説明

窓ガラス取付け要素

【課題】支持構造に固定するためのプラスチック成形体が設けられた高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素を提供する。
【解決手段】高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素は真空が間に形成されている少なくとも2枚のガラス板から構成され、これらガラス板はその全表面にわたって分布された取付け台によって相互に分離されまた無機質のシールによりその周縁の周りで相互に接合されている。前記窓ガラス取付け要素の外面の少なくとも一部が少なくとも1つのプラスチック成形体によって被覆されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック成形体が設けられた高い絶縁能力を有し、特に支持構造に締結されるよう意図された、ガラスを窓枠に嵌める要素に関する。
【0002】
本発明はさらに詳細には、高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素を支持構造に、該取付け要素を周囲のプラスチック枠を用い周縁を介して締結する技術により、固定することに関する。
【0003】
本発明は周縁のプラスチック枠を射出成形により付着する技術を用いて付着する方法を参照して以下に記載されるが、本発明はこの型の付着に限定されるものではない。
【背景技術】
【0004】
一般に、このように固定された窓ガラス取付け要素は一枚構造の窓ガラス組立体又は積層された窓ガラス組立体である。事実、このような窓ガラス組立体はその構造と機械的な作用のため、その周縁の周りに成形体を容易に設けることができる。射出成形によりプラスチック成形体を一枚構造の又は積層された窓ガラス組立体の上に付着する通常の技術は多くの文献に広く記載されている。これらの技術は大量の研究と多くの改良の対象を形成する。現在これらの技術は良く制御され広く用いられている。しかし、これらの型の窓ガラス組立体は現在の構造に要求されている音響及び熱的快適性の規準には合致しない。
【0005】
熱及び/又は音響絶縁を達成するために、比較的大きな空気の空洞によって相互に離間された2つの物質からなる絶縁窓ガラス組立体を製造することが普通であり、この空洞のシールは周縁シールにより公知の方法で得られ、また窓ガラス組立体は以後支持枠と称される枠によって支持される。
【0006】
上記の基板の各々は一枚板のガラスとすることができ又は積層された構造を有することができる。しかし、周縁のプラスチック枠を付着させる通常の技術は一定の問題を生じることを知らねばならない。これは上記のような絶縁窓ガラス組立体がその周縁のシールの性質のため、高い周縁の圧力に耐えるように設計されていないからである。例えば熱可塑性射出成形技術に必要なような高い圧力を加えることは周縁のシールが押しつぶされることになり、またその結果絶縁窓ガラス板を構成しているガラス板の変形をひき起こし、この変形が絶縁窓ガラス板をこわれやすくしまたガラス板を粉々にすることさえも生じることがある。
【0007】
周縁枠を絶縁窓ガラス組立体上に付着する技術は公知である。ヨーロッパ特許第236,211号は水分を取除いた空気の空洞によって分離された2つのガラス板からなる窓ガラス組立体を記載している。周縁シールは高圧下の本来反応性の射出成形によって得られる。けん引手段を含む装置がこの窓ガラス組立体を製造するために提案されており、この手段は窓ガラス組立体の各ガラス板を成形作用中型の壁に押しつける。このようにして、周縁シールは押しつぶされるのが防止される。
【0008】
したがって通常の付着技術を絶縁窓ガラス組立体に適用する時適応できるようにしそれにより窓ガラス組立体のコストを著しく増大させることが必要となる。
【0009】
さらに、この通常の絶縁窓ガラス組立体はある用途にとっては不満足であると考えられる水準の熱絶縁をもたらす。これを解決するため、3枚のガラスからなり空気の空洞の1つがクリプトンのようなガスで充たされた空洞に置換えられた窓ガラス組立体を製造することが知られている。これらの窓ガラス組立体は絶縁特性を著しく向上させるが、その構造と機械的作用は、この窓ガラス組立体を特に構造物型の窓ガラスの取付けにおいては用いるのが容易でないようなものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第236,211号
【特許文献2】ヨーロッパ特許出願公開0,645,516号
【特許文献3】ヨーロッパ特許第127,546号
【特許文献4】ヨーロッパ特許第145,443号
