装置は、半導体基板やFDPディスプレイパネル用基板やプリント基板など精密電子基板製造用の光ビーム直接描画装置を想定しているが、印刷などの分野における直接描画においてもこの発明は適用できる。光ビームではなく、電子ビームなどによる直接描画装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
2 画像処理装置(画像表示装置)
3 直接描画装置
20 設計データ取得部
22 指定パラメータ設定部
25 処理領域設定部
26 表示用RIP展開部
81 処理領域表示画面
82 パラメータ設定画面
95 表示部
100 図形描画システム
RT 処理領域
R パターン領域
Pa1 指定パラメータ
D0 設計データ
D2 画像データ
D21 指定画像
D22 設計画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接描画装置で用いられる描画データを事前にディスプレイ上に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フォトマスクを用いずに、CAD(Computer Aided Design)などで設計されたベクトル形式の設計データから、半導体基板などの描画対象物に直接パターンを描画する方式(以下において、直接描画方式と称する)が導入されはじめている。
【0003】
直接描画方式によって、パターンを描画する装置(以下において、「直接描画装置」と称する。)では、ベクトル形式の設計データをRIP(Raster Image Processing)展開することで生成されるラスターデータを使用して描画が行われる。
【0004】
このような直接描画方式の場合、RIP展開が正しく実行されたか否かについてラスターデータ自体の検査を行う必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1では、ベクトル形式の設計データと、当該設計データ全体をRIP展開して得られるランレングスデータとのうち、少なくとも一方のデータに対して比較可能な変換処理を実行する。これによって、互いに比較可能なデータ形式に揃えられた両データが比較され、差異の有無を検出する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、ベクトル形式の設計データ全体を一旦RIP展開して、低解像度で全体のRIPデータを表示する。このうち、特に形状などを確認したい領域については高解像度で拡大して表示する技術が開示されている。オペレータは指定した領域のRIPデータを拡大し、目視でRIPデータを確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−277730号公報
【特許文献2】特開2006−330184号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このようなRIP展開は、事前に設定された所定のRIPパラメータに基づいて行われる。しかしながら、オペレータは、例えばエッチング液の状態などのプロセス工程の条件、直接描画装置のスペックによる制約、または描画方針の変更などにより、描画処理が行われる直前に、RIPパラメータを変更しなければならない場合がある。この場合、新たに設定するRIPパラメータの設定ミスが生じる可能性などのため、オペレータは、新たに設定したRIPパラメータに基づくRIP展開後の画像データが表すパターンを速やかに確認する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、RIP展開に時間を要すること、又はRIPパラメータの設定に手間がかかることなどから、新たに設定したRIPパラメータに基づくRIP展開後の画像データを速やかに確認することができなかった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、RIPパラメータを設定する都度、当該RIPパラメータに基づくRIP展開によって生成された図形の描画に供される画像データを、描画処理の実行前に、容易に確認できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の画像表示装置であって、前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、前記指定画像を可視的に表示する表示部と、を備え、前記表示用RIP展開部におけるRIP展開は、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明に係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記指定パラメータの更新に応答して、前記表示用RIP展開がなされ、かつ前記表示部における表示が更新されることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記表示用RIP展開部は、前記処理領域が、前記パターンの部分領域に対応する場合には、第1の解像度で前記表示用RIP展開を行う一方で、前記処理領域が、前記パターンの全体領域に対応する場合には、第2の解像度で前記表示用RIP展開を行い、前記第2の解像度は前記第1の解像度よりも低いことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれか一つに係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、前記表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