説明

短絡検出装置

【課題】レゾルバが備えるコイルの短絡の種類を判別できる短絡検出装置を提供する。
【解決手段】1次側コイル10の直流電位が2次側COSコイル16の直流電位と2次側SINコイル18の直流電位との間に挟まれるようにする。また、第1のコンパレータ84の第1の閾値電圧Vthaを、2次側COSコイル16の短絡がない場合のRC回路62の出力電圧よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16が短絡する場合の上記出力電圧よりも高い値に設定する。また、第2のコンパレータ88の第2の閾値電圧Vthbを、2次側SINコイル18の短絡がない場合のRC回路64の出力電圧よりも高くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16が短絡する場合の上記出力電圧よりも低い値に設定する。そして、第1,第2のコンパレータ84,88の出力信号に基づき短絡の種類を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電圧信号が入力される1次側コイルと磁気結合された複数の2次側コイルのそれぞれを電圧検出対象とする信号検出装置に適用される短絡検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転機の回転子とともに回転する1次側コイルと、一対の2次側コイルとを備えるレゾルバの信号検出装置が知られている。詳しくは、この装置では、まず、1次側コイルに交流電圧信号を入力する。そして、1次側コイルで発生する磁束によって誘起される一対の2次側コイルのそれぞれの両端の電圧信号を検出し、検出された一対の電圧信号に基づき回転子の回転角(電気角)を検出する。
【0003】
ここで、レゾルバが備える1次側コイル及び一対の2次側コイルのそれぞれは通常、互いに絶縁されている。しかしながら、これらコイル同士の短絡が生じると、回転子の回転角の検出精度が低下するおそれがある。
【0004】
こうした問題を解決すべく、下記特許文献1に見られるように、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡等の異常を検出する技術が知られている。詳しくは、この技術では、まず、一対の2次側コイルから出力される2相出力信号を各々乗算して各乗算出力を得る。そして、各乗算出力の加算値の最大値を検出し、検出された最大値と予め設定された設定値との比較に基づき上記異常を検出する。
【0005】
また、コイル同士の短絡を検出する技術としては、下記特許文献2に見られるものもある。詳しくは、この技術では、1次側コイル及び一対の2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、一対の2次側コイルのそれぞれの対地直流電位と所定の閾値との比較に基づき、レゾルバが備える1次側コイル及び2次側コイルのうち少なくとも一対の間で短絡が生じているか否かを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3588499号公報
【特許文献2】特許第4122606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡が生じる場合における信号検出装置による回転角の検出精度の低下度合いが、2次側コイル同士の短絡が生じる場合における回転角の検出精度の低下度合いよりも大きくなることが本発明者によって調べられている。これは、1次側コイルに交流電圧信号が入力されることに起因する。
【0008】
こうした事情を踏まえ、本発明者は、短絡の種類に応じたフェールセーフを行うことを考えた。この場合、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡と、2次側コイル同士の短絡とのうちいずれが生じたかを判別する技術が要求されるものの、上記特許文献1,2に記載された技術では、これら短絡の種類を判別することはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、交流電圧信号が入力される1次側コイルと磁気結合された複数の2次側コイルのそれぞれを電圧検出対象とする信号検出装置に適用され、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡と、2次側コイル同士の短絡とのうちいずれが生じたかを判別することのできる短絡検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0011】
請求項1記載の発明は、交流電圧信号が入力される1次側コイルと磁気結合された複数の2次側コイルのそれぞれを電圧検出対象とする信号検出装置に適用され、基準電位に対する直流電位が前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれで互いに相違するように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加するバイアス印加手段と、複数の前記2次側コイルのそれぞれの前記基準電位に対する直流電位に基づき、前記1次側コイル及び前記2次側コイル同士の短絡と、前記2次側コイル同士の短絡とのうちいずれが生じているかを判別する処理を行う短絡判別手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記発明では、バイアス印加手段を備えることで、基準電位に対する直流電位を1次側コイル及び2次側コイルのそれぞれで互いに相違させている。こうした構成によれば、短絡の生じた2次側コイルの直流電位が短絡の生じる前の2次側コイルの直流電位から変化し、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡が生じる場合における複数の2次側コイルの一群の直流電位と、2次側コイル同士の短絡が生じる場合における複数の2次側コイルの一群の直流電位とが相違することとなる。すなわち、上記一群の直流電位によれば、短絡の種類を判別することができる。このため、上記発明では、複数の2次側コイルのそれぞれの基準電位に対する直流電位に基づき、1次側コイル及び2次側コイル同士の短絡と、2次側コイル同士の短絡とのうちいずれが生じているかを判別することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数の前記2次側コイルは、一対の2次側コイルであり、前記バイアス印加手段は、前記1次側コイルの前記基準電位に対する直流電位が一対の前記2次側コイルの前記基準電位に対する直流電位の間に挟まれるように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、一対の前記2次側コイルのうち前記基準電位に対する直流電位が高い方を高電位側コイルとし、残余を低電位側コイルとし、前記高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位と第1の閾値電圧との大小比較に基づき、論理「H」及び論理「L」のいずれかの信号を出力する第1のコンパレータと、前記低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位と第2の閾値電圧との大小比較に基づき、論理「H」及び論理「L」のいずれかの信号を出力する第2のコンパレータとを更に備え、前記第1の閾値電圧は、前記高電位側コイルの短絡が生じていない場合の該高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも低くてかつ、前記1次側コイル及び前記高電位側コイル同士の短絡が生じた場合の該高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも高い値に設定され、前記第2の閾値電圧は、前記低電位側コイルの短絡が生じていない場合の該低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも高くてかつ、前記1次側コイル及び前記低電位側コイル同士の短絡が生じた場合の該低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも低い値に設定され、前記短絡判別手段は、前記第1のコンパレータ及び前記第2のコンパレータの双方の出力信号に基づき、前記判別する処理を行うことを特徴とする。
