説明

省電力モードを有する装置、画像形成装置、及び電源制御方法

【課題】省電力モード以外の他のモードにおいても消費電力をより抑える。
【解決手段】通常モードと、消費電力を抑える省電力モードを有する装置であって、前
記装置の状態を検出する少なくとも一以上の検出器と、前記通常モードと前記省電力モー
ドとのいずれにおいても、前記検出器に間欠的に電源を供給する検出器電源供給部と、を
備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力モードを有する装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、スキャナー、コピー機、複合機などの画像形成装置において、通常の動作
を行う通常モードと、通常モードよりも消費電力を低減した省電力モードとを有するもの
が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。この画像形成装
置は、装置の状態を検出する検出器と、該検出器に電源を供給する検出器電源供給部とを
備え、省電力モード時には、該検出器へ間欠的に電源を供給することで消費電力を抑え、
該検出器の出力が変化した場合に、省電力モードから復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−268786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1の画像形成装置では、省電力モード以外の他のモード
においては検出器への電源供給が常時(連続的に)行われる。そのため、省電力モード以
外の他のモードにおいては、消費電力を抑えることができない。
【0006】
そこで、本発明は、省電力モード以外の他のモードにおいても消費電力をより抑えるこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、通常モードと、消費電力を抑える省電力モー
ドを有する装置であって、前記装置の状態を検出する少なくとも一以上の検出器と、前記
通常モードと前記省電力モードとのいずれにおいても、前記検出器に間欠的に電源を供給
する検出器電源供給部と、を備える。
【0008】
前記検出器電源供給部は、前記省電力モードにおいては、前記通常モードよりも長い間
隔で、前記間欠的な電源供給を行うようにしてもよい。
【0009】
前記検出器電源供給部は、電源供給を停止する期間を電源供給する期間よりも長く設定
して、前記間欠的な電源供給を行うようにしてもよい。
【0010】
また、電源供給状態の前記検出器の出力情報を保持する保持部と、前記保持部に保持さ
れた前記出力情報に基づいて装置の動作を制御する動作制御部と、前記動作制御部に動作
クロックを供給するクロック供給部と、電源供給状態の前記検出器の出力情報の変化を監
視する監視部と、を備え、前記クロック供給部は、省電力モード時には、クロック供給を
停止し、前記監視部が前記出力情報の変化を検出した場合に、クロック供給を開始するよ
うにしてもよい。
【0011】
また、前記保持部は、前記検出器が電源供給状態のタイミングで出力される前記出力情
報を保持し、前記動作制御部は、電源の供給状態及び非供給状態において、任意のタイミ
ングで前記保持部から情報を取得するようにしてもよい。
【0012】
また、前記装置は、画像形成装置であってもよい。
【0013】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、通常モードと、消費電力を抑える省電力モ
ードを有する装置における電源制御方法であって、前記装置は、前記装置の状態を検出す
る少なくとも一以上の検出器と、前記通常モードと前記省電力モードとのいずれにおいて
も、前記検出器に間欠的に電源を供給する検出器電源供給部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の一例に係るプリンターの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の一例に係るプリンターの省電力制御に関する構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の一例に係る通常モードにおける省電力制御を説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態の一例に係る省電力モードから通常モードへの復帰の制御を説明するタイミングチャートである。
【図5】本発明の一実施形態の変形例に係る省電力モードにおける省電力制御を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態では、省電力モードを有する装置として、画像形成装置を例に挙げる。また