示部に表示されることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれか一つに係る直接描画装置用の画像表示装置であって、前記表示部上に前記パターンを表示させた状態で、前記処理領域は設定されることを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の表示画面を備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータが前記プログラムを読み取り、前記コンピュータのCPUがメモリを用いて前記プログラムを実行することにより、前記コンピュータを、前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、前記指定画像を前記表示画面上に可視的に表示する表示部と、を備え、前記表示用RIP展開部におけるRIP展開が、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする画像表示装置として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明から第6の発明によると、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開でRIP展開して表示させることにより、指定パラメータが設定される都度、速やかにRIP展開を行うことができる。
【0018】
特に、第2の発明によると、指定パラメータの更新に応答して、表示用RIP展開がなされて表示が更新されるため、RIP展開後の画像をより速やかに確認することができる。
【0019】
特に、第3の発明によると、処理領域が、パターンの部分領域に対応する場合には、第1解像度で表示用RIP展開が行われ、処理領域が、パターンの全体領域に対応する場合には、第1の解像度よりも低い第2の解像度で表示用RIP展開が行われる。このため、表示用RIP展開を速やかに実行することができる。
【0020】
特に、第4の発明によると、設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示手段に表示される。このため、設計データが表すパターンと指定パラメータで表示用RIP展開された画像との比較を容易に行うことができる。
【0021】
特に、第5の発明によると、表示用RIP展開の対象となる処理領域は、設計データに対応するパターンを表示部に表示させた状態で設定される。このため、オペレータは目視で確認しつつ処理領域を設定することができる。従って、誤って処理領域を設定することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態における直接描画装置用の画像表示装置が組み込まれた図形描画システムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置の操作GUIを示す概略図である。
【図4】画像処理装置の機能的構成を示す概略図である。
【図5】画像処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】処理領域がパターンの部分領域である場合の表示部における画像処理の様子を示す図である。
【図7】処理領域がパターンの全体領域である場合の表示部における画像処理の様子を示す図である。
【図8】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図9】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図10】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【図11】所定の項目に関する指定パラメータの更新前後における指定画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0024】
図1には、本発明の実施形態に係る直接描画装置用の画像表示装置が組み込まれた図形描画システム100が示されている。この図形描画システム100は、例えば半導体基板上のレジスト層を選択的に露光することにより、レジスト層に回路パターンに相当する図形を直接描画するシステムとして使用される。
【0025】
図形描画システム100は、設計データ作成装置1、画像処理装置2、および描画装置3を備える。これらの各装置1,2,3は、LANなどのネットワークNを介して相互に接続されている。
【0026】
設計データ作成装置1は、描画対象物に描画すべきパターン領域を記述したデータの作成及び編集を行う装置である。具体的にデータは、CADによってベクトル形式で記述された図形データとして作成される。以下において、このデータを設計データD0と称する。
【0027】
設計データ作成装置1で作成された設計データD0は、画像処理装置2と描画装置(直接描画装置)3との双方で受け取ることができる。画像処理装置2と描画装置3とはいずれもRIP展開機能を有するが、それらのRIP展開は異なる目的で実行される。すなわち、描画装置3のデータ処理部3aは設計データD0をRIP展開し、描画用のラスターデータとする機能(以下、「描画用RIP展開」と称する。)を有する。そのようにして得られたラスターデータに基づいて、描画制御部3bはレーザビームをON/OFF変調しつつ、描画対象物(基板)の2次元走査を行って選択的な露光を行う。
【0028】
