説明

移植機の穿孔装置

【課題】 スイッチ部による切換によって複数のヒータの発熱量を簡単に調整してヒータブロックを簡単かつ良好に温度調整できるようにする。
【解決手段】 ダイナモから電力が供給されて発熱する複数のヒータと、複数のヒータによって加熱されるヒータブロックとを備える穿孔体が、畝を跨いで走行する走行体に昇降自在に支持され、この穿孔体が下降した際に、畝を覆うマルチフィルムにヒータブロックを接触させることで、畝に苗を植え付けるための植付用穴をマルチフィルムに形成するようにした移植機の穿孔装置において、
ダイナモに対して複数のヒータが並列又は直列に切換可能に接続され、複数のヒータをダイナモに対して直列接続と並列接続とに切り換えるスイッチ部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植機の穿孔装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、畝に苗を植え付けるための植付用穴をマルチフィルムに形成するようにした移植機の穿孔装置には、ダイナモから電力が供給されて発熱する複数のヒータと、複数のヒータによって加熱されるヒータブロックとを備える穿孔体が、畝を跨いで走行する走行体に昇降自在に支持され、この穿孔体が下降した際に、畝を覆うマルチフィルムにヒータブロックを接触させることで、畝に苗を植え付けるための植付用穴をマルチフィルムに形成するようにしたものがある(例えば特許文献1、特許文献2)。
この種の従来の移植機の穿孔装置では、ダイナモから電力が供給されて発熱する複数のヒータを、複数のグロープラグやニクロム線等により構成して、ダイナモに対してオンオフ用のスイッチを介して直列又は並列に接続していた(特許文献2)。例えば、ヒータの発熱量と耐久性に配慮して、複数のヒータとして3本のグロープラグを設け、ダイナモに対して3本のグロープラグ(ヒータ)を並列に接続していた(公知文献としては存在しないが、出願人は、移植機の穿孔装置に実際にこのように実施していた)。
【特許文献1】特開平10−28420号公報
【特許文献2】特開平11−9024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エンジンを低速で回転させて作業をする場合や、寒冷地の風の強い早朝時に使用する場合などには、ヒータに高い発熱特性が特性が要求されることになる。また、暖かい日中にはヒータに高い発熱特性は要求されず、ヒータブロックが加熱気味になる。このような場合、ダイナモの出力の制御により、温度調整することが考えられるが、制御が面倒で回路等の構成が複雑になる。また、ヒータブロックの温度を検出して複数のヒータをオンオフさせて温度調整する方法もあるが、ヒータをオンオフを頻繁に繰り返す必要があり、良好に温度調整することが困難であった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑み、スイッチ部による切換によって複数のヒータの発熱量を簡単に調整してヒータブロックを簡単かつ良好に温度調整できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、ダイナモから電力が供給されて発熱する複数のヒータと、複数のヒータによって加熱されるヒータブロックとを備える穿孔体が、畝を跨いで走行する走行体に昇降自在に支持され、この穿孔体が下降した際に、畝を覆うマルチフィルムにヒータブロックを接触させることで、畝に苗を植え付けるための植付用穴をマルチフィルムに形成するようにした移植機の穿孔装置において、
ダイナモに対して複数のヒータが並列又は直列に切換可能に接続され、複数のヒータをダイナモに対して直列接続と並列接続とに切り換えるスイッチ部が設けられている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、複数のヒータを並列接続したヒータ並列回路が複数組設けられ、複数組のヒータ並列回路がダイナモに対して直列と並列とに切換可能に接続され、複数組のヒータ並列回路をダイナモに対して並列接続と直列接続とに切り換えるスイッチ部が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記ヒータが4本設けられ、2本のヒータを並列接続したヒータ並列回路が2組設けられ、2組のヒータ並列回路がダイナモに対して直列と並列とに切換可能に接続され、2組のヒータ並列回路をダイナモに対して並列接続と直列接続とに切り換えるスイッチ部が設