説明

窓開閉検出装置

【課題】設置現場での簡単な操作によりマグネットまでの距離に応じた適正な磁力レベルの設定を可能とする。
【解決手段】遠近選択部は、高利得増幅回路54−1の出力信号から取得した磁力レベルが所定の遠近判定閾値以下の場合は高利得増幅回路54−1からの取込みを選択し、磁力レベルが遠近判定閾値を越えている場合は低利得増幅回路54−2からの取込みを選択する。登録処理部は、遠近選択部で選択された高利得増幅回路54−1または低利得増幅回路54−2による出力信号から取得した磁力レベルを不揮発メモリに初期登録し、磁力レベルから遠近選択に対応して異なる比率分低い錠判定閾値を算出して不揮発メモリに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の開閉状態を磁気検知素子を使用して検出する窓開閉検出装置に関する。

【背景技術】
【0002】
従来、窓の開閉を検出して警報する窓開閉監視装置が知られている。このような窓開閉監視装置にあっては、窓ガラスに配置したマグネットの磁力を磁気感知素子で検出し、検出磁力が低下したときに窓開閉と判断して警報を行う。
【0003】
また窓に設けたクレセント錠の開閉レバーに配置したマグネットの磁力を別の磁気感知素子で検出し、検出磁力が低下したときにクレセント錠の開放と判断して異常を警報させる監視装置もある。
【0004】
従来の窓開閉装置に使用される磁気感知素子は主に磁力の強弱に応じて接点を機械的にオン、オフするリードスイッチを使用していたが、近年にあっては、ホール効果を利用して磁力を検出するホールセンサが使用されている。
【0005】
ホールセンサを磁気感知素子として使用する場合、検出対象とするマグネットに近いほど強い磁力がホールセンサを通過することで高いセンサ出力が得られる。またホールセンサの検出信号は200〜300mVと微弱であることから、AD変換してプロセッサなどにより処理するため、増幅回路で増幅した信号を使用して窓の開閉を判断している。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−281636号公報
【特許文献2】特開2001−14990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、マグネットの磁力をホールセンサで検出する場合、クレセント錠の開閉レバーの長さや形状は様々で、また窓開閉監視装置が取り付けられる窓枠の位置にも制限があり、開閉レバーや窓に設けたマグネットと装置に内蔵したホールセンサとの距離が一定せず、マグネットからの磁力は距離の2乗に減衰して減少する関係にあるため、設置場所により磁力レベルが飽和したり、極端に低下する場合があり、開閉レバーに設けたマグネットによる磁力レベルからクレセント錠の解錠と施錠を正確に判定できる距離範囲が大きく制約されるという問題がある。
【0008】
この問題を解決するためには、設置現場で距離に応じた適切な磁力レベルが得られるように、例えば増幅回路の利得を調整することが考えられるが、そのようなことは設置現場に各種の測定器を持ち込んで1台1台調整することを意味し、現実的な解決方法とはいえず、実現性はない。
【0009】
本発明は、設置現場での簡単な操作によりマグネットまでの距離に応じた適正な磁力レベルの設定を可能とする窓開閉検出装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、監視対象に配置されたマグネットの磁気レベルの変化を検知して窓の状態を判定する窓開閉検出装置に於いて、
マグネットの磁気レベルを検出する磁気感知素子と、
磁気感知素子からの検出信号を複数の異なる利得から選択して増幅する増幅部と、
増幅部を高利得で増幅した出力信号から取得した磁力レベルが所定の遠近判定閾値以下の場合は高利得の増幅を選択し、磁力レベルが前記遠近判定閾値を超えている場合は選択した高利得よりも低利得を選択する遠近選択部と、
遠近選択部で選択された前記増幅部の利得で取得した磁力レベルから、所定比率の錠判定閾値を算出して登録する登録処理部と、
遠近選択部で選択された利得での増幅部から取得した磁気レベルと錠判定閾値との比較により解錠又は施錠を判定する施錠監視部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、錠判定閾値は、遠近選択部で選択される増幅部の利得が低くなるほど少ない比率に基づき磁力レベルから算出する。
【0012】
さらに算出した錠判定閾値が、窓開閉状態の監視に有効な磁力レベルにない場合には、有効な磁力レベルになるよう増幅部の利得を変更し、その利得における錠判定閾値を登録する。
【0013】
また、増幅回路は高利得増幅または低利得増幅を選択する利得選択部を備え、遠近選択部は、増幅回路の高利得の選択状態で得られた出力信号から取得した磁力レベルが所定の遠近判定閾値以下の場合は高利得を選択し、遠近判定閾値を越えている場合は低利得を選択するようにしても良い。
【0014】
登録処理部は、
高利得増幅の選択状態で磁力レベルを初期登録した場合は、磁力レベルより所定の第1比率分低いレベルを錠判定閾値として登録し、
低利得増幅の選択状態で磁力レベルを初期登録した場合は、磁力レベルより第1比率分より少ない第2比率分低いレベルを錠判定閾値として登録する。

【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設定時に高利得増幅により得られた磁気感知素子の検出信号から取得した磁力レベルを遠近判定閾値と比較し、磁力レベルが適正な範囲にあれば選択した高利得増幅を選択し、磁力レベルが高ければ低利得増幅を選択し、開閉レバーに配置したマグネットまでの距離に対応して適切な増幅利得が設定され、クレセント錠の解錠と施錠の判定を可能とする距離範囲を拡大することができる。
【0016】
また、マグネットまでの距離に対応して選択した適性な増幅利得により得られた磁力レベルを初期登録し、初期登録した磁力レベルに対し、遠近選択に対応して定めた異なる比率に基づき錠判定閾値を算出して登録することにより、異なる増幅利得による磁力レベルであっても、開閉レバーの操作による磁力レベルの変化に対し正確に窓の開閉状態やクレセントの解錠状態を判別することができる。

【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図
【図2】本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図
【図3】図1の設置状態におけるホールセンサとマグネットの関係を示した説明図
【図4】本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図
【図5】図4の施錠検出用ホールセンサの検出信号を増幅する増幅回路の実施形態を示した回路図
【図6】図4の施錠検出用ホールセンサの検出信号を増幅する増幅回路の他の実施形態を示した回路図
【図7】本実施形態におけるクレセント錠検出マグネットとホールセンサの関係を示した説明図
【図8】図4のAD変換ポートによる磁気レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図
【図9】本実施形態における施錠検出用ホールセンサの検出信号を異なる利得で増幅して取得した磁力レベルの距離に対する関係を示したグラフ図
【図10】図4で高増幅利得を選択した場合の距離に対する磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図11】図4で低増幅利得を選択した場合の距離に対する磁力レベルの関係を示したグラフ図
【図12】図4のプロセッサによる本実施形態の窓開閉検出処理を示したフローチャート
【図13】図12のステップS4におけるクレセント錠登録処理の詳細を示したフローチャート
【図14】図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャート
【図15】図12のステップS8におけるクレセント錠監視処理の詳細を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は本発明による窓開閉検出装置の設置状態を示した説明図である。図1において、本発明の窓開閉検出装置10は監視対象とする引き違い窓の窓サッシ12a,12bの縦枠に両面テープ又はビスなどにより固定される。
【0019】
窓開閉検出装置10の上側には、窓サッシ12a,12bを閉じた状態で、相対する位置に窓開閉検出マグネット14を両面テープで貼り付けており、窓開閉検出マグネット14からの磁力を内蔵した磁気検知素子としてホールセンサにより検出している。
【0020】
窓サッシ12a,12bを開くと、窓開閉検出マグネット14が窓開閉検出装置10から離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して窓開を示す検出信号を別途設置された監視盤に無線で送信して警報させる。
【0021】
また窓開閉検出装置10はその下端を窓サッシ12a,12bに設けている監視対象としてのクレセント錠16に近接するように配置し、クレセント錠16の開閉レバー18に貼り付けたクレセント錠検出マグネット20の磁力を下端側に内蔵した別のホールセンサで検出している。
【0022】
クレセント錠16は開閉レバー18を図示の垂直方向に回した操作位置で窓サッシ12a,12bを施錠しており、このときクレセント錠検出マグネット20は窓開閉検出装置10に最も近接してホールセンサで検出する磁力が最大となり、施錠状態を検出している。
【0023】
開閉レバー18を下側に回してクレセント錠16を開錠すると、クレセント錠検出マグネット20が離れることで磁力が低下し、この磁力の低下をホールセンサで検出して解錠状態を示す検出信号を監視盤に無線送信して警報させる。
【0024】
図2は本発明による窓開閉検出装置の実施形態を示した組立分解図である。図2において、本実施形態の窓開閉検出装置10は装置本体22とカバー部材24で構成され、カバー部材24は装置本体22に対し着脱自在であり、正面中央に表示窓57を設け、装置本体22の表示部の表示状態が見えるようにしている。
【0025】
装置本体22は、ボディケース36内に回路基板38を組み立てている。
【0026】
回路基板38の上部側にはセンサ基板45が起立され、ここに窓開閉検出用ホールセンサ46を配置している。また回路基板38の下端にはクレセント錠検出用ホールセンサ48が設置されている。
【0027】
図3は図1の設置状態における窓開閉出用ホールセンサとマグネットの関係を示した説明図であり、図3(A)に平面を示し、図3(B)に横方向から見た状態を示している。
【0028】