一方、画像処理装置2は、描画用RIP展開を行うよりも前の段階で、設計データ作成装置1から設計データD0を取得し、当該取得した設計データD0を予備的にRIP展開して表示用のラスターデータとする機能(以下、「表示用RIP展開」と称する。)と、そのようにして得られたラスターデータに基づいてリアルタイムで可視的な表示を行う機能とを有する。換言すれば、画像処理装置2はパターン領域の画像のプレビュー機能を有する。プレビュー機能は全パターン領域の縮小表示と、部分パターン領域の拡大表示とのいずれをも含むことができる。本実施形態での画像処理装置2は、この発明における「直接描画装置用の画像表示装置」としての機能を有する。
【0029】
描画用RIP展開は、実際の描画に必要な解像度で描画パターン全体をRIP展開するものである。一方、表示用RIP展開は、ディスプレイ上での表示用に行われるものであり、描画用RIP展開と比較して低解像度で、あるいはパターン領域の全体ではなく部分的な領域だけをRIP展開するなど、描画用RIP展開よりも簡易な処理である。従って、RIP展開に要する処理時間も描画用RIP展開より短く、保持するデータ量も描画用RIP展開よりも少なくて済む。
【0030】
すなわち、画像処理装置2では、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開で設計データD0の該当部分をRIP展開して表示させることにより、画像のプレビュー表示のためのデータ処理を高速化し、パラメータ更新などに対する画像表示の更新のリアルタイム性を確保している。
【0031】
以下において、表示用RIP展開で得られたラスターデータを画像データD2と称する。
【0032】
なお、これらにおけるラスターデータ(ラスタイメージデータ)とは、周知のように、複数の画素を形成する2値画像データを主走査方向に配列したデータ(ラインデータ)を、主走査方向とは直交する副走査方向に多数配列したものに相当するデータである。
【0033】
描画用RIP展開では、ベクトル形式で記述された設計データD0をラスターデータに変換する。さらに、このラスターデータをランレングス符号化処理し、圧縮した描画用ランレングスデータは、描画装置3内に組み込まれた描画制御部3bに出力される。得られたランレングスデータは、設計データD0におけるパターン領域が、走査線ごとに各露光区間の長さを順次に配列した連鎖によって記述されたデータとなる。
【0034】
描画装置3は、データ処理部3aが設計データD0をRIP展開して得た描画用の画像データD1に基づいて、走査描画部3cが基板(描画対象物)上にパターン領域を直接露光する装置である。描画装置3の描画制御部3bは、画像処理装置2から描画用RIP展開に使用される指定パラメータPa1を取得し、指定パラメータPa1に従って設計データD0のRIP展開(描画用RIP展開)を行う。これによって描画用の画像データD1を生成し、走査描画部3cはその画像データD1に基づいてパターン領域の光ビーム走査による描画を実行する。これにより、図形パターンに相当する二次元画像が描画対象物に記録される。
【0035】
例えば走査描画部3cは、デジタルマイクロミラーデバイス等の空間光変調素子を用いて画像データD1に応じて変調した光ビームを半導体基板上のレジスト層(一般には感光層)に照射し、基板に配線パターンを描画する。
【0036】
なお、本実施形態では描画装置3内のデータ処理部3aで描画用RIP展開を行う場合について説明しているが、画像処理装置2と描画装置3との間に設けた専用のRIP装置で描画用RIP展開を行ってから、描画用画像データD1を描画装置3に送信する形態であってもよい。また、画像処理装置2において、指定パラメータPa1で設計データD0の描画用RIP展開が行われ、それによって生成された描画用の画像データD1が描画装置3に送信される形態であってもよい。これらの場合には、描画装置3のデータ処理部3aはRIP展開機能を備える必要はない。
【0037】
なお、画像処理装置2は、描画装置3の外部に設置される必要はなく、描画装置3と一体の構成であってもよい。また、画像処理装置2にCADが搭載されており、画像処理装置2に搭載されたCADで直接設計データD0が作成される構成であってもよい。
【0038】
図2には、コンピュータによって構成された画像処理装置2のハードウェア構成がブロック図で示されている。
【0039】
画像処理装置2は、CPU91、ROM92、メモリ93、メディアドライブ94、表示部95、操作部96等で構成されている。これらのハードウェアは、それぞれバスライン97によって電気的に接続された構成となっている。
【0040】
CPU91は、ROM92に記憶されたプログラム(または、メディアドライブによって読み込まれたプログラム)Pに基づいて、上記ハードウェア各部を制御し、画像処理装置2の機能を実現する。
【0041】
ROM92は、画像処理装置2の制御に必要なプログラムPやデータを予め格納した読み出し専用の記憶装置である。
【0042】
メモリ93は、読み出しと書き込みとが可能な記憶装置であり、CPU91による演算処理の際に発生するデータなどを一時的に記憶する。メモリ93は、SRAM、DRAMなどで構成される。
【0043】
メディアドライブ94は、記録媒体(より具体的には、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスクなどの可搬性記録媒体)Mからその中に記憶されている情報を読み出す機能部である。
【0044】
操作部96は、キーボード及びマウスによって構成される入力デバイスであり、コマンドや各種データの入力といったユーザ操作を受け付ける。操作部96が受けたユーザ操作は信号としてCPU91に入力される。
【0045】