【特許文献5】ヨーロッパ特許第121,481号
【特許文献6】ヨーロッパ特許第524,092号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は上記の様々な欠点をなくする周縁のプラスチック枠が設けられた絶縁窓ガラス組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の対象はしたがって、間に真空が形成された少なくとも2枚のガラスからなる高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素であり、これらのガラス板は全表面にわたって分布された取付け台によって相互に分離され無機質のシールによってその周縁の周りで相互に接合され、この窓ガラス取付け要素は、その外側表面の少なくとも一部が少なくとも1つのプラスチック成形体により被覆されまた好ましくはその周縁の少なくとも一部が同様にその面の少なくとも一方の上で被覆されている。
【0013】
ヨーロッパ特許出願公開0,645,516号は真空が形成された小さな空隙により相互に離間された2枚のガラスからなる絶縁窓ガラス組立体を記載している。このガラス板は全表面にわたって分布された取付け台によって相互に分離され無機質のシールによりその周縁の周りで相互に接合されている。このような窓ガラス組立体の構造は、ガラス板の厚さの合計に等しい厚さを有する一枚構造の窓ガラス組立体、すなわちガラス板がその厚さが2枚の厚さの合計である単一の板として作用する一枚構造の窓ガラス組立体と均等の堅さと強度とをもたらす利点を有している。有利には、この型の窓ガラス組立体は著しく改良された熱絶縁特性の小さな厚さを有している。このようにして、高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素はその機械的作用のため、通常の絶縁窓ガラス組立体とは異なり支持枠を必要としない。したがって、このような窓ガラス取付け要素の固定は、この窓ガラス取付け要素の少なくとも一方の面上の周縁の周りに位置するプラスチック成形体により、窓ガラス取付け要素、特に周縁シールを損傷する危険なしに、行うことができる。
【0014】
本発明の変更例によれば、プラスチック成形体はまた窓ガラス取付け要素の薄い縁及び/又は両面を被覆する。このようにして、窓ガラス取付け要素とプラスチック成形体との間の接触領域は大きくなりまた窓ガラス取付け要素は機械的に及び/又は接着剤による結合により所定位置に保持することができる。
【0015】
他の実施態様によれば、プラスチック成形体は取付け要素の全周を被覆する。有利にはプラスチック成形体のこの構造は現場の取扱い、輸送及び取付け作用を行うのを非常に容易にする。これは、この構造が窓ガラス組立体の、さらに詳細にはその縁のより良好な保護をもたらし特にスペーサを挿入する必要なしに窓ガラス組立体を上下に積重ねることができるようにし、窓ガラス取付け表面が成形体の過剰の厚さのため相互に接触しないようになるからである。
【0016】
この保護形態に審美的形態が付加され、プラスチック成形体の外側部分がこの成形体の内側部分と窓ガラス取付け要素の周縁シールとをおおい隠しまたできれば彩色又は着色し窓ガラス取付け要素を固定しようとする支持構造に調和するようにする。
【0017】
本発明の変更例によれば、プラスチック成形体は熱可塑性射出成形又は反応射出成形によって得られた過剰成形異形材である。一体式又は積層式窓ガラス組立体の周囲の縁を過剰射出成形する技術は多くの文献、例えばヨーロッパ特許第127,546号とヨーロッパ特許第145,443号に記載されている。本発明者は本発明の窓ガラス取付け要素へのこのような射出過剰成形技術の適用は窓ガラス取付け要素を損傷したり破砕したりする危険なしにプラスチック成形体を生産することを可能にすることを実証した。これらの窓ガラス取付け要素の機械的強度が一体構造の要素の機械的強度と均等であるので、通常の絶縁窓ガラス組立体と異なり窓ガラス取付け要素の縁に高い圧力を加えることが可能となる。有利には、この射出過剰成形技術はプラスチック成形体が窓ガラス取付け要素の少なくとも一方の面と薄い縁とを被覆する時に使用される。
【0018】
本発明の他の変更例によれば、プラスチック成形体は押出された異形材である。押出し成形は押出しによって予め作られ窓ガラス取付け要素に接着により結合され又は窓ガラス取付け要素の上に直接押出すことのできる任意の型の成形を意味すると理解される。弾性の枠を一体式又は積層式の窓ガラス組立体上に押出しにより付着させる技術は多くの文献、例えばヨーロッパ特許第121,481号及びヨーロッパ特許第524,092号に記載されている。本発明者はこのような押出しによる付着の従来の技術の使用が本発明の窓ガラス取付け要素にとって何らの問題も生じないことを実証した。有利にはこの押出しによる付着技術はプラスチック成形体が窓ガラス取付け要素の一方の面だけを被覆する時に用いられる。
