説明

穀粒搬送装置

【課題】 本発明は、横搬送用スクリューコンベアと縦搬送用スクリューコンベアとの穀粒受け継ぎ部での穀粒受け継ぎが良好に行えるようにするとともに、穀粒回収作業の終了時に受け継ぎ部での穀粒残留量を少なくすることにある。
【解決手段】 横搬送用と縦搬送用のスクリューコンベア23、26の両スクリュー軸21、24が交差するように延設させ、横搬送用スクリューコンベア23の下手側端部と縦搬送用スクリューコンベア26の下方側端部とに渡って伝動ケース30を設け、両コンベアの交差部におけるスクリュー軸の軸芯X1、X2間距離が、横搬送用スクリュー22の半径と縦搬送用スクリュー25の半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、前記交差部におけるスクリューのうちの少なくとも一方のスクリューを、両スクリュー同士が干渉しないように切欠くか設けないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀後の処理物を横搬送する横搬送用スクリューコンベアとこの横搬送用スクリューコンベアから受け継いだ穀粒を揚穀する縦搬送用スクリューコンベアを備え、横搬送用スクリューコンベアの駆動力を前記縦搬送用スクリューコンベアに伝動する伝動装置を前記横搬送用スクリューコンベアの横搬送用スクリュー軸における搬送下手側端部と前記縦搬送用スクリューコンベアの縦搬送用スクリュー軸の下端部との間に設けた穀粒搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような穀粒搬送装置としては、特許文献1の図10に示されているように、1番回収部に回収した穀粒を横搬送用スクリューコンベアを構成する1番スクリュー16から縦搬送用スクリューコンベアを構成する揚穀装置17に受け渡して揚送し穀粒タンクなどの回収部に供給するように構成したもの、或いは、特許文献2の図4に示されているように、2番回収部に回収した穀粒を横搬送用スクリューコンベアを構成する横搬送用スクリュー20Aから縦搬送用スクリューコンベアを構成する縦搬送用スクリュー20Bに受け渡して揚送し扱室内に還流させるように構成したものがある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2のものでは、横搬送用スクリューコンベアと縦搬送用スクリューコンベアの両スクリュー軸は、交差させずに両スクリュー軸の軸端に設けたベベルギヤを介して横搬送用スクリューコンベアと縦搬送用スクリューコンベアとを連動連結していた。そして、上記両スクリュー軸の軸端に設けたベベルギヤは、搬送経路内に配置されているため、穀粒の通路が狭まるだけでなく、横搬送用スクリューと縦搬送用スクリュー離れた上体で横搬送用スクリューコンベアから縦搬送用スクリューコンベアに穀粒を受け渡していたので、横向きの横搬送用スクリューコンベアから縦搬送用スクリューコンベアへの穀粒の受け渡し作用が不十分で、横搬送用スクリューに過大な押し込み負荷がかかり、穀粒の揚送終了時に多量の未回収の穀粒が横搬送用スクリューコンベアに残留する不都合があった。
【0004】
又、特許文献3のものは、横方向に配置した横搬送用スクリュー軸と上下方向に配置した縦搬送用スクリュー軸とが交差するように、前記横搬送用スクリュー軸の穀粒搬送下手側端部を前記縦搬送用スクリュー軸を越えた位置まで延設するとともに前記縦搬送用スクリュー軸の下方側端部を前記横搬送用スクリュー軸を越えた下方位置まで延設し、横搬送用スクリューコンベアの穀粒搬送下手側端部と縦搬送用スクリューコンベアの下方側端部に伝動ケースを設け、この伝動ケース内に前記横搬送用スクリューコンベアの駆動力を前記縦搬送用スクリューコンベアに伝動する伝動装置を収納し、前記横搬送用スクリューコンベアと前記縦搬送用スクリューコンベアとを、交差部における前記横搬送用スクリュー軸の軸芯と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯との間の距離が、前記横搬送用スクリュー軸の軸芯から横搬送用スクリューの外形までの半径と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯から縦搬送用スクリューの外形までの半径との和の距離よりも長い位置関係に配置している。