表示部95は、カラーLCDのようなディスプレイ等を備え、各種のデータや動作状態を可変表示する。この表示部95では、図3に示される操作GUI(Graphic User Interface)80が表示される。
【0046】
ここで、図3を参照しつつ、操作GUI80について説明する。操作GUI80は、例えば図3に示されるように、設計データD0で規定されるパターン領域の一部を表示用RIP展開後の画像データD2に基づいて表示する処理領域表示画面81と、指定パラメータPa1の設定入力が行われる入力欄を表示するパラメータ設定画面82と、を備える。操作GUI80では、これらの処理領域表示画面81とパラメータ設定画面82とが並列的に表示されている。
【0047】
指定パラメータPa1には、例えばレイヤの番号、ピッチの大きさ、線幅のサイジング(拡大や縮小)、ネガポジ指定、処理領域などの各項目が挙げられる。
【0048】
例えば、図3に示されるパラメータ設定画面82の「レイヤ」201では、レイヤの番号が設定される。ここで設定されたレイヤが処理領域表示画面81に表示される。また、「ピッチ」202では、1画素のサイズが設定される。ここで設定されたサイズにRIP展開後の画像データD2の1画素は設定される。「太らせ」203では、画像データD2が表現するパターンの線幅の調整量が設定される。パターンの線幅は、この「太らせ」203に正の値が入力された場合には、設定前の線幅から設定値ほど太くなり、「太らせ」203に負の値が入力された場合には、設定前の線幅から設定値ほど細くなる。また、「ネガ指定」204では、所定領域をネガ領域として表示させるか、それともポジ領域として表示させるかについて設定される。つまり、この「ネガ指定」204が「有効」であれば、所定の領域はネガ領域として表示され、「ネガ指定」204が「無効」であれば、当該所定領域は、ポジ領域として表示される。「指定領域」205では、描画装置3に設けられた走査描画部3cの露光ヘッドが設定される。これによって、パターン領域のうち、当該露光ヘッドが描画を担当する部分的な領域が指定され、処理領域表示画面81に表示される。なお、これらは、あくまでも指定パラメータPa1の一例であり、これに限られるものではない。
【0049】
これらの指定パラメータPa1は、指定パラメータPa1のセットとして、後述する指定パラメータ保存部23に保存される。
【0050】
指定パラメータPa1を用いた表示用RIP展開は、これらの指定パラメータPa1が、操作GUI80のパラメータ設定画面82に入力された後で、操作GUI80上の「適用」キー215がクリックされることにより実行される。なお、指定パラメータPa1が操作GUI80に入力される都度、表示用RIP展開が行われる形態であってもよい。
【0051】
指定パラメータPa1が最初に設定されるまでは、RIP展開される設計データD0に対応するパターン領域だけが初期画像として処理領域表示画面81に表示されている。指定パラメータPa1が設定され、その指定パラメータPa1に基づくRIP展開がなされた後には、表示用RIP展開した画像(以下において、指定画像D21と称する。)と、初期画像として表示されていた設計データD0が表現するパターン領域(以下において、設計画像D22と称する。)とが重ね合わされた状態で処理領域表示画面81に表示される。なお、設計画像D22は、ベクトル形式に記載された設計データD0を事前に設定されている初期パラメータでRIP展開した画像である。初期パラメータは、サイジングや階調反転などの調整処理を行わずに、設計データD0に忠実にRIP展開するためのRIPパラメータであり、初期表示用としてあらかじめ装置内に設定されている。
【0052】
表示用RIP展開は、パターン領域のうちオペレータが処理領域表示画面81に表示させることを意図した部分(以下「表示対象部分」)に対応する設計データD0の部分についてのみリアルタイムで実行される。具体的には、ユーザ操作によって、パターン領域の表示対象部分が設定されると、当該表示対象部分に相当する2次元座標範囲が特定される。そして、特定された2次元座標範囲に対応する設計データD0のみが、指定パラメータPa1に従ってRIP展開される。このようにして、処理領域表示画面81内に表示対象部分の指定画像D21が、その部分に相当する設計画像D22とともに表示される。
【0053】
上記のような表示対象部分の設定は、処理領域表示画面81の側方に設けられたスクロールバー220によって処理領域表示画面81に表示されているパターン領域をX方向又はY方向に移動させること、またはマウスのダブルクリックなどによりパターン領域の表示倍率を調節することなどによって行われる。なお、処理領域表示画面81上でマウスをドラッグアンドドロップすることによりパターン領域を移動させる態様であってもよい。
【0054】
図4には、画像処理装置2の機能的構成を表すブロック図が示されている。
【0055】
画像処理装置2は、設計データ取得部20、設計データ保存部21、指定パラメータ設定部22、指定パラメータ保存部23、処理領域設定部25、表示用RIP展開部26、および送信部30を備える。これらの各部の機能は、ROM92に予め格納されたプログラムP、あるいはメディアドライブ94によって記録媒体Mに記録されているプログラムPが読み出され、CPU91において実行されることによって実現する。
【0056】
設計データ取得部20は、設計データ作成装置1からネットワークNを介して描画すべきパターン領域が記述された設計データD0を取得する。なお、ネットワークNに限らず、例えば可搬型の記憶媒体を介して、設計データD0が取得されてもよい。
【0057】