【0019】
いずれの場合も、プラスチック成形体をガラスに良く接着するのを保証するため、窓ガラス取付け要素の周縁周りに付着された接着促進剤がプラスチックを付着する前に用いられる。
【0020】
本発明の有利な実施態様によれば、プラスチック成形体は窓ガラス取付け要素の実質的に平面上に固定構造の一要素を構成する突出部分を有している。これにより、このような成形体が設けられた窓ガラス取付け要素を支持構造に、前記突出部分を支持構造に接着により結合することにより、もしくは前記突出部分を介して釘で止めることにより又は当業者にとって公知の任意の他の手段により、容易に固定することができる。
【0021】
有利には、プラスチック成形体の前記突出部分は、窓ガラス取付け要素を、支持構造に対して、例えば支持構造がこの窓ガラス取付け要素が取付けられる空洞構造からなる場合に中心合わせ(心出し)する手段を構成することができる。
【0022】
本発明の特定の実施態様によれば、前記プラスチック成形体の突出部分は、突起、リム及びストッパのような前記窓ガラス取付け要素の設置取付け及び/又は固定に関係する突出部分を有している。
【0023】
好ましくは、プラスチック成形体は、例えば屋根を構成するための重ね合わせ型の構造として窓ガラス取付け要素の上面の近くのシールリップと前記成形体の突出部分の近くの固定用突起のような、この型式の用途を意図した固定型式にとって適当な形状を有している。この特定の実施態様において、固定用突起は窓ガラス取付け要素が屋根構造の様式で均一に配置されるようにし、シールリップが、前記窓ガラス取付け要素に部分的に重なりこの重なりの組合わせ部分をシールする上側窓ガラス取付け要素と接触するようになる。
【0024】
本発明の好適な実施態様によれば、少なくとも1つのインサートがプラスチック成形体に埋め込まれる。例えば金属で作られたこのようなインサートの存在は、窓ガラス取付け要素を支持構造に固定できるようにし、この固定が例えばスナップ固定型式もしくはボルト止め型式とすることができ、又は窓ガラス取付け要素が相互に固定できるようにする。
【0025】
本発明の有利な変形例によれば、窓ガラス取付け要素のガラス板は焼戻し処理を受ける。この焼戻し作用はガラス板の強度が真空を形成する時に増大するようにし、また窓ガラス取付け要素の全体の強度が様々な用途において増大するようにする。
【0026】
さらに、ガラス板の少なくとも1つが有利にはその内面、すなわち取付け台と接触する面上に低放射率の被膜を有する。この被膜は熱絶縁作用に寄与する。
【0027】
本発明の主題はまた上記の窓ガラス取付け要素の使用である。
【0028】
第1の使用は屋根の構造に関し、窓ガラス取付け要素は被覆タイル又はパネルとして作用する。
【0029】
本発明の好適な実施態様によれば、屋根は前記窓ガラス取付け要素を前記プラスチック成形体の突出部分を介して釘づけ、ボルト止め又はくさび止めすることによる固定方法によって構成される。
【0030】
第2の使用はビルのための大面積のカーテンウォールの構造に関する。この型式の用途は窓ガラス取付け要素の全体を構成するビルのためのカーテンウォールを製造することを可能にし、この窓ガラス取付け要素のうちのあるものは透明であり見るための窓ガラスとして作用し一方他の取付け要素は不透明であり、一般に明るくする機能をもたらす。このようなカーテンウォールは外部から見える最小の表面の不連続部を有している。
【0031】
第3の使用は周囲の室のドア又は壁の構造に関する。この型式の用途は小さな壁の厚さにとってこの種の用途に非常に高い熱絶縁性をもたらす利点を有し、この熱絶縁性は寸法と視感度の規準に合致する全体の厚さを有している通常の絶縁窓ガラス組立体では達成できないものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】その4つの隅部にプラスチック成形体が設けられた高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素の頂面図である。
【図2】その全周にわたってプラスチック成形体が設けられた高絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素の頂面図である。
【図3】本発明の窓ガラス取付け要素の断面図である。
【図4】本発明の窓ガラス取付け要素の第2の実施態様の断面図である。