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、前記穿孔体のヒータブロックがステンレスにより構成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、ヒータブロックの温度を検出する温度センサが設けられ、温度センサの検出温度が所定以上になったときにスイッチ部を並列接続に切り換えると共に、検出温度が所定以下になったときにスイッチ部を直列接続に切り換えるスイッチ制御部が設けられている点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ダイナモに対して複数のヒータが並列又は直列に切換可能に接続され、複数のヒータをダイナモに対して直列接続と並列接続とに切り換えるスイッチ部が設けられているので、スイッチ部による切り換えによって複数のヒータの発熱量を簡単に調整してヒータブロックを簡単かつ良好に温度調整できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、1は、畝Rの長手方向に移動しながら該畝Rに野菜等のソイルブロック苗2を所定間隔をおいて植え付ける歩行型の移植機である。
該移植機1は、畝Rを跨いで該畝Rの長手方向に走行する走行体3と、この走行体3の後方側に設けられた移植装置4と、この移植装置4を支持する支持フレーム5と、走行体3を操向する操向ハンドル7とを備えている。
走行体3は、走行機体9と、この走行機体9を走行可能に支持する推進機構10と、走行機体9に搭載されたエンジン11等を有する。
【0010】
走行機体9は、ミッションケース12と、このミッションケース12の前部に該ミッションケース12から前方突出状に取付固定された架台13とを備えてなり、エンジン11は架台13上の前部に搭載されている。
推進機構10は、畝間溝Mを回転して動く無限回転体として左右一対の前輪14(車輪、前部無限回転体)と左右一対のクローラベルト15(後部無限回転体)とを有する車輪・クローラ複合型の無限回転推進機構が採用されている。
この推進機構10は、前輪14と、この前輪14を支持する前輪支持アーム17と、前輪14の後方側に配置されたクローラ式走行装置18と、このクローラ式走行装置18を支持する伝動ケース19とを走行機体9の左右両側に備えている。
【0011】
移植装置4は、苗トレイを載置して支持する苗載せ台21と、この苗載せ台21上の苗トレイから苗2を取り出す苗取出し装置22と、この苗取出し装置22から供給された苗2を畝Rに植え付ける植付体23と、畝Rに植え付けられた苗2の左右両側を鎮圧する鎮圧輪25(覆土輪)と、圃場に敷設されたマルチフィルムに植付用穴を形成する穿孔体27と、この穿孔体27の前方側で畝Rの上面を転動する整地ローラ28(検出ローラ)とを備えている。
この植付体23は、植付フレームに支持された昇降機構によって昇降自在に支持されている。植付体23は上下移動範囲の上死点又はその付近の苗受取り位置において閉じた状態で苗取出し装置22から苗2が供給され、内部に苗2を保持した状態で下降し、上下移動範囲の下死点側で畝Rに突入し且つ開くことにより、畝Rに植え穴を形成する共に該植え穴に苗2を放出する。これにより苗2が畝Rに植え付けられる。
【0012】
鎮圧輪25は、植付体23の後方側に左右一対設けられていて、畝R上面の苗2の植付け位置の左右両側を転動し、植付体23で形成された植え穴に投入された苗2の左右両側の土を押圧する。
また、鎮圧輪25は、植付フレームの後部側を支持しており、鎮圧輪25と植付フレーム163との上下方向に関する距離を変えることにより、植付け深さを変更することができるよう構成されている。
整地ローラ28は、植付体23及び穿孔体27の前方側の畝R上面を転動し、畝R上面を整地すると共に畝R高さを検出する。
【0013】
穿孔体27は、昇降機構を介して植付フレームに昇降自在に支持されており、整地ローラ28の後方側で且つ植付体23の前方側に配置され、下降した際にマルチフィルムに接触させることで、熱の作用でマルチフィルムを溶かすことにより、苗2を植えるための(植付体23を畝Rに突入させるための)植付用穴をマルチフィルムに形成する。
植付体23は、このマルチフィルムに穿孔された植付用穴を挿通して畝Rに突入する。
図2において、穿孔体27は、マルチフィルムに接触するヒータブロック31と、支持導体32と、ヒータブロック31と支持導体32との間に介在されたスペーサ33と、ヒータブロック31を加熱するための複数のグロープラグ35(ヒータ、加熱手段)とを有する。
【0014】
ヒータブロック31はステンレスにより構成され、支持導体32の下方側に位置している。スペーサ33はセラミック等の断熱材によって上下方向の軸芯を有する円柱状に形成され、取付ボルトを支持導体32及びスペーサ33を貫通させてヒータブロック31に形成したネジ孔に螺合させることにより、支持導体32にスペーサ33及びヒータブロック31が取付固定されている。
また、支持導体32には、グロープラグ35の発熱部36が挿通可能で且つグロープラグ35のネジ部37が螺合可能なネジ孔38が形成され、スペーサ33には、グロープラグ35の発熱部36を挿通するための挿通孔39が上下方向に貫通形成されている。
【0015】
ヒータブロック31は、上下方向の軸芯を有する円柱状とされている。ヒータブロック31には、グロープラグ35の発熱部36が挿入される、上方開放状で有底の挿入孔42が形成されている。
グロープラグ35の発熱部36は、支持導体32のネジ孔38及びスペーサ33の挿通孔39を挿通してヒータブロック31の挿入孔42に挿入されていて、該グロープラグ35によってヒータブロック31が加熱されるように構成されている。
複数のグロープラグ35はダイナモ45から電力が供給されて発熱するようにダイナモ45に接続されている。グロープラグ35は4本設けられ、4本のグロープラグ35のうちの2本ずつが並列に接続されて、2本のグロープラグ35を並列接続したヒータ並列回路46が2組設けられている。2組のヒータ並列回路46はダイナモ45に対して直列と並列とに切換可能に接続されている。ダイナモ45とグロープラグ35との間にオンオフ用の電源スイッチ47が設けられると共に、2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して並列接続と直列接続とに切り換えるスイッチ部49が設けられている。スイッチ部49は互いに連動して動く第1スイッチ51と第2スイッチ52とを有している。
【0016】
各グロープラグ35は1Ω100W相当のヒータを構成しており、スイッチ部49の切り換えにより2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して並列接続する(グロープラグ35を4並列にする)と、4本のグロープラグ35で1/4Ω150W相当のヒータを構成し、スイッチ部49の切り換えにより2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して直列接続する(グロープラグ35を2並列直列にする)と、4本のグロープラグ35で1Ω400W相当のヒータを構成するようになっている。
図3は、ダイナモ45の回転4000rpm、3000rpm、2000rpmに対するダイナモ45の出力電圧と出力電流との関係を示している。また、図3は、2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して並列接続した場合(グロープラグ35の4並列、1/4Ω)と、2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して直列接続した場合(グロープラグ35の2並直列、1Ω)と、その他3本のグロープラグ35を並列接続した場合(グロープラグ35の3並列、1/3Ω)と、2本のグロープラグ35を並列接続した場合(グロープラグ35の2並列、1/2Ω)について、ダイナモ45の出力電圧と出力電流の関係を示している。
【0017】
図3から分かるように、スイッチ部49の切り換えにより2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して並列接続した(グロープラグ35を4並列にした)場合、ダイナモ45の回転4000rpmで、4並列動作点Aは、図3に示すようにダイナモ45の出力電圧が6V、出力電流が25Aになり、4本のグロープラグ35で150Wのヒータを構成する。また、スイッチ部49の切り換えにより2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して直列接続した(グロープラグ35を2並列直列にした)場合、ダイナモ45の回転4000rpmで、2並直列動作点Bは、図3に示すようにダイナモ45の出力電圧が20V、出力電流が20Aになり、4本のグロープラグ35で400Wのヒータを構成する。
【0018】
従って、スイッチ部49の切り換えにより、4本のグロープラグ35で400Wのヒータと150Wのヒータとを簡単に形成することができる。
