説明

磁気ダンパ装置、インターナルポンプシステム及び磁気ダンパ

【課題】インターナルポンプの運転中でも容易に固有振動数を調節できる磁気ダンパ装置を提供する。
【解決手段】磁気ダンパ装置1は磁気ダンパ6及び制御装置33を備える。磁気ダンパ6はインターナルポンプのポンプケーシングに設置された架台2に設けられる。磁気ダンパ6は吸振要素32及びロック装置18を有する。吸振要素32において、一対の板ばね部材10が架台20に設けられた固定部材7に取り付けられ、錘6が各板ばね部材10の下端部に結合される。架台20に設けられた導体板14が錘6の溝12内に配置され、永久磁石13が導体板14に対向して錘6に設けられる。クランプ部材を有するロック装置18が上下方向に移動可能に設けられる。インターナルポンプの回転時に、制御装置33によりロック装置18が上下方向に移動され、上下方向での板ばね部材10の、クランプ部材による拘束点の位置が調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ダンパ装置、インターナルポンプシステム及び磁気ダンパに係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な磁気ダンパ装置、インターナルポンプシステム及び磁気ダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
改良沸騰水型原子炉(以下、ABWRという)は、原子炉圧力容器の底部に複数のインターナルポンプを備えている。これらのインターナルポンプは、原子炉の運転中に回転速度を変えることによって原子炉出力を制御する。このため、インターナルポンプは、原子炉の起動時、原子炉の運転停止時、及びこれらの以外の運転時に、共振周波数での運転を経験する。回転速度の増加または減少に伴ってインターナルポンプの回転周波数とポンプケーシングの固有振動数が接近する際、共振によってインターナルポンプの構造の健全性に影響を与える可能性がある。この共振による過大な振動を抑制するインターナルポンプ用制振装置として、磁気ダンパが提案されている(特開平6−241274号公報)。
【0003】
特開平9−112631号公報は板ばね振動型磁気ダンパを記載している。この板ばね振動型磁気ダンパは、支持杆の周囲に4つの吸振要素を設けている。各吸振要素は、支持杆のフランジ支持天板に取り付けられた固定片、一対の板ばね、慣性部材、及び一対の磁石板を有する。対向する一対の板ばねの上端部を固定片に取り付け、対向する一対の板ばねの下端部を慣性部材に取り付けている。一対の磁石板が向き合って慣性部材に設けられる。一対の磁石板の間に配置された導体板が、支持杆の固定板に設けられている。吸振要素の固有振動数は板ばねの長さを変更することによって調節される。また、板ばねの長さの変更は、固定片の支持杆に対する固定位置を変更することによって行われる。
【0004】
固有振動数を変更するためにばね定数を電動により変更できる、板ばねを用いた制振装置が、特開2002−188683号公報及び特開2005−69409号公報に説明されている。特開2002−188683号公報に記載された制振装置では、可動支持部を固定する支持用ボルトを緩めてスクリュー軸を回転させて可動支持部を移動させ、可動支持部が所定の位置に移動した後、スクリュー軸の回転を停止して支持用ボルトを締め付けて可動支持部を固定している。板ばねは、可動支持部の外側支持板に設けられた突起と内支持材に接触しており、そして、外側支持板に設けられた突起と内支持材によって挟持されている。可動支持部材を移動させることによって、板ばねのばね定数を変更している。
【0005】
特開2005−69409号公報に記載された制振装置では、スライド部材の下部を電動により回転させてスライド部材を上下方向に移動させ、スライド部材と板ばねの係合位置を変更することによって、板ばねのばね定数を変更している。スライド部材はスライド可能に一対の板ばねに挟持されているだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−241274号公報
【特許文献2】特開平9−112631号公報
【特許文献3】特開2002−188683号公報
【特許文献4】特開2005−69409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ABWRの起動時、ABWRの運転停止時、及びこれらの以外の運転時において共振周波数での運転を経験することになるインターナルポンプの振動を効果的に吸収するためには、制振対象であるインターナルポンプの固有振動数と磁気ダンパの固有振動数を同調させる必要がある。
【0008】