設計データ保存部21は、設計データ取得部20で取得された設計データD0を保存する。保存された設計データD0は適宜読み出され、表示用RIP展開に使用される。
【0058】
指定パラメータ設定部22は、設計データD0がRIP展開されるときの指定パラメータPa1を設定する。具体的に、オペレータが、パラメータ設定画面82に操作部96を介して指定パラメータPa1の値を入力することによって、当該指定パラメータPa1が指定パラメータ設定部22に設定される。
【0059】
指定パラメータ保存部23は、指定パラメータ設定部22で設定された指定パラメータPa1を保存する。保存された指定パラメータPa1は、描画用RIP展開に使用されるRIPパラメータに設定されるなどのため、適宜読み出される。
【0060】
処理領域設定部25は、処理領域表示画面81に表示されている設計データD0、又は画像データD2のパターン領域から処理領域RTを設定する。具体的には、処理領域表示画面81に表示されているパターン領域に対して、スクロール、ズームイン、又はズームアウトなどのユーザ操作が操作部96を介して行われる。これによって、オペレータが目視で確認したいパターン領域の部分またはパターン領域全体が処理領域表示画面81に表示される。このようにして、処理領域RTが設定される。つまり、処理領域RTは、処理領域表示画面81に表示されているパターン領域の部分または全体であり、上述の表示対象部分に相当する。
【0061】
一般に、オペレータはパターン領域全体の各部を平等に確認することはなく、オペレータが特に確認したい部分は限定される。それは主として、描画工程やプロセス上でエラーが生じ易い特定の幾何学的特徴を有する部分である。例えば、パターン領域の曲線部分、鋭角部分、細線部分、頂点部分などの部分領域が処理領域RT(表示対象部分)として設定される。これによって、表示用RIP展開後の指定画像D21で、量子化の結果、又はハーフトーン形成の様子などが確認される。
【0062】
また、パターン領域の画像全体(全体領域)が処理領域RTとして設定される場合には、表示用RIP展開後の指定画像D21で、複数のチップの配置具合、エッジの処理具合、などが確認される。
【0063】
表示用RIP展開部26は、指定パラメータ設定部22で設定された指定パラメータPa1に基づいて、処理領域RT(表示対象部分)に対応する設計データD0をRIP展開(表示用RIP展開)する。これによって、設計データD0のうち処理領域RTに対応する部分が、指定パラメータPa1に対応した画像データD2に変換される。表示用RIP展開は、例えば、指定パラメータPa1の入力完了のタイミング、又は操作GUI80上の「適用」キー215のクリックを契機に開始され、即時実行される。
【0064】
ここで、図5に示されるフローチャートに従って、画像処理装置2における処理の流れについて説明する。また、図6には、設計画像D22のパターンの部分領域が処理領域RTとして設定され、表示用RIP展開される様子が示されている。また、図7には、設計画像D22のパターンの全体領域が処理領域RTとして設定され、表示用RIP展開される様子が示されている。
【0065】
はじめに、設計データ取得部20が、設計データ作成装置1で作成された設計データD0を、ネットワークNを介して取得する(ステップS1)。取得した設計データD0は設計データ保存部21に保存される。
【0066】
オペレータは、操作GUI80を介して設計データ保存部21に保存されている各種の設計データD0の中から所望の設計データD0を選択する。これによって選択された設計データD0を表現する設計画像D22が操作GUI80の処理領域表示画面81に表示される。なお、設計データ取得部20が取得した設計データD0を直接に操作GUI80の処理領域表示画面81に設計画像D22として表示させる形態であってもよい。
【0067】
続いて、オペレータは、操作部96を介して、処理領域RTを設定する(ステップS2)。具体的には、オペレータは、処理領域表示画面81に表示されている設計画像D22を見ながら操作を行い、確認したい領域を処理領域表示画面81に表示させる。
【0068】
例えば、処理領域RTがパターン領域の部分領域である場合には、図6に示されるように、設計画像D22(ST21)のうち、オペレータが確認したい部分領域を拡大表示させ(ST22)、線幅、又は形状を細かく確認することができるように表示させる。なお、図6のST22で示される設計画像D22の梨地領域が、表示用RIP展開されるデータ領域に相当する。
【0069】
また、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域である場合には、図7に示されるように、設計画像D22を縮小表示させて、パターン領域の全体を処理領域表示画面81に表示させる(ST31)。つまり、この場合には、処理領域RTがパターン領域Rに相当する。なお、図7のST31で示される設計画像D22の梨地領域が、表示用RIP展開されるデータ領域に相当する。
【0070】
続いて、オペレータが操作GUI80のRIPパラメータ設定画面82に指定パラメータPa1を入力し、指定パラメータPa1が設定される(ステップS3)。操作GUI80への指定パラメータPa1の入力が完了した段階で、当該指定パラメータPa1のセットが指定パラメータ保存部23に保存される。
【0071】
指定パラメータPa1が入力された段階で、操作GUI80の「適用」キー215がオペレータによってクリックされる。これを契機に表示用RIP展開が即時実行される(ステップS4)。
【0072】
