説明

真空弁構造

【課題】異物の取出しを容易化することなどによりメンテナンス性を向上した真空弁を提供すること。
【解決手段】真空弁13は汚水を流通可能な流路部21と、流路部21の内部に設けられて流路部21を開閉可能な弁部と、弁部を真空圧を利用して開閉操作可能な弁開閉機構部23とを備えている。弁部が、流路部21の内面に形成された弁座と、弁座に対して離接動自在に配設された弁体とを備えている。そして、流路部21に、弁座の近傍に位置して、弁座と弁体との間に咬み込まれた異物を流路部21の外部へ除去可能なメンテナンス口部101を設けるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、真空弁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自然流下式下水道システムに代わって、真空式下水道システムの採用が増加しつつある。この真空式下水道システムは、汚水枡に溜まった汚水を、真空圧を利用して吸引収集するものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
より具体的には、真空式下水道システムは、建物などから排出された汚水を、真空弁を備えた汚水枡である真空弁ユニットに一時的に貯留しておくと共に、汚水枡内の汚水が一定量に達した時に、上記した真空弁を開放することにより、真空弁の下流側に接続された真空下水管を通じて、真空圧で汚水を真空ステーションの集水タンクへ移送するようにした下水道システムである。真空ステーションの集水タンクへ移送された汚水は、その後、圧送ポンプを用いて下水処理場へ送られて処理される。
【0004】
この際、真空弁ユニットでは、真空圧によって、汚水と空気とが順に吸込まれるか(気液分離吸引方式)、もしくは、汚水と空気とが同時に吸込まれる(気液同時吸引方式)。そして、吸込まれた汚水は、汚水前方の真空圧と、汚水後方の吸引空気圧との圧力差を利用して気液混送流として搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3459522号
【特許文献2】特開平7−317954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記真空式下水道システムには、以下のような問題があった。
【0007】
即ち、上記した真空弁ユニットは、真空弁に異物の咬み込みなどが生じた場合に、真空弁ユニットから真空弁を取外すか、または、真空弁自体を分解するかしか、異物を取出す手段がなかった。
【0008】
そのため、真空弁からの異物の取出しに、時間がかかってしまい(およそ30分〜1時間程度)、メンテナンスが容易ではなかった。
【0009】
そこで、特許文献1では、真空弁の弁部の下側に膨らみ形状部を設けて、この膨らみ形状部に異物を落し込ませることにより、弁部への異物の咬み込みを防止させるようにしている。
【0010】
しかし、真空弁の弁部の下側に膨らみ形状部を設けた場合、真空弁に対して膨らみ形状部を加工形成する手間が生じるという問題や、膨らみ形状部に落ちた異物はそのまま膨らみ形状部に停滞し続けることになるので、膨らみ形状部に落ちた異物が弁部への異物咬み込みの新たな原因になるおそれがあるという問題や、異物の咬み込みが生じていない場合であっても、膨らみ形状部に落ちた異物を定期的に取出すメンテナンスが新たに必要になるという問題や、膨らみ形状部に落ちた異物を取出すには真空弁を取外したり分解したりする必要があるという問題や、また、膨らみ形状部での汚水の滞留による詰まりなどが生じるおそれがあるという問題、などがあった。
【0011】
また、特許文献2では、真空弁の弁部にカッター手段を設けて、弁部で異物を切断させて異物を流下除去させるようにしている。
【0012】
しかし、真空弁の弁部にカッター手段を設けた場合、例えば、糸状の異物(藁、紐、ビニールロープなど)しか切断除去することができないため、塊状の異物(例えば、樹脂やコンクリートなどの塊、小石、梅干の種など)に対しては有効でないという問題や、カッター手段の切れ味が低下した場合に、カッター手段を交換するための新たなメンテナンスが必要になるなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、汚水を流通可能な流路部と、該流路部の内部に設けられて前記流路部を開閉可能な弁部と、該弁部を真空圧を利用して開閉操作可能な弁開閉機構部とを備え、前記弁部が、前記流路部の内面に形成された弁座と、該弁座に対して離接動自在に配設された弁体とを備えた真空弁構造において、前記流路部に、前記弁座の近傍に位置して、前記弁座と弁体との間に咬み込まれた異物を前記流路部の外部へ除去可能なメンテナンス口部が設けられたことを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載された発明は、上記において、前記メンテナンス口部が、前記弁座の入側または出側の少なくとも一方に設けられたことを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