上記実施の形態によれば、エンジンを低速で回転させて作業をする場合や、寒冷地の風の強い早朝時に使用する場合などには、ヒータに高い発熱特性が要求されることになるが、このような場合には、スイッチ部49を2並直列側に切り換えることにより、2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して直列接続すれば(グロープラグ35を2並列直列にすれば)よく、ダイナモ45の回転4000rpmで、図3に示すように2並直列動作点Bはダイナモ45の出力電圧が20V、出力電流が20Aになり、4本のグロープラグ35で400Wのヒータを構成し、ダイナモ45の回転3000rpmで、、図3に示すように2並直列動作点B1はダイナモ45の出力電圧が18V、出力電流が18.5Aになり、4本のグロープラグ35で333Wのヒータを構成し、ダイナモ45の回転2000rpmで、図3に示すように2並直列動作点B2はダイナモ45の出力電圧が15V、出力電流が15Aになり、4本のグロープラグ35で225Wのヒータを構成する。
【0019】
また、暖かい日中にはヒータに高い発熱特性は要求されず、ヒータブロック31が加熱気味になる。このような場合、スイッチ部49を4並列側に切り換えることにより、2組のヒータ並列回路46をダイナモ45に対して並列接続すれば(グロープラグ35を4並列にすれば)よく、ダイナモ45の回転4000rpmで、図3に示すように4並列動作点Aはダイナモ45の出力電圧が6V、出力電流が25Aになり、4本のグロープラグ35で150Wのヒータを構成し、ダイナモ45の回転3000rpmで、図3に示すように4並列動作点A1はダイナモ45の出力電圧が6V、出力電流が24.5Aになり、4本のグロープラグ35で147Wのヒータを構成し、ダイナモ45の回転2000rpmで、図3に示すように4並列動作点A2はダイナモ45の出力電圧が5.5V、出力電流が23.5Aになり、4本のグロープラグ35で129Wのヒータを構成する。
【0020】
従って、スイッチ部49の切換によって複数のグロープラグ35の発熱量を簡単に調整してヒータブロック31を簡単かつ良好に温度調整できるようになる。
また、ヒータブロック31はステンレスにより構成されているので、従来のようにヒータブロック31をホーキンで構成したものと比べて、ステンレスは暖めにくく冷めにくいため、ヒータブロック31は温度変化がしにくく所望温度を安定して保持することができ、穿孔体27が下降した際にヒータブロック31をマルチフィルムに接触させることで、植付用穴をマルチフィルムに確実に形成することができる。
【0021】
図4は他の実施形態を示し、ヒータブロック31の温度を検出する温度センサ55が設けられ、スイッチ部49が、サイリスタ等の双方向性半導体スイッチにより構成した3つのスイッチング素子57,58,59により構成され、温度センサ55の検出温度が所定以上(例えば540°以上)になったときにスイッチ部49を並列接続に切り換えると共に、検出温度が所定以下(例えば450°以下)になったときにスイッチ部49を直列接続に切り換えるように、各スイッチング素子57,58,59を制御するスイッチ制御部61が設けられている。即ち、スイッチ制御部61は、温度センサ55の検出温度が所定以上になったときに、スイッチング素子57をオン、スイッチング素子58をオン、スイッチング素子59をオフに制御し、温度センサ55の検出温度が所定以下になったときに、スイッチング素子57をオフ、スイッチング素子58をオフ、スイッチング素子59をオンに制御する。その他の点は前記実施形態の場合と同様の構成である。
【0022】
上記実施形態によれば、ヒータブロック31の温度が所定以上に上がれば、スイッチ制御部61の制御により、スイッチング素子57をオン、スイッチング素子58をオン、スイッチング素子59をオフに制御し、スイッチ部49を並列接続に切り換える。また、ヒータブロック31の温度が所定以上に上がれば、スイッチ制御部61の制御により、スイッチング素子57をオフ、スイッチング素子58をオフ、スイッチング素子59をオンに制御し、スイッチ部49を直列接続に切り換える。
従って、前記実施の形態の場合と同様に、スイッチ部49の切換によって複数のグロープラグ35の発熱量を簡単に調整してヒータブロック31を簡単かつ良好に温度調整できる。また、ヒータブロック31の温度を自動的に所定範囲内に保持することができる。しかも、並列接続と直列接続との切換は、電源スイッチのオンオフ制御に比べてスイッチの切換によるヒータ部分の発熱の差が大きくないため、スイッチ部49を頻繁に切換動作させる必要がなくなり、スイッチ部49をより簡単に制御することができるし、また、グロープラグ35乃至ヒータブロック31の温度変化が小さくなり、グロープラグ35及びヒータブロック31の耐久性を向上させることができる。