【図5】本発明の窓ガラス取付け要素の第3の実施態様の断面図である。
【図6】本発明の窓ガラス取付け要素の第4の実施態様の断面図である。
【図7】本発明の窓ガラス取付け要素の第5の実施態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の有利な特徴は図面により示される限定されない典型的な実施態様に関する以下の詳細な記載からさらに明瞭となるであろう。
【0034】
図示された様々な要素の間の比率はこれらの図面では厳密には考えられておらずこれら要素を検討するのをより容易にするものであることを指摘しなければならない。
【0035】
高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素1は真空4が間に形成された2枚のガラス板2と3からなり、これらガラス板は全表面にわたって分布された取付け台5により相互に分離されまた無機質のシール6によりその周縁の周りで相互に接合されている。
【0036】
この表示によれば、ガラス板2はその内面が低い放射率の被膜7で被覆されている。この被膜は例えばサンゴバンビトラージュインターナショナルの名義で出願されたフランス特許第2,701,474号に記載された型式の被膜である。取付け台5は0.2mmの厚さと0.4mmの直径とを有している。これら取付け台はガラス板の全面にわたって分布されまた30mmだけ相互に分離されている。
【0037】
取付け台5はガラス板が例えば熱分解沈着により低放射率被膜7で被覆されついで焼戻された後にガラス板2と3の一方に付着される。半溶けガラスのビードが第2のガラス板の周縁の周りに付着された後、この2枚のガラス板2と3は組立てられそしてこの全組立体が熱処理を受け2つのガラス板2と3を一緒に接合し、シール6が全組立体をシールする。真空が、例えばサンゴバンビトラージュの名義で出願されたフランス特許出願96/09632号に記載された方法のような当業者にとって公知の任意の手段によって、2枚のガラス板2と3の間に形成される。この窓ガラス取付け要素は次にプラスチック成形体が取付けられるよう準備される。
【0038】
図1は4つの隅部がプラスチック成形体8によって被覆された窓ガラス取付け要素1を示す。プラスチック成形体8は全組立体を固定個所9により支持構造に機械的に固定できるようにする。このプラスチック成形体8を他の場所に置く、すなわち隅部でない個所に置くこともできる。
【0039】
図2は縁が点線20で示され全周縁がプラスチック成形体10で被覆された窓ガラス取付け要素1を示す。
【0040】
同様に、このプラスチック成形体10は全組立体を固定個所11により支持構造に機械的に固定できるようにする。隅部以外の固定個所もまた可能である。固定個所の数は取付け要素1の大きさと意図された用途の型式と所望の審美的な外観とによって決定される。
【0041】
プラスチック成形体8と10は好ましくは熱可塑性射出成形、反応射出成形又は押出しにより得られる。
【0042】
射出成形による付着の技術は多くの文献に記載されている。一般に、これら技術は取付け要素の縁の周りに、成形空洞を区画形成する2つの成形型の半体部によって形成された成形型を置くことからなる。この成形型を閉じた後、成形空洞はプラスチックで充たされる。型の内部に存在するプラスチックが変形しない成形体を形成した時、型が開かれこうして枠がつけられた取付け要素が型から取出される。
【0043】
反応射出成形による付着の技術において、プラスチックは、空洞の中で膨張しシールを提供する殻を有する多孔質の成形された本体を形成する。
【0044】
熱可塑性射出成形による付着の技術においては、型の空洞は比較的高い圧力のもとに溶融した熱可塑性樹脂で充たされる。
【0045】
押出しによる付着の技術はまた多くの文献に、例えばヨーロッパ特許第524,092号に記載されている。一般に、この技術は押出しノズルを取付け要素の周縁周りに動かしそこに連続又は不連続の形成された経路のプラスチック成形体を付着させるようにするロボットを用いることからなり、この押出しノズルには押出し器から圧力ホースを介してプラスチックが供給される。
【0046】
押出しによるこの付着技術はプラスチック成形体が一方の面のみを被覆する時が好ましく、この技術は表面の付着にとってより適している。さらにこの技術は各型式の窓ガラス取付け要素に適合するような型の製造を必要としない。
【0047】
この技術が用いられる限り、プラスチックの付着前に窓ガラス取付け要素の周縁周りに付着された接着促進剤を用いプラスチック成形体のガラスへの良好な接着を保証するのが有利である。
【0048】
接着促進剤として用いられるプライマーの組成物の選択はプラスチック成形体の性質に依存する。この組成物は例えばヨーロッパ特許第0,574,315号及びヨーロッパ特許第0,603,072号に記載された型式、すなわち少なくとも1つのシラン(水素化硅素)と遊離水酸基を有する被膜を形成することのできる組成物とに基づく型のものである。この型の組成物は例えばポリウレタンで形成されたような熱可塑性成形体にとって良好な結果をもたらす。
【0049】
図3は本発明の窓ガラス取付け要素の第1の実施態様を示している。この表示においては、窓ガラス取付け要素1がプラスチック成形体12によって2つの面の一方だけが被覆され、このプラスチック成形体12はガラス板3の周縁上に位置している。有利には、その厚さにおいて、この成形体12が例えばナットとボルトの装置のような固定要素の挿入を可能にする孔13を有し、この固定要素は窓ガラス取付け要素を成形体12により支持構造に固定できるようにする。
【0050】
図4は本発明の窓ガラス取付け要素の第2の実施態様を示す。この表示において、窓ガラス取付け要素1はその両方の面と薄い縁とがプラスチック成形体14によって被覆され、すなわち成形体14が窓ガラス取付け要素1の全周縁にわたって位置している。有利には、この成形体14は窓ガラス取付け要素の薄い縁の領域に材料の公差を有し、成形体のこの部分が穴あけされそれにより例えばナットボルト装置のような固定要素がその中に挿入され支持構造に固定できるようにする。
【0051】
図5は本発明の窓ガラス取付け要素の第3の実施態様を示す。この表示では、窓ガラス取付け要素1が窓ガラス取付け要素1の全ての縁にわたってプラスチック成形体16により被覆されている。有利には、この成形体16はスナップ固定装置の雌部材17を有し、対応の雄部材が、支持構造の一体部分を形成しこの部材17に係合する。この部材17はまた支持構造の一体部分を形成する対応の雌部材に係合するスナップ固定装置の雄部材とすることもできる。
【0052】
図6は本発明の窓ガラス取付け要素の第4の実施態様を示す。この表示によれば、窓ガラス取付け要素1は窓ガラス取付け要素1の全ての縁にわたってプラスチック成形体18により被覆される。この成形体18は一部がプラスチックの中に埋め込まれた金属インサート19が設けられており、このインサート19は固定手段と係合し窓ガラス取付け要素1を支持構造に固定できるようにする。例えば、金属インサート19はその頭部だけが成形体18の中に埋め込まれたボルトとすることができる。
【0053】
図7は本発明の窓ガラス取付け要素の第5の実施態様を示す。この表示では、窓ガラス取付け要素1は全周縁にわたってプラスチック成形体21によって被覆される。有利には、この成形体21は実質的に窓ガラス取付け要素1の平面上に突出部分22を有している。この突出部分22の端部はL字形の付加物23を有し、この付加物を以後固定突起と称し、そしてガラス板2の縁の覆いの近くに成形体21は以下シールリップと称するリップ24を有している。この型式の成形体21は特に重ね合わせ形式で取付けられたタイルの構造に適しており、この固定突起は屋根構造の棧に突き当たりまた成形体21はこの棧に釘止めされる。リップ24はこうしてその水平の重ね合わせ部の領域に固定された2つの窓ガラス取付け要素の間をシールすることができるようにする。
【0054】
本発明は上記の型式の実施態様に限定されず、限定しないように解釈されなければならず、周縁の少なくとも一部と2つの面の少なくとも一方とにプラスチック成形体が設けられた高い絶縁能力を有する全ての型の窓ガラス取付け要素を包含するものである。
【符号の説明】
【0055】
1 窓ガラス取付け要素
2,3 ガラス板
4 真空
5 取付け台
6 シール
7 被膜
8 プラスチック成形体
9 固定個所
10,12,14,16,18,21 プラスチック成形体
13 孔
19 インサート
22 突出部分
24 リップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空(4)が間に形成された少なくとも2つのガラス板(2,3)から構成された高い絶縁能力を有する窓ガラス取付け要素(1)であって、前記ガラス板が全表面にわたって分布された取付け台(5)によって相互に分離されかつ無機質のシール(6)により周縁の周りで相互に接合されている窓ガラス取付け要素において、前記窓ガラス取付け要素(1)の外面の少なくとも一部が少なくとも1つのプラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)によって被覆されていることを特徴とする窓ガラス取付け要素。
【請求項2】