【0014】
上記発明では、1次側コイルの基準電位に対する直流電位が一対の2次側コイル(高電位側コイル及び低電位側コイル)の基準電位に対する直流電位の間に挟まれるように、1次側コイル、高電位側コイル及び低電位側コイルのそれぞれにバイアスを印加する。そして、第1のコンパレータの第1の閾値電圧と、第2のコンパレータの第2の閾値電圧とを上記態様で設定する。
【0015】
こうした構成によれば、2次側コイルのうち短絡が生じた方に対応するコンパレータの出力信号の論理を反転させることができる。詳しくは、短絡が生じていない場合における第1,第2のコンパレータの双方の出力信号の論理を基準として、高電位側コイル及び低電位側コイル同士の短絡が生じる場合、これらコンパレータの双方の出力信号の論理が反転されることとなる。また、1次側コイル及び高電位側コイル同士の短絡が生じる場合、第1のコンパレータの出力信号の論理のみが反転され、1次側コイル及び低電位側コイル同士の短絡が生じる場合、第2のコンパレータの出力信号の論理のみが反転されることとなる。こうした上記発明によれば、簡易かつ的確に短絡の種類を判別することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記基準電位は、前記信号検出装置の接地電位であり、前記バイアス印加手段は、前記接地電位に対する直流電位が前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれで0とならないように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、前記短絡判別手段は、前記2次側コイルの前記接地電位に対する直流電位に基づき、前記2次側コイルに地絡が生じているか否かを判断する処理を更に行うことを特徴とする。
【0017】
上記発明では、上記接地電位に対する直流電位が1次側コイル及び2次側コイルのそれぞれで0とならないように、これらコイルのそれぞれにバイアスを印加する。こうした構成によれば、2次側コイルに地絡が生じる場合、2次側コイルの直流電位が接地電位とされ、2次側コイルに地絡が生じる場合における2次側コイルの直流電位と、コイル同士の短絡が生じる場合における2次側コイルの直流電位とを相違させることができる。このため、上記発明では、2次側コイルの接地電位に対する直流電位に基づき、2次側コイルに地絡が生じているか否かを判断することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記バイアス印加手段は、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれの前記基準電位に対する直流電位が前記信号検出装置の直流電源の正極側電位とならないように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、前記短絡判別手段は、前記2次側コイルの前記基準電位に対する直流電位に基づき、前記2次側コイルと前記直流電源の正極側との短絡が生じているか否かを判断する処理を更に行うことを特徴とする。
【0019】
上記発明では、1次側コイル及び2次側コイルのそれぞれの基準電位に対する直流電位が信号検出装置の直流電源の正極側電位とならないように、これらコイルのそれぞれにバイアスを印加する。こうした構成によれば、2次側コイルと直流電源の正極側との短絡(天絡)が生じる場合における2次側コイルの直流電位が直流電源の正極側電位とされ、天絡が生じる場合における2次側コイルの直流電位と、コイル同士の短絡が生じる場合における2次側コイルの直流電位とを相違させることができる。このため、上記発明では、2次側コイルの基準電位に対する直流電位に基づき、2次側コイルの天絡が生じているか否かを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかる短絡判別処理の概要を示す図。
【図3】正常時及び短絡発生時のレゾルバ信号の出力状態の一例を示す図。
【図4】第2の実施形態にかかるシステム構成図。
【図5】同実施形態にかかる短絡判別処理の概要を示す図。
【図6】第3の実施形態にかかるシステム構成図。
【図7】同実施形態にかかる短絡判別処理の概要を示す図。
【図8】第4の実施形態にかかるシステム構成図。
【図9】同実施形態にかかる短絡判別処理の概要を示す図。
【図10】第5の実施形態にかかるシステム構成図。
【図11】同実施形態にかかる短絡判別処理の概要を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる短絡検出装置を1相励磁2相出力型レゾルバの信号検出装置が搭載される電気自動車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
【0023】
図示されるように、1次側コイル10は、車載主機としてのモータジェネレータ12のロータ12aと一体的に回転する。1次側コイル10の一端は、端子R1を介して励磁回路14に接続され、他端は、端子R2を介して接地されている。
【0024】
1次側コイル10には、励磁回路14からの交流電圧信号(励磁信号Sc)が入力される。励磁信号Scによって1次側コイル10に生じた磁束は、一対の2次側コイル16,18を鎖交する。この際、1次側コイル10と一対の2次側コイル16,18との相対的な配置関係は、ロータ12aの回転角θに応じて周期的に変化する。これにより、2次側コイル16,18の鎖交磁束数は、周期的に変化する。本実施形態では、一対の2次側コイル16,18と1次側コイル10との幾何学的な配置が相違する設定とされ、これにより、2次側コイル16,18のそれぞれに生じる電圧の位相が互いに「π/2」だけずれるようになっている。これにより、2次側コイル16,18のそれぞれの出力電圧は、励磁信号Scを、変調波cosθ,sinθのそれぞれによって変調した被変調波となる。詳しくは、励磁信号Scを「sinωt」とすると、被変調波は、それぞれ「cosθ×sinωt」と「sinθ×sinωt」となる。
【0025】
ちなみに、本実施形態では、以降、これら一対の被変調波をレゾルバ信号と称すこととする。また、2次側コイル16を「2次側COSコイル」と称し、2次側コイル18を「2次側SINコイル」と称すこととする。
【0026】
2次側COSコイル16の両端は、端子C1,C2を介して差動増幅回路20に接続されている。差動増幅回路20は、2次側COSコイル16の出力電圧を所定に変換する機能を有する。
【0027】
一方、2次側SINコイル18の両端は、端子S1,S2を介して差動増幅回路22に接続されている。差動増幅回路22は、2次側SINコイル18の出力電圧を所定に変換する機能を有する。
【0028】
これら差動増幅回路20,22によって電圧変換された出力電圧のそれぞれは、R/D変換部24(レゾルバデジタルコンバータ)に入力される。R/D変換部24は、アナログ信号としての上記レゾルバ信号をデジタル信号に変換してロータ12aの回転角θ(電気角)を算出する機能を有している。
【0029】
R/D変換部24にて算出されるデジタル信号としての電気角は、マイクロコンピュータ(マイコン26)に取り込まれる。詳しくは、マイコン26は、所定のサンプリング周期でR/D変換部24から出力されるデジタル信号を取得する。なお、上記所定のサンプリング周期は、入力回路28から出力されるパルスによって定められる。詳しくは、入力回路28は、励磁回路14から出力される励磁信号Scが基準電位(車両のボディの電位等、信号検出装置の接地電位:以下、GND電位)と交わるタイミング(ゼロクロスタイミング)でパルスを出力する機能を有する。