磁気ダンパは、磁気を用いないダンパに比べてエネルギー消散性能が良く、ダンピング効果が大きい。特開平9−112631号公報は板ばね振動型磁気ダンパを、特開平6−241274号公報に記載された磁気ダンパの替りにインターナルポンプの磁気ダンパとして用いることができる。この板ばね振動型磁気ダンパをインターナルポンプの制振装置として用いた場合には、この磁気ダンパの固有振動数は、補助質量、及び板ばねのばね定数に依存し、減衰効果は、導体板の固有抵抗、及び磁石板の磁束密度に依存する。磁気ダンパの部品を交換せずに磁気ダンパの固有振動数をインターナルポンプの固有振動数と同調させる方法の一例としては、上記したパラメータのうち、例えば、板ばねのばね定数を変更することが挙げられる。
【0009】
しかしながら、特開平9−112631号公報に記載された板ばね振動型磁気ダンパでは、板ばねの上端部がボルト及びナットによって固定片に取り付けられ、板ばねの下端部もボルト及びナットによって固定板に取り付けられている。このため、その板ばね振動型磁気ダンパでの板ばねのばね定数の変更は、ボルト及びナットを取り外して板ばねを固定片及び固定板から取り外し、磁気ダンパの固有振動数をインターナルポンプの固有振動数と同調させる長さの板ばねを、再度、固定片及び固定板に取り付ける必要がある。その際には、固定片と固定板の間の長さを、新たな板ばねが固定片及び固定板に取り付けられるように、固定片の支持杆に対する固定位置を変更する。このような板ばねの長さを変更する作業は、人手によらなければならない。また、このような板ばねの長さを変更する作業は、板ばね振動型磁気ダンパをインターナルポンプに設置した状態で、原子炉圧力容器に設置されたインターナルポンプ周辺で行われる。インターナルポンプの周辺は放射線管理区域であり、作業員の被ばくの問題が生じる。さらに、ABWRの運転中は、インターナルポンプ周辺は負圧状態になっており、板ばね振動型磁気ダンパにおける板ばねのばね定数の調節作業が不可能になる。このような観点で、板ばね振動型磁気ダンパのばね定数の変更作業を容易に実施することができない。
【0010】
特開2005−69409号公報に記載された制振装置では板ばねが、ばね定数を変更するために所定位置に位置決めされたスライド部材にロックされない。特開2002−188683号公報に記載された制振装置でも、板ばねが所定位置に位置決めされた可動支持部にロックされない。しかも、特開2002−188683号公報に記載された制振装置では、支持用ボルトを緩めないと可動支持部を移動させることができない。
【0011】
本発明の目的は、制振対象物の運転中でも容易に固有振動数を調節できる磁気ダンパ装置、インターナルポンプシステム及び磁気ダンパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、支持部材と、この支持部材に固定端が取り付けられた板ばね部材と、板ばね部材の自由端に取り付けられた慣性部材と、慣性部材に向き合って配置されて支持部材に取り付けられた導体板と、導体板の第1面及び慣性部材の、第1面と向き合っている第2面のいずれかに設けられた磁石と、板ばね部材の長手方向に移動可能に支持部材に設けられたロック装置と、ロック装置をその長手方向に移動させる第1移動装置とを備え、
ロック装置が、板ばね部材を拘束するクランプ部材、及びクランプ部材を、板ばね部材を拘束する第1位置及び板ばね部材を拘束しない第2位置に位置させる第2移動装置を有し、
第1移動装置及び第2移動装置のそれぞれの駆動を制御する制御装置を設けたことにある。
【0013】
第1移動装置及び第2移動装置のそれぞれの駆動を制御装置によって制御できるので、制振対象物の運転中においても、ロック装置を板ばね部材の長手方向に移動させ、その長手方向での板ばね部材の、ロック装置のクランプ部材による拘束点の位置を調節することができる。このため、制振対象物の運転中でも容易に磁気ダンパ装置の固有振動数を調節することができ、制振対象物の共振による振動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制振対象物の運転中でも容易に磁気ダンパ装置の固有振動数を調節することができ、制振対象物の共振による振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好適な一実施例である実施例1の磁気ダンパ装置を設置したインターナルポンプの縦断面図である。
【図2】図1に示す磁気ダンパ装置の詳細構成図である。
【図3】図2に示す磁気ダンパのロック装置及び移動装置付近の縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】インターナルポンプのポンプケーシングに設置した振動検出器の出力信号の演算処理部及び制御装置を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例である実施例2のインターナルポンプシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の好適な一実施例である磁気ダンパ装置を、図1から図5を用いて説明する。本実施例の磁気ダンパ装置1は、ABWRの原子炉圧力容器50に取り付けられた制振対象物であるインターナルポンプ40に適用される。