このとき、処理領域表示画面81における処理領域RTの表示倍率に応じた解像度で表示用RIP展開は実行される。具体的に、表示倍率が大きくなる場合、すなわち処理領域RTが、パターン領域の部分領域であって、当該部分領域が処理領域表示画面81に拡大表示されている場合には、比較的高解像度で表示用RIP展開が行われる。これによって、図6に示されるように指定画像D21が設計画像D22とともに表示される(ST23)。
【0073】
また、表示倍率が小さくなる場合、すなわち処理領域RTが、パターン領域Rの全体領域であって、当該全体領域が処理領域表示画面81に縮小表示されている場合には、比較的低解像度で表示用RIP展開が行われる。具体的には、処理領域表示画面81の1画素の大きさが表示用RIP展開された画像の画素ピッチに相当する。例えば300ミリメートルの基板を1000画素に表示する場合には、画素ピッチは上記1画素の大きさである300マイクロメートルに相当する。従って、処理領域RTにおける300マイクロメートル以下の小さな図形は、表示用RIP展開されると塗り潰された状態で表示される。つまり、RIP展開は粗く行われる。
【0074】
従って、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域であるときの表示用RIP展開の解像度は、処理領域RTがパターン領域Rの部分領域であるときの表示用RIP展開の解像度よりも低くなる。このようにして、図7に示されるように指定画像D21が設計画像D22とともに表示される(ST32)。
【0075】
処理領域RTがパターン領域Rの部分領域に対応する場合には、表示用RIP展開は設計データD0の一部分に対して限定的に行われるため、また処理領域RTがパターン領域Rの全体領域に対応する場合には、表示用RIP展開は粗く行われるため、表示用RIP展開は、描画用RIP展開よりもデータ処理量が抑制されたRIP展開となる。
【0076】
このように、処理領域の表示倍率に応じた解像度で、指定パラメータPa1に基づく表示用RIP展開が行われ、生成された指定画像D21が、設計画像D22とともに処理領域表示画面81に表示される(ステップS5)。
【0077】
指定画像D21の表示処理が行われると、オペレータは処理領域表示画面81に表示されている指定画像D21を確認する。そして、処理領域RTを再設定して再度表示用RIP展開を実施するか否かが判断される(ステップS6)。処理領域RTが新たに設定される(ステップS7)と、表示用RIP展開及び指定画像D21の表示処理は新たに実行される。
【0078】
また、指定画像D21の表示処理が行われると、指定パラメータPa1を再設定して表示用RIP展開を再度実施するか否かが判断される(ステップS8)。描画装置3が描画処理を行う際に、指定画像D21の形状が品質上問題であると判断される場合には、指定パラメータPa1が更新され、表示用RIP展開、及び指定画像D21の表示処理は新たに実行される。
【0079】
なお、ステップS6とステップS8とは逆の順序に行われても構わない。
【0080】
オペレータは、指定パラメータPa1または処理領域RTを様々に更新し、表示画像を更新させつつ、これらの表示画像を目視で確認する。そして、最適な表示画像が得られる指定パラメータPa1の値が、描画用RIP展開に使用されるRIPパラメータに決定される。決定された指定パラメータPa1は、指定パラメータ保存部23から読み出され、送信部30によって描画装置3に送信される。
【0081】
このように、表示用RIP展開、及び指定画像D21の表示処理は、指定パラメータPa1が更新されたとき、又は処理領域RTが更新されたときに、その都度リアルタイムで実施される。
【0082】
ここで、図8から図11を参照しつつ、指定パラメータPa1の項目毎に、指定パラメータPa1更新の前後における指定画像D21について説明する。図8から図10には、処理領域RTがパターン領域の部分領域に対応する場合が示されている。また、図11には、処理領域RTがパターン領域Rの全体領域に対応する場合が示されている。
【0083】
図8には、パラメータ設定画面82でネガ指定が有効のときの指定画像D21(ST41)とネガ指定が無効のときの指定画像D21(ST42)とが示されている。このように、ネガ指定が有効な場合の指定画像D21(ST41)とネガ指定が無効な場合の指定画像D21(ST42)とでは、表示用RIP展開された指定画像D21のパターンの領域と背景を表す白地領域HWとが切り替わって表示される。つまり、指定パラメータPa1のネガ指定が有効であるか否かに応じて、指定画像D21のネガポジが反転して表示される。
【0084】
また、図9には、斜め線をスムーズに表すためにハーフトーンHTが設定されていない場合の指定画像D21(ST51)と、ハーフトーンHTが設定されている場合の指定画像D21(ST52)とが示されている。なお、図9に示されるST51とST52とはいずれも白地領域LWがパターンの領域を、白地領域RWが背景を表している。斜め線で表される設計画像D22のパターンがRIP展開されると、当該部分に対応する指定画像D21は階段状に表示される(ST51)。この階段状に表示された指定画像D21の部分をハーフトーンで表示することによって、指定画像D21における当該部分は視覚的に滑らかに表示される。
【0085】
また、図10には、太らせ幅が設定された場合の指定画像D21(ST61)と、細らせ幅が設定された場合の指定画像D21(ST62)とが示されている。ST61の指定画像D21が表すパターンの端部は設計画像D22のパターンよりも太らせ幅の設定値だけ外側に形成されている。また、ST61の指定画像D21が表すパターンの端部は設計画像D22のパターンよりも細らせ幅の設定値だけ内側に形成されている。このように、設計画像D22が指定画像D21とともに表示されているため、設計画像D22を目安にしながら指定画像D21のパターンの線幅の調節を行うことができる。