【0030】
次に、本実施形態にかかる短絡判別処理について説明する。この処理は、マイコン26によって例えば所定周期で繰り返し実行され、1次側コイル10と2次側COSコイル16との短絡、1次側コイル10と2次側SINコイル18との短絡、及び2次側COSコイル16と2次側SINコイル18との短絡のうちいずれが生じているかを判別する処理である。この処理を行うために、本実施形態では、GND電位に対する直流電位が1次側コイル10、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のそれぞれで互いに相違するように、これらコイルにバイアスを印加する構成を採用している。これらコイルを直流電位の高い方から順に並べると、2次側COSコイル16、2次側SINコイル18、1次側コイル10となる。以下、こうした構成を実現するための2次側の構成について詳述する。
【0031】
2次側COSコイル16には、抵抗体30,32の直列接続体が並列接続され、これら抵抗体の接続点には、定電圧電源34によって電圧が印加されている。また、2次側COSコイル16には、抵抗体36,38の直列接続体が並列接続されている。なお、抵抗体30,32同士の抵抗値は同一であり、抵抗体36,38同士の抵抗値も同一である。また、ノイズ除去用に、2次側COSコイル16にはコンデンサ40,42の直列接続体が並列接続され、それらの接続点は接地されている。
【0032】
ここで、本実施形態では、抵抗体30の抵抗値、定電圧電源34の電圧(Vc1=5V)、差動増幅回路20が備える抵抗体(非反転入力端子に接続される一対の抵抗体)の抵抗値、及び差動増幅回路20が備える抵抗体に接続される定電圧電源44の電圧(Vc2=2.5V)の設定により、2次側COSコイル16に短絡が生じていない場合において、抵抗体36,38の直列接続体の接続点のGND電位に対する直流電位(2次側COSコイル16のバイアス)が「4.4V」とされている。ちなみに、定電圧電源34,44の電圧とは、GND電位を基準とした電位差の値である。
【0033】
一方、2次側SINコイル18には、抵抗体46,48の直列接続体が並列接続され、これら抵抗体の接続点には、定電圧電源50によって電圧が印加されている。また、2次側SINコイル18には、抵抗体52,54の直列接続体が並列接続されている。なお、抵抗体46,48同士の抵抗値は同一であり、抵抗体52,54同士の抵抗値も同一である。また、ノイズ除去用に、2次側SINコイル18にはコンデンサ56,58の直列接続体が並列接続され、それらの接続点は接地されている。
【0034】
ここで、本実施形態では、定電圧電源50の電圧(Vs1=2.5V)と、差動増幅回路22が備える抵抗体(非反転入力端子に接続される一対の抵抗体)に接続される定電圧電源60の電圧(Vs2=2.5V)との設定により、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合において、抵抗体52,54の直列接続体の接続点のGND電位に対する直流電位(2次側SINコイル18のバイアス)が、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位「4.4V」よりも低くてかつ、1次側コイル10の直流電位よりも高い値「2.5V」とされている。ちなみに、定電圧電源50,60の電圧とは、GND電位を基準とした電位差の値である。
【0035】
上記抵抗体36,38の直列接続体の接続点には、RC回路62が接続されている。RC回路62は、入力電圧の低周波成分をコンデンサの両端の電圧として出力するローパスフィルタである。RC回路62の出力信号は、2次側COSコイル16の直流電位に応じた電圧信号である。RC回路62の出力信号Aは、上記マイコン26の図示しないADポートを介してマイコン26のA/D変換部26a(ADコンバータ)に取り込まれる。
【0036】
一方、上記抵抗体52,54の直列接続体の接続点には、RC回路64が接続されている。RC回路64は、入力電圧の低周波成分をコンデンサの両端の電圧として出力するローパスフィルタである。RC回路64の出力信号は、2次側SINコイル18の直流電位に応じた電圧信号である。
【0037】
RC回路64の出力信号は、コンパレータ66の非反転入力端子に入力される。コンパレータ66の反転入力端子には、電源68によって閾値電圧Vthが印加されている。ここで、閾値電圧Vthは、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合のRC回路64の出力電圧「2.5V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合のRC回路64の出力電圧「0V」よりも高い値「2.1V」に設定されている。上記コンパレータ66の出力信号Bは、マイコン26に取り込まれる。
【0038】
ちなみに、上記差動増幅回路20,22及びコンパレータ66の正極側の電源端子及び負極側の電源端子のそれぞれには、図示しない車載補機バッテリの電圧VB(例えば13V)及び図示しない定電圧電源の負の電圧「−5V」のそれぞれが印加される。
【0039】
続いて、図2を用いて、短絡の発生に伴う出力信号A,Bの変化について説明する。ここでは、まず、短絡が生じていない場合(正常の場合)における出力信号A,Bについて説明し、その後、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合の順で、正常の場合からの出力信号A,Bの変化について説明する。
【0040】
まず、短絡が生じていない場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「4.4V」とされることから、マイコン26には、出力信号Aとして「4.4V」に対応するAD変換値が入力される。一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「2.5V」とされることから、コンパレータ66の反転入力端子に印加される閾値電圧Vth「2.1V」よりも非反転入力端子に印加される電圧の方が高くなる。このため、マイコン26には、論理「H」のコンパレータ66の出力信号Bが入力される。
【0041】
続いて、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点及び抵抗体52,54の直列接続体の接続点のそれぞれの直流電位が、短絡が生じていないときのこれら接続点の直流電位の平均値「3.45V」とされる。このため、マイコン26には、出力信号Aとして、「3.45V」に対応するAD変換値が入力される。一方、コンパレータ66の出力信号Bの論理は「H」に維持される。
【0042】
続いて、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が1次側コイル10の直流電位「0V」とされる。このため、マイコン26には、出力信号Aとして「0V」に対応するAD変換値が入力される。一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位に変化が生じないことから、コンパレータ66の出力信号Bの論理は「H」に維持される。
【0043】
続いて、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が1次側コイル10の直流電位「0V」とされる。このため、コンパレータ66の反転入力端子に印加される閾値電圧Vth「2.1V」よりも非反転入力端子に印加される電圧「0V」の方が低くなり、コンパレータ66の出力信号Bの論理が「H」から「L」に反転される。一方、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位に変化が生じないことから、マイコン26には、出力信号Aとして「4.4V」に対応するAD変換値が入力される。