図3(A)に示すように、本実施形態の窓開閉検出装置10は内側に位置する窓サッシ12aの縦枠に両面テープ又はビスにより取り付けられ、窓開閉検出装置10の右側面に相対して窓サッシ12bのガラス面に窓開閉検出マグネット14を両面テープで接着している。
【0029】
窓開閉検出装置10に内蔵した窓開閉検出用ホールセンサ46は、図3(B)に示すように、窓開閉検出マグネット14に有効検出面を相対するようにセンサ基板45に実装しており、窓サッシ12a,12bを閉じた図示の状態で、装置側面からの距離dは最小となり、窓開閉検出マグネット14は破線で示す磁力線の方向に応じて例えばプラス極性で最大となる磁力レベルの検出信号を出力している。
【0030】
窓閉における最小距離dは、窓サッシの構造や窓開閉検出装置10の取り付け状態により変化するが、本実施形態にあっては、規定範囲内の距離に配置されたときの磁力レベルに対し窓閉の判定結果が効率よく得られるように、アンプ52による増幅率や判定閾値を設定している。
【0031】
この窓開閉を検出する窓判定閾値の設定は、製造工程の最終段階となる検査工程あるいは設置後の初期登録作業において、所定の距離に実際に組み合わせて使用する窓開閉検出マグネット14を配置した測定環境を使用した磁力レベルの登録処理を通じて行われ、この詳細は後の説明で明らかにする。
【0032】
なお、窓の構造によっては窓サッシ12bが内側となり、その縦枠に図3とは反対向きに窓開閉検出装置10が設置される場合もある。その場合は窓サッシ12aのガラス面に貼り付けた窓開閉検出マグネット14による磁力線は窓開閉検出用ホールセンサ46を左から右に通過して、図3(B)の場合とは逆方向となるため、窓開閉検出用ホールセンサ46からはマイナスとなる逆極性の磁力レベル検出信号が出力される。
【0033】
更に本実施形態にあっては、悪戯などにより窓開閉検出装置が動作しないように強力な磁石を近づける不正行為に対し、これを窓開と看做して判定する別の窓判定閾値が設定される。
【0034】
図4は本実施形態による窓開閉検出装置の回路構成を示したブロック図である。図4において、制御部として設けられたプロセッサ50はワンチップマイコンとして知られたコンピュータであり、1チップにCPU、ROM,RAM、AD変換ポート、各種の入出力ポートなどを備えており、本実施形態ではEEPROMなどの不揮発メモリ68を外付けしている。
【0035】
窓開閉検出用ホールセンサ46で検出した窓ガラスに設けた窓開閉検出マグネット14による磁力レベル検出信号は、増幅回路52で増幅された後にAD変換ポート70に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込まれる。
【0036】
また、施錠検出用ホールセンサ48で検出したクレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20による磁力レベル検出信号は高利得増幅回路54−1と低利得増幅回路54−2で各々異なる利得で増幅された後にAD変換ポート72−1,72−2に与えられ、デジタル変換した磁力レベル(AD変換値)をプロセッサ50に取り込まれる。
【0037】
プロセッサ50に対しては、表示部56、登録スイッチ60及び無線送信部66が設けられている。
【0038】
表示部56は赤色LED56aと緑色LED56bの2色LEDを設けており、例えば窓開や解錠などの異常検出で赤色LED56aを点灯し、その後の正常復帰で緑色LED56bを点灯して監視状態を表示する。
【0039】
登録スイッチ60は本実施形態の窓開閉検出装置10の使用開始時に行う施錠登録モードの設定に使用される。
【0040】
不揮発メモリ68には窓開閉検出用ホールセンサ46から取得した磁力レベルVs1と、磁力レベルVs1に基づいて求めた窓開閉検出の第1窓判定閾値TH1と、悪戯などによる強い磁石を近づけたときの磁力を検出する第2窓判定閾値TH2が記憶されている。
【0041】
また不揮発メモリ68には、窓開閉検出装置10を窓に設置した状態で行われるクレセント錠登録処理で施錠検出用ホールセンサ48から取得した磁力レベルVs2と、磁力レベルVs2に基づいて求めた錠開閉検出の錠判定閾値TH3が記憶されている。
【0042】
プロセッサ50にはCPUによるプログラムの実行により実現される機能として、窓開閉登録処理部74、遠近選択部76、施錠登録処理部78、窓開閉監視部80、施錠監視部82及び通信制御部84が設けられている。
【0043】
窓開閉登録処理部74は、登録モード時に、窓開閉検出装置10から所定距離離して配置した窓開閉検出マグネット14の磁力レベルVs1を窓開閉検出用ホールセンサで検出して不揮発メモリ68に初期登録し、初期登録した磁力レベルVs1に対し所定の比率だけ低いレベルを窓開閉の第1窓判定閾値TH1として不揮発メモリ68に登録する。
【0044】
更に、初期登録した磁力レベルVs1に対し通常ではあり得ない所定の比率だけ高いレベルを算出し、悪戯や悪意により強い磁石が近づけられたと異常判定するための第2窓判定閾値TH2として不揮発メモリ68に登録する。
【0045】
遠近選択部76は、登録スイッチ60の操作により登録モードを設定したときに動作する。登録モードの設定は、図1のように、窓開閉検出装置10、窓開閉検出マグネット14及びクレセント錠検出マグネット20の取り付け配置が完了した後、クレセント錠16の開閉レバー18を解錠位置に操作した状態とし、この状態で登録スイッチ60を操作すると、登録モードが設定され、登録処理が実行される。
【0046】
登録モードの設定で動作した遠近選択部76は、高利得増幅回路54−1の出力をAD変換ポート72−1で取り込んだ磁力レベルが所定の遠近判定閾値TH4以下の場合はAD変換ポート72−1から取り込みを選択し、磁力レベルが遠近判定閾値TH4を越えている場合は、高利得増幅回路では正常な開閉監視が不可能なことから利得の低い低利得増幅回路54−2の出力に対応したAD変換ポート72−2からの取り込みを選択する。
【0047】
施錠登録処理部78は、図1のように、窓開閉検出装置10、窓開閉検出マグネット14及びクレセント錠検出マグネット20の取り付け配置が完了した後、クレセント錠16の開閉レバー18を解錠位置に操作した状態とし、この状態で登録スイッチ60を操作すると、所定期間の登録モードが設定され、登録処理が実行される。
【0048】
登録モードが開始されるとクレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に操作してクレセント錠検出マグネット20を近づけた状態とする。
【0049】
施錠登録処理部74は登録モードの動作中は、所定周期で施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルを取得し、予め設定した所定の有効レベルと比較し、有効レベルである場合には、不揮発メモリ68に磁力レベルVs2として記憶する。
登録処理部74は、初期登録した磁力レベルVs2に対し、その時、遠近選択部76で選択している増幅利得に応じて異なる所定比率低い値を算出し、クレセント錠の施錠解錠を判断する錠判定閾値TH3として不揮発メモリ68に登録し、施錠監視部78によるクレセント錠の施錠監視を開始させる。
【0050】
錠判定閾値TH3の算出は、高利得増幅回路54−1を選択している場合は比率αを使用して
TH3=Vs2−α
を算出して設定し、また低利得増幅回路54−2を選択している場合は比率βを使用して
TH3=Vs2−β
を算出して設定する。
【0051】
窓開閉監視部80は窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第1窓判定閾値TH1と比較し、窓の開又は閉を判定し、判定結果を示す電文を無線送信部66から監視盤に送信して警報又は警報解除を行わせる。
【0052】
また、窓開閉監視部80は外部から強力な磁石を近づけることで磁力レベルが閾値以下としないようにして窓を開けるような所謂不正行為に対処するため、窓開閉検出用ホールセンサ46から得られた磁力レベルを不揮発メモリ68から読み出した第2窓判定閾値TH2と比較し、磁力レベルが第2窓判定閾値TH2を超えた時にも窓開と見做して窓開を示す電文を送信して警報を行う。
【0053】
なお、施錠及び解錠時の磁力レベルに基づき通常使用状態の磁力レベルの適正範囲を設定し、磁力レベルが適正範囲から上下に外れた場合には不正行為が発生したと判定するようにしても良い。つまり、適正使用範囲の上限値を施錠時の磁力レベルよりも所定比率分高い値に設定し、下限値を解錠時の初期登録レベルよりも所定比率小さい値に設定して、適正範囲内に磁力レベルがあるかを検出して不正行為を判定するようにしてもよい。これはクレセント錠側の磁力レベルの測定や窓開閉検出の磁力レベルの測定のいずれにおいても適用できる。
【0054】
施錠監視部82は施錠検出用ホールセンサ48から得られた磁力レベルを施錠登録処理部78により設定した錠判定閾値TH3と比較し、錠判定閾値TH3以下となった場合にクレセント錠の開と判断して錠開を示す電文を無線送信部66から監視盤に送信して警報させる。また、施錠監視部80は、錠開を検出した後に、錠閉に戻った場合にも、その旨の電文を監視盤に無線送信する。
【0055】
通信制御部84は窓開閉監視部80及び施錠監視部82の判断に基づく電文の送信に加え、一定時間間隔に定期通報の電文を送信させる。
【0056】
図5は図4の施錠検出用ホールセンサの検出信号を増幅する増幅回路の実施形態を示した回路図である。図5において、施錠検出用ホールセンサ48は4つの抵抗rをブリッジ接続した等価回路で表すことができ、磁場に応じた抵抗rの変化により、磁場の強さに応じて直線的に変化する出力電圧が得られる。
【0057】
出力電圧の極性は施錠検出用ホールセンサ48を通過する磁力線の方向により、磁場の増加に対し出力電圧が増加するプラス極性の出力電圧と、磁場の増加に対し出力電圧が減少するマイナス極性の出力電圧となる。
【0058】
なお、図5にあっては、施錠検出用ホールセンサ48に電池44から直接電池電圧Vccを供給しているが、電池電圧以下の電圧で定電圧駆動する場合には、抵抗分圧回路などで分圧した電圧を供給すれば良い。
【0059】
施錠検出用ホールセンサ48の出力電圧は高利得増幅回路54−1で増幅され、プロセッサ50のAD変換ポート72−1でサンプリングされてAD変換される。
【0060】
また、施錠検出用ホールセンサ48の出力電圧は同時に低利得増幅回路54−2で増幅され、プロセッサ50のAD変換ポート72−2でサンプリングされてAD変換される。
【0061】