前記窓ガラス取付け要素(1)の周縁の少なくとも一部が、少なくとも1つのプラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)によりその面の少なくとも一方が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項3】
前記プラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)が前記窓ガラス取付け要素(1)の薄い縁を被覆していることを特徴とする請求項1又は2に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項4】
前記プラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)が前記窓ガラス取付け要素(1)の両面を被覆していることを特徴とする請求項2又は3に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項5】
前記プラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)が熱可塑性射出成形又は反応射出成形により得られる過剰成形体であることを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項6】
前記プラスチック成形体(8,10,12,14,16,18,21)が押出し過剰成形による成形体であることを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項7】
前記プラスチック成形体(8,10,21)が前記窓ガラス取付け要素(1)の実質的に平面上に、固定装置の1つの要素を構成する突出部分(22)を有していることを特徴とする請求項1から6のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項8】
前記プラスチック成形体(8,10,21)の突出部分(22)が、前記窓ガラス取付け要素(1)の設置、取付け及び固定のうちの少なくとも1つのための突起、リム及びストッパのような突出部分(23)を有していることを特徴とする請求項7に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項9】
固定手段が係合する少なくとも1つのインサート(19)が前記プラスチック成形体(8,10,18)に埋め込まれていることを特徴とする請求項1から8のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項10】
前記窓ガラス取付け要素(1)が焼戻しガラス板(2,3)からなっていることを特徴とする請求項1から9のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項11】
ガラス板(2,3)の少なくとも一方が低放射率の被膜(7)を取付け台(5)と接触する面上に有していることを特徴とする請求項1から10のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素。
【請求項12】
請求項1から11のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素を屋根の構造に用いる方法。
【請求項13】
屋根が、前記窓ガラス取付け要素を前記プラスチック成形体の突出部分を介して釘止め、ボルト止め又はくさび止めにより固定することによって、構成されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から11のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素をビルのカーテンウォールの構造に用いる方法。
【請求項15】
請求項1から11のうちの1項に記載の窓ガラス取付け要素を周囲の室のドア又は壁の構造に用いる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−31644(P2010−31644A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256120(P2009−256120)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願平10−98785の分割
【原出願日】平成10年4月10日(1998.4.10)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】