【0044】
出力信号A,Bの上述した出力態様によれば、短絡の発生を検出するとともに、発生した短絡の種類を判別することができる。詳しくは、図2に示すように、マイコン26は、出力信号Bの論理が「H」であってかつ、出力信号Aが「4.4V」であると判断される場合、短絡が生じていない旨判断する。
【0045】
一方、出力信号Bの論理が「H」であってかつ、出力信号Aが「3.45V」であると判断される場合、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。また、出力信号Bの論理が「H」であってかつ、出力信号Aが「0V」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じている旨判断する。さらに、出力信号Bの論理が「L」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。
【0046】
ちなみに、本実施形態では、短絡が発生したと判断される場合、発生した短絡の種類に応じたフェールセーフ処理がマイコン26によって実行される。ここで、短絡の種類に応じたフェールセーフ処理を実行するのは、図3に示すように、短絡の種類によって電気角の検出精度の低下度合いが大きく相違するためである。詳しくは、図3(a),(d)に、短絡が生じていない場合のレゾルバ信号の推移を示し、図3(b),(c)に、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合のレゾルバ信号の推移を示し、図3(e),(f)に、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合のレゾルバ信号の推移を示す。なお、図3に示すレゾルバ信号は、モータジェネレータ12のロータ12aが回転していない状態において計測されたものである。また、図中、「RDCOS」は、レゾルバ信号のうち2次側COSコイル16の出力電圧を示し、「RDSIN」は、レゾルバ信号のうち2次側SINコイル18の出力電圧を示す。
【0047】
まず、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。
【0048】
図3(a)に示す例では、1次側コイル10に対する励磁信号Scの入力により、RDCOSの振幅がRDSINの振幅よりも大きくなっている。こうした状況下において、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡として、端子C1及び端子S1間の短絡が生じる場合、図3(b)に示すように、RDSINにRDCOSの変動が重畳される。一方、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡として、端子C1及び端子S2間の短絡が生じる場合にも、図3(c)に示すように、RDSINにRDCOSの変動が重畳される。この結果、ロータ12aの電気角の検出値に誤差が重畳されることとなる。
【0049】
一方、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡として、端子C1及び端子R1間の短絡や、端子C2及び端子R1間の短絡が生じる場合には、2次側COSコイル16の一端に励磁回路14が直接接続されて励磁信号Scが入力されることに起因して、図3(e),(f)に示すRDCOSの波形と、図3(d)に示す正常時の波形とが大きく相違することとなる。この結果、ロータ12aの電気角を検出することができなくなる。なお、1次側コイル10及び2次側SINコイル同士の短絡が生じる場合も同様である。
【0050】
こうした点を踏まえ、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合、フェールセーフ処理として、モータジェネレータ12の駆動を退避走行モードに切り替えるとともに、ユーザにその旨を報知する処理を行う。
【0051】
一方、1次側コイル10及び2次側COSコイル16(又は2次側SINコイル18)同士の短絡が生じる場合には、ロータ12aの電気角が検出できなくなることから、フェールセーフ処理として、モータジェネレータ12の駆動を禁止してかつ、ユーザにその旨を報知する処理を行う。
【0052】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0053】
(1)GND電位に対する直流電位が1次側コイル10、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のそれぞれで互いに相違するように、これらコイル10,16,18のそれぞれにバイアスを印加した。そして、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位としての出力信号Aと、コンパレータ66の出力信号Bとに基づき、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡と、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡と、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡とのうちいずれが生じているかを判別する短絡判別処理を行った。このため、短絡の発生を検出するとともに、発生した短絡の種類を判別することができる。これにより、短絡発生箇所の特定を容易にすることなどができる。
【0054】
(2)短絡判別処理によって判別された短絡の種類に応じたフェールセーフ処理を行った。これにより、ユーザに短絡が生じた旨を知らせることができ、また、ユーザにその後の対応を適切にとらせることなどができる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0056】
図4に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
【0057】
図示されるように、抵抗体36,38の直列接続体の接続点は、RC回路62を介して第1のコンパレータ70の非反転入力端子に接続されている。第1のコンパレータ70の反転入力端子には、電源72によって第1の閾値電圧Vthaが印加される。ここで、第1の閾値電圧Vthaは、2次側COSコイル16の短絡が生じていない場合のRC回路62の出力電圧「4.4V」よりも低くてかつ、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「3.45V」よりも高い値「4V」に設定されている。上記第1のコンパレータ70の出力信号Aは、マイコン26に取り込まれる。
【0058】
一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点は、RC回路64を介して第2のコンパレータ74の非反転入力端子に接続されている。第2のコンパレータ74の反転入力端子には、電源76によって第2の閾値電圧Vthbが印加される。ここで、第2の閾値電圧Vthbは、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合のRC回路64の出力電圧「2.5V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「0V」よりも高い値「2.1V」に設定されている。上記第2のコンパレータ74の出力信号Bは、マイコン26に取り込まれる。
【0059】
さらに、上記抵抗体36,38の直列接続体の接続点は、RC回路62を介して第3のコンパレータ78の非反転入力端子に接続されている。第3のコンパレータ78の反転入力端子には、電源80によって第3の閾値電圧Vthcが印加される。ここで、第3の閾値電圧Vthcは、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じた場合のRC回路62の出力電圧「3.45V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じた場合の上記出力電圧「0V」よりも高い値「3V」に設定されている。上記第3のコンパレータ78の出力信号Cは、マイコン26に取り込まれる。