【0018】
磁気ダンパ装置1が設けられるインターナルポンプ40の構成について、まず説明する。インターナルポンプ40は、ポンプケーシング41、インペラ42及びモータ44を備えている。モータ44が、ロータ45、ステータ46及びモータシャフト47を有する。モータ44がポンプケーシング41内に設けられ、ロータ45がモータシャフト47に設けられる。環状のステータ46がロータ45の周囲を取り囲んでいる。モータカバー48が、モータ44を収納したポンプケーシング41の下端に取り付けられる。ポンプケーシング41の上端部が、原子炉圧力容器50の底部に取り付けられる。インペラ42がインペラシャフト43の上端部に取り付けられ、インペラシャフト43がポンプケーシング41内でモータシャフト47に連結されている。インペラ42は、原子炉圧力容器50と原子炉容器50内に設置された炉心シュラウド51の間に形成される環状の領域であるダウンカマ52内に配置される。
【0019】
インターナルポンプ40は、モータ44を駆動することによってインペラ42を回転させ、ダウンカマ52内の冷却水を昇圧する。昇圧された冷却水は、インペラ42から吐出され、炉心シュラウド51の内側に存在する、複数の燃料集合体が装荷された炉心(図示せず)に供給される。
【0020】
磁気ダンパ装置1は、モータカバー48にスタッドボルト49によって取り付けられる。この磁気ダンパ装置1は、図1に示すように、架台(支持部材)20、複数の磁気ダンパ6及び制御装置33を有する。架台20は、図2に示すように、上部支持板3、下部支持板4及び連結部材5を有する。下部支持板4は、上部支持板3の下方に配置され、連結部材5によって上部支持板3に取り付けられている。上部支持板3がスタッドボルト49によってモータカバー48に取り付けられる。
【0021】
磁気ダンパ装置1は4個の磁気ダンパ6を有し、それぞれの磁気ダンパ6が架台20に設置される。4個の磁気ダンパ6は、ポンプケーシング41の軸心から四方に向かって放射状に配置される。ポンプケーシング41の周方向で隣り合う各磁気ダンパ6の板ばね部材10の側面が、互いに直交する方向を向いている。このため、隣り合う磁気ダンパ6は、ダンピングの作用方向が90°ずれるように、架台20に設置されている。
【0022】
各磁気ダンパ6の構成を、図2、図3及び図4を用いて説明する。磁気ダンパ6は、吸振要素32、移動装置15及びロック装置18を有する。吸振要素32は、固定部材7、一対の板ばね部材10、錘(慣性部材)11、複数の永久磁石13及び導体板14を有する。固定部材7が、連結部材5の上端部に取り付けられ、連結部材5から水平方向に伸びている。一対の板ばね部材10が相互間に間隔をあけて配置され、それぞれの板ばね10の上端部(固定端部)が固定部材7に取り付けられる。1個の錘6が一対の板ばね部材10の下端部(自由端部)に取り付けられる。錘6には、下端から上方に向って伸びる一対の溝12が形成されている。これらの溝12は、互いに平行に配置され、板ばね部材10の側面と直交する方向に伸びている。一対の導体板14が、下部支持板4の上面に設置され、そして、各溝12内に挿入されている。上下方向に所定の間隔で配置された3個の永久磁石13が、各溝12の対向する各側面にそれぞれ設置されている。各永久磁石13は導体板14の側面に対向しており、各永久磁石13と導体板14の側面の間には間隙が形成されている。各永久磁石13は、溝12の側面に対向する、導体板14の側面に設けてもよい。
【0023】
磁気ダンパ6は向かい合う一対のフレーム8を有する。各フレーム8は、板状の部材であり、それぞれの上端が固定部材7に取り付けられる。各フレーム8は固定部材7から下方に向って伸びており、これらのフレーム8の側面は板ばね部材10の側面と直交する方向に存在する。上下方向に伸びる一対のガイドレール9A,9Bが、各フレーム8の側面にそれぞれ設置されている。
【0024】
ロック装置18が、クランプ部材30,31、ケーシング38及びクランプ移動装置39を有する(図3及び図4参照)。ケーシング38が、対向する一対の板ばね部材10の間、及び対向するフレーム8の間に配置される。ケーシング38が、上部支持板19、下部支持板20及び押え板21A,21Bを有する。上部支持板19が下部支持板20の上方に配置される。上部支持板19が1つの板ばね部材10に外側の側面で接触する押え板21Aの上端部に取り付けられ、下部支持板20が押え板21Aの下端部に取り付けられる。上部支持板19がもう1つの板ばね部材10に外側の側面で接触する押え板21Bの上端部に取り付けられ、下部支持板20が押え板21Bの下端部に取り付けられる。上部支持板19及び下部支持板20は、1対のフレーム8にそれぞれ設けられたガイドレール9A,9Bによって上下方向にガイドされるように構成されている。
【0025】
ケーシング38内、すなわち、上部支持板19と下部支持板20の間に配置されたクランプ移動装置(第2移動装置)39は、モータ22、ピニオン23及び平歯車(ラック)24,25を有する(図3及び図4参照)。ピニオン23は、下部支持板20の上面に設置されたモータ22の回転軸に取り付けられる。平歯車24と平歯車25は上下方向で間隔を置いて配置されている。平歯車24が下部支持板20の上面に、平歯車25が上部支持板19の下面に、水平方向においてそれぞれスライド可能に設けられている。ピニオン23が平歯車24及び平歯車25と噛み合っている。
【0026】
移動体26,27がケーシング38内に配置される。移動体26が平歯車24の一端に設置され、移動体27が平歯車25の一端に設置される。押え板21Aをスライド可能に貫通する一対の支持ロッド28のそれぞれの一端が移動体26に取り付けられる。クランプ部材30がケーシング38の外側でそれらの支持ロッド28のそれぞれの他端に取り付けられる。押え板21Bをスライド可能に貫通する一対の支持ロッド29のそれぞれの一端が移動体27に取り付けられる。クランプ部材31がケーシング38の外側でそれらの支持ロッド29のそれぞれの他端に取り付けられる。移動体26及び支持ロッド28がクランプ部材30の支持部材を構成し、移動体27及び支持ロッド29がクランプ部材31の支持部材を構成する。1つの板ばね部材10が押え板21Aとクランプ部材30の間に配置され、もう1つの板ばね部材10が押え板21Bとクランプ部材31の間に配置される。
【0027】
移動装置(第1移動装置)15が、シリンダ装置であるアクチュエータ16及び駆動軸(ピストンロッド)17を有する。アクチュエータ16が、固定部材7の下面に設置される。アクチュエータ16によって移動される駆動軸17が、アクチュエータ16から下方に向って伸びており、ケーシング38、すなわち、上部支持板19の上面に接続される。
【0028】
一対の振動検出器34がインターナルポンプ40のポンプケーシング41の外面に設置されている(図5参照)。これらの振動検出器34は、周方向において90°ずれた位置にそれぞれ設置される。各振動検出器34は、振動演算装置35及び周波数分析装置36に接続される。振動演算装置35及び周波数分析装置36は、表示装置37に接続される。
【0029】
制御装置33、振動演算装置35、周波数分析装置36及び表示装置37は、例えば、ABWRの中央制御室内に設置される。
【0030】
ABWRの運転が開始される。モータ44が駆動され、インペラ42が回転する。ダウンカマ52内の冷却水がインペラ42によって昇圧され、炉心シュラウド51内の炉心に供給される。炉心に供給される冷却水流量(炉心流量)が所定値に保持され、炉心内から制御棒が引抜かれ、原子炉出力が上昇される。原子炉出力が所定の原子炉出力になったとき、制御棒の引抜が停止されて炉心流量が定格流量まで上昇され、原子炉出力が定格出力まで上昇される。インターナルポンプ40が駆動されて炉心流量が定格流量になるまでの期間において、インターナルポンプ40の回転速度が増大される。
【0031】
インターナルポンプ40の振動は、インペラシャフト43の回転によって引き起こされる。このときのインペラシャフト43の回転速度に対応した周波数が、インターナルポンプ40の振動の支配的な成分となる。この周波数成分がポンプケーシング41の固有振動数と一致したとき、インターナルポンプ40に共振現象が生じる。インターナルポンプ40の駆動後、インターナルポンプ40の回転速度が、炉心流量が定格流量になるときの回転速度まで増加する過程において、インターナルポンプ40が共振を起こす。このときには、磁気ダンパ6の固有振動数を変更してインターナルポンプ40の固有振動数に同調させ、インターナルポンプ40の振動を減衰させる。
【0032】
ABWRの運転中においてインターナルポンプ40が駆動している状態で、磁気ダンパ装置1の板ばね部材10の長さを変更して、インターナルポンプ40を制振することについて説明する。
【0033】
ポンプケーシング41に設けられた各振動検出器34が、90°ずれた位置でポンプケーシング41の振動をそれぞれ検出する。各振動検出器34で検出された振動検出信号が振動演算装置35及び周波数分析装置36にそれぞれ入力される。振動演算装置35は、入力した各振動検出信号に基づいて、振動検出器34が設置されたそれぞれの位置でのポンプケーシング41に生じている振動の振動振幅値を求める。さらに、振動演算装置35は、求められた振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になったかを判定する。振動演算装置35で求められた振動振幅値、及びその判定結果が表示装置37に出力されて表示される。振動振幅値の設定値としては、インターナルポンプ40に共振が生じたときの振動振幅値よりも安全側で、共振の発生を予期できる、その振動振幅値よりも小さい振動振幅値が設定され、振動演算装置35のメモリ(図示せず)に予め記憶されている。この振動振幅値の設定値は、オペレータによって、中央制御室内の操作盤(図示せず)を通して変更することが可能である。振動演算装置35及び周波数分析装置36は信号処理装置である。