【特許文献1】特開2005−245241号公報
【特許文献2】特開2005−270054号公報
【特許文献3】特開2006−55058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3のものでは、横搬送用スクリューの搬送下手側端部に大径の中継送り出し用の回転羽根を設けていたので横搬送用スクリュー軸と縦搬送用スクリュー軸との交差部における軸間距離が長く、やはり穀粒の揚送終了時には前記軸間に比較的多量の未回収の穀粒が横搬送用スクリューコンベアに残留する不都合があった。
【0006】
本発明の目的は、横向きのスクリューコンベアと縦搬送用スクリューコンベアとの穀粒の受け継ぎ部における穀粒の受け継ぎを良好に行えるようにするとともに、穀粒の回収の終了時において受け継ぎ部における穀粒の残留量を少なくなる穀粒搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明における請求項1に記載の発明では、横方向に配置した横搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸と上下方向に配置した縦搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸とが交差するように、前記横搬送用スクリュー軸の穀粒搬送下手側端部を前記縦搬送用スクリュー軸を越えた位置まで延設するとともに前記縦搬送用スクリュー軸の下方側端部を前記横搬送用スクリュー軸を越えた下方位置まで延設し、前記横搬送用スクリューコンベアの穀粒搬送下手側端部と前記縦搬送用スクリューコンベアの下方側端部とに渡って伝動ケースを設け、この伝動ケース内に前記横搬送用スクリューコンベアの駆動力を前記縦搬送用スクリューコンベアに伝動する伝動装置を収納し、前記横搬送用スクリューコンベアと前記縦搬送用スクリューコンベアとを、交差部における前記横搬送用スクリュー軸の軸芯と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯との間の距離が、前記横搬送用スクリュー軸の軸芯から横搬送用スクリューの外形までの半径と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯から縦搬送用スクリューの外形までの半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、前記交差部における前記横搬送用スクリューと前記縦搬送用スクリューとの少なくとも一方のスクリューを両者のスクリュー同士が干渉しないように切欠くか設けていないことを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によると、横方向に配置した横搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸と上下方向に配置した縦搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸とが交差するように、横搬送用スクリュー軸の穀粒搬送下手側端部を、縦搬送用スクリュー軸を越えた位置まで延設するとともに縦搬送用スクリュー軸の下方側端部を前記横搬送用スクリュー軸を越えた下方位置まで延設してあるので、受け継ぎ部での両スクリュー同士を接近させて配設することができるとともに、スクリューの端部をスクリュー軸の交差部を越えた位置まで設けることが可能となり、搬送経路も十分に確保できる。
【0009】
