説明

立て置きサンダル

【課題】ベランダや庭先に置いたサンダルは、雨に濡れたり埃で汚れたり風で飛ばされたりする。雑巾で拭く、干す、あるいは収納ボックスやカバーケースを用いる等は面倒である。そこで本発明は、収納ボックスやカバーケースを用いることなしに、雨埃による濡れ汚れから未然に防ぐことができ、拭いたり干したりする手間がかからない、また、脱ぎ履きし易く履き心地の良い、立て置きサンダルを得ることにある。
【解決手段】サンダル片方の重さは120〜600gであり、かかと1後ろ部分2は平面又は平均を保つ突起を有し、重心位置は全長の10〜45%のかかと部分側に存在し、つま先は閉じることで、立て置きサンダルを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ベランダや庭先に置いて使うサンダルは、雨に濡れたり埃で汚れたり風で飛ばされたりする。その度に雑巾で拭く、干すあるいは収納ボックスやカバーケースを用いる等は面倒である。
本発明は、それを解決するためのベランダ・庭先用の立て置きサンダルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、雨で濡れたり埃で汚れたりしたサンダルは、雑巾で拭くか干す等して乾燥させていた。その度に雑巾で拭く、干すのは面倒である。
風で飛ばされたサンダルを裸足で取りに行くこともある。
あるいはサンダルを収納するボックスやカバーケースを用いる等して、未然に雨風埃から防ぐ方法があるが、収納ボックスやカバーケースは、場所をとるし面倒でもある。
【0003】
この他、靴底に水捌けの穴を設けることで、乾き易くしているサンダルもある。しかし、乾きが速いとはいえ、濡れた直後はそのまますぐに履くと足を濡らすことになる。
また、脱ぎ履きし易く履き心地の良い物は少ない。
【0004】
公知文献として、例えば特許文献1には、立てることができる履物が開示されている。しかしながら、特許文献1の履き物では、設置面積を少なくするという目的であるため、雨に濡れない、風で倒れない工夫は特にされていないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−86725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、収納ボックスやカバーケースを用いることなしに、雨埃によるサンダル中面の濡れや汚れを未然に防ぐことにより、拭いたり干したりする手間がかからない、また、脱ぎ履きしやすく履き心地の良い、立て置きサンダルを提供する事を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、サンダル片方の重さが120〜600gであり、かかとの後ろ部分が平面又は平均を保つ突起を有し、重心位置が全長の10〜45%のかかと部分側にあり、つま先が閉じたことを特徴とする立て置きサンダルである。
【0008】
まず、サンダル片方の重さについてであるが、サンダルを外に置いておいた場合風で飛ばされ難くなるように120g以上であることが必要である。サンダルの重さが600gを超えると履いた時重く感じるため600g以下であることが必要である。120gより軽いサンダルが多く出回っているが、軽すぎて脱ぎ履きのし辛さを感じることがある問題点がある。120g以上とすることで、足にまとわりつくことがない脱ぎ履きのし易さと履き心地の良さも得られる。
【0009】
かかと後ろ部分の形状については、平面に限らず、例えば4点以上の丸型出っ張りがあるもの、面全体が波型に凸凹しているもの、線状に出っ張りのあるもの等の他、平均を保つことができる突起を有するものであれば可能である。
【0010】
サンダルの重心位置は全長の10〜45%のかかと部分側にあることが必要である。
重心位置の測定方法は、割り箸様の棒を地面と平行になるように浮かせて固定し、その上にサンダルを底面全長の中央が棒と直角になるように置く。そして、サンダルが落ちないようにつま先側あるいはかかと側にサンダルをずらしながら、バランスのとれる位置を測定する方法で決定する。
【0011】
一般のサンダルの多くは、重心位置はサンダル全長の50%前後の位置にある。しかし、この重心位置のサンダルを立てて置いた場合、安定性に欠け風で倒れ易い問題点がある。重心位置がかかと部分後ろ側に寄るほど、サンダルを立てて置いた場合重心が下方にあるということで、安定性が増して倒れ難くなる。だが、あまりにかかと部分後ろ側に寄ってしまうと、歩く時サンダルを引きずることになる。
サンダルを立てて置く際の安定性が得られ、かつサンダルを履いて歩き難いと感じることがないのは、重心位置が全長の10〜45%の範囲内のかかと部分側に存在する時である。
【0012】
かかと部分側に重心位置を存在させるためには、かかと部分を重いゴム製にするのが良い。ゴム製であれば地面との当たりも良く、履き心地の面で最適である。
また他に、かかと部分内部に金属を埋め込む方法であってもよい。金属としては、比重とコスト面からみて、鉛・鉄・銅が好ましい。
【0013】
本発明の立て置きサンダルの場合、雨埃によるサンダル中面の濡れや汚れを未然に防ぐためには、つま先部は閉じている必要がある。
本発明の具体的形態について説明すると、
