説明

空気調和機

【課題】筐体を小型化しつつ、吹出口から吹き出された風の吹出し方向を変えることができ、本体を片手で安定して持ち運ぶことが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】筐体10の上面18の一部を水平方向に一定の深さと幅を持たせて堀り下げ、その底部に吹出口22を設けた溝部12と、筐体10の上面18の中央を通り、溝部12の上を跨いで交差させ、筐体10の上面位置に沿って水平方向に固定配置された取っ手部13と、取っ手部13が溝部12の上を跨いで上方に開口した第1および第2開口部14,15と、吹出口22の上方にある第1開口部14を取っ手部13と接して全体を覆う全閉状態から全開状態までの開度と風向とが変えられるルーバ16とを備え、吹出口22から上方へ吹出された空気がルーバ16の開度に応じて、第1開口部14と第2開口部15とに分岐して吹出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体上面に吹出口が設けられ、吹出口から吹出される風を所定方向に導く送風路を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機本体の上面に吹出口が設けられていて、その上に吹出口から吹き出された風を所定方向に導く送風路が配置され、その送風路の一部が本体を持ち運ぶ際の取っ手として兼用されている構造を備えた空気調和機が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−118856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1にあっては、空気調和機本体の上面に吹出口が設けられ、その吹出口から吹き出された風を導くための送風路を吹出口のさらに上部に設けることにより、開口部が正面を向くように配置されている。そして、その送風路の一部は、空気調和機本体を持ち運ぶ際の取っ手と兼用している。このため、特許文献1は、取っ手を兼ねた開口部の高さ分だけ機器本体が大型化するという問題があった。
【0005】
また、上記の特許文献1にあっては、送風路を構成している空気誘導部が固定であるため、開口部の吹出口が前方向のみとなり、風が直接人に当たる他、室内の空気を循環させるサーキュレーション効果が劣るという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本体の上面に吹出口が設けられ、その吹出口から吹出された風を導く送風路を設けても機器本体が大型化することがなく、風の吹出し方向を変えることができ、本体を片手で安定して持ち運ぶことが可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気調和機は、空気の吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口と前記吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、前記筐体の上面の一部を堀り下げて形成し、その底部に前記吹出口が設けられた溝部と、前記筐体の上面の中央を通り、前記溝部の上を跨ぐように前記筐体の上面位置に沿って水平方向に固定配置された取っ手部と、前記取っ手部が前記溝部の上を跨ぐことで上方に開口された第1および第2開口部と、前記吹出口の上方にある前記第1開口部を開閉するルーバと、を備え、前記吹出口から上方へ吹出された前記空気が前記ルーバの開度に応じて、前記第1開口部と前記第2開口部とに分岐して吹出されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の空気調和機において、前記取っ手部の下部側に段差部が設けられ、前記ルーバが全閉状態の時に、前記吹出口から上方へ吹出された前記空気は、前記ルーバに当たって前記段差部で一旦押し下げられた後、前記第2開口部から水平方向に吹出されることが好ましい。
【0009】
また、本発明の空気調和機において、前記ルーバは、一端が回動可能に支持された単板で構成され、その先端部が前記取っ手部と接した状態で前記第1開口部全体を覆い、前記先端部と前記取っ手部とが離れて全開状態になることが好ましい。
【0010】
また、本発明の空気調和機において、前記ルーバは、前記全閉状態から前記全開状態までの間において所定の開度と風向位置で止めることのできる節度機構を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筐体を小型化しつつ、吹出口から吹き出された風を前方側から上方まで吹出し方向を変えることができ、本体を片手で安定して持ち運ぶことが可能な空気調和機が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例にかかる空気調和機の外観斜視図である。
【図2】図2は、図1のW−W線断面図である。
【図3】図3は、ルーバの回転軸部分を示す斜視図である。
【図4】図4は、ルーバを取り外した空気調和機の上面斜視図である。
【図5】図5は、図4の空気調和機にルーバを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、空気調和機のルーバを閉じた状態の断面図である。
【図7】図7は、空気調和機のルーバを開いた状態の断面図である。
【図8】図8は、図2に示す空気調和機の吹出口付近の風の流れを示す模式図である。
【図9】図9は、図8においてルーバを全開した状態を示す模式図である。
【図10】図10は、図2の矢印X方向からの矢指図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる空気調和機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【実施例1】
【0014】
まず、空気調和機の外観の構成について説明する。図1は、本発明の実施例にかかる空気調和機の外観斜視図であり、図2は、図1のW−W線断面図である。
【0015】
空気調和機100は、ここでは気化フィルタを用いて空気を加湿する加湿機能と、触媒フィルタを用いて空気の脱臭処理を行う脱臭機能の両方を備えている。この空気調和機100は、図1および図2に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筐体10を有している。筐体10の背面には、図2に示すように、空気の吸込口21が形成されている。また、空気調和機100の上面18には、ユーザが空気調和機100を運転操作するための各種ボタンやランプ等が配置された操作パネル23が配されている。
【0016】
本実施例1にかかる空気調和機100は、図2に示すように、筐体10に空気の吸込口21と吹出口22とが設けられていて、その吸込口21と吹出口22とを結ぶ空気通路24が内部に形成されている。
【0017】
本実施例1にかかる空気調和機100の特徴的な構成は、筐体10の上面18の一部に水平方向に所定の深さと幅とを持たせて堀り下げられた溝部12が形成され、この溝部12の底部には、上述した吹出口22が設けられている。そして、取っ手部13は、棒状の取っ手が筐体10の上面18の中央を通っており、溝部12の上を跨ぐように筐体10の上面18に沿って水平方向に固定配置されている。
【0018】
また、取っ手部13は、溝部12の上を跨ぐことで、上方に開口した第1開口部14と第2開口部15とを形成している。そして、吹出口22の上方にある第1開口部14は、取っ手部13と接するルーバ16の開き具合によって、全体を覆う全閉状態から、全体を開く全開状態までの開度と風向とを変えられるようになっている。このため、ルーバ16が全閉状態の時は、吹出口22から吹出された空気が溝部12を通って、第2開口部15から吹出される。また、ルーバ16が開いている状態の時は、ルーバ16の開度に応じて、吹出口22から吹出された空気が第1開口部14と第2開口部15に分岐して吹出される。もう一方の第2開口部15は、溝部12の斜面を緩やかに形成した開口部斜面19を備えている。
【0019】
また、図2に示すように、実施例1にかかる空気調和機100は、取っ手部13とルーバ16とが接する部分よりも下部側に段差部17が図2の奥行き方向に沿って延在されている。この段差部17は、ルーバ16が全閉状態の時に、吹出口22から上方へ吹出された空気がルーバ16に沿って前記第2開口部15へ向かって流れ、段差部17で一旦押し下げる空気の流れを作り出す作用を持っている。
【0020】
続いて、図3〜図7を用いて、ルーバの開閉機構を説明する。図3は、ルーバの回転軸部分を示す斜視図であり、図4は、ルーバを取り外した空気調和機の上面斜視図であり、図5は、図4の空気調和機にルーバを取り付けた状態を示す斜視図であり、図6は、空気調和機のルーバを閉じた状態の断面図であり、図7は、空気調和機のルーバを開いた状態の断面図である。
【0021】
ルーバ16は、図3に示すように、矩形形状の板の一端の両側から回転軸16aが突き出てていて、その回転軸16aの付け根部分に放射状の凹凸部が形成された扇形の節度機構16bが固定されている。また、ルーバ16の他端には、ルーバ16を手動で開閉する際の持ち手16cが形成されている。ルーバ16を取り付ける第1開口部14の両端には、図4に示すように、ルーバ16の回転軸16aの軸受け部10aが設けられ、その直下には突起10bが形成されている。この突起10bは、ルーバ16の回転軸16aを第1開口部14の軸受け部10aに貫入する際に、節度機構16bの凹凸部と係合し、ルーバ16を開閉させると節度機構16bの凹凸部に突起10bが入り込み、所定の角度でルーバ16を止めることができる。
【0022】
図5は、第1開口部14にルーバ16を取り付け、第1開口部14から上方へ風が吹出せるように、ルーバ16を垂直位置まで開いた状態を示している。ルーバ16の節度機構16bは、この位置の凹凸部に突起10bが入り込むことで、ルーバ16の角度を保持している。
【0023】
また、ルーバ16を閉じた場合は、図6に示すように、取っ手部13に設けられた爪部13cにルーバ16の先端が当接し、これ以上ルーバ16が下がらないように保持している。また、ルーバ16を開いた場合は、図7に示すように、ルーバ16が第1開口部14の内壁部10cに突き当たり、これ以上ルーバ16が開かないように保持している。もちろん、節度機構16bは、これに限るものではなく、モータ動力によりルーバ16の角度を変更し、その位置を保持させるようにしても良い。
【0024】
以上のように構成された空気調和機に基づいて、空気調和機の吹出口付近の風の流れを図2、図8および図9を用い説明する。図8は、図2に示す空気調和機の吹出口付近の風の流れを示す模式図であり、図9は、図8においてルーバを全開した状態を示す模式図である。
【0025】
本実施例1にかかる空気調和機100は、ルーバ16が全閉状態の時、図2に示す吸込口21の白抜き矢印Aから吸い込まれた室内の空気が空気通路24内を通り、図8に示す白抜き矢印B、C、D、E、Fの経路で流れて、第2開口部15から吹出される。この第2開口部15は、上方を向いた開口部であるので、空気の流れとしては第2開口部15を出る際に、上向きに吹出される。しかし、本実施例1にかかる空気調和機100は、溝部12の送風路の途中に取っ手部13が配置されているため、送風される空気が取っ手部13の下を潜ってから、第2開口部15から吹出される。この空気の流れは、図8に示すように、ルーバ16と取っ手部13とその下部側に設けられた段差部17とによって溝部12を蛇行しながら流れ(白抜き矢印D参照)、第2開口部15に設けられた緩やかな開口部斜面19に沿って登り、そのまま吹出されるため、上面18の操作パネル23の上を水平方向に吹出すことが可能となる(白抜き矢印F参照)。
【0026】
また、本実施例1にかかる空気調和機100は、ルーバ16が全開状態の時、図9に示すように、空気通路24内を通過してきた白抜き矢印Bの空気が吹出口22から第1開口部14を通ってそのまま上方へ吹出される(白抜き矢印G参照)。また、図9に示すように、後述するオゾン発生ユニット73内へ取り込まれた空気は(白抜き矢印C参照)、オゾンを含む空気となって、低濃度オゾン吹出口78から外へ放出される(白抜き矢印H参照)。この時のオゾンを含む空気の流れは、取っ手部13を挟んで左右に分岐され、第1開口部14と第2開口部15の両方から上方へ吹出される。
【0027】
さらに、本実施例1にかかる空気調和機100は、ルーバ16の角度を所定の角度に調整することにより、そのルーバの角度に応じた方向に送風することが可能となる。これにより、空気調和機100は、吹出し対象がカーテンや衣類のように種々の高さにあったとしても、オゾンやマイナスイオンを含む空気を対象に向けて効率良く吹出すことが可能となる。
【0028】
このように、本実施例1の空気調和機100は、図2に示すように、吸込口21が筐体10の上面18の一部を水平方向に所定の深さと幅を持たせて堀り下げた溝部12の底部に設けられているため、ルーバ16を上面18の位置とほぼ同じ高さに保ちつつ、溝部12の中を水平方向に流れる送風路を作り出すことが可能となり、機器の大きさを小型化することができる。
【0029】
また、本実施例1の空気調和機100は、堀り下げられた溝部12の深さを利用して、取っ手部13を上面18の中央に配置し、空気調和機100を持ち上げる際に、手を溝部12の中に入れて取っ手部13を握ることが可能となるため、筐体を小型化しつつ、片手で安定して持ち運ぶことができる。特に、手を溝部12に入れる第2開口部15側は、斜面の傾斜を緩やかにした開口部斜面19で構成されているため、より一層手が入れ易くなるという効果が得られる。
【0030】
さらに、本実施例1の空気調和機100は、図2示すように、取っ手部13とルーバ16とが接する部分よりも下部側に段差部17が設けられているため、ルーバ16が閉じられた状態で取っ手部13を握る際に、より一層握り易くなるという利点がある。
【0031】
また、本実施例1の空気調和機100は、図9示すように、ルーバ16を開くと取っ手部13が出現するため、握り易く、どちらの方向からでもしっかり取っ手部13を掴むことができる。
【実施例2】
【0032】
次に、実施例2にかかる空気調和機100の構成を図2、図8および図9を用いて説明する。図2に示す空気調和機100は、筐体10の内部に吸込口21から吹出口22までを結ぶ空気通路24が形成されている。
【0033】
この空気通路24の途中に設けられた送風機20は、ファンモータ20aとシロッコファンなどのファン20bで構成されており、ファンモータ20aがファン20bを回すことによって、吸込口21から外部空気が機器内へ導入される(白抜き矢印A参照)。
【0034】