【0060】
続いて、図5を用いて、短絡の発生に伴う出力信号A〜Cの変化について説明する。詳しくは、まず、正常の場合における出力信号A〜Cについて説明し、その後、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じている場合の順で、正常の場合からの出力信号A〜Cの変化について説明する。
【0061】
まず、短絡が生じていない場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「4.4V」とされることから、第1のコンパレータ70の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも高くなってかつ、第3のコンパレータ78の非反転入力端子に印加される電圧が第3の閾値電圧Vthcよりも高くなる。このため、マイコン26には、論理「H」の第1,第3のコンパレータ70,78の出力信号A,Cが入力される。一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「2.5V」とされることから、第2のコンパレータ74の非反転入力端子に印加される電圧が第2の閾値電圧Vthbよりも高くなる。このため、マイコン26には、論理「H」の第2のコンパレータ74の出力信号Bが入力される。
【0062】
続いて、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「3.45V」とされることから、第1のコンパレータ70の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも低くなる。このため、第1のコンパレータ70の出力信号Aの論理が「H」から「L」に反転される。なお、第2,第3のコンパレータ74,78の出力信号B,Cの論理は「H」に維持される。
【0063】
続いて、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「0V」とされることから、第1のコンパレータ70の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも低くなってかつ、第3のコンパレータ78の非反転入力端子に印加される電圧が第3の閾値電圧Vthcよりも低くなる。このため、第1のコンパレータ70の出力信号A及び第3のコンパレータ78の出力信号Cの双方の論理が「H」から「L」に反転される。なお、第2のコンパレータ74の出力信号Bの論理は「H」に維持される。
【0064】
続いて、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「0V」とされることから、第2のコンパレータ74の非反転入力端子に印加される電圧が第2の閾値電圧Vthbよりも低くなる。このため、第2のコンパレータ74の出力信号Bの論理が「H」から「L」に反転される。なお、第1,第3のコンパレータ70,78の出力信号A,Cの論理は「H」に維持される。
【0065】
次に、本実施形態にかかる短絡判別処理による短絡の種類の判別手法について説明する。
【0066】
マイコン26は、第1〜第3のコンパレータ70,74,78の出力信号A〜Cの全ての論理が「H」であると判断される場合、短絡が生じていない旨判断する。
【0067】
一方、第1のコンパレータ70の出力信号Aの論理のみが「L」であると判断される場合、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。また、第2のコンパレータ74の出力信号Bの論理のみが「H」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じている旨判断する。さらに、第2のコンパレータ74の出力信号Bの論理のみが「L」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。
【0068】
このように、本実施形態では、第1〜第3のコンパレータ70,74,78の出力信号A〜Cを用いて短絡の種類を適切に判別することができる。
【0069】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0070】
本実施形態では、1次側コイル10のGND電位に対する直流電位が2次側COSコイル16のGND電位に対する直流電位と2次側SINコイル18のGND電位に対する直流電位との間に挟まれるように、これらコイル10,16,18のそれぞれにバイアスを印加する構成を採用する。本実施形態では、これらコイルを直流電位の高い方から順に並べて、2次側COSコイル16、1次側コイル10、2次側SINコイル18となるようにする。こうした構成は、図6に示す構成によって実現される。
【0071】
図6に示すように、抵抗体46,48の直列接続体の接続点は、接地されている。また、1次側コイル10の一端は、端子R2を介して定電圧電源82に接続されている。なお、本実施形態では、定電圧電源82の電圧Vrを「2.5V」としている。また、定電圧電源82の電圧とは、GND電位を基準とした電位差の値である。
【0072】
なお、本実施形態では、抵抗体46の抵抗値、定電圧電源60の電圧(Vs2=2.5V)、及び差動増幅回路22が備える抵抗体の抵抗値の設定により、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合において、2次側SINコイル18のバイアスが「0.6V」とされている。
【0073】
抵抗体36,38の直列接続体の接続点は、RC回路62を介して第1のコンパレータ84の非反転入力端子に接続されている。第1のコンパレータ84の反転入力端子には、電源86によって第1の閾値電圧Vthaが印加される。ここで、第1の閾値電圧Vthaは、2次側COSコイル16の短絡が生じていない場合のRC回路62の出力電圧「4.4V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「2.5V」よりも高い値「4.0V」に設定されている。上記第1のコンパレータ84の出力信号Aは、マイコン26に取り込まれる。
【0074】
一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点は、RC回路64を介して第2のコンパレータ88の非反転入力端子に接続されている。第2のコンパレータ88の反転入力端子には、電源90によって第2の閾値電圧Vthbが印加される。この第2の閾値電圧Vthbは、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合のRC回路64の出力電圧「0.6V」よりも高くてかつ、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「2.5V」よりも低い値「1V」に設定されている。上記第2のコンパレータ88の出力信号Bは、マイコン26に取り込まれる。
【0075】
続いて、図7を用いて、短絡の発生に伴う出力信号A,Bの変化について説明する。
【0076】
まず、短絡が生じていない場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「4.4V」とされることから、第1のコンパレータ84の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも高くなる。このため、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理が「H」とされる。一方、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「0.6V」とされることから、第2のコンパレータ88の非反転入力端子に印加される電圧が第2の閾値電圧Vthbよりも低くなる。このため、第2のコンパレータ88の出力信号Bの論理が「L」とされる。
【0077】
続いて、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点及び抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「2.5V」とされる。このため、第1のコンパレータ84の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも低くなり、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理が「H」から「L」に反転される。また、第2のコンパレータ88の非反転入力端子に印加される電圧が第2の閾値電圧Vthbよりも高くなり、第2のコンパレータ88の出力信号Aの論理が「L」から「H」に反転される。
【0078】
続いて、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位が「2.5V」とされることから、第1のコンパレータ84の非反転入力端子に印加される電圧が第1の閾値電圧Vthaよりも低くなる。このため、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理が「H」から「L」に反転される。なお、第2のコンパレータ88の出力信号Bの論理は「L」に維持される。
【0079】
次に、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合について説明する。この場合、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「2.5V」とされることから、第2のコンパレータ88の非反転入力端子に印加される電圧が第2の閾値電圧Vthbよりも高くなる。このため、第2のコンパレータ88の出力信号Bの論理が「L」から「H」に反転される。なお、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理は「H」に維持される。
【0080】
次に、本実施形態にかかる短絡判別処理による短絡の種類の判別手法について説明する。
【0081】
マイコン26は、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理が「H」であってかつ、第2のコンパレータ88の出力信号Bの論理が「L」であると判断される場合、短絡が生じていない旨判断する。
【0082】
一方、第1のコンパレータ84の出力信号Aの論理が「L」であってかつ、第2のコンパレータ88の出力信号Bの論理が「H」であると判断される場合、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。また、第1のコンパレータ84の出力信号A及び第2のコンパレータ88の出力信号Bの双方の論理が「L」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じている旨判断する。さらに、第1のコンパレータ84の出力信号A及び第2のコンパレータ88の出力信号Bの双方の論理が「H」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。
【0083】
このように、本実施形態では、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のうち短絡が生じた方に対応するコンパレータの出力信号の論理を反転させる構成を採用した。このため、例えば上記第2の実施形態における短絡の種類の判別手法と比較してコンパレータの数を低減させることができる等、短絡の種類の判別に要する部品数の増大を回避することができる。
【0084】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0085】
本実施形態では、2次側COSコイル16、1次側コイル10、2次側SINコイル18の直流電位の絶対値の設定を変更する。
【0086】
詳しくは、図8に示すように、1次側コイル10の一端は、端子R2を介して接地されている。
【0087】
抵抗体46,48の直列接続体の接続点には、定電圧電源92によって電圧が印加されている。本実施形態では、定電圧電源92の電圧「Vs1」、差動増幅回路22が備える抵抗体の抵抗値、及び定電圧電源60の電圧「Vs2」の設定により、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位が「−2.5V」とされている。
【0088】
ちなみに、本実施形態において、第1のコンパレータ84の第1の閾値電圧Vthaは、2次側COSコイル16の短絡が生じていない場合のRC回路62の出力電圧「4.4V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「0V」よりも高い値「4V」に設定されている。また、第2のコンパレータ88の第2の閾値電圧Vthbは、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合のRC回路64の出力電圧「−2.5V」よりも高くてかつ、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「0V」よりも低い値「−2.1V」に設定されている。
【0089】
さらに、本実施形態にかかる短絡の発生に伴う出力信号A,Bの変化、及び出力信号A,Bに基づき短絡の種類の判別手法を図9に示す。この手法は、上記第3の実施形態の図7を用いて説明した判別手法に準ずる。
【0090】
このように、本実施形態では、2次側COSコイル16、1次側コイル10、2次側SINコイル18の直流電位の絶対値の設定を変更した。こうした構成によっても、短絡の種類を適切に判別することができる。
【0091】
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0092】
本実施形態では、短絡判別処理として、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のうちいずれかと接地との短絡(地絡)や、これらコイル16,18のうちいずれかと車載バッテリの正極側との短絡(天絡)が生じているか否かを判断する処理を更に行う。この処理を行うべく、本実施形態では、GND電位に対する直流電位が1次側コイル10、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のそれぞれで0とならないように、また、これらコイル10,16,18のGND電位に対する直流電位がバッテリの正極側の電位とならないように、これらコイル10,16,18のそれぞれにバイアスを印加する構成を採用する。
【0093】
詳しくは、図10に示すように、1次側コイル10の一端は、端子R2を介して定電圧電源94に接続されている。なお、本実施形態では、定電圧電源94の電圧Vrを「1.5V」としている。ここで、定電圧電源94の電圧とは、GND電位を基準とした電位差の値である。
【0094】
また、抵抗体36,38の直列接続体の接続点のGND電位に対する直流電位及び抵抗体52,54の直列接続体の接続点のGND電位に対する直流電位を以下のように設定する。まず、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位について説明すると、抵抗体30の抵抗値、定電圧電源34の電圧、差動増幅回路20が備える抵抗体の抵抗値、及び定電圧電源44の電圧の設定により、上記接続点のGND電位に対する直流電位を「4.5V」とする。次に、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位について説明すると、定電圧電源50の電圧(Vs1=5V)と、差動増幅回路22が備える抵抗体の抵抗値と、定電圧電源60の電圧との設定により、上記接続点のGND電位に対する直流電位を「3V」とする。