載された発明は、上記において、前記メンテナンス口部が、前記流路部の側面に設けられたことを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載された発明は、上記において、前記弁開閉機構部が、弁部のメンテナンス時に、弁部を強制開放可能に構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、弁座と弁体との間に異物の咬み込みが生じた場合に、流路部の弁座の近傍位置に設けられたメンテナンス口部を開くことにより、弁座と弁体との間に咬み込まれた異物を、容易且つ短時間のうちに流路部の外部へ除去することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、流路部に設けられるメンテナンス口部を、弁座の入側または出側の少なくとも一方に設けることにより、より容易且つ確実に弁座と弁体との間に咬み込まれた異物を除去することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、メンテナンス口部を、流路部の側面に設けることにより、流路部の上側に通常設けられている弁開閉機構部に対して、メンテナンス口部が干渉することが防止される。また、流路部の直下部に通常設置されている仕切板によって、メンテナンス口部が開け難くなったり、メンテナンス作業が行い難くなったりすることが防止される。
【0020】
請求項4の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、弁部のメンテナンス時に、弁開閉機構部によって弁部を強制開放させることにより、弁体を持上げながらのメンテナンス作業が不要となり、その分、メンテナンス作業をより容易で効率的なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例にかかる真空式下水道システムの系統図である。
【図2】図1の真空弁ユニットの側方断面図である。
【図3】図2の真空弁の側方断面図である。
【図4】図3の弁制御部の側方断面図である。
【図5】図3の弁制御部の図4とは異なる位置での側方断面図である。
【図6】真空弁に対してメンテナンス口を設けた状態を示す側面図である。
【図7】図6のメンテナンス口の断面図である。
【図8】図6のメンテナンス口の側面図である。
【図9】図6のメンテナンス口に設置されるキャップ部の側面図である。
【図10】真空弁に対して別のメンテナンス口を設けた状態を示す側面図である。
【図11】図10のメンテナンス口の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、上記した各問題点を解決することを目的として、主に、異物の取出しを容易化することなどによりメンテナンス性を向上し得るようにしている。
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【実施例】
【0024】
図1〜図11は、この発明の実施例を示すものである。
【0025】
<構成>まず、構成について説明する。
【0026】
図1は、真空圧を利用して、汚水枡に溜まった汚水を吸引収集する真空式下水道システム1を示している。
【0027】
この真空式下水道システム1では、建物2などから排出された汚水は、汚水流入管3を介して、自然流下で真空弁ユニット4へ一時的に貯留される。そして、真空弁ユニット4内の汚水が一定量に達した時に、真空弁ユニット4に接続された真空下水管5を通じて、真空圧で汚水が真空ステーション6の集水タンク7へ移送される。
【0028】
この際、真空弁ユニット4には、通気管8を介して空気を導入し得るようになっており、上記した真空圧によって、汚水と通気管8からの空気とが順に吸込まれるか(気液分離吸引方式)、もしくは、汚水と空気とが同時に吸込まれる(気液同時吸引方式)。そして、吸込まれた汚水は、汚水前方の真空圧と、汚水後方の吸引空気圧との圧力差を利用して気液混送流として集水タンク7へ搬送される。
【0029】
そして、真空ステーション6では、真空ポンプ9によって集水タンク7の内部が吸引減圧され、集水タンク7および真空下水管5に真空圧が発生される。集水タンク7へ移送された汚水は、その後、圧送ポンプ10を用いて図示しない自然流下式の下水道へ圧送され、最終的に、下水処理場へ送られて処理される。
【0030】
図2は、上記した真空弁ユニット4を示している。
【0031】
この真空弁ユニット4は、上記した汚水流入管3からの汚水を一時的に貯留する汚水枡11を備えている。そして、汚水枡11内の汚水は、汚水吸込管12を介して真空下水管5に吸込まれる。汚水吸込管12と真空下水管5との間には、真空圧を利用して開閉可能な真空弁13が設けられ、この真空弁13と真空下水管5との間には、真空弁13などのメンテナンス時に、真空弁13と真空下水管5との間を仕切るための仕切弁14が設けられる。
【0032】
真空弁ユニット4は、また、汚水枡11の内部に汚水の液位を検知可能な液位検知管15を備えている。