、画像形成装置として、プリンターを例に挙げる。もちろん、省電力モードを有する装置
は、画像形成装置に限られず、その他の電子機器であってもよい。また、画像処理装置は
、プリンターに限られず、スキャナー、コピー機、複合機などの装置であってもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の一例に係るプリンターの概略構成を示すブロック図であ
る。
【0018】
プリンター1は、例えば、インクジェット方式やレーザー方式のプリンターである。プ
リンター1は、コントローラー10と、操作パネル20と、印刷エンジン30と、センサ
ー40と、ネットワークインターフェイス(I/F)50とを有する。
【0019】
コントローラー10は、プリンター1の主要機能を搭載したチップ(SoC:System o
n Chip)などで構成され、プリンター1全体の動作を制御する。
【0020】
例えば、コントローラー10は、ネットワークI/F50を介して印刷データを受信す
ると、当該印刷データに基づいて印刷エンジン30に出力する印字データを生成し、印刷
エンジン30を制御して印字データに基づく印刷を実行させる。また、コントローラー1
0は、操作パネル20を介してユーザーの指示を受け付け、印刷処理の停止/開始、各種
パラメータの変更、各種パラメータの操作パネル20への表示などを行う。
【0021】
また、例えば、コントローラー10は、センサー40の出力信号を検出し、該出力信号
に基づいてプリンター1の各種の状態を判断し、各種の状態に応じた制御を行う。例えば
、センサー40が、プリンター1の給紙トレイ(不図示)の用紙の有無を検出するセンサ
ーである場合、コントローラー10は、センサー40の出力信号に基づいて用紙の有無の
状態を判断する。用紙が無い場合、コントローラー10は、操作パネル20へその旨を表
示させる。
【0022】
詳細は後述するが、プリンター1は、通常モード及び省電力モードで動作することがで
きる。コントローラー10は、例えば、プリンター1が通常モードで動作中に、待機状態
が所定時間経過した場合、プリンター1を通常モードから省電力モードに移行する制御を
行う。また、コントローラー10は、例えば、プリンター1が省電力モードで動作中に、
センサー40からの出力信号に基づいて状態の変化を検出した場合、プリンター1を省電
力モードから通常モードに移行する制御を行う。
【0023】
上記のような制御を実現するために、コントローラー10は、例えば、CPU(Centra
l Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read On
ly Memory)13とを備える。なお、コントローラー10は、上記処理を専用に行うよう
に設計されたASICで構成されていてもよい。
【0024】
CPU11は、各種プログラムを実行する。RAM12は、印刷データや印字データな
どの各種データおよびプログラム等を一時的に記憶する。ROM13には、プリンター1
を制御するための各種データ、各種プログラム等があらかじめ不揮発的に記憶されている

【0025】
操作パネル20は、ユーザーとプリンター1のインターフェイスとして機能する。操作
パネル20は、例えば、電源のオン/オフを受け付けたり、文字や画像を表示したり、ユ
ーザーの操作を受け付けたり、プリンター1の各種の状態を表示したりする。操作パネル
20は、例えば、タッチパネルと、ディスプレイとを備える。
【0026】
タッチパネルは、ユーザーの操作を受け付けるユニットである。タッチパネルは、例え
ば、ディスプレイの表示面側に貼られた透過性のあるパネルである。タッチパネルは、例
えば、ディスプレイに表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ
位置を座標に変換してコントローラー10に出力する。タッチパネルは、例えば、抵抗膜
方式、静電容量方式などである。
【0027】
ディスプレイは、コントローラー10で生成されたグラフィックス情報を表示するユニ
ットである。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、
有機ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)などで構成される。
【0028】
印刷エンジン30は、コントローラー10からの指示に基づいて、コントローラー10
から出力された印字データを印刷媒体に印刷する機構である。印刷エンジン30は、例え
ば、インクジェット方式やレーザー方式である。なお、本実施形態では、印刷エンジン3
0には、読取対象の原稿を自動給紙するADF(Auto Document Feeder)、印刷用紙の給
紙トレイ、給紙トレイから印刷用紙を取り出す給紙機構、排紙機構、排紙トレイなども含
むものとする。
【0029】
センサー40は、プリンター1や印刷エンジン30の各種の状態を示す出力信号を出力
する。センサー40は、例えば、給紙トレイの用紙の有無の状態を出力するセンサー、A
DF(Auto Document Feeder)への原稿のセットの有無の状態を出力するセンサー、プリ
ンター1の筐体の内部へ通じるための各種の蓋の開閉の状態を出力するセンサー、などで
ある。もちろん、センサー40には、上記の例示したセンサーに限られず、他のセンサー
であってもよい。
【0030】
ネットワークI/F50は、LANなどのネットワークに接続して、パーソナルコンピ
ューターなどのホストと通信するユニットである。
【0031】
以上が、本発明の一実施形態の一例に係るプリンター1の概略構成である。ただし、こ
の構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の
構成に限られない。また、一般的なプリンターが備える構成を排除するものではない。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態の一例に係るプリンターの省電力制御に関する構成を示す
ブロック図である。
【0033】
図示するように、プリンター1は、動作制御部100と、クロック供給部110と、状
態保持部120と、状態監視部130と、検出器電源供給部140と、検出器150とを
有する。動作制御部100と、クロック供給部110と、状態保持部120と、状態監視
部130と、検出器電源供給部140とは、コントローラー10に含まれる。
【0034】
動作制御部100は、CPU11(図1参照)に対応する。また、検出器150は、セ
ンサー40(図1参照)に対応する。クロック供給部110と、状態保持部120と、状
態監視部130と、検出器電源供給部140は、専用の回路により実現することができる

【0035】
動作制御部100は、通常モード中、状態保持部120に保持されている状態データを
、予め設定された所定の周期、又は任意のタイミングで参照する。ここで、状態データは
状態保持部120に保持されるため、動作制御部100は、検出器150の電源がオンの
タイミングに同期して状態保持部120を参照する必要はない。
【0036】
また、動作制御部100は、取得した状態に応じて、プリンター1の制御を行う。例え
ば、センサー40が、プリンター1の給紙トレイ(不図示)の用紙の有無を検出するセン
サーである場合、動作制御部100は、センサー40の出力信号に基づいて用紙の有無の
状態を判断する。用紙が無い場合、動作制御部100は、操作パネル20へその旨を表示
させる。
【0037】
動作制御部100は、通常モード中、クロック供給部110から供給されるクロックに
より動作する。動作制御部100は、プリンター1を通常モードから省電力モードに移行
させるトリガーを検出した場合(例えば、プリンター1が通常モードで動作中に、待機状
態が所定時間経過した場合)、プリンター1を通常モードから省電力モードに移行する制
御を行う。省電力モードへの移行制御において、動作制御部100は、クロック供給部1
10にクロックの停止を指示する制御信号を送る。すなわち、動作制御部100は、省電
力モード中は動作せず、電源オフ状態やスリープ状態に移行することができる。
【0038】
また、動作制御部100は、省電力モード中に、クロック供給部110からクロックの
供給を受けると、動作を開始し、プリンター1を省電力モードから通常モードに移行する
制御を行う。
【0039】
クロック供給部110は、通常モード中、動作制御部100にクロックを供給する。動
作制御部100からクロックの停止を指示する制御信号を受けた場合、クロックの供給を
停止する。また、クロック供給部110は、省電力モード中に、状態監視部130から、
クロックの供給の開始を指示するトリガー信号を受けると、クロックの供給を開始する。
【0040】
状態保持部120は、検出器150への電源供給のタイミングを示すトリガー信号を検
出器電源供給部140から受けると、検出器150から状態を示す出力信号(状態データ
)を受け付け、保持する。状態とは、例えば、給紙トレイの用紙の有無の状態である。状
態保持部120は、例えば、レジスターやSRAMを備え、受信した状態データを記憶す
ることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、状態保持部120は、通常モード中も省電力モード中も、電源
が供給されているものとする。ただし、状態保持部120は、通常モード中に動作制御部
100から参照され、省電力モード中には参照されない。
【0042】
状態監視部130は、検出器150への電源供給のタイミングを示すトリガー信号を検
出器電源供給部140から受けると、検出器150から状態を示す出力信号(状態データ
)を受け付け、保持する。状態監視部130は、例えば、レジスターやSRAMを備え、
受信した状態データを記憶することができる。
【0043】
本実施形態では、状態監視部130は、検出器150が出力する状態の変化を検出する
ため、2つの状態データ(古い状態と新しい状態)を保持する。すなわち、状態監視部1
30は、一つ前に受け付けた状態データ(古い状態)と、新しく受け付けた状態データ(
新しい状態)とを保持する。そして、古い状態と新しい状態とを比較し、状態が異なる場
合、トリガー信号をクロック供給部110に出力する。なお、あるトリガー信号のタイミ
ングで保持した新しい状態と古い状態の比較は、次のトリガー信号のタイミングで比較さ
れる。
【0044】
例えば、センサー40が、プリンター1の給紙トレイ(不図示)の用紙の有無を検出す
るセンサーである場合を想定する。状態監視部130は、古い状態が「用紙がない状態」
、かつ、新しい状態が「用紙がある状態」である場合に、トリガー信号を出力する。また
、古い状態が「用紙がある状態」、かつ、新しい状態が「用紙がない状態」である場合に
も、トリガー信号を出力する。
【0045】
なお、本実施形態では、状態監視部130は、通常モード中も省電力モード中も、電源
が供給されているものとする。ただし、クロック供給部110は、通常モード中に状態監
視部130からトリガー信号を受けても、無視するものとする。
【0046】
検出器電源供給部140は、所定間隔毎(例えば、100ms(ミリ秒)毎に)、検出
器150に電源を供給する。すなわち、検出器150の電源を間欠的にオンにする。本実
施形態では、検出器電源供給部140は、省電力モードだけでなく通常モード中も、検出
器150に間欠的に電源を供給する。
【0047】
また、検出器電源供給部140は、検出器150への電源供給のタイミングを示すトリ
ガー信号を、状態保持部120と状態監視部130とに出力する。
【0048】
検出器150は、検出器電源供給部140から電源が供給されている場合に動作する。
検出器150は、電源が供給されると、プリンター1の各種の状態を検出し、その状態を
示す出力信号(状態データ)を、状態保持部120と状態監視部130に出力する。なお
、実際は、検出器150は、センサーの特性上、電源オンと同時に状態を検出することは
できないため、電源オンから所定時間経過後に状態を検出して出力信号を出力する。
【0049】
以上が、一実施形態の一例に係るプリンター1の省電力制御に関する構成である。ただ
し、この構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、
上記の構成に限られない。また、一般的なプリンターが備える構成を排除するものではな
い。
【0050】
次に、上記のプリンター1により実現される特徴的な省電力制御について説明する。以
下では、検出器150が、給紙トレイの用紙の有無を検出するセンサーである場合を例に
挙げて説明する。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態の一例に係る通常モードにおける省電力制御を説明するタ
イミングチャートである。本図の各タイミングの間隔などは、一例であり、図示するもの
に限られない。
【0052】
検出器150の電源は、検出器電源供給部140の制御により、間欠的にONにされて
いる。消費電力をできる限り低減するため、電源OFFの時間は、電源ONの時間よりも
長く設定されている。検出タイミングは、センサーの性質上、電源ONと同時に検出する
ことができないため、ONから所定時間経過後のタイミング(T1〜T8)に検出されて
いる。
【0053】
動作制御部100は、状態保持部120を参照するため、動作制御部100の動作タイ
ミングと検出器150の検出タイミングは同期している必要はない。
【0054】
本図の例では、給紙トレイに紙がセットされていない(紙なし)状態で、省電力モード
が始まったものとする。そして、T2〜T3の間で、給紙トレイに紙がセットされ(紙あ
り)、T5〜T6の間で、給紙トレイの紙が取り除かれている(紙なし)。
【0055】
T2〜T3の間で紙がセットされると、T3において、状態「紙あり」が検出され、状
態保持部120に保持される。その後、T5〜T6の間まで紙が継続的にセットされてい
るため、T4及びT5においても、状態「紙あり」が検出され、状態保持部120に保持
される。
【0056】
その後、T5〜T6の間で紙が取り除かれると、T6において、状態「紙なし」が検出
され、状態保持部120に保持される。その後も、紙が継続的にセットされていないため
、T7及びT8においても、状態「紙なし」が検出され、状態保持部120に保持される

【0057】
なお、動作制御部100は、T3より前の動作タイミングでは、状態「紙なし」を取得
できるため、その状態に応じた制御を行う。T3〜T6の間の動作タイミングでは、状態
「紙あり」を取得できるため、その状態に応じた制御を行う。T6より後の動作タイミン
グでは、状態「紙なし」を取得できるため、その状態に応じた制御を行う。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態の一例に係る省電力モードから通常モードへの復帰の制御
を説明するタイミングチャートである。本図の各タイミングの間隔などは、一例であり、
図示するものに限られない。
【0059】
省電力モードにおいては、通常モードと同様に、検出器150の電源は、検出器電源供
給部140の制御により、間欠的にONにされている。消費電力をできる限り低減するた
め、電源OFFの時間は、電源ONの時間よりも長く設定されている。検出タイミングは
、センサーの性質上、電源ONと同時に検出することができないため、ONから所定時間
経過後のタイミング(T1〜T8)に検出されている。
【0060】
省電力モードにおいては、クロック供給部110は、停止している。また、動作制御部
100は動作していない。
【0061】
本図の例では、給紙トレイに紙がセットされていない(紙なし)状態で、省電力モード
が始まったものとする。そして、T2〜T3の間で、給紙トレイに紙がセットされる(紙
あり)。
【0062】
T3より前においては、状態監視部130の状態1(新しい状態)と、状態2(古い状
態)には、「紙なし」が保持される。T1において、状態監視部130は、T1の一つ前
のタイミング(不図示)で保持した状態1と状態2とを比較する。T1の一つ前のタイミ
ング(不図示)で保持した状態1及び状態2は、両方とも「紙なし」であるため、状態監
視部130は、トリガー信号を出力しない。同様に、T2において、状態監視部130は
、T1で保持した状態1と状態2とを比較する。T1で保持した状態1及び状態2は、両
方とも「紙なし」であるため、状態監視部130は、トリガー信号を出力しない。
【0063】
T2〜T3の間で紙がセットされると、T3において、状態「紙あり」が検出され、状
態監視部130の状態1には「紙あり」が設定され、状態2には「紙なし」が設定される
。なお、T3において、状態監視部130は、T2で保持した状態1と状態2とを比較す
る。T2で保持した状態1及び状態2は、両方とも「紙なし」であるため、状態監視部1
30は、トリガー信号を出力しない。
【0064】
T4において、状態監視部130は、T3で保持した状態1と状態2とを比較する。T
3で保持した状態1は「紙あり」、状態2は「紙なし」であるため、状態監視部130は
、トリガー信号を出力する。その後、T4においては、状態「紙あり」が検出されるため
、状態監視部130は、状態1に「紙あり」を設定するとともに、状態2にも「紙あり」
を設定する。
【0065】
また、T4において、状態監視部130からトリガー信号が出力されたため、クロック
供給部110は、動作制御部100にクロックの供給を開始する。これを受けて、動作制
御部100は、動作を開始し、省電力モードから通常モードへの復帰を制御する。
【0066】
T4より後については、図3で説明したとおりなので、説明を省略する。
【0067】
以上、本発明の一実施形態の一例について説明した。本実施形態の一例によれば、省電
力モード以外の他のモードにおいても消費電力をより抑えることができる。
【0068】
すなわち、上記の実施形態の一例によれば、省電力モードだけでなく通常モードにおい
ても、センサーへの電源が間欠的に供給される。従って、通常モードにおいても、より消
費電力を低減することができる。また、CPUは、保持部を介してセンサーの状態を参照
するため、CPUの任意の動作タイミングでセンサーの状態を取得することができる。
【0069】
なお、上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定
するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0070】
例えば、通常モードと省電力モードとでは、検出器への電源供給の間欠の間隔を異なら
せてもよい。具体的に図5を参照して説明する。
【0071】
図5は、本発明の一実施形態の変形例に係る省電力モードにおける省電力制御を説明す
るタイミングチャートである。
【0072】
本図に示すように、省電力モードにおける電源供給の間欠間隔(T2〜T3、T3〜T
4)は、通常モードにおける間欠間隔(T1〜T2、T4〜T5、T5〜T6)よりも長
くなっている。検出器電源供給部140は、例えば、通常モードでは、100ms毎に検
出器150に電源を供給し、省電力モードでは、1〜3s(秒)毎に検出器150に電源
を供給する。
【0073】
なお、検出器電源供給部140は、通常モードから省電力モードへの移行、及び、省電
力モードから通常モードへの移行を、動作制御部100からの通知により判断し、モード
に応じた間欠間隔を設定すればよい。すなわち、動作制御部100は、通常モードから省
電力モードへの移行、及び、省電力モードから通常モードへの移行の際、検出器電源供給
部140にモードの移行を通知する。
【0074】
以上の本発明の一実施形態の変形例によれば、通常モードにおける消費電力を低減した
上で、省電力モードにおける消費電力をさらに低減することができる。
【0075】
なお、上述の実施形態では、検出器150が一つであるが、検出器150が複数あって
もよい。この場合、検出器電源供給部140は、複数の検出器150それぞれに間欠的に
電源を供給すればよい。また、状態保持部120と状態監視部130は、検出器150ご
とに設けられる。もちろん、検出器150ごとに、検出器電源供給部140が設けられて
もよい。また、2以上の検出器150に対して、検出器電源供給140が1つ対応するよ
うにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1:プリンター、10:コントローラー、11:CPU、12:RAM、13:ROM、
20:操作パネル、30:印刷エンジン、40:センサー、50:ネットワークI/F、
100:動作制御部、110:クロック供給部、120:状態保持部、130:状態監視
部、140:検出器電源供給部、150:検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードと、消費電力を抑える省電力モードを有する装置であって、
前記装置の状態を検出する少なくとも一以上の検出器と、
前記通常モードと前記省電力モードとのいずれにおいても、前記検出器に間欠的に電源
を供給する検出器電源供給部と、を備える、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記検出器電源供給部は、前記省電力モードにおいては、前記通常モードよりも長い間
隔で、前記間欠的な電源供給を行う、
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、
前記検出器電源供給部は、電源供給を停止する期間を電源供給する期間よりも長く設定
して、前記間欠的な電源供給を行う、
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか一項に記載の装置であって、
電源供給状態の前記検出器の出力情報を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記出力情報に基づいて装置の動作を制御する動作制御部と、
前記動作制御部に動作クロックを供給するクロック供給部と、
電源供給状態の前記検出器の出力情報の変化を監視する監視部と、を備え、
前記クロック供給部は、省電力モード時には、クロック供給を停止し、前記監視部が前
記出力情報の変化を検出した場合に、クロック供給を開始する、
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記保持部は、前記検出器が電源供給状態のタイミングで出力される前記出力情報を保
持し、
前記動作制御部は、電源の供給状態及び非供給状態において、任意のタイミングで前記
保持部から情報を取得する、
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載の装置であって、
前記装置は、画像形成装置である、
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
通常モードと、消費電力を抑える省電力モードを有する装置における電源制御方法であ
って、
前記装置は、前記装置の状態を検出する少なくとも一以上の検出器と、前記通常モード
と前記省電力モードとのいずれにおいても、前記検出器に間欠的に電源を供給する検出器
電源供給部と、を備える、
ことを特徴とする電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−148439(P2012−148439A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7562(P2011−7562)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】