【0095】
抵抗体52,54の直列接続体の接続点の出力電圧は、RC回路64を介してマイコン26のA/D変換部26aに出力信号Bとして取り込まれる。
【0096】
続いて、図11を用いて、地絡や天絡の発生に伴う出力信号A,Bの変化について説明する。なお、図11には、コイル同士の短絡が生じる場合の出力信号A,Bの変化も併せて示している。ただし、コイル同士の短絡が生じる場合のこれら出力信号A,Bの変化は、上記第1の実施形態で図2を用いて説明したものに準ずる。このため、本実施形態では、コイル同士の短絡の発生に伴う出力信号A,Bの変化についての説明を省略する。
【0097】
まず、地絡が生じる場合について説明する。
【0098】
2次側COSコイル16の地絡が生じる場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位がGND電位「0V」とされることから、マイコン26には、出力信号Aとして「0V」に対応するAD変換値が入力される。一方、2次側SINコイル18の地絡が生じる場合、2次側COSコイル16の地絡と同様に、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位がGND電位「0V」とされることから、マイコン26には、出力信号Bとして「0V」に対応するAD変換値が入力される。
【0099】
ちなみに、1次側コイル10の地絡として端子R1の地絡が生じる場合、励磁回路14によって1次側コイル10を励磁できなくなる。
【0100】
続いて、天絡が生じる場合について説明する。
【0101】
2次側COSコイル16の天絡が生じる場合、抵抗体36,38の直列接続体の接続点の直流電位がバッテリの正極側電位VB(13V)とされる。このため、マイコン26には、出力信号Aとして、A/D変換部26aに入力可能な電圧の最大値「5V」に対応するAD変換値が入力される。一方、2次側SINコイル18の天絡が生じる場合、2次側COSコイル16の天絡と同様に、抵抗体52,54の直列接続体の接続点の直流電位がバッテリの正極側電位VBとされる。このため、マイコン26には、出力信号Bとして、A/D変換部26aに入力可能な電圧の最大値「5V」に対応するAD変換値が入力される。
【0102】
次に、本実施形態にかかる短絡判別処理による短絡、地絡及び天絡の種類の判別手法について説明する。
【0103】
まず、短絡の種類の判別手法について説明する。
【0104】
マイコン26は、出力信号Aが「4.5V」であってかつ、出力信号Bが「3V」であると判断される場合、短絡が生じていない旨判断する。
【0105】
一方、出力信号A,Bの双方が「3.75V」であると判断される場合、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。また、出力信号Aが「1.5V」であってかつ、出力信号Bが「3V」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じている旨判断する。さらに、出力信号Aが「4.5V」であってかつ、出力信号Bが「1.5V」であると判断される場合、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じている旨判断する。
【0106】
続いて、地絡の種類の判別手法について説明する。
【0107】
マイコン26は、出力信号Aが「0V」であってかつ、出力信号Bが「3V」であると判断される場合、2次側COSコイル16の地絡が生じている旨判断する。一方、出力信号Aが「4.5V」であってかつ、出力信号Bが「0V」であると判断される場合、2次側SINコイル18の地絡が生じている旨判断する。
【0108】
なお、1次側コイル10の地絡として端子R2の地絡が生じる場合、定電圧電源94から接地へと短絡電流が流れてこの電源等の信頼性が低下する事態を回避すべく、短絡判別処理の完了後、定電圧電源92による給電を停止させる処理を行うことが望ましい。
【0109】
続いて、天絡の種類の判別手法について説明する。
【0110】
マイコン26は、出力信号Aが「5V」であってかつ、出力信号Bが「3V」であると判断される場合、2次側COSコイル16の天絡が生じている旨判断し、出力信号Aが「4.5V」であってかつ、出力信号Bが「5V」であると判断される場合、2次側SINコイル18の天絡が生じている旨判断する。
【0111】
なお、1次側コイル10の天絡が生じる場合、励磁回路14に過大な電流が流れ、励磁回路14の信頼性が低下するおそれがある。このため、本実施形態では、後述する判別手法によって1次側コイル10の天絡が生じると判断される場合、励磁回路14と外部との給電を遮断する処理が行われる。これにより、励磁回路14による1次側コイル10の励磁が停止される。
【0112】
また、1次側コイル10の地絡及び天絡は、短絡判別処理による上述した判別手法によっては検出できない。このため、1次側コイル10の地絡及び天絡は、例えば特許第3588499号公報に記載される手法を用いて検出すればよい。この手法について簡単に説明すると、まず、2次側COSコイル16の出力電圧を2乗した値と、2次側SINコイル18の出力電圧を2乗した値との加算値を都度算出する。そして、都度算出される加算値の最大値を算出し、算出された最大値と予め設定された規定値との比較に基づき、1次側コイル10の地絡又は天絡が生じているか否かを判断する。この手法は、地絡又は天絡が生じると、励磁回路14から出力される励磁信号Scが正常時の信号からずれることで、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のそれぞれの出力電圧が正常時の電圧からずれることに基づくものである。
【0113】
このように、本実施形態では、GND電位に対する直流電位が1次側コイル10、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のそれぞれで0とならないように、また、これらコイル10,16,18のGND電位に対する直流電位がバッテリの正極側電位VBとならないように、これらコイル10,16,18のそれぞれにバイアスを印加する構成を採用した。こうした構成によれば、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のうちいずれかに地絡や天絡が生じていることを検出することができる。
【0114】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0115】
・上記第1〜第4の実施形態では、コンパレータの非反転入力端子と一対の抵抗体の直列接続体の接続点とを接続したがこれに限らず、コンパレータの反転入力端子と上記接続点とを接続してもよい。この場合、例えば上記第1の実施形態において、コンパレータ66の出力信号の論理が、先の図2に示した論理から反転することとなる。
【0116】
・第1の閾値電圧Vtha及び第2の閾値電圧Vthbの設定手法は、上記第3の実施形態に例示したものに限らない。例えば、第1の閾値電圧Vthaは、2次側COSコイル16の短絡が生じていない場合のRC回路62の出力電圧「4.4V」よりも低くてかつ、1次側コイル10及び2次側COSコイル16同士の短絡が生じた場合の上記出力電圧「2.5V」よりも高い値であれば、「4.0V」以外の値を設定してもよい。
【0117】
また、例えば、第2の閾値電圧Vthbは、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合のRC回路64の出力電圧「0.6V」よりも高くてかつ、1次側コイル10及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じた場合の上記出力電圧「2.5V」よりも低い値であれば、「1V」以外の値に設定してもよい。