【0033】
そして、この場合、上記した汚水枡11は、有底容器状の汚水貯留部11aと、この貯留部の上部に接続される筒状の胴部11bと、この胴部11bの上端の開口部に開閉可能に取付けられた蓋部11cとを備えている。この汚水枡11は、作業員が体ごと内部に入れる大きさを有している。そして、汚水貯留部11aと胴部11bとの間には、両者を上下に仕切る仕切板16が設けられる。
【0034】
そして、汚水貯留部11aには、上記した汚水流入管3や通気管8が接続される。胴部11bには、上記した真空下水管5が貫通配置されると共に、仕切板16の上方には真空下水管5に接続された仕切弁14や真空弁13などが配設される。上記した汚水吸込管12および液位検知管15は、仕切板16を貫通して、胴部11bから汚水貯留部11aへと延びている。
【0035】
図3は、上記した真空弁13を示している。
【0036】
この真空弁13は、汚水を流通可能な流路部21と、この流路部21の内部に設けられて流路部21を開閉可能な弁部22(主弁部)と、この弁部22を真空圧によって開閉操作可能な弁開閉機構部23とを備えている。
【0037】
ここで、流路部21は、内外径の径寸法がほぼ一定で、ほぼ水平方向へ延びる短管状をしている。そして、この流路部21は、汚水吸込管12と仕切弁14との間に接続され、汚水吸込管12から吸込んだ汚水を、仕切弁14を介して、真空下水管5へと導くようになっている。
【0038】
弁部22は、流路部21の内面に形成された弁座24と、この弁座24に対して離接動自在に配設された弁体25とを備えている。また、流路部21の弁座24の近傍には、弁体25が弁座24から離接動する際の弁体25の通路となる短管状の弁体通路部26が分岐形成されている。そして、弁体25が弁座24に着座することにより流路部21が閉じ、弁体25が弁座24から離れて弁体通路部26内へ向け退避動することにより流路部21が開くようになっている。
【0039】
弁開閉機構部23は、弁座24に対する弁体25の離接動を駆動可能な弁駆動部27と、この弁駆動部27を制御可能な弁制御部28とを備えている。
【0040】
このうち、弁駆動部27は、内部にシリンダ状の空間を有する弁作動部本体31と、この弁作動部本体31内部のシリンダ状の空間を2つの室(作動室32と大気室33)に仕切るダイヤフラム付きのピストン34とを備えている。この弁作動部本体31は、弁体通路部26の端部の位置に設置される。ダイヤフラム付きのピストン34は、上記シリンダ状の空間内を弁体通路部26の軸線方向へ移動可能なものとされている。そして、ダイヤフラム付きのピストン34には、弁棒35を介して上記した弁体25が一体的に移動可能に連結されている。
【0041】
そして、弁作動部本体31のヘッド側に位置する作動室32には、コイルバネなどの付勢手段36が介装され、この付勢手段36によって、ダイヤフラム付きのピストン34が、弁体25を弁座24に着座させる方向へ常時付勢されている。
【0042】
これらの構成により、主に付勢手段36の付勢力によって、ダイヤフラム付きのピストン34がロッド側へ移動することにより、弁体25が弁座24に着座して弁部22が常閉となると共に、作動室32に真空圧が作用した時に、付勢手段36の付勢力に抗して、ダイヤフラム付きのピストン34がヘッド側へ移動することにより、弁体25が弁座24から離れて、弁部22が開くようになっている。この際、弁作動部本体31のロッド側に位置する大気室33には、大気に連通された大気連通管37が、ホース38を介して接続されることにより、ダイヤフラム付きのピストン34の動きに連動して大気が給排されるようになっている。
【0043】
なお、このような真空弁13では、一般に、弁開閉機構部23は、上記した汚水の流路部21の上側に設けられると共に、流路部21の入側(汚水吸込管12の側)へ向けて斜めに傾斜した状態で設置されており、これに応じて、上記した弁部22も、流路部21に対して弁開閉機構部23と同じに斜めに傾斜された状態で設けられている。この弁開閉機構部23および弁部22の傾斜角度は、通常は、ほぼ45゜とされている。但し、この実施例のものにおいては、上記した傾斜角度が45゜の場合に限らず、弁開閉機構部23および弁部22が傾いていない場合や、異なる傾斜角度の場合を含んでも良い。
【0044】
また、この場合、真空弁13の上記した流路部21と、弁体通路部26と、弁作動部本体31に対する取付部分とが、一体の下ハウジングとして構成されている。また、弁作動部本体31のヘッド側の半部(上半部)が、上ハウジングとして構成されている。更に、弁作動部本体31のロッド側の半部(下半部)が、インナーハウジングとして、上記した下ハウジングの取付部分内部に収容配置される構成とされている。そして、下ハウジングにインナーハウジングが収容された状態で、下ハウジングと上ハウジングとが、バンドクランプなどの連結部44によって連結されている。なお、インナーハウジングの弁体通路部26に望む位置には逆止弁45が設けられ、インナーハウジングの弁棒35が貫通する部分にはシール部および上記した逆止弁45を覆う逆止弁カバー46が設けられている。