高利得増幅回路54−1はオペアンプ90aと抵抗R1,R3,R5,R6によって差動増幅回路を構成し、高利得G1を設定する。また低利得増幅回路54−2はオペアンプ90bと抵抗R2,R4,R5,R6によって差動増幅回路を構成し、高利得G1よりも低い利得の低利得G2を設定する。
【0062】
ここで、R1=R3,R2=R4,R5=R6、R1<R2の関係にあり、高利得増幅回路54−1の高利得G1は
G1=R6/R1
となり、低利得増幅回路54−2の低利得G2は
G2=R6/R2
となる。
【0063】
図6は図4の施錠検出用ホールセンサの検出信号を増幅する増幅回路の他の実施形態を示した回路図であり、プロセッサ50からの制御により高利得G1と低利得G2を選択できるようにしたことを特徴とする。
【0064】
図6において、増幅回路54は差動増幅回路であり、オペアンプ90の入力側に利得選択回路92を設けており、スイッチ96aにより反転入力端子に対する抵抗R1,R2を切り替え、同時にスイッチ96bにより非反転入力端子に対する抵抗R3,R4を切り替えている。また非反転端子は抵抗R5を介して接地接続され、更に、出力端子と非反転入力端子との間の帰還回路の抵抗R6を接続している。
【0065】
ここで、R1=R3,R2=R4,R5=R6,R1<R2の関係にあり、スイッチ96a,96bを図示のa側に閉じたときの高利得G1は
G1=R6/R1
となり、またスイッチ96a,96bをb側に閉じたときの低利得G2は
G2=R6/R2
となる。
【0066】
図7は、本実施形態におけるクレセント錠検出マグネット48と施錠検出用ホールセンサ48の関係を示した説明図である。図7において、窓開閉検出装置10における装置本体22のクレセント錠側の端部には施錠検出用ホールセンサ48が配置され、その前方(下方)にカバー部材24に収納した円錐状の集磁体26を配置している。
【0067】
クレセント錠16の開閉レバー18に設けたクレセント錠検出マグネット20は、開閉レバー18の施錠状態で図示のカバー部材24の外端面から距離hに位置し、この施錠位置での距離hが最小距離となる。クレセント錠検出マグネット20からの磁束は集磁体26の大径入射面に入った後、反対側の小径出射面に収束されて施錠検出用ホールセンサ48を通過する。
【0068】
このようなクレセント錠検出マグネット20による磁束は施錠検出用ホールセンサ48で磁力に応じた電圧信号として検出され、増幅回路54で増幅した後にAD変換ポート72により磁力レベル(AD変換値)として読み込まれる。
【0069】
図8は図4のAD変換ポート72−1,72−2による磁気レベル検出信号のAD変換特性を示したグラフ図である。図7に示した施錠検出用ホールセンサ48は磁力線の通過方向によりプラス極性の磁気レベル検出信号とマイナス極性の磁気レベル検出信号を出力する。
【0070】
施錠検出用ホールセンサ48からの磁気レベル検出信号は、高利得増幅回路54−1の高利得G1又は低利得増幅回路54−2の低利得G2により増幅され、AD変換ポート72−1,72−2により磁力レベルデータに変換される。
【0071】
このAD変換ポート72−1,72−2の変換特性は、縦軸に示すように、10進AD変換値として0〜256の値を持ち、入力するプラス極性の磁気レベル検出信号0〜+VmaxをAD変換値128〜256に変換し、入力するマイナス極性の磁気レベル検出信号0〜−VmaxをAD変換値128〜0に変換する。
【0072】
図9は図7に示した装置端面からクレセント錠検出マグネット20までの距離hに対する施錠検出用ホールセンサ48で検出した磁力レベルの関係を示したグラフ図の一例であり、特性Aが高利得G1、特性Bが低利得G2を選択したときの測定結果である。
【0073】
なお、実際のAD変換ポート72の変換特性は図8のようになるが、図9にあっては、説明を簡単にするため、磁化レベル検出信号の極性に関らず、AD変換値を0〜128として示している。
【0074】
図4のプロセッサ50に設けた遠近選択部76にあっては、登録モードで動作したときは先に高利得G1を初期設定しており、このため特性Aに従ったAD変換値としての磁力レベルが得られる。
【0075】
遠近選択部76は遠近判定閾値TH4を設定しており、高利得G1の初期設定による増幅で得られた磁力レベルVsが遠近判定閾値TH4以下の範囲98であれば、マグネットまでの距離は遠めと判断して高利得G1を選択して、一方、磁力レベルVsが遠近判定閾値TH4を越えて範囲100であれば、マグネットまでの距離hは近いと判断して低利得G1を選択し、磁力レベルVsを範囲98内に入るように調整する。
【0076】
ここで、図8のゼロ点を与えるAD変換値の基準値として128±γ以外の範囲を有効監視範囲としており、このため図9におけるγ<Vs≦TH4の有効監視範囲98に磁力レベルがあるときに高利得G1を選択する。またTH4<Vs≦128の範囲100にあるとき低利得G2を選択して、磁力レベルVsが有効監視範囲98内に入るように調整する。
【0077】
この関係を図8のAD変換特性に適用すると、プラス極性の磁力レベル検出信号の場合、磁力レベルVsが有効監視範囲98−1で高利得G1を選択、範囲100−1で低利得G2を選択となり、マイナス極性の磁力レベル検出信号の場合、範囲98−2で高利得G1を選択、範囲100−2で低利得G2の選択となる。なお、利得G2に切り換えたときに、初期設定により測定した磁力レベルVsだけでなく、Vsから所定比率低い値を算出した施錠判定閾値TH3も有効監視範囲98内に入るように、利得G1とG2との切り換えタイミングを考慮して遠近判定閾値TH4を設定する。