【0118】
・上記第1の実施形態において、抵抗体36,38の直列接続体の接続点をコンパレータ66の非反転入力端子に接続してかつ、抵抗体52,54の直列接続体の接続点をマイコン26のA/D変換部26aに入力する構成としてもよい。この場合、コンパレータ66の反転入力端子には、2次側COSコイル16の短絡が生じていない場合のRC回路62の出力電圧「4.4V」よりも低くてかつ、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合の上記出力電圧「3.45V」よりも高い電圧を電源によって印加する。
【0119】
こうした構成によれば、RC回路62の出力電圧のAD変換値と、上記コンパレータ66の出力信号とに基づき、短絡の種類を判別することができる。
【0120】
・上記第2の実施形態において、第3のコンパレータ78の非反転入力端子を、抵抗体36,38の直列接続体の接続点に代えて、抵抗体52,54の直列接続体の接続点に接続してもよい。この場合、2次側SINコイル18の短絡が生じていない場合や、1次側コイル10と2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18のうちいずれかとの短絡が生じる場合、第3のコンパレータ78の出力信号の論理が「L」とされ、2次側COSコイル16及び2次側SINコイル18同士の短絡が生じる場合、上記出力信号の論理が「H」とされる。こうした構成においても、第1〜第3のコンパレータ70,74,78の出力信号A〜Cに基づき、短絡の種類を判別することができる。
【0121】
・レゾルバとしては、1相励磁2相出力型のものに限らない。例えば、2相励磁2相出力型のものであってもよい。詳しくは、このレゾルバは、一対の1次側コイルのそれぞれに振幅が同一であってかつ位相が互いに90度異なる交流電圧信号を入力することにより、一対の2次側コイルのそれぞれから位相が互いに90度異なってかつロータ12aの回転角に応じた一対の出力信号を出力するものである。この場合、GND電位に対する直流電位が1次側コイル及び2次側コイルのそれぞれで互いに相違するように、これらコイルのそれぞれにバイアス電圧を印加すればよい。ここでは、GND電位に対する直流電位を一対の1次側コイル同士で同一としてもよい。そして、2次側コイルのそれぞれのGND電位に対する直流電位のそれぞれに基づき、一対の1次側コイルのうちいずれかと一対の2次側コイルのうちいずれかとの短絡、及び一対の2次側コイル同士の短絡のうちいずれが生じているかを判別することができる。
【0122】
・レゾルバが備える2次側コイルの数としては、2つに限らず、3つ以上であってもよい。この場合であっても、基準電位(GND電位)に対する直流電位を1次側コイル及び2次側コイルのそれぞれで互いに相違させるならば、2次側コイルの直流電位のそれぞれに基づき、1次側コイルと2次側コイルのうちいずれかとの短絡、及び2次側コイルのうちいずれか一対同士の短絡のうちいずれが生じているかを判別することができる。
【0123】
・信号検出装置としては、レゾルバに適用されるものに限らない。
【0124】
・本願発明が適用される車両としては、電気自動車に限らず、車載主機としてモータジェネレータを備える他の自動車(例えばハイブリッド車)であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
10…1次側コイル、14…励磁回路、16…2次側COSコイル、18…2次側SINコイル、20,22…差動増幅回路、24…R/D変換部、26…マイコン、26a…A/D変換部、66…コンパレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧信号が入力される1次側コイルと磁気結合された複数の2次側コイルのそれぞれを電圧検出対象とする信号検出装置に適用され、
基準電位に対する直流電位が前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれで互いに相違するように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加するバイアス印加手段と、
複数の前記2次側コイルのそれぞれの前記基準電位に対する直流電位に基づき、前記1次側コイル及び前記2次側コイル同士の短絡と、前記2次側コイル同士の短絡とのうちいずれが生じているかを判別する処理を行う短絡判別手段とを備えることを特徴とする短絡検出装置。
【請求項2】
複数の前記2次側コイルは、一対の2次側コイルであり、
前記バイアス印加手段は、前記1次側コイルの前記基準電位に対する直流電位が一対の前記2次側コイルの前記基準電位に対する直流電位の間に挟まれるように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、
一対の前記2次側コイルのうち前記基準電位に対する直流電位が高い方を高電位側コイルとし、残余を低電位側コイルとし、
前記高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位と第1の閾値電圧との大小比較に基づき、論理「H」及び論理「L」のいずれかの信号を出力する第1のコンパレータと、
前記低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位と第2の閾値電圧との大小比較に基づき、論理「H」及び論理「L」のいずれかの信号を出力する第2のコンパレータとを更に備え、
前記第1の閾値電圧は、前記高電位側コイルの短絡が生じていない場合の該高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも低くてかつ、前記1次側コイル及び前記高電位側コイル同士の短絡が生じた場合の該高電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも高い値に設定され、
前記第2の閾値電圧は、前記低電位側コイルの短絡が生じていない場合の該低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも高くてかつ、前記1次側コイル及び前記低電位側コイル同士の短絡が生じた場合の該低電位側コイルの前記基準電位に対する直流電位よりも低い値に設定され、
前記短絡判別手段は、前記第1のコンパレータ及び前記第2のコンパレータの双方の出力信号に基づき、前記判別する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の短絡検出装置。
【請求項3】
前記基準電位は、前記信号検出装置の接地電位であり、
前記バイアス印加手段は、前記接地電位に対する直流電位が前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれで0とならないように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、
前記短絡判別手段は、前記2次側コイルの前記接地電位に対する直流電位に基づき、前記2次側コイルに地絡が生じているか否かを判断する処理を更に行うことを特徴とする請求項1又は2記載の短絡検出装置。
【請求項4】
前記バイアス印加手段は、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれの前記基準電位に対する直流電位が前記信号検出装置の直流電源の正極側電位とならないように、前記1次側コイル及び前記2次側コイルのそれぞれにバイアスを印加し、
前記短絡判別手段は、前記2次側コイルの前記基準電位に対する直流電位に基づき、前記2次側コイルと前記直流電源の正極側との短絡が生じているか否かを判断する処理を更に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の短絡検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate