説明

相乗的活性成分組合せ

本発明は、クロロニコチニル類とオキサミルの活性成分組合せ、及び、動物性寄生生物を防除するため該混合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化合物として、オキサミル及びクロロニコチニル系の群から選択される少なくとも1種類のさらなる活性化合物を含んでいる、新規活性化合物組合せに関する。該組合せは、害虫を防除する上で非常に有効である。
【背景技術】
【0002】
式(I)で表されるオキサミルは、British Crop Protection Councilによって刊行された「The Pesticide Manual」第13版(2003)の第729頁により知られている。
【0003】
式(I)
【0004】
【化1】

で表されるオキサミルを動物有害生物(特に、昆虫類、クモ形類動物及び線虫類)を防除するために使用し得るということも既に知られている(US 3,530,220 及び US 3,658,870)。
【0005】
さらに、クロロニコチニル系、例えば、イミダクロプリド、チアクロプリド、クロチアニジン、アセタミプリド、ニテンピラム及びジノテフラン、AKD1022又はイミダクロチズ(imidaclothiz)などが動物有害生物(特に、昆虫類)の防除に適しているということも知られている。チアメトキサムとオキサミルを含んでいる混合物は、既に知られている(WO 1997040691)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,530,220号明細書
【特許文献2】米国特許第3,658,870号明細書
【特許文献3】国際公開第1997/040691号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「The Pesticide Manual」第13版(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記個々の化合物の活性は良好である。しかしながら、低施用量において、又は、個々の害虫に対して、それらは、殺虫剤、殺ダニ剤又は殺線虫剤が満たすべき高い要件を必ずしも満たすとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
オキサミルと以下に記載されているクロロニコチニル系の群から選択される少なくとも1種類の化合物を含んでいる混合物が相乗的な効果を示し、動物有害生物(特に、線虫類)を防除するのに適しているということが分かった。この相乗作用によって、著しく少ない量の活性化合物を使用することが可能である。即ち、上記混合物の活性は、当該個々の成分の活性よりも高い。
【0010】
クロチアニジンは、式
【0011】
【化2】

で表され、EP A2 0376279により公知である。
【0012】
チアクロプリドは、式
【0013】
【化3】

で表され、EP A2 0235725により公知である。
【0014】
ジノテフランは、式
【0015】
【化4】

で表され、EP A1 0649845により公知である。
【0016】
アセタミプリドは、式
【0017】
【化5】

で表され、WO A1 91/04965により公知である。
【0018】
ニテンピラムは、式
【0019】
【化6】

で表され、EP A2 0302389により公知である。
【0020】
イミダクロプリドは、式
【0021】
【化7】

で表され、EP A1 0192060により公知である。
AKD1022は、式
【0022】
【化8】

で表され、EP 0428941により公知である。
イミダクロチズは、式
【0023】
【化9】

で表され、EP 0192060 A1により公知である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
該活性化合物を使用する比率及び使用する該混合物の総量は、昆虫の種類及び発生に依存する。各施用に関し、最適比率及び総使用量は、いずれの場合も、一連の試験により決定することができる。
【0025】
本発明による好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物イミダクロプリドを含んでいる。この混合物において、個々の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である(ここで、上記及び下記における比率において、オキサミルが常に最初に挙げられている)。
【0026】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物アセタミプリドを含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0027】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物ニテンピラムを含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0028】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物ジノテフランを含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0029】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物チアクロプリドを含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0030】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物AKD1022を含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0031】
本発明によるさらに別の好ましい活性化合物組合せは、活性化合物オキサミル及び活性化合物イミダクロチズを含んでいる。この混合物において、2種類の活性化合物の重量比は、1000:1〜1:125、好ましくは、125:1〜1:50、特に好ましくは、25:1〜1:5である。
【0032】
オキサミルとイミダクロプリドを上記で挙げた混合比率で含んでいる活性化合物組合せが特に好ましく、また、オキサミルとクロチアニジン又はオキサミルとチアクロプリドを上記で挙げた混合比率で含んでいる活性化合物組合せも特に好ましい。
【0033】
オキサミルとイミダクロプリドを上記で挙げた混合比率で含んでいる活性化合物組合せが極めて特に好ましい。
【0034】
本発明による活性化合物組合せは、線虫類及び昆虫類を防除するのに特に適している。
【0035】
本発明による活性化合物組合せは、線虫類を防除するのに極めて特に適している。
【0036】
好ましくは、上記で好ましいものとして挙げられている活性化合物組合せは、別の殺虫活性成分を全く含まない。
【0037】
該活性化合物組合せは、植物に対する良好な適合性を示し、且つ、恒温動物に対する毒性は望ましい程度であるが、それら組合せは、農業において、森林で、貯蔵生産物や材料物質(materials)の保護において、及び、衛生学の分野において遭遇する動物有害生物、特に、昆虫類、クモ形類動物及び線虫類を防除するのに適している。それらは、好ましくは、茎葉処理及び土壌処理用の作物保護用組成物として使用する。
【0038】
それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、また、全ての発育段階又は個別の発育段階に対して有効である。上記有害生物としては、以下のものを挙げることができる:
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デリマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici);
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.);
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミゴドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia);
ジプローダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォールファールチア属種(Wohlfahrtia spp.);
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジシトカウルス・フィラリア(Dicytocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0039】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0040】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウドアシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.);
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテッチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベムシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエホリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii);
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.);
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.);
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.);
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
コムカデ目(Symphyla)の、例えば、スクチゲレラ・インマクラタ(Scutigerella immaculata);
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビホルミス(Baliothrips biformis)、エンネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピホロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.);
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0041】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0042】
本発明に従って、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。本発明に関連して、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって得ることができる植物であり得るか、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって得ることができる植物であり得るか、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の権利によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものと理解され、その例として挙げることができるのは、葉、針状葉、葉柄、茎、花、子実体、果実及び種子、並びに、根、塊茎及び根茎である。収穫物、並びに、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖繁殖器官(generative propagation material)、例えば、挿穂(cutting)、塊茎、根茎、かき苗(slip)及び種子なども、植物の部分に包含される。
【0043】
これに関連して強調すべきことは、穀類植物、例えば、コムギ、エンバク、オオムギ、スペルトコムギ、ライコムギ及びライムギなどにおける使用に関した、さらにまた、トウモロコシ、モロコシ及びアワ、イネ、サトウキビ、ダイズ、ヒマワリ、ジャガイモ、ワタ、ナタネ、カノラ、タバコ、テンサイ、飼料用ビート、アスパラガス、ホップ、並びに、果実植物(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、核果類、例えば、モモ、ネクタリン、サクランボ、プラム及びアンズ、柑橘類、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、レモン、キンカン、マンダリン及びウンシュウミカン、堅果類、例えば、ピスタチオ、アーモンド、クルミ及びペカン、熱帯果実、例えば、マンゴー、パパイア、パイナップル、ナツメヤシ及びバナナ、並びに、ブドウ)、並びに、野菜類(例えば、葉菜類、例えば、エンダイブ、コーンサラダ、イタリアウイキョウ(Florence fennel)、レタス、コスレタス、フダンソウ(Swiss chard)、サラダ用ホウレンソウ及びサラダ用チコリ、キャベツ類、例えば、カリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、ケールキャベツ(Brassica oleracea (L.) con-var. acephala var. sabellica L.(curly kale、feathered cabbage))、コールラビ、メキャベツ(Brussels sprouts)、レッドキャベツ、ホワイトキャベツ及びチリメンキャベツ、果菜類、例えば、ナス、キュウリ、トウガラシ、テーブルカボチャ、トマト、ズッキーニ及びスイートコーン、根菜類、例えば、根用セロリ、野生カブ、ニンジン(黄ニンジン(yellow cultivars)を包含する)、ハツカダイコン(以下のものを包含する:Raphanus sativus var. niger 及び Raphanus sativus var. niger var. radicula)、ビートの根(beetroot)、スコルツォネラ及びセロリ、豆類、例えば、エンドウ及びインゲンマメ、並びに、ネギ科の野菜、例えば、リーキ及びタマネギ)などにおける使用に関した、本発明の活性化合物組合せの特に有利な効果である。本発明による組合せは、ワタ、ダイズ、野菜類及びタバコの種子を処理するのに特に適している。
【0044】
該活性化合物組合せを用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧(misting)、ばらまき、塗布などによって、直接的に行うか、又は、それらの周囲、生息環境若しくは貯蔵空間を処理することにより行い、及び、増殖器官(propagation material)、特に種子の場合は、さらに、1以上の層をコーティングすることによって行う。
【0045】
本発明による混合物、特に、活性化合物イミダクロプリドと活性化合物オキサミルの組合せ、及び、活性化合物クロチアニジンと活性化合物オキサミルの組合せは、種子を処理するのに特に適している。有害生物に起因する作物植物の被害の大部分は、早くも、貯蔵中に種子が侵襲された場合、種子が土壌中に導入された後で、並びに、植物が発芽している最中及び発芽の直後に起こる。この相は特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、小さな損傷であっても植物全体が死に至る場合があるからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することは、特に、極めて重要である。
【0046】
植物の種子を処理することによる有害生物の防除は、以前から知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足のいくように解決され得るわけではない一連の問題が伴っている。従って、播種後又は植物の出芽後に作物保護用製品を追加で施用することを省略するような、種子及び発芽中の植物を保護するための方法を開発することは望ましい。さらに、種子及び発芽中の植物を有害生物の攻撃から最適に保護しながら、用いた活性化合物による植物自体への損傷を与えないように、使用する活性化合物の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最小量の作物保護用製品を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内在的な殺虫特性も考慮に入れるべきである。