【0034】
周波数分析装置36は、入力した各振動検出信号に基づいて、ポンプケーシング41で生じている振動の周波数を求める。得られたポンプケーシング41の振動周波数は表示装置37に表示される。
【0035】
オペレータが、表示装置37に表示された振動振幅値、振動振幅値の判定結果の情報及びポンプケーシング41の振動周波数を見て、ポンプケーシング41の振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になったとき、卓越周波数である制振対象周波数の設定値を操作盤に入力する。卓越周波数は、オペレータによって以下のようにして求められる。振動演算装置35で求められた振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になったとき、オペレータが、周波数分析装置36での周波数分析によって得られたポンプケーシング41の振動周波数のうち、最も卓越した振動周波数を選択する。オペレータは、この最も卓越した振動周波数を、制振対象周波数(卓越周波数)の設定値として、操作盤に入力する。この制振対象周波数の設定値が、操作盤から制御装置33に入力される。
【0036】
制御装置33は以下の3つの機能を有する。第1の機能は、入力された制振対象周波数の設定値に基づいて、この設定された制振対象周波数を最も効率良く抑制するために必要な板ばね部材10の長さ(板ばね部材10の下端からの長さ)54(図2参照)、すなわち、クランプ部材30,31で拘束する、板ばね部材10の下端からの位置を求める演算機能である。第2の機能は、算出された板ばね部材10の長さ54になる位置までクランプ部材30,31を移動させるために、アクチュエータ16を制御する機能である。第3の機能は、クランプ部材30,31による各板ばね部材10の拘束及び拘束解除を行うロック装置18を制御する機能である。第1、第2及び第3の各機能は、制御装置33のメモリに記憶されたプログラムにより実行される。
【0037】
制御装置33は、入力した制振対象周波数の設定値に基づいて第1の機能の演算を行い、板ばね部材10の長さ、具体的には、クランプ部材30,31で押える、板ばね部材10の下端からの位置を求める。その後、制御装置33は第3の機能の制御を実行する。制御装置33からロック装置18のモータ22に板ばね部材非拘束指令を出力する。板ばね部材非拘束指令に基づいてモータ22が駆動される。このモータ22の駆動によって、ピニオン23が、図3において時計方向に回転され、平歯車24を矢印a(図3及び図4参照)の方向に移動させて平歯車25を矢印aの方向とは逆の矢印b(図3及び図4参照)の方向に移動させる。これにより、クランプ部材30が、矢印aの方向に移動し、1つの板ばね部材10から離される。クランプ部材31が、矢印bの方向に移動し、もう1つの板ばね部材10から離される。すなわち、クランプ部材30,31が、クランプ移動装置39によって、各板ばね部材10を非拘束状態にする第2の位置まで移動される。一対の板ばね部材10が、クランプ部材30,31による拘束状態から解除される。
【0038】
次に、制御装置33は、第2の機能の制御を実行する。制御装置33は、アクチュエータ16に対して駆動指令を出力する。この駆動指令に基づいて、アクチュエータ16が駆動軸15を移動させる。アクチュエータ16は、空圧駆動(または油圧駆動)の駆動装置(例えば、シリンダ装置)を備えている。アクチュエータ16は、クランプ部材30,31が、第1の演算機能で求められた、クランプ部材30,31で拘束する、板ばね部材10の下端からの位置に到達するまで、駆動軸15を移動させる。駆動軸15の移動により、ロック装置18のケーシング38が、一対のフレーム8に設けられたガイドレール9A,9Bに沿って上下方向に移動し、やがて、クランプ部材30,31が、上下方向において、各板ばね部材10を拘束する位置に到達する。
【0039】
クランプ部材30,31がこの拘束位置に到達したとき、制御装置33が、第2の機能の制御を実行し、モータ22に対して板ばね部材拘束指令を出力する。板ばね部材拘束指令に基づいて、モータ22が、板ばね部材非拘束指令のときとは逆方向に回転する。このモータ22の回転によって、ピニオン23が、逆回転方向である図3において反時計方向に回転され、平歯車24を矢印bの方向に移動させて平歯車25を矢印aの方向に移動させる。これにより、クランプ部材30が、矢印bの方向に移動して1つの板ばね部材10に接触し、この板ばね部材10を押え板21Aに押し付ける。クランプ部材31が、矢印aの方向に移動してもう1つの板ばね部材10に接触し、この板ばね部材10を押え板21Bに押し付ける。すなわち、クランプ部材30,31が、クランプ移動装置39によって、各板ばね部材10を拘束状態にする第1の位置まで移動される。このようにして、一対の板ばね部材10が、第1の演算機能で求められた位置であって、クランプ部材30,31で拘束する、板ばね部材10の下端からのその位置において、該当するクランプ部材によって拘束される。このように、ロック装置18を上下方向に移動させてクランプ部材30,31による各板ばね部材10の拘束点を変更することによって、クランプ部材30,31による拘束点を基点とした自由端までの各板ばね部材10の長さ54(図2参照)、すなわち、その拘束点と板ばね部材10の下端(自由端)との間の長さを調節することができる。
【0040】
制御装置33による第2及び第3の各機能による制御は、磁気ダンパ装置1に設けられた4個の磁気ダンパ6に対して行われる。
【0041】
インターナルポンプ40の回転速度の増大によって、ポンプケーシング41が、板ばね部材10の長さを調節した制振対象周波数の設定値の周波数で振動したとき、板ばね部材10の下端に設けられた錘11が、板ばね部材10の、クランプ部材30,31で拘束された位置を基点にして、ポンプケーシング41の振動と共振して大きく振動する。各導体板14がポンプケーシング41にモータカバー48を介して取り付けられる架台2に設置されているので、錘11の振動に伴う揺れにより、錘11に設置されて導体板14に対向している各永久磁石13と導体板14の間に相対運動が発生する。この相対運動によって生じる電磁誘導現象が導体板14の各側面に渦電流を励起する。発生したこの渦電流の作用によって各永久磁石13と導体板14の相対運動を妨げる方向に減衰力が生じ、ポンプケーシング41の振動を抑制する。この減衰力は、各磁気ダンパ6で発生する。
【0042】
ポンプケーシング40の振動により周波数が共振周波数になったとき、磁気ダンパ装置1が、以上のように、ポンプケーシング41の振動を減衰させることができるので、ポンプケーシング41の共振による過大な振動を抑制することができる。
【0043】
インターナルポンプ40の駆動停止時でインターナルポンプ40の回転速度が減少するときでも、磁気ダンパ装置1により、ポンプケーシング41の共振による過大な振動を抑制することができる。
【0044】
インターナルポンプ40には、運転範囲の回転速度の範囲において2つの共振周波数が存在する場合がある。このように、複数の共振周波数が存在するインターナルポンプ40に対しては、前述した制御装置33における第1、第2及び第3の各機能の実行が、それぞれの共振周波数ごとに行われる。このため、ポンプケーシングの振動による周波数が共振周波数になった場合でも、ポンプケーシング41のそれぞれの共振による過大な振動を抑制することができる。
【0045】
ABWRには、通常、10基のインターナルポンプ40が設置されている。これらのインターナルポンプ40においてポンプケーシング41の共振周波数が異なっている。このため、オペレータは、表示装置37に表示されたそれぞれのインターナルポンプ40に関する各情報を見て、インターナルポンプ40ごとにそれぞれの制振対象周波数の設定値を操作盤に入力する。制御装置33は、これらの制振対象周波数の設定値に基づいて該当するインターナルポンプ40の磁気ダンパ装置1に対し、第1の機能の演算処理、及び第2及び第3の機能の各制御が実行される。
【0046】
本実施例の磁気ダンパ装置1では、ポンプケーシング41で共振周波数の振動が生じる場合における、クランプ部材30,31による、板ばね部材10の拘束位置を、インターナルポンプ40の駆動中に求め、インターナルポンプ40の駆動中に、その拘束位置で各板ばね部材10をロック装置18によって拘束することができる。このため、インターナルポンプの運転中でも容易に磁気ダンパ装置1の固有振動数を調節でき、ポンプケーシング41に共振が発生した場合でもポンプケーシング41の振動を減衰することができる。磁気ダンパ装置1により、ポンプケーシング41の共振による過大な振動を抑制することができる。
【0047】
本実施例では、ポンプケーシング41に設置した振動検出器34で検出したポンプケーシング41の振動に基づいて求められた振動振幅値、振動振幅値の判定結果の情報及びポンプケーシング41の振動の周波数により、制振対象周波数の設定値を決めるので、精度良く制振対象周波数の設定値を決めることができる。したがって、板ばね部材10の拘束位置を精度良く求めることができ、ポンプケーシング41の共振による過大な振動を確実に抑制できる。
【0048】
制御装置33及び表示装置37が、原子炉圧力容器50を取り囲む原子炉格納容器(図示せず)の外側に配置され、原子炉格納容器内の放射線から隔離された中央制御室内に配置されている。このため、中央制御室から遠隔で、磁気ダンパ装置1の固有振動数の調節を行うことができるので、制御装置33に制振対象周波数の設定値を入力するオペレータは、原子炉格納容器内の放射線による被ばくの危険性がない。
【0049】
磁気ダンパ装置1を含むインターナルポンプシステムは、磁気ダンパ装置1及びインターナルポンプ40以外に、制御装置33、振動検出器34、振動演算装置35、周波数分析装置36及び表示装置37を有している。
【実施例2】
【0050】
本発明の他の実施例である実施例2のインターナルポンプシステムを、図6を用いて説明する。本実施例のインターナルポンプシステム53は、実施例1において構成されるインターナルポンプシステムにおいて振動演算装置35及び周波数分析装置36を制御装置33に接続した構成を有する。インターナルポンプシステム53の他の構成は、実施例1において構成されるインターナルポンプシステムと同じである。インターナルポンプシステム53は、磁気ダンパ装置1、制御装置33、振動検出器34、振動演算装置35、周波数分析装置36及び表示装置37を備えている。
【0051】
実施例1では制振対象周波数の設定値をオペレータが操作盤から制御装置33に入力していたが、本実施例では、制御装置33が振動演算装置35から出力された、ポンプケーシング41の振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になっているとの判定情報、及び周波数分析装置36から出力されたポンプケーシング41の振動の周波数を用いて制振対象周波数の設定値を求める。制御装置33における制振対象周波数の設定値の算出の一例を以下に説明する。制御装置33は、振動演算装置35で振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になったと判定されたとき、周波数分析装置36での周波数分析によって得られたポンプケーシング41の振動周波数のうち、最も卓越した振動周波数を、制振対象周波数の設定値にする。制御装置33は、求められた制振対象周波数の設定値に基づいて、第1の機能である演算機能、第2の機能である制御機能、及び第3の機能である制御機能を実行する。
【0052】
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、制振対象周波数の設定値の設定をオペレータではなく、制御装置33で設定することができる。このため、オペレータへの負担が軽減される。
【0053】
本実施例では、ポンプケーシング41の振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になっているかの判定を振動演算装置35で行っているが、その判定は制御装置33で行ってもよい。すなわち、制御装置33は、振動演算装置35から入力したポンプケーシング41の振動振幅値が振動振幅値の設定値以上になっているかを判定する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、インターナルポンプに適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…磁気ダンパ装置、2…架台、6…磁気ダンパ、8…フレーム、9A,9B…ガイドレール、10…板ばね部材、11…錘、13…永久磁石、14…導体板、15…移動装置、16…アクチュエータ、18…ロック装置、21A,21B…押え板、22,44…モータ、23…ピニオン、24,25…平歯車、30,31…クランプ部材、32…吸振要素、34…振動検出器、35…振動演算装置、36…周波数分析装置、37…表示装置、38…ケーシング、39…クランプ移動装置、40…インターナルポンプ、41…ポンプケーシング、42…インペラ、50…原子炉圧力容器、53…インターナルポンプケーシング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、前記支持部材に固定端が取り付けられた板ばね部材と、前記板ばね部材の自由端に取り付けられた慣性部材と、前記慣性部材に向き合って配置されて前記支持部材に取り付けられた導体板と、前記導体板の第1面及び前記慣性部材の、前記第1面と向き合っている第2面のいずれかに設けられた磁石と、前記板ばね部材の長手方向に移動可能に前記支持部材に設けられたロック装置と、前記ロック装置を前記長手方向に移動させる第1移動装置とを備え、
前記ロック装置が、前記板ばね部材を拘束するクランプ部材、及び前記クランプ部材を、前記板ばね部材を拘束状態にする第1位置と前記板ばね部材を非拘束状態にする第2位置の間で移動させる第2移動装置を有し、
前記第1移動装置及び前記第2移動装置のそれぞれの駆動を制御する制御装置を設けたことを特徴とする磁気ダンパ装置。
【請求項2】
制振対象物の振動を検出する振動検出装置と、前記振動検出装置から出力された振動検出信号に基づいて求められた、前記制振対象物の振動振幅が、振幅設定値以上であるかを判定し、前記振動検出信号に基づいて前記制振対象物の振動周波数を求める信号処理装置と、前記判定に関する情報、及び前記周波数を表示する表示装置とを備えた請求項1に記載の磁気ダンパ装置。
【請求項3】
制振対象物の振動を検出する振動検出装置と、前記振動検出装置から出力された振動検出信号に基づいて前記制振対象物の振動振幅を求め、前記振動検出信号に基づいて前記制振対象物の振動周波数を求める信号処理装置とを備え、
前記制御装置が、前記制振対象物の振動振幅が振幅設定値以上になったとき、前記振動周波数に基づいて求められた制振対象周波数の設定値を用いて、前記板ばね部材の、前記クランプ部材で拘束する前記板ばね部材の長手方向での第3位置を求め、前記ロック装置を前記第3位置まで移動させるために前記第1及び第2移動装置をそれぞれ制御する請求項2に記載の磁気ダンパ装置。
【請求項4】
インターナルポンプと、前記インターナルポンプのケーシングに取り付けられた支持部材と、前記支持部材に固定端が取り付けられた板ばね部材と、前記板ばね部材の自由端に取り付けられた慣性部材と、前記慣性部材に向き合って配置されて前記支持部材に取り付けられた導体板と、前記導体板の第1面及び前記慣性部材の、前記第1面と向き合っている第2面のいずれかに設けられた磁石と、前記板ばね部材の長手方向に移動可能に前記支持部材に設けられたロック装置と、前記ロック装置を前記長手方向に移動させる第1移動装置とを備え、
前記ロック装置が、前記板ばね部材を拘束するクランプ部材、及び前記クランプ部材を、前記板ばね部材を拘束状態にする第1位置と前記板ばね部材を非拘束状態にする第2位置の間で移動させる第2移動装置を有し、
さらに、前記第1移動装置及び前記第2移動装置のそれぞれの駆動を制御する制御装置と、前記ケーシングの振動を検出する振動検出装置と、前記振動検出装置から出力された振動検出信号に基づいて求められた、前記ケーシングの振動振幅が振幅設定値以上であるかを判定し、前記振動検出信号に基づいて前記ケーシングの振動周波数を求める信号処理装置と、前記判定に関する情報、及び前記周波数を表示する表示装置とを備えたことを特徴とするインターナルポンプシステム。
【請求項5】
前記制御装置が、前記制振対象物の振動振幅が振幅設定値以上になったとき、前記振動周波数に基づいて求められた制振対象周波数の設定値を用いて、前記板ばね部材の、前記クランプ部材で拘束する前記板ばね部材の長手方向での第3位置を求め、前記ロック装置を前記第3位置まで移動させるために前記第1及び第2移動装置をそれぞれ制御する請求項4に記載のインターナルポンプシステム。
【請求項6】
インターナルポンプと、前記インターナルポンプのケーシングに取り付けられた支持部材と、前記支持部材に固定端が取り付けられた板ばね部材と、前記板ばね部材の自由端に取り付けられた慣性部材と、前記慣性部材に向き合って配置されて前記支持部材に取り付けられた導体板と、前記導体板の第1面及び前記慣性部材の、前記第1面と向き合っている第2面のいずれかに設けられた磁石と、前記板ばね部材の長手方向に移動可能に前記支持部材に設けられたロック装置と、前記ロック装置を前記長手方向に移動させる第1移動装置とを備え、
前記ロック装置が、前記板ばね部材を拘束するクランプ部材、及び前記クランプ部材を、前記板ばね部材を拘束状態にする第1位置と前記板ばね部材を非拘束状態にする第2位置の間で移動させる第2移動装置を有し、
さらに、前記ケーシングの振動を検出する振動検出装置と、前記振動検出装置から出力された振動検出信号に基づいて前記ケーシングの振動振幅を求め、前記振動検出信号に基づいて前記ケーシングの振動周波数を求める信号処理装置と、前記制振対象物の振動振幅が振幅設定値以上になったとき、前記振動周波数に基づいて求められた制振対象周波数の設定値を用いて、前記板ばね部材の、前記クランプ部材で拘束する前記板ばね部材の長手方向での第3位置を求め、前記ロック装置を前記第3位置まで移動させるために前記第1及び第2移動装置をそれぞれ制御する制御装置とを備えたことを特徴とするインターナルポンプシステム。
【請求項7】
支持部材に固定端が取り付けられた板ばね部材と、前記板ばね部材の自由端に取り付けられた慣性部材と、前記慣性部材に向き合って配置された導体板と、前記導体板の第1面及び前記慣性部材の、前記第1面と向き合っている第2面のいずれかに設けられた磁石と、前記板ばね部材の長手方向に移動可能に前記支持部材に設けられたロック装置と、前記ロック装置を前記長手方向に移動させる第1移動装置とを備え、
前記ロック装置が、前記板ばね部材を拘束するクランプ部材、及び前記クランプ部材を、前記板ばね部材を拘束状態にする第1位置と前記板ばね部材を非拘束状態にする第2位置の間で移動させる第2移動装置を有していることを特徴とする磁気ダンパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−102600(P2011−102600A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257154(P2009−257154)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【出願人】(000001890)三和テッキ株式会社 (134)
【Fターム(参考)】