【0045】
図4、図5は、上記した弁制御部28を示すものである(図3も併せて参照のこと)。
【0046】
この弁制御部28は、弁作動部本体31のヘッド側の端部に、その下部を部分的に挿入した状態で、バンドクランプなどの取付部51によって取付けられている(図3参照)。この弁制御部28は、その下側に切替部52を備えると共に、上側に切替操作部53を備えている。このうち、切替部52は、弁作動部本体31のヘッド側の作動室32に対して、大気圧と真空圧とを切替えて作用させることが可能なものである。また、切替操作部53は、汚水枡11内の汚水の量(液位)が一定量に達した時に、上記した作動室32に真空圧が作用されるよう切替部52を切替操作するものである。
【0047】
そして、上記した切替部52は、弁作動部本体31のヘッド側の作動室32に対し、連通路55を介して連通する連通室56と、この連通室56の上側に設けられた大気室57と、連通室56の下側に設けられた真空室58とを、備えている。そして、連通室56と大気室57との間および連通室56と真空室58との間には、これらを連通するための大気導入路61と真空導入路62とがそれぞれ設けられている。大気導入路61と真空導入路62とには、両者を選択的に開閉可能な(三方)切替弁63が設けられている。この切替弁63は、大気導入路61と真空導入路62との連通室56側の開口部分にそれぞれ設けられた弁座64,65と、これらの弁座64,65に対して離接動可能な弁体部66,67とを備えている。この弁体部66,67は、同一の弁棒68に形成され、この弁棒68は、大気導入路61を通して連通室56と大気室57との間に移動自在に配設されている。
【0048】
これらの構成により、弁座64から弁体部66が離れて弁座65に弁体部67が着座することにより、大気室57が連通室56に連通され、真空室58が連通室56から遮断されて、弁作動部本体31のヘッド側の作動室32に大気圧が作用されるようになっている。
【0049】
反対に、弁座64から弁体部66に着座して弁座65が弁体部67から離れることにより、大気室57が連通室56から遮断され、真空室58が連通室56に連通されて、弁作動部本体31のヘッド側の作動室32に真空圧が作用されるようになっている。
【0050】
なお、弁制御部28の本体には、大気通路71を介して大気室57へ大気圧を作用させる大気導入口72が設けられている(図5参照)。大気導入口72は、ホース73を介して、上記した大気連通管37に接続されている(図3参照)。また、弁制御部28の本体には、真空通路74を介して真空室58へ真空圧を作用させる真空導入口75が設けられている(図4参照)。真空導入口75には、ホース76を介して真空圧が作用されるようになっている。
【0051】
更に、上記した大気室57は、内部を切替用ダイヤフラム77によって上下2つの室に区切って成る切替用アクチュエータの下側の室とされている。上記した弁棒68は、この切替用ダイヤフラム77の下面側に取付けられている。そして、上記した切替用アクチュエータの上側の室は上記した切替弁63を切替えるための作動室78とされている。この作動室78には、切替用ダイヤフラム77を、ロッド側(弁棒68側)へ付勢するコイルバネなどの付勢手段79が介装されている。
【0052】
これらの構成により、主に付勢手段79の付勢力によって、切替用ダイヤフラム77がロッド側へ変位することにより、常時、弁座64から弁体部66が離れて、大気室57が連通室56と接続され、弁座65に弁体部67が着座して、真空室58が連通室56から遮断された状態になる。これにより、最終的に、真空弁13の弁部22(主弁部)が閉じることとなる。
【0053】
反対に、付勢手段79の付勢力に抗して、切替用ダイヤフラム77がヘッド側へ変位した時に、弁座64に弁体部66が着座して、大気室57が連通室56から遮断され、弁座65から弁体部67が離れて、真空室58が連通室56と接続された状態になる。これにより、最終的に、真空弁13の弁部22(主弁部)が開くこととなる。
【0054】
一方、切替操作部53は、上記した作動室78の上側に設けられた圧力制御室81と、この圧力制御室81の上側に設けられた液位検知部82とを有している。
【0055】
圧力制御室81には、上記した真空通路74から分岐された分岐真空通路83が接続されると共に、圧力制御室81の内部には、分岐真空通路83の開口部分を開閉するための作動弁84が設けられている(図4参照)。また、圧力制御室81には、内部に大気を徐々に導入するためのニードル弁85が取付けられている(図5参照)。更に、圧力制御室81は、径の小さな連通孔86を介して作動室78と連通されている(図4参照)。
【0056】
そして、これらの構成により、作動弁84を開いて、圧力制御室81に真空圧を作用させることにより、連通孔86を介して作動室78に真空圧を作用させ得るようにしている。また、そ作動弁84を閉じた後には、ニードル弁85を介して圧力制御室81に大気が徐々に導入されることにより、連通孔86を介して作動室78を大気圧状態に回復、復帰し得るようにしている。このニードル弁85は、圧力制御室81への大気の導入速度を微調整可能なものであり、真空弁13の開作動時間を設定、調節するタイマーとしての機能を有している。
【0057】
一方、上記した液位検知部82は、内部を液位検知用ダイヤフラム87により上下2つの室88,89に区切って成る液位検知用アクチュエータとされている。
【0058】
そして、弁制御部28の上端部には、上記した液位検知管15にホース91を介して接続される液位検知管接続口92が設けられている(図3参照)。上記した液位検知用アクチュエータの上側の室88は、小通路93を介して液位検知管接続口92に接続されている。液位検知管接続口92と小通路93との間には、突発的な液位の変化の影響を緩和、除去し得るようにするためのダイヤフラム94を設置した室が設けられ、このダイヤフラム94には両面間を連通するための小孔95が形成されている(図4参照)。また、液位検知用アクチュエータの下側の室89は、大気通路71から分岐された分岐大気通路71aを介し、大気に連通されており、液位検知用ダイヤフラム87の動きに連動して大気が給排されるようにしている(図5参照)。そして、液位検知用ダイヤフラム87の下面側には、圧力制御室81内部の作動弁84を操作するためのプランジャ96が設けられている。このプランジャ96は、液位検知用ダイヤフラム87に直接固定するようにしても、液位検知用ダイヤフラム87によって押されるようにしても良い。プランジャ96には、作動弁84から離れる方向へプランジャ96を常時付勢する復帰バネ97が設けられている。液位検知用アクチュエータの下側の室89と、圧力制御室81との間を貫通する部分には、シール部99が設けられている。
【0059】
上記した作動弁84は、例えば、分岐真空通路83の開口部分を開閉可能な舌片部84aと、この舌片部84aに開閉動作を行わせるバネ片84bとを有するものとされている(図4参照)。バネ片84bは、開口部分が開放する方向に舌片部84aを常時付勢する板バネなどとされている。なお、作動弁84には、各種の構造のものがあり、要するに、プランジャ96が押した時に分岐真空通路83の開口部分が開き、プランジャ96が離れた時に開口部分が閉じる機能を有するものであれば、上記以外のものであっても良い。
【0060】
そして、これらの構成により、汚水枡11内の汚水の量が一定量になる(一定量を越える)と、液位検知管15内の空気が、ダイヤフラム94の小孔95を通して液位検知用アクチュエータの上側の室88へ入ることにより、液位検知用ダイヤフラム87が図中下方へ変位される。すると、液位検知用ダイヤフラム87の下方変位により、復帰バネ97の付勢力に抗してプランジャ96が作動弁84のバネ片84bを押すことにより、舌片部84aが開口部分から離れて開口部分が開き、圧力制御室81に真空圧が作用されるようになっている。これにより、最終的に、真空弁13の弁部22(主弁部)が開くことになる。
【0061】
反対に、汚水枡11内の汚水の量が一定量よりも少なくなると、液位検知用アクチュエータの上側の室88から空気が液位検知管15内へ排出されて、液位検知用ダイヤフラム87が図中上方へ変位される。すると、液位検知用ダイヤフラム87の上方変位により、復帰バネ97の付勢力が機能してプランジャ96が作動弁84のバネ片84bから離れることによって、舌片部84aが開口部分を閉じ、圧力制御室81に真空圧が作用しなくなるように構成されている。これにより、最終的には、一定時間経過後に、真空弁13の弁部22(主弁部)が閉じることになる。
【0062】
なお、上記弁制御部28の本体は、この場合、図示のように、4つのシリンダブロックを、通しボルトおよびナットなどの締結具を用いて一体に連結した構成とされている。そして、上記した各構成は、これら4つのシリンダブロック内に設けられている。
【0063】
そして、以上のような基本的構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている(図6〜図9、図10〜図11参照、併せて図3も参照)。
【0064】
(1) 図6または図10に示すように、真空弁13の流路部21に、内部に設けられた弁座24の近傍に位置して、弁座24と弁体25との間に咬み込まれた異物(例えば、樹脂やコンクリートなどの塊、小石、梅干の種などの塊状の異物や、その他の異物)を流路部21の外部へ除去可能なメンテナンス口部101,102を設ける。
【0065】
このメンテナンス口部101,102は、作業員の手が容易に入る大きさとする。好ましくは、流路部21の内径と同径またはそれ以上の口径を有するものとする。
【0066】
(2) 上記メンテナンス口部101,102は、弁座24の出側(仕切弁14側、図6)、または、入側(汚水吸込管12側、図10)の少なくとも一方に設けられる。
【0067】
なお、メンテナンス口部101,102は、弁座24の入側と出側との、どちらか一方に設ければ、機能的には十分である。
【0068】
(3) メンテナンス口部101,102は、流路部21の周方向に対し、上部や下部や斜め上部や斜め下部などに設けることができる。しかし、好ましくは、メンテナンス口部101,102は、流路部21の側面(横位置)に設けるようにする。
【0069】
ここで、図6に示す、弁座24の出側に設けられるメンテナンス口部101は、真空圧をシールし得る程度の高いシール性を有するものとする。このメンテナンス口部101は、弁座24に掛からない(重複しない)ぎりぎりの位置まで近付けて設けるのが好ましい。
【0070】
このメンテナンス口部101は、図7、図8に示すように、流路部21の上記出側の部分から側方へ突設された短い受口部103と、この受口部103の端部に開閉可能に取付けられる蓋部104とを有している。
【0071】
この蓋部104は、受口部103の端部に当接可能な蓋本体105と、この蓋本体105の裏面側に設けられた筒状の差込部106と、蓋本体105の表面側に設けられた開閉操作部107とを一体に有している。
【0072】
上記した筒状の差込部106は、外周面に雄ネジ部108が刻設されている。そして、受口部103には、その内周面に直接、または、受口部103の内周面に接着固定された筒状部材109の内周面に、上記した雄ネジ部108を螺着可能な雌ネジ部111が刻設されている。これら雄ネジ部108および雌ネジ部111により、受口部103に対する蓋部104の締結固定部が構成される。雄ネジ部108および雌ネジ部111は、一条ネジとしても多条ネジとしても良い。多条ネジとする場合には、雄ネジ部108と雌ネジ部111に型抜用のネジ非形成部112を適宜設けることができる。
【0073】
更に、筒状の差込部106の内方端部分には、この内方端部の端面を塞ぐと共に、流路部21の内周面に、受口部103による凹形状部分の発生を防止するため、または、凹形状部分の凹み量を小さくするためのキャップ部113を取付けるようにしても良い。このキャップ部113は、差込部106の内周部分に嵌合可能な小径の嵌合部114と、差込部106の外径とほぼ同外径のキャップ本体115と、キャップ本体115の内方端の端面に設けられた端面閉止部116とを有している。
【0074】
差込部106の内周部分とキャップ部113の嵌合部114の外周部分との間には、係止部117が設けられている。この係止部117は、差込部106に対し、キャップ部113が、軸線方向に対して相対移動不能で、周方向に対して相対回転可能に係止し得るものとされる。係止部117は、例えば、差込部106の内周部分と嵌合部114の外周部分との一方に設けた周方向へ延びる係止用突起部と、他方に設けた周方向へ延びる係止用凹部とを、互いに周方向へ移動可能に嵌合係止し得るようにしたものなどどすることができる。
【0075】
また、図8に示すように、流路部21の側面と受口部103との境界部は、流路部21の内周面に沿った円筒面状となっているので、図9に示すように、キャップ部113の端面閉止部116は、流路部21の内径とほぼ等しい径を有して、流路部21の内面と面一に連なることができる部分円筒面状とすることができる。キャップ部の端面閉止部116を部分円筒面部とした場合には、受口部103を蓋部104で閉止した時に、部分円筒面部が流路部21の内周面と面一となるよう、キャップ部の周方向の位置を規制する位置規制部118を設けるようにする。この位置規制部118は、例えば、キャップ本体115の外周面と受口部103または筒状部材109の内周面との一方に設けた軸線方向へ延びる突条部と、他方に設けた軸線方向へ延びる凹溝部とを、互いに軸線方向へ摺動可能に嵌合し得るようにしたものなどとすることができる。
【0076】
更に、図7に示すように、蓋部104と受口部103または筒状部材109との間には、Oリングなどのシール部材119が取付けられる。この場合、シール部材119は、蓋本体105と差込部106との境界部分に設けられたシール取付部に外嵌設置されている。また、受口部103または筒状部材109には、シール部材119を受けるシール受部を設けることができる。この場合、シール受部は、筒状部材109の外方端部に形成されたフランジ部109aの部分に形成されている。
【0077】
また、上記した開閉操作部107は、工具または手によって蓋部104を開閉するためのものである。この場合には、蓋本体105の表面側から面直方向に立設された複数の円弧状の突片(摘み部)とされている。この突片は、蓋本体105と同心円状に配置されると共に、複数の突片間には、工具を差込んで操作するための間隙部107aが直径方向に対を成すように設けられている。また、各突片の外周面部分には、手が滑らないように引っ掛けるための手掛部107bを突設するようにしても良い。
【0078】
そして、これらの構成により、受口部103に蓋部104を螺着することにより、メンテナンス口部101が閉じるようになっている。受口部103に蓋部104を取付けた(螺着した)時には、シール部材119によって、メンテナンス口部101は、真空圧をシールすることができるようになっている。
【0079】
反対に、受口部103から蓋部104を逆方向に廻して取外すことにより、メンテナンス口部101が開いて真空弁13の弁部22(主弁部)のメンテナンスを行い得るようになっている。この弁部22(主弁部)のメンテナンスは、弁座24と弁体25とに直接手を触れながら行うようにする。
【0080】
一方、図10に示す、弁座24の入側に設けられるメンテナンス口部102は、汚水の漏出をシールし得る程度の上記よりは低いシール性を有して、簡単に着脱ができるものとする。このメンテナンス口部102は、流路部21の内部に設けられた弁座24(または、弁体25の通過領域)に掛からない(重複しない)ぎりぎりの位置まで近づけて設けるのが好ましい。
【0081】
このメンテナンス口部102は、図11に示すように、流路部21の上記入側の部分から側方へ突設された短い受口部121と、この受口部121の端部に開閉可能に取付けられる蓋部122とを有している。この場合、蓋部122は、受口部121の内部へ挿入可能な内蓋部123と、受口部121の端部に係止可能な外蓋部124と、これら内蓋部123および外蓋部124の外周縁部間に嵌着されて受口部121の内周面に対するシールが可能な変形自在の弾性シール部125と、内蓋部123と外蓋部124との間に設けられて両者間に隙間126を形成すると共に、この隙間126の間隔を拡縮、調整可能な隙間調整部127とを有している。
【0082】
この隙間調整部127は、例えば、内蓋部123に溶接などにより固定されて外蓋部124に形成された穴部から外方へ突出されるネジ軸128と、このネジ軸128に対して外蓋部124の外側から螺着されるナット部129とを有している。このナット部129は、作業員が手で操作し得るようにするための摘み部130を有する蝶ナットなどとされている。なお、内蓋部123の外周縁部と外蓋部124の外周縁部間とには、弾性シール部125を係止可能な係止部としての段差形状部がそれぞれ設けられる。弾性シール部125は、内蓋部123と外蓋部124との間隔変更によって、変形、復帰し易い断面形状などとすることができる。
【0083】
そして、これらの構成により、受口部121に蓋部122を取付けると、受口部121の内部に内蓋部123と弾性シール部125とが挿入され、受口部121の端部に外蓋部124が係止された状態となり、この状態で、蝶ナット(ナット部129)をネジ軸128に対して捩じ込む方向へ手などで廻すことにより、内蓋部123と外蓋部124との間の隙間126が狭くなって、弾性シール部125が縦に潰され、潰されて横へはみ出した弾性シール部125が受口部121の内周壁に突っ張ることにより、蓋部122が受口部121に固定されると共に汚水の漏れ出しがシールされるようになっている。
【0084】
反対に、蝶ナット(ナット部129)をネジ軸128に対して緩める方向へ手などで廻すことにより、内蓋部123と外蓋部124との間の隙間が広くなって、弾性シール部125が元の状態に形状復帰し、弾性シール部125の横へのはみ出しがなくなることにより、蓋部122を受口部121から取外して、真空弁13の弁部22(主弁部)のメンテナンスを行い得るようになっている。この弁部22(主弁部)のメンテナンスは、弁座24と弁体25とに直接手を触れながら行うようにする。
【0085】
(4) 更に、必要に応じて、上記した弁開閉機構部23を、弁部22のメンテナンス時に、弁部22を強制開放可能となるように構成する。そのために、先ず、図3、図4(または図5)に示すように、弁開閉機構部23の弁制御部28に強制開放手段131を設ける。この強制開放手段131は、外部から液位検知用ダイヤフラム87を押すことにより、プランジャ96に作動弁84を押させることが可能なプッシュボタン132と、このプッシュボタン132を液位検知用ダイヤフラム87から離す方向へ常時付勢する復帰バネ133と、プッシュボタン132を覆うと共に、プッシュボタン132が貫通する部分をシール可能な弾性カバー134とを備えている。この強制開放手段131は、弁制御部28の上端部に設けられている。
【0086】
更に、メンテナンスのために仕切弁14を閉じた場合でも、真空室58や圧力制御室81などに対して真空圧を作用させ続けられるようにするために、上記したホース76の真空源(真空下水管5や集水タンク7など)との接続位置を、真空下水管5、または、仕切弁14の仕切り位置よりも真空下水管5側とする。なお、ホース76の途中、または、上記した真空源には、真空圧力を遮断可能な別の仕切弁を設けることができる。
【0087】
<作用>次に、この実施例の作用について説明する。
【0088】
先ず、真空式下水道システム1の可動時には、仕切弁14が開かれている。そして、汚水枡11内の汚水の量が一定量よりも少ない場合には、真空弁13の弁部22が閉じている。
【0089】
汚水枡11内の汚水の量が一定量に達すると、弁開閉機構部23により、真空弁13の弁部22が開き、汚水枡11内の汚水が、汚水吸込管12、流路部21、真空下水管5を介して集水タンク7へ移送される。
【0090】
なお、弁開閉機構部23は、真空圧によって作動され、弁体25を弁座24に対し離接動させて、弁部22を開閉することができるようになっている。
【0091】
そして、真空弁13の弁部22に異物の咬み込みなどが生じた場合には、先ず、仕切弁14を閉じて、真空弁13の流路部21に真空圧が作用されなくなるようにする。
【0092】
この状態で、メンテナンス口部101,102のいずれかを開いて、真空弁13の弁部22から異物を手作業で除去する。この際、強制開放手段131により、弁部22を強制的に開いた状態にすると、メンテナンスがより容易となる。
【0093】
メンテナンスの終了後には、メンテナンス口部101,102を閉じ、仕切弁14を開いて、真空式下水道システム1が稼働し得るようにする。
【0094】
以上をまとめると、この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0095】
(1) 弁座24と弁体25との間に異物の咬み込みが生じた場合に、流路部21の弁座24の近傍位置に設けられたメンテナンス口部101,102を開くことにより、弁座24と弁体25との間に咬み込まれた異物を、容易且つ短時間のうちに流路部21の外部へ除去することができる。これにより、メンテナンスのために真空弁13を真空下水管5などから取外したり真空弁13自体を分解したりする必要を無くすことができ、真空弁13に対するメンテナンス性を向上することが可能となる。なお、メンテナンスの終了後には、メンテナンス口部101,102を閉じておくようにする。
【0096】
(2) 流路部21に設けられるメンテナンス口部101,102を、弁座24の入側または出側の少なくとも一方に設けることにより、より容易且つ確実に弁座24と弁体25との間に咬み込まれた異物を除去することができる。
【0097】
なお、メンテナンス口部101を弁座24の出側に設けた場合には、弁部22の構造上、より弁座24に近い位置にメンテナンス口部101を設けることができると共に、より広い作業スペースを確保することができるので、異物の除去作業において有利なものとすることができる。
【0098】
反対に、メンテナンス口部102を弁座24の入側に設けた場合には、構造上、要求されるシール性が、汚水の漏出防止程度と低くて済むので、メンテナンス口部102の構造をより簡易なものとすることができる。
【0099】
(3) メンテナンス口部101,102を、流路部21の側面に設けることにより、流路部21の上側に通常設けられている弁開閉機構部23に対して、メンテナンス口部101,102が干渉することが防止される。これにより、メンテナンス口部101,102を、より弁座24に近付けて設置することができるようになり、しかも、弁開閉機構部23に邪魔されずにメンテナンスを行うことが可能となる。
【0100】
また、メンテナンス口部101,102を、流路部21の側面に設けることにより、流路部21の直下部に通常設置されている仕切板16によって、メンテナンス口部101,102が開け難くなったり、メンテナンス作業が行い難くなったりすることが防止される。また、流路部21の下面や斜め下などにメンテナンス口部101,102を設ける場合と比べて、メンテナンス口部101,102を、汚水の滞留による詰まりなどが生じ難いものとすることができる。
【0101】
(4) 弁部22のメンテナンス時に、弁開閉機構部23によって弁部22を強制開放させることにより、弁体25を弁座24から持上げながらのメンテナンス作業が不要となり、その分、メンテナンス作業をより容易で効率的なものとすることができる。
【0102】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0103】
21 流路部
22 弁部
23 弁開閉機構部
24 弁座
25 弁体
101 メンテナンス口部
102 メンテナンス口部
131 強制開放手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水を流通可能な流路部と、
該流路部の内部に設けられて前記流路部を開閉可能な弁部と、
該弁部を真空圧を利用して開閉操作可能な弁開閉機構部とを備え、
前記弁部が、前記流路部の内面に形成された弁座と、該弁座に対して離接動自在に配設された弁体とを備えた真空弁構造において、
前記流路部に、前記弁座の近傍に位置して、前記弁座と弁体との間に咬み込まれた異物を前記流路部の外部へ除去可能なメンテナンス口部が設けられたことを特徴とする真空弁構造。
【請求項2】
前記メンテナンス口部が、前記弁座の入側または出側の少なくとも一方に設けられたことを特徴とする請求項1記載の真空弁構造。
【請求項3】
前記メンテナンス口部が、前記流路部の側面に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の真空弁構造。
【請求項4】
前記弁開閉機構部が、弁部のメンテナンス時に、弁部を強制開放可能に構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の真空弁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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