【0086】
また、図11には、エッジ露光が形成されていない指定画像D21(ST71)と、エッジ露光が形成されている指定画像D21(ST72)とが示されている。エッジ露光とは、基板に形成されたチップの外側を円形に囲むようにして形成される露光領域のことである。このように、指定パラメータPa1として、エッジ露光のON/OFFが設定されることにより、エッジ露光領域ELが設定された指定画像D21が確認される(ST72)。なお、ST71及びST72のいずれの指定画像D21においても、指定パラメータPa1として指定領域が設定されており、パターン領域R全体の左半分の領域が表示されている。
【0087】
このような指定パラメータPa1更新あるいは処理領域RTの更新に応答して表示用RIP展開が再度なされ、かつ処理領域表示画面81における表示がリアルタイムで更新されることにより、実質的に画像の変化を動的にモニタしつつ指定パラメータPa1などの調整が可能となる。ただし、ここで言うリアルタイムとは、指定パラメータPa1の更新、あるいは処理領域RTの更新に応答する場合のみならず、指定パラメータPa1更新後、あるいは処理領域RTの更新後、オペレータが更新指令を与えることによって表示用RIP展開が行われ、表示が更新される場合も含んでいる。換言すれば、描画用RIP展開にかかる時間を要することなくパラメータ更新とその結果の確認が可能という意味において、本実施形態の装置はリアルタイム性を有する。
【0088】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置2では、描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開が行われ、指定画像D21が表示される。このため、指定パラメータPa1が設定される都度、速やかにRIP展開を行うことができる。
【0089】
また、指定パラメータPa1の更新に応答して、表示用RIP展開がなされて表示が更新されるため、RIP展開後の指定画像D21をより速やかに確認することができる。
【0090】
また、処理領域RTが、パターン領域Rの部分領域に対応する場合には、比較的高解像度で表示用RIP展開が行われ、処理領域RTが、パターン領域Rの全体領域に対応する場合には、比較的低解像度で表示用RIP展開が行われる。このため、表示用RIP展開を速やかに実行することができる。
【0091】
また、設計画像D22と位置合わせをした状態で、表示用RIP展開によって得られる指定画像D21が処理領域表示画面81に表示される。このため、設計データD0が表すパターン(設計画像D22)と指定パラメータPa1で表示用RIP展開された画像データD2が表すパターン(指定画像D21)との比較を容易に行うことができる。つまり、設計画像D22を目安にして、指定パラメータPa1の更新に伴って指定画像D21が更新される都度、指定画像D21を設計画像D22と比較することができる。
【0092】
また、表示用RIP展開の対象となる処理領域RT(表示対象部分)は、設計画像D22、又は指定画像D21を処理領域表示画面81に表示させた状態で設定される。このため、オペレータは目視で確認しつつ処理領域RTを設定することができる。従って、誤って処理領域RTを設定することを抑制できる。
【0093】
また、上記の実施形態の装置は、半導体基板やFDPディスプレイパネル用基板やプリント基板など精密電子基板製造用の光ビーム直接描画装置を想定しているが、印刷などの分野における直接描画においてもこの発明は適用できる。光ビームではなく、電子ビームなどによる直接描画装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
2 画像処理装置(画像表示装置)
3 直接描画装置
20 設計データ取得部
22 指定パラメータ設定部
25 処理領域設定部
26 表示用RIP展開部
81 処理領域表示画面
82 パラメータ設定画面
95 表示部
100 図形描画システム
RT 処理領域
R パターン領域
Pa1 指定パラメータ
D0 設計データ
D2 画像データ
D21 指定画像
D22 設計画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、
前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、
RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、
前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、
前記指定画像を可視的に表示する表示部と、
を備え、
前記表示用RIP展開部におけるRIP展開は、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記指定パラメータの更新に応答して、前記表示用RIP展開がなされ、かつ前記表示部における表示が更新されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記表示用RIP展開部は、
前記処理領域が、前記パターンの部分領域に対応する場合には、第1の解像度で前記表示用RIP展開を行う一方で、
前記処理領域が、前記パターンの全体領域に対応する場合には、第2の解像度で前記表示用RIP展開を行い、
前記第2の解像度は前記第1の解像度よりも低いことを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一つに記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、前記表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示部に表示されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一つに記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記表示部上に前記パターンを表示させた状態で、前記処理領域は設定されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項6】
描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の表示画面を備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータが前記プログラムを読み取り、前記コンピュータのCPUがメモリを用いて前記プログラムを実行することにより、前記コンピュータを、
前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、
前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、
RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、
前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、
前記指定画像を前記表示画面上に可視的に表示する表示部と、
を備え、
前記表示用RIP展開部におけるRIP展開が、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする画像表示装置として機能させるプログラム。
【請求項1】
描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、
前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、
RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、
前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、
前記指定画像を可視的に表示する表示部と、
を備え、
前記表示用RIP展開部におけるRIP展開は、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記指定パラメータの更新に応答して、前記表示用RIP展開がなされ、かつ前記表示部における表示が更新されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記表示用RIP展開部は、
前記処理領域が、前記パターンの部分領域に対応する場合には、第1の解像度で前記表示用RIP展開を行う一方で、
前記処理領域が、前記パターンの全体領域に対応する場合には、第2の解像度で前記表示用RIP展開を行い、
前記第2の解像度は前記第1の解像度よりも低いことを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一つに記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記設計データに対応するパターンと位置合わせをした状態で、前記表示用RIP展開によって得られる画像が前記表示部に表示されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一つに記載の直接描画装置用の画像表示装置であって、
前記表示部上に前記パターンを表示させた状態で、前記処理領域は設定されることを特徴とする直接描画装置用の画像表示装置。
【請求項6】
描画ビームの走査によって所定のパターンを描画対象物に直接描画する直接描画装置用の表示画面を備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータが前記プログラムを読み取り、前記コンピュータのCPUがメモリを用いて前記プログラムを実行することにより、前記コンピュータを、
前記パターンを記述したベクトル形式の設計データを取得する取得部と、
前記設計データのRIP展開に使用される指定パラメータを設定する指定パラメータ設定部と、
RIP展開される前記設計データの処理領域を設定する処理領域設定部と、
前記指定パラメータを用いて、前記設計データのうち前記処理領域に対応する部分をRIP展開して指定画像を得る表示用RIP展開部と、
前記指定画像を前記表示画面上に可視的に表示する表示部と、
を備え、
前記表示用RIP展開部におけるRIP展開が、前記直接描画のための描画用RIP展開よりもデータ処理量を抑制した表示用RIP展開であることを特徴とする画像表示装置として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−77717(P2013−77717A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217064(P2011−217064)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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