【0047】
従って、本発明は、特に、有害生物による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の活性化合物組合せで処理することによる。有害生物による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護するための本発明の方法は、種子をオキサミルと少なくとも1種類のクロロニコチニルで同時に処理することによる方法を包含する。本発明の該方法は、さらにまた、種子をオキサミルと少なくとも1種類のクロロニコチニルで異なった時間に処理することによる方法も包含する。本発明は、有害生物に対して種子及び種子から出芽中の植物を保護するために種子を処理するための本発明の活性化合物組合せの使用にも関する。さらに、本発明は、有害生物から保護するために本発明の活性化合物組合せで処理された種子にも関する。本発明は、さらにまた、オキサミルと少なくとも1種類のクロロニコチニルで同時に処理された種子にも関する。本発明は、さらに、オキサミルと少なくとも1種類のクロロニコチニルで異なった時間に処理された種子にも関する。オキサミルと少なくとも1種類のクロロニコチニルで異なった時間に処理された種子の場合、本発明による組成物の個々の活性化合物は、当該種子の表面上の異なった層の中に存在させることができる。ここで、オキサミルを含んでいる層とクロロニコチニル類を含んでいる層は、場合により、中間層によって分離させることができる。本発明は、さらにまた、オキサミルとクロロニコチニル類がコーティングの成分として又はコーティングに加えられたさらなる1つ若しくは複数の層として施用されている種子にも関する。
【0048】
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性化合物組合せが有している際立った浸透移行性をによって、当該活性化合物組合せを用いて種子を処理することにより有害生物からその種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じた植物も保護されるということである。かくして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時処理を省くことができる。
【0049】
さらに別の有利点は、個々の活性化合物と比較して本発明の活性化合物組合せが相乗作用的に増大した殺虫活性を示すことであり、この活性は、当該2種類の活性化合物を個別に施用したときの活性の総和を超える。これにより、使用する活性化合物の量を最適化することが可能となる。
【0050】
さらに、本発明の活性化合物組合せが、特に、トランスジェニック種子(そのような種子から生じた植物は、有害生物に対抗するタンパク質を発現することができる)においても使用可能であるということは、有利な点として考慮されなければならない。そのような種子を本発明の活性化合物組合せで処理することで、特定の有害生物は、単に、例えば殺虫活性タンパク質の発現により防除され得るが、驚くべきことに、その結果は、さらに、本発明の活性化合物組合せで相乗作用的に補足された活性となる。本発明の活性化合物組合せは、この場合も、有害生物による攻撃に対する保護効果を増大させる。
【0051】
本発明の活性化合物組合せは、農業で、温室内で、森林で又は園芸において用いられている上記ですでに挙げた任意の植物品種の種子を保護するのに適している。特に、そのような種子は、トウモロコシ、ラッカセイ、カノラ、ナタネ、ケシ、ダイズ、ワタ、ビート(例えば、テンサイ及び飼料用ビート)、イネ、モロコシ及びアワ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、ヒマワリ又はタバコの種子である。本発明の活性化合物組合せは、同様に、上記ですでに挙げた果実植物の種子及び野菜の種子を処理するのにも適している。トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、テンサイ、野菜類及びカノラ又はナタネの種子を処理することは、特に重要である。かくして、例えば、活性化合物オキサミルと活性化合物イミダクロプリドを含んでいる本発明の活性化合物組合せ、又は、活性化合物クロチアニジンと活性化合物オキサミルを含んでいる本発明の活性化合物組合せは、トウモロコシの種子、ワタの種子及びビートを処理するのに特に適している。本発明の活性化合物組合せを施用するのに特に適している別の作物は、ワタ、ダイズ、野菜類及びタバコである。
【0052】
既に上記で述べたように、本発明の活性化合物組合せによるトランスジェニック種子の処理も、特に重要である。この場合、そのような種子は、とりわけ殺虫特性を有するポリペプチドの発現を支配する少なくとも1種類の異種遺伝子を概して含んでいる植物の種子である。これに関連して、トランスジェニック種子内の異種遺伝子は、バシルス(Bacillus)、リゾビウム(Rhizobium)、シュードモナス(Pseudomonas)、セラチア(Serratia)、トリコデルマ(Trichoderma)、クラビバクテル(Clavibacter)、グロムス(Glomus)又はグリオクラジウム(Gliocladium)などの微生物に由来し得る。本発明は、その遺伝子産物がアワノメイガ(European corn borer)及び/又はコーンルートワーム(corn root worm)に対して活性を示すバシルス属種(Bacillus sp.)に由来する少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいてるトランスジェニック種子を処理するのに特に適している。それは、特に好ましくは、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する異種遺伝子である。ここでも、本発明の活性化合物組合せは、トウモロコシの種子に特に適している。
【0053】
本発明の範囲内において、本発明の活性化合物組合せは、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理中の損傷を回避するのに充分なほど安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。通常使用される種子は、植物から分離されており、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない。
【0054】
種子を処理する場合、種子の発芽が悪影響を受けないように、又は、生じた植物が損傷を受けないように、一般に、種子に施用する本発明の活性化合物組合せの量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに注意しなくてはならない。このことは、特定の施用量で薬害を生じ得る活性化合物の場合には、特に留意しなくてはならない。
【0055】
本発明の活性化合物組合せは、直接施用することができる。即ち、本発明の活性化合物組合せは、さらに別の成分を伴わせることなく、また、前もって希釈することなく、施用することができる。一般に、本発明の活性化合物組合せは、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417A、US 4,245,432A、US 4,808,430A、US 5,876,739A、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675A1、WO 2002/028186A2。
【0056】
本発明の活性化合物組合せは、溶液剤、エマルション剤、水和剤、懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、ペースト剤、可溶性粉末剤(soluble powders)、粒剤、サスポエマルション剤、活性化合物を含浸させた天然物質及び合成物質、並びに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化したものなどの慣習的な製剤に変換することができる。
【0057】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。
【0058】
使用する増量剤が水である場合、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適する液体溶媒は、本質的に、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、並びに、水である。
【0059】
適切な固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、微粉砕されたシリカ、アルミナ及びシリケートなどであり; 粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩、並びに、さらに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒などであり; 適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、及び、さらに、タンパク質加水分解物などであり; 適切な分散剤は、非イオン性及び/又はイオン性の物質、例えば、アルコール−POE及び/又は−POPエーテル類、酸及び/又はPOP POEエステル類、アルキルアリール及び/又はPOP POEエーテル類、脂肪及び/又はPOP POE付加体、POE−及び/又はPOP−ポリオール誘導体、POE−及び/又はPOP−ソルビタン若しくは−糖付加体、アルキル若しくはアリールのスルフェート類、アルキル若しくはアリールのスルホネート類及びアルキル若しくはアリールのホスフェート類又は対応するPO−エーテル付加体の類から選ばれたものである。さらに、適切なオリゴマー又はポリマー、例えば、ビニルモノマーから誘導されたもの、アクリル酸から誘導されたもの、EO及び/又はPOの単独又は例えば(ポリ)アルコール類若しくは(ポリ)アミン類と組み合わせたものから得られたもの。さらに、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、未変性セルロース及び変性セルロース、芳香族及び/又は脂肪族スルホン酸並びにそれらのホルムアルデヒドとの付加体なども使用することもできる。
【0060】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。
【0061】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0062】
可能な別の添加剤は、芳香物質、場合により改質されていてもよい鉱油又は植物油、蝋、並びに、栄養素(微量栄養素を包含する)、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などである。
【0063】
安定剤(例えば、低温安定剤)、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤、又は、化学的及び/若しくは物理的安定性を向上させる別の作用剤も存在させることができる。
【0064】
上記製剤は、一般に、0.01〜98重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0065】
本発明の活性化合物組合せは、市販製剤中に含ませて、及び、そのような製剤から調製した使用形態において、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料又は情報化学物質のような別の活性化合物との混合物として使用することができる。
【0066】
特に好ましい混合相手剤は、例えば、以下のものである。
【0067】
殺菌剤
核酸合成の阻害薬
ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、キララキシル(chiralaxyl)、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メフェノキサム、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラセ、オキサジキシル、オキソリン酸;
有糸分裂及び細胞分裂の阻害薬
ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミド;
呼吸鎖複合体Iの阻害薬
ジフルメトリム;
呼吸鎖複合体IIの阻害薬
ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、フルメシクロックス、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド;
呼吸鎖複合体IIIの阻害薬
アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン;
デカップラー
ジノカップ、フルアジナム;
ATP産生の阻害薬
酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、シルチオファム;
アミノ酸生合成及びタンパク質生合成の阻害薬
アンドプリム、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
シグナル伝達の阻害薬
フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
脂質及び膜合成の阻害薬
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、
アンプロピルホス(ampropylfos)、アンプロピルホスカリウム(potassium-ampropylfos)、エジフェンホス、エトリジアゾール、イプロベンホス(IBP)、イソプロチオラン、ピラゾホス、
トルクロホス−メチル、ビフェニル、
ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブ−ホセチレート(propamocarb-fosetylate);
エルゴステロール生合成の阻害薬
フェンヘキサミド、
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ヌアリモール、オキシポコナゾール、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリフェノックス、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ボリコナゾール、ビニコナゾール、
アルジモルフ、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、スピロキサミン、トリデモルフ、
ナフチフィン、ピリブチカルブ、テルビナフィン;
細胞壁合成の阻害薬
ベンチアバリカルブ、ビアラホス、ジメトモルフ、フルモルフ(flumorph)、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
メラニン生合成の阻害薬
カルプロパミド(capropamid)、ジクロシメット、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、トリシクラゾール;
抵抗性誘導薬
アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
多部位
カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、銅塩、例えば、水酸化銅、ナフテン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、ファーバム、ホルペット、フルオロホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛(metiram zinc)、プロピネブ、硫黄及び多硫化カルシウム含有硫黄剤、チウラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