請求項1に係る発明によると、横搬送用スクリューコンベアと縦搬送用スクリューコンベアとの交差部における横搬送用スクリュー軸の軸芯と縦搬送用スクリュー軸の軸芯との間の距離が、横搬送用スクリュー軸の軸芯から横搬送用スクリューの外形までの半径と縦搬送用スクリュー軸の軸芯から縦搬送用スクリューの外形までの半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、前記交差部における前記横搬送用スクリューと前記縦搬送用スクリューとの少なくとも一方のスクリューを両者のスクリュー同士が干渉しないように切欠くか設けていないので、横搬送用スクリューと縦搬送用スクリューとが干渉しないで、両スクリューコンベアを近接配置することができるから、搬送経路を十分に確保できながら、スクリューの回転による駆動力によって穀粒を良好に横搬送用スクリューコンベアから縦搬送用スクリューコンベアに受け継いで揚送することができる利点がある。
【0010】
しかも、穀粒を横搬送する横搬送用のスクリュー軸と縦搬送用のスクリュー軸との交差部における軸間距離が短いので、空送り距離も殆どなく、搬送終了時における残留穀粒も少なくでき、作業終了後の清掃並びにメンテナンスを容易に行える利点がある。
【0011】
本発明における請求項2に記載の発明では、請求項1に係る発明において、横搬送用スクリュー軸を縦搬送用スクリューの半径距離よりも縦搬送用スクリュー軸に近接配置し、横搬送用スクリューの搬送下手側端部における縦搬送用スクリューとオーバーラップする箇所のスクリュー部分を無くし、且つ、縦搬送用スクリューにおける横搬送用スクリュー軸が通る箇所の縦搬送用スクリュー部分を削除してある。
【0012】
請求項2に係る発明では、請求項1の作用効果を奏するとともに、次の作用効果を奏する。
請求項2に係る発明では、横搬送用スクリュー軸と縦搬送用スクリュー軸とが極接近して配置されることになるので、受け渡し部における搬送経路のほぼ全体に搬送駆動力を有することになるから、穀粒を横搬送用スクリューコンベアから縦搬送用スクリューコンベアに良好に受け継いで揚送することができる。
【0013】
本発明における請求項3に記載の発明では、請求項1に係る発明において、伝動装置を、横搬送用スクリュー軸と縦搬送用スクリュー軸の一方の軸端部に第1ベベルギヤを設け、他方の軸と平行な軸を設けて、この平行軸に設けた第2ベベルギヤと第1ベベルギヤとを噛合させるとともに、平行軸と一方の軸とを歯車又は無端回動体により動力伝達するように構成してある。
【0014】
請求項3に係る発明では、前記横搬送用スクリューコンベアの駆動力を前記縦搬送用スクリューコンベアに伝動する伝動装置及びこれを収容する伝動ケースを受け渡し部の搬送経路外に設けることができ、十分な搬送経路を確保した状態で伝動装置を設けることができる。
【0015】
本発明における請求項4に記載の発明では、請求項3に係る発明において、伝動ケースに平行軸の軸芯方向外方に向けて取外し可能な分離蓋を設けてある。
【0016】
請求項4に係る発明では、請求項3の作用効果を奏する。
請求項4に係る発明では、横搬送用スクリュー軸から縦搬送用スクリュー軸へ動力を伝達する伝動装置のメンテナンスを分離蓋の取外しによって容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
コンバインについて説明する。図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1を備えた走行機体2、走行機体2の前部に昇降揺動可能に連結された刈取前処理部3、走行機体2に搭載された脱穀装置4、脱穀装置4の後部に連結された排ワラ処理部5、走行機体2の右半部前側に形成された搭乗運転部6、及び、走行機体2の右半部後側に搭載されたグレンタンク7、などによって構成されている。刈取前処理部3において植立穀稈を刈り取るとともに刈り取り後の穀稈を脱穀装置4に向けて搬送し、脱穀装置4において刈取穀稈の穂先側に対して脱穀処理を施すとともに脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施し、その選別処理で得られた穀粒をグレンタンク7に貯留する一方で脱穀処理後の排ワラを排ワラ処理部5にて機外に排出するようになっている。
【0018】
図1に示すように、グレンタンク7に貯留された穀粒は、底スクリュー8によって後方に搬送されるとともに、グレンタンク7の後端に備えられたアンローダ9によって畦の運搬車等の荷台に移し変えられるようになっている。アンローダ9は、縦スクリューコンベア9Aと、その縦スクリューコンベア9Aの上端に横向き軸芯周りで上下揺動自在に連結された横スクリューコンベア9Bと、その横スクリューコンベア9Bの先端に形成された放出口9Cとを備えて、構成されている。
【0019】
次に、脱穀装置4の構成について説明する。図2に示すように、脱穀装置4は、脱穀フィードチェーン10に挾持されて扱室11内に搬送されてくる刈取搬送穀稈に対して扱ぎ処理を加える扱胴12、扱胴12で処理された穀粒を下方に漏下する受網13、受網13の下方に揺動選別部14を備えて構成されている。揺動選別部14は、受網13から漏下される穀粒を含む処理物を受けて後方に送りながら比重選別を行うグレンパン15と、このグレンパン15から送られる処理物と扱室11の後半部より受網13を通して漏下する処理物を受けて穀粒を落下させるチャフシーブ16と、チャフシーブ16の下方に穀粒を主として選別して下方に漏下させるグレンシーブ17とを備え、これらチャフシーブ16、グレンシーブ17へ落下する処理物に対して選別風を作用させる唐箕18を設けて、風選別作用を加えるべく構成されている。
【0020】
上記構成に加えて、揺動選別部14には、グレンシーブ17より漏下する穀粒を19Bによりグレンタンク7に搬入する一番物穀粒搬送装置19と、その一番物穀粒搬送装置19の機体後方側で選別風によって送られる穂切粒と枝梗付粒とを混在した二番物を縦搬送用スクリューコンベア26により扱室11に還流する二番物穀粒搬送装置20と、機体後端に藁屑等を機外に排出する排塵ファン42とが配置構成されている。
【0021】
次に、二番物穀粒搬送装置20の構造について説明する。図3に示すように、二番物穀粒搬送装置20は、揺動選別部14の下方に扱胴軸芯とは直交する左右横方向に沿って配設された横搬送用スクリュー軸21にスクリュー22を備えた横搬送用スクリューコンベア23と、横搬送用スクリューコンベア23から二番物を受取り、扱室11内に還流させる上下方向に配置された縦搬送用スクリュー軸24にスクリュー25を備えた縦搬送用スクリューコンベア26と、縦搬送用スクリューコンベア26の上端に一体回転自在に取り付けた回転羽根27と、回転羽根27に対向して形成された排出口28とで構成されている。
【0022】
図3に示すように、横搬送用スクリューコンベア23のスクリュー軸21と縦搬送用スクリューコンベア26のスクリュー軸24とが正面視で交差するように、横搬送用スクリュー軸21の穀粒搬送下手側端部を、縦搬送用スクリュー軸24を越えた位置まで延設するとともに縦搬送用スクリュー軸24の下方側端部を前記横搬送用スクリュー軸21を越えた下方位置まで延設し、横搬送用スクリューコンベア23と縦搬送用スクリューコンベア26とを、交差部における横搬送用スクリュー軸21の軸芯X1と縦搬送用スクリュー軸24の軸芯X2との間の距離が、横搬送用スクリュー軸21の軸芯X1から横搬送用スクリュー22の外形までの半径と縦搬送用スクリュー軸24の軸芯X2から縦搬送用スクリュー25の外形までの半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、交差部における横搬送用スクリュー22と縦搬送用スクリュー25との少なくとも一方のスクリュー22、25を両者のスクリュー同士が干渉しないように切欠くか設けないもので、図3では、横搬送用スクリュー軸21が縦搬送用スクリュー25の半径範囲内に位置するように、当該横搬送用スクリュー軸21を縦搬送用スクリュー軸24に当接する直前の位置まで近接配置し、横搬送用スクリュー22の搬送下手側端部における縦搬送用スクリュー25とオーバーラップする箇所のスクリュー部分を無くし、且つ、縦搬送用スクリュー25における横搬送用スクリュー軸21が通る箇所の縦搬送用スクリュー部分を削除してある。削除範囲は、横搬送用スクリュー軸21の直径よりも少し長い寸法である。
【0023】
横搬送用スクリューコンベア23の穀粒搬送下手側端部と縦搬送用スクリューコンベア26の下方側端部とに渡って伝動装置29を収納する伝動ケース30を設けてある。伝動装置29は、横搬送用スクリューコンベア23の駆動力を縦搬送用スクリューコンベア26に伝動するように、図3に示すように、縦搬送用スクリュー軸24の下方の軸端部に第1ベベルギヤ31を設けるとともに、横搬送用スクリュー軸21と平行に設けた軸32に第1ベベルギヤ31とを噛合する第2ベベルギヤ33を設けて、平行軸32と縦搬送用スクリュー22を越えて延設した横搬送用スクリュー軸21の軸端部とにそれぞれ噛み合う歯車34、35を備えている。
【0024】
ベベルギヤ31、33及び歯車34、35は伝動ケース30に支持されており、この伝動ケース30から上方に向けて縦搬送用スクリュー25を収納する縦搬送用スクリューケース36が延出されている。縦搬送用スクリューケース36の上端には出口ケース37が装着されており、この出口ケース37が脱穀側板4Aに取り付け構成されている。
【0025】
縦搬送用スクリューケース36は、左右二つ割りケース36A、36Bで構成されており、外側の二つ割りケース36Aをボルトにより着脱自在に取り付けられ、メンテナンス時には、外側ケース36Aを取り外して、縦搬送用スクリュー25に対する保守点検作業を行い易くなっている。
【0026】
伝動ケース30の横外壁面に平行軸32の軸芯方向外方に向けて取外し可能な分離蓋38を設けてある。
【0027】
外ケース36Aの内面には、二番物に接触する多孔状の粗面を備えた処理材41を設け、籾の枝梗等を除去する構成を採っている。図3に示すように、処理材41としては不織布を一枚板に形成したものを使用してあり、二番物を揚穀する縦向きに立設してある縦搬送用スクリューケース36の中間位置にその処理材41が接着してある。縦搬送用スクリューコンベア26で持ち上げられる二番物である籾を上昇途中でこの処理材41の多孔状の粗面に接触させて、籾の表面に突出する枝梗等が引っ掛かり作用や擦り作用等を受けて、籾より擦り取られることになる。
【0028】
図5は、クローラ式走行装置1の駆動スプロケット43の正面図、図6は図5の要部断面図である。駆動スプロケット43は長く使っていると徐々に磨耗する。従来は、磨耗量を感覚的な目視により交換していた。しかし、感覚的な目視では必ずしも適正な交換時期に交換されていたとはいい難いものであった。
図5は、駆動スプロケット43の磨耗による使用限界(交換時期)が分かるように、使用限界となる位置に段部Sを形成し、段部Sを越えて磨耗すると使用限界を越えていると判定して、駆動スプロケット43を交換するように磨耗判定基準表示を施したものである。
図5に示す段部Sは外周部の厚みを回転中心側よりも多少厚く形成してある。
【0029】
段部Sよりも外周部の厚みを回転中心側よりも薄く形成してもよい。段部に代えて、使用限界線として切り込み線を施してもよく、又、図7に示すように三角形の凹部マークVを刻印して、三角形凹部の底辺を越えると使用限界に達したと判定するように構成してもよい。
【0030】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
【0031】
(イ) 本発明においては、横搬送用スクリュー軸21は縦搬送用スクリュー軸24と多少離れていてよいが、正面視における両スクリュー軸21、24の交差部における横搬送用スクリュー軸21の軸芯X1と縦搬送用スクリュー軸24の軸芯X2との間の距離が、横搬送用スクリュー軸21の軸芯X1から横搬送用スクリュー22の外形までの半径と縦搬送用スクリュー軸24の軸芯X2から縦搬送用スクリュー25の外形までの半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、前記交差部における横搬送用スクリュー22と縦搬送用スクリュー25のスクリュー同士が干渉しないように、両スクリュー22、25、又はいずれか一方のスクリュー22、25とする、少なくとも一方のスクリュー22、25を切欠くように構成してもよい。
【0032】
(ロ) 横搬送用スクリュー軸21の軸端部に第1ベベルギヤを設け、縦搬送用スクリュー軸24と平行な軸を設けて、この平行軸に設けた第2ベベルギヤと第1ベベルギヤとを噛合させるとともに、平行軸と縦搬送用スクリュー軸24とを歯車伝動するように攻勢してもよい。
(ハ) 又、上記歯車伝動の歯車に代えて、無端回動体により動力伝達するように構成してもよい。
(ニ) 図4に示す実施形態は二番物穀粒搬送装置20についてのものであるが、本発明は、一番物穀粒搬送装置19、或いはグレンタンク7の底スクリュー8とアンローダ9の縦スクリューコンベア9Aによって構成される穀粒搬送装置に対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】脱穀装置を示す縦断側面図
【図3】二番物搬送装置の縦断正面図
【図4】二番物搬送装置の縦断側面図
【図5】駆動スプロケットの正面図
【図6】駆動スプロケットの要部断面図
【図7】別形態の駆動スプロケットの使用限界の表示部を示す正面図
【符号の説明】
【0034】
21 横搬送用スクリュー軸
22 横搬送用スクリュー
23 横搬送用スクリューコンベア
24 縦搬送用スクリュー軸
25 縦搬送用スクリュー
26 縦搬送用スクリューコンベア
29 伝動装置
30 伝動ケース
31 第1ベベルギヤ
32 平行軸
33 第2ベベルギヤ
34 歯車
35 歯車
38 分離蓋
X1 横搬送用スクリュー軸の軸芯
X2 縦搬送用スクリュー軸の軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に配置した横搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸と上下方向に配置した縦搬送用スクリューコンベアのスクリュー軸とが交差するように、前記横搬送用スクリュー軸の穀粒搬送下手側端部を前記縦搬送用スクリュー軸を越えた位置まで延設するとともに前記縦搬送用スクリュー軸の下方側端部を前記横搬送用スクリュー軸を越えた下方位置まで延設し、前記横搬送用スクリューコンベアの穀粒搬送下手側端部と前記縦搬送用スクリューコンベアの下方側端部とに渡って伝動ケースを設け、この伝動ケース内に前記横搬送用スクリューコンベアの駆動力を前記縦搬送用スクリューコンベアに伝動する伝動装置を収納し、前記横搬送用スクリューコンベアと前記縦搬送用スクリューコンベアとを、交差部における前記横搬送用スクリュー軸の軸芯と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯との間の距離が、前記横搬送用スクリュー軸の軸芯から横搬送用スクリューの外形までの半径と前記縦搬送用スクリュー軸の軸芯から縦搬送用スクリューの外形までの半径との和の距離よりも短くなる位置関係で近接配置し、前記交差部における前記横搬送用スクリューと前記縦搬送用スクリューとの少なくとも一方のスクリューを両者のスクリュー同士が干渉しないように切欠くか設けていないことを特徴とする穀粒搬送装置。
【請求項2】
前記横搬送用スクリュー軸を縦搬送用スクリューの半径距離よりも縦搬送用スクリュー軸に近接配置し、前記横搬送用スクリューの搬送下手側端部における縦搬送用スクリューとオーバーラップする箇所のスクリュー部分を無くし、且つ、縦搬送用スクリューにおける前記横搬送用スクリュー軸が通る箇所の縦搬送用スクリュー部分を削除してある請求項1に記載の穀粒搬送装置。
【請求項3】
前記伝動装置を、前記横搬送用スクリュー軸と前記縦搬送用スクリュー軸の一方の軸端部に第1ベベルギヤを設け、他方の軸と平行な軸を設けて、この平行軸に設けた第2ベベルギヤと前記第1ベベルギヤとを噛合させるとともに、前記平行軸と一方の軸とを歯車又は無端回動体により動力伝達するように構成してある請求項1または2に記載の穀粒搬送装置。
【請求項4】
前記伝動ケースに前記平行軸の軸芯方向外方に向けて取外し可能な分離蓋を設けてある請求項3に記載の穀粒搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−240212(P2009−240212A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90310(P2008−90310)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】