【0078】
図10は遠近選択部76により高利得G1が選択された場合であり、図4のプロセッサ50に設けた施錠登録処理部78は、高利得G1の選択による増幅で例えばP点の磁力レベルVs2を取得したとすると、取得した磁力レベルVs2を不揮発メモリ68に初期登録する。
【0079】
続いて、初期登録した磁力レベルVs2から選択している高利得G1に対応した比率α分低い値として施錠判定閾値TH3を
TH3=Vs2−αVs2
として算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0080】
図11は、取得した磁力レベルVs2が図10において範囲100に入った時に、遠近選択部76により低利得G2が選択された場合であり、図4のプロセッサ50に設けたクレセント錠登録処理部78は、低利得G2の選択による増幅でQ点の磁力レベルVs2を取得したとすると、取得した磁力レベルVs2を不揮発メモリ68に初期登録する。
【0081】
続いて、初期登録した磁力レベルVs2から選択している低利得G2に対応した比率β分低い値として施錠判定閾値TH3を
TH3=Vs2−βVs2
として算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0082】
図12は図4のプロセッサによる本実施形態の監視処理を示したフローチャートである。なお、本フローチャートにおいては、本製品出荷前において窓開閉検出マグネット14を所定距離離して配置して磁力レベルVs1を測定して、第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2と共に不揮発メモリ68に予め設定した例を示すが、磁力レベルVs1、第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2も現場設置後に磁力レベルVs1の測定により算出して登録するようにしても良い。
【0083】
図12において、図3に示したような現場設置が済んだ状態で電源が投入されると、ステップS1で初期化処理と自己診断処理が実行され、異常がなければステップS2に進み、不揮発メモリ68に記憶されている窓開閉監視の磁力レベルVs1及び第1及び第2窓判定閾値TH1,TH2を含むデータを読み込む。
【0084】
続いてステップS3に進み、登録スイッチ60をオン操作することによって施錠監視登録モードの設定が判別されると、ステップS4に進んで、増幅利得の選択、施錠検出用ホールセンサ48による磁力レベルVs2の初期登録、及びクレセント錠16の施錠と解錠を検出するための錠判定閾値TH3の登録を含む施錠監視登録処理を実行する。
【0085】
続いてステップS5で例えば所定の監視周期への到達の有無を判定しており、監視周期への到達を判定するとステップS6に進んで電池44に対するローバッテリ監視処理を実行する。このとき電池電圧が規定電圧以下に低下していると、ローバッテリを示す電文を監視盤に無線送信して障害表示を行わせる。
【0086】
次にステップS7で窓開閉監視処理を実行し、窓開又は窓閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。更にステップS8でクレセント錠の開閉監視処理を実行し、錠開又はその後の錠閉を判定すると、その内容を示す電文を監視盤に送信する。続いてステップS9で定期通報時間経過かを判別し、経過を判別した場合にはステップS10に進み、定期通報電文を監視盤に送信する定期通報処理を行う。
【0087】
図13は図12のステップS4におけるクレセント錠登録処理の詳細を示したフローチャートである。図13において、まずステップS11で登録スイッチ60のオン操作を判別しており、磁力レベルの初期登録のため、開閉レバー18を解錠位置に操作してクレセント錠検出マグネット20を最大距離に設定し、登録スイッチ60を操作すると、登録スイッチオンが判別されてステップS12に進み、赤色LED56aを点滅し、ステップS13で登録モードをスタートする。
【0088】
登録モードがスタートすると、ステップS14でAD変換ポート72−1からの取り込みを選択することで高利得増幅回路54−1を選択する。続いて、ステップS15で所定の登録可能期間が経過したか否か判別しており、登録可能期間が経過するまでの間、ステップS16に進んで、高利得増幅の選択状態で磁力レベルVsを取得し、ステップS17で遠近判定閾値TH4以下か否か判別する。
【0089】
遠近判定閾値TH4以下であれば高利得選択状態を維持したままステップS19に進むが、遠近判定閾値TH4を超えていた場合は、ステップS18に進んでAD変換ポート72−2からの取込みを選択することで低利得増幅を選択し、選択後に磁力レベルを取得する。
【0090】
続いて、ステップS19に進み、取得した磁力レベルを予め設定した所定の有効レベルと比較し、有効レベルを超えていた場合には、ステップS20に進み、不揮発メモリ68に磁力レベルVs1として記憶する。
【0091】
続いてステップS21で高利得増幅回路54−1の選択の有無をチェックし、高利得選択回路54−1の選択であればステップS22に進み、初期登録した磁力レベルVs2から所定比率αだけ低い錠判定閾値TH3を算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0092】