【0023】
なお、本実施形態では、グロープラグ35は4本設けられているが、グロープラグ35を2本又は6本以上設けるようにしてもよく、グロープラグ35を2本設ける場合には、2本のグロープラグ35をスイッチ部49により、2本のグロープラグ35を並列接続と直列接続とに切り換えるようにすればよく、グロープラグ35を6本設ける場合には、例えば3本のグローランプを並列接続した2組の並列回路を構成し、この2組の並列回路をスイッチ部49により並列接続と直列接続とに切り換えるようにしてもよいし、例えば2本のグローランプを並列接続した3組の並列回路を構成し、この3組の並列回路をスイッチ部49により並列接続と直列接続とに切り換えるようにしてもよい。
【0024】
また、前記実施の形態では、ダイナモ45から電力が供給されて発熱するヒータとしてグロープラグ35を使用しているが、グロープラグ35に代えて、ダイナモ45から電力が供給されて発熱するヒータとしてニクロム線その他を使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を示す構成図である。
【図2】穿孔装置の構成図である。
【図3】穿孔体の出力特性を示すグラフである。
【図4】他の実施形態を示す穿孔装置の構成図である。
【符号の説明】
【0026】
R 畝
27 穿孔体
31 ヒータブロック
35 グロープラグ
46 ヒータ並列回路
49 スイッチ部
61 スイッチ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイナモ(45)から電力が供給されて発熱する複数のヒータ(35)と、複数のヒータ(35)によって加熱されるヒータブロック(31)とを備える穿孔体(27)が、畝(R)を跨いで走行する走行体(3)に昇降自在に支持され、この穿孔体(27)が下降した際に、畝(R)を覆うマルチフィルムにヒータブロック(31)を接触させることで、畝(R)に苗を植え付けるための植付用穴をマルチフィルムに形成するようにした移植機の穿孔装置において、
ダイナモ(45)に対して複数のヒータ(35)が並列又は直列に切換可能に接続され、複数のヒータ(35)をダイナモ(45)に対して直列接続と並列接続とに切り換えるスイッチ部(49)が設けられていることを特徴とする移植機の穿孔装置。
【請求項2】
複数のヒータ(35)を並列接続したヒータ並列回路(46)が複数組設けられ、複数組のヒータ並列回路(46)がダイナモ(45)に対して直列と並列とに切換可能に接続され、複数組のヒータ並列回路(46)をダイナモ(45)に対して並列接続と直列接続とに切り換えるスイッチ部(49)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の移植機の穿孔装置。
【請求項3】
前記ヒータ(35)が4本設けられ、2本のヒータ(35)を並列接続したヒータ並列回路(46)が2組設けられ、2組のヒータ並列回路(46)がダイナモ(45)に対して直列と並列とに切換可能に接続され、2組のヒータ並列回路(46)をダイナモ(45)に対して並列接続と直列接続とに切り換えるスイッチ部(49)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移植機の穿孔装置。
【請求項4】
前記穿孔体(27)のヒータブロック(31)がステンレスにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移植機の穿孔装置。
【請求項5】
ヒータブロック(31)の温度を検出する温度センサ(55)が設けられ、温度センサ(55)の検出温度が所定以上になったときにスイッチ部(49)を並列接続に切り換えると共に、検出温度が所定以下になったときにスイッチ部(49)を直列接続に切り換えるスイッチ制御部(61)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移植機の穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−110224(P2010−110224A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283012(P2008−283012)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】