さらに別の殺菌剤
アミブロムドール(amibromdol)、ベンチアゾール、ベトキサジン(bethoxazin)、カプシマイシン(capsimycin)、カルボン、キノメチオネート、クロロピクリン、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン、ジクロロフェン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、フェリムゾン、フルメトベル、フルスルファミド、フルオピコリド、フルオルイミド、ホセチル−アルミニウム、ホセチル−カルシウム、ホセチル−ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、8−ヒドロキシキノリン硫酸、イルママイシン、メタスルホカルブ、メトラフェノン、メチルイソチオシアネート、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ペンタクロロフェノール及び塩、2−フェニルフェノール及び塩、ピペラリン(piperalin)、プロパノシン−ナトリウム(propanosine-sodium)、プロキナジド、ピリベンカルブ、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、バリフェナール(valiphenal)、ザリラミド、
2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド、
2−[[[[1−[3−(1−フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−α−ベンズアセトアミド、
シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、
1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、
2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルベンゾピラノン−4−オン、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、
3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)イソチアゾール−5−カルボキサミド(イソチアニル)、
3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、
5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、
5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、
メチル 2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)ベンズアセテート、
メチル 1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート、
N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンズアミド、
N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、
N−(4−クロロベンジル)−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、
N−[(4−クロロフェニル)(シアノ)メチル]−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、
N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、
N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、
(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、
N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−ベンズアセトアミド、
N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−lH−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、
O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオン酸、
2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、
2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン(CAS No.185336−79−2)、
N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキサミド。
【0068】
殺細菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅剤。
【0069】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
カーバメート系
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
有機リン系
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル,−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロロビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬
ピレスロイド系
例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1Rトランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊);
DDT;
オキサジアジン系
例えば、インドキサカルブ;
セミカルバゾン系
例えば、メタフルミゾン(BAS3201);
アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬
クロロニコチニル系
例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム;
ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
アセチルコリン受容体モジュレーター
スピノシン系
例えば、スピノサド;
GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬
有機塩素系
例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル;
フィプロール系
例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole);
塩化物チャンネル活性化剤
メクチン系
例えば、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、レピメクチン、ミルベマイシン;
幼若ホルモンミメティクス
例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン(epofenonane)、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene);
エクジソン作動薬/ディスラプター
ジアシルヒドラジン系
例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
キチン生合成阻害薬
ベンゾイル尿素系
例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン(chlofluazuron)、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン;
ブプロフェジン;
シロマジン;
酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
ジアフェンチウロン
有機スズ化合物
例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ;
H−プロトン勾配を遮断することにより作用する酸化的リン酸化デカップラー
ピロール系
例えば、クロルフェナピル;
ジニトロフェノール系
例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC、メプチルジノカップ;
Site−I 電子伝達阻害薬
METI系
例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
ヒドラメチルノン;
ジコホル;
Site−II 電子伝達阻害薬
ロテノン;
Site−III 電子伝達阻害薬
アセキノシル、フルアクリピリム;
昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
脂質合成阻害薬
テトロン酸系
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン;
テトラミン酸系
例えば、スピロテトラマト(spirotetramate)、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシ−8−メトキシ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン;
カルボキサミド系
例えば、フロニカミド;
オクトパミン作用薬
例えば、アミトラズ;
マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬
プロパルギット;
ネライストキシン類似体
例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium);
リアノジン受容体作動薬
ベンゾジカルボキサミド系
例えば、フルベンジアミド;
アントラニルアミド系
例えば、リナキシピル(3−ブロモ−N−{4−クロロ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル}−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド);
生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン
アザジラクチン、バシルス属種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属種(Verticillium spec.);
作用機序が知られていないか又は特定されていない活性化合物
燻蒸剤
例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル;
摂食阻害薬
例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン;
ダニ成長阻害薬
例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス;
アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)。
【0070】
別の既知活性化合物、例えば、除草剤との混合物も可能であり、又は、肥料及び生長調節剤との混合物も可能である。
【0071】
殺虫剤として使用する場合、本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、それらの市販されている製剤中においても、及び、それらの製剤から調製された使用形態中においても、協力剤との混合物として存在させることができる。協力剤は、当該活性化合物の効果を増大させる化合物であり、その際、加えられる協力剤自体は必ずしも活性を有する必要はない。
【0072】
市販されている製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、広い範囲内で変えることができる。使用形態における上記活性化合物の濃度は、0.0000001重量%〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.0001重量%〜1重量%の活性化合物であることができる。
【0073】
施用は、その使用形態に適した方法で行う。
【0074】
衛生有害生物及び貯蔵生産物の有害生物に対して用いる場合、当該活性化合物組合せは、木材及び粘土上での優れた残効性、並びに、石灰処理されている物質上でのアルカリに対する良好な安定性によって区別される。
【0075】
本発明の活性化合物組合せは、植物の有害生物、衛生有害生物及び貯蔵生産物の有害生物に対してのみではなく、マダニ類(hard ticks)、ヒメダニ類(soft ticks)、疥癬ダニ類(mange mites)、ツツガムシ類(harvest mites)、ハエ類(刺咬性(stinging)及び舐性(licking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ類、アタマジラミ類(head lice)、ハジラミ類(bird lice)及びノミ類などの獣医学の分野における動物性寄生生物(外部寄生虫)に対しても有効である。
【0076】
本発明の活性化合物組合せは、さらにまた、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ及びミツバチなどの農業家畜類(agricultural livestock)、イヌ、ネコ、籠のトリ及び水槽のサカナなどの他のペット類(domestic animal)、並びに、ハムスター、モルモット、ラット及びマウスなどのいわゆる実験動物を攻撃する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を防除することにより、上記動物の死亡事例が低減し、また、生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜など関する生産性)の低下が軽減される。従って、本発明の活性化合物組合せを使用することによって、より経済的で且つより容易な畜産業が可能となる。
【0077】
本発明の活性化合物組合せは、獣医学の分野においては、既知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(potion)、水薬(drench)、顆粒剤、ペースト剤、大型丸薬(bolus)、フィードスルー法及び坐剤などの形態で腸内投与することにより、並びに、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)及びインプラントなどによって非経口投与することにより、並びに、鼻内投与することにより、並びに、例えば、浸漬若しくは薬浴(dipping)、スプレー、ポアオン、スポットオン、洗浄及び散粉(dusting)の形態で経皮投与することにより、並びに、活性化合物を含有する成形品(例えば、首輪、耳標、尾標、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置など)を用いて、使用する。
【0078】
家畜、家禽及びペット(domestic animal)などに対して使用する場合、該活性化合物組合せは、1〜80重量%の量の該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末剤、エマルション剤、フロアブル剤)として、直接的に施用することができるか、又は、100倍〜10000倍に稀釈した後で施用することができるか、又は、それらは、薬浴(chemical dip)として使用することができる。
【0079】
さらに、本発明の活性化合物組合せは、工業材料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫作用を示すことが見いだされた。
【0080】
本発明に関連して、工業材料は、非生体材料、例えば、好ましくは、ポリマー、接着剤、膠剤(size)、紙及び厚紙、皮革、木材、木材製品(timber product)並びに塗料などを意味するものと理解される。
【0081】
昆虫の攻撃から保護すべき材料は、極めて特に好ましくは、木材及び木材製品である。
【0082】
本発明の活性化合物組合せ又は該活性化合物組合せを含有する混合物によって保護することができる木材及び木材製品は、例えば、建築用木材、木製の梁、鉄道枕木、橋構成材、桟橋、木製運搬具、箱、パレット、コンテイナー、電信柱、木製堰板(wood lagging)、木製の窓及びドア、合板、チップボード、建具類、又は、住宅建設若しくは建築建具において極めて一般的に使用される木材製品などを意味するものと理解される。
【0083】
本発明の活性化合物組合せは、それ自体で使用することが可能であり、又は、濃厚物の形態で使用することが可能であり、又は、粉末剤、粒剤、溶液剤、懸濁製剤、エマルション剤若しくはペースト剤などの概して慣習的な製剤の形態で使用することが可能である。
【0084】
上記で挙げた製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性化合物を、少なくとも1種類の溶媒若しくは稀釈剤、乳化剤、分散剤、及び/又は、結合剤若しくは固定剤、撥水剤と混合させ、必用に応じて、さらに、乾燥剤及び紫外線安定剤と混合させ、必用に応じて、さらに、染料及び顔料、並びに、別の加工助剤と混合させることにより、調製することができる。
【0085】
木材及び木材製品を保護するために使用する殺虫剤組成物又は殺虫剤濃厚物は、本発明の活性化合物組合せを、0.0001〜95重量%、特に、0.001〜60重量%の濃度で含有する。
【0086】
用いる組成物又は濃厚物の量は、昆虫の種類と発生量に依存し、また、その生息環境に依存する。最適な使用量は、いずれの場合も、使用に際して一連の試験によって決定することができる。しかしながら、一般に、保護対象の材料物質に基づいて、0.0001〜20重量%、好ましくは、0.001〜10重量%の活性化合物を使用すれば充分である。
【0087】
適切な溶媒及び/又は稀釈剤は、有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、低揮発性の油性(oily)若しくは油様(oil-type)の有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、極性の有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、水であり、また、適切な場合には、乳化剤及び/又は湿潤剤である。
【0088】
使用するのが好ましい有機化学的溶媒は、35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する、油性溶媒又は油様溶媒である。使用する低揮発性で水不溶性のそのような油性及び油様の溶媒は、適切な鉱油若しくはその芳香族留分であるか、又は、鉱油を含有する溶媒混合物、好ましくは、ホワイトスピリット、石油及び/又はアルキルベンゼンである。
【0089】
170℃〜220℃の沸点範囲を有する鉱油、170℃〜220℃の沸点範囲を有するホワイトスピリット、250℃〜350℃の沸点範囲を有するスピンドル油、160℃〜280℃の沸点範囲を有する石油及び芳香族物質、並びに、テレビン油(oil of turpentine)などは、有利に使用される。
【0090】
好ましい実施形態では、180℃〜210℃の沸点範囲を有する液状の脂肪族炭化水素、又は、180℃〜220℃の沸点範囲を有する脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の高沸点混合物、及び/又は、スピンドル油、及び/又は、モノクロロナフタレン(好ましくは、α−モノクロロナフタレン)を使用する。
【0091】
35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する低揮発性の有機油性溶媒又は有機油様溶媒は、高揮発性又は中揮発性の有機化学的溶媒で部分的に置き換えることができるが、但し、得られた溶媒混合物が、同様に、35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有し、さらに、そのような溶媒混合物中で、上記混合物が溶解するか又は乳化できることを条件とする。
【0092】
好ましい実施形態では、有機化学的溶媒又は溶媒混合物の一部を、脂肪族の極性有機化学的溶媒又は溶媒混合物で置き換える。好ましくは、ヒドロキシル基及び/又はエステル基及び/又はエーテル基を含んでいる脂肪族の有機化学的溶媒(例えば、グリコールエーテル又はエステルなど)を使用する。
【0093】
本発明のために使用される有機化学的結合剤は、自体公知で、水で稀釈可能で、及び/又は、使用する有機化学的溶媒に溶解可能であるか若しくは分散可能であるか若しくは乳化可能である合成樹脂及び/又は結合性乾性油(binding drying oil)、特に、アクリル樹脂、ビニル樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリエステル樹脂、重縮合若しくは重付加樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂若しくは変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、炭化水素樹脂(例えば、インデン/クマロン樹脂)、シリコーン樹脂、乾性植物油、並びに/又は、乾性油、並びに/又は、天然及び/若しくは合成樹脂に基づく物理的に乾燥性の結合剤からなるか又はそれらを含んでなる結合剤である。
【0094】
結合剤として使用する合成樹脂は、エマルション、分散液又は溶液の形態で使用することができる。瀝青又は瀝青質物質も、10重量%以下の量で、結合剤として使用することができる。さらに、自体公知の、染料、顔料、撥水剤、臭気マスキング剤及び阻害剤又は腐食防止剤なども使用することができる。
【0095】
本発明によれば、上記組成物又は濃厚物は、有機化学的結合剤として、少なくとも1種類のアルキド樹脂若しくは変性アルキド樹脂及び/又は乾性植物油を含有するのが好ましい。本発明により使用するのが好ましいアルキド樹脂は、45重量%を超える含油量、好ましくは、50〜68重量%の含油量を有するアルキド樹脂である。
【0096】
上記結合剤の一部又は全てを、固定剤(混合物)又は可塑剤(混合物)で置き換えることができる。これらの添加剤は、活性化合物の揮発を防止し、結晶化又は沈澱も防止することを目的としている。それらは、好ましくは、上記結合剤の0.01%〜30%(使用する結合剤を100%とする)と置き換える。
【0097】
上記可塑剤は、化学薬品クラスの、フタル酸エステル、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル又はフタル酸ベンジルブチル、リン酸エステル、例えば、リン酸トリブチル、アジピン酸エステル、例えば、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ステアリン酸エステル、例えば、ステアリン酸ブチル又はステアリン酸アミル、オレイン酸エステル、例えば、オレイン酸ブチル、グリセロルエーテル又は比較的高分子量のグリコールエーテル、グリセロールエステル、及び、p−トルエンスルホン酸エステルから選択する。
【0098】
固定剤は、化学的に、ポリビニルアルキルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテルなど)又はケトン(例えば、ベンゾフェノン及びエチレンベンゾフェノンなど)に基づくものである。
【0099】
適切な別の溶媒又は稀釈剤は、特に、水(適切な場合には、上記で記載した有機化学的溶媒又は稀釈剤、乳化剤及び分散剤の1種類以上との混合物としての水)である。
【0100】
特に効果的な木材の保護は、工業的な規模の含浸処理、例えば、真空処理、二重真空処理又は加圧処理などによって達成される。
【0101】
即時使用可能な(ready-to-use)組成物には、適切な場合には、さらなる殺虫剤を含ませてもよく、適切な場合には、1種類以上の殺菌剤も含ませることができる。
【0102】
本発明の活性化合物組合せは、海水又は淡海水と接触するもの、例えば、船体、スクリーン、網、建造物、波止場地帯及び信号システムなどを、付着物から保護するために、同様に使用することができる。
【0103】
カンザシゴカイ科(Serpulidae)などの固着性の貧毛類(Oligochaeta)による付着物、並びに、様々なエボシガイ種(Lepas)及びミョウガガイ種(Scalpellum)などのレダモルファ群(Ledamorpha)(エボシガイ)の種及び貝殻による付着物、又は、シロスジフジツボ種(Balanus)若しくはポリシペス種(Pollicipes)などのフジツボ群(Balanomorpha)(フジツボ)の種による付着物によって、船の摩擦抵抗が増大し、結果として、より大きなエネルギーが消費されること及び乾ドックに入る回数が付加的に増えることに起因して、運転コストが著しく増大する。
【0104】
例えばシオミドロ属種(Ectocarpus sp.)及びイギス属種(Ceramium sp.)などの藻類による付着物のほかに、一般名フジツボ目(Cirripedia)(蔓脚類の甲殻類(cirriped crustaceans))に分類される固着性のエントモストラカ群(Entomostraca)による付着物は、特に重要である。
【0105】
本発明の活性化合物組合せは、例えば、住居、工場の通路、オフィス及び車両の客室などの、密閉空間で見られる動物有害生物、特に、昆虫類、クモ形類動物及びダニ類を防除するのにも適している。それらは、上記有害生物を防除するための家庭用殺虫剤製品中に含ませて、単独で使用することができるか又は別の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用することができる。それらは、感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての成育段階に対して有効である。
【0106】
家庭用殺虫剤の分野における施用は、別の適切な活性化合物、例えば、リン酸エステル系、カーバメート系、ピレスロイド系、成長調節剤又は別の既知の種類の殺虫剤から選択される活性化合物などと組み合わせて実施することができる。
【0107】
それらは、エーロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレー及び噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging system)、噴霧器(fogger)、泡、ゲル、セルロース製又はポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲル及び膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システム又は受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)及び防虫ゲル(moth gels)において使用されるか、又は、粒剤若しくは粉剤として、ばらまき用の餌(baits for spreading)に入れて使用されるか、又は、ベイトステーションで使用される。
【0108】
本発明の活性化合物組合せを施用する場合、その施用量は、施用のタイプに応じて、実質的な範囲内でさまざまであることができる。植物の一部分の処理においては、活性化合物組合せの施用量は、一般に、0.1〜10000g/haであり、好ましくは、10〜1000g/haである。
【0109】
本発明による活性化合物組合せの優れた殺虫作用は、下記実施例から理解することができる。個々の活性化合物はその作用に関して弱いが、当該組合せは、作用の単なる総和を超えた作用を示す。
【0110】
2種類の活性化合物の組合せによる殺虫率(kill rate)を計算するための式
2種類の活性化合物の所与の組合せに対して期待される活性は計算することができる(cf. COLBY,S.R.; "Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations", Weeds 15, pages 20-22, 1967):
X=活性化合物Aを(ppm)の施用量で用いたときの未処理対照の割合(%)で表した殺虫率であり;
Y=活性化合物Bを(ppm)の施用量で用いたときの未処理対照の割合(%)で表した殺虫率であり;
E=活性化合物A及び活性化合物Bを(ppm)及び(ppm)の施用量で用いたときの未処理対照の割合(%)で表した殺虫率である;
とした場合、
【0111】
【数1】

【0112】
実際の殺虫率が計算された殺虫率よりも高い場合、当該組合せの殺虫率は相加的なものを超えている。即ち、相乗効果が存在している。この場合、実際に観察される殺虫率は、期待される殺虫率(E)について上記式を用いて計算される値よりも高くなければならない。
【実施例】
【0113】
実施例A
サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)試験(MELGIN)
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で稀釈して所望の濃度とする。
【0114】
容器に、土壌、活性化合物の溶液、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)の卵/幼虫の懸濁液及びレタス種子を入れる。レタス種子が発芽し、植物が生育する。根では、こぶが形成される。
【0115】
所望の期間が経過した後、殺線虫効果をこぶの形成により割合(%)で求める。100%は、こぶが見られなかったことを意味し、0%は、処理された植物におけるこぶの数が未処理対照におけるこぶの数に相当することを意味する。
【0116】
この試験において、本出願による下記活性化合物組合せは、単独で施用された活性化合物と比較して、相乗的に増強された活性を示した。
【0117】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性化合物組合せであって、式(I)
【化10】

のオキサミル及びイミダクロプリド、クロチアニジン、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、AKD1022及びイミダクロチズからなる群から選択される少なくとも1種類のクロロニコチニルを含んでいる、前記活性化合物組合せ。
【請求項2】
オキサミル及びイミダクロプリドを含んでいる、請求項1に記載の活性化合物組合せ。
【請求項3】
オキサミル及びクロチアニジンを含んでいる、請求項1に記載の活性化合物組合せ。
【請求項4】
オキサミル及びチアクロプリドを含んでいる、請求項1に記載の活性化合物組合せ。
【請求項5】
動物有害生物を防除するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項6】
種子を処理するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項7】
トランスジェニック植物又はトランスジェニック植物の種子を処理するための、請求項1に記載の活性化合物組合せの使用。
【請求項8】
請求項1に記載の活性化合物組合せで処理された種子。
【請求項9】
種子及び/又はその種子から生長した植物を有害生物の攻撃から保護する方法であって、式(I)の化合物及び請求項1に記載の混合相手剤を当該種子に同時に作用させることを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
式(I)の化合物及び請求項1に記載の混合相手剤を当該種子に異なった時間に作用させることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2010−513347(P2010−513347A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541841(P2009−541841)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010854
【国際公開番号】WO2008/077486
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】