1.かかと1は、ある程度の高さがある。4〜6cmが適切である。
2.後ろ部分2は、平面又は図3で示す一例のように平均を保つ突起を有する。
3.サンダル底面と後ろ部分との角度4は、サンダルのデザインにより異なって
くるが、サンダルを立てた際に最もバランス良く保たれる角度に決められ、それは 80〜100度の範囲内にある。
4.図1に示すように、左右のサンダルを合わせ揃えた時、左右のかかと内側の角部3同 士が接する。この時、後ろ部分2が左右揃って一直線になるようにかかと内側の角部 の角度5は決められ、それは75〜90度の範囲内にある。
5.つま先部は閉じている。
6.サンダル片方の重さは120〜600gで、その重心位置が全長の10〜45%のか かと部分側に存在する。
という形態が好ましい。
【0014】
また、左右のサンダルを片手で同時に持ち上げるのが一般的であるが、図1に示すように、左右のサンダルのかかと内側の角部3同士が接することで安定し、さらに後ろ部分2は左右が揃って平らになるので、立てて置くという動作が容易になる。
サンダルを立てて置く際は、図4に示すように、雨風埃のくる方向にサンダル底面を向ける。これにより、サンダル中面が濡れたり汚れたりすることがなくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、サンダルを安定良く立てることが可能になり、サンダル自体を立てて置くことにより、収納ボックスやカバーケースを用いることなしに、雨埃によるサンダル中面の濡れや汚れを未然に防ぐことができる。そのため、雑巾で拭く、干す等の面倒がなくなり、サンダルを履きたい時にいつでもすぐに気持ち良く履くことができる。また、脱ぎ履きし易く、履き心地が良いという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の左右のサンダルを揃えて立てたところを正面から見た説明図である。
【図2】本発明の左サンダルを外側横から見た外観図である。
【図3】本発明の左サンダルかかと後ろ部分に突起4つある場合の図である。
【図4】本発明のサンダルを降雨時に立てて置いた際にサンダル中面が濡れないことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明を実施例でもって説明する。
【実施例1】
【0018】
実施例1として本発明の立て置きサンダルの構成例を示す。
サンダルの全長は25cm。かかと部分はゴム製で300gあり、かかとの高さは4.8cm、かかと後ろ部分は平面である。片方の重さは510g。重心位置は全長の32%のかかと部分側に存在する。つま先は閉じている。
【0019】
このサンダルを半年間ベランダに立てて置いておいた結果、震度5でも倒れることがなく、強風で飛ばされることもなかった。雨風でサンダル中面が濡れたり汚れたりすることがなく、そのため雑巾で拭いたり干したりの面倒はなかった。また履いた場合も、ゴム製のかかとの重さで、足元が安定し履き心地が良い。
【実施例2】
【0020】
実施例2として本発明の立て置きサンダルの構成例を示す。
サンダルの全長は25cm。かかと部分を含みサンダル全体が軽量なEVA素材である。かかとの高さは4.5cm、かかと後ろ部分は平面である。かかと部分の内部に鉄板200gを埋め込み、片方の重さは295gになる。重心位置は全長の20%のかかと部分側に存在する。つま先は閉じている。
【0021】
サンダル全体がEVA素材で軽量のため、そのままでは、立てて置くことはとても不安定で難しく風にも飛ばされてしまう。しかし、かかと部分内部に鉄板を埋め込んで重さを付け、その重心位置を全長の20%のかかと部分側という、立てて置いた場合の下方に存在させることで、倒れにくい安定感が得られる。また、この重さがあることで、脱ぎ履きしやすいという効果が得られた。
【0022】
[比較例]
実施例2のサンダルから鉄板を入れないサンダルを試作して、設置、着用した。このサンダルは風ですぐに倒れる欠点があり、かつサンダルが足にまとわりついて脱ぎ履きしにくかった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のサンダルは、一般家庭等において、倒れにくいサンダルとして利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 かかと
2 後ろ部分
3 かかと内側の角部
4 サンダル底面と後ろ部分との角度
5 かかと内側の角部の角度


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンダル片方の重さが120〜600gであり、かかとの後ろ部分が平面又は平均を保つ突起を有し、重心位置が全長の10〜45%のかかと部分側にあり、つま先が閉じたことを特徴とする立て置きサンダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−90919(P2013−90919A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220154(P2012−220154)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(511258950)
【Fターム(参考)】