またステップS21で低利得増幅回路54−2の選択を判別した場合はステップS23に進み、初期登録した磁力レベルVs2から所定比率βだけ低い錠判定閾値TH3を算出して不揮発メモリ68に登録する。
【0093】
不揮発メモリ68に磁力レベルVs2及び錠判定閾値TH3が登録されると、ステップS24で表示部56の緑色LED56bを点灯し、ステップS25で施錠監視部82によるクレセント錠の施錠監視を開始させる。
【0094】
一方、登録スイッチ60の操作により登録モードを設定している登録可能期間の間に、クレセント錠16の開閉レバー18を施錠位置に戻す操作を行わなかった場合には、ステップS19で有効レベルを超える磁力レベルが得られないために、ステップS15で有効登録期間の経過を判別したときにステップS26に進んで赤色LED56aを点滅から点灯に切り替えて初期登録の失敗を表示し、ステップS27で登録処理のエラー状態を登録すると共に、施錠監視処理部78によるクレセント錠の施錠監視を解除する。
【0095】
図14は図12のステップS7における窓開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0096】
図14において、まずステップS31で窓開閉検出用ホールセンサ46により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS32に進んで前回が窓開判定であることを判別すると、ステップS33に進んで第1窓判定閾値TH1と比較する。
【0097】
ステップS33で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1以下であればステップS34に進んで窓開判定とし、この場合、窓閉の判定状態から窓開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS35で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0098】
続いてステップS36で窓開判定の電文を監視盤に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS37で赤色LED56bを消灯する。
【0099】
一方、ステップS33で磁力レベルが第1窓判定閾値TH1を超えていた場合はステップS38で第2窓判定閾値TH2と比較し、第2窓判定閾値TH2以上の場合は、悪戯などにより強力な磁石を外から近づけたことによる磁力レベルの異常な増加と判断し、ステップS34に進んで窓開判定とし、ステップS35〜S37で赤色LED56aを窓開判定電文の無線送信が終了するまで点灯駆動する。
【0100】
また、ステップS32で前回が開判定であった場合には、ステップS39に進み、磁力レベルが第1窓判定閾値レベルTH1より大きく、第2窓判定閾値TH2より小さいときはステップS40に進んで窓閉判定を行う。
【0101】
続いてステップS41で施錠監視部82により現在クレセント錠の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS42に進んで緑色LED56aを選択する。一方、ステップS41で開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS43に進んで赤色LED56bを選択する。
【0102】
そしてステップS44に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS45で窓閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS46で点灯しているLEDを消灯する。
【0103】
図15は図12のステップS8におけるクレセント錠開閉監視処理の詳細を示したフローチャートである。
【0104】
図15において、まずステップS51で施錠検出用ホールセンサ48により検出された磁力レベルをAD変換値として取得し、ステップS52に進んで前回が錠閉判定であることを判別すると、ステップS53に進んで錠判定閾値TH3と比較する。
【0105】
ステップS53で磁力レベルが錠判定閾値TH3以下であればステップS54に進んで錠開判定とし、この場合、錠閉の判定状態から錠開の判定状態となる異常検出状態への変化であることから、ステップS55で赤色LED56aを点灯し、異常検出状態への状態変化を報知する。
【0106】
続いてステップS56で錠開判定の電文を監視盤に向けて無線送信し、無線送信が終了するとステップS57で赤色LED56bを消灯する。
【0107】
ステップS52で前回が開判定であった場合には、ステップS58に進み、磁力レベルが錠判定閾値レベルTH3より大きいときはステップS59に進んで錠閉判定を行う。
【0108】
続いてステップS60で窓開閉監視部78により現在窓の閉判定中か否か判別し、閉判定中であれば、窓閉で且つ錠閉となる正常監視状態に変化していることからステップS61に進んで緑色LED56aを選択する。
【0109】
一方、ステップS60で窓開判定中であれば、窓開で且つ錠閉となる異常検出状態にあることからステップS62に進んで赤色LED56bを選択する。
【0110】
そしてステップS63に進み、既に選択した赤色LED56a又は緑色LED56bを点灯してステップS64で錠閉の判定電文を無線送信し、送信が終了するとステップS65で点灯しているLEDを消灯する。
【0111】
また、上記の実施形態においては、クレセント錠の状態を検出する例を示しているが、窓開閉検出マグネットの検出においても適用でき、窓開閉検出装置10と窓開閉検出マグネット14の距離が設置状況に応じて異なることから、磁気レベルに応じて遠近判定を行い、最適な利得を選択して、利得に応じた開閉閾値の算出を行うようにしても良い。
【0112】
侵入者が別のマグネットを近づけて不正侵入することを検出する窓判定閾値TH2は測定した磁気レベルに基づいて算出するが、算出した窓判定閾値TH2が監視有効範囲98に入るように利得を選択する。窓判定閾値TH2は通常状態の施錠状態の磁気レベルVS1よりも高い値になり、窓判定閾値TH2が監視有効範囲98よりも越える場合にはより低い利得を選択して、各値VS1、TH1及びTH2が全て監視有効範囲98に入るようにする。
【0113】
侵入者による別のマグネットの不正接近を検出する判定閾値TH2は、クレセント錠16の状態検出においても採用してもよい。その場合も閾値TH2を含む全ての閾値TH3及び施錠状態の磁気レベルVS2が監視有効範囲98内に入るように利得を選択する。
【0114】
また、上記実施形態においては、利得の選択は高利得か低利得かの2種類を選択するが、これに限らず複数種の異なる利得を用意して、磁力レベル及び閾値が最適な範囲に入るよう選択するようにしても良い。上記実施形態での窓判定閾値TH2の算出は、低利得と高利得を選択した時で、磁気レベルから低下させる比率を異ならせて算出しているが、複数種の利得にした場合も同様に、利得が低くなるほど値を下げる比率を低くして算出するようにしても良い。
【0115】
また、本発明はその目的と利点を損なうことの無い適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。

【符号の説明】
【0116】
10:窓開閉検出装置
14:窓開閉検出マグネット
16:クレセント錠
20:クレセント錠検出マグネット
52,54:増幅回路
54−1:高利得増幅回路
54−2:低利得増幅回路
70,72−1,72−2:AD変換ポート
74:窓開閉登録処理部
76:遠近選択部
78:施錠登録処理部
80:窓開閉監視部
82:施錠監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象に配置されたマグネットの磁気レベルの変化を検知して窓の状態を判定する窓開閉検出装置に於いて、
前記マグネットの磁気レベルを検出する磁気感知素子と、
前記磁気感知素子からの検出信号を複数の異なる利得から選択して増幅する増幅部と、
前記増幅部を高利得で増幅した出力信号から取得した磁力レベルが所定の遠近判定閾値以下の場合は前記高利得の増幅を選択し、前記磁力レベルが前記遠近判定閾値を超えている場合は選択した高利得よりも低利得を選択する遠近選択部と、
前記遠近選択部で選択された前記増幅部の利得で取得した磁力レベルから、所定比率の錠判定閾値を算出して登録する登録処理部と、
前記遠近選択部で選択された利得での前記増幅部から取得した磁気レベルと前記錠判定閾値との比較により解錠又は施錠を判定する施錠監視部と、
を備えたことを特徴とする窓開閉検出装置。

【請求項2】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、
前記錠判定閾値は、前記遠近選択部で選択される前記増幅部の利得が低くなるほど少ない比率に基づき前記磁力レベルから算出することを特徴とする窓開閉検出装置。

【請求項3】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、
前記算出した錠判定閾値が、窓開閉状態の監視に有効な磁力レベルにない場合には、有効な磁力レベルになるよう前記増幅部の利得を変更し、変更した利得における錠判定閾値を登録することを特徴とする窓開閉検出装置。

【請求項4】
請求項1記載の窓開閉検出装置に於いて、
前記増幅回路は、高利得増幅または低利得増幅を選択する利得選択部を備え、
前記遠近選択部は、前記増幅回路の高利得の選択状態で得られた出力信号から取得した磁力レベルが所定の遠近判定閾値以下の場合は、前記高利得を選択し、前記遠近判定閾値を超えている場合は前記低利得を選択することを特徴とする窓開閉検出装置。

【請求項5】
請求項4記載の窓開閉検出装置に於いて、前記登録処理部は、
前記高利得増幅の選択状態で磁力レベルを初期登録した場合は、前記磁力レベルより所定の第1比率分低いレベルを錠判定閾値として登録し、
前記低利得増幅の選択状態で磁力レベルを初期登録した場合は、前記磁力レベルより前記第1比率分より少ない第2比率分低いレベルを錠判定閾値として登録することを特徴とする窓開閉検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−250575(P2010−250575A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99637(P2009−99637)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(591273269)株式会社サーキットデザイン (29)
【Fターム(参考)】