導入された空気は、既存の脱臭器等で使用されているプレフィルタ70と集塵フィルタ71を通過する間に、除塵される。そして、集塵フィルタ71の風下側には、脱臭ユニット40が配置されている。この脱臭ユニット40は、触媒フィルタ41を用いて脱臭処理を行うと共に、ヒータユニット46により触媒フィルタ41を定期的に加熱することで、触媒に付着した臭い成分の分解を促進し、触媒フィルタ41を繰り返し再生できるようになっている。脱臭ユニット40は、触媒フィルタ41およびヒータユニット46を両側から挟むように、通気性を有する一対の板状断熱材42が配置されて構成されている。
【0035】
脱臭ユニット40のさらに風下側には、水を吸水して湿潤した状態で通過する空気に湿度を与える気化フィルタを含む加湿ユニット30が配置されている。加湿ユニット30で加湿された空気は、送風機20のファン20bによって空気通路24を白抜き矢印BおよびC方向に送られ(図8、図9参照)、さらに白抜き矢印D、E、F、あるいは、白抜き矢印G、Hのように、吹出口22、および低濃度オゾン吹出口78を通って、第1開口部14、あるいは、第2開口部15から吐出される。
【0036】
また、実施例2の空気調和機100は、図2、図8および図9に示すように、オゾン発生ユニット73を備えている。送風機20により空気通路24内を流通する空気は、白抜き矢印Bから白抜き矢印Cが分岐してオゾン発生ユニット73内へ流入する。オゾン発生ユニット73内へ取り込まれた空気は、水銀ランプなどのUV(紫外線)ランプ74で照射されると、オゾンが発生する。このオゾンは、加湿ユニット30の気化フィルタの他、空気中の除菌や脱臭を行うことができる。このオゾン発生ユニット73で発生した残留オゾンは、酸化チタンなどのオゾン分解触媒77を通って分解され、低濃度オゾン吹出口78から外へ放出される(白抜き矢印E参照)。
【0037】
さらに、実施例2の空気調和機100は、図2、図8および図9に示すように、マイナスイオンを発生するイオナイザ79がここでは空気通路24内に配置されている。イオナイザ79は、針状の電極を備えており、電極に例えば数kVの高電圧を印加すると、電極の先端でコロナ放電が生じ、マイナスイオンとオゾンを発生させる。イオナイザ79から発生したマイナスイオンは、同じくイオナイザ79やオゾン発生ユニット73から発生したオゾンと反応して、強い酸化力を有するOHラジカルを生成する。
【0038】
実施例2の空気調和機100においては、上記実施例1と同様に、脱臭ユニット40で脱臭された空気は、空気通路24を通って吹出口22から吹出されると、図8に示すルーバ16が全閉状態の場合、ルーバ16に沿って第2開口部15へ向かって流れ、段差部17で一旦押し下げられた後、溝部12を伝って第2開口部15から吹き出される一連の空気の流れが形成される。この空気は、イオナイザ79が空気通路24内に配置されているため、マイナスイオンを含んだ脱臭された空気となる。また、上記オゾン発生ユニット73で発生したオゾンは、低濃度オゾン吹出口78から外へ放出される際に(白抜き矢印E参照)、上記した脱臭された空気の流れ(白抜き矢印D参照)に取り込まれて合流し、第2開口部15から水平方向に吹出される。ここで、上記した低濃度オゾン吹出口78は、図8に示すように、吹出口22の隣接位置から第2開口部15付近までの幅を持っている。このため、図8の取っ手部13の位置よりも吹出口22に近い低濃度オゾン吹出口78から放出されるオゾンは、吹出口22から吹出される脱臭された空気の流れに取り込まれ(白抜き矢印DおよびE参照)、第2開口部15へ送られる。また、図8の取っ手部13の下から第2開口部15寄りに設けられた低濃度オゾン吹出口78から放出されるオゾンは、第2開口部15に近いため、そのまま上方へ放出される可能性がある。しかし、この低濃度オゾン吹出口78から放出されたオゾンは、吹出口22から吹出される脱臭された空気の流れがあるため、これに抑えられて取り込まれ、第2開口部15から水平方向に吹出される(白抜き矢印D、E、F参照)。
【0039】
このように、実施例2の空気調和機100は、ルーバ16を全閉状態にすると、マイナスイオンおよび低濃度オゾンを含む脱臭空気を空気調和機の前方側(水平方向)に吹出すことができるので、床面付近のイオン濃度やオゾン濃度を上げることが可能となり、床に沈降するダニ、花粉、ペット由来のアレルゲン等を効果的に不活性化することができる。
【0040】
また、実施例2の空気調和機100において、図9に示すルーバ16が全開状態の場合は、脱臭ユニット40で脱臭された空気は、空気通路24を通過し吹出口22から第1開口部14を通って上方へ吹出されると共に(白抜き矢印G参照)、オゾン発生ユニット73で発生したオゾンを含む空気が低濃度オゾン吹出口78を通って、第1開口部14と第2開口部15に分岐して上方へ吹出される(白抜き矢印H参照)ので、マイナスイオンあるいはオゾンを含まれた脱臭された空気を上方向にも吹出すことができる。
【実施例3】
【0041】
次に、実施例3にかかる空気調和機100は、図1の矢印X方向から見た図10に示すように、棒状の取っ手部13が空気調和機100の上面18の中央に、溝部12の上を跨ぐように配置されると共に、溝部12の両側から中央部に向かうに従って取っ手部13の厚さを徐々に減少させるテーパー部13a,13bが形成されている。このテーパー部13a,13bは、テーパーの傾きやテーパーの形状を変えて形成することができ、これにより、取っ手部13の持ち手部分の幅Iの長さを変えることができる。持ち手部分の幅Iの長さは、人の手で持つことを想定している。この実施例3では、取っ手部13の持ち手部分の幅Iを140mmとしているが、一例であってこれに限定されない。
【0042】
また、取っ手部13のテーパー部13a,13bは、その形状を変えることによって、図2に示す、第2開口部15の開口面積を狭めたり、広げたりする調整が可能となる。この第2開口部15の開口面積を狭めると吹出口22から吹出される風速が上がり、開口面積を広げると吹出口22から吹出される風速を下げることができる。特に、上記実施例では、図8と図9に示すように、ルーバ16を開く角度を変えて第1開口部14の開度を変化させることができ、また、テーパー部13a,13bをどのような形状にするかによっても第2開口部15の開口面積を変えることができる。このように、第1開口部14と第2開口部15との開口面積の割合が適宜調節可能なため、ファンモータ20aの能力、省電力化、空気清浄を行う対象等に合わせて、最適な設計を行うことが可能となる。さらに、使用者は、マイナスイオンやオゾンを含む脱臭空気等の吹出し方向をルーバ16によって変えられることは、非常に利便性が高い。
【0043】
なお、上記実施例では、図1に示すように、ルーバ16を単板で構成した例で説明したが、必ずしもこれに限定されず、連動して回動可能な並列された複数の板を用いてルーバを構成し、上下方向だけでなく、左右方向にも風向きを可変できるようにしても良い。これによって、吹出される風向きのムラを低減することができ、風向制御の面でより一層好ましい効果を得ることができる。
【0044】
なお、上記実施例1〜3においては、一般的な空気調和機100として説明したが、具体的には、空気清浄機、脱臭機、加湿器、および除湿器等に好適に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、本体を大型化することなく、片手でも安定して持ち運ぶことのできる空気調和機に有用であり、特に、本体上面に設けられた吹出口から吹出された空気の送風方向を可変できる空気調和機に適している。
【符号の説明】
【0046】
100 空気調和機
10 筐体
10a 軸受け部
10b 突起
10c 内壁部
12 溝部
13 取っ手部
13a,13b テーパー部
13c 爪部
14 第1開口部
15 第2開口部
16 ルーバ
16a 回転軸
16b 節度機構
16c 持ち手
17 段差部
18 上面
19 開口部斜面
20 送風機
20a ファンモータ
20b ファン
21 吸込口
22 吹出口
23 操作パネル
24 空気通路
30 加湿ユニット
40 脱臭ユニット
41 触媒フィルタ
42 板状断熱材
46 ヒータユニット
70 プレフィルタ
71 集塵フィルタ
73 オゾン発生ユニット
74 UVランプ
77 オゾン分解触媒
78 低濃度オゾン吹出口
79 イオナイザ






【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の吸込口と吹出口とを有し、前記吸込口と前記吹出口とを結ぶ空気通路を内部に有する筐体と、
前記筐体の上面の一部を堀り下げて形成し、その底部に前記吹出口が設けられた溝部と、
前記筐体の上面の中央を通り、前記溝部の上を跨ぐように前記筐体の上面位置に沿って水平方向に固定配置された取っ手部と、
前記取っ手部が前記溝部の上を跨ぐことで上方に開口された第1および第2開口部と、
前記吹出口の上方にある前記第1開口部を開閉するルーバと、
を備え、
前記吹出口から上方へ吹出された前記空気が前記ルーバの開度に応じて、前記第1開口部と前記第2開口部とに分岐して吹出されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記取っ手部の下部側に段差部が設けられ、
前記ルーバが全閉状態の時に、前記吹出口から上方へ吹出された前記空気は、前記ルーバに当たって前記段差部で一旦押し下げられた後、前記第2開口部から水平方向に吹出されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記ルーバは、一端が回動可能に支持された単板で構成され、その先端部が前記取っ手部と接した状態で前記第1開口部全体を覆い、前記先端部と前記取っ手部とが離れて全開状態になることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記ルーバは、前記全閉状態から前記全開状態までの間において所定の開度と風向位置で止めることのできる節度機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気調和機。

























【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate